JP2006011176A - リアプロジェクションディスプレイ用スクリーン - Google Patents

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龍男 内田
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Abstract

【要 約】
【課 題】 製造の簡便性、製造コストの低廉性、高品位な画像表示特性を兼ね備え、飛躍的な薄型化を実現しうるリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンを提供する。
【解決手段】 入射許容角度領域(α〜β)内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散させる拡散フィルム2および光出射方向制御素子1からなり、該光出射方向制御素子により出射方向を制御されたプロジェクタ光の70%以上が該光出射方向制御素子からの出射角度θpの条件、(180°−β)≦θp≦(180°−α)、を満たすリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンに関し、特に、製作が簡便にでき、製作コストが低く、しかも高品位な画像表示特性を有し、さらに飛躍的な薄型化を実現しうるリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンに関する。
本明細書において、角度の符号は、図7に示すように、直交座標縦軸(スクリーン面に相当)の原点より下方を基準線(0°)とし、入射側では基準線に対し時計回りの角度を正、出射側では基準線に対し反時計回りの角度を正と定義する。
リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンに関する従来技術には、次のタイプI〜タイプIIIがある。
(タイプI) 急な角度から入射したプロジェクタ光を観察者の方向に拡散させることが可能なリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンとして、図5に示すように、光出射方向制御素子である全反射と屈折を用いてフレネルレンズと同等の効果を発現するプリズムアレイ10、水平方向拡散媒体であるレンティキュラレンズ11、および垂直方向拡散媒体である微粒子または粗面拡散媒体12を用いたスクリーン(例えば非特許文献1参照)が広く用いられている。プロジェクタ光(プロジェクタ20からの投射光)は光出射方向制御素子10側からスクリーンに入射される。
しかし、このスクリーンでは、レンティキュラレンズ11へのプロジェクタ光入射角度は垂直でなければならず、光出射方向制御素子10からの光の出射角度θpが満たさなければならない条件式は、
θp=90°
となり、光出射方向制御素子10において厳密な光出射方向制御が要求されるという問題を有する。
また、光出射方向制御素子10が曲げることができる光の角度に限界が存在し、光出射方向制御素子10へのプロジェクタ光入射角度が制限されることが、光学系の薄型化に対して大きな問題となっている。
さらに、レンティキュラレンズ11の表面形状により光出射方向制御素子10との間に空気層が存在するため、該空気層界面における複雑な多重反射により画像のゴーストが生じる、プロジェクタ光の利用効率が低下する、外光の後方散乱が生じコントラスト比が低下する等の問題を有する。なお、一般にレンティキュラレンズ11と光出射方向制御素子10との間は空気層であるが、この空気層を屈折率nの透明媒体により充填しても、界面が存在し複雑な多重反射が生じることに変わりはない。
(タイプII) 光出射方向制御素子としてフレネルレンズ、拡散媒体として微粒子または粗面拡散媒体13を用いたリアプロジェクションディスプレイが提案されている(例えば非特許文献2参照)。
この方式の場合は、入射する光の許容角度領域を広く設計することができる。すなわち、入射光の許容角度領域をθf-min〜θf-maxとすると、図6に示すようにフレネルレンズ9からのプロジェクタ光の出射角度θpが満たさなければならない条件式は、
(180°−θf-max)≦θp≦(180°−θf-min)
と記述される。したがって、フレネルレンズ9に要求される光出射方向の角度幅は、上記レンティキュラレンズ11を用いたスクリーンに比べて非常に広くなり、フレネルレンズの設計条件や精度が大幅に緩和される。
また、θpが満たさなければならない条件が緩いため、フレネルレンズ9へのプロジェクタ光入射角度の制限が、レンティキュラレンズ11を用いたスクリーンに比べ緩和され、光学系を薄型化することが可能であると考えられる。
