JP2005294049A - 蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 結着剤の量を増加させることなく、蛍光体膜の被着強度を向上させることが可能な蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプを提供すること。
【解決手段】 ガラス管の内面に塗布する蛍光体懸濁液の製造工程を含む蛍光ランプの製造方法であって、前記蛍光体懸濁液の製造工程は、蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを混合・混練する混練ステップ(S101)と、前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒とをさらに加えて攪拌する攪拌ステップ(S102)とを含む。
【選択図】 図2

Description

本発明は、蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプに関する。
蛍光ランプ用のガラス管内面に蛍光体を被着する方法としては、蛍光体の粉体と、結着剤や増粘剤を含む溶媒とを混合・攪拌して蛍光体懸濁液を作製し、その後、この懸濁液をガラス管内面に塗布し、乾燥、焼成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特公昭49−33871号公報
ところが、上記従来の蛍光体懸濁液中においては、凝集塊が充分に解きほぐされず、この液中に蛍光体粒子の凝集塊が存在している。
このような凝集塊が存在する蛍光体をガラス管内面に被着すると、蛍光体とガラス管内面との接触部分や蛍光体粒子間にボイド(空隙)が生じてしまうこととなる。このため、蛍光体膜の被着強度が充分得られないという問題がある。
上記被着強度が低いと、蛍光ランプの製造工程中や完成品の搬送中などに受ける振動により、蛍光体膜が剥離してしまう場合がある。
また、近年、蛍光ランプの発光物質である水銀は、亜鉛などに含浸させた化合物の状態で封入することが行われている。この化合物の硬度は比較的高いため、ガラス管内面に形成された蛍光体膜に衝突すると、この蛍光体膜が剥離してしまう場合がある。このため、蛍光体膜の被着強度をさらに向上させることが要請されている。
上記要請に対しては、結着剤の量を従来より増やすことで、蛍光体粒子間または蛍光体粒子とガラス管内表面間の結合力を強化し、もって被着強度を高めることが考えられる。しかし、通常、結着剤は紫外線や可視光を遮光するので、結着剤の増量は蛍光ランプの光束の低下を招来することとなる。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであって、結着剤の量を従来より増加させることなく、蛍光体膜の被着強度を向上させることが可能な蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、ガラス管の内面に塗布する蛍光体懸濁液の製造工程を含む蛍光ランプの製造方法であって、前記蛍光体懸濁液の製造工程は、蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを混合・混練する混練ステップと、
前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒をさらに加えて攪拌する攪拌ステップとを含むことを特徴とする。
また、前記混練ステップにおいて混練する前記蛍光体粉体と増粘剤を含有した前記溶媒とからなる半固形体の粘度は、100Pa・s以上10000Pa・s以下の範囲にあることを特徴とする。
さらに、前記混練ステップは、遊星運動を行う混練羽根を備えた混練機を用いて行うことを特徴とする。
また、本発明に係る蛍光ランプは、上記した蛍光ランプの製造方法で製造されたことを特徴とする。
本発明に係る蛍光ランプの製造方法は、蛍光体懸濁液を、蛍光体粉体と増粘剤を含有した溶媒とを混合・混練する混練ステップと、前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒とをさらに加えて攪拌するステップとを経て作製する。
上記混練ステップにおいては、蛍光体懸濁液中の蛍光体粉体を1次粒子にまで解砕・分散でき、また、上記1次粒子の表面に増粘剤を被覆することができる。また、上記攪拌ステップにおいては、1次粒子にまで分散された蛍光体粒子間に結着剤を無駄なく入り込ませることができる。
