JP2005297926A - 積載物固定用の紐状体緊張・固定装置 - Google Patents

積載物固定用の紐状体緊張・固定装置 Download PDF

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範之 市川
Haruji Mihara
春治 三原
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Abstract

【課題】 車椅子等の積載物を、強固に緊張できてしっかり係止固定できる利点はそのままとしながら、構造の簡素化や簡単化を図り、コストダウンや軽量化が行え、取り扱いも楽になるものに改善させる。
【解決手段】 車椅子を自動車フロア1に固定するための固定用ベルト2を緊張して係止させる積載物固定用の紐状体緊張・固定装置Aにおいて、人為操作力を増大させる操作力増大機構aと、この操作力増大機構aで増大された操作力によって固定用ベルト2を緊張する緊張機構bと、この緊張機構bによって緊張された固定用ベルト2をその緊張状態に維持させる維持機構cとから成るとともに、緊張機構bは、これが緊張作動しない非作動状態においては、主ベルト5を人力操作で予張すべく、固定用ベルト2の緊張機構bに対する緊張方向への移動が許容される状態に構成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、介護用の車椅子等の積載物を、固定用ベルト等の紐状体を用いてバンやワゴン自動車等の車両に安定的に係止固定するための紐状体緊張・固定装置に関する。
車椅子や小型電動車といった積載物を自動車などの車両に積載するには、走行中でも移動せずに安定支持させるために、荷架けベルトや固定用ロープ等の紐状体を用いて車両の床等に係止固定させる。その際、積載物をしっかりと係止固定するには、積載物と車両とに架設された紐状体をある程度強く緊張させ、かつ、その緊張状態を維持させることが必要である。
そのような要望に答える紐状体緊張・固定装置としては、従来その紐状体緊張・固定装置は、先端にフックを有した固定ベルトを巻取り自在な一対の巻取り回転体、これら巻取り回転体を回転操作する人力を増大させる操作力増大機構、一対の回転体を、ベルト巻取り方向には回転自在とし、かつ、ベルト巻き解し方向の回転は阻止するラチェット機構、並びに、これらラチェット機構の係止作用を解除可能な解除機構等を枠体に取付支持させて構成されている。
つまり、左右のフックを、バン自動車のフロアに積載された車椅子のフレームの所定個所に引掛けてから、回動レバーを人力操作して引き上げ揺動させることにより、てこの作用によって増大された操作力によって巻取り回転体を巻取り方向に回動させ、弛みが殆ど無い状態にされている一対の固定ベルトを強力に引張り操作して緊張させ、車椅子をフロアに強度十分にしっかりと係止固定させる。
特許文献1において開示された装置では、左右の固定ベルトを巻き取って強力に緊張させ、車椅子をしっかりと係止固定することが可能と思われる。しかしながら、一対の巻取り回転体の夫々に、固定ベルトを巻きバネによって常時引張り付勢する機構や、ラチェット機構、並びに左右の巻取り回転体を回動レバーに連動された1本の操作ワイヤーで巻取り移動させる連係機構等、多くの機構類が必要であって構造が複雑化し、コスト高になるとともに、それらの機構類を強度十分に支持する金属枠等が必要で、重い装置になってしまう等、種々の不利がある。改善の余地が残されているものであった。
そこで、本発明は、固定ベルト等の積載物固定用の紐状体を緊張して係止固定させる紐状体緊張・固定装置の構造を見直し、車椅子等の積載物を、強固に緊張できてしっかり係止固定できる利点はそのままとしながら、構造の簡素化や簡単化を図り、コストダウンや軽量化が行え、取り扱いも楽になるものに改善させることを目的とする。
請求項1の構成は、積載物を固定するための紐状体を緊張して係止させる積載物固定用の紐状体緊張・固定装置において、
人為操作力を増大させる操作力増大機構と、この操作力増大機構で増大された操作力によって前記紐状体を緊張する緊張機構と、この緊張機構によって緊張された紐状体をその緊張状態に維持させる維持機構とから成るとともに、前記緊張機構は、これが緊張作動しない非作動状態においては、前記紐状体の前記緊張機構に対する緊張方向への移動が許容される状態に構成されていることを特徴とする。
