JP2005293863A - 太陽電池 - Google Patents

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崇志 小出
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Abstract

【課題】 白金に替わる対電極物質であり、電解質を良好に還元できる触媒作用を有するとともに電解質に侵食されることのない対電極材料としてダイヤモンドライクカーボンを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】 色素増感型太陽電池の対電極に用いるカソードとしての触媒機能を有する材料として、ダイヤモンドライクカーボンを用いことによって、安価で、かつ、耐食性や耐薬品性が高い色素増感型の太陽電池を提供することができる。また、ダイヤモンドライクカーボンに窒素ドーピングによって導電性を付与する際に、導電性部分と絶縁部分とでパターンを形成することによって、所望の部分のみ太陽電池を形成したり、一つの基材に複数の太陽電池を形成したりすることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、色素が表面に付着された金属酸化物半導体を用いた色素増感型太陽電池に関するものである。
太陽電池はクリーンなエネルギー源として様々な分野や製品に付与されて用いられている。現在、太陽電池としてはシリコン結晶系やシリコンアモルファス系が主に用いられているが、その他にも様々な機構の太陽電池が提案、検討されている。
その一つに近年、色素増感型の太陽電池が注目を浴びている。色素増感太陽電池は一般に、ガラスや樹脂からなる基材上にITOやFTOなどの導電性の薄膜上に酸化チタンなどの金属酸化物半導体層を設けてこの半導体表面に光エネルギーを吸収して電子を半導体に供与する色素を吸着させて作用電極とし、この作用電極に対して対電極を設ける。またさらに、この電極間に電解質層を設け、電子の授受を可能として、電池となされているものである。
色素増感太陽電池は基材を樹脂とすることもでき、その表面に薄層を形成させて太陽電池とするので、その形状も自由に決めることができたり、電池を形成したあとに曲げ加工を施すことも可能であるなど、非常に形状に対して自由度が高く、また軽量化も図ることができる利点がある。
また、用いる材料も比較的安価であり、製造過程においてもシリコン系の太陽電池ではシリコンの精製などに莫大なエネルギーを必要とするが、色素増感太陽電池ではそのような過程は必要なく製造コストも比較的小さいため、コスト的にも優れている。
また、色素増感型太陽電池はシリコン系の太陽電池などに比べ、曇天時や室内使用時などの低照度時においても発電量の低下が小さい特長もあり、日照不足による発電量の不足などの心配もない利点もある。
一方、電解放出素子としてダイヤモンドライクカーボンを用いる研究が近年盛んになっている。ダイヤモンドライクカーボンは、炭素骨格のアモルファス構造をした物質であり、硬度が高く、摩擦特性や耐食性、電気特性などがダイヤモンドに非常に良く似ていることから、そう呼ばれている。このダイヤモンドライクカーボンに、窒素原子をドーピングすることにより、本来絶縁体であったダイヤモンドライクカーボンに、導電性を付与することができる。
特開平1−220380号公報
これまで色素増感型太陽電池は、一般的に対電極に白金を用いられていることが多く、コストを増大させる一因にもなっている。対電極は、作用電極で電解質から取り出されて外部回路を回って戻ってきた電子を利用して電解質を還元する電池の一部の役割を果たしている。このとき、電解質を還元するための触媒が白金であり、それと同時に電解質によって対電極およびその基材が侵食されないようにバリアの役割も果たしている。
すなわち、対電極物質として必要な要件は、電解質の還元を助けることのできるカソードとしての触媒作用および、電解質に侵食されないことであり、これまで白金に変わる有用なものが対電極材料として提案されてきたものの、白金を代替できるようなものはなかった。
そこで本発明は上記の如き問題点に鑑みてなされたものであり、白金に替わる対電極物質であり、電解質を良好に還元できる触媒作用を有するとともに電解質に侵食されることのない対電極材料としてダイヤモンドライクカーボンを用いた太陽電池を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。すなわち光が照射されると励起して半導体に電子を供与することのできる色素が表面に付着された金属酸化物半導体を有した作用電極と、作用電極に対する対電極とが、電解質層を介して対向して積層されてなる色素増感型太陽電池であって、前記対電極には電解質の還元を助けるカソードとしての触媒機能を有する物質としてダイヤモンドライクカーボンが設けられていることを特徴とするものである。
