JP2005298720A - 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 適度な遮光性と白色光の透過を有する車輌用外装成形品、殊に車輌用屋根材の如き大型成形品を提供することにある。更には、大型成形品において問題となる軽量化、高剛性および高寸法安定性を併有する、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなるかかる成形品を提供する。
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、および平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.1〜30重量部からなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品。
【選択図】 なし
【解決手段】 芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、および平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.1〜30重量部からなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、光拡散性を有するポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品に関する。より詳しくは、芳香族ポリカーボネート樹脂および特定の高分子微粒子からなる樹脂組成物より形成された車輌用外装成形品であり、良好な色相を有し車輌室内に柔らかな自然光を取り込むことを可能にする成形品に関する。好ましくは、更に層状珪酸塩(殊に有機化された層状珪酸塩)、および芳香族ポリカーボネートと親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物を含有することにより、剛性、寸法安定性および表面平滑性に優れた、比較的大きな面積を有する車輌用外装成形品に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、優れた透明性、耐熱性、機械的強度等を有するため電気、機械、自動車、医療用途等に幅広く使用されている。中でも軽量化を目的とした車輌用透明部材への適用が広く試みられている。かかる車輌用透明部材としては、ヘッドランプレンズ、樹脂窓ガラス、リアランプレンズ、およびメーターカバーなど高度な透明性が要求される部材、並びにサンルーフ、ムーンルーフ、デタッチャブルトップ、ウインドーリフレクター、ウインカーランプレンズ、ルームランプレンズ、およびディスプレー表示用前面板などのやや程度の低い透明性で足りる部材などが例示される。
かかる車輌用透明部材においては、車内に柔らかな自然光を取り込むことが好ましいとされる場合もあり、かかる場合には適度な遮光性と白色光の透過が求められる。例えばかかる機能を目的とする部材としては、市販車両であるマツダ(株)製のデミオ(商品名)におけるホワイトキャンパストップが公知である。かかるキャンパストップは繊維状の素材によるものであるが、ガラスの如く表面平滑性が良好でかつ剛性に優れた素材により同様の特性が求められる場合があった。即ち、車輌用の屋根材であって、適度な遮光性と白色光の透過を有する部材が求められ、その提供が課題であった。
一方、従来ガラス製の部材を、車体の軽量化を狙って芳香族ポリカーボネートに置き換えることが近年盛んになっている。芳香族ポリカーボネートは、ガラスに比較すると曲げ剛性が劣るため、曲げ弾性率の向上が求められる場合がある。特に風圧を受け走行時に荷重のかかる外部部材においてかかる要求は高い。他方、曲げ弾性率の向上は製品の薄肉化が図られ、部材を更に軽量化することもできる。しかしながら通常使用される無機充填材の配合による改良は、比重の増加によって軽量化のメリットを相殺したり、表面平滑性を低下させガラスと同様の使用ができないなどの不具合が生じていた。かかる通常の無機充填材の欠点を解決する方法として、芳香族ポリカーボネート、有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体の如き芳香族ポリカーボネートと親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物からなる樹脂組成物からなり、特定の全光線透過率を満足する成形品を車輌用透明部材に適用できることは公知である(特許文献1参照)。
芳香族ポリカーボネート樹脂に、無機微粒子や高分子微粒子からなる光拡散剤を配合した光拡散機能を有する成形品は、電灯カバー、メーター、看板(特に内照式)、樹脂窓ガラス、画像読取装置、表示装置用の光拡散板(例えば、液晶表示装置等バックライトモジュールに使用される光拡散板、プロジェクターテレビ等投影型表示装置のスクリーンに使用される光拡散板等に代表される)等の幅広い分野で用いられている。かかる成形品は、従来のアクリル樹脂に比較して耐熱性や寸法安定性に優れる点で有利である。
更に芳香族ポリカーボネート、有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体の如き芳香族ポリカーボネートと親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物からなる樹脂組成物に、更に光拡散剤を配合できることは公知である(特許文献2参照)。しかしながら、該文献にあっても車内に柔らかな自然光を取り込むための車輌用外装成形品を得るために、更なる検討が必要であった。
本発明の目的は、適度な遮光性と白色光の透過を有する車輌用外装成形品、殊に車輌用屋根材の如き大型成形品を提供することにある。更には、大型成形品において問題となる軽量化、高剛性および高寸法安定性を併有する、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなるかかる成形品を提供することにある。
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討した。上記の知見から透明性に優れた芳香族ポリカーボネートに前記特性を満足するような添加剤を配合することが簡便であると考え、炭酸カルシウム粒子に代表される添加剤の配合を実施した。しかしながら、車輌用の屋根材は極めて大型の成形品であるため、しばしばシルバーやヤケ筋などの外観不良や、不均一な透過光を生じ、良好な成形品が得られないことが判明した。一方でポリメチルシルセスキオキサン粒子に代表される高分子微粒子を配合した芳香族ポリカーボネート樹脂組成物から、10,000cm2を超える投影面積の大型射出成形品が得られることを見出した。更に特定の層状珪酸塩および特定の化合物を配合することにより、その表面平滑性を損なうことなく、また光拡散性を低下させることなく、熱安定性、剛性および寸法安定性の良好な成形品が得られることを見出し、更に鋭意検討を進めて本発明を完成した。
本発明は、(1)芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、および平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.1〜30重量部からなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品にかかるものである。かかる構成(1)によれば、適度な遮光性と白色光の透過を有する車輌用外装成形品、殊に車輌用屋根材の如き大型成形品が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(2)前記車輌用外装成形品は、その最大投影面積が500〜50,000cm2であることを特徴とする前記構成(1)の車輌用外装成形品である。本発明は、かかる大型の成形品の提供を可能とする。かかる最大投影面積は、好ましくは5,000〜40,000cm2、更に好ましくは10,000〜35,000cm2である。ここで最大投影面積とは成形品における最大の投影面積であり、金型キャビティの投影面積に相当する場合が多い。
本発明の好適な態様の1つは、(3)前記車輌用外装成形品は、射出プレス成形法により製造されたことを特徴とする前記構成(2)の車輌用外装成形品である。かかる構成(3)によれば、大型かつ適度な遮光性と白色光の透過を有する車輌用外装成形品、殊に車輌用屋根材の如き大型成形品が提供される。また前記A成分およびB成分からなる樹脂組成物、更に後述するA成分〜D成分からなる樹脂組成物は、その溶融粘弾性特性において、射出プレス成形において好ましい特性を有し、より良好な成形品を得ることができる。
本発明の好適態様の1つは、(4)前記光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にA成分100重量部を基準として、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(C成分)0.1〜20重量部を含有してなる樹脂組成物である前記構成(1)〜(3)の車輌用外装成形品である。より好ましい態様は、(5)前記光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にA成分100重量部を基準として、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(D成分)を含有してなる樹脂組成物である前記構成(4)の車輌用外装成形品である。より好ましい態様の1つは、前記C成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、かつその陽イオン交換基の少なくとも40%が有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩である前記構成(4)〜(5)の車輌用外装成形品である。更に好ましい態様は、(7)該C成分における有機オニウムイオンは下記一般式(I)で示されることを特徴とする前記構成(6)の車輌用外装成形品である。
かかる構成(4)〜(7)によれば、前記の光透過性を満足しつつ、表面平滑性、剛性、および寸法安定性に優れた車輌用外装成形品が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(8)前記D成分は、カルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有する芳香族ビニル重合体(D-1成分)であることを特徴とする前記構成(5)〜(7)の車輌用外装成形品であり、更に好適には(9)該D-1成分は、スチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする前記構成(8)の車輌用外装成形品である。かかる構成(8)および(9)によれば、より熱安定性に優れ大型化に適応可能な車輌用外装成形品が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(10)前記A成分〜D成分からなる樹脂組成物は、前記C成分と前記D成分とを予め溶融混練した後に、該溶融混練物と前記A成分およびB成分とを溶融混練して調製されたものであることを特徴とする前記構成(5)〜(9)の車輌用外装成形品である。かかる構成(10)によれば、更に熱安定性に優れ大型化に適応可能であり、剛性および寸法安定性に優れた車輌用外装成形品が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(11)前記車輌用外装成形品は、その表面にハードコート処理がなされるものであることを特徴とする前記構成(1)〜(10)の車輌用外装成形品である。本発明の車輌用外装成形品には、耐擦傷性およびより改良された耐候性を付与すべくハードコート処理がなされることがその実用上好適である一方、本発明の成形品は十分にハードコート処理に適応可能である。したがってかかる構成(11)によれば、より実用性の高い適度な遮光性と白色光の透過を有する車輌用外装成形品、殊に車輌用屋根材の如き大型成形品が提供される。
以下本発明の詳細について説明する。
<A成分について>
本発明のA成分である芳香族ポリカーボネートは、通常、2価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
<A成分について>
本発明のA成分である芳香族ポリカーボネートは、通常、2価フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られるものであり、反応の方法としては界面重縮合法、溶融エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エステル交換法および環状カーボネート化合物の開環重合法等を挙げることができる。
前記2価フェノールの具体例としては、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称“ビスフェノールA”)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エステル、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等が挙げられる。これらのなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、特にビスフェノールA(以下“BPA”と略称することがある)が汎用されている。
本発明では、汎用ポリカーボネートであるビスフェノールA系のポリカーボネート以外にも、例えば、吸水による寸法変化をより低減する目的やさらに剛性を向上させる目的等から、他の2価フェノール類を使用した特殊な芳香族ポリカーボネ−トをA成分として使用することも可能である。
例えば、2価フェノール成分の一部または全部として、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ジフェノール(以下“BPM”と略称することがある)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(以下“Bis−TMC”と略称することがある)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンおよび9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下“BCF”と略称することもある)を用いた芳香族ポリカーボネ−ト(単独重合体または共重合体)は、吸水による寸法変化や形態安定性の要求が厳しい用途に適当である。これらの2価フェノールは芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分全体の5モル%以上、特に10モル%以上、使用するのが好ましい。
殊に、高剛性かつ吸水率の低い(よって吸水による寸法変化の少ない)成形品が要求される場合には、A成分が次の(a)〜(c)の共重合ポリカーボネートであるのが特に好適である。
(a)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、BCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(b)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、BCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(c)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、Bis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(a)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、BCFが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
(b)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPAが10〜95モル%(より好適には50〜90モル%、さらに好適には60〜85モル%)であり、BCFが5〜90モル%(より好適には10〜50モル%、さらに好適には15〜40モル%)である共重合ポリカーボネート。
(c)該芳香族ポリカーボネートを構成する2価フェノール成分100モル%中、BPMが20〜80モル%(より好適には40〜75モル%、さらに好適には45〜65モル%)であり、Bis−TMCが20〜80モル%(より好適には25〜60モル%、さらに好適には35〜55モル%)である共重合ポリカーボネート。
これらの特殊な芳香族ポリカーボネートは単独で用いてもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。また、これらを汎用されているビスフェノールA系の芳香族ポリカーボネートと混合して使用することもできる。
これらの特殊な芳香族ポリカーボネートの製法および特性については、例えば、特開平6−172508号公報、特開平8−27370号公報、特開2001−55435号公報および特開2002−117580号公報等に詳しく記載されている。
なお、前記各種ポリカーボネートのなかでも、共重合組成等を調整して、吸水率およびTg(ガラス転移温度)を下記の範囲内にしたものは、耐加水分解性が良好で、かつ低反り性においても格段に優れているため、特に好適である。
(a)Tgが120〜180℃であり、かつ吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%である芳香族ポリカーボネート、あるいは、
(b)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%である芳香族ポリカーボネート。
(a)Tgが120〜180℃であり、かつ吸水率が0.05〜0.15%、好ましくは0.06〜0.13%である芳香族ポリカーボネート、あるいは、
(b)Tgが160〜250℃、好ましくは170〜230℃であり、かつ吸水率が0.10〜0.30%、好ましくは0.13〜0.30%、より好ましくは0.14〜0.27%である芳香族ポリカーボネート。
ここで、芳香族ポリカーボネートの吸水率は、直径45mm、厚み3.0mmの円板状試験片を用い、ISO62−1980に準拠して23℃の水中に24時間浸漬した後の水分率を測定した値である。また、Tg(ガラス転移温度)は、JIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求められる値である。
また、前記カーボネート前駆体としては、カルボニルハライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等が使用され、具体的には、ホスゲン、ジフェニルカーボネートまたは2価フェノールのジハロホルメート等が挙げられる。
前記2価フェノールとカーボネート前駆体とから界面重合法によってポリカーボネートを製造するに当っては、必要に応じて、触媒、末端停止剤、2価フェノールが酸化するのを防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。
また、本発明樹脂組成物を構成するA成分となる芳香族ポリカーボネートは、3官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した分岐ポリカーボネートであってもよい。かかる3官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用できる。分岐構造を生ずる多官能性化合物を含む場合、その割合は、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構造の割合についても、芳香族ポリカーボネート全量中、0.001〜1モル%、好ましくは0.005〜0.9モル%、特に好ましくは0.01〜0.8モル%であるものが好ましい。なお、芳香族ポリカーボネート中の分岐構造量の割合は、1H−NMR測定により算出することが可能である。
さらに、芳香族または脂肪族(脂環族を含む)の2官能性カルボン酸を共重合したポリエステルカーボネート、2官能性アルコール(脂環式を含む)を共重合した共重合ポリカーボネートに前記官能性カルボン酸および2官能性アルコールをともに共重合したポリエステルカーボネートでもよい。脂肪族の2官能性のカルボン酸は、α,ω−ジカルボン酸が好ましい。脂肪族の2官能性のカルボン酸としては、例えば、セバシン酸(デカン二酸)、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサン二酸等の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸が好ましく挙げられる。2官能性アルコールとしては脂環族ジオールがより好適であり、例えば、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール等が例示される。本発明では、この他に、ポリオルガノシロキサン単位を共重合したポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体の使用も可能である。
本発明の樹脂組成物におけるA成分(芳香族ポリカーボネート)は、2価フェノール成分の異なるポリカーボネート、分岐成分を含有するポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリカーボネート−ポリオルガノシロキサン共重合体等、各種の芳香族ポリカーボネートを2種以上を混合したものであってもよい。また、製造法の異なるポリカーボネート、末端停止剤の異なるポリカーボネート等を2種以上混合して使用することもできる。
