JP2005297424A - 紙基材の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機溶剤が不要で作業環境を保持し、微粉砕状樹脂の発生を回避して再利用に好適な紙基材を回収することができる紙基材の回収方法を提供する。
【解決手段】 紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を、紙基紙の部分であるいは樹脂膜の一方と紙基紙との界面で二つに裂開し、裂開してなる紙材付樹脂物を液中に浸漬して紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂材料(特に熱可塑性樹脂)により両面が被覆された樹脂被覆紙から紙基材を分離して回収する紙基材の回収方法に関する。
一般に、牛乳や果汁、酒パック類等あるいは写真用印画紙等は、防水目的で熱可塑性樹脂で被覆された樹脂被覆紙が使用されている。この被覆紙は、紙基材の両側の表面に熱可塑性樹脂を溶融・押出しコーティング等して樹脂膜を設けることで生産されているが、パック成型加工時や写真用印画紙の現像処理時などにおいては防水性の点で樹脂膜と紙基材との間の接着性が良好であることが求められる。そのため、紙基材にコロナ処理や火焔処理等の活性化処理を施し、熱可塑性樹脂との間の接着強度を向上させてきた。
しかしながら、紙基材と樹脂膜との間の接着強度が強いと、使用済みの樹脂被覆紙あるいは生産の過程で生じる製品とし得ない樹脂被覆紙を回収、再利用しようとした際に、紙基材と樹脂膜との分離が困難となるため、廃棄・焼却処理されるのが通例とされていた。したがって、極めて不経済な状況にあった。このような状況に対し、近年では、樹脂被覆紙の取扱い性の簡便さから、紙基材を樹脂被覆紙から剥離分離して紙基材と樹脂膜とをそれぞれ再利用等による有効利用が望まれるようになり、紙基材と樹脂膜とを分離して紙基材を再び採用する技術が実用化されてきている。
上記のような技術として、例えば、樹脂被覆紙をそのままパルパー装置に投入し、高温のアルカリ液中に浸して離解させパルプとして回収する方法(例えば、特許文献1参照)や、樹脂被覆紙を穿孔し、有機溶剤の蒸気と接触させて剥離を行なう方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。しかし、前者では、紙基材としてではなくパルプ状態で回収されるが、微粉砕樹脂がこのパルプ中に残存し再利用の際に異物となって故障源となり、後者では、有機溶剤を使用することによる爆発の危険性があるほか、有機溶剤雰囲気での作業が必要になるとの問題があった。
特開昭62−156378号公報 特開平7−148737号公報
以上のように、各種分野で樹脂被覆紙が広く利用されているが、既に製品として位置付けられないような樹脂被覆紙を不都合を来たすことなく再利用に供し得る技術は、未だ確立されるに至っていないのが現状である。
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、有機溶剤が不要で作業環境を保持し、微粉砕状樹脂の発生を回避して再利用に好適な紙基材を回収することができる紙基材の回収方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を前記紙基材において二つに裂開し、裂開してなる二つの紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収することを特徴とする紙基材の回収方法である。
<2> 紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を、樹脂膜の一方と前記紙基材との界面で二つに裂開し、前記樹脂膜の一方を除いてなる紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収することを特徴とする紙基材の回収方法である。
<3> 浸漬された紙材付樹脂物の紙材面に高圧液噴射及び擦過処理の少なくとも一方を施し剥離する前記<1>又は<2>に記載の紙基材の回収方法である。
<4> 前記液が界面活性剤を含む前記<1>〜<3>のいずれか一つに記載の紙基材の回収方法である。
本発明によれば、有機溶剤が不要で作業環境を保持し、微粉砕状樹脂の発生を回避して再利用に好適な紙基材を回収することができる紙基材の回収方法を提供することができる。また同時に、樹脂膜も回収することが可能である。
