JP2006010600A - 歯車の歯折れ強度試験方法及び歯折れ強度試験治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般的な強度試験機を用いて効率良く試験を行え、また、試験歯車がはすば歯車であっても安定した試験が行える歯車の歯折れ強度試験方法と歯折れ強度試験治具を提供することを課題としている。
【解決手段】試験歯車Aの外周の一部を試験治具の受け台5の上面に設けたセット溝6に落ち込ませ、そのセット溝6の左右の縁6a、6bで試験歯車Aの中心対称位置の歯を受け支え、この状態で試験歯車Aの上部に当てた加圧子11に試験機から垂直荷重を加え、セット溝の縁6a、6bで支えた歯が折れたときの付与荷重から試験歯車Aの歯折れ強度を調べるようにした。
【選択図】図1

Description

この発明は、歯車の歯折れ強度(歯が折れるときの強度)を調べる歯折れ強度試験方法と、その方法を簡単に実施でき、また、はすば歯車についても安定した試験を行うことができる歯折れ強度試験治具に関する。
金属の圧粉体を焼結して得られる焼結歯車は、溶製金属で形成する歯車に比べて歯の強度にばらつきが生じ易い。従って、品質保証のために、製造した歯車について歯折れ強度が要求通りに確保されているか否かを検査する必要がある。
この歯折れ強度試験方法(特に規定された方法はない)に関し、下記特許文献1は、一般的に用いられる方法を紹介し、その方法の不具合を解消する歯車負荷試験装置を提案している。この特許文献1が開示している歯車負荷試験装置は、支持台で支持した回動シャフトに被試験歯車を固定し、この被試験歯車を被試験歯車よりも高強度の固定歯車に噛み合わせ、前記回動シャフトに半円状のフライホイールで回転モーメントを付与し、この状態で支持台を加振機で加振して被試験歯車の歯に衝撃荷重を加え、歯が破壊されたときの付与荷重を求めて歯の強度が要求を満たすか否かを検査する。
また、下記特許文献2は、試験歯車の両側に一対のラックを噛合させ、試験歯車をラック長手方向に押し引きして試験歯車の歯に荷重を繰り返して与える歯車曲げ疲労試験方法と装置を開示しており、この方法や装置を使用して歯折れ強度を測定することもできる。
しかしながら、特許文献1や特許文献2が開示している方法は、専用の試験装置を必要とする。また、試験歯車のセッティングや試験歯車の種類やサイズが変わったときの段取り替えなどが面倒で検査効率も高め難い。
特開2000−65688号公報 特開平11−230881号公報
一般的な強度試験機は、垂直方向に荷重をかけるものが多い。この垂直方向の荷重をかける一般的な強度試験機を用いて簡単に歯折れ強度を調べることができれば、既存の強度試験機を使用することが可能になり、経済負担を軽減できる。また、試験歯車のセッティングや試験歯車の種類やサイズが変わったときの段取り替えが簡単になれば試験の効率を向上させることができるが、上記特許文献1や特許文献2に開示された試験方法や装置ではその要求に応えることができない。
そこで、この発明は、一般的な強度試験機を用いて効率良く試験を行え、また、試験歯車がはすば歯車であっても安定した試験が行える歯車の歯折れ強度試験方法と歯折れ強度試験治具を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するため、この発明においては、水平向きにした試験歯車の外周の一部を受け台の上面に設けたセット溝に落ち込ませ、そのセット溝の左右の縁で前記試験歯車の中心対称位置の歯を受け支え、この状態で前記試験歯車に垂直方向の荷重を加え、前記セット溝の縁で支えた歯が折れたときの付与荷重から試験歯車の歯折れ強度を調べる歯車の歯折れ強度試験方法を提供する。
また、上面にセット溝を設けた受け台と、前記セット溝の直上に配置する加圧子とを有し、水平向きにした試験歯車の外周の一部を前記セット溝に落ち込ませて前記セット溝の左右の縁で前記試験歯車の中心対称位置の歯を受け支え、この状態で前記加圧子を試験歯車の上部に載せ、加圧子経由で試験歯車に試験機から垂直荷重を加えて前記セット溝の縁で支えた歯が折れたときの付与荷重から試験歯車の歯折れ強度を調べるようにした歯車の歯折れ強度試験治具も併せて提供する。
