JP2005294319A - 圧縮成型用金型、圧縮成型体およびその製造方法 - Google Patents

圧縮成型用金型、圧縮成型体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 U字形状を有し、かつ、溝部が形成されている焼結体において、焼結体全体において高い寸法精度を有する焼結体を提供すること。
【解決手段】 棒状の成型体本体の両端部から略直角方向に2本の第1および第2柱脚が延びているU字形状を有し、前記成型体本体における柱脚形成面と反対方向の対向面に、一方の端部である第1端部から、他方の端部である第2端部の近傍に向けて、成型体本体の長手方向に沿って溝部が形成されている圧縮成型体であって、前記成型体本体における柱脚間に位置する中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、前記第1端部方向から前記中間部に向けて、前記成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮成型体およびその製造方法に係り、さらに詳しくは、焼成により得られる焼結体の寸法精度が高くなるように、寸法および形状の制御された圧縮成型体およびその製造方法、並びに、該圧縮成型体を製造するための圧縮成型用金型、および該圧縮成型体を焼成することにより得られる寸法精度の高い焼結体に関する。
コイル用やトランス用の磁心として使用されるフェライトコア(フェライト焼結体)は、たとえば、粉末材料であるフェライト粉末を、金型に充填し、圧縮加圧(プレス)することにより圧縮成型体を形成し、この圧縮成型体を焼成することにより製造される。
上記フェライトコアとしては、たとえば、UU型のコア、EE型のコア、EI型のコア等の分割型のコアが挙げられる。このような分割型コアのうち、たとえばUU型のコアを使用したコイルやトランスは、2つのU型のコアを組み合わせ、巻線を有するボビンに挿入することにより形成される。このように2つのU型のコアを、ボビンに挿入し、コイルやトランスを形成する際には、各コアをクリップ等の固定用の治具で固定する必要があり、そのため、このようなU型のコアには、固定を行うための固定用の溝部が形成される。
固定用の溝部を有するU型のコアにおいて、溝部は、たとえば、圧縮成型する際に、圧縮用の上型として溝部形成用の凸部を有する成型体用金型を使用して形成される。しかしながら、このような方法で圧縮成型体に溝部を形成すると、溝部が形成された部分の成型密度が、他の部分の成型密度と比較して高くなってしまい、成型体内に密度差が生じてしまう。そして、この密度差が原因となり、焼成時に収縮率の差が発生し、焼成後の焼結体の寸法精度が低下し、寸法不良が発生してしまうという問題がある。
上記問題を解決するために、たとえば、特許文献1には、溝部を有するU型の圧縮成型体を製造する際に、成型用金型の枠型にあらかじめ突出部を設定することで成型体本体の中間部に凹部を形成する方法が開示されている。この文献においては、溝部を形成することにより成型密度が高くなってしまう部分の成型幅を調節することにより、焼成時における収縮率の差の緩和を図っている。
しかしながら、この文献記載の発明は、溝部を形成することにより成型密度が高くなってしまう部分のうち、ボビンに挿入される部分についてのみ成型幅の調節を行っており、ボビンに挿入されない他の部分については、成型幅の調節を行っていない。そのため、この文献記載の発明により得られるフェライト焼結体は、ボビンに挿入される部分以外の寸法精度については、従来と同様に、低いままとなっている。
一方、近年、生産効率の向上を目的として、フェライトコアをボビンに挿入する工程の自動機化が進んでいる。フェライトコアのボビンへの挿入を自動機により行うためには、コア全体の寸法精度が高いこと、すなわちボビンに挿入される部分以外の寸法精度も高いことが要求される。ところが、上記特許文献1記載の発明では、ボビンに挿入される部分については寸法精度の制御を行っているが、ボビンに挿入される部分以外の寸法精度は低いままであるため、上記要求を満たすことはできなかった。そのため、このような焼結体においては、寸法精度を確保するために、別途、焼結体の全数検査を行い、検査の結果、規格外となった製品については、寸法を規格内に入れるために研削加工等の追加加工を行う必要があり、製造コストの増大を招く一因となっていた。
実公平7−39510号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、U字形状を有し、かつ、固定用の溝部が形成されている焼結体において、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体を提供することを目的とする。また、本発明は、焼成することにより上記高い寸法精度を有する焼結体となる圧縮成型体、およびその製造方法、ならびにこのような圧縮成型体を製造するための圧縮成型用金型を提供することも目的とする。
