JP2006024470A - 燃料電池の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】消費電力の増大を防止しつつ、効率よく適正に弁の固着状態を解除する。
【解決手段】燃料電池の制御装置は、燃料電池の反応ガス通路と、反応ガス通路上に設けられ、反応ガスの流れに対する下流側の圧力が上昇することで開弁方向に力が付勢される第1制御弁と、反応ガス通路の、第1制御弁の反応ガスの流れに対する下流側に設けられ、反応ガスの流れに対する上流側の圧力が上昇することで開弁方向に付勢される第2制御弁と、第1制御弁と第2制御弁との間の反応ガス通路に流体を注入する流体注入手段と、燃料電池の始動時に流体注入手段により流体を注入する流体注入制御手段とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応ガス通路上に設けられた弁の動作を制御する燃料電池の制御装置に関する。
燃料電池の分野においては、例えば、燃料電池から排出される水素オフガスの流路に電磁弁で構成される排出弁を設け、必要に応じて排出弁を開弁して水素オフガスとともにこれに含まれる不純物を排出するようにしたものがある。
水素オフガスは、燃料電池内部で生成された水や水蒸気を含むため、排出弁が閉弁状態で氷点下に放置されると、弁の周囲が凍結することがある。この場合、燃料電池の始動時において、排出弁に対して通電を行っても排出弁が適正に開弁しない場合があった。
このような問題に関し、従来、燃料電池の発電で利用される電磁弁の閉固着を抑制するために、電磁弁のコイルに駆動電圧を印加した後、保持電圧以下に下げる動作を繰り返すものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明に関連する先行技術として、燃料電池の低温始動時に、逆止弁及び排出弁が収納された暖機ボックス内に、空気供給部にて断熱圧縮された高温の空気を分流して、暖機用分流弁を介して供給することにより、逆止弁及び排出弁を解凍するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。また、燃料噴射弁の極低温始動時の固着防止のために、始動時に燃料噴射弁に係る燃圧を減圧して、燃料噴射弁を開くための力が小さくて済むようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。また、燃料噴射装置の燃料遮断弁を大電流駆動することにより、遮断弁固着剥がしを効率よく適正に行うようにしたものがある(例えば、特許文献4参照)。また、デリバリパイプ内の燃圧がリリーフ弁の設定開弁圧を越えるまで昇圧して、リリーフ弁を強制開弁させるようにしたものがある(例えば、特許
文献5参照)。さらに、空気圧ばねとの協働により弁体を開閉駆動する電磁駆動弁がある(例えば、特許文献6参照)。
特開平8−75032号公報 特開2002−313389号公報 特開2000−274312号公報 特開2000−282928号公報 特開2002−256943号公報 特開2003−214126号公報
特許文献1記載の技術では、一回の開弁のために駆動電圧を複数回印加しなければならないので、消費電力が大きくなると問題があった。また、特許文献4に示すような、電磁弁を大電流駆動することにより固着剥がしを行う技術では、やはり消費電力が大きくなる問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、消費電力の増大を防止しつつ、効率よく適正に弁の固着状態を解除することができる燃料電池の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の構成を採用する。
すなわち、本発明は、燃料電池の制御装置であり、
燃料電池の反応ガス通路と、
前記反応ガス通路上に設けられ、反応ガスの流れに対する下流側の圧力が上昇することで開弁方向に力が付勢される第1制御弁と、
前記反応ガス通路の、前記第1制御弁の反応ガスの流れに対する下流側に設けられ、反応ガスの流れに対する上流側の圧力が上昇することで開弁方向に付勢される第2制御弁と、
前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の反応ガス通路に流体を注入する流体注入手段と、
前記燃料電池の始動時に前記流体注入手段により流体を注入する流体注入制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、流体注入による圧力上昇により第1及び第2制御弁に対する開弁力が得られるので、消費電力の増大を抑えつつ、弁の固着を抑制又は解除することができる。