さらに、フレネルレンズ9の代わりに光出射方向制御素子10を用いることで、拡散媒体13との間に空気界面を有さないスクリーンを構成することが可能であり、タイプIにおいて生じるプロジェクタ光および外光の多重反射による問題を回避することが可能である。
しかし、このスクリーンでは、拡散角度領域を広くするために、微粒子拡散媒体中の微粒子密度を増やす、微粒子径を大きくする、または粗面拡散媒体の表面粗さを粗くする必要があり、このため画像がボケる、プロジェクタ光利用効率が低下する、外光の後方散乱の増加によりコントラスト比が低下するといった問題を有し、高品位リアプロジェクションディスプレイを実現することは原理的に非常に困難になる。
(タイプIII) 特定の角度領域(以後、入射許容角度領域と称する)から入射した光を拡散角度領域に均一に拡散させる拡散フィルムを用いたリアプロジェクションディスプレイ用スクリーン(例えば特許文献1参照)が提案されており、その表示画像の品位の高さ、拡散光強度分布特性の均一性から期待を集めている。
しかし、現在のところ、スクリーンに対してプロジェクタ光の入射が許容される角度領域は、65°〜115°程度であり、スクリーンに対するプロジェクタ光入射角度が非常に急である将来の超薄型リアプロジェクションディスプレイを構成するスクリーンとしては十分なものではない。
国際公開WO2004/034145号公報 Shikama,S.et al.SID02 DIGEST p.1250-1253 http://nippra.com/html/news/news 2003 01.html
上述のように、従来のタイプIの光出射方向制御素子を用いた高品位リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンでは、該光出射方向制御素子において厳密な光出射方向制御が必要であるため、形状が複雑となり、製造が困難である、製造コストが嵩むという問題や、光出射方向制御素子が曲げることができる角度の限界に依存して光学系の薄型化に限界が生じるという問題、さらには光出射方向制御素子とレンティキュラレンズの間の空気層界面による、プロジェクタ光および外光の複雑な多重反射のために表示画像品位が低下するという問題を有していた。
また、タイプIIの従来技術では、プロジェクタ光出射角度が満たさなければならない条件を緩和するにあたり高品位なリアプロジェクションディスプレイを実現することは原理的に困難であるという問題があり、また、タイプIIIの従来技術では、十分な薄型化の達成が困難であるという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、製造の簡便性、製造コストの低廉性、高品位な画像表示特性を兼ね備え、飛躍的な薄型化を実現しうるリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、高品位な画像表示特性を保ちつつ、従来厳密な制御が要求されていたスクリーンに対する入射許容角度領域に適度な幅をもたせ、これによって光出射方向制御素子からのプロジェクタ光出射角度θpが満たさなければならない条件に幅を有するリアプロジェクションディスプレイシステムを考案した。
さらに、画像表示特性の更なる高品位化のために、スクリーン内部の界面におけるプロジェクタ光、および外光の多重反射をなくすべく、光出射方向制御素子と拡散媒体の間に空気層を有さないリアプロジェクションディスプレイシステムを考案した。
このような条件を満たすために、本発明では、図1に示すように、入射許容角度領域内の任意の入射角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルム2、および該拡散フィルム2の入射許容角度領域に入射するようにプロジェクタ光の大部分を角度変換して出射させるように設計された光出射方向制御素子(例えばプリズムアレイ、フレネルレンズ、ホログラム、ミラーアレイ等)1を用いてスクリーンを構成すること、さらには、光出射方向制御素子1と拡散フィルム2との間に空気層を有さないことにより、スクリーン内部に空気界面をもたないスクリーンを構成することに想到した。
すなわち、本発明は次のとおりである。
(発明項1) 入射許容角度領域(α〜β)内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散させる拡散フィルムおよび光出射方向制御素子からなり、該光出射方向制御素子により出射方向を制御されたプロジェクタ光の70%以上が該光出射方向制御素子からの出射角度θpの条件
(180°−β)≦θp≦(180°−α)
を満たすことを特徴とするリアプロジェクションディスプレイ用スクリーン。