請求項2の構成は、請求項1に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置において、前記操作力増大機構は、前記緊張機構を操作するための作用点と枢支点を有した揺動自在な操作レバーを設けるとともに、前記操作レバーにおける作用点と枢支点との間隔に比べて、前記操作レバーの力点と前記枢支点との間隔を十分に大きくすることで構成されていることを特徴とする。
請求項3の構成は、請求項2に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置において、前記緊張機構は、前記紐状体の弛緩方向への移動は阻止し、前記紐状体の緊張方向への移動は許容する弛緩ロック機構と、前記紐状体における前記弛緩ロック機構に対する紐状体の緊張方向で上手側に位置する部分を強制的に折り曲げ移動可能な押圧体とから構成され、前記操作レバーの緊張側への操作に伴って前記押圧体が紐状体を折り曲げ、かつ、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って前記押圧体による折り曲げが解除されるように、前記操作レバーと前記押圧体とが連係されていることを特徴とする。
請求項4の構成は、請求項3に記載の紐状体緊張・固定装置において、前記弛緩ロック機構は、紐状体に接触自在な制動部材が先端に装備された揺動アームを、前記紐状体の架設経路近傍における装置固定部に枢支し、かつ、前記制動部材が紐状体に押し付けられる方向に前記揺動アームを付勢する弾性部材を設けて構成されるとともに、前記制動部材が紐状体に接触する作用状態においては、前記揺動アームの枢支点が、前記制動部材に対する前記紐状体の緊張方向で上手側に位置する構成とされていることを特徴とする。
請求項5の構成は、請求項4に記載の紐状体緊張・固定装置において、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って前記制動部材が紐状体から離れ、かつ、前記操作レバーの緊張側への操作に伴って前記制動部材が紐状体に押し付けられるように、前記操作レバーと前記揺動アームとが連動連係されていることを特徴とする。
請求項6の構成は、請求項5に記載の紐状体緊張・固定装置において、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って、互いに連動して同時にロック作動を解除される二個の弛緩ロック機構があり、一方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って作用する位置に備えられ、前記一方の弛緩ロック機構には、前記操作レバーの弛緩側への操作に連動して同時に他方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が備えられるように構成されていることを特徴とする。
請求項7の構成は、請求項3〜6のいずれか一項に記載の紐状体緊張・固定装置において、前記緊張機構は、互いに隣合う状態で配策される前記紐状体の一対に対して作用すべく、各前記紐状体に作用する一対の押圧体及び一対の弛緩ロック機構を有していることを特徴とする。
請求項8の構成は、請求項2〜7のいずれか一項に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置において、前記操作レバーを起立姿勢に向けて上昇揺動させることで前記緊張機構が緊張作動され、起立姿勢にある前記操作レバーを下降揺動させて横臥姿勢にすることで前記緊張機構の緊張作動が解除されるように構成されていることを特徴とする。
請求項9の構成は、請求項8に記載の紐状体緊張・固定装置において、前記操作レバーが、自走車輛の積載物搭載用フロアに形成された下方への凹入段差部に配置自在であるとともに、前記操作レバーは、これが下降揺動されて横臥姿勢にある状態では、その最上部分が前記搭載用フロアから上方に突出しないように寸法設定されていることを特徴とする。
請求項1の構成によれば、積載物を緊張させる緊張機構が非作動状態のときには、紐状体の緊張方向への移動が許容されるので、手で持って引張る等によって紐状体を予め弛みが無いように引張る予張力操作を行うことが可能である。そして、その予張力状態にある紐状体を、増大された操作力で動かされる緊張機構によって強力に緊張させることができるとともに、その緊張状態を維持機構によって維持させることができる。例えば、車輛に積まれた車椅子を固定ベルトで係止固定させるにおいて、先ず先端のフックを車椅子の所定個所に引掛けた状態で固定用ベルトを手で持って引張ることで弛み無く予張力させ、その状態で緊張機構によって緊張させ、しっかりと安定的に係止固定させる、ということが可能になる。