好ましくは、本発明は、前記第1及び第2制御弁が、ともに電磁力により駆動される制御弁であり、
前記燃料電池の始動時に前記第1制御弁と前記第2制御弁に対し電磁力により開弁方向に力を付勢する電磁力制御手段をさらに備えるように構成される。
このようにすれば、電磁力と流体注入による圧力上昇とが夫々開弁動作を行わせる力として作用するので、電磁力のみを用いる場合に比べて、電磁力をそれほど利用せずに開弁することができる。
好ましくは、本発明は、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するエアコンプレッサをさらに備え、
前記流体注入手段は前記エアコンプレッサにより加圧された酸化剤ガスを注入するように構成される。
このようにすれば、エアコンプレッサは弁の固着等の影響を受けることなく加圧空気を供給できるので、第1及び第2制御弁に対し、確実に開弁方向に力を加えることができる。
本発明によれば、消費電力の増大を防止しつつ、効率よく適正に弁の固着状態を解除することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
〈構成〉
図1は、本発明の燃料電池の制御装置が適用された燃料電池システムの構成例を示す図であり、図2は、図1に示した第1及び第2排出弁として適用可能な電磁弁の構成例を示す図であり、図3は、図1に示した制御部による処理(燃料電池の制御装置の動作)を示すフローチャートである。
図1において、燃料電池1は、少なくとも1つのセルからなる。セルは、電解質と、電
解質を両側から挟む燃料極(アノード)及び空気極(カソード)と、燃料極及び空気極を挟む燃料極側セパレータ及び空気極側セパレータとからなる。
燃料極は、拡散層と触媒層とを有し、水素ガスや水素リッチガスなどの水素を含む燃料が燃料供給系により燃料極に供給される。燃料極に供給された燃料は、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、酸化反応により水素がプロトン(水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは電解質を通って空気極に移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。
一方、空気極は、拡散層と触媒層とを有し、空気等の酸化剤ガスが酸化剤供給系により空気極に供給される。空気極に供給された酸化剤ガスは、拡散層で拡散され触媒層に到達する。触媒層では、酸化剤ガスと、電解質を通って空気極に到達した水素イオンと、外部回路を通って空気極に到達した電子とによる還元反応により、水が生成される。
このような燃料極における酸化反応と空気極における還元反応の際に外部回路を通る電子が、燃料電池1のセルスタックの両端子間に接続される図示しない負荷に対する電力として使用される。
燃料電池1には、燃料を供給及び排出するための燃料供給/排出系と、酸化剤を供給及び排出するための酸化剤供給/排出系とが接続される。図1において、燃料供給/排出系は、次のように構成されている。
すなわち、燃料電池1に設けられた燃料入口1Aは、水素源(例えば、高圧水素を貯留
したタンク)2と配管3を介して接続されている。一方、燃料電池1に設けられた燃料出
口1Bには、第1排出弁4の入口が配管5を介して接続されている。また、第1排出弁4の出口は、配管6を介して第2排出弁7の入口に接続されている。第2排出弁7の出口は、配管8を介して希釈器9に接続されている。そして、燃料電池1の内部には、燃料入口1Aと燃料出口1Bとを結び、且つセルの燃料極を経由する燃料通路1Cが設けられている。
このような構成により、水素源2から送り出される高圧の水素ガスは、配管3を通って燃料入口1Aから燃料電池1に入り、燃料通路1Cを通過する際に燃料極にて電極反応に消費される。その後、水素ガスは、水素オフガスとして燃料出口1Aから配管5(燃料電
池1の外部)へ排出され、開弁状態の第1排出弁4、配管6、開弁状態の第2排出弁7、
希釈器9を通って外部に排出される。このような水素ガスの流路が、本発明の反応ガス通路に相当する。
一方、図1において、酸化剤供給/排出系は、次のように構成されている。すなわち、燃料電池1に設けられた酸化剤入口1Dは、配管10を介してエアコンプレッサ(酸化剤
供給手段)11に接続されている。燃料電池1に設けられた酸化剤出口1Eは、配管12
を介して空気調圧弁13の入口に接続されている。そして、燃料電池1の内部には、酸化剤入口1Dと酸化剤出口1Eとを結び、且つセルの空気極を経由する酸化剤通路1Fが設けられている。
