JP2005291937A - 慣性センサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の慣性センサ素子は、音叉脚部を屈曲振動させる際に音叉脚部の振動を音叉基部で十分に減衰させることができず、支持部へと伝播していた。そのため、慣性センサ素子を組立る前後で、温度特性、振動漏れ等の特性が大きく変動するため、音叉脚部から支持部への振動の伝播を改善することを目的とする。
【解決手段】 課題を解決するために本発明は、少なくとも複数の脚部と音叉基部と支持部を有している圧電材料から構成された慣性センサ素子であって、前記音叉基部に溝を備えた慣性センサ素子において、X軸方向には複数の脚部の外側と外側との距離に対して0.3倍以上となる寸法で、Y軸方向には音叉基部のY軸方向寸法の0.3倍以下となる寸法の貫通穴または溝を備えることにより課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、航空機、船舶、自動車などの姿勢制御や位置検出などに用いる慣性センサに関するものである。
慣性センサには様々な種類があるが、組み込むために薄く小型にし、かつ軽量にするという要求を満たすものとして、振動型の角速度センサがある。従来よりある振動型の慣性センサは、四角柱を振動させて回転に伴って働くコリオリの力を検出するものである。
このような従来の慣性センサとして、図2に示すように、音叉型振動子を用いたものがある(特許文献1)。
従来よりある慣性センサに用いる圧電振動子は、図2(a)の斜視図に示すように、2本の音叉脚201,202、音叉基部203と支持部204を備えている。図2(b)は、図2(a)の脚部上に示した1点鎖線の断面図である。また音叉脚201,202には、図2(b)の断面図に示すように、電極211,212,213,214および電極221,222,223,224を備えている。なお、図2(a)では電極を省略している。
音叉脚201においては、電極211と電極213が音叉脚201を挟んで対向配置され、電極212と電極214が音叉脚201を挟んで対向配置されている。また、電極211と電極212は同一面に形成され、電極213と電極214も同一面に形成されている。
また、図9(b)に模式的に示すように、音叉脚201においては、電極211と電極214が同極とされ、電極212と電極213とは異極とされている。
一方、音叉脚202においては、音叉脚202の4つの側面の各々に、電極221,222,223,224が設けられ、電極221と電極222とが音叉脚202を挟んで対向配置され、電極223と電極224とは異極とされている。
以上に示したように構成された音叉型振動子による慣性センサにおいて、音叉脚202は振動子励振部となり、端子E3、E4が振動子励振端子となる。また、音叉脚201は角速度検出部であり、端子E1、E2が角速度検出端子となる。
ここで、端子E3に正、端子E4に負となるように直流電圧を印加すると、電解は矢印のように働き、音叉脚202に示す電解成分の向きが反対となり、音叉脚は曲げを生じる。従って、端子E3、E4に交流電圧を印加すると、音叉脚201、202はX−Y平面内で屈曲振動をする。
この状態で、Y軸の回りに回転運動を発生させて角速度を発生させると、X−Y平面に垂直となるZ軸方向に、角速度に比例したコリオリの力が発生し、Z軸方向の成分を持った屈曲振動を引き起こす。このときに音叉脚201に発生するZ軸方向に応じた電荷のみを、電極211,212,213,214に誘電すれば、角速度検出端子E1,E2より角速度の大きさを検出することが可能となる。
特開平10−197253号公報 特開昭61−50031号公報
しかしながら、慣性センサ素子の小型化に伴って、音叉基部の寸法も縮小されるため、音叉脚部から支持部へ伝播する振動を音叉基部で十分に減衰させることができなくなる。そのため慣性センサ素子を支持部を介して組立るとき、組立によって歪みを生じてしまい、慣性センサ素子を組立てる前後で振動漏れ、0点ドリフト等の特性が大きく変動してしまう。
本発明は、少なくとも複数の脚部、音叉基部、支持部を有している圧電材料から構成された慣性センサ素子であって、前記音叉基部に溝を備えた慣性センサ素子の前記音叉基部の貫通穴または溝である開口部分を形成し、前記開口部分の寸法はX軸方向の寸法Whを対向している2つの脚部の各々の脚部外側間の距離Wfに対して0.3倍以上であり、Y軸方向の寸法Lhを、支持部を除いた音叉基部のY軸方向の距離L2に対して0.3倍以下の支持部を除いた音叉基部中心に備えるものである。
この慣性センサでは音叉基部に貫通穴または溝を備えることで、音叉脚部から支持部へ伝播する振動を著しく小さくする事が可能である。特にY軸方向成分の振動とZ軸方向成分の振動に対しては大きい効果がある。音叉基部に貫通穴を備えた今回の発明の構造と、従来の貫通穴または溝を備えていない構造のものとを比較した場合、今回の発明の構造は、従来のものの1/10程度まで音叉脚部から支持部へ伝播する振動を小さくすることができた。