その結果、緊張機構による緊張作動の前に紐状体を人力操作で予張力させることができるので、巻きバネやラチェット機構等の複雑な機構類が不要になり、その分、構造の簡素化、軽量化、並びにコストダウンが可能となる紐状体緊張・固定装置を提供することができる。
請求項2の構成によれば、操作力増大機構が、点と前記枢支点との間隔が作用点と枢支点との間隔よりも十分に大きい状態に寸法設定された操作レバーによって構成されているので、操作レバーが操作力増大機構を兼ねることになる。従って、必要な機能はそのままとしながら、構造の簡素化、簡単化、並びにそれによるコストダウンが可能になり、請求項1の構成による前記効果を強化することができる。
請求項3の構成によれば、弛緩ロック機構によって紐状体の弛み移動を阻止し、その状態において紐状体を、増大された操作力によって移動操作される押圧体で折り曲げ移動することで紐状体を緊張させるので、その構成によっても操作力が増大され、軽い力でもより強力紐状体を緊張できるようになる。即ち、折り曲げ移動させることは、弛み無く架設されている紐状体にその緊張方向に交差する方向の力を加えることに相当するからであり、紐状体を強烈に引張って緊張させることが可能になる。その結果、操作レバーによる紐状体の引張り構造工夫により、簡単な構造としながらも人力パワーを高能率及び高倍率の増大させて、よりしっかりと積載物を係止固定できる紐状体緊張・固定装置が得られる。
請求項4の構成によれば、揺動アームの枢支点が、制動部材が紐状体に接触する作用状態においては、制動部材に対する紐状体の緊張方向で上手側に位置させてあるので、先端の制動部材が紐状体に押し付けられて接触すると、その接触摩擦によって制動部材が益々紐状体に強く接触する現象、所謂「セルフロック」を引起す。従って、紐状体を利用したセルフロック機構が構成されたことになり、廉価で簡単な構造でありながら、確実に紐状体の弛み移動が阻止されるという高機能が得られる利点がある。
請求項5の構成によれば、操作レバーを弛緩側に操作すれば、弾性部材による制動部材の紐状体への摩擦接触が解除されるので、紐状体を人力で引っ張る操作をより抵抗少なく行うことができるとともに、紐状体を弛緩方向に移動させて弛ます操作も自在に行えるので、紐状体の予張力操作時の融通が効くものとなる。そして、操作レバーを緊張側に操作すれば、制動部材が紐状体に押し付けられる状態に戻るので、緊張機構による紐状体の緊張操作は問題無く行うことができる。
請求項6の構成によれば、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って、互いに連動して同時にロック作動を解除される二個の弛緩ロック機構があり、一方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って作用する位置に備えられ、前記一方の弛緩ロック機構には、前記操作レバーの弛緩側への操作に連動して同時に他方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が備えられるように構成されているので、ロック解除が1つの操作に連動しており、より簡単に解除作業が行われ、より使い勝手に優れる紐状体の係止固定・緊張装置を提供できる。
請求項7の構成によれば、緊張機構は、紐状体を緊張させる押圧体、及び緊張状態を居維持させる弛緩ロック機構の双方を一対装備しているので、一対の隣合う紐状体の双方を、強力に緊張し、かつ、その緊張状態を維持できるものとなる。従って、積載物に2本のベルトを引掛けたり、左右一対の固定ベルトを緊張したりする操作が1個の操作レバーで行うことができ、積載物をバランス良く緊張させることができて、より使い勝手に優れる紐状体の係止固定・緊張装置を提供できる。
請求項8の構成によれば、操作レバーを下降揺動させて横臥姿勢とすれば紐状体を弛緩されるので、操作レバーが横倒されて邪魔になり難い状態で、積載物の積み下ろしや移動等の補助作業を好適に行える状態が得られる。そして、操作レバーを上昇揺動させて起立姿勢にすれば紐状態が緊張されるので、積載物を固定した状態では起立姿勢の操作レバーが邪魔になることが無いとともに、係止固定されていることの目印として利用することも可能である。その結果、操作レバーの姿勢設定工夫により、積載物の積載状態、及び非積載状態の何れにおいても好都合な操作レバーとなる紐状体の緊張・固定装置が得られる。