本発明者等は、棒状の成型体本体の両端部から略直角方向に2本の柱脚が延びているU字形状を有し、この成型体本体の柱脚形成面と反対方向の対向面に、溝部が形成されている圧縮成型体において、成型体本体における柱脚間に位置する中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなるように凹部を形成し、かつ、中間部に向けて、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部を形成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の圧縮成型体は、
棒状の成型体本体の両端部から略直角方向に第1柱脚および第2柱脚が延びているU字形状を有し、
前記成型体本体における柱脚形成面と反対方向の対向面に、一方の端部である第1端部から、他方の端部である第2端部の近傍に向けて、成型体本体の長手方向に沿って溝部が形成されている圧縮成型体であって、
前記成型体本体における柱脚間に位置する中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、前記第1端部方向から前記中間部に向けて、前記成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されていることを特徴とする。
本発明の圧縮成型体は、成型体本体の中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されている点に特徴がある。圧縮成型体をこのような形状とすることにより、焼成時における縮率の差に起因する寸法不良の発生を防止することが可能となり、したがって、寸法精度の高い焼結体を得ることが可能となる。
本発明に係る圧縮成型体において、好ましくは、
前記成型体本体の幅方向の両側にテーパー部が形成されている。
本発明に係る圧縮成型体において、好ましくは、
前記テーパー部が、前記第1端部から延びている第1柱脚にも形成されている。
前記第1柱脚に形成されるテーパー部は、第1柱脚の少なくとも一部に形成されていれば良いが、たとえば、第1柱脚全体に渡って形成することも可能である。また、前記第1柱脚に形成されるテーパー部は、前記成型体本体に形成されるテーパー部と連続的に形成されることが好ましい。
本発明に係る圧縮成型体において、好ましくは、
前記第1端部から延びている第1柱脚は、断面形状が四角形状である角柱脚であり、
前記第2端部から延びている第2柱脚は、断面形状が円形状である円柱脚である。
本発明に係る圧縮成型体において、好ましくは、
前記溝部の深さ(D)が、前記溝部の深さ方向における前記成型体本体の幅(W)の25%以上の寸法で形成されており、かつ、
前記溝部の幅(G)が、前記成型体における第2柱脚が形成されている部分の幅(C)の25%以上の寸法で形成されている。
本発明に係る圧縮成型体において、好ましくは、
前記溝部の成型体本体の長手方向に沿った溝部長さ(L)が、前記第1端部と第2端部との間の距離(L1)に対して50%以上の長さで形成されている。
また、上記本発明の圧縮成型体としては、特に限定されないが、セラミックス成型体、フェライト成型体等が例示される。
本発明の圧縮成型体の製造方法は、
上記いずれかの圧縮成型体を製造する方法であって、
粉末材料充填部である粉末充填用凹部に粉末材料を充填する工程と、
前記粉末材料が充填された前記粉末充填用凹部に、成型用凸型を押し込み、前記粉末材料に圧縮力を加えて、圧縮成型する工程とを有する。
本発明の焼結体は、上記いずれかの圧縮成型体を焼成することにより得られる。
上記本発明の圧縮成型体は、焼成時における縮率の差に起因する寸法不良の発生を防止するために、成型体本体の中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されている。したがって、本発明の焼結体は、このような圧縮成型体を焼成することにより得られる焼結体であるため、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有することが可能となる。
また、本発明において、上記焼結体は、フェライト焼結体であることが好ましい。このフェライト焼結体は、たとえば、コイル用やトランス用等のフェライトコアとして使用することができる。
本発明の圧縮成型用金型は、
上記いずれかの圧縮成型体を製造するための圧縮成型用金型であって、
粉末材料を充填するための粉末充填用凹部を有する成型用凹型と、
粉末材料が充填された前記成型用凹型に押し込まれて、前記粉末材料に圧縮力を加える成型用凸型とを有し、
前記粉末充填用凹部が、前記成型体の中間部を形成することになる中間部形成用突起と、前記テーパー部を形成することになるテーパー部形成用突起とを有する。
