JP2006018155A - 多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置 - Google Patents

多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度で高価な端末処理固定治具を用いないで、容易な作業により、素線部を傷付けないで、多心テープ光ファイバの被覆除去後の素線部先端の広がりによる変形を元に戻す多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置を提供する。
【解決手段】先端被覆を除去した多心テープ光ファイバ1の端末処理方法は、加熱用ヒータ2を用いて多心テープ光ファイバ1の素線部11と被覆部12との境界の被覆際部3周辺を非接触で加熱することで、被覆の変形を修復し、素線部11を平行に整列させる加熱工程を備える。加熱工程は、500℃以上1200℃以下の範囲で、多心テープ光ファイバ1の両側に配置された加熱用ヒータ2を、被覆際部3から素線部11先端へ移動させながら加熱を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置に係り、特に被覆除去後の素線部先端の広がりを元に戻す工程及び手段の工夫に関する。
従来、多心テープ光ファイバの端末処理方法として、以下のものが知られている。
(従来例1)
従来例1は、被覆除去工具を用いて多心テープ光ファイバの先端側被覆を除去して素線部を露出させ、アルコールにより洗浄後、多心テープ光ファイバ専用切断機により切断し、その素線部先端を光ファイバ融着接続機のV溝、又は多心テープ光ファイバ用コネクタのフェルールへ微調整を行いながら装着する方法である。
(従来例2)
従来例2は、図6に示すように、従来例1の方法に加え、端末処理固定治具としてくし歯101を有するファイバ押えアダプタ100を使用して、多心テープ光ファイバ1の被覆部12の先端側を除去して露出させた素線部11の先端を整列させることにより、多心テープ光ファイバ1の素線部11を光ファイバ融着接続機のV溝、又は多心テープ光ファイバ用コネクタのフェルールへ装着することを容易にした方法である(特許文献1参照)。
特開昭63−184710号公報
上述した従来例1、2では、次のような問題があった。
1)多心テープ光ファイバの被覆除去時に被覆が潰されるため、光ファイバ素線がテープの幅方向に押し広げられ、素線部先端が扇形に広がってしまう。従来例1では、広がりを元に戻す手段が無いため、融着接続機のV溝やコネクタのフェルールへの装着は困難であり時間がかかる。
2)従来例2の端末処理固定治具は、くし歯を多心テープ光ファイバの素線部に通すことで素線部先端の整列を行うものであるが、くし歯はファイバ素線の位置決めを精密に行う必要があるため、高精度の加工を必要とし、高価である。また、くし歯に素線部を通す作業も容易ではない。さらに、くし歯に素線部を通す際、最悪の場合、素線部を傷付ける可能性もある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、高精度で高価な端末処理固定治具を用いないで、容易な作業により、素線部を傷付けないで、多心テープ光ファイバの被覆除去後の素線部先端の広がりによる変形を元に戻す多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的達成のため、請求項1記載の発明に係る多心テープ光ファイバの端末処理方法は、先端被覆を除去した多心テープ光ファイバのファイバ素線先端の端末処理方法において、前記多心テープ光ファイバの被覆際部周辺を非接触で加熱することで、被覆の変形を修復し、前記ファイバ素線を平行に整列させる加熱工程を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明に係る多心テープ光ファイバの端末処理装置は、先端被覆を除去した多心テープ光ファイバの端末処理装置において、前記多心テープ光ファイバの被覆際部周辺を非接触で加熱することで被覆の変形を修復し、前記ファイバ素線を平行に整列させる加熱装置を有することを特徴とする。
請求項1又は2記載の発明によれば、多心テープ光ファイバの被覆際部周辺を非接触で加熱するだけで被覆除去時に生じた被覆の潰れが修復され、多心テープ光ファイバの素線部を平行に整列させることができるので、高精度で高価な位置決め治具を使用しないで、光ファイバ融着接続機のV溝やコネクタのフェルールへの装着を容易にかつ迅速に行うことができる。また、非接触で加熱するだけの作業なので、素線部を傷付ける事態を回避することができる。
以下、本発明に係る多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置を実施するための最良の形態を添付図面を参照して説明する。
図1,図2,表1〜表4を参照して、本実施例に係る多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置を説明するものである。