このような構成によれば、エアコンプレッサ11の駆動により、酸化剤としての空気が配管10を介して燃料電池1に供給される。空気は酸化剤入口1Dから燃料電池1に入り、酸化剤通路1Fを通過する際に空気極にて電極反応に消費される。その後、空気は、酸化剤オフガスとして酸化剤出口1Eから配管12(燃料電池1の外部)に排出され、開弁状態の空気調圧弁13を介して外部に排出されるようになっている。
上記した燃料供給/排出系では、第1及び第2制御弁としての第1排出弁4と第2排出弁7とが、反応ガス(水素ガス)の流路に対して直列に設けられている。第1排出弁4及び第2排出弁7は、それぞれ電磁弁を用いて構成されており、燃料電池1側の圧力を減圧したり、燃料電池1内で生成された不純物を必要に応じて排出したりするために設けられている。
第1排出弁4及び第2排出弁7は、主従の関係にあり、通常時は、第2排出弁7が開弁状態にされ、第1排出弁4の開閉制御により、上記した減圧や不純物の排出が行われる。第2排出弁7は、第1排出弁4が開弁状態で故障した場合に、第1排出弁4の代替弁として使用される。このように、2つの排出弁が直列に設けられることにより、信頼性の向上が図られている。
ところで、燃料電池1から排出される水素ガス(水素オフガス)は、不純物の一つとして、燃料電池1での電極反応により生成される水や水蒸気(水分)を含んでいる。このため、燃料電池システムが氷点下で放置されるような場合では、水素オフガス中の水分が凍結し、第1排出弁4及び第2排出弁7の弁体が弁座に固着した状態となることがある。このような第1排出弁4及び第2排出弁7の固着状態を効率良く適正に抑制又は解除すべく、燃料電池システムは、次のような構成を備えている。
図1において、エアコンプレッサ11からの空気を燃料電池1に連絡する配管10の途中には、配管14の一端が接続され、配管14の他端は、空気供給弁15の入口に接続されている。また、空気供給弁15の出口は、配管16の一端に接続されており、配管16の他端は、第1排出弁4と第2排出弁7との間に設けられた配管6の中間部に接続されている。
このようにして、エアコンプレッサ11から送出される空気の一部が、配管14,空気供給弁15,配管16を通って配管6に注入され、第1排出弁4の出口と、第2排出弁7の入口とに夫々供給されるようになっている。これらの配管14,空気供給弁15及び配管16は、流体注入手段として機能する。
第1排出弁4及び第2排出弁7は、それぞれ、図2に示すような電磁弁20を適用することができる。図2において、電磁弁20は、円筒状のソレノイド21を収容する第1のハウジング22と、ソレノイド21の軸方向で第1のハウジング22に対して連結される第2のハウジング23とを有している。
第1のハウジング22と第2のハウジング23には、内部空間が設けられており、この内部空間には、ソレノイド21と同軸で、第1のハウジング22の内部空間と第2のハウジング23の内部に亘って延在し、ソレノイド21の軸方向に移動可能な可動子24が配置されている。可動子24の一端側はソレノイド21の内部に挿入されている。可動子24の他端には、弁体25が取り付けられている。
第2のハウジング23の内部空間は、弁室26として機能する。第2のハウジング23には、電磁弁20の外部と弁室26とを連通させる流体の出口通路27がソレノイド21(可動子24)と同軸で設けられている。具体的には、第2のハウジング23の、可動子24と同軸となる部分の外壁は、流体の出口として開口されている。この開口部には、円筒状部材28が取り付け又は第2のハウジングとの一体成形により設けられている。この円筒状部材28の内部空間が出口通路27として機能する。円筒状部材28の可動子24と対向する側の端部は、可動子24に設けられた弁体25が着座する弁座29として機能する。
また、第2のハウジング23の外壁には、電磁弁20の外部と弁室26とを連通させる孔が形成されている。この孔が外部からの流体の入口及び入口通路30として機能する。このようにして、弁室26は、流体の入口通路30及び出口通路27を介して外部と連絡している。流体の入口通路30には、図1に示した配管5や配管6のような、その排出弁を基点とした場合における上流側の配管が接続される。また、流体の出口通路27には、図1に示した配管6や配管8のような、その排出弁を基点とした場合における下流側の配管が接続される。
以上のような構成により、可動子24に取り付けられた弁体25が弁座29に着座することで、弁室26と出口通路27とが遮断され、流体の下流側への流れが遮断されるようになっている。可動子24は、ソレノイド21の軸方向において、弁座29に対して進退可能に設けられている。可動子24は、図示せぬバネの付勢力により、通常時(開弁制御
