JP2005337401A - フッ素樹脂包みガスケット - Google Patents

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聡 秋山
Hajime Nonogaki
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Abstract

【解決手段】 フッ素樹脂外被の環状溝内に、単層または複数の環状部材を積層してなる環状中芯体が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記環状中芯体を構成する少なくとも1層の環状部材(a)が、膨張黒鉛シートよりなることを特徴とし、フッ素樹脂外被と環状部材(a)相互の滑り防止のために、環状部材(a)の表裏面にそれぞれ、少なくとも1層ずつ他の環状部材(b)が積層または塗布されていることが好ましい。
【効果】使用可能な温度範囲が広く、使用時の締め付け力も過大なものを必要とせず、取扱い性に優れ、長寿命なフッ素樹脂包みガスケットが提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ素樹脂包みガスケットに関し、さらに詳しくは、使用可能な温度範囲が広く、使用時の締め付け力も過大なものを必要とせず、取扱い性に優れ、長寿命なフッ素樹脂包みガスケットに関する。
フッ素樹脂包みガスケットは、従来、耐食性に優れたフッ素樹脂外被と、当該外被にて被覆される、弾性と柔軟性に優れたジョイントシートからなる中芯(中芯体)とから構成されており、耐食性、弾力性に優れる傾向がある。
フッ素樹脂包みガスケット、特に中芯にノンアスジョイントシートを用いたフッ素樹脂包みガスケットは、耐熱性が十分でなく、高温下で長時間使用すると、ノンアスジョイントシートが硬化し、シール性が低下するため、高温下での使用には適しないという問題点がある。
これに対して、本願出願人が先に提案した特開2000−104832号公報(特許文
献1)に記載のフッ素樹脂包みガスケットは、フッ素樹脂外被の環状溝内に、単層または
複数の環状部材を積層してなる環状中芯体が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記環状中芯体を構成する少なくとも1層の環状部材が、有機繊維、無機繊維、無機粉体およびバインダーを含んでおり、常温での圧壊特性と高温下での気密特性に優れている。
しかしながら、このフッ素樹脂包みガスケットであっても、耐食性、耐薬品性が要求される腐食性の強い薬液流体用のガスケットとして用いる場合や、汚染を嫌う食品産業用または純水用ガスケットであって200℃を超える領域で使用されるガスケットとして用いるには、環状中芯体用のバインダーとして、比較的低温で溶融・分解等が生ずる天然ゴム、NBRなどのゴム系バインダー、アクリル樹脂などの樹脂系バインダーが使用されているため耐熱性の点で十分でなく、替わりにフィラーとしてPTFEが用いられている渦巻き形ガスケットが使用されていた。
しかし、この渦巻き形ガスケットは、フッ素樹脂包みガスケットに比して、コスト高であり、また、過大な締め付け力が必要であり、取扱い性に劣るという問題点がある。
また、実開昭60−154664号公報(特許文献2)に記載の黒鉛シートガスケットには、黒鉛シートの表面に、含浸等によりフッ素樹脂製の被膜を形成することにより、黒鉛シート表面層の剥離を防止した黒鉛シートガスケットが開示されている。
またこの被膜厚は、5〜20μmであり、被膜の形成は、黒鉛シートへの被膜用部材の吹付け、塗布あるいは被膜用部材(溶液)への黒鉛シートのディッピング(浸漬)等により行われることなども記載されている。
しかしながら、この特許文献2に記載の黒鉛シートガスケットは、装着時や使用時に黒鉛屑が出るなどの問題点があり、基本的な品質、性能の点で耐食性や耐薬品性が求められる箇所で使用されるものではなく、また汚染を嫌う食品産業用または純水用ガスケットとして用いるには、不純物としての黒鉛屑の食品等への混入を招き適当でない。
特開2000−104832号公報 実開昭60−154664号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、使用可能な温度範囲が広く、使用時の締め付け力も過大なものを必要とせず、取扱い性に優れ、長寿命を有するフッ素樹脂包みガスケットを提供することを目的としている。
本発明に係る第1のフッ素樹脂包みガスケットは、フッ素樹脂外皮の環状溝内に、単層または複数の環状部材を積層してなる環状中芯体が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記環状中芯体を構成する少なくとも1層の環状部材(a)が膨張黒鉛シートからなることを特徴としている。
本発明の好ましい態様においては、前記環状中芯体は、前記膨張黒鉛シートよりなる環状部材(a)の表裏面に、それぞれ、少なくとも1層ずつ他の環状部材(b)がさらに、積層または塗布されてなることが望ましい。
本発明においては、特に、上記「他の環状部材」(b)が、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含むフェルトシートよりなることが好ましい。
本発明においては、上記「他の環状部材」(b)が、さらに無機粉体を含むフェルトシートよりなることが好ましい。
本発明に係る第2のフッ素樹脂包みガスケットでは、上記環状部材(a)が、2層からなり、これら環状部材(a)と環状部材(a)との間には、金属板(箔)が介挿されていることが好ましい。
