JP2006100101A - 燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体 - Google Patents

燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池により生成される生成水を適切にシステムの外に排出する。
【解決手段】 バイパス供給管62により空気供給系40の空気の一部を燃料電池スタック22をバイパスして空気排出系50のオフガス排出管52へ供給し、オフガス排出管52内の水を貯留タンク54に回収し、ヒータ56により貯留タンク54内の水位や燃料電池スタック22の出力Pfcに応じた加熱量で貯留された水を加熱して気化し、気化した水を燃料電池スタック22からのオフガスとバイパス供給管62からの空気とを用いて掃気しシステムの外に排出する。こうすれば、システムを停止したときにオフガス排出管52内に水が残留するのを抑制することができ、生成された水の量に応じて適切に貯留タンク54内の水を気化し排出することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体に関する。
従来、この種の燃料電池システムとしては、燃料電池により生成される生成水をタンクに貯留し、貯留した生成水を燃料電池の冷却液を用いて加熱するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、貯留した生成水を冷却液を用いて加熱することにより、生成水を気化し外部に排出することができる。
特開2003−7323号公報(図1)
しかしながら、上述の燃料電池システムでは、システムを起動した直後の暖機運転中や外気温が低いときなど冷却液の温度が低いときには、貯留した生成水を十分に気化することができず適切に外部に排出できない場合がある。また、燃料電池からの生成水は、燃料電池からのオフガスの排気通路内を流れタンクに貯留されるが、システムを停止すると排気通路内に生成水が残留することがある。このような状態でシステムを放置すると、外気温が低いときには排気通路内に残留した生成水が凍結する場合がある。
本発明の燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体は、燃料電池により生成される生成水を適切に外部に排出することを目的の一つとする。また、本発明の燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体は、オフガスが流通する通路内での生成水の移動を容易にすることを目的の一つとする。そして、本発明の燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体は、オフガスが流通する通路内での生成水の凍結を抑制することを目的の一つとする。
本発明の燃料電池システムおよびその制御方法並びに移動体は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の燃料電池システムは、
水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池で生成された生成水を貯留可能な貯留手段と、
該貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する排出手段と、
システムの状態を検出する状態検出手段と、
該検出されたシステムの状態に基づいて前記生成水を気化または霧化して排出するよう前記排出手段を制御する排出制御手段と、
を備えることを要旨とする。
本発明の第1の燃料電池システムでは、状態検出手段により検出されたシステムの状態に基づいて貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する。この結果、システムの状態に応じて適切に生成水を外部に排出することができる。
こうした本発明の第1の燃料電池システムにおいて、前記状態検出手段は、前記貯留手段により貯留された生成水の水位,該貯留された生成水の水温,前記燃料電池の出力,外気温の少なくとも一つを前記システムの状態として検出する手段であるものとすることもできる。この場合、前記状態検出手段は、前記貯留手段により貯留された生成水の水位を前記システムの状態として検出する手段であり、前記排出制御手段は、前記検出された水位が高いほど前記貯留された生成水の気化または霧化される気化霧化量が多くなる傾向に前記排出手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、貯留手段により貯留された生成水の水位に応じて生成水を適切に外部に排出することができる。また、前記状態検出手段は、前記燃料電池の出力を前記システムの状態として検出する手段であり、前記排出制御手段は、前記検出された燃料電池の出力が高いほど前記貯留された生成水の気化または霧化される気化霧化量が多くなる傾向に前記排出手段を制御する手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃料電池の出力に応じて生成水を適切に外部に排出することができる。