色素増感太陽電池は、透光性の導電性薄膜上に酸化チタンなどの金属酸化物半導体を設けるとともにその金属酸化物半導体の表面に光を吸収して半導体に電子を与えることのできる色素を付着させて作用電極とし、その作用電極に対する対電極を設け、この電極間に電子の授受を行うための電解質を含有する電解質材料を充填してなるものである。
色素増感太陽電池に、光が照射されると、金属酸化物半導体表面に付着している色素が励起され、この励起によって発生した電子が金属酸化物半導体に移動し、さらに電子は導電膜へ移動し、外部回路を通って発光体や充電装置に送られる。そして、電子は対電極側に戻り、対電極で電解質を還元して太陽電池系内に戻る。一方、半導体に電子が移動した色素は、酸化状態になっているが、電解質溶液から還元されて電子をもらい、元の状態に戻る。
この色素増感型太陽電池の対電極の電解質の還元を助けるカソードとしての触媒機能を有する物質としてダイヤモンドライクカーボンを用いるとよい。
ダイヤモンドライクカーボンは、炭素骨格のアモルファス構造をした物質であり、硬度が高く、摩擦特性や耐食性、電気特性などがダイヤモンドに非常に良く似ていることから、そう呼ばれている。すなわちダイヤモンドライクカーボンは高い耐食性や耐薬品性、密閉性を有し、さらに、つカソードとしての触媒機能を有した炭素からなる材料であり、色素増感太陽電池の対電極材料として適していると言える。
ただし、ダイヤモンドライクカーボンは、そのままでは絶縁体である。このダイヤモンドライクカーボンにプラズマCVDなどを用いて窒素ドーピングを行うことにより、導電性を有し、色素増感太陽電池の対電極材料として用いることができる。
このダイヤモンドライクカーボンは、導電性を付与して、そのまま基材上にダイヤモンドライクカーボン膜を形成して電極としてもよいし、なんらかの導電性膜上にダイヤモンドライクカーボン膜を形成させてもよい。
また、従来このダイヤモンドライクカーボンは、絶縁体であることから、ダイヤモンドライクカーボン膜を対電極を形成する基板表面に形成した後、必要な箇所のみ窒素ドーピングを行って、対電極を所望の形状や大きさにパターンニングすることもできる。この技術を用いれば、一つの基板に複数の対電極を形成したりすることもできる。
本発明によれば、色素増感型太陽電池の対電極に用いるカソードとしての触媒機能を有する材料として、ダイヤモンドライクカーボンを用いことによって、安価で、かつ、耐食性や耐薬品性が高い色素増感型の太陽電池を提供することができる。
また、ダイヤモンドライクカーボンに導電性を付与する際に、パターンを形成することによって、所望の部分のみ太陽電池を形成したり、一つの基材に複数の太陽電池を形成したりすることができる。
本発明に係わる実施の形態について、図面に基づき以下に具体的に説明する。図1は、本発明の色素増感太陽電池の実施の一例を示す断面の模式図である。作用電極2は、作用電極側基材20、透明導電膜21、金属酸化物半導体層22が順に積層されてなり、対電極1は、対電極基材10、導電膜11、対電極物質としてダイヤモンドライクカーボン12が順に積層されて形成されており、これら作用電極2と対電極1とが、電解質層3を介して対向して積層されている。
対電極1は、対電極基材10に導電膜11が形成され、さらに導電膜上ダイヤモンドライクカーボン膜12が設けられてなる。導電膜はITOやFTOなどの透明導電膜、金属薄膜などをもちいることができる。またダイヤモンドライクカーボン膜の膜厚は、0.1〜5μm程度がよく、このダイヤモンドライクカーボン膜にプラズマCVDなどで窒素ドーピングを行うことにより膜に導電性を付与することができる。
このとき、対電極の導電膜は省略することもできる。この場合、導電性のダイヤモンドライクカーボン膜自身を導電膜としてダイヤモンドライクカーボン膜から電気を取り出すようにすればよい。また、ダイヤモンドライクカーボンを基材または導電膜上に形成する際、中間層を設けて密着性や導電性を向上させることもできる。
作用電極2は、透光性の作用電極基材20表面に透明導電膜21を設け、さらにその上から金属酸化物半導体層22を設けることによって、形成される。前記金属酸化物半導体の表面には光が照射されると励起して半導体に電子を供与することのできる色素が付着されている。
光が表面に色素が付着した金属酸化物半導体層22に照射されると、色素はその光エネルギーを吸収して励起して電子を発生させる。この電子は金属酸化物半導体に移動し、導電性膜21を通して外部回路へ送り出される。外部回路を通った電子は、対電極1に戻り、この対電極であるダイヤモンドライクカーボン膜22で、電解質を還元して太陽電池系内へ電子が戻る。このようにして一連の電気回路が出来上がる。一方、半導体に電子が移動した色素は、酸化状態になっているが、電解質層から電子をもらい還元されて、元の状態に戻る。