本発明に係る第1のフッ素樹脂包みガスケットによれば、使用可能な温度範囲が広く、使用時の締め付け力も過大なものを必要とせず、取扱い性に優れ、長寿命を有するフッ素樹脂包みガスケットを提供することができる。
特に、環状部材(a)と環状部材(a)と間にSUS板等の金属板が介挿されている第2のフッ素樹脂包みガスケットでは、第1のフッ素樹脂包みガスケットに比して可搬性や形状保持性がより高くなり、しかも、第1のフッ素樹脂包みガスケットと同様に、優れたシール性を発揮できる。
以下、本発明に係るフッ素樹脂包みガスケットについて、添付図面を参照しつつ、具体的に説明する。
なお、以下の説明において、同一部材には同一の符号を付している。
[フッ素樹脂包みガスケット]
図1は、本発明の一実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケット10の要部断面を含む部分斜視図である。図2は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケット20の要部断面を含む部分斜視図である。
<図1>
図1に示す第1のフッ素樹脂包みガスケット10は、環状中芯体14と、この環状中芯体14が装着されるフッ素樹脂外被12とを有している。そしてこのフッ素樹脂包みガスケット10では、フッ素樹脂外被12の環状溝19内に、複数、特に3層の環状部材18a,16,18bを順次積層してなる構造の上記環状中芯体14が嵌入されている。換言すれば、このフッ素樹脂包みガスケット10では、環状中芯体14は、前記膨張黒鉛シー
トよりなる環状部材16の表裏面に、それぞれ、1層ずつ他の環状部材18a、18bが積層または塗布されて形成されており、3層の環状部材18a,16,18bは、粘・接着、咬合等により互いに接合されている。
フッ素樹脂外被12は、ガスケットの耐薬品性を担い、環状中芯体14のうちの膨張黒鉛シートよりなる環状部材16は、ガスケットとしての弾性や強度を担い、「他の環状部材」(b)18a、18bは、フッ素樹脂外被12と、膨張黒鉛シートよりなる環状部材16との間にあって、これら相互の滑りを防止し、環状部材16などの圧壊を防ぐ働きを有している。
このフッ素樹脂包みガスケット10の寸法は、特に制限されないが、例えば、外径が40〜1800mm程度、内径が10〜1500mm程度、外径と内径の差(外径−内径)=10〜1500mm程度、厚みは20〜60mm程度である。
この環状部材(a)16の厚みは、0.5〜5.0mm程度であることが得られるフッ素樹脂包みガスケットの取扱性、可搬性の点で好ましい。また、2層の「他の環状部材」(b)18a、18bの厚みは、それぞれ0.3〜2.0mm厚程度が好ましい。
<フッ素樹脂外被>
まずフッ素樹脂外被12は、主としてガスケットの耐薬品性向上に寄与し、変性ポリテトラフルオロエチレン(特公平3−39105号公報参照)、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)
、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン-六フッ化プロピレン-パーフロロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、四フッ化エ
チレン-エチレン共重合樹脂(ETEE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)などのフ
ッ素樹脂で構成されている。これらのフッ素樹脂のうちでは、得られるフッ素樹脂包みガスケットの耐熱性、耐薬品性等の点でPTFE、PFAなどが好ましい。
これらのフッ素樹脂は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
<環状中芯体>
また、環状中芯体14は、主としてガスケットの弾性や強度向上を受け持ち、上述したように複数の環状シート(環状部材(a)及び他の環状部材(b))18a,16,18bを積層した構成とされている。この環状中芯体14を構成する環状部材18a,16,18bのうちで、上記2枚の「他の環状部材」(b)18a,18b間にサンドウイッチされるように介挿される環状部材16は、上記したように膨張黒鉛シートよりなる。
<環状部材(a)>
なお、膨張黒鉛シートとしては、特に限定されず、膨張黒鉛や黒鉛をロール等で圧延して作られた、膨張黒鉛シートや黒鉛シートが使用可能であり、さらには、黒鉛や膨張黒鉛を基材とし、これらに例えばゴムを配合したシートや特願2003−121407号明細書に記載のシートなども含まれる。
さらに、膨張黒鉛、黒鉛を基材としたシートを形成する場合に、ブチルゴムなどを配合することで、下記<他の環状部材(b)>の場合と同様の意図や働き、すなわち上記シートの摩擦係数を高め滑り防止を図ったものでも良い。
また、膨張黒鉛を金属板(箔)に貼付してなる積層品であってもよい。
このように膨張黒鉛は、それ自体を単体で膨張黒鉛シートとして使用してもよく、例えば、後述する図6に示すように、ステンレス鋼板(箔)100の両面に膨張黒鉛シート66a、66bを、(i)接着剤等にて貼付け、あるいは(ii)多数の係合・係止可能な突起(hook)を金属板の表裏面に有し、接着剤を用いずに膨張黒鉛シート等の相手部材を接合可能な「フックメタル(hook metal)」等のような金属板を用い、このフックメタルと膨