また、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、前記排出手段は、前記貯留された生成水を加熱することにより気化して外部に排出する手段であるものとすることもできるし、前記排出手段は、前記貯留された生成水を加振することにより霧化して外部に排出する手段であるものとすることもできる。
そして、本発明の第1の燃料電池システムにおいて、前記貯留手段は、前記燃料電池からのオフガスが流通するオフガス通路の下流に連通してなり、該燃料電池システムは、更に、前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給する空気供給手段と、該空気供給手段からの空気の少なくとも一部を前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給可能なバイパス供給手段と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、バイパス供給手段がオフガス通路に供給する空気とオフガスとによりオフガス通路内の生成水を移動させ、貯留手段に集めることができる。このようにして、オフガス通路内の生成水を貯留手段に集めることができるから、システム停止後にオフガス通路内に生成水が残留して凍結することを抑制できる。この場合、前記燃料電池の出力を検出する出力検出手段と、該検出された前記燃料電池の出力が低くなるほど前記空気供給手段から前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給される空気量が多くなる傾向に前記バイパス供給手段を制御するバイパス供給制御手段と、を備えるものとすることもできる。こうすれば、燃料電池の出力が低いときにオフガス通路の生成水をより容易に移動させることができる。また、前記空気供給手段から前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給される空気量が脈動するよう前記バイパス供給手段を制御するバイパス供給制御手段を備えるものとすることもできる。空気供給手段からオフガス通路に供給される空気量を脈動させるから、オフガス通路内の生成水を容易に移動させることができる。
本発明の第2の燃料電池システムは、
水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給する空気供給手段と、
前記燃料電池からのオフガスを排気通路を介して排気する排気手段と、
前記空気供給手段からの空気の少なくとも一部を前記燃料電池をバイパスして前記排気通路に供給可能なバイパス供給手段と、
を備えることを要旨とする。
本発明の第2の燃料電池システムでは、バイパス供給手段が排気通路に供給する空気とオフガスとにより排気通路内の生成水を移動させることができる。また、排気通路内の生成水を移動させることができるから、排気通路内に生成水が残留して凍結することを抑制できる。
本発明の移動体は、上述したいずれかの態様の本発明の燃料電池システム、即ち、基本的には、水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、前記燃料電池で生成された生成水を貯留可能な貯留手段と、該貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する排出手段と、システムの状態を検出する状態検出手段と、該検出されたシステムの状態に基づいて前記生成水を気化または霧化して排出するよう前記排出手段を制御する排出制御手段と、を備える本発明の第1の燃料電池システムや、水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給する空気供給手段と、前記燃料電池からのオフガスを排気通路を介して排気する排気手段と、前記空気供給手段からの空気の少なくとも一部を前記燃料電池をバイパスして前記排気通路に供給可能なバイパス供給手段と、を備える本発明の第2の燃料電池システムを電力源とすることを要旨とする。
本発明の移動体では、上述したいずれかの態様の本発明の第1または第2の燃料電池システムを搭載しているから、本発明の第1または第2の燃料電池システムの奏する効果、例えば、システムの状態に応じて適切に生成水を外部に排出することができる効果や排気通路内に生成水が残留して凍結するのを抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の燃料電池システムの制御方法は、
水の生成を伴って発電する燃料電池と、該燃料電池で生成された生成水を貯留可能な貯留手段と、該貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する排出手段と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
(a)システムの状態を検出し、