図1(a)及び(b)において、1は多心テープ光ファイバ、2は多心テープ光ファイバ1を光ファイバ融着接続機のV溝又はコネクタのフェルールへ装着する際の端末処理装置で使用される加熱装置としての加熱用ヒータである。図中の例では、多心テープ光ファイバ1のファイバ軸方向をX方向、テープ幅方向をY方向とし、テープ面(XY平面)に直交する方向をZ方向とする。
多心テープ光ファイバ1は、例えば2心、4心、8心、12心等、何心のテープ光ファイバでも適用可能であり、ファイバ素線である素線部11及びその被覆部12から構成される。図中の13は、ファイバ先端の被覆除去で露出させた素線部11と被覆部12との境界である被覆際部を示す。
加熱用ヒータ2は、図示の如く、多心テープ光ファイバ1の端末処理時に、その多心テープ光ファイバ1を挟むZ方向の両側にそれぞれ非接触状態で対向配置され、かつ、多心テープ光ファイバ1に対してX方向にスライド自在となるよう構成される。加熱用ヒータ2をスライドさせる移動機構としては、図中の例では特に図示していないが、例えば送りネジ機構、ベルト伝動機構、チェーン伝動機構、ラックとピニオンを用いた移動機構、ガイド機構等、いずれのタイプでもよい。
ここで、加熱用ヒータ2を用いた多心テープ光ファイバ1の端末処理方法を説明する。
まず、被覆除去工具(図示しない)を用いて多心テープ光ファイバ1のファイバ先端を被覆除去し、被覆部12から素線部11を露出させる。この被覆除去時に、被覆部12が潰されることによって、素線部11の先端が扇形に広がって変形する。
次いで、図1(a)に示すように、多心テープ光ファイバ1の上下に加熱用ヒータ2を非接触状態で対向配置して、素線部11と被覆部12の境である被覆際部13から、加熱用ヒータ2の非接触状態で加熱を開始する。このときの加熱用ヒータ2の加熱温度は、例えば500℃以上1200℃以下の範囲に設定する。
次いで、図1(b)に示すように、加熱用ヒータ3の熱による加熱を継続しながら、加熱用ヒータ3を多心テープ光ファイバ1に対しその素線部11先端側へ向ってX方向に沿ってスライドさせ(図中の矢印a参照)、被覆際部3の周辺を加熱する。
ところで、被覆部12には、加熱により硬化する紫外線硬化樹脂を用いている。被覆除去時に生じる素線部の変形は、被覆の際の潰れに起因しており、高温加熱により被覆が軟化、弾力性により形状が回復する。また、根本部で曲げられた素線の弾力性も形状の回復に寄与している。
このように加熱用ヒータ2の熱により多心テープ光ファイバ1の被覆部12及び素線部11を高温に加熱すると、被覆除去時に生じた被覆の潰れが修復され、これにより、多心テープ光ファイバ1の素線部11を平行に整列させることができる。
従って、本実施例によれば、高精度で高価な位置決め治具を用いないで、光ファイバ融着接続機のV溝やコネクタのフェルールへの装着を容易にかつ迅速に行うことができる。また、非接触で加熱するだけの作業なので、素線部を傷付ける事態を回避できる。
次に、本実施例の有効性を検証する実験結果について、図2,表1〜表4を参照して説明する。
この実験では、多心テープ光ファイバとして、ファイバ先端幅の設計値が異なる2心、4心、8心、12心のシングルモード型の光ファイバ(SM2、SM4、SM8、及びSM12:FJK(フジクラ)製)を使用した。また、ファイバ先端の被覆除去工具としては、HJS−S(FJK製)を使用した。
これにより、図2(a)〜(c)に示すように、被覆除去前のファイバ先端幅W0(図2(a)参照)の設計値に対し、HJS−Sによりファイバ先端の被覆を除去及び清掃した直後のファイバ先端幅W1(図2(b)参照)と、これに対し上記加熱用ヒータによる加熱(加熱温度:500℃以上1200℃以下)を行った後のファイバ先端幅W2(図2(c)参照)とを比較測定した。測定は、それぞれ5回行ない(処理1〜5)、平均値(AVG)、最大値(MAX)、最小値(MIN)を求めた。
その測定結果を表1〜表4に示す。なお、表1,表2に示す実験時のヒータ加熱条件は、
ヒータ温度が700℃、加熱時間を2秒として実験している。
表1は、多心テープ光ファイバとして、被覆除去前のファイバ先端幅の設計値が0.375mmの2心のシングルモード型の光ファイバ(SM2)を用いた場合の測定結果を示す。
Figure 2006018155
表1に示すように、被覆除去後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は0.581mmであり、ヒータ加熱後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は0.395mmであり、両平均値の差は0.186mmであった。
これにより、被覆除去後に設計値に対し約1.55倍(0.581/0.375)に広がり変形したファイバ先端幅が、ヒータ加熱後に設計値に対し約1.05倍(0.395/0.375)と、被覆の潰れが修復してほぼ元の状態に戻っていることが確認された。
表2は、多心テープ光ファイバとして、被覆除去前のファイバ先端幅の設計値が0.875mmの4心のシングルモード型の光ファイバ(SM4)を用いた場合の測定結果を示す。
Figure 2006018155
表2に示すように、被覆除去後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は1.073mmであり、ヒータ加熱後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は0.916mmであり、両平均値の差は0.158mmであった。
