JP2006096005A - カード情報記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】カードが必要とする情報、用途などの状況に応じて、表面に一定のパターン、図柄、凹凸などを付与して、カードの識別を容易にするなど、あらゆるタイプのカード情報記録媒体の表面保護を一つの装置で簡便に行うことが出来、印画画像の耐光性、表面の耐傷性、防汚性等のカードに要求される保存性に優れた表面保護層を有するカード情報記録媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】支持体に表面に画像が形成され、画像形成側表面に活性エネルギー線硬化組成物からなる表面保護層が形成され、該表面保護層が厚みパターンを形成しているカード情報記録媒体、及び活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェット方式により塗布してカード情報記録媒体を製造する方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はカード情報記録媒体およびその製造方法に関し、詳しくは印刷、昇華型熱転写、銀塩写真などにより形成された識別画像または書誌情報、あるいはこれら両者を活性エネルギー線硬化保護層で保護したカード情報記録媒体およびその製造方法に関する。
近年、運転免許証や従業員証、学生証、パスポート、外国人登録証等に代表されるカード情報記録媒体(以下、IDカードとも言う)は、書誌的事項を記載する文字情報のみならず顔写真の様な識別画像も同時に表示されている。これらIDカードは発行の即時性が要求され、従来の銀塩写真と同様、デジタルカメラを使った、昇華型熱転写などによる画像形成も盛んに行われている。
IDカードはその有効期間中は搭載した顔写真や文字情報を、どんな苛酷な条件を経ても(例えば“誤って洗濯した”、“尻ポケットに入れたまま座った、車のダッシュボードに置き忘れた”等)保持せねばならぬという要請と、偽変造を阻止しなければならないとの要請があり、その耐水性、強度及び接着性等を付与した保護層を画像担持層上に設けることが行われている。例えば、特許文献1には、保護層を形成した転写フィルムからIDカ−ド表面に熱転写で、保護層を転写する従来行われている紫外線硬化保護層の形成方法が記載されている。
また、例えば特許文献2には、カード基板上にホログラム層を設け、顔写真や氏名、発行日などを容易に模倣されないように特殊な画像が形成されて、ホログラム層上は光透過性の良い保護シートによって覆われ、そしてこの保護シートにはラミネートフィルムなどの透明樹脂が使用され、カード基板よりも強度的に弱いホログラム層を覆うように保護される。また、IDカードの表面保護層を転写するためのフィルムも提案されている。
カードに記録された情報、特に画像情報は、日光などによって変色や退色をする。これを防止することは機械的な表面保護以上に重要なことである。これについて、紫外線吸収剤を含む感熱性接着剤層と保護層とを積層した熱転写シートを使用して、昇華染料画像上に感熱性接着剤層を介して保護層を熱転写方式で積層する退色の防止法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、紙をカード基体とし、表示層に昇華染料画像を設け、該画像上にポリ塩化ビニルあるいはポリエステル樹脂からなるラミネートフィルム保護層を熱圧着するカードが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
上記従来の転写フィルム、ラミネートフィルムによる保護層の付与方法に加えて、紫外線硬化樹脂を塗布して、紫外線によって硬化保護皮膜を形成させる方法もある(例えば、特許文献5参照)。また塗布の方法もDIP法、インクジェット法(例えば、特許文献6参照)など多様に用いられ、保護皮膜目的のインクジェットインキも開発されている(例えば、特許文献7参照)。
特開2000−16797号公報 特開2002−352213号公報 特開平10−157349号公報 登録実用新案第2551217号公報 特開平5−186258号公報 特開2004−142124号公報 特開平9−183927号公報
上記の方法は、あらかじめ、図1のようにIDカードの種類に応じた保護層を有する転写フィルム、あるいは保護層を有する粘着フィルムや接着フィルムを製作しておく必要がある。通常、このようなフィルムはほぼカードの巾にスリットして、ロールフィルムとして供給する。これらを保存しておく場合に、しばしばフィルムのブロッキングが発生して、使用できなくなることや、貼り付ける機械を破壊するなど、実用上の不具合が生じる。
また、紫外線硬化樹脂を使用する場合、退色防止の目的で添加する紫外線吸収剤は紫外線硬化を阻害するなど欠点もあった。
