JP2006010176A - 車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御 - Google Patents

車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御 Download PDF

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Abstract

【課題】車両熱害の影響を克服して高精度で信頼性の高い冷媒漏れ検知が可能となる車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御を提供すること。
【解決手段】圧縮機で圧縮した冷媒が閉回路の冷凍サイクル内を循環して空調を行う車両用空調装置の冷媒漏れを外気温度及び圧縮機の運転状況をパラメータとして判定する車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御において、車両の走行状態に応じて外気温度の検出値または閾値を補正する。
【選択図】図1


Description

本発明は、車両用空調装置を構成する冷凍サイクル内の冷媒量を監視する車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御に関するものである。
従来より、車室内の冷暖房及び除湿を行って快適な車室内環境を提供する車両用空調装置が知られている。このような車両用空調装置は、車両走行用内燃機関の出力の一部を利用して運転される圧縮機と、車室外の空気(室外気)と熱交換を行ってガス冷媒を凝縮させる凝縮器と、液冷媒を減圧する膨張弁と、車室外または車室内から導入した空気と熱交換を行って液冷媒を気化させる蒸発器とが冷媒配管で連結されてなる閉回路の冷凍サイクルを備えている。なお、上述した蒸発器は空気から気化熱を奪う機能を有しており、通常HVAC(Heating, Ventilation, and Air-Conditioning)ユニット内に暖房用の加熱源となるヒータコアと共に設置され、導入した空気(室内気または室外気)の冷却及び除湿を行うものである。
このような車両用空調装置においては、冷凍サイクル内に充填されている冷媒量が漏洩等により規定量以下に減少すると、十分な冷却能力が得られなくなって空調性能に問題が生じることとなる。さらに、上述した冷凍サイクルにおいては冷媒とともに圧縮機の潤滑油も循環しているため、冷媒量が規定量以下に減少することは潤滑油の循環量も減少することとなり、高速で回転する圧縮機を保護するためには好ましいことではない。
このように、車両用空調装置等を構成する冷凍サイクルにおいて冷媒量が規定値以下に減少すると、その冷却性能や圧縮機保護等に問題が生じてくるため、従来より冷媒量を監視することが行われている。
上述した冷媒量を監視する従来技術として、外気温センサの検出値と高圧センサの検出値と相対関係記憶手段に記憶されている相対関係から冷媒の過不足をチェックし、このチェック結果を以前のチェック結果と比較することにより冷媒減少傾向の有無を判定するようにした冷凍ユニットにおける冷媒の漏洩診断装置が提案されている。(たとえば、特許文献1参照)
また、低圧圧力及び圧縮機の回転数を検出し、コントローラにおいて両検出値がともに所定レベル以下の場合に冷媒不足状態と判定するようにした車両用冷凍装置の冷媒不足検出装置が提案されている。(たとえば、特許文献2参照)
特開平6−123529号公報 特開平4−257675号公報
ところで、外気温度と圧縮機作動時の高圧圧力を検出して冷媒漏れを判断する車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御においては、外気温度センサの検出値が車両走行状態の影響を受けやすいという問題がある。具体的に説明すると、外気温度センサは、たとえば車両前部のバンパ後方等のように、車両走行用の内燃機関や排気管等から排出される熱による車両熱害の影響を受けやすい位置に設置されることが多いため、特に停車中や低速走行時においては実際の外気温度より高めの検出温度となって検出精度が問題となる。すなわち、冷媒漏れ検知を行う一方の検出値である外気温度に問題があると、冷媒漏れ検知の精度や信頼性にも影響して誤検知の原因となる不都合が生じてくる。