これにより、被覆除去後に設計値に対し約1.23倍(1.073/0.875)に広がり変形したファイバ先端幅が、ヒータ加熱後に設計値に対し約1.05倍(0.916/0.875)と、被覆の潰れが修復してほぼ元の状態に戻っていることが確認された。
表3は、多心テープ光ファイバとして、被覆除去前のファイバ先端幅の設計値が1.875mmの8心のシングルモード型の光ファイバ(SM8)を用いた場合の測定結果を示す。
Figure 2006018155
表3に示すように、被覆除去後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は2.102mmであり、ヒータ加熱後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は2.039mmであり、両平均値の差は0.063mmであった。
これにより、被覆除去後に設計値に対し約1.12倍(2.102/1.875)に広がり変形したファイバ先端幅が、ヒータ加熱後に設計値に対し約1.09倍(2.039/1.875)と、被覆の潰れが修復してほぼ元の状態に戻っていることが確認された。
表4は、多心テープ光ファイバとして、被覆除去前のファイバ先端幅の設計値が2.875mmの12心のシングルモード型の光ファイバ(SM12)を用いた場合の測定結果を示す。
Figure 2006018155
表4に示すように、被覆除去後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は3.163mmであり、ヒータ加熱後のファイバ先端幅の5回測定の平均値は2.991mmであり、両平均値の差は0.172mmであった。
これにより、被覆除去後に設計値に対し約1.10倍(3.163/2.875)に広がり変形したファイバ先端幅が、ヒータ加熱後に設計値に対し約1.04倍(2.991/2.875)と、被覆の潰れが修復してほぼ元の状態に戻っていることが確認された。
なお、上記実施例では、加熱用ヒータ2を多心テープ光ファイバのZ方向の両側に配置して、その両側からZ方向に加熱する場合を例示しているが、本発明はこれに限らず、例えば図3に示すように加熱用ヒータ2を多心テープ光ファイバ2のY方向の両側に配置して、その両側からY方向に加熱する場合、図4(a)及び(b)に示すように加熱用ヒータ2を多心テープ光ファイバ1のZ方向又はY方向の片側のみに配置して、その片側からZ方向又はY方向に加熱する場合でも同様の結果が得られた。
また、上記実施例では、加熱装置として加熱用ヒータ2を用いてその熱により加熱する場合を例示しているが、本発明はこれに限らず、例えば図5に示すように放電電極棒3を用いてその放電で発生する熱により加熱する場合でも同様の結果が得られた。
さらに、加熱装置は、500℃以上1200℃以下の範囲で加熱を行うことで、より最適な加熱温度で被覆除去時に生じた被覆の潰れを効率的に修復させることができる。また、加熱用ヒータを用いて加熱するので、より安価で簡単な装置構成で効率よく加熱することができる。また、加熱用ヒータを多心テープ光ファイバの被覆際部から素線部先端へ移動させるため、簡単な作業でより効率的に加熱することができる。また、加熱用ヒータ以外の加熱装置でも、上記と同様の効果を得ることができる。
産業上の利用分野
以上のように、本発明は、光ファイバ融着接続機のV溝、又はコネクタのフェルール等へ装着する多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置に適用できる。
(a)及び(b)は本発明の実施例の多心テープ光ファイバの端末処理方法及び装置を説明する斜視図である。 (a)〜(c)は、被覆除去前、被覆除去後、及びヒータ加熱後のファイバ先端幅を説明する図である。 加熱用ヒータの加熱方向を変えた場合を説明する斜視図である。 (a)及び(b)は、加熱用ヒータを片側のみに配置した場合を説明する斜視図である。 放電電極棒を用いた場合を説明する斜視図である。 従来例のくし歯を有するアダプタを用いた多心テープ光ファイバの端末処理方法を説明する斜視図である。
符号の説明
1 多心テープ光ファイバ
2 加熱用ヒータ
3 放電電極棒
11 素線部
12 被覆部
13 被覆際部
100 ファイバ押えアダプタ
101 くし歯

Claims (2)

  1. 先端被覆を除去した多心テープ光ファイバの端末処理方法において、
    前記多心テープ光ファイバの被覆際部周辺を非接触で加熱することで、被覆の変形を修復し、前記ファイバ素線を平行に整列させる加熱工程を有することを特徴とする多心テープ光ファイバの端末処理方法。
  2. 先端被覆を除去した多心テープ光ファイバの端末処理装置において、
    前記多心テープ光ファイバの被覆際部周辺を非接触で加熱することで被覆の変形を修復し、前記ファイバ素線を平行に整列させる加熱装置を有することを特徴とする多心テープ光ファイバの端末処理装置。

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