これらにより、上記懸濁液中をガラス管に塗布した際には蛍光体膜内の蛍光体粒子を隙間なく緻密に配列させることができ、蛍光体粒子間やガラス管内面と蛍光体粒子間の結合力を高めることができる。
したがって、結着剤の量を従来より増加させることなく蛍光体膜の被着強度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
1.蛍光ランプ
図1は蛍光ランプ(以下、単に「ランプ」という。)10の一部を切り欠いた概略図である。
定格電力20Wのランプ(FL20SS)10は、直管状のガラス管4と、このガラス管4の両端部に取り付けられた口金2とを有している。ガラス管4は、管外径28mm、管長580mmである。ガラス管4内には、図示しない水銀と希ガスがそれぞれ所定量封入されている。また、ガラス管4の両端部には図示しない電極が封着されており、この電極に電気的に接続するように口金2が取り付けられている。
蛍光体膜6は、口金2が取り付けられる前のガラス管4の内面に蛍光体懸濁液を塗布し、乾燥、焼成の工程を経て形成される。
2.蛍光体懸濁液の作製方法
以下、上記蛍光体懸濁液の作製方法について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、蛍光体懸濁液の作製方法を示す工程図、図3(a)は、後述する混練ステップの際に用いるプラネタリーミキサー20を示す模式図である。混練機であるプラネタリーミキサー20は、遊星運動可能な混練羽根22a,22bと高速回転を行う小型の攪拌羽根23a,23bとを備えている。また、図3(b)は、後述する混練処理途中の混練槽21内の半固形体9を示す図である。
(1)混練ステップ
混練ステップは、蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを半固形体9の状態になるまで混ぜ合わせる混合処理と、その後、上記半固形体9を練り合わせて捏ねる混練処理(捏和処理)とからなる。
まず、プラネタリーミキサー20の混練槽21内に、色温度7200Kの3波長域発光型の蛍光体粉体10kgと、増粘剤成分としてエチルセルロース(以下、「EC」と称する。)を所定量含有する少量(1.5リットル〜2.0リットル程度)の酢酸ブチル溶媒とを投入する。
次に、混練羽根22a,22bを回転させることによって数十分間の混練ステップ(S101)を行う。なお、混練羽根22a,22bの回転数は例えば自転で10〜100rpm、公転で5〜50rpmと設定する。
この混練ステップにおいては、まず、回転開始後約10分程度後に蛍光体粉体と上記溶媒とが徐々に混合されて半固形体の状態9となり(混合処理)、さらに、この比較的高い粘度の半固形体9を練り合わせる(混練処理)こととなる。
この混練処理においては、比較的粘度の高い半固形体9を練り合わせるので、この半固形体9中の蛍光体粒子の凝集塊に、効果的に混練羽根22a,22bによるせん断力が加わり、この凝集塊を解きほぐして1次粒子にまで分散させることができる。また、それと同時に、個々の1次粒子の粒子表面に増粘剤を被覆させることができる。
(2)攪拌ステップ
続いて、半固形体9の入った混練槽21に、ECを含有する酢酸ブチル溶液6.2リットル程度と、結着剤成分(酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、燐酸カルシウム等)を数百グラム含有する酢酸ブチル溶液1.5リットル程度を投入して、混練羽根22a,22bと攪拌羽根23a,23bの両者を約10分間ほど回転させることによって、攪拌処理(攪拌ステップ:S102)を行う。
上述のように、混練ステップを経た蛍光体懸濁液中の蛍光体粒子は1次粒子にまで分散されているので、この攪拌処理においては、結着剤を蛍光体粒子間に有効に入り込ませることができる。
3.蛍光体膜の被着強度
上記混練ステップと攪拌ステップを経て作製された蛍光体懸濁液をガラス管に塗布し、被着させると、従来より蛍光体膜の被着強度を高めることができる。
このことを図4を用いて詳しく説明する。図4(a)は本実施の形態に係る蛍光体懸濁液を塗布・被着したガラス管内表面を示す模式図であり、図4(b)は従来技術に係る蛍光体懸濁液を塗布・被着したガラス管の内表面を示す模式図である。なお、同図においては、蛍光体粒子を白丸で示している。
従来においては、蛍光体懸濁液中に蛍光体粒子の凝集塊があるので、この懸濁液をガラス管の内面に塗布・被着した後においても、図4(b)に示すように、蛍光体粒子間のボイド8aや、ガラス管内面と蛍光体粒子の間のボイド8bが存在している。このため、充分な蛍光体膜の被着強度が得られない。