電極の基材材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネート樹脂や、強化ガラス、アクリル樹脂、PET樹脂、PEN樹脂などが好適に用いられる。また、透光性の導電膜としては、ITO膜やFTO膜などを用いることができ、透光性が必要なければ、金属薄膜なども用いることができる。
また、用いる金属酸化物半導体は、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ストロンチウム、酸化インジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブテン、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化銀などや、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウムなど、またこれらの混合物を用いることができ、化学安定性やコスト、発電の起電力を考慮すると酸化チタンを用いるのが好ましい。
またこのとき、酸化チタンの結晶系は特に限定されないがその活性の高いアナターゼ型の酸化チタンを含むと良い。また、ルチル型とアナターゼ型を混在させたものでもよい。導電性薄膜上の酸化チタンは、微粒子が積層されているとよく、このようになされていることによって、表面積が大きくなり、光の照射される面積が広いとともに、電解質との電子の授受も好適に行われる。このとき、酸化チタンは数十nm〜数百nm程度の微粒子であるとよい。また、粒径の異なる2種類以上の粒子を混在させてもよく、入射した光を好適に散乱させて効率良く光を吸収することが出来る。また、微粒子状でなく、直径が数nm〜数十nmの筒状のナノチューブ型酸化チタンを用いても表面積が広いため効率を上げることができる。
上記の金属酸化物半導体の表面には色素を吸着させる。吸着させる色素は、様々な色素が色素増感太陽電池用に提案されており、それらを用いることができる。例えば、金属錯体系ではルテニウム錯体系、コバルト錯体系、有機系色素ではシアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、クマリン系、リボフラビン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系などのものがよく知られており、これらを用いることができ、特に金属錯体系であればルテニウム錯体、有機系ではメロシアニン系が好ましい。
また、電解質についても様々なものがこれまで色素増感太陽電池用に提案されており、これらを用いることができる。一般なものとしては、ヨウ化リチウムとヨウ素と常温溶融塩のイミダゾリウム塩であるDMPImIを電解質とし、これらをメトキシアセトニトリルの溶媒に溶解させ、添加剤として電圧調整のための4−tert−ブチルピリジンを加えたものを電解質材料として用いられている。このほか、溶剤としてエチレンカーボネート等を配合しても良く、また、常温溶融塩として、MPrImIやMBuImIなどを用いてもよい。また、さらに希釈剤としてMEImBF4−を添加してもよい。
また、上記の電解質材料にポリマー化剤を加えゲル化させるようにすると、太陽電池からの電解質材料の液もれなどの事故を未然に防ぐことができる。 また、電解質材料として、固体電解質材料であるCuIを用いることもできる。
次に、図2に対電極上のダイヤモンドライクカーボン膜に部分的に窒素ドーピングすることによって、導電性部分と絶縁部分をパターンニングした太陽電池セルのセルを上部からみた模式図を示す。このようにダイヤモンドライクカーボン膜に導電性を持たせた部分と絶縁部分とを持たせることによって、一つの太陽電池セルに容易に複数の太陽電池単位を形成することができる。この太陽電池単位を電気的に直列や並列に自由に接続することにより、所望の電圧や電流の太陽電池を得ることが可能となる。
本発明の太陽電池の実施の一例を示す断面の模式図である。 本発明の太陽電池の実施の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 対電極
10 対電極基材
11 導電膜
12 ダイヤモンドライクカーボン膜
2 作用電極
20 作用電極基材
21 透明導電膜
22 金属酸化物半導体層
3 電解質層
A 導電部
B 絶縁部

Claims (1)

  1. 光が照射されると励起して半導体に電子を供与することのできる色素が表面に付着された金属酸化物半導体を有した作用電極と、作用電極に対する対電極とが、電解質層を介して対向して積層されてなる色素増感型太陽電池であって、前記対電極には電解質の還元を助けるカソードとしての触媒機能を有する物質としてダイヤモンドライクカーボンが設けられていることを特徴とする太陽電池。
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