JP2005294049A - 蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ガラス管の内面に塗布する蛍光体懸濁液の製造工程を含む蛍光ランプの製造方法であって、前記蛍光体懸濁液の製造工程は、蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを混合・混練する混練ステップ(S101)と、前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒とをさらに加えて攪拌する攪拌ステップ(S102)とを含む。
【選択図】 図2
Description
このような凝集塊が存在する蛍光体をガラス管内面に被着すると、蛍光体とガラス管内面との接触部分や蛍光体粒子間にボイド(空隙)が生じてしまうこととなる。このため、蛍光体膜の被着強度が充分得られないという問題がある。
また、近年、蛍光ランプの発光物質である水銀は、亜鉛などに含浸させた化合物の状態で封入することが行われている。この化合物の硬度は比較的高いため、ガラス管内面に形成された蛍光体膜に衝突すると、この蛍光体膜が剥離してしまう場合がある。このため、蛍光体膜の被着強度をさらに向上させることが要請されている。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものであって、結着剤の量を従来より増加させることなく、蛍光体膜の被着強度を向上させることが可能な蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプを提供することを目的とする。
前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒をさらに加えて攪拌する攪拌ステップとを含むことを特徴とする。
さらに、前記混練ステップは、遊星運動を行う混練羽根を備えた混練機を用いて行うことを特徴とする。
上記混練ステップにおいては、蛍光体懸濁液中の蛍光体粉体を1次粒子にまで解砕・分散でき、また、上記1次粒子の表面に増粘剤を被覆することができる。また、上記攪拌ステップにおいては、1次粒子にまで分散された蛍光体粒子間に結着剤を無駄なく入り込ませることができる。
したがって、結着剤の量を従来より増加させることなく蛍光体膜の被着強度を向上させることができる。
1.蛍光ランプ
図1は蛍光ランプ(以下、単に「ランプ」という。)10の一部を切り欠いた概略図である。
定格電力20Wのランプ(FL20SS)10は、直管状のガラス管4と、このガラス管4の両端部に取り付けられた口金2とを有している。ガラス管4は、管外径28mm、管長580mmである。ガラス管4内には、図示しない水銀と希ガスがそれぞれ所定量封入されている。また、ガラス管4の両端部には図示しない電極が封着されており、この電極に電気的に接続するように口金2が取り付けられている。
2.蛍光体懸濁液の作製方法
以下、上記蛍光体懸濁液の作製方法について図面を用いて詳細に説明する。
図2は、蛍光体懸濁液の作製方法を示す工程図、図3(a)は、後述する混練ステップの際に用いるプラネタリーミキサー20を示す模式図である。混練機であるプラネタリーミキサー20は、遊星運動可能な混練羽根22a,22bと高速回転を行う小型の攪拌羽根23a,23bとを備えている。また、図3(b)は、後述する混練処理途中の混練槽21内の半固形体9を示す図である。
混練ステップは、蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを半固形体9の状態になるまで混ぜ合わせる混合処理と、その後、上記半固形体9を練り合わせて捏ねる混練処理(捏和処理)とからなる。
まず、プラネタリーミキサー20の混練槽21内に、色温度7200Kの3波長域発光型の蛍光体粉体10kgと、増粘剤成分としてエチルセルロース(以下、「EC」と称する。)を所定量含有する少量(1.5リットル〜2.0リットル程度)の酢酸ブチル溶媒とを投入する。
この混練ステップにおいては、まず、回転開始後約10分程度後に蛍光体粉体と上記溶媒とが徐々に混合されて半固形体の状態9となり(混合処理)、さらに、この比較的高い粘度の半固形体9を練り合わせる(混練処理)こととなる。
(2)攪拌ステップ
続いて、半固形体9の入った混練槽21に、ECを含有する酢酸ブチル溶液6.2リットル程度と、結着剤成分(酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素、燐酸カルシウム等)を数百グラム含有する酢酸ブチル溶液1.5リットル程度を投入して、混練羽根22a,22bと攪拌羽根23a,23bの両者を約10分間ほど回転させることによって、攪拌処理(攪拌ステップ:S102)を行う。
3.蛍光体膜の被着強度