一方、IDカードはいつも決まった図柄、情報で製作することは少なく、多種多様な情報に対応、即応することが要求される。それに応じて表面保護層も、単純に均一なカバー層だけではなく、表面に一定のパターン、図柄、凹凸などを付与して、カードの識別を容易にする、改ざんを防止するなどの必要に迫られているが、上記の方法で対応するには、個別に要求される部材を用意せねば成らず、コストが掛かりすぎる欠点がある。また、熱転写方式で保護層を熱圧着する場合には、保護層の厚さが厚いと熱圧着する際に接着剤層に十分に熱がかからず、画像形成受容層と保護層との接着強度が低下するため保護層の厚さを厚くできないなど欠点もある。
本発明の目的は、カードが必要とする情報、用途などの状況に応じて、単純に均一な表面保護層だけではなく、表面に一定のパターン、図柄、凹凸などを付与して、カードの識別を容易にするなど、あらゆるタイプのカード情報記録媒体の表面保護を一つの装置で簡便に行うことが出来、印画画像の耐光性、表面の耐傷性、防汚性等のカードに要求される保存性に優れた表面保護層を有するカード情報記録媒体を提供することにある。
本発明の更なる目的は、偽造、変造防止等の安全性(セキュリティ)を高めたカード情報記録媒体およびその製造方法を提供することにある。
本発明の目的は次の構成により達成される。
即ち、
1.支持体の少なくとも片面に画像が形成され、該支持体の画像形成側表面に活性エネルギー線硬化組成物からなる表面保護層が形成されたカード情報記録媒体であって、該表面保護層が厚みパターンを形成していることを特徴とするカード情報記録媒体。
2.活性エネルギー線硬化組成物が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする上記1記載のカード情報記録媒体
3.活性エネルギー線硬化組成物が、アセトニトリル0.1%溶液中での380nmの吸収が0.1以上の感光性重合開始剤を用いて形成されることを特徴とする上記1または2に記載のカード情報記録媒体。
4.活性エネルギー線硬化組成物が、同一分子内にエチレン性不飽和基を2個以上有する硬化性樹脂と開環重合性基を有する硬化性樹脂とを含む硬化性組成物から形成された上記1ないし3のいずれかに記載のカード情報記録媒体。
5.上記1ないし4のいずれかに記載のカード情報記録媒体を形成するに当り、活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェット方式により塗布することを特徴とするカード情報記録媒体の製造方法。
6.上記5のカード情報記録媒体の製造方法において、情報記録装置と表面保護層を形成する装置とが一体化され、かつ連続処理できる装置を用いることを特徴とする上記5記載のカード情報記録媒体の製造方法。
7.上記5のカード情報記録媒体の製造方法において、情報記録装置と表面保護層を形成する装置とを分離して製造することを特徴とする上記5記載のカード情報記録媒体の製造方法。
8.上記5乃至7に記載の方法で形成されたカード情報記録媒体。
本発明のカード情報記録媒体は、カードが必要とする情報、用途などの状況に応じて、単純に均一な表面保護層だけではなく、表面に一定のパターン、図柄、凹凸などを付与して、カードの識別を容易にするなど、あらゆるタイプのカード情報記録媒体の表面保護を一つの装置で簡便に行うことが出来、しかも印画画像の耐光性、表面の耐傷性、防汚性等のカードに要求される保存性に優れた表面保護層を有する。
また、本発明のカード情報記録媒体の製造方法によれば、簡便にカード表面に退色防止を兼ねたハードコート保護皮膜を形成でき、保護膜に凹凸やパターンを印刷できるため、一度作ったIDカードへも、保護膜処理装置によって付加情報を簡便に付与できる。
以下本発明について詳述する。なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、「(メタ)アクリロイル」との記載は、「アクリロイル及びメタクリロイルの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
本発明に用いられるカード情報記録媒体の支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6.6等のポリアミド;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;生分解性脂肪族ポリエステル、生分解性ポリカーボネート、生分解性ポリ乳酸、生分解性ポリビニルアルコール、生分解性セルロースアセテート、生分解性ポリカプロラクトン等の生分解性樹脂;三酢酸セルロース、セロファン等のセルロース系樹脂;ポリメタアクリル酸メチル、ポリメタアクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、等のアクリル系樹脂;その他、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド等の合成樹脂等のシートが挙げられる。さらに、上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙、金属箔等の単層体或いはこれら2層以上の積層体も支持体として用いることができる。