芳香族ポリカーボネートの製造における界面重縮合法による反応は、通常、2価フェノールとホスゲンとの反応であり、酸結合剤および有機溶媒の存在下に反応させる。酸結合剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはピリジン等のアミン化合物が用いられる。有機溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素が用いられる。また、反応促進のために、例えば、トリエチルアミン、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロマイド等の3級アミン、4級アンモニウム化合物、4級ホスホニウム化合物等の触媒を用いることもできる。その際、反応温度は、通常、0〜40℃、反応時間は10分〜5時間程度、反応中のpHは9以上に保つのが好ましい。
また、かかる重合反応において、通常、末端停止剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノール類を使用することができる。単官能フェノール類の具体例としては、例えば、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール等の単官能フェノール類を用いるのが好ましい。さらに、単官能フェノール類としては、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノール、トリアコンチルフェノール等を挙げることができる。かかる末端停止剤は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
溶融エステル交換法による反応は、通常2価フェノールとカーボネートエステルとのエステル交換反応であり、不活性ガスの存在下に2価フェノールとカーボネートエステルとを加熱しながら混合して、生成するアルコールまたはフェノールを留出させる方法により行われる。反応温度は生成するアルコールまたはフェノールの沸点等により異なるが、通常、120〜350℃の範囲である。反応後期には反応系を1.33×103〜13.3Pa程度に減圧して生成するアルコールまたはフェノールの留出を容易にさせる。反応時間は通常1〜4時間程度である。
カーボネートエステルとしては、置換基を有していてもよい炭素原子数6〜10のアリール基、アラルキル基あるいは炭素原子数1〜4のアルキル基等のエステルが挙げられ、なかでもジフェニルカーボネートが好ましい。
また、重合速度を速めるために重合触媒を用いることができる。かかる重合触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、2価フェノールのナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属化合物;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の含窒素塩基性化合物;等の各種触媒を用いることができる。さらに、アルカリ(土類)金属のアルコキシド類、アルカリ(土類)金属の有機酸塩類、ホウ素化合物類、ゲルマニウム化合物類、アンチモン化合物類、チタン化合物類、ジルコニウム化合物類等の通常エステル化反応、エステル交換反応に使用される触媒を用いることができる。これらの触媒は単独で使用してもよく2種以上を組合せて使用してもよい。触媒の使用量は、原料の2価フェノール1モルに対し、好ましくは1×10−9〜1×10−5当量、より好ましくは1×10−8〜5×10−6当量の範囲で選ばれる。
溶融エステル交換法による反応では、生成ポリマーのフェノール性末端基を減少させる目的で、重縮反応の後期あるいは終了後に、例えば、2−クロロフェニルフェニルカーボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート、2−エトキシカルボニルフェニルフェニルカーボネート等の化合物を加えることができる。
さらに、溶融エステル交換法では触媒の活性を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜50モルの割合で用いるのが好ましい。また、重合後のポリカーボネートに対し、0.01〜500ppmの割合、より好ましくは0.01〜300ppm、特に好ましくは0.01〜100ppmの割合で使用する。失活剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩等のホスホニウム塩およびテトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート等のアンモニウム塩等が好ましく挙げられる。
芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は限定されない。しかしながら、粘度平均分子量が10,000未満であると成形品の強度等が低下し、50,000を超えると成形加工特性が低下するようになるので、10,000〜50,000の範囲が好ましく、12,000〜30,000の範囲がより好ましく、14,000〜28,000の範囲がさらに好ましい。
かかる粘度平均分子量はA成分全体として満足すればよく、分子量の異なる2種以上の混合物によりかかる範囲を満足するものを含む。特に粘度平均分子量が50,000(より好ましくは80,000以上、更に好ましくは100,000以上)を超える芳香族ポリカーボネートの混合は、溶融時のエントロピー弾性を高くする点で有利な場合がある。例えば、射出プレス成形におけるヘジテーションの抑制に効果がある。したがって、粘度平均分子量が50,000を超える芳香族ポリカーボネートの混合は、これらの改良が求められる場合およびこれらの成形法を適用する場合に、好適な選択の1つとなる。かかる効果は、芳香族ポリカーボネートの分子量が高いほど顕著となるが、実用上該分子量の上限は200万、好ましくは30万、より好ましくは20万である。
本発明でいう粘度平均分子量は、まず、次式にて算出される比粘度(ηSP)を20℃で塩化メチレン100mlに芳香族ポリカーボネート0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求め、
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
求められた比粘度(ηSP)を次式にて挿入して粘度平均分子量Mを求める。
ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−4M0.83
c=0.7
なお、本発明の樹脂組成物における粘度平均分子量を測定する場合は、次の要領で行う。すなわち、該組成物を、その20〜30倍重量の塩化メチレンに溶解し、可溶分をセライト濾過により採取した後、溶液を除去して十分に乾燥し、塩化メチレン可溶分の固体を得る。この固体0.7gを塩化メチレン100mlに溶解した溶液から、20℃における比粘度(ηSP)を、オストワルド粘度計を用いて求め、上記の式により粘度平均分子量Mを算出する。
<B成分について>
本発明のB成分は、平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子である。かかる平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μmの範囲、より好ましくは0.1〜8μmの範囲である。かかる平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で求められる粒度の積算分布の50%値(D50)で表されるものである。また、粒径の分布については狭いものが好ましく、平均粒径±2μmである粒子が全体の70重量%以上の範囲である分布を有するものがより好ましい。
本発明のB成分は、平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子である。かかる平均粒子径は、好ましくは0.1〜10μmの範囲、より好ましくは0.1〜8μmの範囲である。かかる平均粒子径は、レーザー回折・散乱法で求められる粒度の積算分布の50%値(D50)で表されるものである。また、粒径の分布については狭いものが好ましく、平均粒径±2μmである粒子が全体の70重量%以上の範囲である分布を有するものがより好ましい。
また高分子微粒子の屈折率は、好ましくは1.33〜1.7、より好ましくは1.35〜1.67である。良好な色相を得るためにはA成分の芳香族ポリカーボネートよりも屈折率の低いことが好ましい。したがって更に好ましいD成分の屈折率は、1.35〜1.55、更に好ましくは1.35〜1.45である。
高分子微粒子の形状は、光拡散性の観点から球状に近いものが好ましく、真球状に近い形態であるほどより好ましい。かかる球状には楕円球を含む。さらに高分子微粒子としては非架橋性モノマーと架橋性モノマーを重合して得られる有機架橋粒子を挙げることができる。非架橋性モノマーとしては、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、アクリロニトリル系モノマー等の非架橋性ビニル系モノマーおよびオレフィン系モノマー等を挙げることができる。これらは単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。さらにかかるモノマー以外の他の共重合可能なモノマーを使用することもできる。他の有機架橋粒子としては、シリコーン系架橋粒子を挙げることができる。一方、ポリエーテルサルホン粒子等の非晶性耐熱ポリマーの粒子も本発明の高分子微粒子として挙げることができる。かかるポリマーの粒子の場合には、A成分と加熱溶融混練した場合であっても微粒子の形態が損なわれることがないため、必ずしも架橋性モノマーを必要としない。さらに、本発明の高分子微粒子としては、各種のエポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子、およびフェノール樹脂粒子等も使用可能である。
B成分として使用される高分子微粒子からなる光拡散剤のなかでも、耐熱性の観点から有機架橋粒子が好適に使用できる。更に好適なB成分は、その色相の観点からポリメチルシルセスキオキサンに代表されるシリコーン系架橋粒子である。
有機架橋粒子において前記非架橋性ビニル系モノマーとして使用されるアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等を単独でまたは混合して使用することが可能である。このなかでも特にメチルメタクリレートが特に好ましい。また、スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン(ビニルトルエン)、エチルスチレン等のアルキルスチレン、ブロモ化スチレン等のハロゲン化スチレンを使用することができ、特にスチレンが好ましい。アクリロニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルを使用することができる。また、オレフィン系モノマーとしてはエチレン、各種ノルボルネン型化合物等を使用することができる。さらに、他の共重合可能な他のモノマーとして、グリシジルメタクリレート、N−メチルマレイミド、無水マレイン酸等を例示することができ、結果としてN−メチルグルタルイミド等の単位を有することもできる。
一方、かかる非架橋性ビニル系モノマーに対する架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アクリル系モノマー等からなる有機架橋粒子の製造方法としては、一般的な乳化重合法の他、過硫酸カリウム等の開始剤を使用するソープフリー重合法、シード重合法、および二段階膨潤重合法等を挙げることができる。また、懸濁重合法においても、水相とモノマー相とを個別に保持して両者を正確に連続式の分散機に供給し、粒子径を分散機の回転数で制御する方法や、同様に連続式の製造方法において分散能を有する水性液体中にモノマー相を数〜数十μmの細径オリフィスまたは多孔質フィルターを通すことにより供給し粒径を制御する方法等も採用可能である。
一方、シリコーン系架橋粒子は、シロキサン結合を主骨格としてケイ素原子に有機置換基を有するものであり、ポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものと、メチルシリコーンゴム粒子に代表される架橋度の低いものがあるが、本発明ではポリメチルシルセスキオキサンに代表される架橋度の高いものが好ましい。かかるシリコーン系架橋粒子のケイ素原子に置換する有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルカン基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の他、カルボキシル基、カルボニル基、エステル基、エーテル基等を使用することができる。
かかるシリコーン系架橋粒子の製造法としては、3官能性のアルコキシシラン等を水中で加水分解と縮合反応によってシロキサン結合を成長させながら3次元架橋した粒子を形成させる方法が一般的であり、かかる粒子径は、触媒のアルカリ量や攪拌工程等により制御可能である。
また、有機架橋粒子以外の高分子微粒子の製造方法としては、スプレードライ法、液中硬化法(凝固法)、相分離法(コアセルベーション法)、溶媒蒸発法、再沈殿法等の他、これらを行う際にノズル振動法等を組合せたものを挙げることができる。
B成分の高分子微粒子の形態としては、単相重合体のほか、コア−シェル重合体の形態や、2種以上の成分が相互に絡み合った構造を有するIPN構造をとることも可能である。また、無機微粒子のコアとし有機架橋粒子の成分をシェルとする複合型粒子や有機架橋粒子をコアとしエポキシ樹脂、ウレタン樹脂等をシェルとする複合型粒子等も使用することもできる。
<C成分について>
本発明のC成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量をする層状珪酸塩である。好適には、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、かつ該陽イオン交換容量の40%以上、特に50〜100%、が有機オニウムイオンにてイオン交換された層状珪酸塩である(以下、この層状珪酸塩を“有機化層状珪酸塩”と略称することがある)。
本発明のC成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量をする層状珪酸塩である。好適には、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、かつ該陽イオン交換容量の40%以上、特に50〜100%、が有機オニウムイオンにてイオン交換された層状珪酸塩である(以下、この層状珪酸塩を“有機化層状珪酸塩”と略称することがある)。
C成分の層状珪酸塩は、SiO2連鎖からなるSiO4四面体シート構造とAl、Mg、Li等を含む八面体シート構造との組合せからなる層からなり、その層間に交換性陽イオンの配位した珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)である。これらの珪酸塩(シリケート)または粘土鉱物(クレー)は、スメクタイト系鉱物、バーミキュライト、ハロイサイトおよび膨潤性雲母等に代表される。具体的には、スメクタイト系鉱物としては、モンモリロナイト、ヘクトライト、フッ素ヘクトライト、サポナイト、バイデライト、スチブンサイト等が挙げられ、膨潤性雲母としては、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母およびLi型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母等が挙げられる。これらの層状珪酸塩は、天然品、合成品のいずれも使用可能である。合成品は、例えば、水熱合成、溶融合成、固体反応によって製造される。
層状珪酸塩のなかでも、陽イオン交換容量等の点から、モンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性を持ったフッ素雲母が好適に用いられ、ベントナイトを精製して得られるモンモリロナイトや合成フッ素雲母が、純度等の点からより好適である。なかでも、良好な機械特性が得られる合成フッ素雲母が特に好ましい。
層状珪酸塩の陽イオン交換容量(陽イオン交換能ともいう)は、50〜200ミリ当量/100gであることが必要とされ、好ましくは80〜150ミリ当量/100g、さらに好ましくは100〜150ミリ当量/100gである。陽イオン交換容量は、土壌標準分析法として国内の公定法となっているショーレンベルガー改良法によってCEC値として測定される。かかる方法の概要は次のとおりである。長さ12cm、内径1.3cmの土壌浸出装置の浸透管に層状珪酸塩試料を約8cmの厚さになるように充填し、pH7の1N酢酸アンモニウム水溶液100mlを用い、4〜20時間かけて浸透させ、陽イオンを交換浸出する。次にpH7の80%メタノール100mlで洗浄し、過剰の酢酸アンモニウムを除去する。次いで10%塩化カリウム水溶液100mlで洗浄し、試料に吸着されたアンモニウムイオン(NH4 +)を交換浸出させる。最後に水蒸気蒸留法またはConway微量拡散法により、浸出液中のNH4 +を定量し、CECを算出する。土壌浸出装置は、ガラス製セットとして市販されているものが使用できる。尚、該改良法の基礎となるショーレンベルガー法については、Soil Sci., 59, 13〜24(1945)において参照される。
層状珪酸塩の陽イオン交換容量は、A成分である芳香族ポリカーボネートへの良好な分散性を得るために、50ミリ当量/100g以上必要であるが、200ミリ当量/100gより大きくなると芳香族ポリカーボネートの熱劣化がしやすくなりやすい。この層状珪酸塩は、そのpH値が7〜11.5であることが好ましい。pH値が11.5より大きくなると、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性が低下する傾向が現れてくる。
B成分の層状珪酸塩としては、有機オニウムイオンが層状珪酸塩の層間にイオン交換されたもの(有機化層状珪酸塩)が好適である。該有機オニウムイオンは、通常、ハロゲンイオン等との塩として取り扱われる。かかる有機オニウムイオンの塩化合物を層状珪酸塩に反応させて、層状珪酸塩に有機オニウムイオンが導入される。ここで有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、複素芳香環由来のオニウムイオン等が挙げられる。オニウムイオンは1級、2級、3級、4級のいずれも使用できるが、4級オニウムイオンが好ましく、オニウムイオンとして4級アンモニウムイオンおよび4級ホスホニウムイオンが好適である。
該イオン化合物には各種の有機基が結合したものが使用できる。かかる有機基としては、アルキル基が代表的であるが、芳香族基を有するものでもよく、また、エーテル基、エステル基、二重結合部分、三重結合部分、グリシジル基、カルボン酸基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、アミド基、オキサゾリン基等の各種官能基を含有するものでもよい。
有機オニウムイオンの具体例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムの如き同一のアルキル基を有する4級アンモニウム;トリメチルオクチルアンモニウム、トリメチルデシルアンモニウム、トリメチルドデシルアンモニウム、トリメチルテトラデシルアンモニウム、トリメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルオクタデシルアンモニウム,トリメチルイコサニルアンモニウムの如きトリメチルアルキルアンモニウム;トリメチルオクタデセニルアンモニウムの如きトリメチルアルケニルアンモニウム;トリメチルオクタデカジエニルアンモニウムの如きトリメチルアルカジエニルアンモニウム;トリエチルドデシルアンモニウム、トリエチルテトラデシルアンモニウム、トリエチルヘキサデシルアンモニウム、トリエチルオクタデシルアンモニウムの如きトリエチルアルキルアンモニウム;トリブチルドデシルアンモニウム、トリブチルテトラデシルアンモニウム、トリブチルヘキサデシルアンモニウム、トリブチルオクタデシルアンモニウムの如きトリブチルアルキルアンモニウム;ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジメチルジオクタデシルアンモニウムの如きジメチルジアルキルアンモニウム;ジメチルジオクタデセニルアンモニウムの如きジメチルジアルケニルアンモニウム;ジメチルジオクタデカジエニルアンモニウムの如きジメチルジアルカジエニルアンモニウム;ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジオクタデシルアンモニウムの如きジエチルジアルキルアンモニウム;ジブチルジドデシルアンモニウム、ジブチルジテトラデシルアンモニウム、ジブチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクタデシルアンモニウムの如きジブチルジアルキルアンモニウム;トリオクチルメチルアンモニウム、トリドデシルメチルアンモニウム、トリテトラデシルメチルアンモニウムの如きトリアルキルメチルアンモニウム;トリオクチルエチルアンモニウム、トリドデシルエチルアンモニウムの如きトリアルキルエチルアンモニウム;トリオクチルブチルアンモニウム、トリデシルブチルアンモニウムの如きトリアルキルブチルアンモニウムが挙げられる。
また、メチルベンジルジヘキサデシルアンモニウムの如きメチルベンジルジアルキルアンモニウム;ジベンジルジヘキサデシルアンモニウムの如きジベンジルジアルキルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム等の芳香環を有する4級アンモニウム等を例示することができる。さらに、トリメチルフェニルアンモニウムの如き芳香族アミン由来の4級アンモニウム;メチルジエチル[PEG]アンモニウムおよびメチルジエチル[PPG]の如きトリアルキル[PAG]アンモニウム;メチルジメチルビス[PEG]アンモニウムの如きジアルキルビス[PAG]アンモニウム;エチルトリス[PEG]アンモニウムの如きアルキルトリス[PAG]アンモニウムが挙げられる。また、前記アンモニウムイオンの窒素原子がリン原子に置換したホスホニウムイオンを用いることもできる。
