JP2005339929A - 電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】時間経過や使用による荷重抜けを防止し,長期間にわたって安定した性能を有する電池モジュールを製造できる電池モジュールの製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の電池モジュール1の製造方法は,平板状の二次電池10をエンドプレート11で挟んでなる電池モジュール1の製造方法であって,二次電池10とエンドプレート11とを積層し,その積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛け,その後その積層体を拘束する。さらに,積層体の拘束を,積層体に荷重を掛けて行うとともに,反復荷重時には,拘束時の荷重より小さい荷重と大きい荷重との間で積層体への荷重を変化させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は,リチウム電池等の二次電池を複数個組み合わせて電池モジュールを製造するための製造方法に関する。
従来より,リチウム電池等の二次電池が多く使用されている。例えば,正極板と負極板とをセパレータシートを挟んで捲回し,扁平状にしてケースに封入して,ケース中に電解液を注入して製造される二次電池がある。このような二次電池では,電解液注入直後には電解液がセパレータシートに十分浸透していないため,電池性能の低いものとなる。そこで,一般に,電解液の浸透・拡散のために,所定の放置時間を設けている。これに対し,この放置時間を短縮するとともに大容量の電池を得るために,電解液注入後に電極板の積層方向に加圧することが提案されている(例えば,特許文献1参照。)。
この二次電池は,単体で用いられることもあるが,高電圧・大電流が必要な自動車用等では,複数個の二次電池を組み合わせた電池モジュールが多く使用される。例えば,図1に示すように,扁平状の二次電池をその平面部を重ねて積み重ね,外部を拘束した電池モジュール1がある。この電池モジュール1は,複数個(この図では6個)の二次電池10を向きを揃えて積み重ね,その上下がエンドプレート11によって挟まれている。さらに,エンドプレート11同士がテンションプレート12とリベット13とによって互いに固定されたものである。
一般に,このような電池モジュール1を製造する際には,積み重ねてエンドプレート11で挟んだ二次電池10に対し,積層方向に荷重を加えて拘束している。すなわち,両端のエンドプレート11の外側からプレス機によってプレスし,荷重を加えた状態でテンションプレート12をリベット13で取り付けるのである。これは,前記の文献にもあるように電解液の浸透・拡散を助けるとともに,テンションプレート12による拘束から個々の二次電池10が抜け落ちないことを目的として行われている。以下では,このテンションプレート12を取り付けるときに加えられている荷重を拘束荷重という。
特開2002−151156号公報(第4頁,第5図)
しかしながら,前記した従来の製造方法によって製造された電池モジュールでは,組付け後の時間経過によって,二次電池10にかかる荷重が徐々に低下する,いわゆる「荷重抜け」を起こすおそれがあった。この理由としては,電池セル内の塑性変形要素,例えば,電極板とセパレータシートとの間の微小な隙間やセパレータ自体が有する空隙等が,徐々に圧縮変形されるためであると考えられる。特に,充放電時に発生する熱によってこの塑性変形が促進される。この結果,荷重低下により電極の表面状態が不均一となり,電池の性能が不安定となるおそれがあるという問題点があった。
本発明は,前記した従来の電池モジュールの製造方法が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,時間経過や使用による荷重抜けを防止し,長期間にわたって安定した性能を有する電池モジュールを製造できる電池モジュールの製造方法を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の電池モジュールの製造方法は,平板状電池をエンドプレートで挟んでなる電池モジュールの製造方法であって,平板状電池とエンドプレートとを積層し,その積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛け,その後その積層体を拘束するものである。
あるいは本発明の電池モジュールの製造方法は,平板状電池を積み重ねてなる電池モジュールの製造方法であって,複数の平板状電池を積層し,その積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛け,その後その積層体を拘束するものであってもよい。
