JP2005321027A - ころ軸受用保持器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油供給用の凹部6cを削り出し加工によらずに形成して製造コストの低減を可能とする。
【解決手段】柱部6の外径面に潤滑油供給用の凹部6cを備えた外径案内方式のころ軸受用保持器1の製造方法であって、保持器素材16のポケット部形成領域16aを、内径側のパンチ12と外径側のダイス14とで打ち抜いて穴あけ加工してポケット部10を形成し、この穴あけ加工に際して同時に、保持器素材16の柱部形成領域16b,16bをパンチ12とダイス14の両対向面の圧迫により塑性変形させて上記凹部6cを塑性加工する。
【選択図】図3

Description

本発明は、針状ころ軸受等のころ軸受において、針状ころが組み込まれる保持器およびその製造方法に関する。
従来より、保持器付きころ軸受は、各種機械の回転部分や、自動車のエンジン部分に使用される回転性能に優れた軸受である。このようなころ軸受が備える従来の保持器を、図5を参照して説明すると、この保持器100は、軸方向に間隔をあけて対向する2つの円環状リブ部102を備える。両リブ部102は、円周方向に所定間隔をあけて列設した複数の柱部104により一体的に連結される。両リブ部102と互いに隣接する柱部104とによりころ収納用のポケット部106が画定される。柱部104の円周方向の外径縁と内径縁に、ポケット部106に向けて突出するころ止め爪108が形成されている。柱部104の外径面には、ころ止め爪108の軸方向両側面に潤滑油供給用の凹部110が形成されている。上記凹部110は、削り出し加工により形成され、また、ポケット部106は穴あけ加工により形成される。このポケット部106は、ころ112を保持する(特許文献1参照。)。上記削り出し加工は、保持器製造に時間をかからせ、また、製造コストを高くつかせる要因となる。
特開2000−352423号公報
本発明により解決すべき課題は、上記潤滑油供給用の凹部を削り出し加工によらずに形成して製造コストの低減を可能とすることである。
本発明によるころ軸受用保持器は、ポケット部を画定する柱部の外径面に潤滑油供給用の凹部を備えた外径案内方式のころ軸受用保持器であって、上記凹部は、上記ポケット部を形成するに際し、半径方向からの押圧加工により塑性変形を受けて形成されたものであることを特徴とする。このころ軸受用保持器によれば、上記凹部が、上記ポケット部の穴あけ加工に際して、塑性変形を受けて形成されたものであるから、従来のごとく、ポケット部の加工後、削り出しで形成する必要が無い構造となり、削り出し工程の削減が可能となり、製造コストの低減が容易な保持器となる。
本発明によるころ軸受用保持器の製造方法は、ポケット部を画定する柱部の外径面に潤滑油供給用の凹部を備えた外径案内方式のころ軸受用保持器の製造方法であって、保持器素材のポケット部形成領域に穴あけ加工を施して上記ポケット部を形成するに際し、上記保持器素材の柱部形成領域を半径方向から押圧加工して塑性変形させて上記凹部を形成することを特徴とするものである。
このころ軸受用保持器の製造方法によれば、上記凹部を、上記ポケット部の形成に際して塑性変形を受けて形成するから、従来のごとく、ポケット部の形成後で、削り出しで形成する必要が無い構造となり、削り出し加工工程の削減が可能となり、製造コストの低減が容易な製造方法となる。
上記ころ軸受用保持器の製造方法は、好ましくは、保持器素材の外径側と内径側のそれぞれに、ダイス穴を中心としその円周方向両側に凸状にふくらんだ押圧加工面を備えたダイスと、突出刃部を中心としその円周方向両側に凹状にへこんだ押圧加工面を備えたパンチとを配置し、上記保持器素材のポケット部形成領域に上記ダイスとパンチとで穴あけ加工を施してポケット部を形成すると同時に上記ダイスとパンチの両押圧加工面により上記柱部形成領域を半径方向両側から押圧して塑性変形させて上記凹部を形成する。このころ軸受用保持器の製造方法によれば、パンチとダイスで保持器素材のポケット部形成領域にポケット部を形成する穴あけ加工と同時に、潤滑油供給用の凹部を形成することができるので、削り出し加工の削減が可能で、製造コストの低減が可能となる。特に、パンチとダイスをそのまま、潤滑油供給用の凹部の形成加工に用いるので、設備コスト、器材コスト等を大幅に節約ないし低減することができ、より製造コストの低減が可能である。