なお、上記凝集塊は、例えば攪拌機の攪拌羽根をより高速化して回転させることによって、解砕させることができるように思われる。しかし、本発明者の検討によると、上記高速回転によって、蛍光体粒子の凝集塊は減らすことができるものの、多数の蛍光体粒子が粉砕・破壊されてしまうことがわかった。このように蛍光体粒子が粉砕されると、紫外線から可視光への変換効率が下がることとなってしまう。
これに対して、前述のように本実施の形態の蛍光体懸濁液においては、蛍光体粒子が1次粒子にまで解砕されており、個々の1次粒子の表面に増粘剤が被覆されているので、ガラス管内面に塗布した際には、蛍光体粒子間や蛍光体粒子とガラス管内面間の結合力は従来より高い。このような蛍光体懸濁液が塗布されたガラス管を焼成させる工程を行ってガラス管内面に蛍光体を被着させると、図4(a)に示すように、従来のようなボイド8a,8bがほとんど存在せず、蛍光体膜中の蛍光体粒子を緻密に配列させることができる。したがって、従来より蛍光体膜の被着強度を高めることができる。
また、本実施の形態の蛍光体膜においては、従来のようなボイドがほとんど存在しないため、紫外線を可視光に効率よく変換でき発光効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態に係る蛍光体膜が従来のものに比べて、蛍光体粒子が1次粒子にまで解砕・分散されて緻密に配列していること、また蛍光体膜中の粒子が緻密に配列されているので、懸濁液の塗布量は同一であっても、従来の膜厚(例えば、20μm〜30μm)から約1割程度薄くなったことが、蛍光体膜の断面を撮影した電子顕微鏡写真によって確認されている。
4.比較試験
次に、本実施の形態に係る蛍光体懸濁液(実施例の蛍光体懸濁液)と、従来のものの諸特性を比較するための試験を行った。なお、比較例の蛍光体懸濁液は、単軸型の攪拌機内に、蛍光体粉体10kgと、ECと結着剤成分を含有する酢酸ブチル溶液とを投入して、攪拌羽根の回転数を1500rpmと設定し、30分間攪拌することにより作製した。なお、作製した比較例の蛍光体懸濁液中のECや結着剤の含有量は、実施例のものと同量となるように調整した。
そして、両蛍光体懸濁液を、定格電力20W用のランプ(FL20SS)10用のガラス管4内面に塗布し、公知の乾燥工程、焼成工程を経て上記内面に被着させた。
次の表1は、実施例の蛍光体懸濁液を塗布したランプ[ランプ(イ)]と、比較例の蛍光体懸濁液を塗布したランプ[ランプ(ロ)]の、蛍光体膜被着強度、発光光束、ボイドの有無などを測定した結果を示すものである。
(1)蛍光体膜被着強度
水銀を含浸した亜鉛10mgを封入したランプを、その管軸が水平方向と略一致するようにして振動器内に設置し、この振動器を加速度1Gで27分間鉛直方向に振動(振動数は5Hzから50Hz程度)させた。
その後、ガラス管内面からの蛍光体膜の剥離の有無を観察したところ、ランプ(ロ)では蛍光体膜の剥離が観察されたため、膜被着強度が小さいと判断した。これに対して、ランプ(イ)では、蛍光体膜の剥離はほとんど観察されなかったため、従来より大きな膜被着強度が得られたと判断した。
(2)発光光束
各々5本のランプ(イ)とランプ(ロ)の発光光束を比較したところ、ランプ(ロ)では平均発光光束が1395(lm)であったのに対して、ランプ(イ)では、平均発光光束が1410(lm)と約1%も向上した結果となった。
(3)ボイド
ランプ(ロ)では、ガラス管内面に蛍光体粒子のボイドが多数観察されたため、ガラス管の外観もやや劣る結果となった。これに対して、ランプ(イ)では、ボイドはほとんど観察されなかったので、良好なガラス管の外観が得られた。
このボイドは、顕微鏡写真においても観察されている。図5(a)は実施例の、図5(b)は比較例の各ガラス管4内面を示す光学顕微鏡写真(倍率:30倍)である。なお、図5(b)においては特に目立つボイドを黒丸で囲んでいる。
図5に示すように、比較例の蛍光体を被着したランプにおいては、ボイドが多数存在している。一方、実施例の蛍光体を被着したランプにおいては、ボイドがほとんど存在していないことがわかる。
各々のボイドは微細であるが、比較例のようにガラス管4の内面にボイドが多数存在すると、ガラス管の外観を劣化させることとなる。
5.他の効果
(1)蛍光体の塗布量
図6は、蛍光体のガラス管内表面の単位面積あたりの塗布量と、発光光束との関係を示すグラフである。なお、発光光束は、実施例のランプ(イ)に3.3(mg/cm2)の蛍光体を塗布した場合の発光光束を100%として相対値で表している。