この歯折れ強度試験治具は、セット溝の左右の縁を、はすば歯車(ここでは、ねじ歯車も含めてはすば歯車と言う)の歯のねじれ角に対応した角度で相反する向きに傾斜させると、はすば歯車の歯折れ強度試験を安定して行える。
この歯折れ強度試験治具のより好ましい形態を以下に記す。
(1)前記受け台に、この受け台で支えた試験歯車の一端面と他端面をそれぞれ受けて試験歯車の軸方向移動を阻止するストッパを備えさせる。
(2)受け台と加圧子を支持する基台を含ませ、前記受け台を基台に対して着脱自在となしてこの受け台を試験歯車の種類、サイズに合ったものと交換可能となす。
(3)前記受け台に、前記セット溝を設けた第1領域とセット溝のない第2領域を備えさせ、前記セット溝からの試験歯車の溝長手方向突出部を第1領域よりも高さを低くした第2領域の上方に配置する。
この発明の歯折れ強度試験方法及び試験治具は、試験歯車の中心対称位置の歯を受け台に設けたセット溝の左右の縁で受け支えて試験歯車に上から荷重を加えるので、一般的な強度試験機を使用して試験を行うことができる。
また、歯車を受け台に設けたセット溝にはめるだけで試験歯車のセッティングが完了し、セッティングの作業がいたって簡単である。試験歯車の種類、サイズの変化に対しては、受け台を交換することで対応することができるので試験歯車の種類やサイズが変わったときの段取り替えも簡単であり、試験の効率を高めることも可能になる。
なお、はすば歯車は、セット溝の左右の縁によって受け支えられる中心対称位置の2つの歯の傾斜方向が反対向きになるので、平歯車用のセット溝を設けた受け台にセットすると、歯が一点で支持されて支持が不安定になり、荷重による歯車の動きが生じて安定した試験を行うことができない。そこで、セット溝の左右の縁を相反する向きに傾むけた受け台を使用する。その受け台を使用すると、はすば歯車の安定支持が可能になり、中心対称位置の2つの歯に均一に荷重が加わって試験の安定性と信頼性が良くなる。
相反する向きに傾斜したセット溝の縁で中心対称位置の歯を受け支え、この状態ではすば歯車に垂直荷重を加える試験治具は特に、上記の(1)のストッパが有効になる。その理由は次項で述べる。
このほか、受け台を基台に着脱自在に取り付けて交換可能となしたものは、同一試験治具で試験歯車の種類、サイズの変動に対応することができる。
また、受け台に第1領域とその第1領域よりも高さの低い第2領域を備えさせて、セット溝からの試験歯車の溝長手方向突出部を第2領域の上方に配置するようにしたものは、試験する歯以外の歯が試験治具と干渉することを防止して段付き歯車(異径歯車を一体に直列に形成した歯車)の歯折れ強度試験を行うことができる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面の図1〜図4に基づいて説明する。例示の歯折れ強度試験治具は、はすば歯車の歯折れ強度試験を行うためのものであって、スタンド2を有する基台1と、この基台1上に設けた受け台5と、受け台5を固定する摘まみ付きねじ10と、試験歯車(はすば歯車)Aに上部から垂直荷重を加える加圧子11とを備えている。
スタンド2は、その上部に片持ち構造の張出部3を有し、その張出部3にガイド孔4(図3参照)を設けてそのガイド孔4に加圧子11を上下動可能に挿入している。
受け台5は、第1領域5aの上面にセット溝6を設け、さらに、第1領域5aの前方に第1領域5aよりも高さの低い第2領域5bを設けたものを使用している。例示の試験歯車Aは、2つの異径はすば歯車を一体に形成した段付き歯車であり、試験する歯以外の歯が治具と干渉する虞があるので、その干渉を回避するために(第2領域を逃がすために)第2領域5bの高さを第1領域よりも低くしたが、試験歯車Aが通常の平歯車である場合には第2領域は特に必要でない。
セット溝6は、前後方向に延びて第1領域5aの前端面に開放する溝であり、溝幅は一定している。また、このセット溝6の左右の縁6a、6bは、一方の縁6aが前上がりに、他方の縁6bが前下がりに傾斜している。この左右の縁6a、6bの傾斜角θ1 、θ2 は、試験するはすば歯車の歯のねじれ角に対応させた角度にしており、両角度θ1 、θ2 は等しい。
セット溝6の溝幅Wは、中心線Cに対して左右にほぼ45°振れた位置(図1のαが約45°の位置)にある歯間の溝に左右の縁6a、6bがそれぞれ入り込むように設定すると、試験歯車Aの支持が特に安定し、理想的な試験が行える。