(発明項2) 前記光出射方向制御素子と前記拡散フィルムの間に空気界面を有さないことを特徴とする発明項1に記載のリアプロジェクションディスプレイ用スクリーン。
(発明項3) 発明項1または2に記載のスクリーンを用いたことを特徴とするリアプロジェクションディスプレイ。
本発明によれば、製造の簡便性、製造コストの低廉性、高品位な画像表示特性を兼ね備え、飛躍的な薄型化を実現しうるリアプロジェクションディスプレイ用スクリーンが得られる。該スクリーンを用いることにより、格段に薄型化したリアプロジェクションディスプレイが得られる。
図2は、本発明のスクリーンの一例を示す垂直方向断面図である。この構成では、光出射方向制御素子1としてプリズムアレイ、拡散媒体として入射許容角度領域θf=α〜β内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルム2を用いてスクリーンを構成している。
このときプリズムアレイからのプロジェクタ光出射角度θpの条件式は
(180°−β)≦θp≦(180°−α)と記述される。
ここで条件式を満たさない角度から入射したプロジェクタ光は観察者の方向に拡散反射されないため、プロジェクタ光の利用効率を高めるために、光出射方向制御素子1に入射するプロジェクタ光の70%以上は条件式を満たす必要がある。
また、入射許容角度領域内の任意の角度で入射した光が拡散角度領域に拡散透過する割合が60%に満たない場合、本発明の効果が顕著に現れないため、この割合は60%以上に限定した。
このように、本発明スクリーンの光制御方式(本発明方式)では、光出射方向制御素子に要求される光出射方向制御が、従来方式のように厳密なものではなく、その結果、簡便に製造でき、製造コストが低く、かつ高品位な画像表示特性を備えた、高品位リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンとすることができる。
また、θpの条件が幅を有しているため、プロジェクタ光の光出射方向制御素子に対する、図2に示す入射角度θpsの変化がスクリーン全面において小さい場合、従来方式の制御では実現不可能であったスクリーン全面において光出射方向制御特性が同じである光出射方向制御素子を用いた高品位リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンを実現することが可能である。この場合、場所ごとに特性を変えなければならない光出射方向制御素子を用いた場合に比べて、製造の簡便性、製造コストの低廉性は飛躍的に向上する。
さらに、光出射方向制御素子により曲げることが可能な光の進行角度には限界が存在するが、従来方式ではθp=90°にプロジェクタ光を曲げなければならないのに対し、本発明方式ではスクリーンに対する入射許容角度領域が幅をもつためθp≦(180°−α)に曲げれば条件式が満たされ、入射許容角度領域上限α<90°の場合には、90°−αだけプロジェクタ光の光出射方向制御素子に対する入射角度θpsを急角度に設計することが可能であり、光学系が大幅に薄型化される。
なお、図2の例では、垂直方向断面に本発明を適用した場合について示したが、水平方向断面あるいはこれら以外の任意方向の断面に本発明を適用した場合においても同様の効果が得られる。
また、図2の例では、光出射方向制御素子1と拡散フィルム2との間に空気層が存在する場合を示したが、これに代えて、光出射方向制御素子1と拡散フィルム2との相互対向面を密着させて両者間の空気層をなくす構成にすると、スクリーン内部の空気界面におけるプロジェクタ光、および外光の多重反射がなく、更なる画像表示特性の高品位化が達成されるので好ましい。
本発明の実施例1として、スクリーン全面において光出射方向制御特性が同じである光出射方向制御素子を用いた高品位リアプロジェクションディスプレイ用スクリーンについて説明する。
図3に示すように、リアプロジェクションディスプレイの垂直方向に対して、光出射方向制御素子として面の傾きθp1およびθp2を有するプリズムアレイ3、拡散媒体として入射許容角度領域(θfの角度領域=θf-min〜θf-max)65°〜115°内の任意の角度で入射した光の90%以上を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルム2を用い、プリズムアレイ3に対してプロジェクタ光がθps=30°〜65°の範囲で入射することを考える。
このような急な角度から入射したプロジェクタ光をスクリーン正面方向に角度θcだけ曲げるためには、全反射プリズムアレイを用いる必要がある。