(b)該検出されたシステムの状態に基づいて前記生成水を気化または霧化して排出するよう前記排出手段を制御する
ことを要旨とする。
本発明の燃料電池システムの制御方法では、検出されたシステムの状態に基づいて生成水が気化または霧化されて排出するよう排出手段を制御する。この結果、システムの状態に応じて適切に生成水を外部に排出することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての燃料電池システム20を搭載した燃料電池車10の構成の概略を示す構成図である。実施例の燃料電池車10は、図示するように、燃料電池システム20からの直流電力を三相交流電力に変換するインバータ12と、インバータ12により変換された三相交流電力により駆動し図示しない駆動軸に動力を出力する走行用のモータ14と、直流電力を変換すると共に燃料電池システム20の出力電圧Vfcや出力電流Ifcを調整するDC/DCコンバータ16と、DC/DCコンバータ16を介して燃料電池システム20に並列に接続された二次電池18とを備える。
燃料電池システム20は、遮断器21を介してインバータ12やDC/DCコンバータ16に接続されており、例えば高分子により形成された電解質膜を二つの電極(燃料極と空気極)で狭持してなる単電池ユニットを複数積層して構成した燃料電池スタック22と、この燃料電池スタック22の燃料極(負極)に高圧水素タンク31からの水素を供給する水素供給系30と、燃料電池スタック22の空気極(正極)に空気を供給する空気供給系40と、燃料電池スタック22の空気極からの空気(オフガス)を外部に排出する空気排出系50と、燃料電池スタック22を冷却する図示しない冷却系と、燃料電池システム20を含む全体をコントロールする電子制御ユニット70とを備える。
水素供給系30は、高圧水素タンク31からの水素を燃料電池スタック22に供給する水素供給流路32と、燃料電池スタック22から排出された水素を水素供給流路32に返送する水素循環流路33とを備える。水素供給流路32には、高圧水素タンク31からの水素が逆流しないようにするための逆流防止弁(チェック弁)や燃料電池スタック22への水素の供給や供給停止を行なうための図示しない仕切弁などが設けられている。水素循環流路33には、水素を水素供給流路32に圧送するための水素ポンプ34や、循環している水素中の水蒸気を液化することにより気液分離する気液分離器38,水素供給流路32側の水素が逆流しないようにするための図示しない逆流防止弁(チェック弁)、燃料電池スタック22からの水素の排出を停止するための仕切弁などが設けられている。また、水素供給流路32や水素循環流路33には、燃料電池スタック22に供給する水素の供給量や燃料電池スタック22の運転状態を制御するために用いられる図示しない各種センサが取り付けられている。気液分離器38により分離された水は、空気排出系50を介して貯留タンク54に貯留される。なお、水素循環流路33には分岐管35が取り付けられており、水素循環流路33内の水素は、希釈器39で空気排出系50からの空気の一部を用いて希釈され、その後、空気排出系50を介して大気に開放される。
空気供給系40では、マスフローメータ43により計量されエアコンプレッサ44により加圧された空気を供給管41により加湿器46に導いて加湿して供給管42により燃料電池スタック22の空気極に供給する。
空気排出系50では、燃料電池スタック22の空気極からのオフガスをオフガス排出管51により加湿器46に導いて空気供給系40のエアコンプレッサ44からの空気を加湿し、その後、オフガス排出管52や貯留タンク54を介して大気に解放する。貯留タンク54は、燃料電池スタック22の空気極からの生成水や気液分離器38で分離された水を貯留するようオフガス排出管52の下流端に連通して設けられている。貯留タンク54には、二次電池18からの電力で作動し通常の出力(Low出力)と通常より高い出力(Hi出力)との2段階の出力で貯留された水を加熱するヒータ56や貯留タンク54内の水位Hwを検出する水位センサ58が取り付けられている。オフガス排出管52と空気供給系40の供給管41との間には、空気供給系40の供給管41を流通する乾いた空気の一部を加湿器46や燃料電池スタック22をバイパスしてオフガス排出管52に供給するようバイパス供給管62が設けられている。バイパス供給管62には、供給管41からバイパス供給管62に供給される空気量を調整できるよう図示しないアクチュエータにより駆動されるダンパ64が取り付けられている。図2は、ダンパ64の構成の概略を示す構成図である。ダンパ64は、図2に示すように、バイパス供給管62側への開度Dを調整することによりエアコンプレッサ44から供給管41を通り加湿器46,燃料電池スタック22へ供給される空気量と加湿器46,燃料電池スタック22をバイパスしてバイパス供給管62側へ供給される空気量とを調整する。