請求項9の構成によれば、積載物の非係止固定状態では、横臥姿勢にある操作レバーが凹入段差部からフロア上に突出しないので、フロア上における積載物の移動や積み下ろしの際に、操作レバーが引っ掛るおそれが皆無となり、積載物のフロアへの積み下ろし、並びに非も上体を緊張しての係止固定操作を、より円滑で能率的に行える紐状体の緊張・固定装置を提供することができる。
以下、本発明による積載物固定用の紐状体緊張・固定装置の実施形態を、バン型自動車に車椅子を積載して係止固定するベルト緊張・固定装置Aの場合について、図面を参照して説明する。図1〜図6は実施例1によるベルト緊張・固定装置Aの構造を示す各図、図7〜図10はベルトの緊張作動を示す作用図であり、図12,13は、実施例2によるベルト緊張・固定装置A2を示す図である。尚、図1,2に示す車両のフロア1において、車椅子3が前を向く方向を前、その反対側を後と定義する。
本発明による積載物固定用のベルト緊張・固定装置(紐状体緊張・固定装置の一例)Aは、図1に示すように、バン型(又はワゴン型)の自動車における後部座席用のフロア1に、固定用ベルト2を用いて車椅子(介護車)3を係止固定するためのものである。フロア(自走車輛の積載物搭載用フロアの一例)1には、車椅子3が搭載される床面1aから下方に凹んだ凹入段差部4が形成されており、この凹入段差部4にベルト緊張・固定装置Aが配置されている。
固定用ベルト2は、図1〜図4に示すように、ベルト緊張・固定装置Aによって緊張可能な主ベルト5と、主ベルト5の両端の夫々に、三角リング状の三方金具8を介して連結される左右一対の第1ベルト6及び第2ベルト7との、計5個のベルトから構成されている。主ベルト5は、手動による引張り操作が自在な引き金具9において折り返されて一方ベルト部分5Aと他方ベルト部分5Bとを形成しており、これら一方及び他方ベルト部分5A,5Bの先端に三方金具(バックル)8が連結されている。また、第1及び第2ベルト6,7の夫々の先端には鉤状のフック10が連結されている。各三方金具8は、斜め掛けされた左右一対の引張りバネ30により、後方に付勢されている。
凹入段差部4の前側でフロア1に臨む上端の隅角部の左右夫々には、図2に示すように、第1及び第2ベルト6,7を導き案内する棒材で成る平面視で略E字状のガイド部材11が取付けられている。左右の第1ベルト6は、ガイド部材11に下方から巻回させて向きが反転されるとともに、左右の第2ベルト7は、ガイド部材11の下部に接することで若干向きが修正されている。つまり、4個のベルト6,7は、車椅子3のフレーム3fに対して、互いに反対向きに前後二箇所で、かつ、左右一対の計4箇所にフック10を引掛ける構造が取られている。従って、この状態で主ベルト5を引張ることにより、車椅子3を前後に移動することの無いバランスの取れた状態としながら、フロア1に係止固定させることができるようになっている。
凹入段差部4の後端縦壁4bには、一方ベルト部分5Aを折返して向きを反転させるための反転ローラ25と、他方ベルト部分5Bを約90度ずつ向きを変えて折返すための上下一対のガイドローラ26,27とが、ブラケット31を介して回転自在に枢支されている。そして、折返されて上下に隣合う状態の一方及び他方ベルト部分5A,5Bは、ベルト緊張・固定装置Aを通過して凹入段差部4の前方におけるフロア1の上方に取出されており、その末端折返しベルト部5Cを前方に引張り操作するための引き金具9が装備されている。引き金具9は、図11に示すように、主ベルト5を半円状に巻回する巻回ローラ28と、これを回転自在に枢支する支持部材29とから構成されている。
ベルト緊張・固定装置Aは、図3、図5に示すように、凹入段差部4の底面4aに固定された支持金具12と、この支持金具12に横向き支点Pで揺動自在に枢支された操作レバー13と、この操作レバー13の下部に枢支された一対の押えローラ34と、底面4a及び操作レバー13の夫々に支承された計2組の弛緩ロック機構R1,R2と、操作レバー13を多段階の回動位置において係止固定可能なレバーロック機構(維持機構の一例)cとを設けて構成されている。
支持金具12は、底面4aに面当接する横板部12Aと、これの左右両端から立ち上がる一対の縦手板部12Bとから成る断面横倒しコ字形状の屈曲金具であり、縦板部12Bに支点Pで揺動自在に操作レバー13が枢支されている。縦板部12Bの上部には、支点Pを中心とする円弧状に多数のラック19が形成されており、操作レバー13にスライド自在に支持される厚板状ストッパ17とラック19との噛合い構造により、ラチェット構造のレバーロック機構cが構成されている。
