JP2005292022A - 参照電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安価で製造しやすく、かつ高性能な電気化学測定用参照電、および前記参照電極を備えた電気化学センサの製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を持つ電気化学測定用電極アレイにおける参照電極の製造方法であって、前記参照電極は、導電性パターンの参照電極部位上に銀ペーストを塗布し、次亜塩素酸による処理で表面を塩化銀化させることにより製造される。本発明はさらに、前記方法で製造される参照電極および前記参照電極を備えた電気化学測定デバイスを提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気化学測定に用いる参照電極の製造方法、およびバイオセンサなどの電気化学センサの製造方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法によって得られる参照電極、及び本発明の参照電極を備えた電気化学測定デバイスに関する。
電極を検出する素子として、被測定物質により電極界面で起こる電流変化あるいは電位変化を検知する電気化学センサは、現在では様々な分野に応用され、実用化に至っている。特に近年では、小型・マルチ化が容易であるという理由から、生体中に存在するタンパク質や酵素、低分子複合体などの物質を測定するバイオセンサとしての需要が高まってきている。電気化学センサでは、通常、絶縁基板上に作用極、対極、参照電極などの電極が形成される。電位検出の場合は、作用極と参照電極との電位差を測定し、電流検出の場合は、作用極と参照電極との電位差を外部回路によって一定とし、そのときに作用極と対極との間に流れる電流を測定する。このように参照電極は、電位を印加する場合、もしくは電位を測定する場合などの基準となる電極であって、電気化学センサとして欠かすことのできない電極である。電気化学測定においては、参照電極は標準水素電極を基準としているが、水素ガスを使用するなど取り扱いが厄介なので、電気化学センサなどでは、一般に銀塩化銀電極を参照電極として使用している。
従来の参照電極の製造方法しては、金や白金などで形成された電極パターンの参照電極部位上に、ジシアノ銀(I)酸イオン等を含むメッキ液中で、白金電極に対し−1.0V程度を印加することによって所定の部位に銀メッキを施し、さらに3MのNaCl中で+1.2V程度の電圧を印加して表面を塩化銀化するものがあった。しかしながら、この方法では、製造工程が複雑となるばかりでなく、メッキ液の処理などの問題もあり、低コスト化や量産化が困難であった。
これらの欠点を克服する方法として、銀塩化銀ペースト材料で電極本体を構成するものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、銀の脱脂洗浄や、塩化銀処理、洗浄・乾燥工程などを省略し、低コスト化を図ることを目的としている。しかしながら、銀塩化銀ペースト自体のコストがかかり、また電極自体を銀塩化銀ペーストを印刷することによって構成しているため、微細な電極パターンを得ることが難しく、またパターンが細くなれば抵抗が高くなるという問題があった。
特開2001−242115号公報
このように、従来の電気化学センサにおいて、低コスト、かつ信頼の高い参照電極の製造方法は確立されておらず、センサの小型化、低コスト化の課題の一つとなっていた。そこで本発明は上記の問題点に鑑み、安価で製造しやすく、かつ高性能な参照電極を備えた電気化学センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明は少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を持つ電気化学測定用電極アレイにおける参照電極の製造方法であって、絶縁基板上に参照電極を含む導電性パターンを形成する工程と、前記導電性パターンの参照電極部位上に銀を含む複合体を形成する工程と、前記銀を含む複合体を塩化銀化する工程とを含むことを特徴とする、参照電極の製造方法を提供する。
本発明はさらに、サンプルおよび試薬が注入される穴部と、前記サンプルおよび試薬が移動可能な流路部と、少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を有する電極アレイを有する検出部とで構成された電気化学測定デバイスの製造方法において、前記検出部における参照電極が上記本発明の方法で製造されることを特徴とする、電気化学測定デバイスの製造方法を提供する。
