JP2005509184A - 立方晶により製作されるリターデーション素子と該素子を有する光学系 - Google Patents

立方晶により製作されるリターデーション素子と該素子を有する光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】200〜150nm以下の範囲の波長に適し、かつ非常に正確に機能しうるとともに、適度な費用で製造することができるリターデーション素子を示す。
【解決手段】<110>結晶方向または該結晶方向と同等の主軸の方向にビームを伝搬するフッ化カルシウムまたはフッ化バリウムにより製作されるセンチメートル単位の厚さのプレートまたはレンズが、遠紫外線用リターデーション素子として提供される。これらの素子は、無応力的態様で配設されうる。特に157nmでのマイクロリソグラフィーに適する。特に0次のリターデーションプレート、特にλ/2プレートまたはλ/4プレートである。最大2%かつ/または最大1mmの厚さ変動を有する。少なくとも一方の端面、特に光射出面が屈折的または回折的に作用する構造または形状を備える。

Description

本発明は、立方晶により製作されるリターデーション素子と、このようなリターデーション素子を有する光学系とに関する。
このタイプのリターデーション素子は、たとえば本出願人の特許文献1において開示されている。リターデーション素子は、前記特許において、リターデーションプレート、すなわち2個の互いに直交方向に偏光されて通過するビーム間において位相ずれをもたらすとともに、たとえばλ/4プレートまたはλ/2プレートとして設計されうる複屈折プレートの形態をとって説明されている。このプレートは、外力または製造工程によりひずみ複屈折を示すフッ化カルシウムによって構成される。結晶方位に関しては、そこでは何も述べられていない。
立方晶は、その対称性のために、通常は複屈折を示さない。
フッ化カルシウムにより製作される光学素子の製造によって誘導される残留ひずみ複屈折は、特許文献2に開示されている。
フッ化マグネシウム等の従来の複屈折結晶は、極めて肉薄のプレートのみが必要とされるような高レベルで複屈折を示すが、これらのプレートは、たとえば特許文献3(特許文献4)および本出願人の特許文献5から知られうるような技術的問題を提示する。光路差(n+1/4)を有する本来的に可能かつ慣習的なより肉厚のリターデーションプレート、すなわちn次のλリターデーションプレートは、より肉厚であるが、これらのプレートは、同じ狭い厚さ許容範囲を必要とするとともに、光に関してはるかに低い角度許容範囲を有する。
多くのその他の周知のリターデーション素子材料は、200〜150nm以下の紫外範囲においては、過度に高い吸収のために、利用することができない。
非特許文献1により、フッ化カルシウム単結晶も、ひずみにより誘導されるのではなく、したがって固有のものである複屈折を示すことは周知である。前記出版物に紹介されている測定から、<110>結晶軸の方向におけるビーム伝搬の場合には、(6.5±0.4)nm/cmの複屈折が、λ=156.1nmの波長において起こることがわかる。本出願人による測定では、11nm/cmであることがわかった。これに対して、複屈折は、その他の結晶軸方向においては低い。
米国特許6,191,880B 米国特許6,201,634B1 独国特許197 04 936A 米国特許出願09/017,159 米国特許6,084,708B ジョン H.バーネット、エリック L.シャーリーおよびザッカリー H.レヴィン(John H. Burnett, Eric L. Shirley and Zachary H. Levine)のインターネット出版物である「CaF2における固有複屈折の初期判断」("Preliminary Determination of an Intrinsic Birefringence in CaF2")、NISTゲイザーズバーグMD20899USA(NIST Gaithersburg MD 20899 USA)(2001年7月5日投函)