支持体は単層構造を有していてもよいし、多層構造を有していてもよい。本発明では、支持体中に蛍光物質を含有させることができる。また、支持体中には支持体上に形成される画像の鮮明性を高めるために、予め白色顔料、例えばチタンホワイト、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タルク、クレー、炭酸カルシウム等が添加されているのが好ましい。
本発明の支持体の厚みは単層の場合は50μm〜2000μm好ましくは80μm〜1200μm、さらに好ましくは100μm〜900μmμである。2層以上の場合も、積層状態での厚みが単層で示した厚みの範囲内であることが好ましい。単層で50μm以下であると、貼り合わせ時にカールなどの問題が起きやすく好ましくない。
これらの支持体上には、易接処理を施してもよく、易接層は、カップリング剤、ラテックス、親水性樹脂などの樹脂層より形成される。場合により支持体にコロナ処理、プラズマ処理等の易接処理を施しても良い。
支持体には必要に応じてエンボス、サイン、ICメモリ、光メモリ、磁気記録層、他の印刷等を設けることができる。当該カード利用者の顔画像を形成するため、画像受像層(例えばインクジェットインキ受像層など)を設けても良く、必要に応じて支持体と画像受像層の間にクッション層を設けてもよい。
これらの支持体を用いたIDカードには、そのアプリケーションに対応したデザイン印刷や使用法、注意書きなどの情報、カード所有者の個人情報などが可視情報として表示される。これらの可視情報表示部は、カードそれぞれの記録媒体の種類によってその場所が自ずから制限される。本発明の方法が適用されるIDカードは可視表示部分が全面でも、一部分でもいい。
例えば、磁気カードの場合は磁気ストライプ部の上、ICカードの場合はICチップの端子部には、それぞれに可視情報表示部を設ける事はできない。又、光カードの場合には、光記録層のある部分が広いので、これらの可視情報表示部は、光記録層のない部分、主に光記録層と反対側に設けられるのが一般的である。
可視情報は、そのカードが使用される用途に応じ、それぞれのアプリケーションに対応して、各アプリケーション毎の個別な内容で表示がなされる。この可視情報の表示部には、そのアプリケーションに共通な情報、例えばカードデザイン、情報フォーマット等として予め量産印刷(ホログラム等の貼付も含む)される情報と、個々のカードに固有な情報、例えば所有者の個人情報等の様に、カードの発行時にしか解らない情報で、カード毎に個別に処理される情報とに分ける事が出来る。
後者は、所有者の個人情報として、ID番号や住所、氏名、生年月日などの文字情報や、本人の顔写真や指紋等の画像情報があり、熱転写プリンターやインクジェットプリンター、写真などの貼付によって、カードの発行時に枚葉処理で可視情報が構成される。
本発明の方法では、このようなさまざまなIDカードに対応し、カード全面、あるいは必要部分のみを、インクジェット方式でカード表面に活性エネルギー線硬化性組成物を塗布し、活性エネルギー線を照射し、硬化皮膜を形成して保護するなどのカード情報保護を目的として適用される。
本発明によればカード情報記録担体表面の任意の位置に硬化被膜を形成することが可能である。
本発明で言う厚みパターンとは、全面に一様な厚みで形成されるもの以外のものを指す。たとえば、カードの片側面、あるいはカード表面の一部、例えば顔写真部のみなどに硬化被膜を作成したり、凹凸、規則的なパターン、商標、地紋、点字情報などを保護膜作成と同時に付与することが出来る。
インクジェット方式であれば、枚様処理の際に、一枚ずつ異なる場所に塗布することも出来、少量多様品種に対する対応も自在である。本発明の塗布方法は、市販のパソコン用プリンター同様に、図2のようなID発行機の中に、情報書き込みに継ぐ連続した装置として構成することも、図3のようなID発行機とは別な独立した装置としてもよい。
ここで、図2の装置はカード情報記録担体表面にID情報を印刷する装置部分と、本発明のインクジェットによる保護膜を形成する装置を連続した装置である。
図3の装置は本発明のインクジェットによる保護膜を形成する装置を独立し、IDカードに付加情報を付与するための装置としたものである。
本発明で使用するインクジェット方式とは、たとえば特開平特開平2−184450号公報記載のバブルジェット方式、特開昭48−9622号公報記載のピエゾ方式などを指す。これらの公報では、印刷用のインクを微細油滴として噴射し、画像を形成することが提案されている。本発明においては、インクに代り、活性エネルギー線硬化組成物を支持体に噴霧することにより、カードの全面あるいは任意の部分に硬化被膜を作成することができる。
インクジェット方式のその他の利点として、塗布装置としてのメンテナンスが簡便であることがあげられる。塗布液はインクカートリッジとして、簡単に交換でき、また、使用済みのカートリッジ回収も容易に行え、環境汚染を防ぐことが出来る点は本発明の効果のひとつである。