が行われていない状態)では、弁体25を弁座29に押しつける状態(閉弁状態)となるよ
うに構成されている。
第1のハウジング22と第2のハウジング23との間には、これらの内部空間を仕切るように円環状のダイヤフラム31が設けられており、ダイヤフラム31の内縁端は、可動子24の周面に取り付けられ、可動子24の一端側と他端側との間がシールされた状態となっている。
ダイヤフラム31により可動子24の一端側と他端側との間がシールされることで、入口通路30から入ってくる流体(例えばガス)が、可動子24の一端側に回り込んで可動子24の開弁動作を妨げることが防止されるようになっている。また、流体が可動子24の一端側に回り込むことが防止されることにより、水分を含むガスが可動子24の一端側に回り込み、これが凍結してソレノイド21と可動子24との間などに氷結部分が発生し、可動子24の開弁動作を妨げることが防止されるようになっている。
可動子24の開弁動作は、ソレノイド21への電力供給(通電)による可動子24への吸引力、及び弁室26や出口通路28へ導入される流体圧により、これらの力が図示せぬバネの付勢力に打ち勝つことで、行われるように構成されている。すなわち、通常時においては、可動子24は、バネの付勢力により閉弁動作(閉弁方向への移動)を行い、弁体25を弁座29に着座させた状態となっている。
この閉弁状態において、ソレノイド21への電力供給が行われると、可動子24をソレノイド21内へさらに挿入させようとする力(吸引力)が、可動子24を開弁方向へ移動させようとする力として付勢される。また、閉弁状態において、入口通路30から弁室26へ流体が導入されると、流体が弁室26内に滞留することにより弁室26内の圧力が上昇し、ダイヤフラム31を弁室26側から押圧する力(ダイヤフラム31を外側へ膨らませ
る力)が生じる。ダイヤフラム31は可動子24に取り付けられているので、当該力は可
動子24を開弁方向へ移動させようとする付勢力として作用する。また、閉弁状態において、出口通路28に流体が導入されると、その流体圧が弁体25にかかり、弁体25が取り付けられた可動子24を開弁方向へ移動させようとする付勢力として作用する。
これらのような可動子24を開弁方向へ移動させようとする付勢力の少なくとも1つがバネの付勢力より強くなると、可動子24はバネの付勢力に抗して開弁方向へ移動し、弁体25が弁座29から離脱することで、入口通路30と出口通路27とを弁室26を介して連通させる開弁状態となる。
このような電磁弁20が第1排出弁4及び第2排出弁7として夫々適用されている場合には、空気供給弁15から配管16を介して配管6にエアコンプレッサ11からの空気が
注入されると、その注入による流体圧は、第1排出弁4及び第2排出弁7に開弁動作を行わせようとする力として作用する。これと同時に、第1排出弁4及び第2排出弁7の各ソレノイド21に対して電力供給が行われれば、ソレノイド21への電力供給のみで開弁動作を行わせる場合に比べて少ない電力で、第1排出弁4及び第2排出弁7に開弁動作を行わせることができる。
さらに、第1排出弁4については、ソレノイド21への電力供給及び弁体25への流体圧の印加が行われている状態において、その上流側から弁室26内へ水素ガスが導入されれば、ダイヤフラム31の膨張による力が可動子24に加わり、可動子24はさらに少ない電力で開弁動作を行うことになる。
図1における第1排出弁4,第2排出弁7,エアコンプレッサ11,空気調圧弁13及び空気供給弁15の動作は、制御部(ECU(Electric Control Unit))32によって制
御される。
制御部32は、CPU(Central Processing Unit),メモリ,入出力インタフェース等
から構成されており、メモリに記憶されたプログラムを実行することによって、上記各部の動作を制御する。制御の一つとして、制御部32は、燃料電池1の始動時において、第1排出弁4及び第2排出弁7を電磁力及び流体圧により強制的に開弁させる制御を行う。
〈動作例〉
図3は、燃料電池の始動時における制御部32による処理(燃料電池システムの動作)を説明するフローチャートである。図3に示す処理は、例えば、燃料電池1の始動時に、制御部32が始動信号を受け取ることによって開始される。
図3において、最初に、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7の凍結が予測されるか否かを判定する(ステップS01)。制御部32は、図示せぬ温度センサ及び水温センサの夫々から、外気温を示す信号及び燃料電池1の冷却水の温度を示す信号を夫々受け取るように構成されている。