本発明の目的は、200〜150nm以下の範囲の波長に適し、かつ非常に正確に機能しうるとともに、適度な費用で製造することができるリターデーション素子のまた他の設計を明示することである。本発明の目的は、さらにまた、このようなリターデーション素子を有する好ましい光学系を提供することである。
この波長範囲を対象とする高品質なリターデーション素子は、たとえば、マイクロリソグラフィー投影露光装置において、特にカタジオプトリック投影対物レンズとともに必要とされる。これらの素子は、偏光ビームスプリッターを有する投影対物レンズ用に、ビームスプリッターと凹面鏡との間における4分の1波長リターデーション素子として緊急に必要とされている。約90°の偏向角を持つ偏向鏡を有するその他の種類の場合は、ブルースター角近辺における反射は、補償されなければならない偏光依存性反射率をもたらす。
前記目的は、請求項1の特徴を有するリターデーション素子を手段として達成される。有利な開発は、従属請求項に記載されている。いずれの請求項の記述も参照により本明細書に取り入れられる。
発明を実施するための形態
本発明によれば、<110>結晶軸に対して平行または該結晶軸と同等の主結晶軸に対して平行なビーム透過において最大値を有するとともに、今まではこの材料により製作されるレンズ系の問題と見なされてきた固有複屈折を持つフッ化物結晶材料、特にフッ化カルシウムの残留複屈折が、リターデーション素子(リターダ)の動作メカニズムとして目標とされる態様で用いられる。相対的に低い複屈折のために、この素子は、数ミリメートルまたは数センチメートルの厚さとなりうるが、この絶対的な厚さは、光学素子を製造する上で問題とならない範囲においてのみ極めて正確なリターデーションを得るために重要でもある。
この固有複屈折とは別に、さらにまた、相対的に高い値が、特許文献2にしたがって特許請求の範囲に記載された方向において製造条件によって引き起こされるひずみ複屈折に付随する。たとえば4分の1波長リターダとして望ましいリターデーションを有するこのようなリターデーション素子の厚さは、具体的な材料チャージの複屈折の測定値から判断され得、以っていずれの複屈折原因も考慮に入れられうる。
加えて、本発明者は、フッ化バリウム単結晶も同様にこうした複屈折を示すが、約25nm/cmという約2倍の値を持つことを確証した。このため、同じ配向を有するフッ化バリウムも適材であり、かつ約半分の厚さでよいという利点を有する。
全てのその他の結晶もまた、同様の複屈折を示す場合は、同様に適材であることは明らかである。しかし、これらの値は、現在のところは、遠紫外において透明性を有するその他のフッ化物結晶に関しては未知である。製造によって誘導されるひずみ複屈折に関する詳細は、特許文献2においてフッ化ストロンチウムに関してのみ知られている。
極度に肉薄のMgFリターデーションプレートと比較すると、CaFまたはBaFを用いることには、厚さをcm範囲にしうるという利点がある。これによって、リターデーション素子の実施化とくに減数化が大いに容易になる。
さらに他の実施例は、従属請求項の主題である。
2分の1波長板と4分の1波長板とは、リターデーション素子の重要な設計であり、相対的に弱い複屈折の材料によって構成される本発明にしたがった設計は、0次のプレートを製造するのに特に適する。後者を用いると、光路差は、(0+1/4)λまたは(0+1/2)λに等しくなり、したがって波長の倍数の非有効光路差がさらに導入されることはない。これは、フッ化マグネシウムにより製作されるプレートの場合には、取り扱い可能なプレート厚さを達成するために避けられないが、受光角の制限をもたらす。
無応力担持は可能である。これは、たとえば、リターデーションプレートが、レンズやフィルタ板等用にも用いられるような通常の取付具を用いて支持されうることを意味する。特許文献5にしたがった、力を均一に導入するための高価な装置は、特に肉薄の素子を保持する上での問題と全く同様に排除される。