これらの有機オニウムイオンは、単独使用および2種以上の組合せ使用のいずれも選択できる。なお、前記“PEG”の表記はポリエチレングリコールを、“PPG”の表記はポリプロピレングリコールを“PAG”の表記はポリアルキレングリコールを示す。ポリアルキレングリコールの分子量としては100〜1,500のものが使用できる。
これら有機オニウムイオン化合物の分子量は、100〜600であることが好ましい。より好ましくは150〜500である。分子量が600より多いときには、場合により芳香族ポリカーボネートの熱劣化を促進したり樹脂組成物の耐熱性を損なう傾向が現れる。なお、かかる有機オニウムイオンの分子量は、ハロゲンイオン等のカウンターイオン分を含まない有機オニウムイオン単体の分子量を指す。
本発明において、C成分の好適な態様は、下記一般式(I)で示される有機オニウムイオンでイオン交換されたものである。
上記一般式(I)中、Mは窒素原子またはリン原子を表わす。また、R1〜R4は互いに同一もしくは相異なる有機基を表わし、その少なくとも1つは炭素原子数6〜20のアルキル基または炭素原子数6〜12のアリール基であり、残りの基は炭素原子数1〜5のアルキル基である。これらのR1〜R4は、前記の条件を満たす限り、その一部が互いに同一の基であってもよく、全部または一部が相異なる基であってもよい。
本発明のC成分において使用される有機オニウムイオンのさらに好適な態様は、上記一般式(I)において次の条件を満足するものである。すなわち、Mは窒素原子またはリン原子であり、R1およびR2はそれぞれ炭素原子数6〜16のアルキル基である。R3は炭素原子数1〜16のアルキル基であり、かつR4は炭素原子数1〜4のアルキル基である。なお、R1とR2とは互いに同一の基であっても相異なる基であってもよく、また、R3とR4とは互いに同一の基であっても相異なる基であってもよい。
上記一般式(I)で示される有機オニウムイオンのより好適な態様は、(i)前記R3が炭素原子数1〜4のアルキル基の場合である。より好しくは(ii)R3およびR4がそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基であって、かつR1およびR2がそれぞれ炭素原子数7〜14のアルキル基の場合である。さらに好ましくは、(iii)R3およびR4がそれぞれ炭素原子数1〜4のアルキル基で、かつR1およびR2は炭素原子数7〜12、特に好ましくは炭素原子数8〜11、のアルキル基の場合である。なお、これらのうちでも、R3およびR4が炭素原子数1〜3のアルキル基、より好ましくはメチル基またはエチル基、さらに好ましくはメチル基の4級アンモニウムイオンが特に好適である。
これら(i)〜(iii)のより好適な態様(さらに好ましい態様を含む)によれば、樹脂組成物の耐加水分解性が特に優れたものとなり、本発明の車輌用外装成形品に良好な長期実用特性を与える。
なお、上記式(I)においてR1〜R4はいずれも直鎖状および分岐状のいずれも選択できる。
かかる好適な4級アンモニウムイオンの例としては、ジメチルジオクチルアンモニウム、ジメチルジデシルアンモニウム、ジメチルジドデシルアンモニウム、ジメチルジテトラデシルアンモニウム、ジメチルジヘキサデシルアンモニウム、ジエチルジドデシルアンモニウム、ジエチルジテトラデシルアンモニウム、ジエチルジヘキサデシルアンモニウム、ジブチルジオクチルアンモニウム、ジブチルジデシルアンモニウム、ジブチルジドデシルアンモニウム等が例示される。
層状珪酸塩への有機オニウムイオンのイオン交換は、極性溶媒中に分散させた層状珪酸塩に、有機オニウムイオン化合物を添加し、析出してくるイオン交換化合物を収集することによって作成することができる。通常、このイオン交換反応は、有機オニウムイオン化合物を、層状珪酸塩のイオン交換容量の1当量に対し1.0〜1.5当量の割合で加えて、ほぼ全量の層間の金属イオンを有機オニウムイオンで交換させるのが一般的である。しかし、このイオン交換容量に対する交換割合を一定の範囲に制御することも、芳香族ポリカーボネートの熱劣化を抑制する上で有効である。ここで有機オニウムイオンでイオン交換される割合は、層状珪酸塩のイオン交換容量に対して40%以上であることが好ましい。かかるイオン交換容量に対する割合は好ましくは40〜95%であり、特に好ましくは40〜80%である。ここで、有機オニウムイオンの交換割合は、交換後の化合物について、熱重量測定装置等を用いて、有機オニウムイオンの熱分解による重量減少を求めることにより算出することができる。
本発明の好適なC成分である有機化層状珪酸塩のより好適な態様は、その塩素原子及び臭素原子の含有量の合計が好ましくは300ppm以下、より好ましくは250ppm以下、更に好ましくは220ppm以下を満足するものである。かかる塩素原子及び臭素原子含有量を特定値以下に抑制することにより、更に良好な熱安定性が達成され、その結果より大型の車輌用外装成形品の提供を可能とする。殊に塩素原子含有量は少ないことが好ましい。一方、後述するように有機化層状珪酸塩における有機オニウムイオン源として塩素イオンや臭素イオンを含有しない塩化合物を使用することも本発明においては可能である。かかる場合には塩素原子や臭素原子の含有量を実質的に0とすることも可能である。しかしながら、実用上塩素イオンや臭素イオン、殊に塩素イオンをカウンターイオンとする有機オニウム塩化合物を利用することが取り扱いやコストの点で有利であることから、C成分中にある程度の塩素原子や臭素原子、殊に塩素原子を含有した樹脂組成物は実用上好ましい態様である。したがって、B成分における塩素原子及び臭素原子の含有量の合計の下限、並びに塩素原子の含有量の下限は好ましくは10ppm以上、好ましくは50ppm以上、より好ましくは100ppm以上である。
上記有機化層状珪酸塩中の塩素原子及び臭素原子の含有量は、イオンクロマトグラフィーで測定される。
具体的な測定方法として以下の方法が例示される。すなわち、有機化層状珪酸塩約2gを精秤後、300mlビーカーに入れ、蒸留水200mlを加える。それを攪拌子を用いたスターラーにて、1000rpmで1時間攪拌する。攪拌後、抽出した懸濁液を蒸留水を用いて10倍希釈し、フィルター(ADVANTEC社製:「Dismic−13cp」孔径0.20μm及び日本ダイオネクス社製:「Dillex−IC」孔径0.22μm)を用いて濾過した後に、イオンクロマトグラフ装置(ダイオネクス社製:「DX−100」)にて塩素量を定量する。
前述の如く塩素原子及び臭素原子の含有量が低減された有機化層状珪酸塩を製造するためには、(i)カウンターイオンとして塩素イオンや臭素イオンを含まない有機オニウムイオン化合物の使用、(ii)塩素イオンや臭素イオンを含有する不純物の少ない有機オニウムイオン化合物の使用、(iii)塩素イオンや臭素イオンをカウンターイオンとして含む有機オニウムイオン化合物(即ち、有機オニウム塩化合物)を使用してイオン交換した後の有機化層状珪酸塩の十分な水洗洗浄、並びにこれらの組合せなどの方法が好適に例示される。中でも作業効率や生産性の点から前記(iii)の方法、すなわち生成した有機化層状珪酸塩を所定の塩素原子および臭素原子含有量となるまで十分に水洗することが重要である。有機化層状珪酸塩中に塩素原子および臭素原子が混入する主要原因がかかる有機オニウムイオン化合物の使用によることから、その除去も不純物量の少ない水を使用した水洗処理によって本発明の所定量まで低減することが可能である。
即ち、本発明のC成分として好適な態様は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩を有機オニウムイオンの塩素化物または臭素化物で、該陽イオン交換容量の40%以上の割合でイオン交換することにより得られた、塩素原子及び臭素原子の含有量の合計が300ppm以下である有機化層状珪酸塩(C’成分)であり、更に好適な態様は、前記C’成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩を有機オニウムイオンの塩素化物または臭素化物で、該陽イオン交換容量の40%以上の割合でイオン交換し、該イオン交換後の層状珪酸塩を塩素原子及び臭素原子の含有量の合計が300ppm以下となるまで水洗することにより得られた有機化層状珪酸塩である。
<D成分について>
本発明のD成分は芳香族ポリカーボネートと親和性を有し、かつ親水性成分を有する化合物であり、本発明において使用されることがより好適である。このD成分は、芳香族ポリカーボネートおよび層状珪酸塩の双方に対する良好な親和性を生み出す。これら双方に対する親和性は2種の成分の相溶性を向上させ、層状珪酸塩がマトリックスの芳香族ポリカーボネート(A成分)中で微細かつ安定して分散するようになる。
本発明のD成分は芳香族ポリカーボネートと親和性を有し、かつ親水性成分を有する化合物であり、本発明において使用されることがより好適である。このD成分は、芳香族ポリカーボネートおよび層状珪酸塩の双方に対する良好な親和性を生み出す。これら双方に対する親和性は2種の成分の相溶性を向上させ、層状珪酸塩がマトリックスの芳香族ポリカーボネート(A成分)中で微細かつ安定して分散するようになる。
層状珪酸塩の分散に関するD成分の機能は、異種ポリマー同士を相溶化させるために使用されるポリマーアロイ用相溶化剤(コンパティビライザー)と同様と推測される。したがって、D成分は、低分子化合物よりも重合体であることが好ましい。また、重合体の方が混練加工時の熱安定性にも優れる。該重合体の平均繰り返し単位数は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。一方、該重合体の平均分子量の上限においては数平均分子量で2,000,000以下であることが好ましい。かかる上限を超えない場合には良好な成形加工性が得られる。
本発明の樹脂組成物に配合されるD成分が重合体である場合、その基本的構造としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
ア)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αとβとからなるグラフト共重合体(主鎖がα、グラフト鎖がβ、並びに主鎖がβ、グラフト鎖がαのいずれも選択できる。)、αとβとからなるブロック共重合体(ジ−、トリ−、等ブロックセグメント数は2以上を選択でき、ラジアルブロックタイプ等を含む。)およびαとβとからなるランダム共重合体。ここで、αおよびβは重合体セグメント単位および単量体単位のいずれをも意味するが、α成分は芳香族ポリカーボネートとの親和性の観点から重合体セグメント単位であることが好ましい。
イ)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αの機能は重合体全体によって発現され、βが該α内に含まれる構造を有する重合体。すなわち、α単独では芳香族ポリカーボネートとの親和性が十分ではないものの、αとβとが組み合わされ一体化されることにより、良好な親和性が発現する場合である。α単独の場合にも芳香族ポリカーボネートとの親和性が良好であって、かつβとの組合せによってさらに親和性が向上する場合もある。したがってこれらの構造ア)およびイ)はその一部において重複することがある。
ア)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αとβとからなるグラフト共重合体(主鎖がα、グラフト鎖がβ、並びに主鎖がβ、グラフト鎖がαのいずれも選択できる。)、αとβとからなるブロック共重合体(ジ−、トリ−、等ブロックセグメント数は2以上を選択でき、ラジアルブロックタイプ等を含む。)およびαとβとからなるランダム共重合体。ここで、αおよびβは重合体セグメント単位および単量体単位のいずれをも意味するが、α成分は芳香族ポリカーボネートとの親和性の観点から重合体セグメント単位であることが好ましい。
イ)前記芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分をα、親水性成分をβとするとき、αの機能は重合体全体によって発現され、βが該α内に含まれる構造を有する重合体。すなわち、α単独では芳香族ポリカーボネートとの親和性が十分ではないものの、αとβとが組み合わされ一体化されることにより、良好な親和性が発現する場合である。α単独の場合にも芳香族ポリカーボネートとの親和性が良好であって、かつβとの組合せによってさらに親和性が向上する場合もある。したがってこれらの構造ア)およびイ)はその一部において重複することがある。
本発明におけるD成分としては、α分のみでも芳香族ポリカーボネートに対する親和性が高く、さらにβが付加したC成分全体においてその親和性が一段と高くなるものが好適である。
ここで、D成分における芳香族ポリカーボネートに親和性を有する成分(以下αと称する場合がある)について説明する。前記の如くD成分は、ポリマーアロイにおける相溶化剤との同様の働きをすると考えられることから、αには相溶化剤と同様の重合体に対する親和性が求められる。したがって、αは非反応型と反応型とに大略分類できる。
非反応型では、以下の要因を有する場合に親和性が良好となる。すなわち、芳香族ポリカーボネートとαとの間に、(i)化学構造の類似性、(ii)溶解度パラメータの近似性(溶解度パラメータの差が1(cal/cm3)1/2以内、すなわち約2.05(MPa)1/2以内が目安とされる)、(iii)分子間相互作用(水素結合、イオン間相互作用等)およびランダム重合体特有の擬引力的相互作用等の要因を有することが望まれる。これらの要因は相溶化剤とポリマーアロイのベースになる重合体との親和性を判断する指標としても知られている。
反応型では、相溶化剤において芳香族ポリカーボネートと反応性を有する官能基を有するものを挙げることができる。例えば、芳香族ポリカーボネートに対して反応性を有する、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、エポキシ基、オキサゾリン基、エステル基、エステル結合、カーボネート基およびカーボネート結合等を例示することができる。
一方で、芳香族ポリカーボネートとαとが良好な親和性をもつ場合、その結果として芳香族ポリカーボネートとαとの混合物において単一のガラス転移温度(Tg)を示すか或いは芳香族ポリカーボネートのTgがαのTgの側に移動する挙動が認められるので、芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分(α)は、かかる挙動により判別することができる。
前記の如く、本発明の組成物の構成成分として有用なD成分における芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分(α)は、非反応型であることが好ましく、殊に溶解度パラメータが近似することにより良好な親和性を発揮することが好ましい。これは反応型に比較して芳香族ポリカーボネートとの親和性により優れるためである。また反応型は過度に反応性を高めた場合、副反応によって重合体の熱劣化が促進される欠点がある。
芳香族ポリカーボネート(A成分)およびC成分のαの溶解度パラメータは次の関係を有することが好ましい。すなわち、芳香族ポリカーボネート(A成分)の溶解度パラメータをδA((MPa)1/2)とし、C成分におけるαの溶解度パラメータまたはC成分全体の溶解度パラメータをδα((MPa)1/2)としたとき、次式:
δα=δA±2 ((MPa)1/2)
の関係を有することが好ましい。
δα=δA±2 ((MPa)1/2)
の関係を有することが好ましい。
例えば、A成分の溶解度パラメータは通常約10(cal/cm3)1/2(すなわち約20.5((MPa)1/2))とされていることから、δαは18.5〜22.5((MPa)1/2)の範囲が好ましく、19〜22((MPa)1/2)の範囲がより好ましい。
かかる溶解度パラメータδαを満足する重合体成分の具体例としては、スチレンポリマー、アルキル(メタ)アクリレートポリマー、アクリロニトリルポリマー等のビニル系重合体(例えば、ポリスチレン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等に代表される)を挙げることができる。本発明の樹脂組成物の耐熱性の保持のためには、これらのうちでもTgの高い重合体成分を用いることが好ましい。
ここで溶解度パラメータは、「ポリマー・ハンドブック 第4版」(A WILEY-INTERSCIENCE PUBLICATION,1999年)中に記載されたSmallの値を用いた置換基寄与法(Group contribution methods)による理論的な推算方法が利用できる。芳香族ポリカーボネートのTgは既に述べたようにJIS K7121に準拠した示差走査熱量計(DSC)測定により求めることが可能である。
前記のA成分の芳香族ポリカーボネートと親和性を有する成分αは、D成分中5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましく、50重量%以上が特に好ましい。D成分全体をαとする態様も可能であることから上限は100重量%であってよい。
一方、D成分における親水性成分(以下、βと称する場合がある)は、親水基(水との相互作用の強い有機性の原子団)を有する単量体および親水性重合体成分(重合体セグメント)より選択される。親水基はそれ自体広く知られ、下記の基が例示される。
1)強親水性の基:−SO3H、−SO3M、−OSO3H、−OSO3H、−COOM、−NR3X(R:アルキル基、X:ハロゲン原子、M:アルカリ金属、−NH4) 等、
2)やや小さい親水性を有する基:−COOH、−NH2、−CN、−OH、−NHCONH2等、
3)親水性が無いかまたは小さい基:−CH2OCH3、−OCH3、−COOCH3、−CS 等
1)強親水性の基:−SO3H、−SO3M、−OSO3H、−OSO3H、−COOM、−NR3X(R:アルキル基、X:ハロゲン原子、M:アルカリ金属、−NH4) 等、
2)やや小さい親水性を有する基:−COOH、−NH2、−CN、−OH、−NHCONH2等、
3)親水性が無いかまたは小さい基:−CH2OCH3、−OCH3、−COOCH3、−CS 等
本発明の組成物に配合するC成分としては、親水基が前記1)または2)に分類されるものが使用され、なかでも、前記2)の親水基は芳香族ポリカーボネートの溶融加工時の熱安定性により優れるため好ましい。親水性が高すぎる場合には芳香族ポリカーボネートの熱劣化が生じやすくなる。これはかかる親水基が直接カーボネート結合と反応し、熱分解反応を生じるためである。
なお、かかる親水基は1価および2価以上の基のいずれであってもよい。D成分が重合体の場合、2価以上の官能基とは該基が主鎖を構成しないものをいい、主鎖を構成するものは結合として官能基とは区別する。具体的には、主鎖を構成する炭素等の原子に付加した基、側鎖の基および分子鎖末端の基は、2価以上であっても官能基である。
親水基のより具体的な指標は、溶解度パラメータである。溶解度パラメータの値が大きいほど親水性が高くなることは広く知られている。基ごとの溶解度パラメータは、Fedorsによる基ごとの凝集エネルギー(Ecoh)および基ごとのモル体積(V)より算出することができる(「ポリマー・ハンドブック 第4版」(A WILEY-INTERSCIENCE PUBLICATION),VII/685頁、1999年、Polym.Eng.Sci.,第14巻,147および472頁,1974年、等参照)。さらに親水性の大小関係のみを比較する観点からは、凝集エネルギー(Ecoh)をモル体積(V)で除した数値(Ecoh/V;以下単位は“J/cm3”とする)を親水性の指標として使用できる。
D成分におけるβに含まれる親水基は、Ecoh/Vが600以上であることが必要であり、好ましくはEcoh/Vは800以上である。800以上の場合にはA成分の芳香族ポリカーボネートにおけるカーボネート結合のEcoh/Vを超え、カーボネート結合よりも高い親水性を有する。Ecoh/Vは900以上がより好ましく、950以上がさらに好ましい。
上述のとおり、親水性が高すぎる場合には、芳香族ポリカーボネートの熱劣化が生じやすくなる。したがってEcoh/Vは2,500以下が好ましく、2,000以下がより好ましく、1,500以下がさらに好ましい。
D成分の親水性成分(β)として、親水性重合体成分(重合体セグメント)も選択され得る。D成分の重合体中に含まれる親水性重合体のセグメントはβとなる親水性重合体としては、例えば、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸金属塩(キレート型を含む)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミドおよびポリヒドロキシエチルメタクリレート等が例示される。これらのなかでも、ポリアルキレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシエチルメタクリレートが好ましく例示される。これらは良好な親水性と芳香族ポリカーボネートに対する熱安定性(溶融加工時の芳香族ポリカーボネートの分解の抑制)とを両立できるためである。なお、ポリアルキレンオキシドとしては、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドが好ましい。
親水基を有する単量体および親水性重合体成分のいずれにおいても、βは酸性の官能基(以下単に“酸性基”と称することがある)を有するのが好ましい。かかる酸性基は、本発明の車輌用外装成形品を構成する樹脂組成物の溶融加工時の熱劣化を抑制する。とりわけ、窒素原子を含まない酸性基がより好適である。好適な酸性基としては、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基およびホスフィン酸基等が例示される。