本発明の紙基材の回収方法においては、両側に樹脂膜が設けられた樹脂被覆紙を、基材をなす紙基紙の部分で、あるいは樹脂膜と紙基紙との界面で二つに裂開した後に液中に浸漬して紙材を樹脂膜から剥離、回収するようにしたことを特徴とするものである。
以下、本発明の紙基材の回収方法について詳細に説明する。
本発明の紙基材の回収方法の第1の態様は、紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を紙基材において二つに裂開し、裂開してなる二つの紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収するように構成したものである。この場合、樹脂膜の間に挟まれた紙基材の部分で二つに引き裂いて裂開し、裂開後の二つの紙材付樹脂物の各々について、露出した紙基材の紙材に液を含浸させた状態にし、この紙材の部分(すなわち紙材面)に外的作用を施すことによって紙材を樹脂膜から剥離し、剥離されて液中に浮遊する紙材を回収する。
本発明の紙基材の回収方法の第2の態様は、紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を、樹脂膜の一方と前記紙基材との界面で二つに裂開し、前記樹脂膜の一方を除いてなる紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し、回収するように構成したものである。この場合、前記第1の態様のように紙基材の部分で二つに裂開するのではなく、紙基材の両側に設けられた樹脂膜の一方と紙基紙との界面において二つに裂開し、樹脂膜の一方には紙基材が残存しないようにする。そして、他方の樹脂膜と紙基材とからなる紙材付樹脂物について露出する紙基材の紙材に液を含浸させた状態にし、この紙材の部分(すなわち紙材面)に外的作用を施すことによって紙材を樹脂膜から剥離し、剥離されて液中に浮遊する紙材を回収する。
前記樹脂被覆紙の樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などいずれであってもよい。例えば、熱可塑性樹脂で被覆されたものの場合、樹脂が紙基体の表面に溶融押出しコーティングされてなる樹脂被覆紙など、熱可塑性樹脂以外の熱硬化性樹脂等の他の樹脂で被覆されたものの場合、樹脂が紙基体の表面に貼り付けられてなる樹脂被覆紙など、いずれに対しても本発明を適用することができる。上記の熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好適であり、低密度のポリエチレン(LDPE)や高密度のポリエチレン(HDPE)、LLDPEなどのポリエチレン、ポリプロピレン等が含まれる。
また、紙基材には特に制限はなく、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙されたもの等が適当である。木材パルプとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれでもよく、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPがより多く用いられているものが好適である。
樹脂被覆紙を二つに裂開する方法としては、紙基材の両側に設けられた樹脂膜の一方と他方とを各々別の方向に引っ張って引き裂くようにして好適に行なうことができる。具体的な例として、樹脂膜の各々(例えば端部)を握持したり、長尺形状のときには、裂開方向の角度を定める搬送用ローラを複数設けて搬送と同時に引き裂いていくような構成が挙げられる。
裂開してなる二つの紙材付樹脂物を浸漬する液には、爆発性や作業環境の点から、有機溶剤を主成分としない液体の中から選択して用いることが望ましく、好ましくは水又は水溶液である。水溶液としては、水に他の成分や、アルコール等の水混和性の有機溶剤を含むものを使用できる。他の成分を含む水溶液として、界面活性剤を含む水溶液を用いるのが好ましい。なお、有機溶剤を含む場合の含量は、防爆の点も加味し、水溶液の質量に対して0.5〜20質量%とするのが望ましい。
前記界面活性剤を含有すると剥離を容易に行なうことができる。該界面活性剤としては、特に制限はなく、ノニオン、アニオン、カチオン、両性等のいずれのものも使用でき、例えば、サポニン、スルホン酸ナトリウム系、ポリオキシエチレン誘導体等が好適に挙げられ、特にポリオキシエチレン誘導体(例えば、花王(株)製のエマルゲン)が好ましい。
