JP2005307268A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気機器の鉄心材料として要求される、磁束密度が特に高いばかりでなく鉄損も低い、これまでにない優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関する。【解決手段】 質量%で、Si:0.4%以下、Ni:2.5〜4.5%、Mn:0.5%以下、P:0.01〜0.2%、残部Feおよび不可避不純物を含有するスラブを熱延した後、酸洗し、3〜15%の軽圧下圧延を施し、この加工された熱延板に740℃からAc1 点までの温度で10秒以上5分以下の間熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。また、前記熱延板焼鈍、仕上げ焼鈍の雰囲気を、水素20%以上とし、露点10℃以下とすることを特徴とする。
【選択図】 なし
【選択図】 なし
Description
本発明は、電気機器の鉄心材料として用いられる、鉄損が低いのみならず磁束密度が高い、これまでにない優れた磁気特性を有する無方向性電磁鋼板の製造方法に関するものである。
近年、電気機器、特に無方向性電磁鋼板がその鉄心材料として使用される回転機および中・小型変圧器等の分野においては、世界的な電力、エネルギー節減、さらにはフロンガス規制等の地球環境保全の動きの中で、高効率化の動きが急速に広まりつつある。このため、無方向性電磁鋼板に対してもその特性向上、すなわち高磁束密度かつ低鉄損化への要請がますます強まってきている。
無方向性電磁鋼板の低鉄損化は、主としてSi,Al添加による電気抵抗率の増加により、使用時に鉄心を形成する各々の鋼板に流れる渦電流損によるジュール熱損失を低減することにより行われてきた。
一方、回転機、および鉄心を含む機器全体のエネルギー損失としては、鉄心に巻くコイルを電流が流れることにより生ずるジュール熱損失である銅損の寄与も無視できない。
この銅損の低減のためには、同じ磁界強度に励磁するのに必要な電流密度を減少してやることが有効であり、同一の励磁電流でより高い磁束密度を発現する素材の開発が欠かせない。すなわち、超高磁束密度無方向性電磁鋼板の開発が必須である。
一方、回転機、および鉄心を含む機器全体のエネルギー損失としては、鉄心に巻くコイルを電流が流れることにより生ずるジュール熱損失である銅損の寄与も無視できない。
この銅損の低減のためには、同じ磁界強度に励磁するのに必要な電流密度を減少してやることが有効であり、同一の励磁電流でより高い磁束密度を発現する素材の開発が欠かせない。すなわち、超高磁束密度無方向性電磁鋼板の開発が必須である。
以上のように、低鉄損超高磁束密度無方向性電磁鋼板が実現することにより、回転機、鉄心ともに小型化が可能となり、これらを積載した自動車、電車のような移動体においては、系全体の重量が軽減されることにより稼働時のエネルギー損失を低減できる。
また、回転機においてはトルクが増大し、より小型で高出力の回転機が実現する。
このように、低鉄損超高磁束密度無方向性電磁鋼板が実現することにより、鉄心及び回転機の動作時のエネルギー損失を低減できるのみならず、それを含めた装置全体の系への波及効果も計り知れないものがある。
また、回転機においてはトルクが増大し、より小型で高出力の回転機が実現する。
このように、低鉄損超高磁束密度無方向性電磁鋼板が実現することにより、鉄心及び回転機の動作時のエネルギー損失を低減できるのみならず、それを含めた装置全体の系への波及効果も計り知れないものがある。
従来の高磁束密度無方向性電磁鋼板製造法において概観すると、特許文献1には熱延終了温度を1000℃以上とすることにより、熱延結晶組織の粗大化を図り熱延板焼鈍を省略するとともに、冷延前結晶組織を粗大化する方法が開示されている。しかしながら実際の仕上熱延機においては、噛み込み時の圧延速度と定常圧延状態の圧延速度が異なることから、コイル長手方向の温度分布を解消することが困難であり、コイル長手方向で磁気特性が変動するという不利益があった。
