JP2006102705A - セメント排水シート及びセメント排水処理方法 - Google Patents

セメント排水シート及びセメント排水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006102705A
JP2006102705A JP2004295579A JP2004295579A JP2006102705A JP 2006102705 A JP2006102705 A JP 2006102705A JP 2004295579 A JP2004295579 A JP 2004295579A JP 2004295579 A JP2004295579 A JP 2004295579A JP 2006102705 A JP2006102705 A JP 2006102705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
wastewater
sheet
organic acid
citric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004295579A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Noda
正雄 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NODA KK
Noda Corp
Original Assignee
NODA KK
Noda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NODA KK, Noda Corp filed Critical NODA KK
Priority to JP2004295579A priority Critical patent/JP2006102705A/ja
Publication of JP2006102705A publication Critical patent/JP2006102705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、セメント排水を低コストで、容易に処理して排水でき、環境を汚染することがないセメント排水シート及びセメント排水処理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のセメント排水シートは、セメント排水をpH調整するためのクエン酸粉末3と、この粉末を挟んで担持する一対のスパンボンド不織布2a,2bとを備え、セメント排水が通水されたとき、クエン酸が溶解してセメント排水のpH調整を行うことを特徴とする。また、本発明のセメント排水処理方法は、セメント排水をpH調整するために必要なクエン酸量を求め、該クエン酸量を供給可能な枚数のセメント排水シート1を積層し、これにセメント排水を通水してpH調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、セメント排水のpH調整に必要なクエン酸等の常温固形有機酸を供給することができるセメント排水シート、及びこのセメント排水シートを使ったセメント排水処理方法に関する。
コンクリート構造物、例えば橋脚の耐震補強工事等においては、既設コンクリート表面の付着力を増加するため、従来サンドブラストやスチールショット、バキュームブラスト処理が行われてきた。そして、最近ではウォータージェットによる切削(ハツリ)や表面処理が行われるようになってきている(特許文献1参照)。このようなコンクリート構造物の高圧水噴射による研掃廃棄物を含む使用水(セメント排水)は、概ねpH12以上の高アルカリ性を示すものであり、そのまま排水すると環境に負荷を与えるものであった。
また、同様にジェット(高圧水噴射)を使って、コンクリート壁,コンクリート橋脚,コンクリート塀、住宅の外壁,床,窓ガラス等の表面に付着した汚れを除去するため、汚れの付着した表面部分を削り落として汚れを除去する洗浄方法も行われている。しかしこのような洗浄方法は、固体の洗浄面が傷付き、ムラが発生し易い。そしてこの洗浄に使用された水も高アルカリ性を示すものである。そこで、高圧水噴射に代えて酸性の薬品で処理しようとすれば、固体表面が溶解あるいは損傷し、ひび割れ等を起こさせてしまう。それ故、薬品を用いた化学的洗浄は実質的に行われていない。これを解決するため、固体表面とそこに付着した汚れとの間にガスを発生する化合物を含有した洗浄液を侵入させて、その場でガスを発生させ、汚れを剥離除去する洗浄方法が提案された(特許文献2参照)。このガスを発生する化合物としては、ペルオキシ炭酸塩またはペルオキシ硼酸塩、あるいは、炭酸ガスを発生する炭酸塩または重炭酸塩を用いるものである。
特開2003−311691号公報 特開平10−88190号公報
以上説明した特許文献1のウォータージェット等による工事は、切削や表面処理によって排出される研掃廃棄物と使用水を真空吸引して回収するので、使用水にまとめてPH調整剤などを添加することができ、中和することが可能になる。これにより従来行われてきた工事現場の環境に与える負荷を減らすことができる。
しかし、特許文献1の技術においては特殊なウォータージェットと特殊な排水処理設備が必要で、このような処理ができるのはコスト的にも技術的にも大規模工事だけであり、小規模若しくは中規模の工事でこのような技術を使用することは事実上難しい。そこで小中規模工事の現場でも、簡単、安価に使用排水から固形分の濾過とpH処理を行える手段が望まれている。