同図に示すように、同じ量の蛍光体を塗布した場合、実施例のランプ(イ)においては、比較例のランプ(ロ)に比べて、発光光束が高い結果となっている。このため、従来と同一の発光光束を所望するのであれば上記塗布量を減量することができるのでコスト面で有利である。例えば、一般に従来のランプ(ロ)においては、上記塗布量は3.0(mg/cm2)となるように設定されているので、同様の発光光束を所望するのであれば、実施例のランプ(イ)においては、塗布量を2.9(mg/cm2)に減量することができる。
(2)管端色差
通常、蛍光ランプにおいては、蛍光体懸濁液中、赤・青・緑の各波長域に対応した3種類の蛍光体を含んでいるので、各色の蛍光体の比重や各色の蛍光体の表面の濡れ性及び凝集しやすさが異なる。このため、ガラス管を立設させた状態で蛍光体懸濁液を塗布する際に、比重の大きい蛍光体や濡れ性が低く凝集しやすい蛍光体がガラス管の下側に集まり、ガラス管の両端間で色差が生じている(管端色差)。
本実施の形態においては、蛍光体粒子が1次粒子にまで分散される上、その表面に増粘剤が被覆されるので表面状態は略同等となる。それゆえ、上記各色の蛍光体の表面の濡れ性や凝集しやすさの違いに起因する管端色差を抑制することができる。
表2は、CIE色度座標に基づく、管のE側(排気側)とC側(封止側)での管端色差を測定した結果を示す表である。なお、色差ΔX,ΔYは、理解しやすいように値を103倍して整数にしている。また、実施例、比較例は、それぞれ蛍光体懸濁液を、3本の40Wの直管状ランプ用のガラス管のC側の端部から流下(ダウンフラッシング)して塗布し、それぞれの塗布量が約1.45gとなるようにしたものである。
同表に示すように、実施例に蛍光体を被着した3本のランプの管端色差の平均値(ave.)は、ΔX=46,ΔY=86と、比較例のものと比べて大幅に改善していることがわかる。
(3)結着剤の減量
上述のように実施例の蛍光体懸濁液は、粒子間の結合力が高いため、焼成工程において結着剤を効率よく粒子間に入り込ませることができる。このため、従来に比べて結着剤を減量することが可能となる。
本発明者は、上記攪拌処理の際に加える結着剤(酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、燐酸カルシウム)の量をランプ(イ)の重量比6%から重量比4%に減量したランプ(ハ)を作製したところ、ランプ(ハ)の膜被着強度はランプ(イ)のものと同程度であった。このように、結着剤の量を若干減らしたとしても、実用上問題のない膜被着強度を得ることができる。
なお、上述のように結着剤を減量したランプ(ハ)とランプ(イ)を各々4本作製し、点灯試験を行ったところ、点灯1000時間後の平均光束維持率は、ランプ(ハ)が93.8%となり、ランプ(イ)が92.8%となった。このように、結着剤を減量したランプ(ハ)においては、光束維持率が向上する結果となった。
この理由は、次の通りである。本来、焼成工程では増粘剤のみを燃焼反応させた後、低融点ガラス(結着剤)を融解させなければならないが、実際には、増粘剤と低融点ガラスの燃焼・融解は同時進行し、両者が化合して有機化合物を生じせしめている。この蛍光体膜中に残留した有機化合物は、点灯中に徐々に分解され、放電空間中にCOやCO2などの不純ガスを発生させるので、徐々に発光光束を劣化させることとなる。
すなわち、ランプ(ハ)においては、ランプ(イ)に比べて結着剤を減量したので、上記有機化合物を減少させることができ、この有機化合物の存在に起因する光束維持率の低下を抑えられたのである。
(4)粒度分布
図7は、レーザー散乱方式により測定した粒子の粒子径の大きさの粒度分布を示すグラフである。なお、同図においては、比較例の分布のピーク値の大きさを100として、粒子径を相対的に表している。
なお、ここでいう粒子径は、個々の1次粒子の径ではなく、粉体を構成する1次粒子や粒子の凝集塊の径である。
同図に示すように、実施例の蛍光体懸濁液中の蛍光体粒子は凝集塊のほとんどが解砕されて1次粒子となっているので、比較例のものと比べて、粒子径が小さくなっており、例えば分布のピーク値の粒子径は約半分となっている。
(5)蛍光体懸濁液の粘度
蛍光体懸濁液中の蛍光体粉体、増粘剤の量が同一であるにも係わらず、作製した実施例の蛍光体懸濁液の粘度は20.5×10-3Pa・sであったのに対して、比較例の蛍光体懸濁液の粘度は31.8×10-3Pa・sとなり、実施例の上記懸濁液の粘度の方が低くなった。
これは、実施例の蛍光体懸濁液中においては、個々の蛍光体粒子の表面が増粘剤で充分に被覆されているので、この液中に浮遊する増粘剤の量が比較例のものに比べて少ないからであると考えられる。