これに比して、アミド基やイミド基等の窒素原子を含む官能基は溶融加工時の芳香族ポリカーボネートの熱劣化を十分には抑制しない場合がある。これは窒素原子が局所的に塩基性を有しカーボネート結合の熱分解を生じさせるためと考えられる。
D成分におけるβの割合は、βが親水基を有する単量体の場合、官能基1つ当たりの分子量である官能基当量として、60〜10,000であり、70〜8,000が好ましく、80〜6,000がより好ましく、100〜3,000がさらに好ましい。また、βが親水性重合体セグメントの場合、D成分100重量%中βが5〜95重量%であることが適当であり、10〜90重量%が好ましく、30〜70重量%がより好ましく、30〜50重量%がさらに好ましい。
芳香族ポリカーボネートに対して親和性を有する成分(α)と親水性成分(β)とを有する有機化合物(D成分)の製造方法としては、βの単量体とαを構成する単量体とを共重合する方法、βの重合体成分をαとブロックまたはグラフト共重合する方法、並びに、βをαに直接反応させて付加する方法等が例示される。
D成分の具体例として、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつポリアルキレンオキシドセグメントを有する重合体、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつオキサゾリン基を有する重合体、あるいは、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ水酸基を有する重合体、が例示される。これらのD成分として好ましい重合体においては、その分子量は重量平均分子量において1万〜100万の範囲が好ましく、5万〜50万の範囲がより好ましい。かかる重量平均分子量は標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出される。
<D-1成分について>
前記D成分のなかでも、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体が好ましく、さらに好ましくは親和性を有しかつカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基とを有する重合体である。特に好ましいD成分は、カルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基(以下、単に“カルボキシル基類”と称する)を有する芳香族ビニル重合体(D-1成分)である。ここで芳香族ビニル重合体とはスチレンの如き芳香族ビニル化合物から誘導される繰返し単位を主たる構成単位とする重合体を指す。D-1成分はカルボキシル基類を含有する構成単位以外にも、他の構成単位を少割合含有することができる。D成分(好適にはD-1成分)におけるカルボキシル基の含有量は、好ましくは0.1〜12ミリ当量/g、より好ましくは0.5〜5ミリ当量/gである。ここでC成分における1当量とは、カルボキシル基類が1モル存在することをいい、その値は水酸化カリウム等の逆滴定により算出することが可能である。
前記D成分のなかでも、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ酸性の官能基を有する重合体が好ましく、さらに好ましくは親和性を有しかつカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基とを有する重合体である。特に好ましいD成分は、カルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基(以下、単に“カルボキシル基類”と称する)を有する芳香族ビニル重合体(D-1成分)である。ここで芳香族ビニル重合体とはスチレンの如き芳香族ビニル化合物から誘導される繰返し単位を主たる構成単位とする重合体を指す。D-1成分はカルボキシル基類を含有する構成単位以外にも、他の構成単位を少割合含有することができる。D成分(好適にはD-1成分)におけるカルボキシル基の含有量は、好ましくは0.1〜12ミリ当量/g、より好ましくは0.5〜5ミリ当量/gである。ここでC成分における1当量とは、カルボキシル基類が1モル存在することをいい、その値は水酸化カリウム等の逆滴定により算出することが可能である。
カルボキシル基の誘導体からなる官能基としては、カルボキシル基の水酸基を(i)金属イオンで置換した金属塩(キレート塩を含む)、(ii)塩素原子で置換した酸塩化物、(iii)−ORで置換したエステル(Rは一価の炭化水素基)、(iv)−O(CO)Rで置換した酸無水物(Rは一価の炭化水素基)、(v)−NR2で置換したアミド(Rは水素または一価の炭化水素基)、(vi)2つのカルボキシル基の水酸基を=NRで置換したイミド(Rは水素または一価の炭化水素基)等、を挙げることができる。特に好ましいのは酸無水物である。
カルボキシル基類を有する芳香族ビニル重合体の製造方法としては、従来公知の各種の方法を取ることができる。例えば、(a)カルボキシル基類を有する化合物および芳香族ビニル化合物を共重合する方法、並びに(b)芳香族ビニル重合体に対してカルボキシル基類を有する化合物を結合または共重合する方法等が挙げられる。
前記(a)の共重合においては、ランダム共重合体の他に交互共重合体、ブロック共重合体、およびテーパード共重合体等の各種形態を取ることができる。また共重合の方法においても溶液重合、懸濁重合、塊状重合等のラジカル重合法の他、アニオンリビング重合法やグループトランスファー重合法等の各種重合方法をとることができる。さらに一旦マクロモノマーを形成した後重合する方法も可能である。
前記(b)の方法としては、一般的には芳香族ビニル重合体または共重合体に必要に応じて、パーオキサイドや2,3−ジメチル−2,3ジフェニルブタン(通称ジクミル)等のラジカル発生剤を加えて、高温化で反応または共重合する方法が代表的に例示される。かかる方法は芳香族ビニル重合体または共重合体に熱的に反応活性点を生成し、かかる活性点に反応する化合物を反応させるものである。反応に要する活性点を生成するその他の方法として、放射線や電子線の照射、並びにメカノケミカル手法による外力の付与等の方法も挙げられる。さらに活性点を生成するとしては、芳香族ビニル共重合体中に予め反応に要する活性点を生成する単量体を共重合しておく方法も挙げられる。反応のための活性点としては不飽和結合、パーオキサイド結合、および立体障害が高く熱的に安定なニトロオキシドラジカル等を挙げることができる。更にこれらの活性点を有する重合体を、主鎖となる重合体にグラフトさせる方法も前記(b)における共重合の方法として挙げられる。
他の化合物はから誘導される構成単位は、前記(a)または(b)の方法により得られる共重合体に他の化合物をグラフト共重合する方法、(a)の方法の共重合において他の化合物を共存させて共重合する方法、並びに(b)の方法における芳香族ビニル重合体を芳香族ビニルと他の化合物との共重合体として、(b)の方法を適用する方法などにより、D-1成分の芳香族ビニル重合体中に含有させることができる。
前記カルボキシル基類を有する化合物としては、例えば、不飽和モノカルボン酸およびその誘導体(例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、およびメタクリルアミド等)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水マレイン酸の誘導体(例えばN−フェニルマレイミドおよびN−メチルマレイミド等)、並びにグルタルイミド構造やアクリル酸と多価の金属イオンで形成されたキレート構造等が挙げられる。これらのなかでも金属イオンや窒素原子を含まない官能基を有する化合物が好適であり、カルボキシル基およびカルボン酸無水物基を有する化合物、特に無水マレイン酸がより好適である。
また、芳香族ビニル重合体における芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、およびビニルナフタレン等が例示されるが、特にスチレンが好ましい。さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えばシアン化ビニル化合物、ジエン化合物、およびオレフィン等を共重合成分として使用しても差し支えない。
本発明においてより好適なD-1成分は、カルボキシル基類を有する化合物、芳香族ビニル化合物、および任意に他の化合物を共重合してなる共重合体である。かかる共重合体においては比較的多くのカルボキシル基類を安定して芳香族ビニル重合体中に含むことが可能となるためである。殊に好適な態様は、スチレン−無水マレイン酸共重合体である。スチレン−無水マレイン酸共重合体は、層状珪酸塩中のイオン成分および芳香族ポリカーボネートのいずれに対しても高い相溶性を有することから、層状珪酸塩(C成分)を極めて良好に微分散させる。さらに、カルボン酸無水物基の作用により層状珪酸塩、殊に有機オニウムイオンでイオン交換された層状珪酸塩を含有する樹脂組成物の熱安定性を改良し、その結果より樹脂組成物をより大型の成形品に対して適応可能とする。
D-1成分はその100重量%中、カルボキシル基類を有する化合物から誘導される構成単位を1〜30重量%(好ましくは5〜25重量%)、並びに芳香族ビニル化合物および他の化合物から誘導される構成単位を99〜70重量%(好ましくは95〜75重量%)を含むことが好ましい。更にここで芳香族ビニル化合物および他の化合物からそれぞれ誘導される構成単位は、両者の合計100重量%中前者が60〜100重量%(好ましくは70〜100重量%)であり、後者が0〜40重量%(好ましくは0〜30重量%)である。
D-1成分の分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は1万〜100万の範囲にあることが好ましく、5万〜50万の範囲がより好ましい。なお、ここで示す重量平均分子量は、標準ポリスチレン樹脂による較正直線を使用したGPC測定によりポリスチレン換算の値として算出されたものである。
<他のD成分について>
他の好適なD成分としては、親水基としてオキサゾリン基を含有するスチレン含有共重合体(D-2成分)が挙げられる。かかる共重合体を形成するスチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができる。さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、を共重合成分として使用しても差し支えない。特に好適なD-2成分の具体例としては、スチレン(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体が例示される。
他の好適なD成分としては、親水基としてオキサゾリン基を含有するスチレン含有共重合体(D-2成分)が挙げられる。かかる共重合体を形成するスチレン系単量体化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ジブロムスチレン、ビニルナフタレン等を用いることができる。さらに、これらの化合物と共重合可能な他の化合物、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等、を共重合成分として使用しても差し支えない。特に好適なD-2成分の具体例としては、スチレン(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体が例示される。
また、他の好適なD成分としては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリエーテルエステル共重合体(D-3成分)がある。このポリエーテルエステル共重合体は、ジカルボン酸、アルキレングリコールおよびポリ(アルキレンオキシド)グリコール或いはこれらの誘導体から重縮合を行うことで製造される重合体である。かかるD-3成分として特に好適なものは、重合度10〜120のポリ(アルキレンオキシド)グリコールあるいはその誘導体、テトラメチレングリコールを65モル%以上含有するアルキレングリコールあるいはその誘導体およびテレフタル酸を60モル%以上含有するジカルボン酸あるいはその誘導体から製造される共重合体である。
<各成分の組成割合について>
次に、本発明の車輌用外装成形品を構成する光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物における各成分の組成割合(含有量)について説明する。
次に、本発明の車輌用外装成形品を構成する光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物における各成分の組成割合(含有量)について説明する。
B成分の高分子微粒子は、100重量部のA成分(芳香族ポリカーボネート)を基準として、0.1〜30重量部であり、好ましくは0.1〜10重量部であり、さらに好ましくは0.2〜7重量部である。かかるB成分の組成割合が前記範囲にある場合に好ましい光拡散機能が実現する。かように比較的少量で十分な効果が達成される点においても高分子微粒子は好適である。殊にシリコーン系架橋粒子はより少ない含有量で十分な効果が達成される点において好ましい。
C成分(C’成分を含む)の層状珪酸塩は、100重量部のA成分を基準として0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜15重量部であり、さらに好ましくは0.5〜10重量部であり、特に好ましくは1〜9重量部である。B成分のかかる組成割合が前記下限より少ないときには、層状珪酸塩の効果が不十分となりやすく、したがって、高剛性を得る上で不十分となる。一方、C成分の組成割合が前記上限より多いときには、組成物の光拡散機能が低下する場合があり、また耐熱性や熱安定性の低下により色相が悪化して好ましくない場合がある。
D成分(D-1成分、D-2成分、およびD-3成分を含む)の含有量は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.1〜50重量部であり、より好ましくは0.5〜20重量部であり、さらに好ましくは1〜12重量部である。前記範囲においては層状珪酸塩の良好な微分散および熱安定性の向上が達成される。よって、D成分を前記の割合で含むことにより高剛性および熱安定性においてより優れた光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物が得られ、その結果より大型の車輌用外装成形品が提供される。そして、かかる熱安定性の向上は車輌用外装成形品の色相も良好とする。
したがって、本発明の樹脂自動車外装成形品における各成分の最適な組成割合は、A成分100重量部当り、B成分0.2〜7重量部、C成分1〜9重量部、D成分1〜12重量部である。
<必要により配合し得る付加的成分について>
本発明の車輌用外装成形品は、A成分の芳香族ポリカーボネートおよびB成分の特定粒径の高分子微粒子を必須成分とし、より好適にはC成分の層状珪酸塩およびD成分のスチレン−無水マレイン酸共重合体の如き成分を含有する樹脂組成物より構成される。しかしながら、更に所望により付加的成分として、A成分、B成分およびD成分以外の重合体や、その他の各種添加剤を加えても差し支えない。
本発明の車輌用外装成形品は、A成分の芳香族ポリカーボネートおよびB成分の特定粒径の高分子微粒子を必須成分とし、より好適にはC成分の層状珪酸塩およびD成分のスチレン−無水マレイン酸共重合体の如き成分を含有する樹脂組成物より構成される。しかしながら、更に所望により付加的成分として、A成分、B成分およびD成分以外の重合体や、その他の各種添加剤を加えても差し支えない。
(i)A成分、B成分およびD成分以外の重合体
かかる重合体としては、前記B成分D成分以外のスチレン系ポリマーおよび芳香族ポリエステル等を例示することができる。
かかる重合体としては、前記B成分D成分以外のスチレン系ポリマーおよび芳香族ポリエステル等を例示することができる。
かかるスチレン系ポリマーとしては、ポリスチレン(PS)(シンジオタクチックポリスチレンを含む)、アクリロニトリル・スチレン共重合体(AS共重合体)、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS共重合体)、およびポリメチルメタクリレートなどが例示される。これらの中でもAS共重合体が芳香族ポリカーボネートとの相容性に優れることから好適である。かかるスチレン系ポリマーは、エポキシ基および酸無水物基などに代表される各種の官能基で変性されていてもよい。これらスチレン系ポリマーは、2種以上混合して使用することも可能である。
芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等の他、1,4−シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエチレンテレフタレート(いわゆるPET−G)、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレートのような共重合ポリエステルも使用できる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレートが好ましい。また、成形性および機械的性質のバランスが求められる場合、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートが好ましく、さらに重量比でポリブチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートが2〜10の範囲のブレンドや共重合体が好ましい。芳香族ポリエステルの分子量については特に制限されないが、o−クロロフェノールを溶媒として35℃で測定した固有粘度が0.4〜1.2、好ましくは0.6〜1.15である。
さらに、本発明の目的または効果を損なわない範囲で、前記スチレン系ポリマーや芳香族ポリエステル以外にも、その他の非晶性熱可塑性ポリマーや結晶性熱可塑性ポリマーを含むことができる。
(ii)リン系安定剤
本発明の車輌用外装成形品を形成する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、リン系熱安定剤を含むことが好ましい。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。かかるリン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
本発明の車輌用外装成形品を形成する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、リン系熱安定剤を含むことが好ましい。かかるリン系安定剤としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸およびこれらのエステル、並びに第3級ホスフィンなどが例示される。かかるリン系安定剤は、1種のみならず2種以上を混合して用いることができる。
具体的にはホスファイト化合物としては、例えば、トリデシルホスファイトの如きトリアルキルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイトの如きジアルキルモノアリールホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイトの如きモノアルキルジアリールホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトの如きトリアリールホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、およびビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのペンタエリスリトールホスファイト、並びに2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトおよび2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトなどの環状ホスファイトが例示される。
ホスフェート化合物としては、トリブチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリエチルホスフェート、ジフェニルクレジルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、およびジイソプロピルホスフェートなどが例示され、好ましくはトリフェニルホスフェート、トリメチルホスフェートである。
ホスホナイト化合物としては、テトラキス(ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトが好ましく例示され、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニレンジホスホナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−フェニル−フェニルホスホナイトがより好ましい。かかるホスホナイト化合物は上記アルキル基が2以上置換したアリール基を有するホスファイト化合物との併用可能であり好ましい。
ホスホネイト化合物としては、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、およびベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。第3級ホスフィンとしては、例えばトリフェニルホスフィンが例示される。