本発明によると、溝部を有するU字形状の圧縮成型体において、成型体本体における柱脚間に位置する中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなるように凹部を形成し、かつ、中間部に向けて、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部を形成することにより、焼成時における縮率の差に起因する寸法不良の発生を防止することが可能となり、焼結体全体に渡り寸法精度の高い焼結体を得ることが可能となる。
また、本発明によると、このように焼結体全体に渡り寸法精度の高い焼結体を得ることができるため、たとえば、フェライトから形成されるフェライト焼結体をボビンに挿入する際に、従来のように、寸法精度を確保するために、別途、焼結体の全数検査や追加加工等をすることなく、自動機を使用してボビンへの挿入を行うことができるため、製造コストの低減を図ることが可能となる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト成型体の正面図、図1(B)は上面図、図1(C)は底面図、図1(D)は図1(A)のId−Id線断面図、
図2(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト焼結体の正面図、図2(B)は上面図、図2(C)は底面図、図2(D)は図2(A)のIId−IId線断面図、
図3(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト成型体の上面図、図3(B)、図3(C)は従来のフェライト成型体の上面図、
図4(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト焼結体の上面図、図4(B)、図4(C)は従来のフェライト焼結体の上面図、
図5は本発明の一実施形態に係るコイルの上面図、
図6(A)は本発明の一実施形態に係る圧縮成型用金型の断面図、図6(B)は図6(A)のVIb−VIb線断面図、図6(C)は成型用凹型の上面図、
図7は成型体密度と、焼成による焼結体の縮率との関係を示すグラフである。
フェライト成型体1
図1(A)〜図1(D)に示すように、本発明の一実施形態に係るフェライト成型体1は、U字形状であり、棒状の成型体本体2と、角柱3と、円柱4とを有する。この成型体本体2の一方の端部である第1端部6aから角柱3が、他方の端部である第2端部6bから円柱4が、それぞれ、略直角方向に延びている。フェライト成型体1の寸法は、特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすれば良いが、通常、成型体本体2の長さ(L1)15〜100mm、柱脚長さ(L2)5〜60mm、厚み(C)5〜30mm程度である。
図1(C)に示すように、第1端部6aから延びている角柱3は、四角形状の断面形状を有しており、第2端部6bから延びている円柱4は、円形状の断面形状を有している。
また、本実施形態のフェライト成型体1では、図1(A)、図1(B)に示すように、成型体本体2の角柱3および円柱4が形成されている柱脚形成面6cと反対方向の対向面6dに、第1端部6aから、第2端部6bの近傍に向けて、成型体本体2の長手方向に沿って溝部5が形成されている。溝部5は、フェライト成型体1が、焼成されフェライトコアとして使用されて、ボビンに挿入される際に、クリップ等の固定用の治具で固定するために用いられる。
本実施形態のフェライト成型体1には、図1(B)〜(D)に示すように、成型体本体2における柱脚間に位置する中間部2cの幅が、他の部分と比較して小さくなるように凹部2bが両側に形成されている。各凹部2bの深さΔxは、特に限定されず、溝部5の深さ(D)および幅(G)の大きさや、成型時の密度等に応じて適宜選択すれば良いが、通常、Δxは、0.1〜0.5mm程度である。
また、フェライト成型体1には、成型体本体2に、第1端部6aから上記中間部2cに形成された凹部2bに向けて、テーパー部2aが形成されている。なお、角柱3の断面形状が長方形状であるため、テーパー部2aと長方形状の角柱3とを滑らかに結ぶために、角柱3にもテーパー部3aが形成してある。
成型体本体2に形成されたテーパー部2aは、図1(B)、図1(D)に示すように、第1端部6aから、凹部2bまでの全面に形成されている。テーパー部2aは、成型体本体2の幅が連続的に小さくなるように形成されている。
成型体本体2に形成されるテーパー部2aの形成長さ(T)については、特に限定されず、溝部5の深さ(D)および幅(G)の大きさや、成型時の密度等に応じて適宜選択することが可能である。テーパー部2aの形成長さ(T)は、角柱3の短手方向の幅(M)よりも長くすることが好ましく、角柱3の短手方向の幅(M)より1〜5mm程度長くすることが好ましく、特に、2mm程度長くすることが好ましい。