張黒鉛シートとを接合し、あるいは(iii)メッシュ(金網)やパンチングされたステンレス鋼板(箔)の両面に膨張黒鉛シートを食い込ませて、複合シート(積層品)として使用してもよいが、本発明では、膨張黒鉛と金属板との積層品が取扱い性に優れるため好ましい。なお、膨張黒鉛と金属板との接合・接着方法は、特に限定されないが、接着剤を用いずにフックメタル等で接合・接着されているものは、高温時のシール性低下を生じにくいという点でより好ましい。なお、膨張黒鉛と金属板とを粘・接着剤により接着・接合した場合には、ガスケット中の接着剤は、ガスケットの加熱時に分解・消失し、当該部位が空洞化し、浸透漏洩によるシール性低下をひきおこす恐れがある。
<他の環状部材(b)>
また、上記2層の「他の環状部材」(b)18a、18bは、互いに同一でも異なっていてもよいが、好ましくは同一であり、フッ素樹脂外被12と、膨張黒鉛シートよりなる環状部材16との間にあって、これら相互の滑りを防止し、環状部材16などの圧壊を防ぐ働きを有しているものであればよく、積層または塗布により配設される。このフッ素樹脂包みガスケット10では、2層の「他の環状部材」(b)18a、18bは、環状部材(a)とフッ素樹脂外被12とによって挟持されるように、環状部材(a)の表裏面にそれぞれ1層ずつ配設されている。
他の環状部材(b)の材質としては、滑り防止のための摩擦係数の大きな素材であればよく、例えば、ガラス、セラミックからなるシート及びクロス、有機系あるいは無機系コーティングされた材料などがあげられる。またブチルゴムなどのゴム材料などを膨張黒鉛シートに塗布して、膨張黒鉛シートの表面に他の環状部材層を形成しても良い。
さらに、上記(a)でも述べたように、膨張黒鉛、黒鉛を基材としたシートを形成する場合に、ブチルゴムなどを配合することで、上記シートの摩擦係数を高めたものでも良い。
また、他の環状部材(b)としては、加工性、耐圧壊性などの点から、有機繊維、無機繊維、およびバインダーを含むフェルトシートが好適に使用され、これに無機粉体がさらに含まれている方がより好ましい。
この第1のフッ素樹脂包みガスケット10では、フッ素樹脂外被12、2層の「他の環状部材(b)」18a、18bとしては、本願出願人が先に提案した特開2000−104832号公報(特許文献1)に記載のものと同様のものが好適に使用される。
以下、環状部材18a,18bについて詳説する。この環状部材18a,18bには、好ましくは上記のように有機繊維、無機繊維およびバインダーが含まれ、必要によりさらに無機粉体が含まれている。
有機繊維としては、200℃で100時間の加熱後も初期の50%以上の強度を有している有機繊維(耐熱性有機繊維)が好ましい。このような耐熱性有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、カーボン繊維、テフロン(登録商標)繊維等が挙げられ、これらの有機繊維は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これら有機繊維のうちでも、特にフィブリル化可能でありパルプ形状(分岐形状)になる繊維が望ましい。
無機繊維としては、ガラス繊維、ジルコニア繊維、セラミックス繊維、ロックウールなど従来より公知のものを広く使用可能であり、これらの無機繊維は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
これら無機繊維のうちでも比較的繊維径が小さく(繊維径が20μm以下、好ましくは0.1〜5μm)、しかも繊維長が0.01mm以上、好ましくは0.1〜10mmのものが望ましく、このように繊維径が比較的小さく、繊維長が上記範囲にあるような望まし
い無機繊維としては、ロックウールが挙げられる。
無機粉体としては、好ましくはタルク、クレー、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸、二酸化珪素、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これら無機粉体は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの無機粉体のうちでは、硫酸バリウムが好ましい。上記無機粉体のうちでも、その平均粒径が通常1.5μm以下、好ましくは0.5μm以下、さらに好ましくは0.2μm以下のものが望ましい。このような粒子径の無機粉体を用いると、無機粉体の表面エネルギーを利用して繊維間の付着性を強め環状部材(フェルト材)強度を向上させることができ、環状部材に適度の柔軟性と緻密性とを付与でき、シール特性と圧壊特性を向上させることが可能となるため好ましい。
バインダーとしては、特に限定されず従来より公知のものを広く使用でき、天然ゴム、NBRなどのゴム系バインダー;アクリル樹脂等の樹脂系のバインダー;などが挙げられ、好ましくはアクリル樹脂が用いられる。
このような環状部材18a,18bには、上記有機繊維は通常5〜40重量%、好ましくは、10〜40重量%の量で、無機繊維は通常20〜85重量%、好ましくは、30〜70重量%の量で、無機粉体は通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上の量で、およびバインダーは残部量(但し、各環状部材重量を100重量%とする。)で含まれていることが望ましい。