かかるリン系熱安定剤の配合量は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.005〜0.5重量部、更に好ましくは0.01〜0.3重量部である。かかるリン系熱安定剤の配合によりさらに熱安定性が向上し良好な成形加工特性を得ることができる。
(iii)ヒンダードフェノール系安定剤
ヒンダードフェノール系安定剤は、車輌用外装成形品の熱老化による変色を抑制するのに効果的である。かかる変色が重視される場合に該安定剤を配合することが好ましい。ヒンダードフェノール系安定剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましく利用される。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。これら安定剤の配合量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜0.5重量部、より好ましくは0.005〜0.3重量部である。
ヒンダードフェノール系安定剤は、車輌用外装成形品の熱老化による変色を抑制するのに効果的である。かかる変色が重視される場合に該安定剤を配合することが好ましい。ヒンダードフェノール系安定剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3’−tert−ブチル−5’−メチル−2’−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1,−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、およびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが例示される。これらはいずれも入手容易である。中でもオクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましく利用される。上記ヒンダードフェノール系安定剤は、単独でまたは2種以上を組合せて使用することができる。これら安定剤の配合量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜0.5重量部、より好ましくは0.005〜0.3重量部である。
(iv)離型剤
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては、例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などが例示される。かかる離型剤は100重量部のA成分を基準として好ましくは0.005〜2重量部、より好ましくは0.01〜0.8重量部である。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は離型剤を含むことが好ましい。離型剤としては、例えば、飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エステル、ポリオレフィン系ワックス(ポリエチレンワツクス、1−アルケン重合体など。酸変性などの官能基含有化合物で変性されているものも使用できる)、シリコーン化合物、フッ素化合物(ポリフルオロアルキルエーテルに代表されるフッ素オイルなど)、パラフィンワックス、蜜蝋などが例示される。かかる離型剤は100重量部のA成分を基準として好ましくは0.005〜2重量部、より好ましくは0.01〜0.8重量部である。
かかる離型剤の中でも、飽和脂肪酸エステルが好適である。本発明のA成分〜D成分からなる樹脂組成物は、更に高級脂肪酸と多価アルコールとの部分エステルおよび/またはフルエステルを含有することにより、その耐加水分解性をさらに向上させることができる。かかる耐加水分解性の向上の原因は明らかではないものの、加水分解の原因となるイオン性の化合物を捕捉し、中和する作用があるものと推定される。
ここで高級脂肪酸とは、炭素原子数10〜32の脂肪族カルボン酸を指し、その具体例としては、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸(パルミチン酸)、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸(ステアリン酸)、ノナデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸、ヘキサコサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、並びに、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコセン酸、エイコサペンタエン酸、セトレイン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸を挙げることができる。これらのなかでも脂肪族カルボン酸としては炭素原子数10〜22のものが好ましく、炭素原子数14〜20であるものがより好ましい。特に炭素原子数14〜20の飽和脂肪族カルボン酸、特にステアリン酸およびパルミチン酸が好ましい。ステアリン酸の如き脂肪族カルボン酸は、通常、炭素原子数の異なる他のカルボン酸成分を含む混合物であることが多い。前記飽和脂肪酸エステルにおいても、かかる天然油脂類から製造され他のカルボン酸成分を含む混合物の形態からなるステアリン酸やパルミチン酸から得られたエステル化合物が好ましく使用される。
一方、多価アルコールとしては、炭素原子数3〜32のものがより好ましい。かかる多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン(例えばデカグリセリン等)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコール等が挙げられる。
本発明の飽和脂肪酸エステルにおける酸価は、20以下(実質的に0を取り得る)であることが好ましく、水酸基価は20〜500(より好ましくは50〜400)の範囲がより好ましい。更にヨウ素価は、10以下(実質的に0を取り得る)が好ましい。これらの特性はJIS K 0070に規定された方法により求めることができる。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、殊にC成分およびD成分を含有する場合に、その耐加水分解性を更に改良する目的で、芳香族ポリカーボネートの加水分解改良剤として従来知られた化合物を、本発明の目的を損なわない範囲において配合することもできる。かかる化合物としては、エポキシ化合物、オキセタン化合物、シラン化合物およびホスホン酸化合物などが例示され、特にエポキシ化合物およびオキセタン化合物が好適に例示される。エポキシ化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキシルカルボキシレートに代表される脂環式エポキシ化合物、および3−グリシジルプロポキシ−トリエトキシシランに代表される珪素原子含有エポキシ化合物が好適に例示される。かかる加水分解改良剤は、A成分100重量部あたり1重量部以下とすることが好ましい。
(v)紫外線吸収剤
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、その色相を長期に維持するため紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤として公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物、およびシアノアクリレート系化合物などが例示される。より具体的には、例えばベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、および2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]などが好適に例示され、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノールが好適に例示され、環状イミノエステル系化合物としては2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適に例示され、並びにシアノアクリレート系化合物としては1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパンが好適に例示される。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、その色相を長期に維持するため紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤としては、紫外線吸収剤として公知のベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物、環状イミノエステル系化合物、およびシアノアクリレート系化合物などが例示される。より具体的には、例えばベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、および2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]などが好適に例示され、ヒドロキシフェニルトリアジン系化合物としては、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノールが好適に例示され、環状イミノエステル系化合物としては2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)が好適に例示され、並びにシアノアクリレート系化合物としては1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパンが好適に例示される。
さらに上記紫外線吸収剤は、ラジカル重合が可能な単量体化合物の構造をとることにより、かかる紫外線吸収性単量体と、アルキル(メタ)アクリレートなどの単量体とを共重合したポリマー型の紫外線吸収剤であってもよい。上記紫外線吸収性単量体としては、(メタ)アクリル酸エステルのエステル置換基中にベンゾトリアゾール骨格、ベンゾフェノン骨格、トリアジン骨格、環状イミノエステル骨格、およびシアノアクリレート骨格を含有する化合物が好適に例示される。
上記の中でも良好な色相を有し車輌室内に柔らかな自然光を取り込むのにより好適な紫外線吸収剤として、環状イミノエステル系化合物およびシアノアクリレート系化合物が好適であり、特に熱安定性に優れる点において本発明では環状イミノエステル系化合物が好ましい。紫外線吸収剤の含有量は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.005〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部、更に好ましくは0.05〜0.5重量部である。
また本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートに代表されるヒンダードアミン系の光安定剤も含むことができる。ヒンダードアミン系光安定剤と上記紫外線吸収剤との併用が耐候性を効果的に向上させる。かかる併用では両者の重量比(光安定剤/紫外線吸収剤)は95/5〜5/95の範囲が好ましく、80/20〜20/80の範囲が更に好ましい。光安定剤は単独であるいは2種以上の混合物で用いてもよい。光安定剤の含有量は100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0005〜3重量部、より好ましくは0.01〜2重量部、更に好ましくは0.05〜0.5重量部である。
(vi)ブルーイング剤
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にブルーイング剤を樹脂組成物中0.05〜3.0ppm(重量割合)含んでなることが好ましい。本発明の樹脂組成物において更に黄色味を減少させ成形品に自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の使用は非常に有効である。ここでブルーイング剤とは、橙色ないし黄色の光線を吸収することにより青色ないし紫色を呈する着色剤をいい、特に染料が好ましい。ブルーイング剤の配合により本発明の樹脂組成物は更に良好な色相を得る。ブルーイング剤の量が0.05ppm未満では色相の改善効果が不十分な場合がある一方、3.0ppmを超える場合には光線透過率が低下し適当ではない。より好ましいブルーイング剤の量は樹脂組成物中0.2〜2.0ppmの範囲である。ブルーイング剤としては代表例として、バイエル社のマクロレックスバイオレットB及びマクロレックスブルーRR、並びにクラリアント社のポリシンスレンブルーRLSなどが挙げられる。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にブルーイング剤を樹脂組成物中0.05〜3.0ppm(重量割合)含んでなることが好ましい。本発明の樹脂組成物において更に黄色味を減少させ成形品に自然な透明感を付与するためにはブルーイング剤の使用は非常に有効である。ここでブルーイング剤とは、橙色ないし黄色の光線を吸収することにより青色ないし紫色を呈する着色剤をいい、特に染料が好ましい。ブルーイング剤の配合により本発明の樹脂組成物は更に良好な色相を得る。ブルーイング剤の量が0.05ppm未満では色相の改善効果が不十分な場合がある一方、3.0ppmを超える場合には光線透過率が低下し適当ではない。より好ましいブルーイング剤の量は樹脂組成物中0.2〜2.0ppmの範囲である。ブルーイング剤としては代表例として、バイエル社のマクロレックスバイオレットB及びマクロレックスブルーRR、並びにクラリアント社のポリシンスレンブルーRLSなどが挙げられる。
(vii)白色顔料
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その遮光性を調整する目的で、白色顔料として二酸化チタン、酸化亜鉛、および硫化亜鉛を配合することができる。かかる白色顔料の中でも特に二酸化チタンが好適である。かかる二酸化チタンは、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、アンチモン、スズおよび亜鉛などの金属の酸化物で表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理は高密度な処理および低密度(多孔質)な処理の何れも適用できる。更に好適な二酸化チタンは有機化合物で表面処理される。かかる表面処理剤としては、アミン類化合物、シリコーン化合物、およびポリオール化合物をそれぞれ主成分とする表面処理剤などが利用される。殊にアルキルハイドロジェンポリシロキサンで被覆した二酸化チタンが好適に使用される。本発明の樹脂組成物において二酸化チタンの含有量は、100重量部のA成分を基準として0.0001〜0.5重量部、より好ましくは0.0005〜0.1重量部である。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その遮光性を調整する目的で、白色顔料として二酸化チタン、酸化亜鉛、および硫化亜鉛を配合することができる。かかる白色顔料の中でも特に二酸化チタンが好適である。かかる二酸化チタンは、アルミニウム、シリコン、チタン、ジルコニウム、アンチモン、スズおよび亜鉛などの金属の酸化物で表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理は高密度な処理および低密度(多孔質)な処理の何れも適用できる。更に好適な二酸化チタンは有機化合物で表面処理される。かかる表面処理剤としては、アミン類化合物、シリコーン化合物、およびポリオール化合物をそれぞれ主成分とする表面処理剤などが利用される。殊にアルキルハイドロジェンポリシロキサンで被覆した二酸化チタンが好適に使用される。本発明の樹脂組成物において二酸化チタンの含有量は、100重量部のA成分を基準として0.0001〜0.5重量部、より好ましくは0.0005〜0.1重量部である。
(viii)カーボンブラック
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その遮光性を調整する目的で、カーボンブラックを配合することができる。好ましいカーボンブラックはオイルファーネスブラックやチャンネルブラックである。またかかるカーボンブラックにおいてHCC、HCF、MCF、LFF、およびRCFなどいずれのタイプも使用可能であるが、より好ましいのはHCF、MCF、およびLFFなどである。またpH値は7以下であるものがより好適であり、2〜6の範囲が更に好ましい。カーボンブラックは単独でまたは2種以上併用して使用することができる。かかるカーボンブラックの原料形態は特に制限されるものでなく、炭素フィラーのみの粉体形態のほか、オイル中に分散された形態、バインダー樹脂によって顆粒化された形態、およびポリカーボネート樹脂や他の樹脂中に高濃度で溶融混練したマスターバッチの形態など各種の態様のものが使用可能である。カーボンブラックは本発明の樹脂組成物中、0.05〜5ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.1〜3ppmの範囲がより好ましく、0.2〜2ppmの範囲が更に好ましい。上記の範囲内においては適度な遮光性を効率的に得ることができる。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、その遮光性を調整する目的で、カーボンブラックを配合することができる。好ましいカーボンブラックはオイルファーネスブラックやチャンネルブラックである。またかかるカーボンブラックにおいてHCC、HCF、MCF、LFF、およびRCFなどいずれのタイプも使用可能であるが、より好ましいのはHCF、MCF、およびLFFなどである。またpH値は7以下であるものがより好適であり、2〜6の範囲が更に好ましい。カーボンブラックは単独でまたは2種以上併用して使用することができる。かかるカーボンブラックの原料形態は特に制限されるものでなく、炭素フィラーのみの粉体形態のほか、オイル中に分散された形態、バインダー樹脂によって顆粒化された形態、およびポリカーボネート樹脂や他の樹脂中に高濃度で溶融混練したマスターバッチの形態など各種の態様のものが使用可能である。カーボンブラックは本発明の樹脂組成物中、0.05〜5ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.1〜3ppmの範囲がより好ましく、0.2〜2ppmの範囲が更に好ましい。上記の範囲内においては適度な遮光性を効率的に得ることができる。
(ix)他の染顔料
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、発明の目的を損なわない範囲で上記以外にも各種の染顔料を使用することができる。かかる染顔料しては、例えばペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料などが例示される。更にビスベンゾオキサゾリル−スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−ナフタレン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−チオフェン誘導体、およびクマリン誘導体などの蛍光増白剤を使用することもできる。その他メタリック顔料(例えば金属酸化物被覆板状充填材、金属被覆板状充填材、および金属フレークなど)を配合してより良好なメタリック色彩を得ると共に、適度に熱線反射を行い、室内温度をより適正に保つこともできる。他の染顔料の含有量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜1重量部、より好ましくは0.0005〜0.8重量部である。
本発明の光拡散性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物には、発明の目的を損なわない範囲で上記以外にも各種の染顔料を使用することができる。かかる染顔料しては、例えばペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、紺青等のフェロシアン化物、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料、およびフタロシアニン系染料などが例示される。更にビスベンゾオキサゾリル−スチルベン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−ナフタレン誘導体、ビスベンゾオキサゾリル−チオフェン誘導体、およびクマリン誘導体などの蛍光増白剤を使用することもできる。その他メタリック顔料(例えば金属酸化物被覆板状充填材、金属被覆板状充填材、および金属フレークなど)を配合してより良好なメタリック色彩を得ると共に、適度に熱線反射を行い、室内温度をより適正に保つこともできる。他の染顔料の含有量は、100重量部のA成分を基準として、好ましくは0.0001〜1重量部、より好ましくは0.0005〜0.8重量部である。
(x)帯電防止剤