本発明で用いる活性エネルギー線としては、用いる硬化性組成物の種類に応じて適宜選択する。主として、紫外線、近紫外線を発光するランプが好ましい。例えば、近紫外領域の光を照射する場合には、400〜480nmの波長域の光を主に放射するランプ(放射ピークが400〜480nmにあるランプ、例えば、400〜480nm(好ましくは420nm±20nm)に放射ピークを持つ様に蛍光体を設けた熱陰極蛍光ランプ)からの放射光や、放射波長の分布が広いメタルハライドランプを光源を用いることができる。近紫外線の照射量としては、300〜1200mJ/cm2が好ましく、400〜1000mJ/cm2が更に好ましい。
本発明に用いられる活性エネルギー線硬化性組成物の硬化性樹脂は、公知の活性エネルギー線硬化性の樹脂であれば特に限定するものではないが、IDカード表面の画像情報を損なわないものを選定する必要がある。特に、活性エネルギー線によって硬化するエチレン性不飽和基を同一分子内に2個以上含む硬化性樹脂、開環重合性基を含む硬化性樹脂が好ましい。これら2種の硬化性樹脂を併用して使用することも好ましい。
好ましいエチレン性不飽和基の種類は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基であり、特に好ましくはアクリロイル基である。なお、これらの同一分子内にエチレン性不飽和基を2個以上含む硬化性樹脂は、単独でも混合併用してもよい。
エチレン性不飽和基を同一分子内に2個以上含む硬化性樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートモノマーと称される硬化性樹脂やウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートと称される分子内に3個以上の(メタ)アクリル酸エステル基を有する分子量が数百から数千のオリゴマーを好ましく使用できる。
同一分子内に2個以上のアクリル基を有する硬化性樹脂の具体例としては、ブタンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のポリオールポリアクリレート類、ポリイソシナネートとヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有アクリレートの反応によって得られるウレタンアクリレート、ビスフェノールAなどとグリシジルアクリレートなどの反応によって得られるエポキシアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレートなどを挙げることができる。
その他の硬化性樹脂としては、スチレン化合物(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル)、1,4−ジビニルシクロヘキサノン、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)などを挙げることができる。さらに硬化性樹脂やそのモノマーとしては、例えば、“光硬化技術データブック 材料編”(テクノネットブックス、テクノネット社)などに記載されているものが用いることができる。
開環重合性基を含む硬化性樹脂として好ましくは、カチオン、アニオン、ラジカルなどの作用により開環重合が進行する環構造を有する硬化性樹脂であり、この中でもヘテロ環状基含有硬化性樹脂が好ましい。このような硬化性樹脂としてエポキシ化合物、オキセタン化合物、テトラヒドロフラン化合物、環状ラクトン化合物、環状カーボネート化合物、オキサゾリン化合物などの環状イミノエーテル類などが挙げられ、特にエポキシ化合物、オキセタン化合物、オキサゾリン化合物が好ましい。
本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、同一分子内に2個以上の開環重合性基を有することが好ましいが、より好ましくは3個以上有することが好ましい。また、本発明において開環重合性基を有する硬化性樹脂は、2種以上併用してもよく、この場合、同一分子内に開環重合性基を1個有する硬化性樹脂を必要に応じて併用することができる。