本発明はまた、少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を持つ電気化学測定用電極アレイに用いられる参照電極であって、参照電極が銀を含む複合体で形成されており、その表面が塩化銀化されている、電気化学測定用参照電極を提供する。本発明の参照電極は上記方法で調製することができる。
本発明はさらに、サンプルおよび試薬が注入される穴部と、前記サンプルおよび試薬が移動可能な流路部と、少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を有する電極アレイを有する検出部とで構成された電気化学測定デバイスにおいて、参照電極が銀を含む複合体で形成されており、その表面が塩化銀されているものであることを特徴とする、電気化学測定デバイスを提供する。本発明はさらに、本発明の電気化学測定デバイスを備えた、サンプル中に含まれる物質を電気化学的に測定する電気化学センサを提供する。本発明のセンサは、測定対象物質が生体由来物質であるバイオセンサとして好適に用いることができる。
本発明によれば、安価で製造しやすく、かつ高性能な参照電極を備えた電気化学センサ、およびその製造方法を提供することができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施の形態を示す工程図である。
工程1は、絶縁基板上への導電性パターンの形成である。絶縁基板上への導電性パターンの形成方法としては、例えば絶縁基板1上への導電性材料の印刷、導電性材料のスパッタリングもしくは蒸着後のエッチングもしくはレーザーによる除去加工、マスクを用いた電極パターンの直接スパッタリング、等が考えられる。図2は、電極を含む導電性パターンが形成された電極基板である。絶縁基板1上には、作用極2、対極3、参照電極4が形成されている。それぞれの電極は、金、白金、パラジウムなどの貴金属やカーボンなどから選択することが可能であるが、表面状態の安定性などの観点から金を選択することが望ましい。各電極は、導電性パターン5によって、外部回路との接続部分である端子部6と電気的に結合されている。導電性パターン5および端子部6もまた、電極部分と同様の材料で形成されることが、製造工程から見ても望ましい。絶縁基板1としては、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス、セラミック、樹脂等を選択することができるが、ディスポーザブルのバイオセンサとしての用途を考えると、加工のしやすさやコスト面から考えて、樹脂材料を選択することが望ましい。樹脂材料としては、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)などを選択することができる。中でも、スパッタリングによる金電極形成の場合は、金との密着性の観点等から、ポリエチレンテレフタレートを選択することが好ましい。
電極基板は、このままでも使用可能であるが、図3に示すように、電極部分の面積の規定および導電性パターン5の絶縁・保護の観点から、絶縁膜21でコーティングされていてもよい。絶縁膜21としては、たとえばポリイミド等の樹脂材料薄膜をもちいることが可能である。
工程2は、絶縁基板上に形成された参照電極部位への銀を含む複合体の形成である。図4は、電極を含む導電性パターンが形成された電極基板において、参照電極部位の表面に銀を含む複合体が形成された電極基板である。参照電極4上には、銀を含む複合体31が被覆されている。銀を含む複合体31は、銀を含みかつ導電性を持ち、参照電極4との接着性がよく、さらに水や有機溶媒など測定サンプルと反応しない材料であることが好ましい。このような銀を含む複合体31として、樹脂材料中に銀粒子が分散された銀ペーストを挙げることができる。
銀ペースト中に含まれる銀粒子の粒子径は、通常使用されている0.5〜20μm程度であれば特に限定されるものではない。また、近年においては、粒子径が5〜10nmの銀ナノ粒子を用いた銀ペーストも開発されているが、このようなナノ粒子ペーストの使用も特に制限されない。
銀ペースト中の銀粒子の含有率は50〜95%程度であるのが好適である。残りの含有成分は、樹脂材料や溶剤およびその他従来から知られている銀ペーストの成分であり得る。本発明に用いられる銀ペーストのバインダ成分となる樹脂材料としては、通常銀ペーストの樹脂材料として用いられているものを特に制限無く用いても良いが、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、PVC、セルロース等が好適に用いられる。溶剤は、樹脂材料によって選択すればよく、一般にトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ノルマルブタノール、エタノール、メタノール等のアルコール類などから選択される。基板1が樹脂材料の場合、比較的低温で硬化するアクリル樹脂をバインダとして用いた銀ペーストは、特に好ましい。