このような背景から、外気温センサにおける車両熱害の影響を克服し、高精度で信頼性の高い冷媒漏れ検知が可能となる車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御を開発することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両熱害の影響を克服して高精度で信頼性の高い冷媒漏れ検知が可能となる車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
請求項1に記載の車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御は、圧縮機で圧縮した冷媒が閉回路の冷凍サイクル内を循環して空調を行う車両用空調装置の冷媒漏れを外気温度及び前記圧縮機の運転状況をパラメータとして判定する車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御において、車両の走行状態に応じて前記外気温度の検出値または閾値を補正することを特徴とするものである。
この場合、前記圧縮機の運転状況は、前記冷凍サイクルの高圧ラインにおける冷媒圧力検出値であることが好ましい。
上述した本発明の車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御によれば、車両の走行状態に応じて外気温度の検出値または閾値を補正するようにしたので、冷媒漏れ検知を行う際には、停車時や低・中速走行時における車両熱害の影響を最小限にして正確な外気温検出に基づく判定を行うことができる。すなわち、車両の走行状態に応じて見込まれる車両熱害の影響を考慮し、外気温度センサの検知温度に直接反映させる補正(検出値を下げる方向の補正)を行ってもよいし、あるいは、冷媒漏れを判断する外気温度の制御閾値に反映させる補正(制御閾値を上げる方向の補正)を行うようにしてもよい。
なお、上述した圧縮機の運転状況については、冷凍サイクルの高圧ラインにおける冷媒圧力検出値(いわゆる、高圧)の他にも、冷凍サイクルの低圧ラインにおける冷媒圧力検出値(いわゆる、「低圧」)や圧縮機の回転数であってもよい。
上述した本発明の車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御によれば、車両の走行状態に応じて外気温度の検出値または閾値を補正し、停車時や低・中速走行時における車両熱害の影響を最小限に抑えて正確な外気温検出に基づく冷媒漏れ検知の判定を行うことができるので、車両熱害の影響を克服して高精度で信頼性の高い冷媒漏れ検知が可能になるという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係る車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2は車両用空調装置の冷凍サイクルを示す構成図である。この冷凍サイクル10は、車両走行用の駆動源である内燃機関(図示省略)の出力の一部を利用して運転される圧縮機1と、車室外の空気(以下、「室外気」と呼ぶ)と熱交換を行ってガス冷媒を凝縮させるコンデンサ(凝縮器)2と、液冷媒を減圧する膨張弁3と、車室外から導入した室外気または車室内から導入した空気(以下、「室内気」と呼ぶ)と熱交換を行って液冷媒を気化させるエバポレータ(蒸発器)4とが冷媒配管5で連結されて閉回路の冷媒循環流路を形成したものである。
冷媒配管5の吐出側となる高圧ラインには、圧縮機1で圧縮されたガス冷媒の圧力(以下、「高圧」と呼ぶ)を検出する圧力センサ6が設けられている。また、たとえば車体前部バンパの下方など車両の適所には、室外気の温度を検出する外気温センサ7が設けられている。
これらの圧力センサ6及び外気温センサ7で検出した高圧及び外気温は、車両用空調装置の各種運転制御を行う制御部8に入力される。また、この制御部8には、車両の走行状態の情報として、車速センサ9で検出した車速が入力される。
さて、冷凍サイクル10に充填されて状態変化を繰り返しながら図中の矢印方向に循環する冷媒量について、漏洩により規定量以下に減少しているか否かを判断する冷媒漏れ検知制御は、たとえば図1(a)に示す制御マップに基づいて行われる。