本発明の電池モジュールの製造方法によれば,平板状電池とエンドプレートとを積層して,あるいは,複数の平板状電池を積層して電池モジュールとする。その際,積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛けているので,平板状電池内部の塑性変形要素が効率的に塑性変形される。従って,その後その積層体を拘束した場合に,拘束後に起きる塑性変形は僅かであり,時間経過や使用による荷重抜けが防止される。これにより,長期間にわたって安定した性能を有する電池モジュールを製造できる電池モジュールの製造方法となっている。
さらに本発明では,積層体の拘束を,積層体に荷重を掛けて行うとともに,反復荷重時には,拘束時の荷重より小さい荷重と大きい荷重との間で積層体への荷重を変化させることが望ましい。
このようにすれば,拘束時の荷重より大きい荷重によって塑性変形要素の変形が急速に進行し,小さい荷重に変化させることによって内部の均一化が進行する。従って,短時間で効率的に,安定した性能の電池モジュールを製造することができる。
本発明の電池モジュールの製造方法によれば,時間経過や使用による荷重抜けを防止し,長期間にわたって安定した性能を有する電池モジュールを製造できる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,二次電池を複数個積み重ねて構成された電池モジュールを製造する製造方法である。
本形態の製造方法で製造される電池モジュール1は,図1に示すように,扁平形状の二次電池10を複数個積み重ね,エンドプレート11,テンションプレート12,リベット13によって拘束されたものである。ここで,使用される二次電池10としては,缶ケースに封入された缶構造のものでも良いし,ラミネートフィルム外装体に封入されたラミネート構造のものでも良い。エンドプレート11は,鋳鉄等の剛性の高い材料で形成される。テンションプレート12は薄鋼板等で形成され,リベット13はエンドプレート11の側面に取り付けられている。また,リベット13に代えて,ボルト止めするようにしても良い。
ここで,缶構造の二次電池10を用いた電池モジュール1の場合は,積み重ねて拘束荷重を加えた時に缶ケースの角部同士が押しつけられ,中央部分に十分な荷重が加わらないおそれがある。その点を回避するためと,二次電池10の充放電時の熱を冷却するためを兼ねて,図2に示すように,冷却板14が挿入される。各冷却板14は,二次電池10の平面形状よりやや小さく形成されている。この図に示した電池モジュール1では,複数の冷却板14が,各二次電池10同士の間と,二次電池10と両側のエンドプレート11との間にそれぞれ挿入されている。
次に,本形態の電池モジュール1の製造方法を説明する。まず,各単体の二次電池10を一般的な製造方法で製造する。ここでは,缶構造の二次電池10を用いた電池モジュール1とする。次に,必要個数の二次電池10を間に冷却板14を挟みつつ積み重ね,その両側にエンドプレート11を配置する。次に,この積み重ねた二次電池10とエンドプレート11の全体を,プレス機によって積層方向に加圧する。冷却板14があるので,各二次電池10は図2に示すように変形し,二次電池10の中央部にも十分な荷重が加えられる。なお,この図では分かりやすさのために,二次電池10の変形量を大きく図示しているが,実際の変形量は小さいものである。例えば,元の厚さが15〜20mmの二次電池10の変形量は,缶ケースの角部を含む平面から数mm程度である。
さらに,テンションプレート12を取り付ける前に,図3に示すように,繰り返し荷重を加える。ここでは,拘束荷重の約2倍の荷重を5回繰り返している。すなわち,まず拘束荷重の約2倍の荷重をかけ,その後荷重を0とすることを4回繰り返す。そして,5回目に拘束荷重の約2倍の荷重をかけた後,拘束荷重まで荷重を下げて保持し,その状態でテンションプレート12をリベット13で取り付ける。これで,電池モジュール1の完成である。繰り返し荷重の1回をそれぞれ10秒程度ずつで行うとよい。
次に,拘束荷重について説明する。拘束荷重には,電池特性を最適なものとするための適切な範囲がある。この関係の例を図4のグラフに示す。この図では,平面が約10cm四方の缶構造の二次電池10を6個積み重ねた電池モジュール1について,拘束荷重と電池特性(ここでは,内部抵抗)との関係を示している。この図に示すように,内部抵抗が所定値以下となるようにするには,拘束荷重を所定範囲内とする必要がある。荷重が小さすぎると,押さえ不足によって電極表面が不均一となり,内部抵抗が大きくなるので好ましくない。また,荷重が大きすぎると,押さえ過大によって電池反応が阻害され,内部抵抗が大きくなるので好ましくない。この例に示した電池モジュール1では,適切な拘束荷重は1〜9kNの範囲内である。