操作レバー13は、左右一対の板レバー部13Aと、それらの先端に跨って架設固定される棒材製の握り部13Bとから成り、左右の縦板部12Bに架設された支点Pを有する支軸20に回動自在に枢支されている。厚板状ストッパ17は、左右の板レバー部13Aに形成された長溝13aにスライド自在に嵌め込まれており、その上端部には、手指操作によって引き上げ移動するための板金製の被操作部材32が固着されている。また、厚板状ストッパ17を長溝13aの下端部に復帰付勢させるスプリング機構33が操作レバー13に装備されている(図7参照)。
つまり、通常は、スプリング機構33の付勢力によって厚板状ストッパ17はラック19に係合しており、操作レバー13を緊張側(矢印ロ方向)には揺動できるが、弛緩側(矢印イ方向)には揺動不能に支持されている。そして、スプリング機構33の付勢力に抗して被操作部材32を握り部13B側に引き上げスライドさせて、厚板状ストッパ17とラック19との係合を解除すれば、操作レバー13を弛緩側(矢印イ方向)にも揺動移動可能となる。
第1弛緩ロック機構R1は、図3,5,6に示すように、左右の板レバー部13Aの間において支軸20に枢支される状態で装備されている。即ち、略コ字状に屈曲形成された板金製の揺動アーム24が支軸20に枢支され、揺動アーム24の先端(前端)に横向き円筒状の制動部材23が取り付けられるとともに、基端側に被操作アーム部24aが形成されている。制動部材23が下方に移動する方向に揺動アーム24を付勢する巻きバネ(弾性部材の一例)25が、支軸22に外嵌される状態で設けてあり、自由状態では、制動部材23が一方ベルト部分5Aにその上側から当接されている(図3参照)。尚、13bは巻きバネ25の一端を受止めるように、板レバー部13Aに固定されたストッパピンである。この第1弛緩ロック機構R1は、一方ベルト部分5Aの弛緩方向(図3の矢印ハ方向)の移動を阻止可能である。
また、図3,5に示すように、支持金具12の前端部には、第1弛緩ロック機構R1と同構造であり、他方ベルト部分5Bに作用する第2弛緩ロック機構R2が構成されている。即ち、縦板部12Bの前端部に、先端に制動部材23を有した揺動アーム24が支点Xで枢支され、巻きバネ25によって制動部材23を他方ベルト部分5Bに上から押付ける(押下げる)構成である。この場合のストッパピン13bは縦板部12Bに取付けられている。
操作レバー13には、図3等に示すように、これの倒し操作(弛緩側への操作)に伴って第1及び第2弛緩ロック機構R1,R2のロック作動を解除し、かつ、起立操作(緊張側への操作)に伴って第1及び第2弛緩ロック機構R1,R2のロック作動を許容する構成が採られている。即ち、第1弛緩ロック機構R1の被操作アーム部24aに作用可能な第1操作片16が床面1aに装備され、かつ、第2弛緩ロック機構R2の被操作アーム部24bに作用可能な第2操作片18が操作レバー13に装備されている。
操作レバー13を下降揺動して横臥させた解除位置Kへの操作(解除側への操作)に伴い、第1操作片16が被操作アーム部24aを、かつ、第2操作片18が被操作アーム部24bを夫々押して、各々の揺動アーム24が巻きバネ25の付勢力に抗して強制回動操作され、制動部材23を一方及び他方ベルト部分5A,5Bから引き離すのである(第1弛緩ロック機構R1については図7を参照)。そして、主ベルト5を緊張すべく操作レバー13を解除位置Kから緊張側へ操作するに伴い、第1及び第2操作片16,18の作用が無くなり、各弛緩ロック機構R1,R2がロック作動する状態に切換えられる。
つまり、第1、第2弛緩ロック機構R1,R2においては、制動部材23が主ベルト5に接触する作用状態においては、揺動アーム24の枢支点P,Xが、制動部材23に対するベルト緊張方向で上手側に位置する構成とされており、それによって公知技術である「セルフロック機構」が構築されている。従って、弛緩ロック機構が作動している状態では、一方及び他方ベルト部分5A,5Bを緊張方向には自由に引張れるが、弛緩方向には移動できないように、操作レバー13と各揺動アーム24とが連動連係されているのである。