そのため、慣性センサ素子を組立てる前後で、振動漏れ、0点ドリフト等の特性の変動量を従来のものより著しく小さくすることが出来る。
また、音叉基部を大きくしなくても、十分に音叉脚部から支持部へ伝播する振動を抑えられるため、素子の小型化にも効果がある。
少なくとも複数の脚部、音叉基部、支持部を有している圧電材料から構成された慣性センサ素子であって、前記音叉基部に溝を備えた慣性センサ素子において、
前記音叉基部の貫通穴または溝は、貫通穴の開口寸法はX軸方向の寸法Whを対向している2つの脚部の各々の脚部外側間の距離Wfに対して0.3倍以上であり、Y軸方向の寸法Lhを、支持部を除いた音叉基部のY軸方向の距離L2に対して0.3倍以下、開口位置を支持部を除いた音叉基部中心となるような貫通穴を備える慣性センサ素子である。
図1は、本発明の実施の形態における慣性センサの構成例を示す斜視図(a)および脚部の断面を示す断面図(b)である。図1(b)は、図1(a)の脚部上に示した1点鎖線の断面図である。この慣性センサは水晶からなり、2本の音叉脚部101,102を備えた音叉型振動子である。音叉脚部101,102の寸法Wxは0.38mm、Z軸方向の寸法Wzは0.45mm、Y軸方向の長さL1は4.7mmであり、音叉基部103、支持部104を含めた全体の長さは6.5mmである。音叉基部のY軸方向の長さL2は1.2mmである。
また貫通穴130のX軸方向の寸法Whは1.2mm、Y軸方向の寸法Lhは0.2mmである。また、音叉脚部付け根と貫通穴の中心とのY軸方向の距離Dhを0.6mmとした。音叉脚部101において、電極111,114は同極とされて、端子E1,E2に接続されている。また、電極112,113が同極とされ、端子E2に接続されている。
一方、音叉脚部102において、電極121,122は同極とされ、端子E3に接続されている。また、電極123,124は同極とされ、端子E4に接続されている。
以上に示したように構成された音叉型振動子による慣性センサにおいて、音叉脚102は振動子励振部となり、電極121,122と電極123,124とが振動子励振電極となる。また、音叉脚101は角速度検出部であり、電極111,114と電極112,113とが角速度検出電極となる。なお、図1におけるXYZの直交座標系において、X軸は慣性センサを構成する水晶の電気軸を示し、Y軸は機械軸、Z軸は光軸である。
ところで水晶などの圧電材料は、圧電−逆圧電効果を有している。本実施の形態の慣性センサにおいても、適正に構成された電極を介して電気軸に平行に電解をかけると、機械軸に平行に歪(伸あるいは縮)が発生する(逆圧電効果)。これに対し、外部から機械的な外力歪(この場合はコリオリの力による歪)が、本慣性センサに印加されると、歪んだ部分に大きさに比例した電荷が発生する(圧電効果)。この電荷が発生する箇所に適正に構成された電極を配すると、発生した電荷を有効に集める事が可能となる。
ここで、電極121,122に正、電極123,124に負となるように直流電圧を印加すると、音叉脚はX軸方向に曲げを生じる。従って、電極121,122と電極123,124との間に交流電圧を印加すると、音叉脚101,102はX−Y平面で屈曲振動を起こす(励振する)。
この状態で、Y軸の回りに回転運動を発生させると、X−Y平面に垂直となるZ軸方向に、角速度に比例したコリオリの力が発生し、Z軸方向の成分を持った屈曲振動を引き起こす。この屈曲振動により、音叉脚101には、圧電効果により電荷が発生し、これが角速度検出電極である電極111,114と電極112,113により検出され端子E1,E2より出力される。発生する電荷は、発生させた回転運動の角速度に比例した量となるので、角速度検出電極により検出される電気信号で角速度の大きさを求めることができる。また、上記電荷の極性と励振信号の極性と励振信号との位相を比較することで、角速度の方向も検知することが可能となる。
以上のように構成された図1に示す慣性センサ素子によれば、音叉脚部にて生じたX,Y,Zそれぞれの軸方向に生じた振動を音叉基部に備えた貫通穴または溝で減衰させることにより、音叉基部から支持部への振動の伝播を著しく小さくすることができる。
ここで、貫通穴のX軸方向の寸法、Y軸方向の寸法、挿入位置と支持部での振動変位の関係について考察した結果を以下に示す。
図3,図4には、2つの脚部各々の脚部外側間の距離をWf、貫通穴のX軸方向の寸法をWhとした場合、横軸をWh/Wfとして貫通穴のX軸方向の寸法Whを変化させたとき、図1中A点、B点の振動変位の変化を示し、図5,図6には支持部を除いた音叉基部のY軸方向の寸法をL2、貫通穴のY軸方向の寸法をLhとした場合、横軸をLh/L2として貫通穴のY軸方向の寸法Lhを変化させたとき、A点,B点の振動変位の変化を示し、図7,図8には音叉脚部付け根と貫通穴中心とのY軸方向の距離をDhとした場合、横軸をDh/L2として貫通穴の挿入位置Dhを変化させたとき、A点,B点の振動変位の変化を示した。なお、図3〜図8のY軸は貫通穴または溝のない状態の振動変位を1としたとき、各々数値で示す割合で示したものである。