電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロコンピュータとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74やデータを一時的に記憶するRAM76、図示しない入出力ポートを備える。電子制御ユニット70には、燃料電池スタック22の出力端子に接続された電力ラインに取り付けられた電圧センサ28からの出力電圧Vfcや同じく電力ラインに取り付けられた電流センサ29からの出力電流Ifc,貯留タンク54に取り付けられ貯留タンク54内の水位が所定の水位を超えるとオンとなる水位センサ58からのセンサ信号,燃料電池スタック22を運転するために取り付けられた各種センサからの検出信号などが入力ポートを介して入力されている。また、電子制御ユニット70からは、遮断器23への駆動信号や水素ポンプ34への駆動信号,エアコンプレッサ44への駆動信号,ダンパ64の図示しないアクチュエータへの駆動信号,ヒータ56への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。なお、電子制御ユニット70は、燃料電池車10の全体をコントロールする電子制御ユニットを兼ねており、インバータ24やDC/DCコンバータ26を駆動するための入力信号が入力ポートを介して入力されたり、DC/DCコンバータ26へのスイッチング制御信号やインバータ24へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。
こうした燃料電池システム20は、各種センサからの信号に基づいて水素ポンプ34やエアコンプレッサ44,図示しない冷却水ポンプを駆動したり各仕切弁やダンパ64の開度を調節することにより燃料電池スタック22を制御する。
次に、こうして構成された実施例の燃料電池システム20の燃料電池スタック22により生成された水を貯留タンク54に回収し外部に排出する際の動作について説明する。最初に燃料電池システム20で生成された水を貯留タンク54に回収する動作について説明し、その後、貯留タンク54に貯留された水を外部に排出する動作について説明する。なお、実施例では、エアコンプレッサ44は、予め設定された供給空気量で一定運転しているものとする。
図3は、電子制御ユニット70により実行される回収制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。このルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、電圧センサ28からの出力電圧Vfc,電流センサ29からの出力電流Ifcなど制御に必要な信号やデータを入力する処理を実行し(ステップS100)、入力された出力電圧Vfcと出力電流Ifcとの積を燃料電池スタック22の出力Pfcとして設定する(ステップS110)。
続いて、設定された燃料電池スタック22の出力Pfcに基づいてダンパ64のバイパス供給管62側への開度Dを設定する(ステップS120)。ダンパ64の開度Dは、実施例では、エアコンプレッサ44を予め設定された供給空気量で一定運転したときのダンパ64の開度Dと燃料電池スタック22の出力Pfcとの関係を予め定めて、ダンパ開度設定用マップとしてROM74に記憶しておき、燃料電池スタック22の出力Pfcが与えられると記憶したマップから対応するダンパ64の開度Dを導出して設定するものとした。図4にダンパ開度設定用マップの一例を示す。図4において、燃料電池スタック22の出力Pfcが低くなるほどダンパ64の開度Dが大きくなるように設定したのは、燃料電池スタック22の出力Pfcが低くなると燃料電池スタック22が運転のために必要とする空気量が少なくなるから、エアコンプレッサ44から供給される空気量が一定のときにはダンパ64の開度Dを大きくして燃料電池スタック22に供給する空気量を減らすと共にバイパス供給管62に供給する空気量を増加させることに基づく。
このようにしてダンパ64の開度Dが設定されると、ダンパ64の開度を設定された開度にして、バイパス供給管62へ供給される空気量が脈動するよう一定時間毎にダンパ64を開閉しバイパス供給管62の上流端を塞ぐようダンパ64の図示しないアクチュエータを駆動制御し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。このようにして、供給管41からバイパス供給管62を介してオフガス排出管52に乾燥した空気を供給することにより、燃料電池スタック22から生成されたり気液分離器38から分離されてオフガス排出管52内の滞留している水を、バイパス供給管62からの空気と燃料電池スタック22からのオフガスとにより掃気しオフガス排出管52の下流側に移動させ貯留タンク54に回収することができる。このような水の回収は、燃料電池スタック22の出力Pfcの高低に関わらず行なうことができる。例えば、燃料電池スタック22の出力Pfcが低いときには、燃料電池スタック22に供給される空気量が少なく燃料電池スタック22からのオフガス量が少なくなるが、バイパス供給管62から供給される空気量が多くなるからオフガス排出管52内の水を十分貯留タンク54に回収することができる。一方、燃料電池スタック22の出力Pfcが高いときには、バイパス供給管62に供給される空気量は少なくなるが、燃料電池スタック22に供給される空気量が多く燃料電池スタック22からのオフガス量が多くなるからオフガス排出管52内の水を十分貯留タンク54に回収することができる。このように、燃料電池スタック22の運転中にオフガス排出管52内の水を貯留タンク54に回収するから、システム停止後にオフガス排出管52内に水が残留するのを抑制することができる。なお、燃料電池スタック22には、ダンパ64により運転に必要な空気量が供給されるから、エアコンプレッサ44からの空気の一部をバイパス供給管62に供給しても燃料電池スタック22の運転に支障をきたすことはない。