上記量で有機繊維が含まれていると、得られるガスケットは、高温での応力緩和が適度の範囲にあり、高温時の気密性も良好に保持され、常温での破壊強度に優れる傾向があり、また上記量で無機繊維が含まれていると、該無機繊維の繊維径が比較的大きく(例:繊維径5〜10μmφ)、また剛直であっても、得られるガスケットは、高温での応力緩和が小さくなり、柔軟性の低下も少なく、高温での気密特性に優れる傾向がある。
また無機粉体が上記量で環状部材中に一様に分散して含まれていると、無機繊維と有機繊維、有機繊維同士あるいは、無機繊維同士の付着力を高めることができ、無機繊維と有機繊維との両者を配合したことによる環状部材の強度をより効果的に高めることができ、また繊維間の密着強度を高めることができるため、得られるガスケットは、該ガスケットを構成する環状部材18a,18bの強度(フェルト部強度)が高くなり、応力緩和を小さくでき、高温時におけるガスケットのシール性能を安定化させることができ、また、該環状部材(フェルト材)18a,18bの表面層11b、13bに存在する無機粉体によって、フェルト材18a,18bとフッ素樹脂外被12の摩擦抵抗が大きくなるため、ガスケットの圧壊強度が向上する傾向がある。
<環状部材の製造>
この図1に示すような、無機粉体が一様に分散した環状部材18a,18bを製造するには、従来より公知の方法を利用することができ、例えば、特開2000−104832号公報(特許文献1)「0038」欄にも記載されているように、それぞれ上記量の有機繊維、無機繊維、無機粉体および未加硫バインダーを配合し、水に分散させ、多段に抄き上げた後、100℃〜200℃の熱ロールで乾燥させる抄紙工程によって製造できる。
また図2に示すように、無機粉体が環状部材27の外被22a側すなわち27b、環状部材28の外被22b側すなわち28bにのみ偏在した環状部材を製造するには、従来より公知の方法を利用することができ、例えば、特開2000−104832号公報(特許文献1)「0039」欄にも記載されているように、それぞれ上記量の有機繊維、無機繊維および未加硫バインダーを配合し、上記の抄紙工程と同様の工程により抄紙した後、水に分散させた無機粉体を吹き付け散布することによって製造できる。
[ガスケットの製造]
また図1に示すようなフッ素樹脂包みガスケット10を製造するには、特開2000−104832号公報(特許文献1)記載の方法に準ずればよい。
すなわち、膨張黒鉛製の環状シート16の両面に環状部材18a,18bを例えば樹脂やゴムを主剤とする接着剤を用いて張り合わせ、環状中芯体14を形成する。さらに、この環状中芯体14の表面(特に内周面及び上下両面)を、図1に示すように、所定サイズのフッ素樹脂スリーブから施盤加工によって切り出したフッ素樹脂外被12にて被覆する。このような形状のフッ素樹脂外被12は、フッ素樹脂スリーブの外径側から切削バイトを押しつけて切り出されるが、環状溝19を形成するには、外径側から押しつけた切削バイトを6のところまでで止め、内径側端部15aを残すように加工すればよい。また、環状中芯体14は、上記のように環状シート16及び環状部材18a,18bを張り合わせても良く、またそれぞれ環状に加工する前のシート状物を図1に示すような層構成となるように張り合わせた後で、所定サイズの環状に打ち抜くこともできる。
このようなフッ素樹脂包みガスケット10では、初期締め付け時に、荷重が過剰に負荷された場合にも、環状中芯材が圧壊することがない。すなわち、初期締め付けが過剰になった場合に、フッ素樹脂外被12の破壊の前に中芯材14がクリープ現象を起こすこともなく、ガスケット応力が適度に保持されるために、ガスケットが本来有しているシール性能が良好に発揮される。
また、このようなガスケット10は、環状中芯体14を2枚のフッ素樹脂外被12a,12bにてサンドイッチするように挟持し、その内周側端部同士を接合して製造することもできるため、断面U字型(後述する図4の42参照)、断面コ字型(後述する図3の32参照)の外被を有するガスケットに比して製造容易であるという効果を有する。
本発明に係るフッ素樹脂包みガスケットは、上述した実施態様に限定されるものではなく、種々に改変することができる。例えば、図3において付番32で示すように、フッ素樹脂外被の形状は、断面コ字状であってもよく、図4において付番42で示すように、フッ素樹脂外被の形状は、断面U字状であってもよい。このうち、図3に示すようなフッ素樹脂外被32では、ガスケット内径をフランジ内径に合わせることにより、使用時に流体が滞留することを防止できるという効果を有し、またこの図4に示すようなフッ素樹脂外被42では、環状溝奥部5内に外部の流体(液体、気体の両者を含む)が浸入して該部に閉じこめられても、図1に示すガスケット10のように環状溝奥部5の鋭角部6を有しないため、フッ素樹脂外被42の最奥部6cは破損しにくいという効果を有する。
また、本発明の好ましい態様に係るフッ素樹脂包みガスケット50では、図5において付番52で示すように、フッ素樹脂外被の形状は、内径側端部55aおよび外径側端部55bが封止され、袋状となっていてもよい。
このようなフッ素樹脂包みガスケット50は、図1に示すフッ素樹脂包みガスケット10の外径側端部15b開口部をも封止した構造のものであり、このようなフッ素樹脂包みガスケット50では、外部の流体が該ガスケット50の環状中芯体54内に浸入するのを防止でき、環状部材54が濡れることによる強度低下を防止することができるため好ましい。
上記説明では、何れも環状中芯体が、複数(3層)の環状部材にて構成され、表裏面に垂直な方向の中間に位置する1層の「環状部材(a)」16、26、36、46、56が、何れも膨張黒鉛シートよりなり、各2層の「他の環状部材(b)」(18a、18b)