角柱3に形成されたテーパー部3aは、図1(D)に示すように、角柱3の先端部方向から、成型体本体2に形成されたテーパー部2aに向けて形成されており、さらに、このテーパー部3aは、角柱3の先端部からではなく、先端部からテーパー部2aに向かう途中の部分を開始点として形成されている。また、角柱3のテーパー部3aは、角柱3の先端部からテーパー部2aに向けて形成されている。
本発明の特徴点は、圧縮成型体において、成型体本体の中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなるように凹部を形成すると共に、第1端部方向から中間部に向けて、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部を形成する点にある。このような圧縮成型体を使用することにより、焼成時における縮率の差に起因する焼結体の寸法不良を低減することが可能となり、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体を得ることが可能となる。
なお、図2(A)〜図2(C)は、本実施形態のフェライト成型体1を焼成することにより得られるフェライト焼結体10を示す図である。フェライト焼結体10は、フェライト成型体1と同様に、焼結体本体12、角柱13および円柱14から形成され、溝部15を有している。
従来においては、図3(B)に示すように、成型体本体の中間部の幅を他の部分の幅と同じ長さとしていたか、あるいは、図3(C)に示すように、成型体本体の中間部の幅のみを他の部分と比較して小さくする試みがなされていた。これに対して、本発明は、図3(A)に示すように、成型体本体2の中間部2cの幅を他の部分と比較して小さくし、かつ、第1端部方向6aから中間部2cに向けて、成型体本体2の幅が連続的に小さくなるテーパー部2aを形成することを特徴としている。
以下、図3(A)〜図3(C)、図4(A)〜図4(C)を使用して、従来のフェライト成型体と、本発明のフェライト成型体との相違について説明する。
なお、図3(A)〜図3(C)は、図1(B)に示すフェライト成型体の上面図に対応し、図4(A)〜図4(C)は、図2(B)に示すフェライト焼結体の上面図に対応する。また、各図において、溝部については、図示を省略したが、各フェライト焼結体および各フェライト成型体には、焼結体本体および成型体本体の中間部および角柱形成部に溝部が形成されている。
従来においては、図3(B)に示すように、成型体本体2−1の中間部2c−1の幅を他の部分の幅と略同一としていた。そして、この圧縮成型体を焼成することにより製造される焼結体は、図4(B)に示すように、溝部が形成されている中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3が、溝部が形成されていない円柱形成部の幅C1と比較して、大きくなってしまい、寸法不良が発生するという問題があった。この寸法不良の問題は、溝部の深さ(D)や幅(G)が大きい場合に、特に顕著になる傾向にあった。
この原因としては、溝部が形成されている部分の成型密度が、溝部が形成されていない部分の成型密度と比較して高くなってしまい、焼成時における縮率に差が生じたことによると考えられる。なお、図7に示すように、焼成による縮率と成型体密度とは、一定の相関関係を有しており、成型体密度が大きくなると縮率は小さくなる傾向にあり、逆に、成型体密度を小さくなると縮率は大きくなる傾向にある。
あるいは、図3(C)に示すように、成型体本体2−2の中間部2c−2に深さΔxの凹部を設け、中間部の幅を他の部分と比較して小さくすることも提案されている。この方法により、焼成時における縮率の差が原因となり、焼成後の焼結体の中間部の幅C2が、他の部分と比較して大きくなってしまうことを防ぐことが期待される。しかしながら、この場合においては、成型体本体の中間部の幅を他の部分と比較して小さくするのみであるため、図4(C)に示すように、焼結体本体のうち中間部の幅C2と円柱形成部の幅C1とを同程度の寸法とすることは、可能であったが、角柱形成部の幅C3については、改善がなされていなかった。
これに対して、本発明では、図3(A)に示すように、成型体本体の中間部に深さΔxの凹部を設け、中間部の幅を他の部分と比較して小さくし、かつ、第1端部方向から中間部に向けて、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部を形成している。したがって、図4(A)に示すように、本発明のフェライト成型体を焼成することにより製造される焼結体は、焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2、および角柱形成部の幅C3を、ほぼ均一にすることが可能となり、結果として、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体を得ることが可能となる。