本発明の方法において、銀ペーストの塗布方法としては、印刷、吐出、刷毛塗り等を選択することができる。銀ペーストの乾燥後の膜厚は塗布方法にも依存し、特に限定されるものではないが、1μm〜100μm程度、特に好ましくは2〜25μm、さらに好ましくは5〜15μm程度であればよい。
工程3は、銀を含む複合体の塩化銀化である。銀を含む複合体31は、化学反応により、塩化銀化される。化学反応に用いられる試薬は、塩素を含む酸化剤であればどのようなものでもよいが、取り扱いの観点やコストから考えて、次亜塩素酸を用いることが好ましい。
本発明の一態様においては、5%程度の次亜塩素酸ナトリウムの水溶液と銀を含む複合体31を接触させる、銀を含む複合体31の表面から塩化銀化の反応を進行させる。このとき、次亜塩素酸を安定化させるため、0.5%から1%程度の水酸化ナトリウムを添加し、アルカリ性にしておくことが安全性の観点からも好ましい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液のpHは、次亜塩素酸から発生する塩素を低減させ、かつ基板材料等に対する影響が少ない範囲であれば特に限定されるものではないが、pH11〜12程度に調整され得る。
次亜塩素酸ナトリウム水溶液を銀ペースト表面に接触させる時間としては、銀ペーストの表面部分の塩化銀化反応が進行すればよく、特に限定されるものではないが、次亜塩素酸水溶液がアルカリ性であることから、基板材料等への影響を考慮し、望ましくは30秒から30分、さらに望ましくは1分から15分程度であればよい。
図5は、本発明の一実施の形態に係る電気化学測定デバイスである。本発明による電気化学測定デバイスに用いられるハウジング材料41は、サンプル液と反応しなければどのような材料でもよく、シリコン、ゲルマニウム等の半導体、石英ガラス、鉛ガラス、ホウ珪酸ガラスなどのガラス、セラミック、樹脂等を選択することができるが、ディスポーザブルのバイオセンサとしての用途を考えると、加工のしやすさやコスト面から考えて、樹脂材料を選択することが望ましい。樹脂材料としては、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド(PI)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリジメチルシルオキサン(PDMS)などを選択することができる。ポリメチルメタクリレートは、透明性がよく、微細な切削加工等が容易なため、特に好ましい。ハウジング材料41上に形成されるキャビティ42や流路43の形成方法は、ハウジング材料41が樹脂材料の場合、切削加工の他、金型による成型、熱転写によるエンボス加工などを用いることができる。また、貫通孔を持つシートを張り合わせることでも可能である。
こうして形成したキャビティ42や流路43を含むハウジング材料41は、電極を含む基板43と接着される。このとき、ハウジング材料41と電極を含む基板43は、完全に接着もしくは密着し、キャビティ2内部のサンプルを封止することが好ましい。例えば、アクリル系やエポキシ系、シリコーンなどの接着剤、両面テープなどを用いることができる。
ハウジング材料41にはキャビティ42や流路43内部にサンプルを注入するためのサンプル注入孔44が設けられている。サンプル注入孔44は少なくとも1つあれば良いが、2つ以上設けておくと、サンプルの注入時に使用した以外のサンプル注入孔44がキャビティ42および流路43内部の空気の逃げ道として機能し、サンプルを速やかに注入することができるので好ましい。キャビティ42や流路43内部は、既知の親水性処理が施されている方が、よりサンプルが速やかに導入されるため好ましい。注入孔44は、サンプルを注入した後は、任意の方法で封止され得るが、短時間の測定であれば開口状態でも使用され得る。
以下、本発明の電極および電気化学デバイスについてさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)以下、本発明の一実施の形態に係る電極を用いて、基本的な電気化学測定であるサイクリックボルタンメトリの測定を行った実施例について説明する。
絶縁基板として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートのシートを用いて、電極を作製した。
まず、ポリエチレンテレフタレートのシートに、スパッタリングによって700オングストロームの金薄膜を形成した。次に、エッチングによって図2に示すごとき作用極、対極、参照電極、導電性パターン、端子を同時に形成し、所定の大きさに切り出して、電極板を作製した。作用極の電極面積は、2.0mmであった。
次に、上記に従って作製した電極板の参照電極表面に、導電性ペーストa(D−550 藤倉化成株式会社製)、導電性ペーストb(D−723S 藤倉化成株式会社製)をそれぞれ塗布し、それぞれの乾燥条件のもとで乾燥し、参照電極表面に、銀を含む複合体を形成した。それぞれの導電性ペーストに含まれる樹脂材料と乾燥条件および乾燥後の膜厚を表1に示す。