、(28a、28b)、(38a、38b)、(48a、48b)、(58a、58b)が、膨張黒鉛シートとフッ素樹脂外被相互の滑り止めの役割を果たし、その好ましい態様ではさらに有機繊維、無機繊維、無機粉体およびバインダーを含むフェルトシートよりなる態様を示したが、
本発明に係るフッ素樹脂包みガスケットは、上記態様に限定されず、その環状中芯体には、例えば、図6に示すように、金属板(金属層)100がさらに介挿されていてもよい。この金属板(金属層)100は、1層(枚)のみからなっていてもよく、複数層(枚)設けられていてもよい。
<図6>
この図6には、本発明に係る第2のフッ素樹脂包みガスケット20の要部断面を含む部分斜視図が示されている。
この図6に示すフッ素樹脂包みガスケット60は、図1に示すフッ素樹脂包みガスケット10において、その膨張黒鉛シートよりなる環状部材16内に、環状部材16と略同一平面形状の金属板(箔)100が介挿されている点以外は、図1に示すフッ素樹脂包みガスケット10と同様である。
換言すれば、このフッ素樹脂包みガスケット60では、上記第1のフッ素樹脂包みガスケットにおける膨張黒鉛シートよりなる環状部材(a)16が、2層(66a、66b)からなり、これら環状部材66aと環状部材66bとの間に、環状部材(a)と略同一の平面形状の金属板100が介挿されている。
このようなフッ素樹脂包みガスケット60は、図1に示す第1のフッ素樹脂包みガスケット10に比して、可搬性、形状保持性が一層向上しており、しかも、第1のフッ素樹脂包みガスケット10と同様に、優れたシール性を発揮できる。
この金属板100としては、特に限定されず、従来よりガスケットの製造に使用されているようなものを使用でき、例えば、特開平7−27231号公報の「0018」〜「0019」欄に記載されているような金属板(箔)、すなわち、ステンレス鋼、鋼鉄、アルミ、銅、ニッケル等、特に限定されず各種金属箔を用いることができる。本発明では、これらのうちでも、耐熱性、耐薬品性、耐食性などを考慮すると、ステンレス(SUS)鋼箔、特にオーステナイト系のステンレス鋼箔が望ましい。腐食され易い金属箔の場合には、その表面に亜鉛メッキ等の表面処理が施されていてもよい。
これら金属板の厚さ、平面寸法などは、可搬性、形状保持性を向上させ得る限り特に限定されないが、加工性等を考慮すると、通常0.01〜0.2mm、好ましくは0.01〜0.1mmであることが望ましい。
また金属板としては、その平面形状が、環状部材64の平面形状と同様な平面形状である同心円形状を有し、継ぎ目のない1枚ものがシール性の点で好ましい。本発明では、このような金属板(箔)を所望の厚さ等になるように、1枚〜複数枚適宜積層して用いてもよい。
なお、金属板100は、通常、取扱いの利便性等の点から、隣接する膨張黒鉛シート66a,66bと接着(接合)した状態でフッ素樹脂包みガスケット60の製造に用いられることが多い。その場合、膨張黒鉛と金属板との接着(接合)方法は、特に限定されず、接着剤による方法、接着剤レスのフックメタル等で接着(接合)する方法、メッシュ(金網)やパンチングされた金属板に膨張黒鉛シートを食い込ませて接合する方法などが挙げられる。本発明では、高温時のシール性低下を生じにくいという点で、接着剤レスのフックメタル等で接着(接合)されているものが好ましい。
このような金属板は、上記図6に示すように、図1の膨張黒鉛シートよりなる環状部材16内に介挿される場合に限定されず、図2〜図5に示す膨張黒鉛シートよりなる環状部材26、36、46、56内に、図6の金属板100と同様な態様で介挿されていてもよい。
このようなフッ素樹脂包みガスケット60を製造するには、上記フッ素樹脂包みガスケット10の製造に際し、膨張黒鉛シートに代えて、金属板100が介挿された膨張黒鉛シートを用いる点以外は、上記フッ素樹脂包みガスケット10の製造の場合と同様にすればよい。
以上詳述したように、本発明では、フッ素樹脂包みガスケットの環状中芯材を構成する1層の環状部材が膨張黒鉛シートよりなり、例えば、2層の「他の環状部材」は、好ましくは有機繊維、非石綿系無機繊維、無機粉体(好ましくは硫酸バリウム)、およびバインダーを含んでなっているため、環境への安全性に優れ、圧壊特性に優れ、常温(15〜25℃)〜高温(例:200〜260℃程度)での気密性に優れ、上記のような常温〜高温下で温度を数サイクル繰り返して変化させて使用しても残留トルク(%)が高く保持され、対圧縮ヘタリ性にも優れる。
なお、残留トルクの大小は、ガスケットの応力緩和による劣化の大小を示す。つまり、残留トルク率の大きいガスケットは、残留トルクの小さいガスケットに比べて応力緩和による劣化が小さく、より長時間にわたり使用が可能(長寿命)であると予想できる。但し、残留トルクが2倍であれば、ガスケット寿命も2倍になる(比例関係あり)とまでは言えない。
本発明のフッ素樹脂包みガスケットは、この残留トルクが大きい(高い)。
例えば、図1に示すような環状中芯体14が3層構成であり、そのガスケット寸法が「JIS 10K 100A」に規定されていると同様のフッ素樹脂包みガスケットを製造し、フランジ(フランジ材質:SUS304、フランジ表面粗さ:Rmax18〜25μm)に取り付け、常温(25℃)(なお、0〜40℃でも可)下で、初期ガスケット締付け面圧24.5MPa(250kgf/cm2)となるようボルトを用いて締め付けた状態