制御部32は、外気温及び冷却水温度が夫々に対して用意された規定値を越えているか否かを判定する。このとき、外気温及び冷却水温度の双方が規定値を越えている場合には、凍結が予測されると判定し(S01;YES)、処理をステップS02に進める。一方、外気温及び冷却水温度の双方が規定値を越えてない場合には、凍結が予測されないものとして(S01;NO)、処理を終了する。凍結が予測されない場合には、第1排出弁4及び第2排出弁7は、固着状態にないと考えられるからである。
ステップS02では、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7の強制的な開弁(
固着剥がし)を開始すべく、第1排出弁4及び第2排出弁7に制御信号を与えてソレノイ
ド21に対する通電を開始する。これにより、第1排出弁4及び第2排出弁7の各可動子24に対し、電磁力による開弁方向の付勢力が供給される。
次に、制御部32は、ソレノイド21への通電によって第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか否かを判定する(ステップS03)。ここに、配管5には、配管5内の圧力を検知する圧力センサ33が設けられており、制御部32は、圧力センサ33から配管5内の圧力を示す信号を受け取るように構成されている。第1排出弁4が閉弁状態から開弁状態に移行すると、配管5内の圧力は低下する。制御部32は、圧力センサ33からのセンサ出力を監視することにより、ソレノイド21への通電を開始したことによって圧力が低下したか否かを判定することにより、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか否かを判定することができる。
ここで、圧力センサ33からの出力から予定される圧力低下が認められない場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁していないと判定し(S03;NO)、処理をステップS04に進める。これに対し、圧力低下が認められる場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したものとして(S05;YES)、処理を終了する。
ステップS04では、制御部32は、水素供給を開始する。即ち、制御部32は、例えば、制御信号の供給によって配管3に設けられた図示せぬ水素供給弁(水素調圧弁)を開弁させることにより、水素源から燃料電池1への水素ガスの供給を開始させる。これにより、水素ガスが配管3、燃料通路1C、配管5を介して第1排出弁4の弁室26に導入されて弁室内の圧力が上昇し、ダイヤフラム31を介して可動子24が開弁方向に付勢される。
次に、制御部32は、水素供給によって第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか否かを判定する(ステップS05)。ここでの制御部32の判定方法は、ステップS03と同様の方法を適用することができる。すなわち、制御部32は、圧力センサ33からのセンサ出力を監視することにより、水素供給によって一時的に圧力が上がってその後圧力が低下したか否かを判定することにより、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか否かを判定することができる。
ここで、圧力センサ33からの出力から予定される圧力低下が認められない場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁していないと判定し(S05;NO)、処理をステップS06に進める。これに対し、圧力低下が認められる場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したものとして(S05;YES)、処理を終了する。
ステップS06では、制御部32は、エアコンプレッサ11に駆動信号を与えて燃料電池1への空気供給を開始させるとともに、空気調圧弁13に制御信号を与えて燃料電池1へ供給される空気の圧力を調整する。このとき、エアコンプレッサ11から送り出される空気の一部が、配管14を介して空気供給弁15まで到達する。この時点では、空気供給弁15は閉弁状態となっている。