図3〜図5に示すように、一方及び他方ベルト部分5A,5Bは、上下に重ね合わされたような状態で、左右の板レバー部13A間で、かつ、前後一対の押圧体21の間を挿通するように配策されており、凹入段差部4の底壁4aには、他方ベルト部分5Bに上から作用する一対の押えローラ34が操作レバー13の直後に配設されている。これら前後の押えローラ34間に第2弛緩ロック機構R2が配備されている。
以上の構成から、ベルト緊張・固定装置Aは、人為操作力を増大させる操作力増大機構aと、この操作力増大機構aで増大された操作力によって主ベルト5を緊張する緊張機構bと、この緊張機構bによって緊張された主ベルト5をその緊張状態に維持させる維持機構cとから構成されている。緊張機構aは、これが緊張作動しない非作動状態においては、主ベルト5の緊張機構aに対する緊張方向への移動が許容される状態に構成されている。尚、図2に示すように、ベルト緊張・固定装置Aは、これを搭載する車両の構造上、車体の左右中心線Cから、距離dだけ若干水平方向にオフセットされて配置されている。
操作力増大機構aは、緊張機構bを操作するための押圧体(作用点の一例)21と支点(枢支点の一例)Pを有した揺動自在な操作レバー13を設けるとともに、操作レバーにおける押圧体21と支点Pとの間隔に比べて、操作レバー13の力点である握り部13Bと支点Pとの間隔を十分に大きくすることで構成されている。
緊張機構bは、固定用ベルト2の弛緩方向への移動は阻止し、緊張方向への移動は許容する第1及び第2弛緩ロック機構R1,R2と、固定用ベルト2における弛緩ロック機構R1,R2に対する緊張方向で上手側に位置する部分を強制的に折り曲げ移動可能な一対の押圧体21とから構成されている。そして、操作レバー13の緊張側への操作に伴って押圧体21が一方及び他方ベルト部分5A,5Bを折り曲げ、かつ、操作レバー13の弛緩側への操作に伴って押圧体21による折り曲げが解除されるように、操作レバー13と各押圧体21とが連係されている。
次に、ベルト緊張装置Aを用いて車椅子3をフロア1に固定する操作及び手順について説明する。先ず、図2に示すように、車椅子3を移動させてフロア1の所定の位置に積載し、左右の第1及び第2ベルト6,7を操作して、その先端のフック10を車椅子3の縦フレーム部3t等に引掛ける。このとき、左右の第1ベルト6のフック10は前向きで、かつ、左右の第2ベルト7のフック10は後向きとなるように、ガイド部材11を用いて振り分けて引掛ける。また、左右の巻きバネ30の張力により、第1及び第2ベルト6,7が弛んだり、それらのフック10が外れたりしない良好な引掛け状態が維持される。
それから、引き金具9を手で持って主ベルト5を後方に引張る人為操作を行い、主ベルト5を弛みが無く、かつ、ある程度人為的に固定用ベルト2を緊張させた状態としてから、横臥姿勢で解除位置Kにある操作レバー13(図7参照)を、ほぼ垂直に起立した作用位置Sに引き上げ揺動し(図10参照)、主ベルト5を強力に引張って固定用ベルト2を緊張させ、車椅子3を強固にフロア1に固定させるのである。次に、緊張機構b等によるるベルト緊張動作について詳しく説明する。
操作レバー13が最も倒れた解除位置Kにあるときは、図7に示すように、各制動部材23が一方及び他方ベルト部分5A,5Bから離れており、主ベルト5を自由に押し引き移動できる状態がもたらされている。これにより、引き金具9を操作しての固定用ベルト2の人為予張操作が行い易い。また、前側の押圧体21は一方ベルト部分5Aから上方に離れており、後側の押圧体21は他方ベルト部分5Bに下方から軽く接触している程度である。この解除位置Kにあるときは、操作レバー13は凹入段差部4の高さ範囲内に収まり、フロア1より上方には突出しないように設定されており、フロア1での車椅子3の移動操作等の邪魔とならないようになっている。
操作レバー13を少し上昇揺動させると、図8に示すように、第1及び第2弛緩ロック機構R1,R2が作動状態になり、一方及び他方ベルト部分5A,5Bの弛緩方向への移動が阻止されるとともに、前側の押圧体21は一方ベルト部分5Aを押下げ始め、かつ、後側の押圧体21は他方ベルト部分5Bを押上げる状態になる。つまり、主ベルト5がその長て方向に交差(ほぼ直交)する方向への折り曲げ移動が開始され、主ベルト5を強力に緊張し始める。
さらに操作レバー13を上昇揺動させると、図9に示すように、前側の押圧体21がさらに下降揺動し、一方ベルト部分5Aだけでなく他方ベルト部分5Bも一緒に押下げる。そして、後側の押圧体21もさらに上昇揺動して、他方ベルト部分5Bを大きく押上げる。このとき、後側の押圧多21と押えローラ34とは前後に極めて近接しているので、他方ベルト部分5Bの引張り量は比較的大きいものとなる。尚、レバーロック機構cは、操作レバー13の上昇揺動は行えるよう、厚板状ストッパ17がラック19を乗り越え移動できるように構成されている。