で、ガス漏洩の生じないような、所望のガス圧となるように窒素ガスをフランジ締結体内に封入し、この状態でフランジ締結体を水没させ、15分間保持し、そのガス圧でのガスの漏洩確認を水中発泡の有無で判別する試験(窒素ガスシール試験)を行い、徐々にガス圧を上げて同様の試験を繰返し行い、ガス漏洩が確認できるようになるまで試験を行うと、気密内圧は、例えば3.5〜4.5MPa、好ましくは3.8〜4.5MPa程度となる。
また、上記フッ素樹脂包みガスケットを、上記フランジに取付け、初期ガスケット締付け面圧24.5MPaで締め付けて、「高温(200℃又は260℃)下で48時間保持したのち、放冷し、常温に戻し、漏洩確認を行う」という操作を合計3回(3サイクル)繰り返した後、常温で測定した気密内圧は、例えば3.5〜4.5MPa、好ましくは3.8〜4.5MPa程度となる。
また、上記「3サイクル」繰り返した後の残留トルクは、65〜84%、好ましくは70〜84%程度となる。
なお、SUS板などの金属板100が介挿された図6に示すフッ素樹脂包みガスケット60(実施例2)では、図1に示すフッ素樹脂包みガスケット10(実施例1)に比して、特に、可搬性、形状保持性は向上するものの、上記常温下の気密内圧、常温〜高温下で数サイクル経過後の気密内圧、対圧縮ヘタリ性の尺度となる残留トルクの点では、金属板
の有無によらず、共に良好で同様な値を示す。
特に、中芯材(環状中芯体)として、石綿ジョイントシートと上記2層の[他の環状部材(フェルト)]とを併用した従来の石綿系包みガスケット(比較例1)や、非石綿ジョイントシート(ノンアスジョイントシート)と上記2層の[他の環状部材(フェルト)]とを併用した従来の非石綿系包みガスケット(比較例2)や、SUS板入り膨張黒鉛シートを用いた従来のガスケット(比較例3)に比して、
上記本発明のフッ素樹脂包みガスケット(実施例1、2)は、常温での気密性が良好に保持され、高温下での気密性(シール性)、特に常温〜高温下で数サイクル繰返した後の気密性や残留トルクも著しく高く(応力緩和が著しく小さく)、長期間、温度変化を繰返し受けてもへたりにくく耐熱性に優れる。
具体的には、外被がPTFE製のフッ素樹脂包みガスケットでは、外被PTFEの連続使用温度(260℃)までの高温下で本発明のフッ素樹脂包みガスケットは長時間使用でき、高いシール特性を有する。
なお、外被がフッ素樹脂製であっても、実開昭60−154664号公報(特許文献2)に示すように中芯が膨張黒鉛のみであると、フッ素樹脂のフロー(すべり)が生じ外被材の圧壊、さらにはシール性低下をまねく。
これに対して、本発明のフッ素樹脂包みガスケットでは、環状中芯体(中芯)として、膨張黒鉛シートと上記特定のフェルト材とを組合わせて用いており、フッ素樹脂外被と中芯材との滑りを防止し、中芯材の圧壊を防止でき、シール性が向上している。
このように本発明のフッ素樹脂包みガスケットは、高温(特に200〜260℃)下においても、高いシール性を有するだけでなく、従来品と比較して長時間使用可能(長寿命)である。
また、このフッ素樹脂包みガスケットは、常温〜上記高温までの広い温度範囲で使用でき、しかも高品質である。
[実施例]
以下、本発明に係るフッ素樹脂包みガスケットについて実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は係る実施例より何ら制限されるものではない。
(中芯体が「膨張黒鉛シート+フェルト」系のフッ素樹脂包みガスケット)
外被材料として一般的に用いられるPTFE(商品名「ポリフロンM12」、ダイキン工業(株))を使用し、中芯材として下記3層構成の非石綿中芯を使用し、ガスケット寸法:「JIS 10K 100A」のフッ素樹脂包みガスケットを製造した(図1)。
各層の厚さは以下の通り。
外被:0.4mm厚。
中芯:環状部材/膨張黒鉛シート/環状部材=0.8mm/1.6mm
/0.8mmの3層構成、中芯全体の厚み3.2mm。
(イ)2枚の環状部材:
(i)耐熱性有機繊維(アラミド繊維、商品名「コーネックス」(帝人(株)製)、
(ii)無機繊維(ロックウール、商品名「エスファイバー繊維」(新日鐵化学(株)製)、
(iii)無機粉末(硫酸バリウム、平均粒径0.1〜0.2μm)、
(iv)バインダー(NBRラテックス)。
(i)/(ii)/(iii)/(iv)の配合比(重量部)=20/50/26/4。(ロ) 膨張黒鉛シート(シート全体厚み1.6mm)。
上記フッ素樹脂包みガスケットを複数個作成した。
フッ素樹脂包みガスケットを、フランジ(フランジ材質:「SUS 304」、フラン
ジ表面粗さ:Rmax18〜25μm)に取り付け、初期締め付け面圧24.5MPa(
250kgf/cm2)となるように、フランジを締め付けた。
この状態で常温(25)℃での「窒素ガスシール試験」をまず行った。
「窒素ガスシール試験」は、所定のガス圧となるように窒素ガスをフランジ締結体内に封入し、この状態でフランジ締結体を水没させ、15分間保持し、そのガスの漏洩確認を水中発泡の有無で判別する試験である。そして、そのガス内圧ではガスの漏洩がない(発泡がない)場合には、また窒素ガス内圧を上げて、水中発泡の有無を確認する。そして、このような一連の操作を水中発泡が確認されるまで内圧を徐々に上げて試験を繰返し行い、水中発泡の起きない最も高い内圧(気密内圧)を求める試験である。
その結果、このフッ素樹脂包みガスケットの常温での気密内圧は、4.4MPaとなった。