また、上記実施例の蛍光体懸濁液中の蛍光体膜の内表面を電子顕微鏡写真で観察すると、実施例の蛍光体粒子の輪郭は鮮明であった。一方、比較例のものは上記輪郭がぼやけていた。これは、蛍光体粒子に増粘剤が充分に被覆されず、蛍光体膜の表面に薄膜状に増粘剤が付着していたためであると考えられる。
6.その他
(1)プラネタリーミキサー
上記実施の形態の混練ステップにおいては、混練機としてプラネタリーミキサー20を用いている。プラネタリーミキサー20は、自転と公転の遊星運動を行う2枚の混練羽根22a,22bを有しているので、混練羽根22a,22bと蛍光体粒子の凝集塊、またはこの凝集塊同士を互いに衝突させてせん断力を加えることができ、効率よく上記凝集塊を1次粒子にまで解砕することができる。
また、本実施の形態に係るプラネタリーミキサー20は混練羽根22a,22bに加えて、攪拌羽根23a,23bを有しているので、混合・混練処理と攪拌処理とを混練槽21から半固形体9や溶媒等の原料を外部に取り出さなくてもそのまま行うことができるので非常に効率的である。
(2)混練処理途中の半固形体9の粘度
上記混練処理において、半固形体9内の蛍光体粒子の凝集塊に効果的にせん断力を加えるためには、混練処理途中の上記半固形体9の粘度が100〜10000Pa・sの範囲であることが好ましく、より好ましい粘度の範囲は400〜1000Pa・sである。
7.変形例
(1)本実施の形態においては、増粘剤成分を含有する溶媒として、有機溶媒である酢酸ブチルを用いているが、有機溶媒に限られるものではなく、例えば水やアルコール等の水溶性溶媒を用いても構わない。
(2)本実施の形態においては、色温度7200K用の3波長発光型蛍光体を用いているが、色温度が3200K用、5000K用の3波長発光型蛍光体を用いても、実施の形態と同様の効果が得られることが実験で確認されている。
本発明に係る蛍光ランプの製造方法によれば、蛍光体膜の被着強度が従来より向上した蛍光ランプを得ることができる。
蛍光ランプの一部を切り欠いた概略図である。 蛍光体懸濁液の作製方法を示す工程図である。 (a)は混練ステップの際に用いるプラネタリーミキサーを示す模式図、(b)は混練処理途中の混練槽内の半固形体を示す図である。 (a)は本実施の形態に係り、(b)は従来技術に係る蛍光体懸濁液を被着したガラス管の内表面を示す模式図である。 (a)は実施例の、(b)は比較例のガラス管内面の光学顕微鏡写真である。 蛍光体のガラス管内表面の単位面積あたりの塗布量と、発光光束との関係を示すグラフである。 蛍光体粒子の粒度分布を示すグラフである。
符号の説明
4 ガラス管
6 蛍光体
9 半固形体
10 蛍光ランプ
20 プラネタリーミキサー
22a,22b 混練羽根

Claims (4)

  1. ガラス管の内面に塗布する蛍光体懸濁液の製造工程を含む蛍光ランプの製造方法であって、
    前記蛍光体懸濁液の製造工程は、
    蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを混合・混練する混練ステップと、
    前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒をさらに加えて攪拌する攪拌ステップと
    を含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。
  2. 前記混練ステップにおいて混練する前記蛍光体粉体と増粘剤を含有した前記溶媒とからなる半固形体の粘度は、100Pa・s以上10000Pa・s以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
  3. 前記混練ステップは、遊星運動を行う混練羽根を備えた混練機を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプの製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法で製造されたことを特徴とする蛍光ランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100592452C (zh) * 2005-07-29 2010-02-24 松下电器产业株式会社 荧光体悬浮液的制备方法、荧光灯、背光单元、直下方式的背光单元以及液晶显示装置

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