次に、貯留タンク54に回収された水を外部に排出する動作について説明する。図5は、電子制御ユニット70により実行される生成水排出制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば、8msec毎)に繰り返し実行される。このルーチンが実行されると、電子制御ユニット70のCPU72は、まず、電圧センサ28から出力電圧Vfcや電流センサ29からの出力電流Ifc,水位センサ58からの貯留タンク54の水位Hwなど制御に必要な信号やデータを入力する処理を実行し(ステップS200)、入力された出力電圧Vfcと出力電流Ifcとの積を燃料電池スタック22の出力Pfcとして設定する(ステップS210)。
続いて、燃料電池スタック22の出力Pfcが閾値Ploを超えているか否かと、貯留タンク54の水位Hwが閾値Hloを超えているか否かとを判定する(ステップS220)。ここで、閾値Ploは、燃料電池スタック22からの生成水の量が少なく貯留タンク54に水を貯留しても気化する必要がないと判断される燃料電池スタック22の出力の上限値として設定されている。また、閾値Hloは、貯留タンク54内の水量が少なく貯留された水を気化する必要がないと判断される水位の上限値として設定されている。燃料電池スタック22の出力Pfcが閾値Plo以下であったり、水位Hwが閾値Hlo以下であれば、貯留タンク54内の水を気化する必要がないと判断して、ヒータ56が作動していたらヒータ56の作動を停止し(ステップS230)、本ルーチンを終了する。
燃料電池スタック22の出力Pfcが閾値Ploを超えていたり、貯留タンク54の水位Hwが閾値Hloを超えているときには、続いて、燃料電池スタック22の出力Pfcが閾値Phiより低いか否かと、貯留タンク54の水位Hwが閾値Hhiより低い否かとを判定する(ステップS240)。ここで、閾値Phiは、燃料電池スタック22からの生成水の量がヒータ56をLow出力で運転したときの水の気化量に対してそれほど多くないと判断される燃料電池スタック22の出力の上限値として設定されている。また、閾値Hhiは、貯留タンク54内の水量がヒータ56をLow出力で運転したときの水の気化量に対してそれほど多くないと判断される水位の上限値として設定されている。燃料電池スタック22からの出力Pfcが閾値Phiより低かったり、水位Hwが閾値Hhiより低いときには、ヒータ56をLow出力で運転しても差し支えないと判断して、ヒータ56をLow出力で作動するよう制御し(ステップS250)、本ルーチンを終了する。一方、燃料電池スタック22からの出力Pfcが閾値Phiより高かったり、水位Hwが閾値Hhiより高いときには、ヒータ56の出力を高くして貯留タンク54内の水の気化量を多くする必要があると判断して、ヒータ56をHi出力で作動するよう制御し(ステップS260)、本ルーチンを終了する。このようにヒータ56を作動することにより、貯留タンク54に貯留された水を加熱して気化し、気化した水をオフガス排出管52からのオフガスやバイパス供給管41からの空気を用いて掃気しシステムの外に排出する。ヒータ56の出力が燃料電池スタック22の出力Pfcや水位Hwに基づいて設定されるから、生成された水の量や貯留タンク54に貯留された水量に応じて適切に貯留タンク54内の水を気化し排出することができる。また、システム停止後にヒータを作動するシステムと比較して、システム停止後の二次電池18の電力の消費を抑えることができる。
以上説明した実施例の燃料電池システム20によれば、燃料電池スタック22を運転しているときに、バイパス供給管62を介して空気供給系40の空気の一部を空気排出系50のオフガス排出管52へ供給してオフガス排出管52内の水を貯留タンク54に集めることができる。したがって、システムを停止したときにオフガス排出管52内に水が残留するのを抑制することができる。また、貯留タンク54に貯留された水は、燃料電池スタック22の出力Pfcや貯留タンク54内の水位Hwに応じた加熱量でヒータ56により加熱されて気化し排出されるから、生成された水の量に応じて適切に貯留タンク54内の水を気化し排出することができる。また、システム停止後にヒータを作動するシステムと比較して、システム停止後の二次電池18の電力の消費を抑えることができる。