次に,繰り返し荷重の有効性について説明する。本発明者は,ラミネート型の二次電池の1つに繰り返し荷重をかけて,その厚さの変化を調べた。例えば,308型セルと呼ばれる二次電池に10kNまでの荷重を繰り返しかけたところ,その厚さは図5に示すように変化した。荷重をかける前の厚さは約16mmであり,1回目の荷重によってグラフd1のように,14.2mm程度まで圧縮された。その後,荷重を0に戻すと,2回目グラフd2の出発点である約15.1mmまで戻った。このとき,二次電池の弾性要素が元に戻るとともに,塑性変形要素がある程度塑性変形を起こしているためと考えられる。
さらに荷重を繰り返すことにより,3回目はグラフd3,4回目はグラフd4,5回目はグラフd5に沿って変化した。この結果から分かるとおり,初めの2〜3回の荷重後は荷重前との差が顕著であり,次第にその差がなくなり,5回目以降では荷重前とほとんど差がなかった。これは,5回の荷重によって塑性変形要素の塑性変形はほぼ完了し,弾性要素のみになったためであると思われる。この結果から,この二次電池では,荷重の繰り返し回数は3回では不足であり,5回より多く繰り返しても効果はほとんど上がらないことが分かった。従って,繰り返し回数は4回以上,望ましくは5回とする。この点において,缶構造の二次電池10でもほぼ同様であった。
以上から,平面が約10cm四方の缶構造の二次電池10を6個積み重ねた電池モジュール1では,適切な繰り返し荷重は以下のようであることがわかった。まず,荷重を約10kNまで上昇させて7〜8秒保持し,その後荷重を0kNに戻す。これを4回繰り返す。5回目に荷重を約10kNまで上昇させた後は約5kNまで戻して保持し,その状態でテンションプレート12をリベット13で取り付ける。このようにして製造した電池モジュール1について所定の環境試験を行った結果,荷重抜けは10%以下となり,良好な拘束特性が得られた。
このように,繰り返して荷重をかけることによって,例えば10kNの荷重を長時間にわたってかけ続けるよりも,短時間で効果的に塑性変形が進行する。これにより,二次電池10の内部状態がより良好に均一化される。またこのようにすることで,例えば20kNや30kNといった大きい荷重をかける必要が無く,簡易な設備で実施が可能であるとともに,二次電池自体を破損するおそれもない。
以上詳細に説明したように本形態の電池モジュール1の製造方法によれば,繰り返し荷重をかけているので,二次電池10内の塑性変形要素がほぼ完全にキャンセルされ,その後のクリープの発生がない。従って,時間経過や使用による荷重抜けを防止し,長期間にわたって安定した性能を有する電池モジュール1となっている。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,繰り返し荷重の大きさ,繰り返し回数,および拘束荷重等は上記の数値に限らず,各電池モジュール1の大きさや構成等に応じて適切なものを選択すればよい。
また,例えば,上記の形態で示した電池モジュール1の構成は1つの例であり,使用する単体の二次電池10のサイズおよびケースの材料や,電池モジュール1に組み込まれる二次電池10の個数等はこれに限るものではない。また,缶構造でなくラミネート構造の二次電池を使用した電池モジュールの場合は,冷却板はなくてもよい。
また,上記の形態では,その製造段階で缶ケースの内部に電極体が圧入された二次電池10を使用している。このため,電極体はケースに実装されるだけで缶ケースから多少の荷重を受けているが,このような二次電池10に限るものではない。
本形態の電池モジュールの概略を示す斜視図である。 缶構造の電池モジュールの概略を示す断面図である。 繰り返し荷重を示すグラフである。 拘束荷重と電池特性との関係を示すグラフである。 繰り返し荷重と二次電池の厚さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電池モジュール
10 二次電池(平板状電池)
11 エンドプレート

Claims (3)

  1. 平板状電池をエンドプレートで挟んでなる電池モジュールの製造方法において,
    平板状電池とエンドプレートとを積層し,
    その積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛け,
    その後その積層体を拘束することを特徴とする電池モジュールの製造方法。
  2. 平板状電池を積み重ねてなる電池モジュールの製造方法において,
    複数の平板状電池を積層し,
    その積層体に対して厚さ方向に反復的に荷重を掛け,
    その後その積層体を拘束することを特徴とする電池モジュールの製造方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電池モジュールの製造方法において,
    積層体の拘束を,積層体に荷重を掛けて行うとともに,
    反復荷重時には,拘束時の荷重より小さい荷重と大きい荷重との間で積層体への荷重を変化させることを特徴とする電池モジュールの製造方法。
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