JP2006001925A - 3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法 - Google Patents

3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法 Download PDF

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英雄 宮田
Masatoshi Murakami
正敏 村上
Katsutoshi Ono
勝俊 大野
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Abstract

【課題】医薬、農薬、その他有機化合物の原料、中間体として有用な3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの工業的に有利な製造方法を提供する。
【解決手段】3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法は、下記式(1)
【化1】
Figure 2006001925

(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で示される2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物とを有機
溶媒の存在下で接触させて、還元および脱フッ素化を行い3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールを製造する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬、農薬、その他有機化合物の原料、中間体として有用な3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの新規な製造方法に関する。
3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールは医薬、農薬、その他有機化合物の原料、中間体として有用な化合物である。その製造方法としては、例えば2,3,4,5−テトラ
フルオロ安息香酸を水素化リチウムアルミニウムで脱フッ素化する方法(非特許文献1参照)や2,3,4,5−テトラフルオロベンジルアルコールを水素化リチウムアルミニウム
で脱フッ素化する方法(非特許文献2参照)などが開示されている。
しかしながら、前者の場合、使用する水素化リチウムアルミニウムの使用量が原料1モルに対して2.5モル以上であり多量であること、また、脱離するフッ素基の選択性が低いという問題がある。また、後者の場合、水素化リチウムアルミニウムの使用量は原料1モルに対して1.0モルであるが、反応時間が非常に長く、生産性が極めて低いため、工業的に実施する場合有利な方法ではない。
Zh.Org.Khim.,14(1978)100 HETEROCYCLES,Vol.31,No.1,1990
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、使用する金属水素化物の使用量が少なく、また、短時間かつ高選択率で反応を行うことができる工業的に有用な、3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法を提供することを課題とする。
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、原料として核フッ素化芳香族エステル化合物を用いることにより達成できることを見出し、かかる知見に基いて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の1〜4の事項を含む。
〔1〕 下記式(1)
Figure 2006001925
(式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
で示される2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物とを有機
溶媒の存在下で接触させ、還元および脱フッ素化を行うことを特徴とする3,4,5−トリ
フルオロベンジルアルコールの製造方法。
〔2〕 金属水素化物の添加量が、2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物
1モルに対して0.5〜2.0モルである〔1〕の3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
〔3] 金属水素化物が、水素化リチウムアルミニウムである〔1〕または〔2〕の3,
4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
〔4〕 2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物との接触を
30〜60℃で行う〔1〕ないし〔3〕の3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
本発明の製造方法は、医薬、農薬、その他有機化合物の原料、中間体として用いられる3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールを工業的に有利な方法で製造できる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明では、2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物とを
、有機溶媒中で接触させることにより、3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールを製造している。
本発明において原料として用いられる2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化
合物は、下記式(1)で示される。
Figure 2006001925
式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基であり、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、オクチル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基が好ましい。
原料となる上記2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物は公知の方法(例
えば、テトラザールを原料としてフッ素化、脱炭酸を伴うエステル化など)により合成できる。
本発明で用いられる金属水素化物は金属と水素の化合物であり、具体例としては、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム等が挙げられる。
本発明で使用する金属水素化物の量は、水素の数に対応して決められるが2,3,4,5
−テトラフルオロ芳香族エステル化合物1モルに対し0.5〜2.0モルの範囲であるこ
とが好ましい。金属水素化物の使用量が0.5モル未満では反応の進行が途中で停止してしまう。一方、2.0を超えると脱フッ素化反応の選択性が低下するので好ましくない。
2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物とを接触させる際
には、各成分を一括または逐次に反応器に投入することができるが、最終的に上記の比率となるように各成分を反応器に投入する。