また、本実施形態においては、成型体本体2に形成される溝部5は、図1(A)に示すように、第1端部6aから第2端部の近傍に向けて、成型体本体の長手方向に沿って形成されている。溝部5は、成型体本体2における柱脚間に位置する中間部においては、略均一な深さ(D)を有しており、また、角柱3が形成されている第1端部6a付近では、溝部5は、深さが大きくなるような形状を有している。本実施形態において、溝部5の形状を、第1端部6a付近で深さが大きくなるような形状としたのは、ボビンに組み込まれる際に、固定用のクリップを差し込み易くするためである。
成型体本体2に形成される溝部5の深さ(D)および幅(G)は、用途や目的に応じて適宜選択すれば良いが、溝部5の深さ(D)は、溝部5の深さ方向における成型体本体2の幅(W)の25%以上の長さであることが好ましく、また、溝部5の幅(G)は、成型体本体2における円柱4が形成されている部分の幅(C)の25%以上の長さであることが好ましい。
溝部5の深さ(D)や幅(G)が、大きくなると、フェライト成型体における溝部5を形成した部分の成型密度が、他の部分の成型密度と比較して、より高くなる傾向にある。したがって、溝部5の深さ(D)や幅(G)を大きくした場合に、特に本発明の効果が発揮される。
また、溝部5の成型体本体2の長手方向に沿った長さである溝部長さ(L)についても、用途や目的に応じて適宜選択すれば良いが、溝部長さ(L)は、好ましくは、第1端部6aと第2端部6bとの間の距離(L1)に対して50%以上の長さで形成される。
フェライト成型体1の製造方法
本実施形態のフェライト成型体1は、まず、フェライト成型体1を構成することとなるフェライト粉末を準備し、次いで、フェライト粉末を圧縮成形することにより製造される。
以下、本実施形態のフェライト成型体1の製造方法について、説明する。
まず、フェライト成型体1を構成することとなるフェライト粉末を準備する。フェライト粉末は、フェライト原料を仮焼き、粉砕、造粒することにより得られる。
フェライト原料としては、特に限定されないが、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化銅、酸化ニッケル等が使用でき、また、必要に応じて、副成分として種々の化合物を添加することができる。
次いで、フェライト原料を仮焼する。仮焼きは、原料の熱分解、成分の均質化、フェライトの生成、焼結による超微粉の消失と適度の粒子サイズへの粒成長を起こさせ、原料混合物を後工程に適した形態に変換するために行われる。仮焼は酸化性雰囲気中、通常は空気中で行われる。仮焼温度は800〜1000℃、仮焼時間は1〜3時間とすることが好ましい。
次いで、上記にて得られた仮焼き材料を粉砕し、粉砕材料を得る。粉砕は、仮焼き材料の凝集をくずして適度の焼結性を有する粉体を製造するために行われる。仮焼き材料が大きい塊を形成しているときには、粗粉砕を行ってからボールミルやアトライターなどを用いて湿式粉砕を行う。
次いで、粉砕材料の造粒(顆粒)を行い、粉末材料(造粒物)を得る。造粒は、粉砕材料を適度な大きさの凝集粒子とし、成型に適した形態に変換するために行われる。こうした造粒法としては、たとえば、加圧造粒法やスプレードライ法などが挙げられる。スプレードライ法は、粉砕材料に、ポリビニルアルコールなどの通常用いられる結合剤を加えた後、スプレードライヤー中で霧化し、乾燥する方法である。
次いで、得られたフェライト粉末を、図6(A)〜図6(C)に示す圧縮成型用金型20を使用して、圧縮成型し、フェライト成型体1を得る。
圧縮成型は、成型用凹型22に形成されている粉末充填用凹部26にフェライト粉末を充填し、成型用凹型22と成型用凸型24とで、圧縮成型することにより行われる。
図6(A)に示すように、本実施形態の圧縮成型用金型20は、粉末充填用凹部26を有する成型用凹型22と、成型用凹型22に押し込まれて、フェライト粉末に圧縮力を加える成型用凸型24とを有する。
成型用凹型22は、粉末材料充填部である粉末充填用凹部26を有しており、粉末充填用凹部26は、枠型28、中型30、下パンチ32より形成される成型用の凹部である。粉末充填用凹部26を形成する枠型28には、図6(C)に示すように、中間部形成用突起38およびテーパー部形成用突起40が、形成されている。この中間部形成用突起38およびテーパー部形成用突起40は、フェライト成型体1に凹部2bおよびテーパー部2a,3aを形成するための成型用の突起である。したがって、中間部形成用突起38およびテーパー部形成用突起40を適宜調整することにより、製造されるフェライト成型体1の凹部2bおよびテーパー部2a,3aの幅や形成位置等を制御することが可能となる。
成型用凸型24は、先端部に溝部形成用突起36を有する上パンチ34を有している。この溝部形成用突起36は、フェライト成型体1の溝部5を形成するための突起であり、したがって、溝部形成用突起36の形状は、形成する溝部5の形状に合わせて適宜選択することが可能である。