特許文献2には、C<0.01%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.1〜1.5%、Al:0.1〜1.0%、P:0.005〜0.016%、S<0.005%を含有する鋼からなる熱延板を酸洗後、5〜20%の軽圧下の圧下率で冷間圧延し、これを850〜1000℃で0.5〜10分、あるいは750〜850℃で1〜10時間軽圧下を施した熱延板の焼鈍を行い、次いで最終冷延後焼鈍する技術が開示されている。この方法においては、従来の熱延板焼鈍法に比べて磁束密度の向上が十分でなく、昨今の需要家の無方向性電磁鋼板磁気特性向上に対する要請には応えうるものではなかった。
またさらに、一次再結晶集合組織を改善することで無方向性電磁鋼板の磁気特性を改善する方法として、特許文献3のごとくSn添加、特許文献4のごとくSn,Cu添加、もしくは特許文献5のごとくSb添加による集合組織の改善による磁気特性の優れた無方向性電磁鋼板の製造法が開示されている。しかしながら、これらの集合組織制御元素であるSn,CuもしくはSb等の添加をもってしても、昨今の需要家の超高磁束密度低鉄損無方向性電磁鋼板の要求には応えることが出来なかった。
他にも、特許文献6に記載されているような、仕上げ焼鈍サイクルの工夫等の製造プロセス上の処置もなされてきたが、いずれも低鉄損化は図られても、磁束密度についてはそれほどの効果はなかった。
Ni添加により高磁束密度を達成する技術としては下記の4件がある。
特許文献7には、Niに加えてSn,Sb,Cu等の元素を添加した高磁束密度低鉄損を達成する方法が開示されている。しかしながら実際の製造においては、鋳造時に急冷凝固時の冷却速度を制御するか、あるいは一旦冷却後改めてAc3 変態点以上に加熱するなどして、Ar3 点からAr1 点までの2相域の冷却速度を制御する必要があり、製造コストの上昇を招く点で問題がある。
特許文献7には、Niに加えてSn,Sb,Cu等の元素を添加した高磁束密度低鉄損を達成する方法が開示されている。しかしながら実際の製造においては、鋳造時に急冷凝固時の冷却速度を制御するか、あるいは一旦冷却後改めてAc3 変態点以上に加熱するなどして、Ar3 点からAr1 点までの2相域の冷却速度を制御する必要があり、製造コストの上昇を招く点で問題がある。
特許文献8には、Niを添加する事による高磁束密度低異方性材が開示されているが、実際の製造においてはAc3 点以上に加熱して仕上焼鈍することが必要であり、Ni添加鋼の内部酸化により鉄損が悪化しやすいという問題点があった。
特許文献9には、Ni添加により高磁束密度低異方性材料およびその製造法が開示されているが、実際の製造法においては熱延板焼鈍あるいは自己焼鈍を必須とし、これらの焼鈍中にNiの内部酸化がおこり鉄損が悪化しやすいという問題点は改善されなかった。
特許文献9には、Ni添加により高磁束密度低異方性材料およびその製造法が開示されているが、実際の製造法においては熱延板焼鈍あるいは自己焼鈍を必須とし、これらの焼鈍中にNiの内部酸化がおこり鉄損が悪化しやすいという問題点は改善されなかった。
発明者らは特許文献10において、超高磁束密度無方向性電磁鋼板及びその製造法を開示したが、需要家では同時に鉄損の低減をも求められており、いまだ開発課題が存在していた。
特公昭62− 61644号公報
特公平 8− 32927号公報
特開昭55−158252号公報
特開昭62−180014号公報
特開昭59−100217号公報
特開昭57− 35626号公報
特開平 6−271996号公報
特開平 8−246108号公報
特開平 8−109449号公報
特開2002−294415号公報
本発明は、従来技術におけるこのような問題点を解決し、超高磁束密度かつ低鉄損の無方向性電磁鋼板を提供することを目的とするものである。
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 質量%で、
Si:0.4%以下、 Ni:2.5〜4.5%、
Mn:0.5%以下、 P :0.01〜0.2%、
残部Feおよび不可避不純物を含有するスラブを熱延した後、酸洗し、3〜15%の軽圧下圧延を施し、この加工された熱延板に740℃からAc1 点までの温度で10秒以上5分以下の間熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(2) 前記熱延板焼鈍、仕上げ焼鈍の雰囲気を、水素20%以上とし、露点10℃以下とすることを特徴とする前記(1)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