次に、制御部32は、空気供給によって第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか否かを判定する(ステップS07)。ここでの制御部32の判定方法は、ステップS05と同様の方法を適用することができる。ここで、圧力センサ33からの出力から予定される圧力低下が認められない場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁していないと判定し(S07;NO)、処理をステップS08に進める。これに対し、圧力低下が認められる場合には、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したものとして(S07;YES)、処理を終了する。
ステップS08では、制御部32は、空気供給弁15に制御信号(開信号)を与えて空気供給弁15を開弁状態にする。これによって、配管14からの空気が配管16を介して第1排出弁4と第2排出弁7との間に介在する配管6に注入される。これにより、第1排出弁4の出口通路27側の圧力が上昇して可動子24を開弁方向に付勢する力が働くとともに、第2排出弁4の弁室26の圧力が上昇し、ダイヤフラム31を介して可動子24を開弁方向に付勢する力が働く。
次に、制御部32は、第1排出弁4及び第2排出弁7が開弁したか、又は規定時間が経過したかを判定する(ステップS09)。制御部32は、CPUが有するクロック源を利用
した内蔵時計を用いたタイマを有しており、空気の供給開始と同時にそのタイマによる掲示を開始するように構成されている。制御部32は、このタイマが所定の時間を計時してタイムアウトになるまでの間に、圧力センサ33から、第1排出弁4及び第2排出弁7の開弁による圧力低下と認められる出力が得られたか否かを判定し続ける。
タイマがタイムアウトになるまでの間、エアコンプレッサ11からの空気は配管6に注入され続けるので、第1排出弁4及び第2排出弁7に対する流体圧による開弁方向の付勢力は増大し続けることになる。
そして、制御部32は、タイマがタイムアウトになる前に開弁による圧力低下と認められる出力が得られた場合、又はタイマがタイムアウトになった場合には、処理をステップS10へ進める。ステップS10では、制御部32は、空気供給弁15に制御信号(閉信
号)を与えて配管6への空気の注入を停止させ、処理を終了する。
以上のような処理(動作)によれば、燃料電池1の始動時において、(1)ソレノイド21への通電、(2)燃料電池1への水素供給、(3)燃料電池1への空気供給、(4)空気の配管6への注入の夫々の段階において、電磁力、又は電磁力及び流体圧による付勢力がバネによる付勢力を上回った時点で、第1排出弁4及び第2排出弁7は、夫々開弁する。これによって、低温状況下で第1排出弁4及び/又は第2排出弁7が凍結により弁体25が弁座29に固着した状態となっていても、可動子25が開弁方向に移動することで、固着状態が解除されることになる。
その後、燃料電池1の運転が続いて行われることになる。配管6に注入された空気は、第1排出弁4からの水素ガスと混ざりあって第2排出弁5及び配管8を通って希釈器9に入り、希釈器9から外部に排出される。
ここで、希釈器は、短い時間で高い水素濃度のガスが排出されないように、水素濃度が規定値を越えないガスをできる限り短い時間で排出するように構成される。このため、希釈器は、配管からの高水素濃度のガスが短い時間で排出されないように、ガスを一時的に滞留させる容器を有している。燃料電池1の始動時は、通常運転時に比べて、燃料電池1から排出される水素ガス中の水素濃度が高い傾向にある。このような水素ガスが短い時間で排出されないように、希釈器の容器は、一般に、通常運転時に必要な容積(容量)よりも大きい容積で構成される。
本実施形態では、燃料電池1から排出される水素ガスは、注入された空気と混ざりあうので、その濃度が薄められた状態となる。したがって、希釈器9が有する容器の容積は、空気を注入しない場合に比べて小さくされている。
〈作用及び効果〉
以上説明した実施形態によれば、第1及び第2制御弁としての第1排出弁4及び第2排出弁4が、反応ガス通路としての水素ガスの流路上に直列に配置されている。第1排出弁4及び第2排出弁7は、図2に示したような構成を持つことで、水素ガスの流路の上流側及び下流側の夫々の圧力上昇によって、開弁方向への力が付勢されるように構成されている。
また、配管14,空気供給弁15及び配管16が第1排出弁4と第2排出弁7との間の反応ガス通路としての配管6にエアコンプレッサ11からの空気(流体)を注入する流体注入手段として機能する。そして、制御部32が、燃料電池の始動時にエアコンプレッサ11及び空気供給弁15の動作を制御して配管6に流体たる空気を注入する流体注入制御手段として機能する。