リターデーションプレートが機能面を有する設計は、特に有利である。リターデーションまたは偏光回転に有効に影響を与えることなしに、一方または両方の端面に屈折的または回折的に作用する構造を設けることが可能になる。したがって、ミリメートル範囲までのパターン高さを有するフレネルレンズ、ゾーンプレート、屈折または回折格子板等を追加の構成要素を用いることなしに得ることができる。このような構成要素は、たとえばマイクロリソグラフィー投影露光装置の照明系において用いられて、同時に偏光分布に影響を与えるとともに光伝導性を高めうる。
一方または両方の端面を球面状または非球面状に、または自由形態の表面として湾曲させて、リターデーションプレートが同時に光学系の補正に寄与するようにすることも可能である。
たとえば、実質的に湾曲したメニスカスを、光路が断面全体にわたって所望のリターデーションのみに十分に正確に対応する場合に、本発明にしたがったリターデーション素子として機能させることも可能である。一方または両方の境界面または端面は、さらにまた、リターデーション素子が好ましくはメニスカスの形状をとるレンズを形成しうるように実質的な曲率を有しうる。したがって、リターデーション素子は、正または負の屈折力をも有しうる。本発明において最も重要な位置を占めるリターデーション効果とレンズ作用との一体化を利用して、材料を節減し、かつ好ましい設計である設計を得ることができる。このようなレンズは、純屈折光学系、特にマイクロリソグラフィー投影対物レンズまたは照明系およびカタジオプトリック系にも用いられうる。
前記材料の固有複屈折は、<110>結晶方向において最大値を有する。<110>方向に対してある角度をなして前記材料を透過するビームの場合は、固有複屈折の大きさは、角度の増加とともに放物線状に減少する形状を示す一方で、固有複屈折の軸は、略その方向を維持する。この状況を利用して、リターデーション効果を透光面全体にわたって均一化することができる。この目的のために、2個の光学面を有するリターデーション素子の場合は、光学面の形状とリターデーション素子の配設位置とを互いに調整して、ビームとリターデーション素子の光軸または<110>方向との間における角度が大きくなるほど、リターデーション素子の内部におけるビームの光路が光学面間において長くなるようにすることが可能である。その結果として、<110>方向に対してより大きい角度をなすビームは、より長い光路を経なければならず、したがって固有複屈折と光路との積によってもたらされるリターデーション効果は、有効面全体にわたって略均一になる。
この概念は、リターデーション素子が、凹面鏡に近接して配置されるとともに<110>配向のフッ化物結晶により製作されかつ全体としてメニスカスの形状を有するとともに負の屈折力を持つレンズまたはレンズ群からなる場合のカタジオプトリック投影対物レンズの例示的な実施例を用いて後ほど説明される。瞳孔に近接して配置されるこのタイプのレンズまたはレンズ群は、大体において一定であるか、またはわずかしか変動しないリターデーション効果を瞳孔全体にわたって有しうる。固有複屈折を有する<110>配向の単結晶(たとえばフッ化カルシウム単結晶またはフッ化バリウム単結晶)により製作されるレンズ素子(屈折力を備える)を製造することによりリターデーション素子とレンズ素子とを一体化させることは、全てのカタジオプトリックまたは屈折投影対物レンズに有用でありうる。λ/4プレートのリターデーション効果を有する適切な寸法のレンズまたはレンズ群は、たとえば偏光選択性ビームスプリッターを有する装置において、ビームスプリッターと凹面鏡との間および/または投影対物レンズのまた他の点、たとえば物体平面とビームスプリッターとの間および/またはビームスプリッターと像面との間において(機能的に必要な)リターダとして用いられうる。
前記およびその他の特徴は、前記説明および図面と特許請求の範囲とに示されており、個別の特徴は、本発明の実施例の場合およびその他の分野において、いずれの場合も単独で実施されるか、またはいくつかの特徴が一部組合せ形態で実施されうるとともに、それ自体が保護されうる有利な設計を構成しうる。
まず最初に、4分の1波長プレートの例示的な実施例をフッ化マグネシウムにより製作される設計と比較して用いて本発明をより詳細に説明する。