尚も操作レバー13を上昇揺動させて、図10に示すように、揺動終端位置である垂直に起立させた作用位置Sに操作し、前後の押圧体21で両ベルト部分5A,5Bを強力に、かつ、長く引張ることができ、その結果、主ベルト5、即ち固定用ベルト2を強力で大量に引張ることができ、車椅子3をフロア1に前後に動くこと無くしっかりと安定的に係止固定させることができるのである。そして、操作レバー13は、レバーロック機構cにより、作用位置Sに維持されており、車椅子3の安定支持状態が維持されるのである。
実施例2によるベルト緊張・固定装置A2は、図12,13に示すように、弛緩ロック機構R1と押圧体21とが1組だけ装備されており、操作レバー13の揺動操作により、車椅子3の後部に作用する単一組の固定用ベルト2を緊張させるものに構成されている。従って、基本的な構造は、実施例1によるベルト緊張・固定装置Aと同じであり、同じ箇所には同じ符号を付してある。
この場合の固定用ベルト2は、左右一対の第1ベルト6,6と主ベルト5とが三方金具8を介して連結されるだけであり、主ベルト5の開放端には引き金具9が固定装備されている。また、各第1ベルト6の先端にはフック10が固定されている。車椅子3の前側には、主ベルト41と左右一対の第2ベルト7,7とが三方金具8を介して連結され、主ベルト41の基端には引き金具9が、そして各第2ベルト7にはフック10が固定される構造の補助ベルト40が用いられる。この補助ベルト40にも、弛緩ロック機構R2が装備されている。
つまり、先ず左右の第2ベルト7,7を車椅子3のフレーム3f(3t)に引掛け、ローラで折返されて第2弛緩ロック機構R2を通された主ベルト41を、引き金具9を持って後方に人力で引張る。次に、左右の第1ベルト6,6をフレーム3f(3t)に引掛け、ベルト緊張・固定装置A2を通された主ベルト5を引き金具9で引張ってから、操作レバー13を横臥姿勢から起立揺動させ、固定用ベルト2を強く引張って車椅子3をフロア1に係止固定させるのである。
以上説明したように、本発明によるベルト緊張・固定装置A,A2においては、先が二股状に別れた固定用ベルト2を用いているので、操作力増大機構aや緊張機構b、及び維持機構cは1組あれば良いとともに、予め人為操作で固定用ベルト2を引張るようにしたので、全体と四手の構造が簡単化、及び簡素化でき、コスト的に有利なものにできる。しかも緊張機構bは、固定用ベルト2を、これの緊張方向とほぼ直交する方向に押圧体21で押付けて折り曲げるものであるから、その構成によっても強い緊張力を生むことができ、操作レバー13による「てこ」の原理と相俟って、簡単な構造ながら人為力を飛躍的に増幅させてベルト緊張できる合理的な装置が実現できている。
〔別実施例〕
紐状体2としては、固定用ベルトの他、ワイヤーロープ、撚り紐、複合樹脂製の紐やベルト等、種々のものが使用可能である。また、操作力増大機構aや緊張機構b、及び維持機構cは、図示の構造に限定されるものではない。
自動車フロアに車椅子を積載した状態を示す要部の側面図(実施例1) 固定用ベルトを含む実施例1によるベルト緊張・固定装置の全体平面図 実施例1によるベルト緊張・固定装置を示す側面図 固定用ベルトの張設構造の前部を示す側面図 実施例1によるベルト緊張・固定装置の平面図 弛緩ロック機構の構造を示す斜視図 操作レバーの上昇揺動開始時の作動状況を示す作用図 操作レバーの上昇揺動初期の作動状況を示す作用図 操作レバーの上昇揺動途中の作動状況を示す作用図 操作レバーの上昇揺動完了時の作動状況を示す作用図 引き金具の構造を示す斜視図 実施例2によるベルト緊張・固定装置等を示す側面図 図12における各ベルトの張設構造を示す平面図
符号の説明
1 フロア
2 固定用ベルト(紐状体)
3 積載物
4 凹入段差部
5 主ベルト
5A 一方のベルト部分
5B 他方のベルト部分
13 操作レバー
13B 握り部(力点)
21 押圧体(作用点)
23 制動部材
24 揺動アーム
25 弾性部材
P 枢支点(支点)
X 枢支点
R1,R2 弛緩ロック機構
a 操作力増大機構
b 緊張機構
c 維持機構

Claims (9)

  1. 積載物を固定するための紐状体を緊張して係止させる積載物固定用の紐状体緊張・固定装置であって、