このような流体注入による圧力上昇によって第1排出弁4及び第2排出弁7に対する開弁力を得ることができる。このため、凍結による弁の固着を剥がすために、複数回電磁弁に対して駆動電圧を印加したり、大電流駆動を行ったりする必要がない。したがって、消費電力の増大を抑えることができる。
また、第1排出弁4及び第2排出弁7は、電磁力と流体圧との双方により開弁されるようになっているので、開弁のためにソレノイド21に与える電力を、ソレノイド21への通電のみで開弁を行う場合よりも少なくすることができる。これにより、ソレノイドの大型化を抑制することもできる。
また、配管6には燃料電池1に酸化剤としての空気を供給するエアコンプレッサ11からの空気の一部が注入されるように構成されている。エアコンプレッサ11は弁の固着等の影響を受けることなく加圧空気を供給できるので、第1排出弁4及び第2排出弁7に確実に開弁方向の力を与えることができる。
また、第1排出弁4及び第2排出弁7の凍結による固着状態は、加熱ではなく電磁力及び流体圧による開弁方向への付勢力により解除されるようにしている。このため、固着解除に要する時間が加熱による場合よりも短くて済む。
このようにして、実施形態による燃料電池システム(燃料電池の制御装置)は、消費電力の増大を抑えつつ、効率良く適正に制御弁を開弁させることができる。また、上述したように、希釈器9が有するガス滞留用の容器の容積を小さくすることができるので、燃料電池システムが車載される場合には、その車載スペースの縮小化が図られることになる。
〈変形例〉
上述した実施形態は、次のような変形が可能である。図1に示す構成例では、配管10から配管14へ注入用の空気が導入されるように構成されている。これに代えて、配管14が配管12に接続され、燃料電池1から配管12へ排出される空気の一部が配管14に導入されるようにしても良い。但し、配管2の空気(燃料電池1へ供給される空気)は、配管12の空気(燃料電池1から排出される空気)に比べて圧力が高く、且つ燃料電池1で生成される水分を含まないので、配管2の空気を適用するのが望ましい。
また、図1に示す構成例では、配管14と配管16との間に空気供給弁15が設けられているが、空気供給弁15は無くても良い。空気供給弁15が省略される場合、図3に示すステップS08及びS10の処理も省略される。
また、図1に示す構成例では、燃料電池1への酸化剤供給用のエアコンプレッサ11の空気の一部が配管6に注入されるようになっている。これに代えて、エアコンプレッサ11と異なるエアコンプレッサ又はエアポンプが、配管6への流体注入用として用意されるようにしても良い。この場合、配管14及び空気供給弁15は省略され、当該エアコンプレッサ又はエアポンプに配管16が接続されることとなる。
また、図2に示す電磁弁の構成例では、ダイヤフラム31により可動子24の一端側と他端側との間がシールされるように構成されている。但し、入口通路30からのガスが可動子24の一端側にまわり込まないようにされていれば、Oリングなどの様々なシール材を適用することができる。
また、第1排出弁4に適用される電磁弁は、出口通路27からの流体圧によって十分な開弁力が得られる場合には、ダイヤフラム31が無くても良い。また、第1及び第2排出
弁4,7としての電磁弁20を、図2に示したガスの流れと逆方向にガスが流れるように
各配管5,6,8に取り付けることも可能である。
また、図3に示すフローチャートでは、ステップS02,S04,及びS06の処理が終了する毎に開弁したか否かの判断が行われ(S03,S05,S07)、開弁と判断される場合には、その後の処理が省略されるように構成されている。これらの開弁の判断ステップは省略して、ステップS09の判断のみとすることができる。
また、ステップS02,S04,S06の処理の順番は任意で良く、また、これらの処理が並列に行われるようにすることもできる。また、ステップS04(水素供給)は、必須のステップではない。
さらに、本発明の実施形態は、図4に示すように変形することもできる。図4において、図1と同様の構成については同じ符号を付してある。図4に示す変形例は、図1に示す構成例と次のように異なっている。
すなわち、配管3上には、燃料電池1から水素源2へ向かって水素ガスが逆流することを防止する遮断弁34が設けられている。遮断弁34には、図2に示した電磁弁20が適用される。また、遮断弁34を基点とした場合における水素ガスの上流側の配管3(配管
3A)は、第1排出弁4と第2排出弁7との間の配管6と、配管35を介して接続されて
いる。さらに、空気供給弁15の出口は、配管16Aを介して、第1排出弁4の上流側の配管5に接続されている。なお、16は、図1では図示しなかった水素供給弁(水素調圧
