JP2005296729A - 粉塵飛散防止方法及び粉塵飛散防止剤水溶液 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】 ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物に対し、ポリビニルアルコールを含有する粉塵飛散防止剤水溶液を混練する粉塵飛散防止方法及び粉塵飛散防止剤水溶液。
【効果】 本発明によれば、ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物からの粉塵の飛散を効果的に防止することが可能であり、ゴミ焼却炉における固体廃棄物の搬出・運搬作業、例えば、処理物ピットや処理物バンカ等からの固体廃棄物の積み出し作業や運搬作業、或いは最終処分場における埋め立て作業における、作業環境を改善することが可能である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゴミ焼却炉から排出された焼却灰、焼却飛灰、燃え殻等の固体廃棄物からの粉塵の飛散を防止する方法及びこれに用いる粉塵飛散防止剤水溶液に関する。
ゴミ焼却炉から排出される排ガスには、焼却飛灰と呼ばれる煤じんと酸性物質(例:塩化水素、硫黄酸化物)とが含まれており、酸性排ガスと焼却飛灰とは分離され、酸性排ガスはアルカリ水溶液、またはアルカリ物質に接触させて中和する方法などにより処理される。
一方、酸性排ガスから分離された焼却飛灰は、重金属などの有害物質を含み、微粉状で、嵩比重が小さいため、発塵して飛散し易い傾向にある。このため、焼却飛灰をそのまま廃棄するのは環境上問題があり、焼却飛灰は、所定の処理を施した後、最終処分場などに送られる。焼却飛灰の処理としては、溶融固化処理(即ち、溶融炉にて焼却飛灰をスラグとする処理)、セメント固化処理(即ち、セメントで煤じんと重金属とを固める処理)、薬剤処理(即ち、キレート剤溶液などの重金属固定剤と煤じんとを混合する処理)、酸その他溶媒による安定化処理(即ち、酸などの溶媒に煤じんを接触させて、重金属を溶出させる処理)などがある。
このような処理により得られる処理生成物は発塵しにくいものであることが、最終処分場への輸送等の作業上好ましいが、薬剤処理法、又は酸その他溶媒による安定化処理法にて得られる処理生成物は、焼却飛灰の固定が十分とはいえず、依然として発塵し易いという問題がある。また、セメント固化処理法で生成する処理生成物においても、その輸送等の作業中に処理生成物が崩壊すると、その崩壊物から粉塵が発塵することがある。
また、焼却飛灰の発塵性は、焼却飛灰処理の作業においても作業環境上の問題となるため、一般に焼却飛灰処理の作業では、焼却飛灰に予め水を散布する、又は水を加えて造粒又は圧縮成形して焼却飛灰を固形化するなどの水を用いた焼却飛灰の固定化処理が行われている。しかしながら、青木らの研究報告(都市清掃,第53巻,第235号,平成12年5月,222〜225頁:非特許文献1)に記載されているように、水を含む焼却飛灰を溶融固化処理法にて処理する場合には、水を蒸発させる熱量が必要となるため、溶融炉の熱効率が低下するという問題がある。
更に、ゴミ焼却炉から排出される固体廃棄物としては、上述した焼却飛灰の他に、焼却灰や残渣等があり、これらの処理作業時においても発塵は問題である。
なお、この発明に関する先行技術文献情報としては以下のものがある。
特開2000−159316号公報 特開2003−1219号公報 特開2003−24916号公報 「都市清掃」,第53巻,第235号,平成12年5月,p.222〜225 「都市清掃」,第56巻,第255号,平成15年9月,p.480〜486
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物からの粉塵の飛散を効果的に防止する方法及び粉塵飛散防止剤水溶液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物に対し、ポリビニルアルコールを含有する粉塵飛散防止剤水溶液、好ましくは、ポリビニルアルコールと共に、保水剤、好ましくは天然性保水剤を含有する粉塵飛散防止剤水溶液を混練することにより、混練されたポリビニルアルコールが、焼却飛灰等の固体廃棄物中の粉塵となりうる微粉同士を接着して凝集させ、少量の添加で粉塵の発生を効果的に防止することができることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記の粉塵飛散防止方法及び粉塵飛散防止剤水溶液を提供する。