また、前記ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。前記アニオン性界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。前記カチオン性界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。また、前記両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
前記界面活性剤を含む場合の、該界面活性剤の水溶液中における含有量としては、紙材の樹脂膜への接着強度等により依存するものであるが、水の量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.2〜0.3質量%がより好ましい。
使用する液の液温としては、紙材の剥離性の点で高温なほど、例えば70〜100℃程度に設定するのが望ましいが、取扱いや省エネルギーを考慮し剥離効率を維持できる観点からは65℃±10℃が好ましい。

液中に浸漬する時間としては、長い程効果的であるが省エネルギーの点から、前記液温等にも依存するが0.1〜20秒が好適である。
液中で外的作用を施して紙材を剥離する方法としては、浸漬された紙材付樹脂物の紙材面に対し、(1)高圧で液体又は気体を噴射する方法や、(2)擦過処理する方法が好適である。
前記方法(1)による場合は、液体又は気体の噴出が可能な噴射ノズルを備えた噴射装置を用い、少なくともその噴射ノズルを液中に配設して紙材面に所定の圧力が加わるように噴射することにより行なうことができる。
この場合には、ノズル断面が円形や矩形等のノズルやスリット状ノズルなどノズル形状は任意に構成できるが、スリット状ノズルが望ましい。また、噴射角度は、紙材付樹脂物の紙材面における紙材の接着強度や処理液温度などに依存し、場合により最適な処理条件を選択すればよいが、特に紙材面に対し略垂直(90°)もしくは鋭角をなす角度とするのが望ましい。噴射ノズルのノズル先端と紙材面との距離はできるだけ短い方が望ましく、1mm以下が好ましい。さらに、紙材面における噴射圧としては、ゲージ圧で0.01〜0.1Pa・s/cm2が望ましい。
前記方法(2)による場合は、液中の紙材面と接触可能な位置にブラシなどを配設し、紙材面を擦過できるようにすることで行なうことができる。この場合に好適なブラシとしては、アザラシ、ブタ等の動物の毛や金属線材等の素材よりなるブラシが効果的である。また、ブラシは固定配置する以外に、回転可能な回転ブラシなどを用い、樹脂被覆紙の搬送方向と異方向に、又は異速度として同方向に回転させるようにするとより効果的である。
上記のようにして紙材を剥離する過程では、剥離をより迅速、効果的に行なえるようにするために、超音波を付与するようにしてもよい。超音波を付与することにより、樹脂膜への紙材の付着(接着強度)を低下させて剥がれ易くすることができる。超音波の付与は適宜条件を選択して行なえばよく、詳細については後記する。
上記のようにして剥離された紙材は、液中に浮遊して存在することになるが、この液を外部において抄紙工程を行なう損紙回収パルパーに送液し、抄紙プロセスを経ることによって再利用される。
本発明の紙基材の回収方法は、例えば図1に示す回収装置を使用して好適に行なうことができる。この場合の回収方法について以下に説明する。
図1に示す回収装置100は、未処理の樹脂被覆紙を送り出す送出しロール10と、紙材が剥離された樹脂膜の一方(表側)を巻き取る表樹脂膜巻取りロール11及び他方の樹脂膜(裏側)を巻き取る裏樹脂膜巻取りロール12とを備え、送出しロール10と二つの巻取りロール11,12との間の搬送路には、処理液21を収納して紙材を液中剥離する処理槽20が配置されており、樹脂被覆紙1を連続搬送させて剥離、回収処理が行なえるようになっている。
送出しロール10から二つの巻取りロール11,12に向かう搬送路の、処理槽20の搬送方向上流側には、支持ロール13と、支持ロール13を基点に樹脂被覆紙1を裂開する2方向を決める引裂ロール14,15とが設けられており、搬送された樹脂被覆紙を紙基材において二つの紙材付樹脂物2,3に所定の角度θを有して裂開できるようになっている。角度θは、場合により適宜選択することができ、90〜180°となるように構成されるのが好適である。さらに、支持ロール13と送出しロール10との間にはロール9が設けられている。