実施例の燃料電池システム20では、燃料電池スタック22の出力Pfcに応じてダンパ64の開度Dを調整すると共に一定時間毎にダンパ64を開閉するものとしたが、ダンパ64を開閉させず燃料電池スタック22の出力Pfcに基づいた開度でダンパ64を調整するものとしたり、ダンパ64の開度Dの調整を行なわずにダンパ64を一定時間毎に開閉するものとしてもよい。
実施例の燃料電池システム20では、エアコンプレッサ44を一定運転させてダンパ64の開度Dを調整することにより燃料電池スタック22に供給する空気量とバイパス供給管62に供給する空気量とを調整するものとしたが、ダンパ64の開度Dを一定にしてエアコンプレッサ44の運転を制御することにより燃料電池スタック22に供給する空気量とバイパス供給管62に供給する空気量とを調整するものとしてもよい。
実施例の燃料電池システム20では、バイパス供給管62から供給される空気と燃料電池スタック22からのオフガスとによりオフガス排出管52内の水を貯留タンク54に移動させるものとしたが、更に、オフガス排出管52から貯留タンク54に水が容易に移動できるようオフガス排出管52に傾斜を持たせたりオフガス排出管52内に撥水処理を施したりするものとしてもよい。こうすれば、オフガス排出管52内の水を更に容易に貯留タンク54へ移動させることができる。
実施例の燃料電池システム20では、ヒータ56を2段階の出力で貯留タンク54の水を加熱し気化するものとしたが、燃料電池スタック22の出力Pfcが高いほど、または、貯留タンク54内の水位Hwが高いほどヒータ56の出力が高くなる傾向とすればよいから、ヒータ56の切り替え段数は、何段階に設定してもよく、2段階より多いものとしたり1段階であるものとしてもよい。また、切り替え段数を設けずに燃料電池スタック22の出力Pfcに応じてヒータ56の出力Pfcを可変制御するものとしてもよい。この場合、ヒータ56と燃料電池スタック22の出力Pfcとの関係を予め定めて、ヒータ出力設定用マップとしてROM74に記憶しておき、燃料電池スタック22の出力Pfcが与えられると記憶したマップから対応するヒータ56の出力Phを導出して設定するものとするのが望ましい。図6にヒータ出力設定用マップの一例を示す。また、貯留タンク54内の水位Hwがある所定値を超えたときにヒータ56を作動するものとしてもよい。
実施例の燃料電池システム20では、燃料電池スタック22の出力Pfcや貯留タンク54の水位などの検出値に基づいてヒータ56の出力を設定するものとしたが、燃料電池スタック22の出力Pfcや貯留タンク54の水位以外のシステムの状態を示す検出値,例えば、外気温センサからの外気温や貯留タンク54に貯留された水の水温などの他のシステムの状態を示す検出値の少なくとも一つに基づいてヒータ56の出力を設定するものとしてもよい。
実施例の燃料電池システム20では、貯留タンク54に貯留された水をヒータ56で加熱して気化し排出するものとしたが、貯留タンク54に超音波振動子を取り付け、この超音波振動子により水を加振して霧化して排出するものとしてもよい。この場合、貯留タンク54に貯留された水の量が多いほど超音波振動子で霧化量が多くなるようにするのが望ましい。
実施例の燃料電池システム20では、ダンパ64を用いて燃料電池スタック22に供給する空気量とバイパス供給管62に供給する空気量とを調整するものとしたが、燃料電池スタック22に供給する空気量とバイパス供給管62に供給する空気量とを調整するものであればどのようなものを用いてもよく、ポペット弁,ロータリ弁,スプール弁などの電磁弁を用いるものとしてもよい。
以上説明した実施例では、本発明を燃料電池システムを電力源として搭載した燃料電池車に適用するものとしたが、車以外の列車などの車両を含む各種の移動体に適用するものとしてもよいし、移動体以外の燃料電池システムを電力源として含むシステムに適用するものとしてもよい。
本発明の一実施例としての燃料電池車に電力源として搭載された燃料電池システム20の構成の概略を示すシステム構成図である。 ダンパ64の構成の概略を示す構成図である。 電子制御ユニット70により実行される生成水回収制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ダンパ開度設定用マップの一例を示す説明図である。 電子制御ユニット70により実行される生成水排出制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ヒータ出力設定用マップの一例を示す説明図である。
符号の説明
10 燃料電池車、12 インバータ、14 モータ、16 DC/DCコンバータ、18 二次電池、20 燃料電池システム、22 燃料電池スタック、21 遮断器、28 電圧センサ、29 電流センサ、30 水素供給系、31 高圧水素タンク、32 水素供給流路、33 水素循環流路、34 水素ポンプ、35 分岐管、38 気液分離器、40 空気供給系、41,42 供給管、43 マスフローメータ、44 エアコンプレッサ、46 加湿器、50 空気排出系、51,52 オフガス排出管、54 貯留タンク、56 ヒータ、58 水位センサ、62 バイパス供給管、64 ダンパ、70 電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM。