θp1=105°およびθp2=65°のプリズムアレイを用いることでスクリーン全面においてプロジェクタ光を前記拡散フィルム2の入射許容角度領域に90%以上入射させることが可能である。このとき、スクリーンの場所によってプリズムアレイの角度を変える必要がないため、製造の簡便性、製造コストの廉価性は飛躍的に向上する。
なお、図3では、プリズムアレイ3と拡散フィルム2との間に隙間があるかのように描いたが、実際には、プリズムアレイ3のフラット面に拡散フィルム2の対向面を隙間なく密着させてスクリーンを構成した。
本発明の実施例2として、スクリーンに対してプロジェクタ光の入射許容角度領域が幅をもつことを利用した超薄型高品位リアプロジェクションディスプレイについて説明する。
ここでは、θc=55°だけ入射光の進行方向を曲げることができる光出射方向制御素子を考える。
図4(b)に示すように、従来方式のレンティキュラレンズ11を用いたスクリーンでは、θp=90°でなければならないため、プロジェクタ光の光出射方向制御素子10に対する最小入射角度θps-minは35°と導かれる。
簡単のため反射板を用いない、スクリーン高さ100cmでありプロジェクタ光が光出射方向制御素子に対して35°〜90°で入射するリアプロジェクションディスプレイの垂直方向について考えると、その光学系に必要な厚みは100×tan35°より70cmである。
これに対して、図4(a)に示すように、入射許容角度領域(θfの角度領域=θf-min〜θf-max)65°〜115°内の任意の角度で入射した光の90%を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルム2を用いた本発明方式のスクリーンでは、65°≦θp≦115°であればよいため、プロジェクタ光の光出射方向制御素子1に対する最小入射角度θps-minは10°と導かれる。
先程と同様の条件でリアプロジェクションディスプレイの垂直方向について考えると、その光学系に必要な厚みは100×tan10°より17.6cmである。
従来方式、本発明方式どちらの場合であっても実際には反射板を用いて光学系厚みを減らす設計がなされ、プロジェクタの厚みが追加されるが、増減の割合はほぼ同程度と考えられ、したがって本発明方式を用いることにより、光学系の大幅な薄型化が達成されることがわかる。
なお、図4では、光出射方向制御素子1と拡散フィルム2との間に隙間があるかのように描いたが、実際には、両者の相互対向面を隙間なく密着させてスクリーンを構成した。
本発明は、超薄型リアプロジェクションディスプレイの設計・製造に利用することができる。
入射許容角度領域内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルムを用いて光出射方向制御素子からの出射角度θpに幅をもたせる概念を示す説明図である。 本発明のスクリーンの一例を示す垂直方向断面図である。 実施例1のスクリーンを示す垂直方向断面図である。 実施例2のリアプロジェクションディスプレイ(a)を従来のもの(b)と比較して示す垂直方向断面図である。 レンティキュラレンズを用いたスクリーンにおけるθpの条件を示す垂直方向断面図である。 微粒子または粗面拡散媒体を用いたスクリーンにおけるθpの条件を示す垂直方向断面図である。 入射側、出射側の角度の符号の定義説明図である。
符号の説明
1 光出射方向制御素子
2 入射許容角度領域内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散透過させる拡散フィルム
3 プリズムアレイ(光出射方向制御素子)
9 フレネルレンズ(光出射方向制御素子)
10 全反射と屈折を用いてフレネルレンズと同等の効果を発現するプリズムアレイ(光出射方向制御素子)
11 レンティキュラレンズ(水平方向拡散媒体)
12 微粒子または粗面拡散媒体(垂直方向拡散媒体)
13 広い角度領域に入射光を拡散させる微粒子または粗面拡散媒体
20 プロジェクタ

Claims (3)

  1. 入射許容角度領域(α〜β)内の任意の角度で入射した光の60%以上を拡散角度領域に拡散させる拡散フィルムおよび光出射方向制御素子からなり、該光出射方向制御素子により出射方向を制御されたプロジェクタ光の70%以上が該光出射方向制御素子からの出射角度θpの条件
    (180°−β)≦θp≦(180°−α)
    を満たすことを特徴とするリアプロジェクションディスプレイ用スクリーン。
  2. 前記光出射方向制御素子と前記拡散フィルムの間に空気界面を有さないことを特徴とする請求項1に記載のリアプロジェクションディスプレイ用スクリーン。
  3. 請求項1または2に記載のスクリーンを用いたことを特徴とするリアプロジェクションディスプレイ。
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