なお、本実施形態の圧縮成型用金型20を使用して、圧縮成型する際には、上パンチ34を押し込む際の圧縮力、および下パンチ32の圧縮力を制御することにより、成型密度を調整することができる。本実施形態の圧縮成型用金型20は、フェライト粉末に一定の圧縮力がかかるように、下パンチ32は固定されており、上パンチ34を粉末充填用凹部26内に押し込み加圧する過程において、枠型28を下方に移動させることで下パンチ32から圧縮力を得る構造となっている。
上記の工程を経て本実施形態のフェライト成型体1は、製造される。
なお、本実施形態においては、このようにして得られるフェライト成型体1を焼成することにより、フェライト焼結体10を得ることができる。
フェライト成型体1を焼成し、フェライト焼結体10を製造する際の焼成条件としては、たとえば、安定温度(焼成温度):1100〜1250℃、昇温速度:50〜300℃/hr、焼成時間:2〜8時間程度、焼成雰囲気:酸素濃度を制御した雰囲気とすることができる。
本実施形態のフェライト成型体1を焼成することにより得られるフェライト焼結体10は、図2(A)〜図2(C)に示すように、焼結体本体12、角柱13および円柱14から形成され、溝部15を有している。また、フェライト焼結体10は、フェライト成型体1を焼成することにより得られる焼結体であるため、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体である。
また、フェライト焼結体10は、図5に示すように、2つのフェライト焼結体10を、巻線を有するボビンに挿入して、組み合わせることにより、コイル用やトランス用のコアとして使用される。このフェライト焼結体10は、一方の焼結体の角柱13と他方の焼結体の角柱13、および一方の焼結体の円柱14と他方の焼結体の円柱14を対向させることにより、ボビン17を介して、組み合わされている。
なお、従来においては、ボビン17に挿入される部分である焼結体本体12および円柱14のみについて、寸法不良の低減が図られていたが、本発明のフェライト焼結体10は、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有している。したがって、本発明によると、たとえば、フェライト焼結体10において、自動機によりボビンに挿入する際に要求される寸法精度を達成することが可能となるため、従来のように、寸法精度を確保するために、別途、焼結体の全数検査や追加加工をする必要がなくなるため、製造コストの低減を図ることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る圧縮成型体および焼結体としてフェライトから構成されるフェライト成型体およびフェライト焼結体を例示したが、本発明に係る圧縮成型体および焼結体としては、これらに限定されず、圧縮成型により成型されるフェライト成型体および該フェライト成型体を焼成することにより得られる焼結体であれば何でも良い。
また、上述した実施形態では、圧縮成型用金型20を構成する成型用凹型22が、枠型28、一対の中型30、および下パンチ32で形成される成型用凹型22としたが、成型用凹型としては、一体化されたような構造を有する金型を使用することも可能である。また、上述した実施形態では、上パンチ34を粉末充填用凹部26内に押し込み加圧する過程において、下パンチ32は固定されており、枠型28を下方に移動させることで下パンチ32からの圧縮力を得る構造を例示したが、上パンチ34を押し込むことにより、下パンチ32が、追随して下降する構造を有していても良いし、また、上パンチ34を粉末充填用凹部16内に押し込むと共に、下パンチ32を上昇させる構造としても良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
[実施例の焼結体試料の作製]
まず、出発原料として、フェライト原料を用意し、次に、これらの原料について、配合、仮焼、粉砕および造粒を行いフェライト粉末を得た。
得られたフェライト粉末を、図6に示す圧縮成型用金型を使用して、圧縮成型することにより、図1に示すフェライト成型体を得た。
本実施例においては、図1中、成型体本体2における円柱4が形成されている部分の幅(C)、テーパー部2a,3aの形成長さ(T)および凹部2bの深さ(Δx)を、焼成後のフェライト焼結体の幅が、15.0mmとなるように調整した。すなわち、図4(A)における焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3が、15.0mmとなるようにフェライト成型体を作製した。
次いで、得られたフェライト成型体を焼成することにより、本発明の実施例の焼結体試料を作製した。
[比較例の焼結体試料の作製]
図3(C)に示すようなテーパー部2a,3aを有しない形状とした以外は、本発明の実施例の焼結体試料と同様にして、フェライト成型体を作製し、作製した成型体を焼成することにより、比較例の焼結体試料を作製した。