引裂ロール14,15の搬送方向下流側に設置された処理槽20は、処理液21を収納すると共に、上壁に樹脂被覆紙1が挿通可能な開口部が複数設けられ、樹脂被覆紙1を搬入、搬出できるようになっている。処理槽20には、処理液21中となる位置にUターンロール16,17が配設され、Uターンロール16,17の各々と対向する位置には噴射ノズル22,23が配設されており、搬送された紙材付樹脂物2,3の紙材面に高圧で処理液の噴射が可能なようになっている。紙材面は、紙材付樹脂物の紙材が付着した側の表面である。
噴射ノズルは、任意の形状に構成できるが、好ましくはスリット状ノズルである。また、ノズル断面が円形や矩形等のノズルを用いてもよく、この場合は特に、複数のノズルを間隔を密にして配列するようにすると効果的である。また、噴射ノズルの噴射角度は、紙材付樹脂物の紙材面における紙材の接着強度や処理液温度などに依存し適宜最適な処理条件を選択することができるが、特に樹脂被覆紙1の搬送面に対して略垂直(90°)、もしくは搬送方向と逆方向側に向けて搬送面と鋭角をなすようにすることが望ましい。噴射ノズルのノズル先端と樹脂被覆紙1との距離はできるだけ短い方が望ましく、1mm程度とするのが効果的である。
また、処理槽20の底部には、水溶液中で超音波を発生する超音波発生器24が設けられており、紙材の樹脂膜からの剥離が容易に行なえるようになっている。超音波発生器は、市販のもの(例えばUH−600S((株)エスエムテー製)等)を適宜選択することができ、使用する機器の出力ワット数や周波数、最大振幅等を樹脂被覆紙の性状に合わせて最適条件を適宜選択して使用することができる。さらに、Uターンロール16と表樹脂膜巻取りロール11との間、及びUターンロール17と裏樹脂膜巻取りロール12との間の各々にも、補助ロール18,19が設けられている。
上記の回収装置100の送出しロール10に未処理の樹脂被覆紙1を装着し、処理槽20に処理液21を収納すると共に図示しない加熱器で調温する。そして、樹脂被覆紙1を定速搬送させ、支持ロール13に到達すると紙基材の部分で2方向に引き裂くようにして二つの紙材付樹脂物2,3に裂開する。裂開されてできた紙材付樹脂物2,3は更に搬送されて処理液21中に浸漬され、紙材面に処理液が吸収されながらUターンロール16,17に到達し、ここを通過する間に紙材付樹脂物2,3の各紙材面に対して噴射ノズル22,23から処理液21を噴射し、紙材を剥離する。紙材が剥離された後、紙材付樹脂物2,3の樹脂膜は、それぞれ補助ロール18,19を介して表樹脂膜巻取りロール11、裏樹脂膜巻取りロール12に巻き取られ、掻き落とされて処理液中に浮遊する紙材は、外部に設置された損紙回収パルパー(抄紙工程)に送られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は質量基準である。
(実施例1)
被処理物である樹脂被覆紙として、上質紙160g/m2(紙基材)の両面がポリエチレン(PE;熱硬化性樹脂)膜で被覆された長尺状のPE被覆紙がロール状に巻き取られたものを用意した。
次に、図1に示すように構成された回収装置100を構築した。
回収装置100は、未処理のPE被覆紙を送り出す送出しロール10と、紙材が剥離されたPE膜の一方(表側)を巻き取る表PE膜巻取りロール11及び他方のPE膜(裏側)を巻き取る裏PE膜巻取りロール12とを備え、送出しロール10と二つの巻取りロール11,12との間の搬送路には、水溶液21を収納して紙材を液中剥離する水槽20が配置されており、連続搬送させて剥離、回収処理が行なえるようになっている。
送出しロール10から二つの巻取りロール11,12に向かう搬送路の、水槽20の搬送方向上流側には、支持ロール13と、支持ロール13を基点にPE被覆紙を裂開する2方向を決める引裂ロール14,15とが設けられており、搬送されたPE被覆紙1を紙基体において二つの紙材付PE膜2,3に所定の角度(θ)120°で裂開されるようになっている。さらに、支持ロール13と送出しロール10との間にはロール9が配設されている。
水槽20には、水溶液21中となる位置にUターンロール16,17が配設され、Uターンロール16,17の各々と対向する位置には噴射ノズル22,23が配設されており、紙材付PE膜2,3の紙材面に高圧で水溶液を噴射できるようになっている。噴射ノズルは、紙材面に対し90°に噴射可能な向きに調整すると共に紙材面とノズル先端との距離を1mmとし、紙材面での噴射圧をゲージ圧で0.05Pa・s/cm2とした。また、水槽20の底部には超音波発生器24が設けられ、紙材の剥離を容易に行なえるように構成されている。さらに、Uターンロール16と表樹脂膜巻取りロール11との間、及びUターンロール17と裏樹脂膜巻取りロール12との間の各々には補助ロール18,19が配設されている。