    人為操作力を増大させる操作力増大機構と、この操作力増大機構で増大された操作力によって前記紐状体を緊張する緊張機構と、この緊張機構によって緊張された紐状体をその緊張状態に維持させる維持機構とから成るとともに、前記緊張機構は、これが緊張作動しない非作動状態においては、前記紐状体の前記緊張機構に対する緊張方向への移動が許容される状態に構成されている積載物固定用の紐状体緊張・固定装置。
  2. 前記操作力増大機構は、前記緊張機構を操作するための作用点と枢支点を有した揺動自在な操作レバーを設けるとともに、前記操作レバーにおける作用点と枢支点との間隔に比べて、前記操作レバーの力点と前記枢支点との間隔を十分に大きくすることで構成されている請求項1に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置。
  3. 前記緊張機構は、前記紐状体の弛緩方向への移動は阻止し、前記紐状体の緊張方向への移動は許容する弛緩ロック機構と、前記紐状体における前記弛緩ロック機構に対する紐状体の緊張方向で上手側に位置する部分を強制的に折り曲げ移動可能な押圧体とから構成され、前記操作レバーの緊張側への操作に伴って前記押圧体が紐状体を折り曲げ、かつ、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って前記押圧体による折り曲げが解除されるように、前記操作レバーと前記押圧体とが連係されている請求項2に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置。
  4. 前記弛緩ロック機構は、紐状体に接触自在な制動部材が先端に装備された揺動アームを、前記紐状体の架設経路近傍における装置固定部に枢支し、かつ、前記制動部材が紐状体に押し付けられる方向に前記揺動アームを付勢する弾性部材を設けて構成されるとともに、前記制動部材が紐状体に接触する作用状態においては、前記揺動アームの枢支点が、前記制動部材に対する前記紐状体の緊張方向で上手側に位置する構成とされている請求項3に記載の紐状体緊張・固定装置。
  5. 前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って前記制動部材が紐状体から離れ、かつ、前記操作レバーの緊張側への操作に伴って前記制動部材が紐状体に押し付けられるように、前記操作レバーと前記揺動アームとが連動連係されている請求項4に記載の紐状体緊張・固定装置。
  6. 前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って、互いに連動して同時にロック作動を解除される二個の弛緩ロック機構があり、一方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が、前記操作レバーの弛緩側への操作に伴って作用する位置に備えられ、前記一方の弛緩ロック機構には、前記操作レバーの弛緩側への操作に連動して同時に他方の弛緩ロック機構のロック作動を解除する操作片が備えられるように構成されている請求項5に記載の紐状体緊張・固定装置。
  7. 前記緊張機構は、互いに隣合う状態で配策される前記紐状体の一対に対して作用すべく、各前記紐状体に作用する一対の押圧体及び一対の弛緩ロック機構を有している請求項3〜6のいずれか一項に記載の紐状体緊張・固定装置。
  8. 前記操作レバーを起立姿勢に向けて上昇揺動させることで前記緊張機構が緊張作動され、起立姿勢にある前記操作レバーを下降揺動させて横臥姿勢にすることで前記緊張機構の緊張作動が解除されるように構成されている請求項2〜7のいずれか一項に記載の積載物固定用の紐状体緊張・固定装置。
  9. 前記操作レバーが、自走車輛の積載物搭載用フロアに形成された下方への凹入段差部に配置自在であるとともに、前記操作レバーは、これが下降揺動されて横臥姿勢にある状態では、その最上部分が前記搭載用フロアから上方に突出しないように寸法設定されている請求項8に記載の紐状体緊張・固定装置。
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CN107458314A (zh) * 2016-06-02 2017-12-12 佛吉亚汽车工业公司 行李箱地板遮盖装置和包含该遮盖装置的汽车行李箱

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