上記混練ステップと攪拌ステップを経て作製された蛍光体懸濁液をガラス管に塗布し、被着させると、従来より蛍光体膜の被着強度を高めることができる。
従来においては、蛍光体懸濁液中に蛍光体粒子の凝集塊があるので、この懸濁液をガラス管の内面に塗布・被着した後においても、図4(b)に示すように、蛍光体粒子間のボイド8aや、ガラス管内面と蛍光体粒子の間のボイド8bが存在している。このため、充分な蛍光体膜の被着強度が得られない。
なお、本実施の形態に係る蛍光体膜が従来のものに比べて、蛍光体粒子が1次粒子にまで解砕・分散されて緻密に配列していること、また蛍光体膜中の粒子が緻密に配列されているので、懸濁液の塗布量は同一であっても、従来の膜厚(例えば、20μm〜30μm)から約1割程度薄くなったことが、蛍光体膜の断面を撮影した電子顕微鏡写真によって確認されている。
4.比較試験
次に、本実施の形態に係る蛍光体懸濁液(実施例の蛍光体懸濁液)と、従来のものの諸特性を比較するための試験を行った。なお、比較例の蛍光体懸濁液は、単軸型の攪拌機内に、蛍光体粉体10kgと、ECと結着剤成分を含有する酢酸ブチル溶液とを投入して、攪拌羽根の回転数を1500rpmと設定し、30分間攪拌することにより作製した。なお、作製した比較例の蛍光体懸濁液中のECや結着剤の含有量は、実施例のものと同量となるように調整した。
次の表1は、実施例の蛍光体懸濁液を塗布したランプ[ランプ(イ)]と、比較例の蛍光体懸濁液を塗布したランプ[ランプ(ロ)]の、蛍光体膜被着強度、発光光束、ボイドの有無などを測定した結果を示すものである。
水銀を含浸した亜鉛10mgを封入したランプを、その管軸が水平方向と略一致するようにして振動器内に設置し、この振動器を加速度1Gで27分間鉛直方向に振動(振動数は5Hzから50Hz程度)させた。
(2)発光光束
各々5本のランプ(イ)とランプ(ロ)の発光光束を比較したところ、ランプ(ロ)では平均発光光束が1395(lm)であったのに対して、ランプ(イ)では、平均発光光束が1410(lm)と約1%も向上した結果となった。
ランプ(ロ)では、ガラス管内面に蛍光体粒子のボイドが多数観察されたため、ガラス管の外観もやや劣る結果となった。これに対して、ランプ(イ)では、ボイドはほとんど観察されなかったので、良好なガラス管の外観が得られた。
このボイドは、顕微鏡写真においても観察されている。図5(a)は実施例の、図5(b)は比較例の各ガラス管4内面を示す光学顕微鏡写真(倍率:30倍)である。なお、図5(b)においては特に目立つボイドを黒丸で囲んでいる。
各々のボイドは微細であるが、比較例のようにガラス管4の内面にボイドが多数存在すると、ガラス管の外観を劣化させることとなる。
5.他の効果
(1)蛍光体の塗布量
図6は、蛍光体のガラス管内表面の単位面積あたりの塗布量と、発光光束との関係を示すグラフである。なお、発光光束は、実施例のランプ(イ)に3.3(mg/cm2)の蛍光体を塗布した場合の発光光束を100%として相対値で表している。
通常、蛍光ランプにおいては、蛍光体懸濁液中、赤・青・緑の各波長域に対応した3種類の蛍光体を含んでいるので、各色の蛍光体の比重や各色の蛍光体の表面の濡れ性及び凝集しやすさが異なる。このため、ガラス管を立設させた状態で蛍光体懸濁液を塗布する際に、比重の大きい蛍光体や濡れ性が低く凝集しやすい蛍光体がガラス管の下側に集まり、ガラス管の両端間で色差が生じている(管端色差)。
表2は、CIE色度座標に基づく、管のE側(排気側)とC側(封止側)での管端色差を測定した結果を示す表である。なお、色差ΔX,ΔYは、理解しやすいように値を103倍して整数にしている。また、実施例、比較例は、それぞれ蛍光体懸濁液を、3本の40Wの直管状ランプ用のガラス管のC側の端部から流下(ダウンフラッシング)して塗布し、それぞれの塗布量が約1.45gとなるようにしたものである。
(3)結着剤の減量
上述のように実施例の蛍光体懸濁液は、粒子間の結合力が高いため、焼成工程において結着剤を効率よく粒子間に入り込ませることができる。このため、従来に比べて結着剤を減量することが可能となる。
この理由は、次の通りである。本来、焼成工程では増粘剤のみを燃焼反応させた後、低融点ガラス(結着剤)を融解させなければならないが、実際には、増粘剤と低融点ガラスの燃焼・融解は同時進行し、両者が化合して有機化合物を生じせしめている。この蛍光体膜中に残留した有機化合物は、点灯中に徐々に分解され、放電空間中にCOやCO2などの不純ガスを発生させるので、徐々に発光光束を劣化させることとなる。
(4)粒度分布
図7は、レーザー散乱方式により測定した粒子の粒子径の大きさの粒度分布を示すグラフである。なお、同図においては、比較例の分布のピーク値の大きさを100として、粒子径を相対的に表している。