弁)である。
図4に示した構成においても、図3に示した処理を適用することができる。但し、作用が次のように異なる。図3のステップS02では、遮断弁34のソレノイド21に対しても、通電が行われる。ステップS04により、水素供給弁16が開弁して水素源2からの水素ガスの供給が開始されると、水素ガスは、配管3Aに導入され、さらに、配管35を介して配管6に注入され、これらの内部の圧力を上昇させる。即ち、遮断弁34及び第2排出弁7に対してその上流側から開弁方向の付勢力を与え、第1排出弁2に対してその下流側から開弁方向の付勢力を与えることになる。
その後、ステップS06及びS08によって、配管5への空気の注入が開始されると、配管16Aから配管5へ注入される空気は、配管5、燃料電池1の燃料通路1Cを通って遮断弁34の下流側の配管3(配管3B)へ導入され、配管5,燃料通路1C,配管3Bの圧力を上昇させる。これによって、遮断弁34に対してその下流側から開弁方向の付勢力が与えられ、第1排出弁4に対してその上流側から開弁方向の付勢力が与えられることになる。
このようにして、遮断弁34、第1排出弁4及び第2排出弁7がそれぞれ開弁動作を行い、固着状態が解除されることになる。この場合、少なくとも、遮断弁34は第1制御弁に相当し、第1排出弁4が第2制御弁に相当することになる。また、第1排出弁4及び第2排出弁7も、それぞれ第1制御弁及び第2制御弁に相当することになる。
なお、図1において、第2排出弁7の代わりにオリフィスを用いても、第1排出弁4の弁の固着を解除することができる。例えば、図1に示す第2排出弁7の代わりにオリフィスを設け、第1排出弁4とオリフィスとが配管6を介して直列に接続され、配管6に配管16からの空気が注入されるように構成する。このとき、配管16の径は、オリフィスの径よりも十分に大きくなるように構成される。
このように構成すれば、配管16から配管6へ空気が注入されることにより、配管6の圧力が上昇し、第1排出弁4に対し、開弁方向の付勢力がその下流側から与えられることになる。これによって、第1排出弁4は、電磁力及び流体圧で効率良く適正に開弁することができる。
以上の実施形態において説明した構成は、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜組み合わせることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成例を示す図である。 図2は、図1に示した第1排出弁及び第2排出弁として適用可能な電磁弁の構成例を示す図である。 図3は、図1に示した制御部による処理(燃料電池の制御装置の動作)を示すフローチャートである。 図4は、実施形態の変形例の説明図である。
符号の説明
1 燃料電池
4 第1排出弁
6,14,16,16A 配管
7 第2排出弁
11 エアコンプレッサ
15 空気供給弁
20 電磁弁
32 制御部
34 遮断弁

Claims (3)

  1. 燃料電池の反応ガス通路と、
    前記反応ガス通路上に設けられ、反応ガスの流れに対する下流側の圧力が上昇することで開弁方向に力が付勢される第1制御弁と、
    前記反応ガス通路の、前記第1制御弁の反応ガスの流れに対する下流側に設けられ、反応ガスの流れに対する上流側の圧力が上昇することで開弁方向に付勢される第2制御弁と、
    前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の反応ガス通路に流体を注入する流体注入手段と、
    前記燃料電池の始動時に前記流体注入手段により流体を注入する流体注入制御手段と、を備えることを特徴とする燃料電池の制御装置。
  2. 前記第1及び第2制御弁は、ともに電磁力により駆動される制御弁であり、
    前記燃料電池の始動時に前記第1制御弁と前記第2制御弁に対し電磁力により開弁方向に力を付勢する電磁力制御手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料電池の制御装置。
  3. 前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するエアコンプレッサをさらに備え、
    前記流体注入手段は前記エアコンプレッサにより加圧された酸化剤ガスを注入する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の燃料電池の制御装置。
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