図3,図4よりA,B点の振動変位は、Wh=(0.8〜0.9)×Wfとなるとき音叉脚部から支持部へ伝播する波は最小になり、Wh > 0.3×Wfとなる場合は、貫通穴または溝がないモデルよりも音叉脚部から支持部へ伝播する振動は小さくなる。また図中2つの曲線が存在するのは、音叉脚のスリット幅、音叉基部の大きさ等の寸法がそれぞれ異なるものを比較したためである。
図5,図6より貫通穴のY軸方向の寸法を変化させた場合のA,B点の振動変位はLhが約0.15×L2となるとき音叉脚部から支持部へ伝播する波は最小となり、Lh < 0.3×L2となるとき、貫通穴または溝のないモデルよりも小さくなる。
図7,図8より貫通穴の音叉基部への挿入位置をY軸方向に変化させた場合のA,B点の振動変位は、支持部を除いた音叉基部の中心部分に貫通穴を備えた場合が音叉脚部から支持部へ伝播する波は最小となり、Dh=(0.3〜0.7)×L2となる位置に貫通穴を挿入した場合、貫通穴または溝が無いものよりも小さくなる。
図3〜図8のように、貫通穴もしくは溝の最適な寸法と挿入位置を決めることで、音叉脚部から伝播する支持部への振動を著しく小さく抑えることが可能である。そのため、組立後の0点ドリフト、振動漏れ等の特性変化を従来のものと比較すると著しく小さくすることができる。この結果、本実施の形態により従来より高い精度で角速度を検出できるようになる。
また上述した実施の形態では、水晶を用いるようにしたがこれに限るものではなく、ニオブ酸リチウムの結晶や、圧電セラミックなど、他の圧電材料を用いるようにしても良い。
ビデオカメラの画像補正用、航空機、船舶、自動車などの姿勢制御、位置検出などに用いられる角速度センサとしてだけではなく、加速度と角速度の測定が可能な慣性センサへの応用、または2軸あるいは3軸の角速度の測定が可能な慣性センサにも応用することができる。
この発明の実施の形態における慣性センサ素子の構成例を示す斜視図(a)、および脚部の断面図(b)である。 従来よりある慣性センサ素子の構成例を示す斜視図(a)、および脚部の断面を示す断面図(b)である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴をX軸方向に寸法を変化させたときに生じる支持部中央部(図1中A点)での振動変位の変化を示す特性図である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴をX軸方向に寸法を変化させたときに生じる支持部端部(図1中B点)での振動変位の変化を示す特性図である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴をY軸方向に寸法を変化させたときに生じる支持部中央部(図1中A点)での振動変位の変化を示す特性図である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴をY軸方向に寸法を変化させたときに生じる支持部端部(図1中B点)での振動変位の変化を示す特性図である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴の挿入位置をY軸方向に変化させたときに生じる支持部中央部(図1中A点)での振動変位の変化を示す特性図である。 本発明による慣性センサ素子の貫通穴の挿入位置をY軸方向に変化させたときに生じる支持部端部(図1中B点)での振動変位の変化を示す特性図である。
符号の説明
101,102・・・音叉脚
103 ・・・・音叉基部
104 ・・・・支持部
111,112,113,114 ・・・・角速度検出電極
121,122,123,124 ・・振動子励振電極
130 ・・・・・貫通穴
E1,E2 ・・・角速度検出端子
E3,E4 ・・・振動子励振端子
201,202 ・・音叉脚
203 ・・・・音叉基部
204 ・・・・・支持部
211,212,213,214 ・・・・角速度検出電極
221,222,223,224 ・・・振動子励振電極

Claims (2)

  1. 少なくとも複数の脚部、音叉基部、支持部を有している圧電材料から構成された慣性センサ素子であって、前記音叉基部に貫通穴または溝を備えた慣性センサ素子において、
    前記貫通穴または溝の寸法はX軸方向の寸法Whを対向している2つの脚部の各々の脚部外側間の距離Wfに対して0.3倍以上であり、Y軸方向の寸法Lhは、支持部を除いた音叉基部のY軸方向の距離L2に対して0.3倍以下であることを特徴とする慣性センサ素子。
  2. 請求項1に記載の慣性センサ素子において、
    前記貫通穴または溝の音叉基部への開口位置を、音叉付け根から貫通穴または溝の中心までのY軸方向の距離Dhが支持部を除いた音叉基部のY軸方向寸法L2に対して、0.3から0.7倍となることを特徴とする慣性センサ素子。

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