得られた実施例および比較例の焼結体試料について、焼結体寸法の測定、飽和磁束密度の測定、およびコアロスの測定を行った。
焼結体寸法の測定は、得られた実施例の焼結体試料について、図4(A)に示す焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3をそれぞれ測定することにより行った。測定は、15個の焼結体試料について行った。
同様にして、比較例の焼結体試料についても、図4(C)に示す焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3をそれぞれ測定した。測定は、15個の焼結体試料について行った。
表1に、実施例の焼結体試料の測定結果を、表2に、実施例および比較例の焼結体試料の測定結果を示す。なお、焼結体寸法は、設計値である15.0mmから±0.3mmの範囲に入る試料を良好とした。
飽和磁束密度(単位:mT)の測定は、実施例の焼結体試料2個を図5に示すように組み合わせて、1次巻線および2次巻線を1次:100/2次:10回ずつ巻回してトランス試料を作製し、理研電子社製 B−Hカーブトレーサーを使用し、測定温度23℃にて、1200A/mの磁場を印加することにより行った。測定は、5個のトランス試料について行い、測定結果の平均値を算出することで評価を行った。また、比較例の焼結体試料についても同様にして飽和磁束密度の測定を行った。表3に実施例および比較例の焼結体試料についての測定結果を示す。
コアロス(単位:W/kg)の測定は、実施例および比較例の焼結体試料について、飽和磁束密度の測定で使用したトランス試料と同様の試料を作製し、岩崎通信機(株)製 BH−アナライザ(SY−8217)を使用して行った。測定条件は、励磁磁束密度150mT、周波数16kHz、測定温度100℃の条件で行った。測定は、5個のトランス試料について行い、測定結果の平均値を算出することで評価を行った。表3に実施例および比較例の焼結体試料についての測定結果を示す。
Figure 2005294319
評価1
表1に、実施例の焼結体試料の図4(A)に示す焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2、角柱形成部の幅C3、および角柱形成部の幅C3の最小幅および最大幅を示す。なお、表1には、測定を行った15個の試料の各寸法と、それらの最大値、最小値および平均値も併せて示した。
表1より、円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2、角柱形成部の幅C3は、いずれも、15.0±0.3mmの範囲に入り、寸法精度が高く、良好な結果となった。また、テーパー部を形成した角柱形成部の幅C3については、幅C3のうち最小幅であるC3(min.)、および最大幅であるC3(max)のいずれも15.0±0.3mmの範囲に入り、さらに、C3(min.)の平均値とC3(max)の平均値の差も0.1mmとなり、高い寸法精度を有することが確認できた。
Figure 2005294319
表2に、実施例および比較例の焼結体試料の図4(A)または図4(C)に示す焼結体本体の円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3の測定結果を示す。なお、表2には、実施例および比較例の各焼結体試料15個について行った測定結果の平均値を示した。
表2より、実施例の焼結体試料は、円柱形成部の幅C1、中間部の幅C2および角柱形成部の幅C3のいずれも15.0±0.3mmの範囲内となったが、比較例の焼結体試料は、角柱形成部の幅C3が15.46mmと厚くなり、15.0±0.3mmの範囲外となった。すなわち、比較例の焼結体試料は、角柱形成部の幅C3の寸法精度に劣る結果となった。
したがって、フェライト成型体として、成型体本体の中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されているフェライト成型体を使用することにより、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体を得ることが可能となることが確認できた。
Figure 2005294319
評価2
表3に、実施例および比較例の焼結体試料の飽和磁束密度およびコアロスの測定結果を示す。なお、表3には、実施例および比較例の各焼結体試料5個について行った測定結果の平均値を示した。
表3より、実施例の焼結体試料は、従来例である比較例の焼結体試料と、飽和磁束密度およびコアロスの値がほぼ同等であることが確認できた。
したがって、上記結果より、本発明によれば、飽和磁束密度、コアロス等の電磁気特性を劣化することなく、焼結体全体に渡り高い寸法精度を有する焼結体を得ることが可能となることが確認できた。