[請求項1] ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物に対し、ポリビニルアルコールを含有する粉塵飛散防止剤水溶液を混練することを特徴とする粉塵飛散防止方法。
[請求項2] 上記水溶液中のポリビニルアルコール含有率が30質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の粉塵飛散防止方法。
[請求項3] 上記固体廃棄物100質量部に対してポリビニルアルコール成分を3質量部以下で混練することを特徴とする請求項1又は2記載の粉塵飛散防止方法。
[請求項4] 上記粉塵飛散防止剤水溶液が、更に、保水剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の粉塵飛散防止方法。
[請求項5] 上記水溶液中の保水剤の含有率が2質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の粉塵飛散防止方法。
[請求項6] 上記固体廃棄物が焼却飛灰であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の粉塵飛散防止方法。
[請求項7] ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物用の粉塵飛散防止剤水溶液。
[請求項8] 更に、保水剤を含有することを特徴とする請求項7記載の粉塵飛散防止剤水溶液。
[請求項9] 上記固体廃棄物が焼却飛灰であることを特徴とする請求項7又は8記載の粉塵飛散防止剤水溶液。
本発明によれば、ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物からの粉塵の飛散を効果的に防止することが可能であり、ゴミ焼却炉における固体廃棄物の搬出・運搬作業、例えば、処理物ピットや処理物バンカ等からの固体廃棄物の積み出し作業や運搬作業、或いは最終処分場における埋め立て作業における作業環境を改善することが可能である。
以下、本発明につき、更に詳しく説明する。
本発明の粉塵飛散防止方法は、ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物に対し、ポリビニルアルコール(PVA)を含有する粉塵飛散防止剤水溶液を混練するものである。特に、この方法を好適に適用することができるものとして、ゴミ焼却施設において排出される焼却飛灰の処理工程を挙げることができる。
図1は、ゴミ焼却施設において、ゴミ焼却炉から排出され排ガスから分離された焼却飛灰を処理する工程の一例を示す概略図である。この場合、排ガスから分離された焼却飛灰aは、飛灰サイロ1に一旦貯留され、定量供給装置2により混練成形機3に供給される。混練成形機3は、一般には、焼却飛灰に含まれる重金属の溶出を防ぐために焼却飛灰に混合するキレート剤等の重金属固定剤の混合や、水硬性セメント等のセメントによる固化等の方法による焼却飛灰の固形化を目的に設けられるものであるが、本発明の方法は、例えば、この混練成形機にポリビニルアルコールを含有する粉塵飛散防止剤水溶液を添加することにより実施することが可能である。
本発明において、粉塵飛散防止剤水溶液はポリビニルアルコールを含有するものであるが、ポリビニルアルコールには生分解性があり、粉塵飛散防止剤水溶液により処理して得られる処理生成物が最終処分場で埋め立てられる点を考慮すると、環境負荷の点から優れている。ポリビニルアルコールとしては、部分けん化PVA、完全けん化PVAのいずれをも用いることができるが、けん化度が82〜99%、特に82〜90%のものが溶解性や混練時の分散性の点で好ましい。このようなものとしては、日本酢ビ・ポバール(株)製 JL−05E等の市販品を用い得る。