本発明で言う開環重合性基を有する硬化性樹脂とは、上記のような環状構造を有する硬化性樹脂であれば特に制限がない。このような硬化性樹脂の好ましい例としては、例えば単官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、2官能脂環式エポキシ類、ジグリシジルエーテル類(例えばグリシジルエーテル類としてエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、3官能以上のグリシジルエーテル類(トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレートなど)、4官能以上のグリシジルエーテル類(ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルなど)、脂環式エポキシ類(セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製)、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテルなど)、オキセタン類(OX−SQやPNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)など)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明では、カード情報記録媒体表面に記録された画像情報を光による退色から保護するために、活性エネルギー線硬化組成物中に、紫外線吸収剤を添加することが有効である。具体的な紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、チアゾリドン系化合物(米国特許3,352,681号など)を、単独もしくは2種以上混合して使うことが出来る。
本発明に用いる活性エネルギー硬化性樹脂を硬化させるために、感光性の重合開始剤を添加することが好ましい。本発明で使用する感光性重合開始剤は、その感光波長域が、同時に添加した紫外線吸収剤の吸収波長とは異なるものを組み合わせて使用することが有効である。より詳しくは感光性重合開始剤の感光波長域での長波長側の吸収末端が紫外線吸収剤の長波長側の吸収域より長波長であることが好ましい。
一般的に、無色透明で、有効な退色防止機能を出すための紫外線吸収剤を含有する層を作るにはおよそ380nm以上の波長領域に吸収を持たない紫外線吸収剤を用いる。しかしながら、退色防止のために添加した紫外線吸収剤によって、感光性重合開始剤の必要とする紫外線の一部が吸収され、重合開始剤の機能は低減してしまう。したがって本発明では、退色防止用に添加する紫外線吸収材の吸収領域より長波長側の、近紫外領域に感度を持つ感光性重合開始剤を用いることが好ましい。具体的には、アセトニトリル0.1%溶液中で、380nmの吸収が0.1以上の感光性重合開始剤を用いることが好ましい。
感光波長(吸収波長)が近紫外領域にある重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(DAROCUR(登録商標)TPO;チバガイギー社製)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フォスフィンオキサイド(IRGACURE(登録商標)819;チバガイギー社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドなどのフォスフィンオキサイド類、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどのチオキサントン、N−メチルアクリドン、ビス(ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(IRGACURE(登録商標)369;チバガイギー社製)などのケトン類、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2,2−(O−ベンゾイルオキシム)]などのオキシム類などの400nm付近まで吸収末端がある化合物が好ましい。作製したカードの着色を少なくさせため、照射後の消色が大きなフォスフィンオキサイドが特に好ましい。
一方、主に紫外域に吸収のある開始剤を、上記の近紫外領域まで吸収のある重合開始剤と併用してもよい。併用することができる主に紫外域に吸収のある重合開始剤を挙げると、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE(登録商標)651;チバガイギー社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE(登録商標)184;チバガイギー社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ベンゾフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE(登録商標)907;チバガイギー社製)などのアセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類などの公知の開始剤を挙げることができる。
上記近紫外領域に吸収のある重合開始剤と上記紫外域に吸収のある重合開始剤とを併用する場合に、両者の使用量の質量比(近紫外:紫外)は、70:30から20:80が好ましく、60:40から30:70がより好ましい。
活性エネルギー線硬化組成物おける硬化性樹脂に対する重合開始剤の量は、1質量%以上10質量%以下が好ましく、2質量%以上8質量%以下がより好ましい。重合開始剤の量が上記範囲であると、硬化反応が十分で硬度が高く、しかも着色がなく、深さ方向の硬度が変化が殆どない。