この制御マップは、横軸の外気温度(To)と縦軸の高圧圧力(Ph)とをパラメータとし、圧力センサ6及び外気温センサ7で検出した高圧及び外気温が、判定ラインLで区分される上側の通常領域または下側の冷媒漏れ領域のいずれに属しているかによって冷媒漏れの有無を判断するものである。なお、冷媒漏れ検知制御を判定する制御マップについては、図1(a)に示したものに限定されることはなく、諸条件に応じて適宜変更することが可能である。
ここで具体例に基づいて説明すると、図1(a)において、圧力センサ6で検出した高圧圧力PhがP2となり、外気温センサ7で検出した外気温Toがt1となる検出点Q1は、判定ラインLより上方の通常領域に属しているから、冷凍サイクル10内には規定の冷媒量が存在していると判断される。しかし、圧力センサ6で検出した高圧圧力PhがP1となり、外気温センサ7で検出した外気温Toがt2となる検出点Q2は、判定ラインLより下方の冷媒漏れ領域に属しているから、冷媒の漏洩により冷凍サイクル10内の冷媒量が規定量以下に減少していると判断される。
本発明においては、上述した冷媒漏れ検知制御に加えて、車両の走行状態に応じて外気温度Toの検出値または閾値(判定ラインLの外気温度To)の補正を実施する。
以下、この補正を具体的に説明する。図1(b)は閾値を補正する例を示したもので、車両の運転状態に応じて予め定めた補正値Δtを外気温度Toに加えた判定ラインL1の上側を通常量域とし、下側を冷媒漏れ領域として判断する。この場合の補正値Δtは、車速センサ9で検出した車両の走行速度に応じて、予め定めた値(温度)が採用される。この補正値Δtは、車両走行速度が小さいほど大きく、かつ、車両が高速で走行している場合ほど小さく設定される。
ここで補正値Δtの具体例を示すと、たとえば車速Vが0Km/hとなる車両のアイドリング停車時にはΔt=10℃と設定し、低車速時(0<V≦20Km/h)にはΔt=5℃、中車速時(20Km/h<V≦60Km/h)にはΔt=3℃、高車速時(60Km/h<V)にはΔt=0℃とする。これは、車両が停止または低車速で走行している場合ほど車両熱害の影響を大きく受けて外気温センサ7の検出値が実際の外気温より高い温度を検出するためである。なお、高車速時には、高速の走行風が流入するため車両熱害の影響はほとんどなく、従って、正確な外気温Toを検出できるため補正値Δtは不要である。
このような補正を行うことにより、冷媒漏洩の有無を判断する閾値は、補正無しの判定ラインLから補正値Δtだけ高温側(白抜矢印方向)に平行移動した判定ラインL1となる。すなわち、判定ラインL1を使用することにより、冷媒漏洩を判断する閾値は、たとえば高圧圧力P1では外気温度(To+Δt)となるので、実質的には車両熱害による温度上昇分だけ閾値がかさ上げされたことになる。換言すれば、車速センサ9が車速V=0を検出した車両のアイドリング停車時には、たとえば補正値Δt=10℃だけ高温側に平行移動した判定ラインL1を使用し、車速センサ9の検出値が低車速時にはΔt=5℃だけ高温側に平行移動した判定ラインL1を使用するというように、車速の区分と同数の判定ラインが存在することとなる。
ところで、ここでは車速センサ9で検出した車速をV=0の停車から60Km/h以上の高車速時まで4段階の区分としたが、この区分数に限定されることはなく、外気温センサ7の設置位置等により異なる車両熱害の影響を考慮して車速領域をさらに細かく区分することで区分数を増やすなど、適宜変更することが可能である。なお、上述した領域区分の他にも、車速センサ9で検出した車速と補正値Δtとの関係を示す数式を定め、低車速領域から補正が不要となる高車速領域に到達するまでの領域で無断階の補正を行うなど、種々の変形例が可能である。
また、上述した説明では、検出した外気温度Toはそのまま使用し、判定ラインを平行移動することで閾値をかさ上げする補正を行って複数の判定ラインから冷媒の漏洩を判断していたが、検出した外気温度Toから車両熱害の補正値Δtを差し引く検出値の直接補正を行い、ひとつの判定ラインLをそのまま使用するようにしてもよい。
また、図3(a)、(b)に示す本発明の変形例では、外気温センサ7で検出した外気温度Toの検出値に応じて閾値のかさ上げ温度(補正値Δt)を段階的に定める外気温度対応制御マップと、車速センサ9で検出した車速Vに応じて閾値のかさ上げ温度(補正値Δt)を段階的に定める車速対応制御マップとを用意し、両制御マップから得られた補正値Δtのいずれか大きい方を実際に使用する補正値として選択するようにしてもよい。なお、ここに示した外気温度、車速及び閾値かさ上げ温度の具体例については、その段数を含め諸条件に応じて適宜変更である。