また、本発明においては、粉塵飛散防止剤が水溶液であることから、混練成形機への添加を、液体を取り扱う方法で実施することができ、その添加にポンプ等を用いることができる点で好適である。また、同時に焼却飛灰に水分が添加される点からも好ましい。更に、水溶液は装置配管中で粉塵飛散防止剤が詰まる心配がないことから、運転管理上の点でも有利である。なお、粉塵飛散防止剤水溶液中のポリビニルアルコールの含有率は30質量%以下、特に18質量%以下であることが好ましい。粉塵飛散防止剤水溶液中のポリビニルアルコールの含有率が30質量%を超えると、ポリビニルアルコールが溶け残ったり、工程上の温度変化により析出してしまったりする場合がある。一方、粉塵飛散防止剤水溶液中のポリビニルアルコールの含有率の下限は、特に限定されるものではないが、通常4質量%以上、好ましくは10質量%以上である。
更に、本発明の粉塵飛散防止剤水溶液としては、ポリビニルアルコールと共に保水剤、好ましくは天然性保水剤を含有するものも好適である。保水剤は、固体廃棄物に混練された場合、主に保水・増粘剤として機能し、固体廃棄物への混練中に固体廃棄物が高温、乾燥環境に曝される場合にあっても、ポリビニルアルコールを効果的に固体廃棄物へ分散させることができると共に、得られた混練成形物中に水分を良好に保持させることができ、ポリビニルアルコールの固体廃棄物への粘結性を高い状態で維持することができる点で有利である。保水剤としては、アルギン酸化合物等が挙げられ、アルギン酸化合物としては、例えば、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等のアルギン酸塩が挙げられる。なお、粉塵飛散防止剤水溶液中の保水剤の含有率は2質量%以下、特に0.5質量%以下であることが好ましい。粉塵飛散防止剤水溶液中の保水剤の含有率が2質量%を超えると、粉塵飛散防止剤水溶液の粘度が高くなりすぎて、液体として扱にくくなる場合がある。一方、粉塵飛散防止剤水溶液中の保水剤の含有率の下限は、特に限定されるものではないが、通常0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上である。
混練操作は、上述した焼却飛灰に含まれる重金属の溶出を防ぐために焼却飛灰に混合する重金属固定剤の混合や焼却飛灰の固形化を目的とした混練操作をそのまま適用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、室温〜120℃程度、特に20〜100℃の温度範囲において、3〜20m/sの周速で回転する撹拌翼を備えた混練機、混練成形機により混練することができる。混練機、混練成形機としては、二軸強制混練式、二軸パドル式、振動式、パン型などを用いることが可能である。
粉塵飛散防止剤水溶液を混練機等に供給する方法としては、図1に示されるように、粉塵飛散防止剤水溶液bを粉塵飛散防止剤水溶液タンク4から混練成形機3にポンプ等(図示せず)を用いて供給する方法が挙げられる。この場合、粉塵飛散防止剤水溶液は、単独で直接混練機等に供給することも、混練機等に供給する他の薬剤、即ち、重金属固定剤やセメント等に混合して、又はそれらの供給ラインに合流させて供給することも可能である。なお、ポリビニルアルコール成分の混練量は、固体廃棄物100質量部に対して3質量部以下、特に1.5質量部以下であることが好ましい。一方、ポリビニルアルコール成分の混練量の下限は、特に限定されるものではないが、固体廃棄物100質量部に対して通常0.1質量部以上、好ましくは0.5質量部以上である。
また、この場合、焼却飛灰に粉塵飛散防止剤水溶液が混練されるが、本発明において粉塵飛散防止剤水溶液は、単独で混練しても、上述したような重金属固定剤やセメントと共に混練してもよい。また、必要に応じて更に水を添加することも可能である。
混練後、例えば、図1に示されるように、混練成形機3から排出された処理生成物pは、コンベア5により搬送され、処理物バンカ6に一時貯留され、処理物バンカ6からトラック等に積み込まれて最終処分場へと輸送される。また、最終処分場においては、トラックから荷下ろしされて埋め立てられる。この際、処理生成物pは搬送、貯留、輸送、荷下ろし、埋め立ての各工程又は作業において、衝撃により発塵することがあるが、本発明の方法及び粉塵飛散防止剤水溶液によれば、その発塵を可及的に低減することが可能である。