例示の歯折れ強度試験治具は、はすば歯車用であるので、受け台5に試験歯車Aの両端面を受け支えるストッパ7、8を含ませている。そのストッパ7、8は、加工の容易化のために独立した部品を締結ボルト9で受け台5に取り付けているが、受け台5と一体に形成されたものでもよい。
ストッパ7、8を組み合わせた受け台5は、スタンド2に貫通させた摘まみ付きねじ10を螺合させてその摘まみ付きねじ10で基台1に固定しており、摘まみ付きねじ10を外して基台1から取り外すことができる。この受け台5は、試験歯車の種類やサイズに合ったものを複数個準備しておき、その中から最適なものを選択して使用する。1本の摘まみ付きねじ10を操作するだけで受け台5の着脱を行えるので、試験歯車の種類やサイズが変わったときの段取り替えはいたって簡単である。
以上のように構成した歯折れ強度試験治具のセット溝6に試験歯車(はすば歯車)Aをセットし、その試験歯車Aの上部に加圧子11を当てる。そして、強度試験機(これは汎用の万能試験機でよい)から加圧子11に垂直荷重を加える。試験歯車Aは、中心対称位置の歯がセット溝6の左右の縁6a、6bによって支持されており、その歯に試験歯車Aに加えた荷重が伝わる。
付与した垂直荷重が耐力の限界を越えると荷重を受けた歯が折れ、そのときの付与荷重を確認すれば歯折れ強度が要求値を満たしているか否かがわかる。
なお、図示の試験装置は、セット溝の縁6a、6bが相反する向きに傾斜しているため、試験機から垂直荷重を加えたときに試験歯車Aが回転しようとするが、その回転を阻止するストッパ7、8が設けられているので、試験は安定して行える。
図5は、平歯車用歯折れ強度試験治具の受け台である。この受け台5に設けるセット溝6は、左右の縁6a、6bが水平かつ平行に配置された溝にする。
この発明の歯折れ強度試験治具の一例を示す正面図 図1のII−II線に沿った断面図 図1の試験治具の平面図 (a)図1の試験治具に設けた受け台の要部を示す斜視図、(b)セット溝の縁の傾斜状態を示す側面図 平歯車歯用折れ強度試験治具の受け台の要部を示す斜視図
符号の説明
1 基台
2 スタンド
3 張出部
4 ガイド孔
5 受け台
5a 第1領域
5b 第2領域
6 セット溝
6a、6b セット溝の縁
7、8 ストッパ
9 締結ボルト
10 摘まみ付ねじ
11 加圧子
A 試験歯車

Claims (6)

  1. 水平向きにした試験歯車の外周の一部を受け台の上面に設けたセット溝に落ち込ませ、そのセット溝の左右の縁で前記試験歯車の中心対称位置の歯を受け支え、この状態で前記試験歯車に垂直方向の荷重を加え、前記セット溝の縁で支えた歯が折れたときの付与荷重から試験歯車の歯折れ強度を調べる歯車の歯折れ強度試験方法。
  2. 上面にセット溝を設けた受け台と、前記セット溝の直上に配置する加圧子とを有し、水平向きにした試験歯車の外周の一部を前記セット溝に落ち込ませて前記セット溝の左右の縁で前記試験歯車の中心対称位置の歯を受け支え、この状態で前記加圧子を試験歯車の上部に載せ、加圧子経由で試験歯車に試験機から垂直荷重を加えて前記セット溝の縁で支えた歯が折れたときの付与荷重から試験歯車の歯折れ強度を調べるようにした歯車の歯折れ強度試験治具。
  3. 前記セット溝の左右の縁を、はすば歯車の歯のねじれ角に対応した角度で相反する向きに傾斜させた請求項2に記載の歯車の歯折れ強度試験治具。
  4. 前記受け台に、この受け台で支えた試験歯車の一端面と他端面をそれぞれ受けて試験歯車の軸方向移動を阻止するストッパを備えさせた請求項2又は3に記載の歯車の歯折れ強度試験治具。
  5. 前記受け台と加圧子を支持する基台を含ませ、前記受け台を基台に対して着脱自在となしてこの受け台を試験歯車の種類、サイズに合ったものと交換可能となした請求項2乃至4のいずれかに記載の歯車の歯折れ強度試験治具。
  6. 前記受け台に、前記セット溝を設けた第1領域とセット溝のない第2領域を備えさせ、第2領域の高さを第1領域の高さよりも低くし、この第2領域の上方に、試験歯車の前記セット溝からの溝長手方向突出部を配置するようにした請求項2乃至5のいずれかに記載の歯車の歯折れ強度試験治具。
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