本発明で使用される有機溶媒としては、飽和脂肪族または脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族または脂環式炭化水素のエーテルなどが挙げられる。飽和脂肪族または脂環式炭化水素の具体例としては、n−ヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン等が挙げられる。芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。脂肪族または脂環式炭化水素のエーテルの例としては、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル−ターシャリーブチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチルブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等を挙げることができる。
これらの有機溶媒は、単独で使用することもできるし、2種以上の混合溶媒として使用することもできる。有機溶媒の使用量は2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化
合物に対して、0.5〜30質量倍が好ましく、更に好ましくは1〜20質量倍である。
2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物との接触時(反応
時)の温度としては30〜70℃が好ましい。反応温度が30℃未満では、脱フッ素化反応が非常に遅くなる。一方、70℃を超えると、脱フッ素化反応の選択率が低下する傾向がある(実施例3参照)。
反応時間は特に限定されないが、通常0.5〜20時間、好ましくは2〜10時間であ
る。
生成した3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールは、反応後の液から抽出、濃縮、蒸留等の通常の単離方法を用いて取得することができる。
[実施例]
以下に実施例により本発明を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
実施例1
温度計、攪拌装置、窒素導入管および還流冷却管を取り付けた1Lフラスコに、脱水テトラヒドロフラン 270gを投入し、氷水にて冷却した。次いで、水素化リチウムアル
ミニウム粉末 11.4g(570ミリモル)を少量ずつ投入した。氷冷しながら攪拌し
、水素化リチウムアルミニウムを良く分散させた後、2,3,4,5−テトラフルオロ安息
香酸エチル 66.7g(300ミリモル)を約2時間かけて滴下した。滴下終了後、反
応系内を50℃へ昇温し、この温度を維持しながら5時間反応を行った。反応系を再度氷冷し、水 150gを約1時間かけて系内に滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。反応
液を濾過し、濾液にトルエン 100gを投入して抽出分離し、有機層を得た。水層にさ
らにトルエン 100gを投入し、抽出分離した有機層と、先に分離した有機層を混合し
て飽和食塩水 50gで洗浄した。この有機層をガスクロマトグラフィー内部標準法で分
析したところ、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチルの転化率は98%であり、
3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの収率は94%であった。
実施例2
温度計、攪拌装置、窒素導入管および還流冷却管を取り付けた1Lフラスコに、脱水テトラヒドロフラン 270gを投入し、氷水にて冷却した。次いで、水素化リチウムアル
ミニウム粉末 10.3g(542ミリモル)を少量ずつ投入した。氷冷しながら攪拌し
、水素化リチウムアルミニウムを良く分散させた後、2,3,4,5−テトラフルオロ安息
香酸エチル 66.7gを約2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応系内を60℃へ昇
温し、この温度を維持しながら5時間反応を行った。反応系を再度氷冷し、水 150g
を約1時間かけて系内に滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液にトルエン 100gを投入して抽出分離し、有機層を得た。水層にさらにトルエン 100gを投入し、抽出分離した有機層と、先に分離した有機層を混合して飽和食塩水 50g
で洗浄した。この有機層をガスクロマトグラフィー内部標準法で分析したところ、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチルの転化率は99%であり、3,4,5−トリフルオ
ロベンジルアルコールの収率は92%であった。
実施例3
温度計、攪拌装置、窒素導入管および還流冷却管を取り付けた1Lフラスコに、脱水ジ−n−ブチルエーテル 270gを投入し、氷水にて冷却した。次いで、水素化リチウム
アルミニウム粉末 11.4gを少量ずつ投入した。氷冷しながら攪拌し、水素化リチウ
ムアルミニウムを良く分散させた後、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸エチル 66.7gを約2時間かけて滴下した。滴下終了後、反応系内を80℃へ昇温し、この温度を維持しながら5時間反応を行った。反応系を再度氷冷し、水 150gを約1時間かけて
系内に滴下し、さらに室温で1時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液にトルエン 100
gを投入して抽出分離し、有機層を得た。水層にさらにトルエン 100gを投入し、抽
出分離した有機層と、先に分離した有機層を混合して飽和食塩水 50gで洗浄した。こ
の有機層をガスクロマトグラフィー内部標準法で分析したところ、2,3,4,5−テトラ
フルオロ安息香酸エチルの転化率は99%であり、3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの収率は81%であった。

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2006001925
    (式中、Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
    で示される2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物とを有機
    溶媒の存在下で接触させ、還元および脱フッ素化を行うことを特徴とする3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
  2. 金属水素化物の添加量が、2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物1モル
    に対して0.5〜2.0モルである請求項1に記載の3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
  3. 金属水素化物が、水素化リチウムアルミニウムである請求項1または請求項2に記載の3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
  4. 2,3,4,5−テトラフルオロ芳香族エステル化合物と金属水素化物との接触を30〜
    60℃で行う請求項1ないし3に記載の3,4,5−トリフルオロベンジルアルコールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007211001A (ja) * 2006-01-10 2007-08-23 Sumitomo Chemical Co Ltd ハロゲン置換ベンゼンジメタノールの製造法

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