以下、実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示されるような装置を用い、ゴミ焼却炉から排出され排ガスから分離された焼却飛灰に重金属固定剤を添加して混練する装置の混練成形機3に、ポリビニルアルコール(日本酢ビ・ポバール(株)製 JL−05E)を12質量%、アルギン酸カリウム(富士化学工業(株)製 スノーカリウムM)を0.4質量%で各々含有する粉塵飛散防止剤水溶液を、粉塵飛散防止剤水溶液タンク4からダイヤフラムポンプを用い、焼却飛灰100質量部に対してポリビニルアルコール成分が1.5質量部となるように添加して焼却飛灰に混練した。なお、混練成形機3には、同時に重金属固定剤(不二サッシ株式会社製 L−301)を焼却飛灰100質量部に対して3質量部添加した。焼却飛灰の混練成形物は処理物バンカ中に1日間貯留し、得られた混練成形物の粉塵飛散特性(粉塵飛散防止剤の飛散防止特性)を以下の方法で評価した。
粉塵飛散性
処理物バンカからトラック荷台へ混練成形物を積載する際(約2m落下)の粉塵飛散状態を観察した。
粉塵飛散性評価の結果、トラック荷台からの粉塵の舞い上がりが殆ど観察されず、極僅かに舞い上がったものも速やかに沈降し、浮遊しなかった。
発塵性評価
処理物バンカでの貯留後の混練物(処理生成物)500gを、下記(A)及び(B)各々
(A)そのままで
(B)乾燥機(温度60℃、1時間)で乾燥して
ボールミル(ボール不使用)で60分間粉砕し、目開き150μmの篩を用いて篩分けして、150μm篩下品(粒径150μm未満)の割合を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
粉塵飛散防止剤水溶液を添加しなかった以外は、実施例1と同様の方法で焼却飛灰を混練成形し、得られた混錬成形物の粉塵飛散特性を上記の方法で評価した。
粉塵飛散性評価の結果、トラック荷台から相当の量の粉塵が舞い上がって浮遊し、なかなか沈降しなかった。
Figure 2005296729
粉塵飛散特性の評価の結果から、粉塵飛散防止剤水溶液を添加した実施例は添加していない比較例に比べて、粉塵の飛散が良好に抑制されることがわかる。また、実施例において、ボールミルによる粉砕操作によって発生する微細な粉塵の量が、乾燥しない状態及び乾燥した状態いずれの場合においても比較例に比べて減少しており、本発明の方法及び粉塵飛散防止剤水溶液が、ゴミ焼却炉から排出される焼却飛灰等の固体廃棄物の粉塵飛散防止に効果的であることがわかる。
本発明の粉塵飛散防止方法を適用したゴミ焼却炉の焼却飛灰を処理する工程を説明する概略図である。
符号の説明
1 飛灰サイロ
2 定量供給装置
3 混練成形機
4 粉塵飛散防止剤水溶液タンク
5 コンベア
6 処理物バンカ
a 焼却飛灰
b 粉塵飛散防止剤水溶液
p 処理生成物
s 試料
t トレー

Claims (9)

  1. ゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物に対し、ポリビニルアルコールを含有する粉塵飛散防止剤水溶液を混練することを特徴とする粉塵飛散防止方法。
  2. 上記水溶液中のポリビニルアルコール含有率が30質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の粉塵飛散防止方法。
  3. 上記固体廃棄物100質量部に対してポリビニルアルコール成分を3質量部以下で混練することを特徴とする請求項1又は2記載の粉塵飛散防止方法。
  4. 上記粉塵飛散防止剤水溶液が、更に、保水剤を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の粉塵飛散防止方法。
  5. 上記水溶液中の保水剤の含有率が2質量%以下であることを特徴とする請求項4記載の粉塵飛散防止方法。
  6. 上記固体廃棄物が焼却飛灰であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の粉塵飛散防止方法。
  7. ポリビニルアルコールを含有することを特徴とするゴミ焼却炉から排出された固体廃棄物用の粉塵飛散防止剤水溶液。
  8. 更に、保水剤を含有することを特徴とする請求項7記載の粉塵飛散防止剤水溶液。
  9. 上記固体廃棄物が焼却飛灰であることを特徴とする請求項7又は8記載の粉塵飛散防止剤水溶液。

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