図1(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト成型体の正面図、図1(B)は上面図、図1(C)は底面図、図1(D)は図1(A)のId−Id線断面図である。 図2(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト焼結体の正面図、図2(B)は上面図、図2(C)は底面図、図2(D)は図2(A)のIId−IId線断面図である。 図3(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト成型体の上面図、図3(B)、図3(C)は従来のフェライト成型体の上面図である。 図4(A)は本発明の一実施形態に係るフェライト焼結体の上面図、図4(B)、図4(C)は従来のフェライト焼結体の上面図である。 図5は本発明の一実施形態に係るコイルの上面図である。 図6(A)は本発明の一実施形態に係る圧縮成型用金型の断面図、図6(B)は図6(A)のVIb−VIb線断面図、図6(C)は成型用凹型の上面図である。 図7は成型体密度と、焼成による焼結体の縮率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1… フェライト成型体
2… 成型体本体
2a… テーパー部
2b… 凹部
3… 角柱
3a… テーパー部
4… 円柱
5… 溝部
6a… 第1端部
6b… 第2端部
6c… 柱脚形成面
6d… 対向面
10… フェライト焼結体
12… 焼結体本体
13… 角柱
14… 円柱
15… 溝部
17… ボビン
18… 巻線
19… 絶縁樹脂
20… 圧縮成型用金型
22… 成型用凹型
24… 成型用凸型
26… 粉末充填用凹部
28… 枠型
30… 中型
32… 下パンチ
34… 上パンチ
36… 溝部形成用突起
38… 中間部形成用突起
40… テーパー部形成用突起

Claims (9)

  1. 棒状の成型体本体の両端部から略直角方向に第1柱脚および第2柱脚が延びているU字形状を有し、
    前記成型体本体における柱脚形成面と反対方向の対向面に、一方の端部である第1端部から、他方の端部である第2端部の近傍に向けて、成型体本体の長手方向に沿って溝部が形成されている圧縮成型体であって、
    前記成型体本体における柱脚間に位置する中間部の幅が、他の部分と比較して小さくなっており、かつ、前記第1端部方向から前記中間部に向けて、前記成型体本体の幅が連続的に小さくなるテーパー部が形成されていることを特徴とする圧縮成型体。
  2. 前記成型体本体の幅方向の両側にテーパー部が形成されている請求項1に記載の圧縮成型体。
  3. 前記テーパー部が、前記第1端部から延びている第1柱脚にも形成されている請求項1または2に記載の圧縮成型体。
  4. 前記第1端部から延びている第1柱脚は、断面形状が四角形状である角柱脚であり、
    前記第2端部から延びている第2柱脚は、断面形状が円形状である円柱脚である請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮成型体。
  5. 前記溝部の深さ(D)が、前記溝部の深さ方向における前記成型体本体の幅(W)の25%以上の寸法で形成されており、かつ、
    前記溝部の幅(G)が、前記成型体本体における第2柱脚が形成されている部分の幅(C)の25%以上の寸法で形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の圧縮成型体。
  6. 前記溝部の成型体本体の長手方向に沿った溝部長さ(L)が、前記第1端部と第2端部との間の距離(L1)に対して50%以上の長さで形成されている請求項1〜5のいずれかに記載の圧縮成型体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮成型体を製造する方法であって、
    粉末材料充填部である粉末充填用凹部に粉末材料を充填する工程と、
    前記粉末材料が充填された前記粉末充填用凹部に、成型用凸型を押し込み、前記粉末材料に圧縮力を加えて、圧縮成型する工程とを有する圧縮成型体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮成型体を、焼成することにより得られる焼結体。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の圧縮成型体を製造するための圧縮成型用金型であって、
    粉末材料を充填するための粉末充填用凹部を有する成型用凹型と、
    粉末材料が充填された前記成型用凹型に押し込まれて、前記粉末材料に圧縮力を加える成型用凸型とを有し、
    前記粉末充填用凹部が、前記成型体の中間部を形成することになる中間部形成用突起と、前記テーパー部を形成することになるテーパー部形成用突起とを有する圧縮成型用金型。




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