上記の回収装置100の送出しロール10に、ロール状に巻き取られた未処理のPE被覆紙1を装着し、水槽20にエマルゲンA60(花王(株)製;界面活性剤)を0.2%含有させた水溶液21を収納し、水溶液21を図示しない加熱器で65℃に調温した。そして、PE被覆紙1を10m/secの搬送スピードで搬送し、紙基材の部分で支持ロール13で2方向に引き裂くようにして二つの紙材付PE膜2,3に裂開した。裂開されてできた紙材付PE膜2,3は更に搬送されて水溶液21中に浸漬され、紙材面で水溶液が吸収、膨潤した後、Uターンロール16,17に到達すると、紙材付PE膜2,3の各々の紙材面に噴射ノズル22,23から水溶液21を噴射し、紙材を掻き落とした。その後、紙材付PE膜2のPE膜は補助ロール18を介して表PE膜巻取りロール11に巻き取られ、紙材付PE膜3のPE膜は補助ロール19を介して裏PE膜巻取りロール12に巻き取られ、掻き落とされて水溶液21中に浮遊する紙材は、一定の処理量を終えた後、排出管25を挿通して外部に設置された損紙回収パルパー(抄紙工程)に送液した。
(実施例2)
実施例1において、噴射ノズル22,23を回転ブラシ31,32に代え(図2参照)、水溶液を噴射して行なった紙材の剥離を、回転ブラシをPE被覆紙の紙材面に接触させて擦過処理することで紙材を掻き落とすように剥離したこと以外、実施例1と同様にして、PE膜を巻き取ると共に紙基材の回収を行なった。本実施例においては、ブラシとしてステンレス製のブラシを使用し、ブラシ31,32は、紙材付PE膜2,3の搬送方向の各々と逆方向となるように回転(200rpm)させた。図2は、図1の噴射ノズル22,23を回転ブラシ31,32に代えた以外は同様に構成された装置例を示す図である。
(実施例3)
実施例1において、PE被覆紙1を紙基材の部分で裂開する操作を、PE被覆紙1を一方のPE膜と紙基紙との界面で支持ロール13で2方向に引き裂くようにして紙基材のないPE膜2’と一つの紙材付PE膜3に裂開するようにし、PE膜2’の搬送路にある噴射ノズル22からは噴射しないようにしたこと以外、実施例1と同様にして、PE膜を巻き取ると共に紙基材の回収を行なった。。
上記の実施例ではいずれの場合も、PE被覆紙を構成する紙基材及びPE膜を、微粉砕状樹脂の発生を伴なうことなく再利用に適した紙基材及びPE材として回収することができ、また、爆発の可能性や人体への悪影響のない良好な作業環境での作業が可能であった。
高圧噴射を行なう本発明の紙基体の回収方法により紙基材の回収を行なう回収装置の一例を示す概略図である。 擦過処理を行なう本発明の紙基体の回収方法により紙基材の回収を行なう回収装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1…PE被覆紙(樹脂被覆紙)
2,3…紙材付PE膜(紙材付樹脂物)
21…界面活性剤含有の水溶液(処理液)
22,23…噴射ノズル
31,32…ステンレス製ブラシ
100…回収装置

Claims (4)

  1. 紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を前記紙基材において二つに裂開し、裂開してなる二つの紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収することを特徴とする紙基材の回収方法。
  2. 紙基材の両面が樹脂膜で被覆された樹脂被覆紙を、樹脂膜の一方と前記紙基材との界面で二つに裂開し、前記樹脂膜の一方を除いてなる紙材付樹脂物を液中に浸漬して前記紙材付樹脂物の紙材を剥離し回収することを特徴とする紙基材の回収方法。
  3. 浸漬された紙材付樹脂物の紙材面に高圧液噴射及び擦過処理の少なくとも一方を施し剥離する請求項1又は2に記載の紙基材の回収方法。
  4. 前記液が界面活性剤を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙基材の回収方法。
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