本発明によれば、柱部の外径面に対する潤滑油供給用の凹部を、削り出し加工によらず、ポケット部の形成に際して行われる塑性加工により形成するので、削り出し加工の削減が可能となり、製造コストの低減が可能となる。
以下、本発明の最良の形態に係るころ軸受用保持器を、添付図面を参照して詳細に説明する。本発明は、ころ軸受として針状ころ軸受に適用している。図1は、針状ころ軸受用保持器(以下、単に、保持器という)の一部縦断面図、図2はそのA−A線拡大断面図、図3は、本発明の保持器の製造方法において、パンチとダイスと保持器素材の斜視図、図4は、ポケット部の形成に際して凹部の形成過程を同時に時系列で示す図である。
この保持器2は、鋼材等からなるもので外径案内方式のものである。保持器2は、軸方向に間隔をあけて対向する2つの円環状のリブ部4を、円周方向に所定間隔をあけて列設した複数の柱部6により一体的に連結し、上記両リブ部4と互いに隣接する柱部6とにより、軸受鋼等からなるころ8を収納するポケット部10を画定して構成されている。
柱部6は、保持器2の軸方向で見て中央に位置して径方向内側に向けて緩い円弧状をなす柱中央部領域6aと、柱中央部領域6aの軸方向両側に位置して軸方向両端に向かってストレートに延びてリブ部4に一体に繋がる柱端部領域6b,6bとからなる。柱中央部領域6aの外径面は、径方向内向きにへこんだ凹部6cをなし、内径面は、径方向内向きに突出した凸部6dをなしている。柱端部領域6b,6bの径方向内外縁部には、ポケット部10に向けて突出するころ止め爪6eが形成されている。
以上の構成を備えた保持器2は、薄肉金属板をプレス加工により円筒状に成形した素材または薄肉パイプ素材等の保持器素材の内径側にダイスを配置し、外径側にパンチを配置し、パンチで、保持器素材のポケット部形成領域に穴あけ加工を施してポケット部を形成するとともに、このポケット部の穴あけ加工に際して、同時に保持器素材の外径面を半径方向から押圧加工して当該外径面をその押圧方向にへこませて上記凹部を塑性変形により形成したものである。
以下、図3および図4を参照して、本発明の保持器2の製造方法を説明する。
図3に、パンチ12とダイス14と保持器素材16の一部分との外観斜視図を示す。保持器素材16は、図解の都合で、その円周方向の一部で示す。
パンチ12は、保持器素材16の内径側に配置されるもので、その配置状態で保持器素材16に面する側の面にポケット部10の断面形状に対応した断面形状に突出する刃部12aを有するとともに、上記配置状態で保持器素材16から見てその刃部12aを中心としその円周方向両側に軸方向に沿って凹曲面状にへこんだ押圧加工面12b,12bを備えている。この押圧加工面12b,12bは、柱部6の柱中央部領域6aを加工する面となる。
ダイス14は、保持器素材16の外径側に配置されるもので、その配置状態で保持器素材16に面する側の面にポケット部10の断面形状に対応してパンチ12の刃部12aが挿通可能な所要深さのダイス穴14aを有するとともに、上記配置状態で保持器素材16から見て上記ダイス穴14aを中心としその円周方向両側に上記凹曲面形状に対応して軸方向に沿って凸曲面状にふくらんで突出した押圧加工面14b,14bを備えている。この押圧加工面14b,14bは、柱部6の柱中央部領域6aを加工する面となる。
保持器素材16は、図3で理解の都合で領域を区画する仮想線で示すように、円周方向にポケット部形成領域16aと柱部形成領域16bとを交互に備えるとともに、軸方向両側端部に円周方向に沿ってリブ部形成領域16c,16cを備えている。
以上の構成によって、パンチ12とダイス14は、保持器素材16のポケット部形成領域16aに対する穴あけ加工具として機能するとともに、保持器素材16におけるポケット部形成領域16aの円周方向両側にある柱部形成領域16bそれぞれを半径方向両側から挟んで押圧する押圧加工面12b,12b;14b,14bを備えた押圧加工具ともなる。この押圧加工具としては、パンチ12とダイス14には、保持器素材16のポケット部形成領域16aの穴あけ加工具だけの器具構成とし、パンチ12とダイス14それぞれの円周方向両側にこれらと別部材の押圧加工具を一体化したものを押圧加工具とすることもできる。