157nmの波長用の0次の4分の1波長プレートは、10nm/cmのリターデーションのフッ化カルシウムにより製作される場合は、39mmの厚さを、25nm/cmのリターデーションのフッ化バリウムにより製作される場合は、15.7mmの厚さを有する。材料チャージによりリターデーションに偏差−たとえば製造により引き起こされるひずみ複屈折による−がある場合は、必要な厚さは、リターデーションの偏差に比例して変化する。このような厚さのプレートは、マイクロリソグラフィー光学においては現在のところ約300mmまでの一般的な寸法のレンズを用いて製造されうる。これらのプレートは、レンズ用の既存の技術を用いて取付けまたは支持されうる。
フッ化マグネシウムにより製作される157nm用の対応する0次の4分の1波長プレートは、わずか5.5μmの厚さを有する。(特許文献5参照)。安定な支持の問題は、たとえばビームスプリッターのプリズム等のより厚い素子に密着させることによって解決されうる。しかしながら、依然として、このような肉薄の結晶プレートを100mmを超える直径を有して製造するという問題がある(特許文献3参照)。20次の4分の1波長プレートもまた、約0.22mmの厚さしか持たない。厚さの変動による正確な4分の1波長リターデーションからの偏差は、0次以上の次数のプレートの場合に全く同じ関係を持つ。その結果として、フッ化マグネシウムの場合には、わずか0.5μmの厚さ偏差は、使用不能な約20%の位相偏差を伴なう。
フッ化カルシウムにより製作される本発明の0次のリターデーションプレートの場合は、2%の位相誤差は、同様に同じく2%の厚さ誤差に対応する。しかしながら、この2%は、厚さが39mmであるため、0.8mmである。光学素子の通常の製造は、はるかに精密であり、したがって前記厚さは製造においていかなる問題も全く構成しない。約半分の厚さのフッ化バリウムにより製作される4分の1波長プレートの場合も同じである。したがって、より高次のプレートの利用を本明細書において記述する必要は全くないが、こうしたプレートも当然ながら可能である。
この許容可能な厚さ許容範囲により、リターデーションプレートの端面を屈折または回折作用を有する機能面として加工処理する可能性が得られる。光の伝搬は、リターデーションプレートの内部において大体において軸方向(すなわち実質的に<110>に対して平行)に行なわれるべきであるため、射出面は、前記目的に適することが好ましい。
0.2の開口角(開口数)の正弦まで、直線偏光度の損失は、フッ化カルシウムにより製作される157nmの2分の1波長プレートにおいては2%未満であり、0.15の開口数まで依然として0.1%未満に維持される。
フッ化マグネシウムにより製作される0次の2分の1波長プレートは、確かに0.4までの開口数において均一な品質を可能にする。しかし、より高次のプレートにおいては、受光角は急速に減少して、20次の2分の1波長プレートでは、わずか0.1の開口数となる。
よって、フッ化マグネシウムの場合とは対照的に、本発明のリターデーションプレート材料では、実際により大きな受光角が得られる。これらの角度の場合には、その他の主軸に関して偏差を有するとともに特にレンズの場合に不利となりうる複屈折特性によって、方位角全体にわたって大部分において変動する複屈折もまた依然としていかなる役割も果たさない。
従来の光学設計、特にマイクロリソグラフィーにおける照明系および投影対物レンズにおいては、センチメートル単位の厚さの平面プレートではなしに、ミリメートル単位の厚さの個別プレートがリターデーションプレートに用いられるか、またはリターデーションプレートがビームスプリッターのプリズム等の上において無視できる程度に薄い層として設けられる。しかし、ビーム角が前記の範囲内にあるこれらの設計の全ての分野において、センチメートル単位の厚さの平面プレートは、当業者が容易に行ないうる補正を伴なって前記設計に容易に取り入れられうる。この作業においては、前記のように、端面をある程度まで機能または補正手段として利用することもできるという事実が当業者の役に立つ。