次に、上記フッ素樹脂包みガスケットを上記フランジ締結体のフランジに取付け、初期ガスケット締付け面圧24.5MPaで締め付けた状態で、ガス漏洩の生じないような、所望のガス圧となるように窒素ガスをフランジ締結体内に封入し、この状態で電気炉中で「200℃または260℃」の温度で48時間加熱した後、放冷し、常温下にてシール性能を確認した。
なお、漏洩確認は、上記と同様の「窒素ガスシール試験」(すなわち、フッ素樹脂包みガスケットが取付けられ、窒素ガスが密封された上記フランジ締結体を水没させ、15分間保持し、そのガス圧でのガスの漏洩確認を水中発泡の有無で判別する試験)を行い、水中発泡の見られなかった場合は、さらに窒素ガス内圧を上昇させて、同上の窒素ガスシール試験を行った。
窒素ガス漏洩が見られた場合は、水中置換により漏洩量の測定を行った。
これら一連の工程(加熱〜漏洩確認)を1サイクルとして、このサイクルを3サイクル
繰り返した。
なお、漏洩検出可能範囲は、1.7×10-4〜1.7×100Pa・m3/s(0.1〜
1000cc/min)であり、漏洩検出可能範囲未満の場合を「気密(Seal)」と判断した。
また、上記「3サイクル」後に残留トルクを測定した。
得られたフッ素樹脂包みガスケットのシール性は、常温では、4.4MPa(45kg
f/cm2)での密封(Seal)を示したものが、200℃×48時間(h)×3サイ
クル後においても、劣化が見られず、4.4MPa(45kgf/cm2)をシールした。
さらに、260℃×48時間(h)×3サイクル後においても、なお劣化が見られず、内圧4.4MPa(45kgf/cm2)をシールした。
残留トルクは、200℃×48時間(h)×3サイクル後の場合80%を示し、260℃×48時間(h)×3サイクル後の場合70%を示した。
結果を併せて表1に示す。
(中芯体が「SUS板入り膨張黒鉛シート+フェルト」系のフッ素樹脂包みガスケット)
上記実施例1において、図1に示すようなフッ素樹脂包みガスケットに代えて、図6に示すようなフッ素樹脂包みガスケットを作成し、同上の試験を行った。
すなわち、上記実施例1における中芯として、下記の中芯を用い、また上記(ロ)膨張黒鉛シート(シート全体厚み1.6mm)に代えて、(ロ)−1「ステンレス鋼薄板入り膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シート/ステンレス鋼薄板/膨張黒鉛シート)、ステンレス鋼板厚み:0.05mm。」を用いた以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂包みガスケットを作成し、上記と同様の試験を行った。
<中芯>:
環状部材/ステンレス鋼薄板入り膨張黒鉛シート(膨張黒鉛シート/ステンレス鋼薄板/膨張黒鉛シート)/環状部材=0.8mm/1.6mm/0.8mmの3層構成、中芯全体の厚み3.2mm。
その結果、 その結果、このフッ素樹脂包みガスケットの常温での気密内圧は、4.4MPaとなった。
得られたフッ素樹脂包みガスケットのシール性は、常温では、4.4MPa(45kg
f/cm2)での密封(Seal)を示したものが、200℃×48時間(h)×3サイ
クル後においても、劣化が見られず、4.4MPa(45kgf/cm2)をシールした。
さらに、260℃×48時間(h)×3サイクル後においても、なお劣化が見られず、内圧4.4MPa(45kgf/cm2)をシールした。
残留トルクは、200℃×48時間(h)×3サイクル後の場合80%を示し、260℃×48時間(h)×3サイクル後の場合70%を示した。
結果を併せて表1に示す。
[比較例1]
(中芯体が「石綿ジョイントシート+フェルト」系のフッ素樹脂包みガスケット)
上記実施例1において、中芯の1部を構成する(ロ)ステンレス鋼薄板入り膨張黒鉛シートに代えて、(ロ)−2:「ジョイントシート(成分組成:石綿80重量%/ブチルゴム系加硫ゴム10重量%/無機充填剤10重量%)」を用いた以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂包みガスケットを作成し、上記と同様の試験を行った。
その結果、比較例1に示すフッ素樹脂包みガスケットのシール性能は、常温では4.4MPa(45kgf/cm2)での密封(Seal)を示したものの、200℃×48時間(h)×3サイクル後には、内圧2.9MPa(30kgf/cm2)でのシールを示すに止まった。
残留トルクは、200℃×48時間×3サイクルの場合50%を示し、260℃×48時間×3サイクルの場合40%を示した。
結果を併せて表1に示す。
[比較例2]
(中芯体が「ノンアスジョイントシート+フェルト」系のフッ素樹脂包みガスケット)
フッ素樹脂包みガスケットとして、特開2000−104832号公報(特許文献1)の「0059」欄に記載のフッ素樹脂包みガスケットを作成し、上記と同様の試験を行った。
すなわち、上記実施例1において、中芯の1部を構成する(ロ)ステンレス鋼薄板入り膨張黒鉛シートに代えて、特開2000−104832号公報(特許文献1)の「0059
」欄に記載のジョイントシートである、(ロ)−3:「ジョイントシート(成分組成:アラミド繊維10重量%/ゴム40重量%/無機充填剤50重量%、厚み0.8mm)」を用いた以外は、実施例1と同様にしてフッ素樹脂包みガスケットを作成し、上記と同様の試験を行った。
その結果、このフッ素樹脂包みガスケットのシール性能は、常温では、4.4MPa(
45kgf/cm2)での密封(シール)を示したものが、200℃×48時間(h)×
3サイクル後には、内圧2.5MPa(25kgf/cm2)でのシールを示すに止まった。