上述した外気温度対応制御マップ(図3(a)参照)は、外気温度Toの検出値が高いほど大きな補正値Δtを採用するように設定されている。すなわち、車両熱害を受けて高い温度を検出したと推測される場合において、測定誤差をなくすように大きな補正を行うことができるようになっている。
また、車速対応制御マップ(図3(b)参照)では、車速Vが大きいほど小さな補正値Δtを採用するように設定されている。すなわち、具体的な補正値や速度領域の区分は異なるものの、車両の走行状態に応じて補正値を定めるという上述した記載内容について、制御マップ化して示したものである。
このように、外気温度及び車速に対応した制御マップを定めておき、両制御マップから得られる補正値が異なる場合には、大きな値となるいずれか一方の補正値をΔtとして採用するようにしたので、車両熱害に対するよりいっそうきめ細かい補正が可能となる。
上述した車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御を行うことにより、車両の走行状態に応じて外気温度Toの検出値を直接補正するか、あるいは、判定用の閾値を補正するようにしたので、冷媒漏れ検知を行う際には、車両熱害の影響が大きい停車時や低速走行時の補正値Δtを大きく設定することにより、車両熱害の影響を最小限にして正確な外気温検出に基づく判定を行うことができる。すなわち、車両の走行状態に応じて見込まれる車両熱害の影響を考慮した補正値Δtを外気温度センサ7の検知温度に直接反映させる補正(検出値を下げる方向の補正)を行ってもよいし、あるいは、冷媒漏れを判断する外気温度の制御閾値(判定ラインL)に補正値Δtを反映させる補正(制御閾値を上げる方向の補正)を行うようにしてもよい。
このような冷媒漏れ検知制御により、車両の走行状態(車速)に応じて外気温度の検出値または判断の閾値を補正し、停車時や低速走行時における車両熱害の影響を最小限に抑えて正確な外気温検出に基づく冷媒漏れ検知の判定を行うことができるので、車両熱害の影響を克服して高精度で信頼性の高い冷媒漏れ検知が可能になる。従って、車両用空調装置の冷凍サイクル10においては、冷媒漏洩により冷媒量が規定値以下に減少したことを確実かつ正確に認識することができるので、冷媒不足による冷却能力の低下や圧縮機1の潤滑油不足に対し迅速な対応が可能となる。
ところで、上述した圧縮機1の運転状況については、冷凍サイクル10の高圧ラインにおける冷媒圧力検出値(高圧)に限定されることはなく、たとえば冷凍サイクル10における低圧ライン(圧縮機1の吸込側)における冷媒圧力検出値(低圧)や圧縮機1の回転数であってもよい。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御の一実施形態を示す制御マップであり、(a)は補正無しの場合、(b)は車両の走行状態に応じて外気温度の閾値を補正した場合である。 車両用空調装置に使用される冷凍サイクルの構成図である。 本発明の変形例に係る図で、(a)は外気温センサで検出した外気温度Toの検出値に応じて閾値のかさ上げ温度を段階的に定める外気温度対応制御マップ、(b)は車速センサで検出した車速Vに応じて閾値のかさ上げ温度を段階的に定める車速対応制御マップである。
符号の説明
1 圧縮機
2 コンデンサ
3 膨張弁
4 エバポレータ
5 冷媒配管
6 圧力センサ
7 外気温センサ
8 制御部
9 車速センサ
10 冷凍サイクル

Claims (2)

  1. 圧縮機で圧縮した冷媒が閉回路の冷凍サイクル内を循環して空調を行う車両用空調装置の冷媒漏れを外気温度及び前記圧縮機の運転状況をパラメータとして判定する車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御において、
    車両の走行状態に応じて前記外気温度の検出値または閾値を補正することを特徴とする車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御。
  2. 前記圧縮機の運転状況が、前記冷凍サイクルの高圧ラインにおける冷媒圧力検出値であることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置の冷媒漏れ検知制御。
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