本出願人の欧州特許第1 102 100A号に、ビーム路が大体において平行になる立方体形偏光ビームスプリッターを有するマイクロリソグラフィー用カタジオプトリック投影対物レンズが示されている。このビームスプリッターと凹面鏡との間には、4分の1波長プレートが必要とされる。本発明にしたがった肉厚プレートとして、該プレートは、凹面鏡の前の厚い実質的に平凸のレンズから分離され、かつ除去され得、さらにまた同時に157nmの波長用のプレートも除去されうる。
図1を用いて、2回透過形λ/4リターダの形態をとるリターデーション素子17が、ビームスプリッター15と凹面鏡16との間において配置される場合のカタジオプトリック投影対物レンズのまた他の実施例を説明する。これは、凹面鏡に近接して配置され、かつ全体としてメニスカスの形状を有するとともに負の屈折力を有する<110>配向のフッ化カルシウム結晶により製作されるレンズである。瞳孔に近接して配置されるこの負レンズ17は、2つの機能を有する。一方では、光学レンズとして、凹面鏡16とともに投影対物レンズの色補正を支持する。同時に、前記レンズは、瞳孔全体にわたって大体において一定であるか、またはわずかしか変動しないリターデーション効果を有するλ/4リターデーション素子として作用する。瞳孔全体にわたって大体において一定なリターデーション分布は、リターデーション素子の(z方向における)(軸方向の)厚さdが光軸からの半径方向の距離xの関数として最適化されて、ビームとリターデーション素子の光軸または前記光軸に対して平行に伸びる<110>方向との間における角度αinが大きいほど、光の入射と光の射出との間におけるリターデーション素子の内部での光線の光路が長くなるようにした場合に常に達成されうることがわかった。理想的には、<110>方向から逸脱する場合の固有複屈折の放物線状の減少が、厚さの増大によって大体または完全に補償されるように調整する。
ビームスプリッター15は、1個以上の偏向鏡を有する幾何学的ビームスプリッターまたは偏光選択的に作用するビームスプリッター面を有する物理的ビームスプリッターであってもよい。
リターデーション素子17の中心におけるビーム18の束を考慮して、リターデーション素子の中心部分における理想的な曲率を見つける。この条件は、材料内における光路長がλ/4である全てのビームに関して設定されうる。これにより、下式によって二次元空間において定義される面が規定される。
X=(λ/4*sin(αin)/Δn(αin
Z≡d(x)=(λ/4*cos(αin)/Δn(αin
ここで、Δnは、リターデーション素子を取り巻く媒質(一般に空気)とリターデーション素子の材料との間における屈折率の差であり、αinは、光軸または<110>軸とそれぞれの考慮対象のビーム18との間における角度であり、d(x)は、リターデーション素子の半径xの関数としての厚さである。この計算により、光学的な理由により理想的な、入射面と射出面との曲率を考慮に入れて、負メニスカスレンズ17の場合に略実施される、リターデーション素子の半径方向の厚さの幾分放物線状の形状が得られる。
結果的に得られたレンズ厚さが好ましくないと考えられる場合は、全体としての厚さがたとえば上式にしたがって判断されうる複数個のリターデーションレンズまたはリターデーションレンズとリターデーションプレートとを組み合わせたもの全体にわたってリターデーションを分配することも可能である(図2参照)。
本発明の前記態様を最適に利用するためには、組合せレンズ/リターデーション素子は、ある領域内において可能な限り小さい入射角を有して配置されるべきである。理想的には、空気中における最大入射角は、約39°以下であるべきであり、その理由は、さもなければ、結晶方向の関数として結晶学的に誘導されるリターデーションの4光波特性が顕著になりうるためである。角度αinが小さくなるほどレンズの曲率が小さくなることも同様に好ましい。レンズ厚さの合計は、前記材料によって構成されるλ/4リターデーション素子の対応する厚さに略対応するべきである。全体としての厚さを少し補正してリターデーション効果を調整することが有利かもしれない。たとえば、リターデーション効果が中央ビームより縁部ビームに関してより正確に設定されると、より好ましいかもしれない。このことは、リターデーション素子を介した2回の透過後の強度分布の均一化につながりうる。