Figure 2005292022
その後、銀を含む複合体の表面に5%次亜塩素酸ナトリウム、0.5%水酸化ナトリウムを滴下し、10分間放置することによって、銀を含む複合体表面の塩化銀化を行った。このようにして作製した電極をそれぞれ、電極A、電極Bとした。
また、上記に従って作製した電極板の参照電極表面に、塩化銀ペースト(DB2275 日本アチソン株式会社製)を塗布し、80℃×0.5hの条件で乾燥した。このようにして作製した電極を、従来例aとした。
一方、参照電極4の表面部分のみに、銀メッキ液(SILVREX JS−2基本液 田中貴金属工業株式会社製、シアン化銀カリウム 和光純薬工業株式会社製)を滴下し、銀メッキ液表面に白金線を浸して、参照電極側をマイナス、白金線側をプラスとして、1.0Vの電圧を10秒間印加することによって、参照電極表面に銀メッキを施した。純水で銀メッキ液を十分洗い流した後、銀メッキが施された参照電極表面部分のみに、3M塩化ナトリウム水溶液を滴下し、塩化ナトリウム水溶液表面に白金線を浸した。参照電極側をプラス、白金線側をマイナスとして、1.2Vの電圧を10秒間印加することによって、銀メッキ表面を塩化銀化した。このようにして作製した電極を従来例bとした。
上記のように作製した電極を用いて、10mMフェリシアン化カリウム/50mM塩化カリウム水溶液のサイクリックボルタンメトリを掃引速度100mV/secで測定した。そのときのサイクリックボルタモグラムを図6に示す。図6では、フェリシアン化物イオンの酸化還元ピークが良好に測定されており、従来例aおよび従来例bと比較し、電極Aおよび電極Bにおけるフェリシアン化物イオンの酸化還元ピークは、ほぼ同じ電位を示している。このように、本実施例による参照電極の製造方法によって作製した電極Aおよび電極Bにおける参照電極が、良好な参照電極として機能していることが示された。
(実施例2)以下、一実施の形態に係る電極を用いて、生体中の低分子であるピロリン酸の測定を行った実施例について説明する。
基板1として厚さ188μmのポリエチレンテレフタレートのシートを用いて、電極を作製した。
まず、ポリエチレンテレフタレートのシートに、スパッタリングによって700オングストロームの金薄膜を形成した。次に、図2に示すごとくエッチングによって作用極2、対極3、参照電極4、導電性パターン5、端子6を同時に形成し、所定の大きさに切り出して、電極板を作製した。作用極の電極面積は、7.1mmであった。
次に、上記に従って作製した電極板の参照電極表面に、実施例1で用いた導電性ペーストaを塗布し、表1に示す条件のもとで乾燥し、参照電極表面に銀を含む複合体を形成した。
その後、銀を含む複合体の表面に5%次亜塩素酸ナトリウム、0.5%水酸化ナトリウム、0.01%アルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを滴下し、10分間放置することによって、銀を含む複合体表面の塩化銀化を行った。このようにして作製した電極をFとした。
また、ポリメタクリル酸メチルを切削加工することにより、ハウジング材を作製した。
上記のように作製した電極Fとハウジング材は、シリコーン(KE44 信越シリコーン株式会社製)を用いて接着させ、図5に示すごとき電気化学測定デバイスを作製した。
このようにして作製した電気化学測定デバイスを用いて、生体中の低分子であるピロリン酸の測定を行った。
まず、以下の手順で反応溶液を調整した。100mMニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型)10μl(終濃度1mM)、100mMフェリシアン化カリウム10μl(終濃度1mM)、100mM塩化マグネシウム16μl(終濃度1.6mM)、および30mMグリセルアルデヒド3−リン酸35μl(終濃度1mM)を45mM Tricine−NaOH緩衝液に溶解し、pH8.8に調整して総量を145μlとした。上記溶液14.5μlを別の容器に移し、200unit/mlピロフォスファターゼ0.5μl(終濃度1unit/ml)、800unit/mlグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ 4.0μl(32unit/ml)、1000unit/mlジアホラーゼ1μl(10unit/ml)および50μMピロリン酸80μl(終濃度40μM)を加え総量を100μlとし、ピペット等で十分に攪拌後、30℃雰囲気中で5分間静置した。