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、帯電防止性能が求められる場合があり、かかる場合帯電防止剤を含むことが好ましい。かかる帯電防止剤としては、例えば(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩に代表されるアリールスルホン酸ホスホニウム塩、およびアルキルスルホン酸ホスホニウム塩などの有機スルホン酸ホスホニウム塩、並びにテトラフルオロホウ酸ホスホニウム塩の如きホウ酸ホスホニウム塩が挙げられる。該ホスホニウム塩の含有量は100重量部のA成分を基準として、5重量部以下が適切であり、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは1〜3.5重量部、更に好ましくは1.5〜3重量部の範囲である。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、帯電防止性能が求められる場合があり、かかる場合帯電防止剤を含むことが好ましい。かかる帯電防止剤としては、例えば(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ホスホニウム塩に代表されるアリールスルホン酸ホスホニウム塩、およびアルキルスルホン酸ホスホニウム塩などの有機スルホン酸ホスホニウム塩、並びにテトラフルオロホウ酸ホスホニウム塩の如きホウ酸ホスホニウム塩が挙げられる。該ホスホニウム塩の含有量は100重量部のA成分を基準として、5重量部以下が適切であり、好ましくは0.05〜5重量部、より好ましくは1〜3.5重量部、更に好ましくは1.5〜3重量部の範囲である。
帯電防止剤としては例えば、(2)有機スルホン酸リチウム、有機スルホン酸ナトリウム、有機スルホン酸カリウム、有機スルホン酸セシウム、有機スルホン酸ルビジウム、有機スルホン酸カルシウム、有機スルホン酸マグネシウム、および有機スルホン酸バリウムなどの有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩が挙げられる。具体的には例えばドデシルベンゼンスルホン酸の金属塩やパーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩などが例示される。有機スルホン酸アルカリ(土類)金属塩の含有量は100重量部のA成分を基準として、0.5重量部以下が適切であり、好ましくは0.001〜0.3重量部、より好ましくは0.005〜0.2重量部である。特にカリウム、セシウム、およびルビジウムなどのアルカリ金属塩が好適である。
帯電防止剤としては、例えば(3)アルキルスルホン酸アンモニウム塩、およびアリールスルホン酸アンモニウム塩などの有機スルホン酸アンモニウム塩が挙げられる。該アンモニウム塩は100重量部のA成分を基準として、0.05重量部以下が適切である。帯電防止剤としては、例えば(iv)ポリエーテルエステルアミドの如きポリ(オキシアルキレン)グリコール成分をその構成成分として含有するポリマーが挙げられる。該ポリマーは100重量部のA成分を基準として5重量部以下が適切である。
(xi)熱線吸収能を有する化合物
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない量の熱線吸収能を有する化合物を使用することができる。該化合物としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR−362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含み、さらにウイスカーも含む)、カーボンファイバー(気相成長法によるものを含む)、カーボンナノチューブ、およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.0005〜0.2重量部、より好ましくは0.0008〜0.1重量部、更に好ましくは0.001〜0.07重量部である。金属酸化物系近赤外線吸収剤および金属ホウ化物系近赤外線吸収剤は、樹脂組成物中、0.1〜200ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.5〜100ppmの範囲がより好ましい。炭素フィラーは本発明の樹脂組成物中、0.05〜5ppm(重量割合)の範囲が好ましい。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない量の熱線吸収能を有する化合物を使用することができる。該化合物としてはフタロシアニン系近赤外線吸収剤、ATO、ITO、酸化イリジウムおよび酸化ルテニウムなどの金属酸化物系近赤外線吸収剤、ホウ化ランタン、ホウ化セリウムおよびホウ化タングステンなどの金属ホウ化物系近赤外線吸収剤などの近赤外吸収能に優れた各種の金属化合物、ならびに炭素フィラーが好適に例示される。かかるフタロシアニン系近赤外線吸収剤としてはたとえば三井化学(株)製MIR−362が市販され容易に入手可能である。炭素フィラーとしてはカーボンブラック、グラファイト(天然、および人工のいずれも含み、さらにウイスカーも含む)、カーボンファイバー(気相成長法によるものを含む)、カーボンナノチューブ、およびフラーレンなどが例示され、好ましくはカーボンブラックおよびグラファイトである。これらは単体または2種以上を併用して使用することができる。フタロシアニン系近赤外線吸収剤は、100重量部のA成分を基準として好ましくは0.0005〜0.2重量部、より好ましくは0.0008〜0.1重量部、更に好ましくは0.001〜0.07重量部である。金属酸化物系近赤外線吸収剤および金属ホウ化物系近赤外線吸収剤は、樹脂組成物中、0.1〜200ppm(重量割合)の範囲が好ましく、0.5〜100ppmの範囲がより好ましい。炭素フィラーは本発明の樹脂組成物中、0.05〜5ppm(重量割合)の範囲が好ましい。
(xii)その他
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を使用することができる。難燃剤としては、例えば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリアクリレート、モノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、ホスホン酸アミド化合物、スルホン酸塩以外の有機酸金属塩、およびシリコーン系難燃剤などが挙げられ、それらを一種以上使用することができる。かかる難燃剤はそれぞれポリカーボネート樹脂に対する公知の量を配合することができる。
更に本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、流動改質剤、抗菌剤、光触媒系防汚剤、およびフォトクロミック剤などを配合することができる。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない量の難燃剤を使用することができる。難燃剤としては、例えば、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、臭素化ポリアクリレート、モノホスフェート化合物、ホスフェートオリゴマー化合物、ホスホネートオリゴマー化合物、ホスホニトリルオリゴマー化合物、ホスホン酸アミド化合物、スルホン酸塩以外の有機酸金属塩、およびシリコーン系難燃剤などが挙げられ、それらを一種以上使用することができる。かかる難燃剤はそれぞれポリカーボネート樹脂に対する公知の量を配合することができる。
更に本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物には、流動改質剤、抗菌剤、光触媒系防汚剤、およびフォトクロミック剤などを配合することができる。
<光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物の調製について>
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を調製するには、任意の方法が採用される。例えば、樹脂組成物の製造法として、前記各成分並びに任意に配合する他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機等を挙げることができる。予備混合では、必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーン等により造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練しペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器等を用いることができるが、ベント式二軸押出機に代表される多軸押出機が好ましい。かかる多軸押出機を用いることにより、強力なせん断力で高分子微粒子が基体樹脂中に微分散される。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物を調製するには、任意の方法が採用される。例えば、樹脂組成物の製造法として、前記各成分並びに任意に配合する他の成分を予備混合し、その後溶融混練し、ペレット化する方法を挙げることができる。予備混合の手段としては、ナウターミキサー、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、メカノケミカル装置、および押出混合機等を挙げることができる。予備混合では、必要に応じて押出造粒器やブリケッティングマシーン等により造粒を行うこともできる。予備混合後、ベント式二軸押出機に代表される溶融混練機で溶融混練しペレタイザー等の機器によりペレット化する。溶融混練機としては他にバンバリーミキサー、混練ロール、恒熱撹拌容器等を用いることができるが、ベント式二軸押出機に代表される多軸押出機が好ましい。かかる多軸押出機を用いることにより、強力なせん断力で高分子微粒子が基体樹脂中に微分散される。
さらに、C成分およびD成分を含有する光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物の溶融混練においては次の態様がより好適である。すなわち、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(C成分)と、A成分の芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(D成分)、殊に好適にはカルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有する芳香族ビニル重合体(D-1成分)とを予め溶融混練しておき、該溶融混練物とA成分の芳香族ポリカーボネートおよびB成分の高分子微粒子とを溶融混合する。C成分とD成分との予備混合物もしくはB成分は必要に応じてサイドフィーダー等を用いて多軸押出機の途中から溶融した樹脂中に供給することもできる。かかる溶融混練方法は、層状珪酸塩の微分散を達成し、さらに芳香族ポリカーボネートの熱安定性を向上させるため好ましい。
かかるC成分とD成分との予備混合物の製造において、そのベントからの脱揮を十分に行うことにより、該予備混合物中の塩素原子や臭素原子の含有量を低減させることが好ましい。かかる処理を行うことにより更に良好な樹脂組成物の熱安定性が達成され、その結果より大型の車輌用外装成形品の提供を可能とする。かかる予備混合物中における塩素原子及び臭素原子の含有量は、100ppm以下とすることがより好ましい。かかる含有量は前述のイオンクロマトグラフィーで測定される。
本発明の好適な車輌用外装成形品は、他の混合方法によって得られる樹脂組成物から形成されてもよい。例えば、A成分とB成分との樹脂組成物のペレットとC成分とD成分とを予め溶融混練したペレットとを成形加工機(例えば射出成形機)に同時に供給して成形加工機中において混合する製造方法が挙げられる。
本発明の好適な光拡散性ポリカーボネート樹脂樹脂組成物の有利な製造法の例としては、(i)C成分とD成分とをベント式二軸押出機にて溶融混練しペレット化したものを、再度A成分およびB成分と溶融混練する方法、(ii)C成分とD成分とをベント式二軸押出機の主供給口より投入し、A成分の一部または全部を二軸押出機の途中段階に設けられた供給口から、C成分とD成分が既に溶融混練された状態の中へ投入する方法等、を挙げることができる。これらC成分とD成分を予め溶融混練する方法においては、その溶融混練時に、A成分の一部を含んでいても構わない。さらに前記(i)および(ii)のいずれの方法においても、高分子微粒子は押出機のスクリュー根元部分から樹脂原料等と供給されることもでき、また押出機の途中の位置から供給されることもできる。
また、本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂車輌用外装成形品は通常高度な光学的特性を要求される分野に使用されることが多いことから、かかる光学特性を阻害する異物の存在を少なくすることが好ましい。かかる好ましい光拡散性ポリカーボネート樹脂車輌用外装成形品の樹脂組成物を得るためには、原料として異物量の少ないものを使用するとともに、押出機やペレタイザー等の製造装置を清浄な空気の雰囲気下に設置すると共に、冷却バス用の冷却水についても異物量の少ないものを使用し、さらに原料の供給ホッパー、供給流路や、得られたペレットの貯蔵タンク等についてもより清浄な空気等で満たすことが好ましい。例えば、特開平11−21357号公報に提案されているのと同様な方法をとることが適当である。
<車輌用外装成形品の製造方法について>
本発明の車輌用外装成形品は、各種の方法で製造することができる。例えば押出成形されたシートを曲げ加工する方法、溶融押出されたシート状の樹脂を金型内でプレス成形する方法、並びに射出成形する方法などが例示される。この中で最も精度よくかつ効率的に成形品を得ることのできる射出成形法が好ましい。ここで射出成形法としては、通常の射出成形法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、および超高速射出成形など利用することができる。中でも射出プレス成形は下記の理由などから好適である。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
本発明の車輌用外装成形品は、各種の方法で製造することができる。例えば押出成形されたシートを曲げ加工する方法、溶融押出されたシート状の樹脂を金型内でプレス成形する方法、並びに射出成形する方法などが例示される。この中で最も精度よくかつ効率的に成形品を得ることのできる射出成形法が好ましい。ここで射出成形法としては、通常の射出成形法だけでなく、射出圧縮成形、射出プレス成形、断熱金型成形、急速加熱冷却金型成形、および超高速射出成形など利用することができる。中でも射出プレス成形は下記の理由などから好適である。また成形はコールドランナー方式およびホットランナー方式のいずれも選択することができる。
本発明において射出プレス成形とは、少なくともその供給完了時において目的とする成形品容量よりも大なる容量の金型キャビティ内に溶融した熱可塑性樹脂を供給し、その供給完了後に金型キャビティ容量を目的とする成形品容量まで減少し、金型キャビティ内の成形品をその取り出しが可能な温度以下まで冷却後成形品を取り出す成形方法である。尚、金型キャビティ容量の減少開始は、樹脂の供給完了前後のいずれであってもよいが、該供給完了前の開始が好ましい。すなわちキャビティ容量を減少する工程と樹脂の充填工程がオーバーラップする態様が好ましい。
射出プレス成形においては、高圧で樹脂の充填を行う必要が低減されるため、成形品中の歪みが低減する。かかる歪みの低減は透過光の均一性において重要である。更にかかる歪みの低減はより密着性の高いハードコート剤の適用を可能とする。
成形品表面の歪みの低減の観点からは、断熱金型成形および急速加熱冷却金型成形(ハロゲンランプ照射、誘導加熱、熱媒体の高速切り替え、および超音波金型など)も組合わせることが好適である。
また射出プレス成形は通常知られているように、極めて低い圧力での成形が可能であるため、射出成形機の型締め圧力のレベルを大幅に低減することが可能である。これは殊に大型の成形品であって、その流動長の長い成形品において製品の品質の向上と共に、設備にかかるコストを低減することができる。別の観点で論じると、射出プレス成形は成形温度の低減が可能な成形法である。したがって該成形法は大型の成形品においてもその熱負荷を低くし、結果として大型の成形品でありながら良好な成形体の提供を可能にする。
上記の射出プレス成形、殊に大型成形品の射出プレス成形においては、その中間型締め状態および中間型締め状態から最終型締め状態までの間の金型間の平行度の維持が重要である。射出プレス成形は上記の如く型締め力の小さな成形機にその上限に近い高重量の金型を備え付け成形を行う場合が多い。したがって金型重量により成形機の型締め機構における平行度の維持が困難となりやすい。また、樹脂充填時の圧力によって偏荷重が発生し金型の平行度の維持が困難となりやすい。平行度の狂いは金型のかじりなどを生じ製品の量産を困難にする。更に金型間の平行度の維持は、金型内の樹脂に対するより均一な圧力の負荷を達成する。これにより樹脂に負荷する圧力は全体として低い圧力を達成し、より歪みの少ない成形品の提供を可能とする。金型間の平行度が十分でない場合、樹脂成形品の箇所の違いにより負荷される圧力に差異が生じ、これは1つの歪み発生の要因となり得る。
上記の金型間の平行度の維持方法としては、(i)金型取り付け板を複数箇所、好ましくは角部4箇所の型締め機構で金型間の平行度を調整しながら金型間の平行度を維持する方法、並びに(ii)金型取り付け板(金型取り付け面)に対し複数箇所、好ましくは角部4箇所に対して矯正力を付与することにより金型間の平行度を調整しながら金型間の平行度を維持する方法が好適に例示される。かかる(i)の方法は型締め機構による平行度の維持方法であり、(ii)の方法は別途設けられた矯正力の付与機構による平行度の維持方法である。(i)の方法を実現する成形機としては、例えばプラテンの4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機である(株)名機製作所製MDIPシリーズを例示することができる。尚、型締め機構や矯正力の付与機構としては、通常の油圧シリンダーが好ましく用いられるが、その他圧空シリンダー、ボールネジおよびスクリューの組み合わせ、並びにラックギアおよびピニオンギアの組み合わせなどが例示される。
更に射出プレス成形における成形条件に関し簡単に説明する。射出プレス成形の中間型締め状態における金型容量の拡大倍率は、目的とする成形品容量の目的とする成形品容量の1.2〜5倍の範囲が好ましく、1.3〜4倍の範囲がより好ましく、1.5〜3.5倍の範囲が更に好ましく、1.7〜3倍の範囲が特に好ましい。但しかかる範囲は、下記の圧縮ストローク量が適正な範囲にあることを前提とする。かかる範囲では大型の射出成形品においても成形品の歪みが少なく、割れ耐性に優れた射出成形品が得られる。
更に樹脂の供給完了時における金型容量の拡大倍率は、目的とする成形品容量の1.05〜4.5倍の範囲が好ましく、1.1〜3.5倍の範囲がより好ましく、1.2〜3倍の範囲が更に好ましく、1.4〜2.7倍の範囲が特に好ましい。
射出プレス成形の最終型締め状態は、可動側金型と固定側金型とのパーティング面が互いに接触しない状態であることが好ましい。かかる状態とすることにより均一に樹脂に圧力を伝えることを可能とし成形品の歪みが少なく、割れ耐性に優れた射出成形品が得られる。かかる状態の成形は、上記の金型間の平行度の維持の下で安定してなされる。したがって上記の金型間の平行度の維持は、かかる点からも射出プレス成形において重要である。尚、最終型締め状態における可動側金型と固定側金型とのパーティング面間の距離は0.05〜3mmの範囲が好ましく、1〜2mmがより好ましい。
射出プレス成形の中間型締め状態から最終型締め状態までの金型の移動量(以下、圧縮ストロークと称する場合がある)は、1〜10mmの範囲が好ましく、1〜6mmの範囲がより好ましく、2〜4mmの範囲が更に好ましい。かかる範囲の後退量は、射出プレス成形方法の利点である低い型締め力と、良好な成形効率および成形品外観とを両立する。また成形品の厚みは特に制限されないものの0.5〜10mmの範囲が好ましく、1〜7mmの範囲がより好ましい。
更に金型を中間型締め状態から最終型締め状態に移動する際の移動速度は、0.5mm/sec以上が好ましく、1mm/sec以上がより好ましく、10mm/sec以上が更に好ましい。L/Dの高い成形品ほど高い金型容量の拡大倍率が必要となり速い移動速度が求められる。成形品の歪みを低減するためには金型内部の溶融樹脂の熱的分布の変化が少ない間に所定の最終型締め状態までの圧縮工程を終了することが重要なためである。かかる移動速度がより速いほど大きい圧縮ストロークに対応できる。したがって移動速度は可能な限り高いことが好ましいが、現時点では事実上40mm/sec程度が装置上の限界となっている。35mm/secのレベルであれば十分に精密な速度制御が可能である。尚、かかる移動速度は中間型締め状態から最終型締め状態までの圧縮ストロークを圧縮に要した時間で除したものであり、必ずしも一定速度である必要はない。また上記の如く圧縮ストロークが大きく、金型の移動速度が大きいほど金型のかじりは生じやすくなることから、金型間の平行度の維持は重要かつ必須の条件となる。
本発明の射出成形品は成形品側面部分の1つのゲートのみを有するものがより好ましい。かかる射出成形品は通常大きい流動長を有しやすくより高い熱負荷がかかる場合が多い。その結果として成形品の光透過性が不均一となったり、本来有する色相が阻害されたりする。本発明の車輌用外装成形品は、射出プレス成形法を適用することによりかかる点において改良される。したがって成形品側面部分の1つのゲートのみを有する成形品は本発明において殊に好適な成形品形状であるといえる。更に射出プレス成形もかかる点を解決することから、本発明の成形品を製造する上で射出プレス成形の適用は本発明の効果を更に発揮させる。
<車輌用外装成形品について>
本発明の車輌用外装成形品は、大型でありながら良好な色相を有し車輌室内に柔らかな自然光を取り込むことを可能にする。更にその好適な態様においては、剛性、寸法安定性および表面平滑性に優れた、比較的大きな面積を有する車輌用外装成形品を提供する。本発明の車輌用外装成形品が有する利点は、成形品が大型であるほど顕著となる。即ち大型であるほど成形時の熱負荷は高くなり、本発明のB成分の配合による熱安定性は有利に発揮される。本発明のより好適なC成分およびD成分を含む樹脂組成物では、剛性および寸法安定性が向上することから、より大型の成形品に好適である。したがって前述の如く本発明の車輌用外装成形品は、その最大投影面積が好ましくは500〜50,000cm2、より好ましくは5,000〜40,000cm2、更に好ましくは10,000〜35,000cm2である。更にその流動長としては30cm以上である成形品が本発明の効果を発揮する上で好適であり、35cm以上がより好ましい。一方、流動長の上限としては200cm以下が適切であり、180cm以下がより適切である。