(1) 質量%で、
Si:0.4%以下、 Ni:2.5〜4.5%、
Mn:0.5%以下、 P :0.01〜0.2%、
残部Feおよび不可避不純物を含有するスラブを熱延した後、酸洗し、3〜15%の軽圧下圧延を施し、この加工された熱延板に740℃からAc1 点までの温度で10秒以上5分以下の間熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。
(2) 前記熱延板焼鈍、仕上げ焼鈍の雰囲気を、水素20%以上とし、露点10℃以下とすることを特徴とする前記(1)記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
この発明により、従来の無方向性電磁鋼板よりも磁束密度が高いばかりでなく、鉄損も低い優れた磁性の無方向性電磁鋼板の製造が出来、電機鉄心として使用される産業分野においては省エネルギーになるなど、著しく良好な効果をもたらすものである。
発明者らは前記特許文献10に鑑み技術開発を行い、熱延板焼鈍も前スキンパスを施す2回法の技術を検討した。その結果、適正な温度管理のもとで熱延板焼鈍を行うことにより、成品の結晶が著しく粗大化し、同時に磁束密度も高い値が得られることを見いだし、本発明の完成に至った。
まず、成分について以下に説明する。
Siは、本発明においては製品の磁束密度を低減させ有害であるから、その含有量を0.4%以下に制限する。
Siは、本発明においては製品の磁束密度を低減させ有害であるから、その含有量を0.4%以下に制限する。
Ni含有量が2.5%未満では、本発明が目的とする超高磁束密度、即ちB50の値が1.80T以上を達成することができず、また4.5%超ではB50の値が低下していく傾向があるため、Ni含有量は2.5〜4.5%に規定した。
Mnは、本発明においては製品の磁束密度を低減させ有害であるから、その含有量を0.5%以下に制限する。
Alは、本発明においては製品の磁束密度を低減させ有害であるため、不可避不純物レベルとする。
Pは、本発明におけるB50の値が1.80T以上の超高磁束密度、かつL方向試料のみで測定した磁束密度B50Lの測定値とC方向試料のみで測定した磁束密度B50Cの測定値との差、すなわち磁束密度B50のLC差が0.035T以下であることを同時に達成するために、0.01%以上0.2%以下の範囲で添加する。P含有量が0.01%未満では磁束密度B50のLC差が0.035T以下とならないので、0.01%以上に規定する。またP含有量が0.2%超では磁束密度が低下するので、0.2%以下に規定する。
C含有量が0.0030%を超えると、磁気時効が発生し使用中の鉄損が悪化するため、0.0030%以下とすることが望ましい。
本発明ではS,Nの低減により超高磁束密度と低鉄損との両立が可能となる。
S,Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS,AlNの微細な析出物を再析出して仕上げ焼鈍時の結晶粒成長を抑制し、鉄損が悪化する原因となる。このためその含有量は共に0.0030%以下とすることが望ましい。
S,Nは熱間圧延工程におけるスラブ加熱中に一部再固溶し、熱間圧延中にMnS,AlNの微細な析出物を再析出して仕上げ焼鈍時の結晶粒成長を抑制し、鉄損が悪化する原因となる。このためその含有量は共に0.0030%以下とすることが望ましい。
Tiは、窒化物、硫化物を形成し製品の鉄損を悪化させるので、その含有量をS,Nと合わせて0.004%以下にすることが望ましい。
次にプロセス条件について説明する。
前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブに熱間圧延を施し所定の厚みとする。
前記成分からなる鋼スラブは、転炉で溶製され連続鋳造あるいは造塊−分塊圧延により製造される。鋼スラブは公知の方法にて加熱される。このスラブに熱間圧延を施し所定の厚みとする。