同図に示すように、実施例の蛍光体懸濁液中の蛍光体粒子は凝集塊のほとんどが解砕されて1次粒子となっているので、比較例のものと比べて、粒子径が小さくなっており、例えば分布のピーク値の粒子径は約半分となっている。
蛍光体懸濁液中の蛍光体粉体、増粘剤の量が同一であるにも係わらず、作製した実施例の蛍光体懸濁液の粘度は20.5×10-3Pa・sであったのに対して、比較例の蛍光体懸濁液の粘度は31.8×10-3Pa・sとなり、実施例の上記懸濁液の粘度の方が低くなった。
また、上記実施例の蛍光体懸濁液中の蛍光体膜の内表面を電子顕微鏡写真で観察すると、実施例の蛍光体粒子の輪郭は鮮明であった。一方、比較例のものは上記輪郭がぼやけていた。これは、蛍光体粒子に増粘剤が充分に被覆されず、蛍光体膜の表面に薄膜状に増粘剤が付着していたためであると考えられる。
6.その他
(1)プラネタリーミキサー
上記実施の形態の混練ステップにおいては、混練機としてプラネタリーミキサー20を用いている。プラネタリーミキサー20は、自転と公転の遊星運動を行う2枚の混練羽根22a,22bを有しているので、混練羽根22a,22bと蛍光体粒子の凝集塊、またはこの凝集塊同士を互いに衝突させてせん断力を加えることができ、効率よく上記凝集塊を1次粒子にまで解砕することができる。
(2)混練処理途中の半固形体9の粘度
上記混練処理において、半固形体9内の蛍光体粒子の凝集塊に効果的にせん断力を加えるためには、混練処理途中の上記半固形体9の粘度が100〜10000Pa・sの範囲であることが好ましく、より好ましい粘度の範囲は400〜1000Pa・sである。
7.変形例
(1)本実施の形態においては、増粘剤成分を含有する溶媒として、有機溶媒である酢酸ブチルを用いているが、有機溶媒に限られるものではなく、例えば水やアルコール等の水溶性溶媒を用いても構わない。
6 蛍光体
9 半固形体
10 蛍光ランプ
20 プラネタリーミキサー
22a,22b 混練羽根
Claims (4)
- ガラス管の内面に塗布する蛍光体懸濁液の製造工程を含む蛍光ランプの製造方法であって、
前記蛍光体懸濁液の製造工程は、
蛍光体粉体と増粘剤を含有する溶媒とを混合・混練する混練ステップと、
前記混練ステップの後に、増粘剤と結着剤とを含有する溶媒をさらに加えて攪拌する攪拌ステップと
を含むことを特徴とする蛍光ランプの製造方法。 - 前記混練ステップにおいて混練する前記蛍光体粉体と増粘剤を含有した前記溶媒とからなる半固形体の粘度は、100Pa・s以上10000Pa・s以下の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 前記混練ステップは、遊星運動を行う混練羽根を備えた混練機を用いて行うことを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光ランプの製造方法。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の蛍光ランプの製造方法で製造されたことを特徴とする蛍光ランプ。
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|---|---|---|---|
| JP2004107781A JP2005294049A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプ |
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| JP2004107781A Pending JP2005294049A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 蛍光ランプの製造方法及び蛍光ランプ |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2007013301A1 (ja) * | 2005-07-29 | 2007-02-01 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 蛍光体懸濁液の製造方法、蛍光ランプ、バックライトユニット、直下方式のバックライトユニット及び液晶表示装置 |
| CN100592452C (zh) * | 2005-07-29 | 2010-02-24 | 松下电器产业株式会社 | 荧光体悬浮液的制备方法、荧光灯、背光单元、直下方式的背光单元以及液晶显示装置 |
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2004
- 2004-03-31 JP JP2004107781A patent/JP2005294049A/ja active Pending
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