本発明の前記態様は、さらにまた、判断される理想的な全体厚さが過大または過小である場合に補正策をとることを可能にする。たとえば、略同じ厚さの2個の<110>カットレンズを<110>軸に関して互いに対して45°だけ回転させると、リターデーションを減衰させることができる。全体としての厚さが小さすぎる場合は、たとえば、<110>配向の材料により製作される追加の平行平面プレートを配設することができる。この場合は、特に、ビームの角度が大きすぎないことを確認しなければならない。
立方体形ビームスプリッターの形態をとる偏光選択性ビームスプリッター20を有するカタジオプトリック投影対物レンズの実施例を図2を用いて説明する。この実施例において、λ/4リターダとして作用する偏光回転方向23は、ビームスプリッター20と凹面鏡21との間において配置される。多部品設計のリターデーション素子23は、いずれも1個の<110>配向のフッ化カルシウム結晶によって構成される2個の負メニスカスレンズ24、25からなる。これらのレンズの全体としての軸方向の厚さは、軸に近接する中心部分において、λ/4リターデーションプレートの対応する厚さ(たとえば、動作波長を157nmとすると、フッ化カルシウムの場合は約36mm)に対応するとともに、半径方向に放物線状に増大して、瞳孔の領域内において配置されるレンズ24、25のレンズ断面全体にわたってリターデーション効果を均一化する。
この投影対物レンズは、円偏光の入射光を用いて動作するように設計されており、物体平面26とビームスプリッター20との間において、前記入射光をビームスプリッター面28に関してs偏光に変換するλ/4プレート47を有する。このプレート27は、たとえば<110>配向のフッ化カルシウムによって構成されうる。光は、2個のレンズ24、25を透過するとともに、該レンズのリターデーション効果により円偏光に変換され、該円偏光は、凹面鏡21により反射されて、リターデーション装置23を再び通過して戻る。リターデーションレンズ24、25を再度通過した後に、光は、ビームスプリッター層28に関してp偏光されて、光を物体平面の方向に偏向させる偏向鏡29の方向に損失を伴なうことなしに該層を透過する。このことから、たとえば、このような装置にビーム偏向素子20と凹面鏡との間において機能的に必要とされるλ/4リターダは、適切なリターデーション効果を有する1個以上のレンズによって形成されうることがわかる。したがって、ビームスプリッターと凹面鏡との間において従来的に必要とされたλ/4プレートは、排除されうる。
引用文献も本出願全体の一部分をなすことが意図される。固有複屈折は、157nm近辺において特に高いため、本発明は、157nmおよび157nm近辺において特に有利であるが、本発明は、193nmのマイクロリソグラフィー装置およびその他の装置、たとえば検査装置にも適切に応用される。
負の屈折力を有するメニスカス形リターデーション素子の実施例がビームスプリッター面と凹面鏡との間において配置される場合のカタジオプトリック投影対物レンズの断面図である。 物理的ビームスプリッターを有する対物レンズのカタジオプトリック対物レンズ部分の略図である。
符号の説明
15、20 ビームスプリッター
16、21 凹面鏡
17、24、25 リターデーション素子
18 ビーム
26 物体平面
27 プレート

Claims (19)

  1. 特にマイクロリソグラフィー投影露光装置のリターデーション素子において、フッ化カルシウム結晶またはフッ化バリウム結晶によって構成されるとともに、光軸が略<110>結晶軸または該結晶軸と同等の主結晶軸の方向を向くリターデーション素子。
  2. 特に0次のリターデーションプレート、特にλ/2プレートまたはλ/4プレートである請求項1に記載のリターデーション素子。
  3. リターデーションプレートであり、かつ最大2%かつ/または最大1mmの厚さ変動を有する請求項1または2の1項に記載のリターデーション素子。