本発明の車輌用外装成形品は、大型でありながら良好な色相を有し車輌室内に柔らかな自然光を取り込むことを可能にする。更にその好適な態様においては、剛性、寸法安定性および表面平滑性に優れた、比較的大きな面積を有する車輌用外装成形品を提供する。本発明の車輌用外装成形品が有する利点は、成形品が大型であるほど顕著となる。即ち大型であるほど成形時の熱負荷は高くなり、本発明のB成分の配合による熱安定性は有利に発揮される。本発明のより好適なC成分およびD成分を含む樹脂組成物では、剛性および寸法安定性が向上することから、より大型の成形品に好適である。したがって前述の如く本発明の車輌用外装成形品は、その最大投影面積が好ましくは500〜50,000cm2、より好ましくは5,000〜40,000cm2、更に好ましくは10,000〜35,000cm2である。更にその流動長としては30cm以上である成形品が本発明の効果を発揮する上で好適であり、35cm以上がより好ましい。一方、流動長の上限としては200cm以下が適切であり、180cm以下がより適切である。
更に好適な成形品形状としては、成形品の厚み(D(mm))に対するゲート部から流動末端までの距離(L(mm))の比L/Dが、75以上であることが好ましく、100以上がより好ましく、130以上が更に好ましく、150以上が特に好ましい。一方、その上限は1,000以下が適切であり、800以下が好ましく、600以下が更に好ましい。
したがって、本発明によれば、前記の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物からなり、かかる最大投影面積を有し、寸法安定性が高く、またL/Dが高くとも反りがなく十分な形状を有し、その結果として光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された大型の車輌用外装成形品が提供される。
上述の本発明の車輌用外装成形品は、その表面がフレネルレンズ形状やシリンドリカルレンズ形状等の表面形状を有するものであってもよく、またかかる形状を別途他の材料によって積層した積層板とすることも可能である。本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂車輌用外装成形品の樹脂組成物に直接フレネルレンズ形状やシリンドリカルレンズ形状を付与する場合、かかる光拡散性ポリカーボネート樹脂車輌用外装成形品の樹脂組成物を用いて射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形、圧縮成形、および押出成形等の成形方法により所望の形状に成形することができる。さらに、射出成形、射出圧縮成形、射出プレス成形、圧縮成形、押出成形により表面にフレネルレンズのための凹凸を形成する方法としては、(1)金型キャビティ表面や転写ロール表面にかかるフレネルレンズ形状等に対応する凹凸が設けられ、かかる凹凸が樹脂成形品表面に転写される方法、(2)フレネルレンズ形状等に対応する凹凸が設けられた別材料が金型キャビティ内にインサートされるか、または押出時に積層され、樹脂成形品と一体化された後、かかる別材料が除去されて樹脂成形品表面に凹凸が設けられる方法、等が例示される。
また、場合によっては、かかるスクリーンは光輝性顔料を含む層を積層することにより、その表面凹凸によるレンズを省略することも可能である。さらに、本発明の車輌用外装成形品は光の反射を防止するため各種の光反射防止膜を形成することができる。
得られた成形品は、各種の方法によって車輌に取り付けられる。また本発明の成形品を車輌のフレームに直接取り付ける方法以外に、本発明の成形品に枠材を別途結合し、該枠材を通して車輌のフレームに取り付ける方法であってもよい。かかる枠材は本発明の成形品が良好な白色の色相を有することから、白色またはそれに近い色とすることが外観上好ましい。
<表面改質について>
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品は、表面改質を施すことによりさらに他の機能を付与することが可能である。ここでいう「表面改質」とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着等)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等)、塗装、コーティング、および印刷等の手段で樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させることを言い、通常の樹脂成形品に用いられる表面改質方法が適用できる。更にかかる表面改質方法は、(i)本発明の車輌用外装成形品に直接施す方法、および(ii)かかる処理を施した樹脂フィルムを本発明の車輌用外装成形品に積層する方法のいずれの方法も適用可能である。
本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品は、表面改質を施すことによりさらに他の機能を付与することが可能である。ここでいう「表面改質」とは、蒸着(物理蒸着、化学蒸着等)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキ等)、塗装、コーティング、および印刷等の手段で樹脂成形品の表層上に新たな層を形成させることを言い、通常の樹脂成形品に用いられる表面改質方法が適用できる。更にかかる表面改質方法は、(i)本発明の車輌用外装成形品に直接施す方法、および(ii)かかる処理を施した樹脂フィルムを本発明の車輌用外装成形品に積層する方法のいずれの方法も適用可能である。
樹脂成形品(上記(ii)の場合の樹脂フィルムを含む)の表面に金属層または金属酸化物層を積層する方法としては、例えば、物理蒸着法、化学蒸着法、溶射法およびメッキ法が挙げられる。物理蒸着法としては真空蒸着法、スパッタリングおよびイオンプレーティングが例示され、化学蒸着(CVD)法としては、熱CVD法、プラズマCVD法および光CVD法等が例示される。かかる方法によりダイヤモンドライクカーボンの如き硬質被膜を形成することが可能である。また、溶射法としては大気圧プラズマ溶射法、減圧プラズマ溶射法等が例示される。メッキ法としては、無電解メッキ(化学メッキ)法、溶融メッキおよび電気メッキ法等が挙げられ、電気メッキ法においてはレーザーメッキ法を用いることができる。
前記方法のなかでも蒸着法およびメッキ法が本発明の樹脂組成物からなる成形品の金属層を形成する上で好ましく、蒸着法が金属酸化物層を形成する上で好ましい。ATO、ITO、および酸化スズなどに代表される金属酸化物による表面改質は、比較的良好な光線透過率を有し、透過光の色相が比較的良好であり、かつ熱線をカットし車輌室内の温度をより適切に保つことが可能である点で好ましい。かかる金属酸化物による表面改質は、車輌用外装成形品の車輌外側および車輌内側に相当するいずれの側になされてもよい。
本発明のハードコートを施すことにより更に車輌用外装成形品部材に適したものとなる。本発明の好適な樹脂組成物であるA成分〜D成分を含有する樹脂組成物は、基体成形品も良好な表面硬度を有することから、ハードコート層の特性をより有効に発現できる。更にかかる好適な樹脂組成物からなる成形品は線膨張係数も低減されていることから、ハードコート層との密着性も良好である。
次に本発明のハードコート層について説明する。本発明では、ハードコート処理として各種のハードコート剤が使用可能であり、本発明で使用するハードコート剤としては、シリコーン樹脂系ハードコート剤や有機樹脂系ハードコート剤などが例示される。かかるハードコート層の硬度は特に限定されるものではなく、ポリカーボネートの硬度より高いものであればよい。
シリコーン樹脂系ハードコート剤は、シロキサン結合をもった硬化樹脂層を形成するものであり、例えば、3官能シロキサン単位に相当する化合物(トリアルコキシシラン化合物など)を主成分とする化合物の部分加水分解縮合物、好ましくは更に4官能シロキサン単位に相当する化合物(テトラアルコキシシラン化合物など)を含む部分加水分解縮合物、並びに更にこれらにコロイダルシリカなどの金属酸化物微粒子を充填した部分加水分解縮合物などが挙げられる。シリコーン樹脂系ハードコート剤は更に2官能性のシロキサン単位および1官能性のシロキサン単位を含んでよい。これらには縮合反応時に発生するアルコール(アルコキシシランの部分加水分解縮合物の場合)などが含まれるが、更に必要に応じて任意の有機溶剤、水、あるいはこれらの混合物に溶解ないしは分散させてもよい。そのための有機溶剤としては、低級脂肪酸アルコール類、多価アルコールとそのエーテル、エステル類などが挙げられる。なお、ハードコート層には平滑な表面状態を得るため各種界面活性剤、例えば、シロキサン系、フッ化アルキル系界面活性剤などを添加してもよい。
有機樹脂系ハードコート剤としては、例えば、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、多官能アクリル樹脂などが挙げられる。ここで多官能アクリル樹脂としてはポリオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ホスファゼンアクリレートなどの樹脂が挙げられる。これらの中でも特に好適に紫外線硬化型のハードコート剤が好適である。更にかかるハードコート剤は、紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体が共重合した構成単位を含有することがより好ましい。より好適な有機樹脂系ハードコート剤は、かかる単量体とアルキル(メタ)アクリレート単量体とを共重合することによりハードコート層が形成されるものである。かかる紫外線硬化型のハードコート剤はその処理が簡便である点で好ましく、更に紫外線吸収性単量体および/または光安定性単量体が共重合した構成単位を容易に包含できる点において、成形品の耐光性を大きく改良できる点で好ましい。アクリル系ハードコート剤の市販品としては、例えばオリジン電気(株)製オリジアプトシリーズ、および(株)日本触媒製ユーダブルシリーズなどが例示される。これらは架橋剤成分と混合して使用することができる。
一方、ガラス様の硬度が成形品に求められる場合には、長期間の耐候性に優れ、かつ表面硬度が比較的高いシリコーン樹脂系ハードコート剤が好ましい。特に各種の樹脂からなるプライマー層(第1層)を形成した後、その上にシリコーン樹脂系ハードコート剤から調整されたトップ層(第2層)を形成したものが好ましい。
かかるプライマー層(第1層)を形成する樹脂としては、各種ブロックイソシアネート成分およびポリオール成分からなるウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、およびポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ホスファゼンアクリレート、メラミンアクリレート、アミノアクリレートなどの各種多官能アクリル樹脂を挙げることができ、これらは単独でも2種以上を併用して使用することもできる。これらの中でも好ましくはアクリル樹脂、多官能アクリル樹脂が50重量%、より好ましくは60重量%以上含有するものを挙げることができ、特にアクリル樹脂およびウレタンアクリレートからなるものが好ましい。これらは未反応状態のものを塗布後所定の反応をさせて硬化樹脂とすること、並びに反応後の樹脂を直接塗布し硬化樹脂層を形成することのいずれも適用可能である。後者は通常樹脂を溶媒に溶解し溶液とした後、塗布されその後溶媒が除去される。また前者の場合も溶媒を使用することが一般的である。
更に、本発明のシリコーン樹脂系ハードコート剤のプライマー層を形成する樹脂には、上述した光安定剤や紫外線吸収剤、並びにシリコーン樹脂ハードコート剤の触媒、熱・光重合開始剤、重合禁止剤、シリコーン消泡剤、レベリング剤、増粘剤、沈殿防止剤、垂れ防止剤、難燃剤、有機・無機顔料・染料の各種添加剤および添加助剤を含むことができる。
本発明のハードコート層は、紫外線吸収剤を含有することが、良好な耐久性(殊に密着性に対する耐久性)を有することから好適である。更に本発明のハードコート層のより好適な態様は次のとおりである。すなわち、本発明の車輌用外装成形品または芳香族ポリカーボネート樹脂フィルムの表面に第1層が形成され、第1層の表面に第2層が形成された構成のハードコート層であって、
第1層は、架橋したアクリル共重合体(アクリル共重合体−I)および紫外線吸収剤からなり、第2層は、架橋したオルガノシロキサン重合体からなり、
該架橋したアクリル共重合体(アクリル共重合体−I)は、50モル%以上の下記式(X−1)
第1層は、架橋したアクリル共重合体(アクリル共重合体−I)および紫外線吸収剤からなり、第2層は、架橋したオルガノシロキサン重合体からなり、
該架橋したアクリル共重合体(アクリル共重合体−I)は、50モル%以上の下記式(X−1)
で表される繰り返し単位、および
0〜30モル%の下記式(X−3)
該架橋したオルガノシロキサン重合体は、下記式(p−4)〜(p−6)
で表される繰り返し単位からなり、該繰り返し単位の全量を100モル%としたとき、式(p−4):80〜100モル%、式(p−5):0〜20モル%、および式(p−6):0〜20モル%である架橋したオルガノシロキサン重合体である、ハードコート層である。
コート方法としては、バーコート法、ディップコート法、フローコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ローラーコート法等の方法を、塗装される基材となる成形品の形状に応じて適宜選択することができる。中でも複雑な成形品形状に対応しやすいディップコート法、フローコート法、およびスプレーコート法が好ましい。
本発明の車輌用外装成形品は、良好な色相および光拡散能によって、車輌室内に柔らかな自然光を取り込むことを可能にすると共に、より好適な態様において剛性、寸法安定性および表面平滑性に優れた、比較的大きな面積を有する車輌用外装成形品を提供する。更に本発明の車輌用外装成形品は、成形品重量の増加なく曲げ剛性の大幅な向上を可能としており、かかる特性は製品の軽量化にも寄与する。更なる特徴は、本発明の光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は熱安定性に優れ、これにより大型の射出成形品にも適用可能な点である。これらの特性から、車輌用外装成形品は、車輌の屋根材として特に好適であるが、それ以外にもデタッチャブルトップ、ウインドーリフレクター、ウインカーランプレンズ、ルームランプレンズ、およびディスプレー表示用前面板などにおいて好適に利用することができる。
本発明者らが現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。なお、樹脂組成物および成形品の評価は下記(1)〜(3)の方法により行った。
(1)寸法精度
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、該成形品が所定の自動車(ドイツ製スマートクーペ(日本名商品名))に精度よく取り付け可能か否かを確認した。ハードコート処理およびフィルムラミネート処理のある成形品については、かかる処理後の成形品についてその確認を行った。取り付け可能であるものを○、成形品に反りが生じ取り付けが十分に行えなかったものを×で示した。
(2)成形品の外観および室内における光の均一性
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、その外観を確認した。成形時点においてシルバーストリークやヤケ筋の発生が確認されたものは×で示した。更に所定の自動車に取り付けを行い、直射日光の下で自動車室内の光の状態を観察した。かかる観察において屋根成形品が均一に発光しているものを○、光の不均一さが認められるものを△で示した。尚、○で示されたものは室内が適度に明るく包まれ感と開放感が両立した心地よい雰囲気を呈するものであった。
(3)成形品の寸法変化
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、105℃で6時間熱風乾燥炉中でアニール処理した後、80℃で30分間熱処理し、取り出し直後の寸法変化を測定した。寸法測定は、成形品を定盤上において測定端点を定盤上でマーキングした後、かかるマーキング間の距離を測定することにより行った。かかる寸法変化の小さいものほど取り付け精度が安定するため好ましい。
(1)寸法精度
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、該成形品が所定の自動車(ドイツ製スマートクーペ(日本名商品名))に精度よく取り付け可能か否かを確認した。ハードコート処理およびフィルムラミネート処理のある成形品については、かかる処理後の成形品についてその確認を行った。取り付け可能であるものを○、成形品に反りが生じ取り付けが十分に行えなかったものを×で示した。
(2)成形品の外観および室内における光の均一性
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、その外観を確認した。成形時点においてシルバーストリークやヤケ筋の発生が確認されたものは×で示した。更に所定の自動車に取り付けを行い、直射日光の下で自動車室内の光の状態を観察した。かかる観察において屋根成形品が均一に発光しているものを○、光の不均一さが認められるものを△で示した。尚、○で示されたものは室内が適度に明るく包まれ感と開放感が両立した心地よい雰囲気を呈するものであった。
(3)成形品の寸法変化
図1に示す自動車屋根成形品を射出プレス成形法により成形し、105℃で6時間熱風乾燥炉中でアニール処理した後、80℃で30分間熱処理し、取り出し直後の寸法変化を測定した。寸法測定は、成形品を定盤上において測定端点を定盤上でマーキングした後、かかるマーキング間の距離を測定することにより行った。かかる寸法変化の小さいものほど取り付け精度が安定するため好ましい。
〔実施例1〜9、比較例1〜3〕
(i)成形用材料の作成
表1および表2記載の配合割合からなる樹脂組成物を、かかる原料を径58mmφ、混練ゾーン2箇所のスクリューを装備したベント付き二軸押出機(東芝機械(株)製:TEM−58SS)に供給し、C成分およびD成分を含有しない場合にはシリンダー温度290℃、含有する場合にはシリンダー温度280℃で溶融押出し、ストランドカットしてペレットを得た。押出時のベント減圧度は3kPaとした。更にC成分およびD成分を含有する場合には、かかる押出に先立って、C成分およびD成分を表2記載の配合割合でドライブレンドした後、上記押出機を用いてシリンダー温度200℃およびベント減圧度3kPaにて溶融押出し、ストランドカットしてマスターペレットを得た。かかるマスターペレットは押出機途中の第2供給口から2軸スクリュー式のサイドフィーダーを用いて溶融樹脂中に供給した。またガラス繊維を配合するものについても第2供給口から供給した。その他原料は全てミキサーで均一にドライブレンドしたものを第1供給口に供給した。尚、いずれの組成物においても100重量部のA成分を基準として、0.00007重量部のブルーイング剤(バイエル社製:マクロレックスバイオレットB(商品名))、0.1重量部のホスファイト安定剤(旭電化工業(株)製:アデカスタブPEP−8(商品名))、0.05重量部のトリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:TMP(商品名))、および0.05重量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製:Irganox1076(商品名))を配合した(表中記載を省略)。
(i)成形用材料の作成
表1および表2記載の配合割合からなる樹脂組成物を、かかる原料を径58mmφ、混練ゾーン2箇所のスクリューを装備したベント付き二軸押出機(東芝機械(株)製:TEM−58SS)に供給し、C成分およびD成分を含有しない場合にはシリンダー温度290℃、含有する場合にはシリンダー温度280℃で溶融押出し、ストランドカットしてペレットを得た。押出時のベント減圧度は3kPaとした。更にC成分およびD成分を含有する場合には、かかる押出に先立って、C成分およびD成分を表2記載の配合割合でドライブレンドした後、上記押出機を用いてシリンダー温度200℃およびベント減圧度3kPaにて溶融押出し、ストランドカットしてマスターペレットを得た。かかるマスターペレットは押出機途中の第2供給口から2軸スクリュー式のサイドフィーダーを用いて溶融樹脂中に供給した。またガラス繊維を配合するものについても第2供給口から供給した。その他原料は全てミキサーで均一にドライブレンドしたものを第1供給口に供給した。尚、いずれの組成物においても100重量部のA成分を基準として、0.00007重量部のブルーイング剤(バイエル社製:マクロレックスバイオレットB(商品名))、0.1重量部のホスファイト安定剤(旭電化工業(株)製:アデカスタブPEP−8(商品名))、0.05重量部のトリメチルホスフェート(大八化学工業(株)製:TMP(商品名))、および0.05重量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製:Irganox1076(商品名))を配合した(表中記載を省略)。
(ii)成形品の作成
得られたペレットを、プラテンの4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて射出プレス成形し、図1に示す自動車用屋根成形品を製造した。かかる成形機は、上記とペレットを十分に乾燥可能なホッパードライヤー設備を付帯しており、かかる乾燥後のペレットが成形に使用された。