残留トルクは、200℃×48時間×3サイクルの場合30%を示し、260℃×48時間×3サイクルの場合25%を示した。
結果を併せて表1に示す。
[比較例3]
比較例3はフッ素樹脂被覆ガスケットではなく、中芯体のみのSUS入り膨張黒鉛シートガスケットの数値である。
すなわち、実施例1において、フッ素樹脂外被を設けず、中芯体のみからなるSUS入り膨張黒鉛シートガスケットを用い、上記と同様の試験を行った。
このSUS入り膨張黒鉛シートガスケットのシール性能は、常温では4.4MPa(4
5kgf/cm2)をシールしたものの、200℃×48時間(h)×3サイクル後には
、内圧2.5MPa(25kgf/cm2)をシールするに止まった。残留トルクは、200℃×48時間×3サイクルの場合40%を示し、260℃×48時間×3サイクルの場合30%を示した。
結果を併せて表1に示す。
以上のことから、実施例1〜2に示す本発明のフッ素樹脂包みガスケットは、どの比較例に示すフッ素樹脂包みガスケット(比較品)よりも、高温においても良好なシール特性を示し、また、どの比較品よりも、長時間にわたって使用可能であると予測できる。
Figure 2005337401
図1は、本発明の一実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。 図2は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。 図3は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。 図4は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの断面図である。 図5は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。 図6は、本発明の他の実施態様に係るフッ素樹脂包みガスケットの要部断面を含む部分斜視図である。
符号の説明
5・・・・・環状溝奥部
6・・・・・環状溝奥部の鋭角部
6c・・・・・環状溝奥部の最奥部
10、20、30、40、50、60・・・・・フッ素樹脂包みガスケット
11a、21a、31a、41a、51a、61a・・・・・他の環状部材(b)の上部外被側面(表面)
11b、21b、31b、41b、51b、61b・・・・・他の環状部材(b)の下部外被側面(表面)
12、22、32、42、52、62・・・・・フッ素樹脂外被
12a、22a、32a、42a、52a、62a・・・・・下側フッ素樹脂外被(下部外被)
12b、22b、32b、42b、52b、62b・・・・・上側フッ素樹脂外被(上部外被)
13a、23a、33a、43a、53a、63a・・・・・他の環状部材(b)あるいは環状中芯体の膨張黒鉛シート(a)側面(表面)
13b、23b、33b、43b、53b、63b・・・・・他の環状部材(b)あるいは環状中芯体の外被側面(表面)
14、24、34、44、54、64、74・・・・・環状中芯体
16、26、36、46、56・・・・・環状シート(環状部材(a)、膨張黒鉛シート)
27・・・・・無機粉体が外被側表面に偏在した環状部材
27a、28a・・・・・有機繊維、無機繊維およびバインダーを主成分とする層
28・・・・・無機粉体が外被側表面に偏在した環状部材
27b、28b・・・・・無機粉体(硫酸バリウム)とバインダーを主成分とする層
18a、38a、48a、58a、68a・・・・・環状部材(下面側環状部材、他の環状部材(b))
18b、38b、48b、58b、68b・・・・・環状部材(上面側環状部材、他の環状部材(b))
19、29、39、49、59、69・・・・・環状溝
15a、25a、55a・・・・・フッ素樹脂外被の内径側端部
15b、25b、35b、45b、55b・・・・・フッ素樹脂外被あるいはガスケットの外径側端部
66a・・・・・金属板の下面側の膨張黒鉛シート(膨張黒鉛層)
66b・・・・・金属板の上面側の膨張黒鉛シート(膨張黒鉛層)
100・・・・・ステンレス鋼板等の金属板(層)

Claims (5)

  1. フッ素樹脂外被の環状溝内に、単層または複数の環状部材を積層してなる環状中芯体が嵌入されたフッ素樹脂包みガスケットであって、前記環状中芯体を構成する少なくとも1層の環状部材(a)が膨張黒鉛シートからなることを特徴とするフッ素樹脂包みガスケット。
  2. 前記環状中芯体は、前記膨張黒鉛シートよりなる環状部材(a)の表裏面に、それぞれ、少なくとも1層ずつ他の環状部材(b)が積層または塗布されてなることを特徴とする請求項1に記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  3. 上記他の環状部材(b)が、有機繊維、無機繊維及びバインダーを含むフェルトシートよりなることを特徴とする請求項2に記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  4. 上記他の環状部材(b)が、さらに無機粉体を含むフェルトシートよりなることを特徴とする請求項3に記載のフッ素樹脂包みガスケット。
  5. 上記環状部材(a)が、2層からなり、これら環状部材(a)と環状部材(a)との間には、金属板が介挿されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のフッ素樹脂包みガスケット。
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