  4. リターデーションプレートであり、かつ少なくとも一方の端面、特に光射出面が屈折的または回折的に作用する構造または形状を備える前記請求項の1項に記載のリターデーション素子。
  5. 50〜300mmの範囲内の直径を有する前記請求項の1項に記載のリターデーション素子。
  6. 無応力的態様に取り付けられる前記請求項の1項に記載のリターデーション素子。
  7. 正または負の屈折力を有するレンズ素子(17、24、25)として、好ましくは特に負の屈折力を有するメニスカス形レンズとして設計される請求項1、5または6の1項に記載のリターデーション素子。
  8. 2個の光学面を有しており、前記光学面の形状とリターデーション素子(17)の配設位置とは、透過ビームと該リターデーション素子の光軸との間における角度が大きくなるほど、該リターデーション素子の内部におけるビーム(18)の光路が前記光学面間において長くなるように互いに調整される前記請求項の1項に記載のリターデーション素子。
  9. 固有複屈折を有する立体晶材料により製作されるレンズ(17)であり、半径の関数として、厚さは、半径方向に厚さが増大する略放物線状の形状を有する前記請求項の1項に記載のリターデーション素子。
  10. 特にマイクロリソグラフィー投影露光装置のカタジオプトリック投影対物レンズにおいて、請求項1〜9の1項に記載の少なくとも1個のリターデーション素子を有するカタジオプトリック投影対物レンズ。
  11. 投影対物レンズの物体平面に配置されるパターンを該投影対物レンズの像面に結像させるカタジオプトリック投影対物レンズにおいて、前記物体平面と前記像面との間において、凹面鏡(16、21)とビームスプリッター面を有するビームスプリッター(15、20)とを有するカタジオプトリック対物レンズ部が配置され、λ/4プレートの作用を有するリターデーション装置(17、23)が、前記ビームスプリッター面と前記凹面鏡との間において配置され、前記リターデーション装置は、レンズとして設計されるとともに固有複屈折を有する、特にフッ化カルシウム結晶またはフッ化バリウム結晶により製作される立方晶材料により構成される少なくとも1個のリターデーション素子(17、24、25)を有し、前記リターデーション素子の光軸は、略前記結晶の<110>結晶軸の方向に整合するカタジオプトリック投影対物レンズ。
  12. 少なくとも1個のリターデーション素子(17、24、25)は、特に負の屈折力を有するメニスカス形レンズとして設計される請求項11に記載の投影対物レンズ。
  13. 少なくとも1個のリターデーション素子(17、24、25)は、2個の光学面を有し、前記光学面の形状と前記リターデーション素子の配設位置とは、透過ビームと前記リターデーション素子の光軸との間における角度が大きくなるほど、前記リターデーション素子の内部におけるビームの光路が前記光学面間において長くなるように互いに調整される請求項11または12の1項に記載の投影対物レンズ。
  14. 半径の関数として、前記リターデーション素子(17、24、25)の全厚さが、半径方向に厚さが増大する略放物線状の形状を有する請求項11〜13の1項に記載の投影対物レンズ。
  15. 前記リターデーション装置(17、23)は、投影対物レンズの瞳孔面に近接して、特に前記凹面鏡(16、21)に近接して配置される請求項11〜14の1項に記載の投影対物レンズ。
  16. いかなるλ/4プレートも前記ビームスプリッターと前記凹面鏡(16、21)との間において配置されない請求項11〜15の1項に記載の投影対物レンズ。
  17. 照明系とパターンを有するマスクを感光性基板上に結像させる投影対物レンズとからなり、請求項1〜9の1項に記載の少なくとも1個のリターデーション素子を有するマイクロリソグラフィー投影露光装置。
  18. 前記照明系は、請求項1〜9の1項に記載のリターデーション素子を有する請求項17に記載のマイクロリソグラフィー投影露光装置。
  19. 請求項17または18に記載のマイクロリソグラフィー投影露光装置を用いて半導体構成部品を製造する方法。

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