Claims (12)

  1. 水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池で生成された生成水を貯留可能な貯留手段と、
    該貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する排出手段と、
    システムの状態を検出する状態検出手段と、
    該検出されたシステムの状態に基づいて前記生成水を気化または霧化して排出するよう前記排出手段を制御する排出制御手段と、
    を備える燃料電池システム。
  2. 前記状態検出手段は、前記貯留手段により貯留された生成水の水位,該貯留された生成水の水温,前記燃料電池の出力,外気温の少なくとも一つを前記システムの状態として検出する手段である請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 請求項2記載の燃料電池システムであって、
    前記状態検出手段は、前記貯留手段により貯留された生成水の水位を前記システムの状態として検出する手段であり、
    前記排出制御手段は、前記検出された水位が高いほど前記貯留された生成水の気化または霧化される気化霧化量が多くなる傾向に前記排出手段を制御する手段である
    燃料電池システム。
  4. 請求項2または3記載の燃料電池システムであって、
    前記状態検出手段は、前記燃料電池の出力を前記システムの状態として検出する手段であり、
    前記排出制御手段は、前記検出された燃料電池の出力が高いほど前記貯留された生成水の気化または霧化される気化霧化量が多くなる傾向に前記排出手段を制御する手段である
    燃料電池システム。
  5. 前記排出手段は、前記貯留された生成水を加熱することにより気化して外部に排出する手段である請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池システム。
  6. 前記排出手段は、前記貯留された生成水を加振することにより霧化して外部に排出する手段である請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池システム。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載の燃料電池システムであって、
    前記貯留手段は、前記燃料電池からのオフガスが流通するオフガス通路の下流に連通してなり、
    該燃料電池システムは、更に、
    前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給する空気供給手段と、
    該空気供給手段からの空気の少なくとも一部を前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給可能なバイパス供給手段と、
    を備える燃料電池システム。
  8. 請求項7記載の燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の出力を検出する出力検出手段と、
    該検出された前記燃料電池の出力が低くなるほど前記空気供給手段から前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給される空気量が多くなる傾向に前記バイパス供給手段を制御するバイパス供給制御手段と、
    を備える燃料電池システム。
  9. 前記空気供給手段から前記燃料電池をバイパスして前記オフガス通路に供給される空気量が脈動するよう前記バイパス供給手段を制御するバイパス供給制御手段を備える請求項7記載の燃料電池システム。
  10. 水の生成を伴って発電する燃料電池を備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池に酸化ガスとしての空気を供給する空気供給手段と、
    前記燃料電池からのオフガスを排気通路を介して排気する排気手段と、
    前記空気供給手段からの空気の少なくとも一部を前記燃料電池をバイパスして前記排気通路に供給可能なバイパス供給手段と、
    を備える燃料電池システム。
  11. 請求項1ないし10いずれか記載の燃料電池システムを電力源とする移動体。
  12. 水の生成を伴って発電する燃料電池と、該燃料電池で生成された生成水を貯留可能な貯留手段と、該貯留手段により貯留された生成水を気化または霧化して外部に排出する排出手段と、を備える燃料電池システムの制御方法であって、
    (a)システムの状態を検出し、
    (b)該検出されたシステムの状態に基づいて前記生成水を気化または霧化して排出するよう前記排出手段を制御する
    燃料電池システムの制御方法。


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