次に、上記電気化学測定デバイスを用いて、上記のようにして調整した反応溶液をサンプルとし、作用極に、参照極に対して+600mVの電位を印加し、そのときに作用極に流れる電流を測定した。また、上記50μMピロリン酸を、それぞれ100μM(終濃度80μM)、150μM(終濃度120μM)、200μM(終濃度160μM)、および0μM(終濃度0μM)としたときに観察される電流値をそれぞれ同様に測定した。
このようにして測定した、ピロリン酸の量を変化させたときの反応開始100秒後の電流値を図7に示す。図7中、縦軸に電流値(μA)および横軸にサンプル中のピロリン酸濃度(μM)を示し、各ピロリン酸濃度における電流値を黒丸で示す。図7に示すように、加えたピロリン酸の量と反応開始100秒後の電流値は良好な相関関係を示した。このように、本実施例により製造した電極によって、生体中の低分子であるピロリン酸の定量的測定が可能であることが示された。
本発明にかかる電気化学センサの製造方法は,安価で製造しやすく、かつ高性能な参照電極を備えた電気化学センサの製造方法を提供することができ、生体中に存在するタンパク質や酵素、低分子複合体などの物質を測定するバイオセンサの製造方法等として有用である。
本発明の一実施の形態を示す工程図である。 本発明の工程における電極の構造を示す斜視図である。 本発明の工程における電極の構造を示す斜視図である。 本発明の工程における電極の構造を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る電気化学デバイスの構造を示す斜視図である。 本発明の電極を用いて測定したサイクリックボルタモグラムである。 本発明の電気化学デバイスを用いて測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 作用極
3 対極
4 参照電極
5 導電性パターン
6 端子部
21 絶縁膜
31 銀を含む複合体
41 ハウジング材料
42 キャビティ
43 流路
44 注入孔

Claims (12)

  1. 少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を持つ電気化学測定用電極アレイにおける参照電極の製造方法であって、絶縁基板上に参照電極を含む導電性パターンを形成する工程と、前記導電性パターンの参照電極部位上に銀を含む複合体を形成する工程と、前記銀を含む複合体を塩化銀化する工程とを含むことを特徴とする、参照電極の製造方法。
  2. 前記銀を含む複合体が、樹脂材料および銀粒子を含む銀ペーストであることを特徴とする、請求項1記載の参照電極の製造方法。
  3. 前記樹脂材料が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルの中から選択されることを特徴とする、請求項2記載の参照電極の製造方法。
  4. 前記銀を含む複合体を塩化銀化する工程が、塩素を含む酸化剤を参照電極表面と接触させることにより成されることを特徴とする、請求項1記載の参照電極の製造方法。
  5. 前記塩素を含む酸化剤が次亜塩素酸であることを特徴とする、請求項4記載の参照電極の製造方法。
  6. サンプルおよび試薬が注入される穴部と、前記サンプルおよび試薬が移動可能な流路部と、少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を有する電極アレイを有する検出部とで構成された電気化学測定デバイスの製造方法であって、前記検出部における参照電極が請求項1から5いずれかに記載の方法により製造されることを特徴とする、電気化学測定デバイスの製造方法。
  7. 少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を持つ電気化学測定用電極アレイに用いられる参照電極であって、参照電極が銀を含む複合体で形成されており、その表面が塩化銀化されている、電気化学測定用参照電極。
  8. 前記銀を含む複合体が、樹脂材料および銀粒子を含む銀ペーストの硬化物であることを特徴とする、請求項7記載の参照電極。
  9. 前記樹脂材料が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステルの中から選択されることを特徴とする、請求項7記載の参照電極。
  10. サンプルおよび試薬が注入される穴部と、前記サンプルおよび試薬が移動可能な流路部と、少なくとも参照電極と測定電極を含む2つ以上の電極対を有する電極アレイを有する検出部とで構成された電気化学測定デバイスにおいて、前記参照電極が請求項7から9いずれかに記載の参照電極である、電気化学測定デバイス。
  11. 請求項10記載の電気化学測定デバイスを備えた電気化学センサ。
  12. 生体由来物質を定量的に測定するためのものである、請求項11記載の電気化学センサ。
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