図4(a)で示すように、保持器素材16の外径側にダイス14をそのダイス穴14aを保持器素材16に向けて設置し、保持器素材16の内径側にパンチ12をその突出刃部12aを保持器素材16に向けて配置するとともに、パンチ12の突出刃部12aをダイス14のダイス穴14aに位置合わせしてから、図4(b)で示すように、当該パンチ12を保持器素材16のポケット部形成領域16aに向けて押し込む。なお、図示はしないが、パンチ12は、例えば、上ダイセットに固定され下方に向けて移動可能であり、ダイス14は、下ダイセットに固定され、パンチ12とダイス14との間に保持器素材16が配置されている。上記パンチ12の押し込みにより、保持器素材16のポケット部形成領域16aが穴あけされ、当該ポケット部形成領域16aにポケット部10が形成される。そして、上記穴あけ加工と同時に、上記保持器素材16の柱部形成領域16bは、パンチ12とダイス14との両押圧加工面12b,14bに挟まれて当該両押圧加工面12b,14bにより半径方向両側から押圧圧迫を受けて塑性変形し、保持器素材16の柱部形成領域16bに上記凹部6cを塑性加工する。そして、パンチ12とダイス14とから保持器素材16を外すと、図4(c)で示すような保持器2が得られる。ころ止め爪6eは、後の工程でも形成することができる。
上記において、パンチ12を保持器素材16の外径側に、ダイス14を保持器素材16の内径側に配置する場合は、パンチ12については、刃部12aを中心としその円周方向両側に軸方向に沿って凸曲面状にふくらんだ押圧加工面12b,12bとし、ダイス14については、ダイス穴14aを中心としその円周方向両側に上記凹曲面状にへこんだ押圧加工面14b,14bとするとよい。
本発明は、円筒状の保持器素材から保持器を製造する場合に限定されず、帯状基材を円環状となし、その両端部を溶接する溶接タイプの保持器にも同様に適用することができる。この場合、上記したパンチとダイスとを用いて上記溶接前の帯状基材にポケット部を形成するときに、同時に、上記凹部を形成してもよいし、上記溶接後で円環状となした帯状基材にポケット部を形成するときに、同時に、上記凹部を形成してもよい。
なお、溶接保持器の場合、平坦な帯状基材の段階で、パンチとダイスとでポケット部を1つずつ形成してもよいし、複数の突出刃部を備えたパンチと、これに対応して複数のダイス穴を有するダイスによりポケット部を同時に複数形成してもよい。それぞれ突出刃部の大きさが順次に異なる複数のパンチとそれぞれのパンチに対応したダイス穴を有する複数のダイスとを用い、最小の突出刃部を備えるパンチとこれに対応するダイスとで小さいポケット部を形成し、次にそれよりも大きい突出刃部のパンチとこれに対応するダイスとで中程度の大きさのポケット部を形成し、最後にポケット部に対応した大きさの突出刃部を有するパンチとこれに対応するダイスとでポケット部を形成してもよい。このとき、保持器素材の外径面に凹部を形成するための押圧加工面をパンチとダイスそれぞれに設ける。
本発明の最良の形態に係る保持器の一部縦断面図 図1のA−A線拡大断面図 本発明の保持器の製造に用いるパンチとダイス等の斜視図 ポケット部の形成時に凹部の形成過程を時系列で示す図 従来の保持器の一部縦断面図
符号の説明
2…ころ軸受用保持器
4…リブ部
6…柱部
8…ころ
10…ポケット部
12…パンチ
14…ダイス
16…保持器素材

Claims (3)

  1. ポケット部を画定する柱部の外径面に潤滑油供給用の凹部を備えた外径案内方式のころ軸受用保持器であって、上記凹部は、上記ポケット部を形成するに際し、半径方向からの押圧加工により塑性変形を受けて形成されたものである、ことを特徴とするころ軸受用保持器。
  2. ポケット部を画定する柱部の外径面に潤滑油供給用の凹部を備えた外径案内方式のころ軸受用保持器の製造方法であって、保持器素材のポケット部形成領域に穴あけ加工を施して上記ポケット部を形成するに際し、上記保持器素材の柱部形成領域を半径方向から押圧加工して塑性変形させて上記凹部を形成する、ことを特徴とするころ軸受用保持器の製造方法。
  3. 保持器素材の外径側と内径側のそれぞれに、ダイス穴を中心としその円周方向両側に凸状にふくらんだ押圧加工面を備えたダイスと、突出刃部を中心としその円周方向両側に凹状にへこんだ押圧加工面を備えたパンチとを配置し、上記保持器素材のポケット部形成領域に上記ダイスとパンチとで穴あけ加工を施してポケット部を形成すると同時に上記ダイスとパンチの両押圧加工面により上記柱部形成領域を半径方向両側から押圧して塑性変形させて上記凹部を形成する、ことを特徴とする請求項2に記載のころ軸受用保持器の製造方法。
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