得られたペレットを、プラテンの4軸平行制御機構を備えた射出プレス成形可能な大型成形機((株)名機製作所製:MDIP2100、最大型締め力33540kN)を用いて射出プレス成形し、図1に示す自動車用屋根成形品を製造した。かかる成形機は、上記とペレットを十分に乾燥可能なホッパードライヤー設備を付帯しており、かかる乾燥後のペレットが成形に使用された。
成形はC成分およびD成分を含有しない材料についてはシリンダー温度300℃、ホットランナー設定温度290℃、金型温度は固定側120℃、および可動側110℃とし、C成分およびD成分を含有する材料については、シリンダー温度285℃、ホットランナー設定温度275℃、金型温度は固定側115℃、および可動側105℃とした。その他の条件は充填時間24秒、プレスストローク:5mm、および冷却時間:150秒であった。また可動側金型パーティング面は最終の前進位置において固定側金型パーティング面に接触しないものとした。ランナーは直径7mmφのホットランナーを用いた。
(iii)ハードコート処理
一部の成形品については、ハードコート処理を行った(表中ハードコート欄において“有”と表示)。
(iii−1)ハードコート剤の調整(下記説明において“部”は“重量部”を示す)
(iii−1−1)アクリル共重合体(EMA−HEMA(I))の製造
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと略称する)102.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略称する)13部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略称する)0.18部および1,2−ジメトキシエタン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、EMA/HEMAの組成比90/10(モル比)のコポリマー(EMA−HEMA(I))98部を得た。該コポリマーの水酸基価は48.7mgKOH/g、重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算で90,000であった。
一部の成形品については、ハードコート処理を行った(表中ハードコート欄において“有”と表示)。
(iii−1)ハードコート剤の調整(下記説明において“部”は“重量部”を示す)
(iii−1−1)アクリル共重合体(EMA−HEMA(I))の製造
還流冷却器および撹拌装置を備え、窒素置換したフラスコ中にエチルメタクリレート(以下EMAと略称する)102.7部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下HEMAと略称する)13部、アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略称する)0.18部および1,2−ジメトキシエタン200部を添加混合し、溶解させた。次いで、窒素気流中70℃で6時間攪拌下に反応させた。得られた反応液をn−ヘキサンに添加して再沈精製し、EMA/HEMAの組成比90/10(モル比)のコポリマー(EMA−HEMA(I))98部を得た。該コポリマーの水酸基価は48.7mgKOH/g、重量平均分子量はGPCの測定(カラム;Shodex GPCA−804、溶離液;THF)からポリスチレン換算で90,000であった。
(iii−1−2)第1層用アクリル樹脂組成物(HC−1)の調整
上記EMA−HEMA(I)10部および紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルス(株)製:「チヌビン411L」(商品名))2.00部をメチルイソブチルケトン50部および2−ブタノール25部からなる混合溶媒に溶解し、さらにこの溶液にEMA−HEMA(I)のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1当量になるようにポリイソシアネート化合物前駆体(デグサジャパン(株)製:「VESTANATB1358/100」(商品名))2.96部を添加し、さらにジメチルチンジネオデカノエート0.005部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製:「APZ−6633 5%エタノール溶液」(商品名))1.5部を添加し25℃で30分間攪拌し、第1層用のアクリル樹脂組成物(HC−1)を調製した。
上記EMA−HEMA(I)10部および紫外線吸収剤(チバスペシャルティケミカルス(株)製:「チヌビン411L」(商品名))2.00部をメチルイソブチルケトン50部および2−ブタノール25部からなる混合溶媒に溶解し、さらにこの溶液にEMA−HEMA(I)のヒドロキシ基1当量に対してイソシアネート基が1当量になるようにポリイソシアネート化合物前駆体(デグサジャパン(株)製:「VESTANATB1358/100」(商品名))2.96部を添加し、さらにジメチルチンジネオデカノエート0.005部、シランカップリング剤(日本ユニカー(株)製:「APZ−6633 5%エタノール溶液」(商品名))1.5部を添加し25℃で30分間攪拌し、第1層用のアクリル樹脂組成物(HC−1)を調製した。
(iii−1−3)第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物(HC−2)の調整
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製:「カタロイドSN30」(商品名)、固形分濃度30重量%)100部に35%塩酸0.1部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン136部、ジメチルジメトキシシラン20.3部を加えた。この混合液を25℃で6時間攪拌して得られた反応液に、硬化触媒およびpH調節剤として45%コリンメタノール溶液1部および酢酸4部を加えイソプロパノール200部で希釈してオルガノシロキサン樹脂組成物(HC−2)を調製した。
水分散型コロイダルシリカ分散液(触媒化成工業(株)製:「カタロイドSN30」(商品名)、固形分濃度30重量%)100部に35%塩酸0.1部を加えて攪拌し、この分散液に氷水浴で冷却下メチルトリメトキシシラン136部、ジメチルジメトキシシラン20.3部を加えた。この混合液を25℃で6時間攪拌して得られた反応液に、硬化触媒およびpH調節剤として45%コリンメタノール溶液1部および酢酸4部を加えイソプロパノール200部で希釈してオルガノシロキサン樹脂組成物(HC−2)を調製した。
(iii−2)ハードコート剤の塗布
上記で製造された車輌用屋根成形品を、C成分およびD成分を含有しない材料については130℃で1時間、C成分およびD成分を含有する材料については120℃で2時間クリーンオーブン中でアニール処理を行った。その後上記で調整された第1層用アクリル樹脂組成物(HC−1)を液だまりができないようディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分間静置後、C成分およびD成分を含有しない材料については130℃で1時間、C成分およびD成分を含有する材料については120℃で2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させ、4.0μmの膜厚の硬化膜を積層させた。次いで該成形品の被膜表面上に上記で調整された第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物(HC−2)をディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させ、4.0μmの膜厚の硬化膜を積層させた。
上記で製造された車輌用屋根成形品を、C成分およびD成分を含有しない材料については130℃で1時間、C成分およびD成分を含有する材料については120℃で2時間クリーンオーブン中でアニール処理を行った。その後上記で調整された第1層用アクリル樹脂組成物(HC−1)を液だまりができないようディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分間静置後、C成分およびD成分を含有しない材料については130℃で1時間、C成分およびD成分を含有する材料については120℃で2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させ、4.0μmの膜厚の硬化膜を積層させた。次いで該成形品の被膜表面上に上記で調整された第2層用オルガノシロキサン樹脂組成物(HC−2)をディップコート法によって両面塗布し、25℃で20分間静置後、120℃で2時間熱風循環オーブン中で熱硬化させ、4.0μmの膜厚の硬化膜を積層させた。
(iv)熱線カットフィルムのラミネート処理
一部の成形品については、PET系熱線カットフィルム(帝人(株)製:レフテルZS05G)のラミネートを成形品外側に行った(表中熱線フィルム欄において“有”と表示)。尚、ハードコート処理のあるものについては、ハードコート処理後にラミネートを行った。
なお、表1および表2記載の各成分を示す記号は、それぞれ下記のものを意味する。
一部の成形品については、PET系熱線カットフィルム(帝人(株)製:レフテルZS05G)のラミネートを成形品外側に行った(表中熱線フィルム欄において“有”と表示)。尚、ハードコート処理のあるものについては、ハードコート処理後にラミネートを行った。
なお、表1および表2記載の各成分を示す記号は、それぞれ下記のものを意味する。
(A成分:芳香族ポリカーボネート)
A−1:粘度平均分子量 23,900、塩素含有量40ppmのホスゲン法により製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:「パンライトl−1250WP」(商品名)、尚、臭素の含有は認められなかった)
A−1:粘度平均分子量 23,900、塩素含有量40ppmのホスゲン法により製造されたビスフェノールA型芳香族ポリカーボネート樹脂パウダー(帝人化成(株)製:「パンライトl−1250WP」(商品名)、尚、臭素の含有は認められなかった)
(B成分:高分子微粒子)
B−1:ビーズ状架橋アクリル粒子(積水化成品工業(株)製:「テクポリマーMBX−5」(商品名)、平均粒径:5μm)
B−2:ビーズ状架橋シリコーン粒子(東芝シリコーン(株)製:「トスパール120」(商品名)、平均粒径:2μm)
(B成分の比較用)
B−3:ガラスミルドファイバー(日東紡績(株)製:「PFE−301」(商品名)、繊維径9μm、平均繊維長40μm)
B−4:炭酸カルシウム粒子(シプロ化成(株)製:「シプロンA」(商品名)、重量平均粒子径10μm)
B−1:ビーズ状架橋アクリル粒子(積水化成品工業(株)製:「テクポリマーMBX−5」(商品名)、平均粒径:5μm)
B−2:ビーズ状架橋シリコーン粒子(東芝シリコーン(株)製:「トスパール120」(商品名)、平均粒径:2μm)
(B成分の比較用)
B−3:ガラスミルドファイバー(日東紡績(株)製:「PFE−301」(商品名)、繊維径9μm、平均繊維長40μm)
B−4:炭酸カルシウム粒子(シプロ化成(株)製:「シプロンA」(商品名)、重量平均粒子径10μm)
(C成分:層状珪酸塩)
C−1:合成雲母(トピー工業(株)製:「DMA−80E」(商品名))をオニウムイオンのクロライド(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド)でほぼ完全にイオン交換したもの約100重量部を精秤して、これを10000重量部のイオン交換水中でスターラーを用いての攪拌洗浄後再び濾別して得られたもの。乾燥後の塩素含有量は208ppmであった。かかる塩素含有量は該有機化層状珪酸塩約2gを精秤後、300mlビーカーに入れ、蒸留水200mlを加えた後、攪拌子を用いたスターラーにて、1000rpmで1時間攪拌し、該攪拌後抽出した懸濁液を蒸留水を用いて10倍希釈し、フィルター(ADVANTEC社製:「Dismic−13cp」孔径0.20μm及び日本ダイオネクス社製:「Dillex−IC」孔径0.22μm)を用いて濾過した後に、得られたろ液をイオンクロマトグラフ装置(ダイオネクス社製:「DX−100」)で測定しその塩素量を定量することにより算出したものである。尚、臭素について検出されなかった。
C−1:合成雲母(トピー工業(株)製:「DMA−80E」(商品名))をオニウムイオンのクロライド(ジデシルジメチルアンモニウムクロライド)でほぼ完全にイオン交換したもの約100重量部を精秤して、これを10000重量部のイオン交換水中でスターラーを用いての攪拌洗浄後再び濾別して得られたもの。乾燥後の塩素含有量は208ppmであった。かかる塩素含有量は該有機化層状珪酸塩約2gを精秤後、300mlビーカーに入れ、蒸留水200mlを加えた後、攪拌子を用いたスターラーにて、1000rpmで1時間攪拌し、該攪拌後抽出した懸濁液を蒸留水を用いて10倍希釈し、フィルター(ADVANTEC社製:「Dismic−13cp」孔径0.20μm及び日本ダイオネクス社製:「Dillex−IC」孔径0.22μm)を用いて濾過した後に、得られたろ液をイオンクロマトグラフ装置(ダイオネクス社製:「DX−100」)で測定しその塩素量を定量することにより算出したものである。尚、臭素について検出されなかった。
(D成分)
D−1:スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノヴァケミカルジャパン(株)製:「DYLARK 332−80」(商品名)、無水マレイン酸量約15重量%)
D−2:(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体((株)日本触媒製:「EPOCROS RAS−1005」(商品名)、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン量約5重量%)
D−1:スチレン−無水マレイン酸共重合体(ノヴァケミカルジャパン(株)製:「DYLARK 332−80」(商品名)、無水マレイン酸量約15重量%)
D−2:(2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)−スチレン−アクリロニトリル共重合体((株)日本触媒製:「EPOCROS RAS−1005」(商品名)、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン量約5重量%)
(C成分の比較用)
GF:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製:「ECS−03T−511」(商品名)、繊維径13μm、カット長3mm)
GF:ガラス繊維(日本電気硝子(株)製:「ECS−03T−511」(商品名)、繊維径13μm、カット長3mm)
(その他)
S100A:グリセリンと脂肪族カルボン酸からなるモノエステル(理研ビタミン(株)製:「リケマールS−100A」(商品名))
EW:ペンタエリスリトールと脂肪族カルボン酸からなるフルエステル(理研ビタミン(株)製:「リケスターEW−400」(商品名))
PSR:クマリン系蛍光増白剤(ハッコールケミカル(株)製:「ハッコールPSR」(商品名))
CEiP:2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(竹本油脂(株)製:「CEi−P」(商品名))
UVINUL:1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(BASF製:「Uvinul3030」(商品名))
T−1577:2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製:「Tinuvin1577」(商品名))
TiO2:二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークPC−3」(商品名))
S100A:グリセリンと脂肪族カルボン酸からなるモノエステル(理研ビタミン(株)製:「リケマールS−100A」(商品名))
EW:ペンタエリスリトールと脂肪族カルボン酸からなるフルエステル(理研ビタミン(株)製:「リケスターEW−400」(商品名))
PSR:クマリン系蛍光増白剤(ハッコールケミカル(株)製:「ハッコールPSR」(商品名))
CEiP:2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)(竹本油脂(株)製:「CEi−P」(商品名))
UVINUL:1,3−ビス[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]−2,2−ビス[[(2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリロイル)オキシ]メチル]プロパン(BASF製:「Uvinul3030」(商品名))
T−1577:2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]フェノール(チバスペシャルティーケミカルズ(株)製:「Tinuvin1577」(商品名))
TiO2:二酸化チタン(石原産業(株)製:「タイペークPC−3」(商品名))
表1および表2に示す結果から、本発明に係る樹脂組成物からなる屋根成形品は、良好な寸法精度、外観、および光の均一性を達成しており従来にない雰囲気の車輌室内を達成していることがわかる。殊にC成分およびD成分を含有するものでは更に低い寸法変化を満足し、より屋根成形品として好適であることがわかる。これらは剛性感においても優れており、より高い安心感が得られる。他の無機フィラーを光拡散剤として使用した場合には、良好な大型成形品を得ることが困難であることがわかる。またガラス繊維を強化剤として使用した場合には、寸法精度に劣り、また光の均一性においても劣る結果となった。
11 透明ルーフ成形品本体(本体部は厚み5mm、最大投影面積は約11,000cm2である)
12 ホットランナーノズル先端に対応する部分
13 成形品のゲート(該ゲートは厚み5mmの平板状である)
14 成形品ゲート側長さ(成形品の最大幅に相当し、1000mmである)
15 成形品流動末端側の長さ(900mm)
16 成形品本体の長さ(1240mm)
17 ゲート部を含む成形品全体の長さ(1350mm)
18 成形品の高さ(90mm)
19 取り付け用爪部
12 ホットランナーノズル先端に対応する部分
13 成形品のゲート(該ゲートは厚み5mmの平板状である)
14 成形品ゲート側長さ(成形品の最大幅に相当し、1000mmである)
15 成形品流動末端側の長さ(900mm)
16 成形品本体の長さ(1240mm)
17 ゲート部を含む成形品全体の長さ(1350mm)
18 成形品の高さ(90mm)
19 取り付け用爪部
Claims (11)
- 芳香族ポリカーボネート(A成分)100重量部、および平均粒径0.01〜50μmの高分子微粒子(B成分)0.1〜30重量部からなる光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物から形成された車輌用外装成形品。
- 前記車輌用外装成形品は、その最大投影面積が500〜50,000cm2であることを特徴とする請求項1に記載の車輌用外装成形品。
- 前記車輌用外装成形品は、射出プレス成形法により製造されたことを特徴とする請求項2に記載の車輌用外装成形品。
- 前記光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にA成分100重量部を基準として、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有する層状珪酸塩(C成分)0.1〜20重量部を含有してなる樹脂組成物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の車輌用外装成形品。
- 前記光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物は、更にA成分100重量部を基準として、芳香族ポリカーボネートとの親和性を有しかつ親水性成分を有する化合物(D成分)を含有してなる樹脂組成物である請求項4に記載の車輌用外装成形品。
- 前記C成分は、50〜200ミリ当量/100gの陽イオン交換容量を有し、かつその陽イオン交換基の少なくとも40%が有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の車輌用外装成形品。
- 前記D成分は、カルボキシル基および/またはその誘導体からなる官能基を有する芳香族ビニル重合体(D-1成分)であることを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の車輌用外装成形品。
- 前記D-1成分は、スチレン−無水マレイン酸共重合体であることを特徴とする請求項8に記載の車輌用外装成形品。
- 前記A成分〜D成分からなる樹脂組成物は、前記C成分と前記D成分とを予め溶融混練した後に、該溶融混練物と前記A成分およびB成分とを溶融混練して調製されたものであることを特徴とする請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の車輌用外装成形品。
- 前記車輌用外装成形品は、その表面にハードコート処理がなされるものであることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の車輌用外装成形品。
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-
2004
- 2004-04-14 JP JP2004118801A patent/JP2005298720A/ja active Pending
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