上記紫外線吸収剤を使用する際には、増感剤を併用することが好ましく、増感剤の具体的例としては、2,4−ジエチルチオキサントン(Chemicure JETX(登録商標):サンケミカル(株))、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1(Chemicure 709(登録商標):サンケミカル(株)))、2−エチルアントラキノン(アデカオプトマー SP−100(登録商標):旭電化工業)などが挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化組成物には、更に必要に応じて、エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等)、染料、顔料等の着色剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、ワックス類、酸化防止剤、非反応性ポリマー、シランカップリング剤、光安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、フッ素系やシリコン系の防汚剤等を添加することもできる。
上記着色剤は、過酷な条件にさらされる可能性の有るIDカードには顔料が好ましい。代表的なものを下記する。
・ブラック:カーボンブラック
・シアン:Copper Phthalocyanine (C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:4)、Aluminum Phthalocyanine
・マゼンタ:Dimethyl quinacridone (C.I.Pigment Red 122)、Quinacridone (C.I.Pigment Violet 19)
・イエロー:Monoazo (C.I.Pigment Yellow 74)、Disazo (C.I.Pigment Yellow 16, C.I.Pigment Yellow 128)、Isoindolinone (C.I.Pigment Yellow 109)
等が挙げられる。
その他、特開平10−140065号公報記載のマイクロカプセル化顔料なども使用できる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、インクジエットプリンターを用いて、IDカードの基板上に、むだなく厚さ0.5〜50μmの範囲で、好ましくは1〜40μm塗布する。塗布後、紫外線を照射し、塗膜を硬化させる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、エチレン性不飽和基を同一分子内に2個以上含む硬化性樹脂、開環重合性基を含む硬化性樹脂、紫外線吸収剤および重合開始剤の各成分を溶解、混合、混練等をすることにより調製することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物中、各成分の使用割合(固形分換算)は以下のようにすることができる。エチレン性不飽和基を同一分子内に2個以上含む硬化性樹脂成分は5〜80質量%が好ましく、特に好ましくは、10〜75質量%である。開環重合性基を含む硬化性樹脂成分は、5〜85質量%が好ましくは、特に好ましくは、10〜75質量%である。紫外線吸収剤成分は、0.1〜20質量%、好ましくは0.1%〜10質量%である。重合開始剤成分は0.1〜20質量%が好ましく、特に好ましくは0.5〜15質量%である。さらに、溶剤を添加し、本発明の活性エネルギー線硬化性塗布液として、インクジェットプリンター用インキに用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、実施例中の部は、質量部である。
実施例試料の評価法は以下に示す方法で行った。
(インキの保存安定性)
インクカートリッジをプリンターにセットした状態で、40℃の部屋で1ヶ月放置し、再び室温で、同じ条件で塗布して、長期保存の安定性評価としてノズルの詰まりを見た。
評価は○=全く詰まり無し、×=詰まりありで示した。
(鉛筆硬度の評価法)
カード試料を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間放置した後、JIS S6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5400が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、1kgのおもりを用いて各硬度の鉛筆で引っ掻きを5回繰り返し、5回とも傷が全く認められなかった最大の鉛筆硬度がカード表面の鉛筆硬度とした。なお、JIS K5400で定義される傷は(i)塗膜の破れ、(ii)塗膜のすり傷である。
(退色試験)