本発明では熱延板焼鈍の前に、所定の圧下率で軽圧下圧延を行うことが肝要である。その圧下率は3%から15%とする。3%未満ではその効果が不十分であり、15%超であると、その後の焼鈍中に再結晶が生じて成品の特性が著しく悪化するので、15%以下とする。その後、所定の温度で熱延板焼鈍を施す。焼鈍温度は740℃以上Ac1 点以下とする。740℃未満では磁束密度に対する効果が十分でなく、Ac1 点超であると細粒を招き鉄損が悪化するので、Ac1 点以下とする。酸洗を施して冷間圧延を施す。
かような処理を施すことで、本発明の成分の無方向性電磁鋼板では高磁束密度低鉄損の達成が可能となる。
かような処理を施すことで、本発明の成分の無方向性電磁鋼板では高磁束密度低鉄損の達成が可能となる。
熱延板焼鈍の際、α域の焼鈍雰囲気の水素含有量を20%以上にすることが望ましい。これは、水素含有量が20%を下回ると、高温の焼鈍でのNiの内部酸化が発生し、磁気特性が著しく悪化するためである。同様の理由で、露点が10℃超になるとNiの内部酸化が発生するので、露点も10℃以下にすることが望ましい。
次に、本発明の実施例について述べる。
表1に示した成分を有する無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延により2.7mmに仕上げた。続いて酸洗を施し、5%のスキンパスを施し、740℃で10時間、水素100%、DP;−30℃の雰囲気で熱延板焼鈍を行った。その後冷間圧延により0.50mm厚みに仕上げ、740℃30秒の仕上げ焼鈍を施し、これをエプスタイン試料に切断した。表1に本発明と比較例の成分を、表2に磁気測定結果を示す。
このようにNiを適量添加し、適切なプロセス条件を処理することにより、磁束密度B50の値が高く、鉄損の値が低い無方向性電磁鋼板を製造することが可能である。
表1に示した成分を有する無方向性電磁鋼用スラブを通常の方法にて加熱し、熱延により2.7mmに仕上げた。続いて酸洗を施し、5%のスキンパスを施し、740℃で10時間、水素100%、DP;−30℃の雰囲気で熱延板焼鈍を行った。その後冷間圧延により0.50mm厚みに仕上げ、740℃30秒の仕上げ焼鈍を施し、これをエプスタイン試料に切断した。表1に本発明と比較例の成分を、表2に磁気測定結果を示す。
このようにNiを適量添加し、適切なプロセス条件を処理することにより、磁束密度B50の値が高く、鉄損の値が低い無方向性電磁鋼板を製造することが可能である。
Claims (2)
- 質量%で、
Si:0.4%以下、
Ni:2.5〜4.5%、
Mn:0.5%以下、
P :0.01〜0.2%、
残部Feおよび不可避不純物を含有するスラブを熱延した後、酸洗し、3〜15%の軽圧下圧延を施し、この加工された熱延板に740℃からAc1 点までの温度で10秒以上5分以下の間熱延板焼鈍を施し、次いで冷間圧延を施し、仕上げ焼鈍を施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方法。 - 前記熱延板焼鈍、仕上げ焼鈍の雰囲気を、水素20%以上とし、露点10℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
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| JP2004125364A JP2005307268A (ja) | 2004-04-21 | 2004-04-21 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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| JP2004125364A JP2005307268A (ja) | 2004-04-21 | 2004-04-21 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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| JP2005307268A true JP2005307268A (ja) | 2005-11-04 |
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