カードサンプルをキセノンランプ(10万ルックス)で照射し、初期濃度の20%低下するまでの要した照射時間を以って、耐久性とした。従って、時間が長いほど耐久性が有ることになる。
表1に、インクジェットインキの組成を示した。インキ1〜4は長波長側に吸収を持つ光重合開始剤を用いた組成のインキである。インキ5,6は長波長側に吸収を持つ光重合開始剤を用いないものである。
Figure 2006096005
表1に示した各インキを用いて、黒文字情報とカラー画像情報が印刷された酸化チタン含有塩化ビニル(厚さ800ミクロン)製カードの印刷表面にインクジエットプリンターで、厚さ25μmになるようにインキ1〜6について全面に塗布を行った。その後メタルハライドランプ(400mj/m2)で2秒の照射を行い、表面保護層を作成した。
表2には硬化皮膜の表面硬度(鉛筆硬度)インクジェットインキの保存安定性、ならびにキセノンランプによる退色テストを行った結果を示した。
Figure 2006096005
印字例5、6では、長波長側に吸収を持つ重合開始剤が無く、添加した紫外線吸収剤のため、十分に硬化が進まず、鉛筆硬度が低いことがわかる。
パターン印刷例1
黒文字情報とカラー画像情報が印刷された酸化チタン含有塩化ビニル(厚さ800ミクロン)製カードの印刷表面にインクジエットプリンターで、カードの全面に表1のインク1を厚さ25μmに塗布し、その後メタルハライドランプ(400mj/m2)で2秒の照射を行い、表面保護層を作成した。更にその表面にカード挿入方向が判るように、矢印状に再び40μmの厚みに印刷し、またカードの種類がわかるように端部に凸状に点字状の印刷をした。その後再びメタルハライドランプ(400mj/m2)で2秒の照射を行い、表面にパターニングを施した。
このカードに施された矢印、点字パターンは視覚障害者による識別に十分な凹凸であった。
パターン印刷例2
黒文字情報とカラー画像情報が印刷された酸化チタン含有塩化ビニル(厚さ800ミクロン)製カードの印刷表面にインクジエットプリンターで、カードの全面にインク2を厚み1ミクロンで塗布し、その後メタルハライドランプ(400mj/m2)で2秒の照射を行い、表面保護層を作成した。その後、インキ3を3μmの厚みでストライプ状に塗布を行い、その後メタルハライドランプ(400mj/m2)で2秒の照射を行い、表面保護層を作成した。
この方法によりカードには表面に透明なイエロー色の模様が出来るため、模様の種類を適宜選定することで、例えば、カードの再発行なしに、有効期限の延長、カード所有者のグループ分けなど各種識別に有効な付加情報を簡便に付与することが出来る。
従来からの転写リボン方式による保護膜形成方法を示す概略図である。 本発明に係るカード情報記録媒体の製造方法の概略図である。 本発明に係るカード情報記録媒体の製造方法の概略図である。
符号の説明
1 保護膜転写リボン
2 転写用サーマルヘッド
3 印刷済みIDカード供給BOX
4 印刷済みIDカード
5 メタルハライドランプ
6 インクジェットヘッド
7 ID情報印刷部

Claims (8)

  1. 支持体の少なくとも片面に画像が形成され、該支持体の画像形成側表面に活性エネルギー線硬化組成物からなる表面保護層が形成されたカード情報記録媒体であって、該表面保護層が厚みパターンを形成していることを特徴とするカード情報記録媒体。
  2. 活性エネルギー線硬化組成物が紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1記載のカード情報記録媒体
  3. 活性エネルギー線硬化組成物が、アセトニトリル0.1%溶液中での380nmの吸収が0.1以上の感光性重合開始剤を用いて形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のカード情報記録媒体。
  4. 活性エネルギー線硬化組成物が、同一分子内にエチレン性不飽和基を2個以上有する硬化性樹脂と開環重合性基を有する硬化性樹脂とを含む硬化性組成物から形成された請求項1ないし3のいずれかに記載のカード情報記録媒体。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のカード情報記録媒体を形成するに当り、活性エネルギー線硬化性組成物をインクジェット方式により塗布することを特徴とするカード情報記録媒体の製造方法。
  6. 請求項5のカード情報記録媒体の製造方法において、情報記録装置と表面保護層を形成する装置とが一体化され、かつ連続処理できる装置を用いることを特徴とする請求項5記載のカード情報記録媒体の製造方法。
  7. 請求項5のカード情報記録媒体の製造方法において、情報記録装置と表面保護層を形成する装置とを分離して製造することを特徴とする請求項5記載のカード情報記録媒体の製造方法。
  8. 請求項5乃至7に記載の方法で形成されたカード情報記録媒体。
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