また、特許文献2の技術は、汚れをガスで固体表面から剥離して除去するため、ウォータージェットによる切削や表面処理では使用できないものである。そして、ペルオキシ炭酸塩、ペルオキシ硼酸塩、炭酸塩または重炭酸塩を排水するため、排水が作業環境を汚染する可能性を孕む。
さらに、橋梁工事の現場付近に海や川、湖等の漁場等がある場合、汚濁したセメント排水が漁場内に流れ込み、微細な研掃廃棄物と高アルカリ排水が漁場に拡散してしまうため、漁民は工事現場でセメント排水が十分処理されて排水されることを切実な思いで望んでいる。また、最近、橋梁工事の橋脚付近を走行する車にセメント排水がかかり、塗装し直すといった事例も報告され、セメント排水に対する現場処理に大きな期待が高まっている。
そこで、このような課題を解決するために本発明は、セメント排水を低コストで容易に処理して排水でき、環境を汚染することがないセメント排水シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、セメント排水を低コストで容易に処理して排水でき、環境を汚染することがないセメント排水処理方法を提供することを目的とする。
本発明のセメント排水シートは、セメント排水をpH調整するための常温固形有機酸の粉末と、粉末を一様に分布させて両側から担持する一対のスパンボンド不織布とを備え、セメント排水が通水されたとき、常温固形有機酸が溶解して該セメント排水のpH調整を行うことを特徴とする。
本発明によれば、セメント排水を低コストで容易に処理して排水でき、環境を汚染することがない。
本発明の第1の形態は、セメント排水をpH調整するための常温固形有機酸の粉末と、粉末を一様に分布させて両側から担持する一対のスパンボンド不織布とを備え、セメント排水が通水されたとき、常温固形有機酸が溶解して該セメント排水のpH調整を行うセメント排水シートであり、必要な常温固形有機酸量を、常温固形有機酸粉末が担持されたセメント排水シートとその積層数の形で供給し、このセメント排水シートを1回若しくは繰り返し通過させることにより、スパンボンド不織布での固形分の濾過と、常温固形有機酸粉末によるpH調整が容易且つ低コストで行える。常温固形有機酸は常温で固形化する有機酸であって、クエン酸などのように食品としても使われる材料が多く、これでpH調整し、濾過後に排水するので環境を汚染することがない。ここで、pH調整とは、中和処理と、土壌の中和作用を考慮して中和のためにpHを調整することを意味する。
本発明の第2の形態は、第1の形態に従属する形態であって、常温固形有機酸が粒径10μm〜2000μmのクエン酸の粉末であるセメント排水シートであり、セメント排水にクエン酸が容易に溶解してpH調整できる。
本発明の第3の形態は、第1または2の形態に従属する形態であって、常温固形有機酸が20g/m〜500g/mの割合でスパンボンド不織布に担持されたセメント排水シートであり、1枚から3枚セメント排水シートを積層するだけでセメント排水をpH調整することができる。
本発明の第4の形態は、第1〜3のいずれかにの形態に従属する形態であって、セメント排水をpH調整するのに必要な常温固形有機酸量がスパンボンド不織布に担持された常温固形有機酸量の整数倍若しくは略整数倍であり、これが1を越えた整数の場合は積層されて使用されるセメント排水シートであり、セメント排水のpH調整に必要な常温固形有機酸量を、セメント排水シートを積層することで供給することができる。
本発明の第5の形態は、第1〜4のいずれかの形態に従属する形態であって、スパンボンド不織布が、粉末を担持するとともにセメント排水中の固形分を濾過するために0.1mm〜3mm厚さ、空隙率75%〜95%とされているセメント排水シートであり、セメント排水中の固形分をスパンボンド不織布によって濾過することができる。
本発明の第6の形態は、セメント排水のpH調整に必要な常温固形有機酸量を求め、該常温固形有機酸量を供給可能な積層数のセメント排水シートを積層し、これにセメント排水を通水してpH調整するセメント排水処理方法であり、必要な常温固形有機酸量を、常温固形有機酸が担持されたセメント排水シートとその積層数の形で供給し、このセメント排水シートを1回若しくは繰り返し通過させることにより、pH調整が容易且つ低コストで行える。常温固形有機酸粉末はクエン酸などのように食品としても使われる材料が多く、これでpH調整し、濾過後に排水するので環境を汚染することがない。
本発明の第7の形態は、第6の形態に従属する形態であって、第1〜5のいずれかの形態のセメント排水シートが積層されるセメント排水処理方法であり、スパンボンド不織布で濾過を行って常温固形有機酸粉末を担持するため低コストで容易にセメント排水を処理できる。
本発明の第8の形態は、第6または7の形態に従属する形態であって、セメント排水シートとともに、粒径20μm〜2000μmの固形分を濾過するための主フィルターを積層し、これにセメント排水を通水してpH調整する請求項6または7記載のセメント排水処理方法セメント排水処理方法であり、セメント排水のpH調整のほかに、セメント排水中の粒径20μm〜2000μmの固形分まで濾過することができ、環境を汚染することがない。
本発明の実施例1のセメント排水シート及びセメント排水処理方法について、図面に基づいて説明をする。本発明は、常温固形有機酸担持のセメント排水シートを複数枚若しくは折り畳んで積層し、この状態でセメント排水を透過させることでpH調整し、あわせてセメント排水中の固形分を濾過するという、従来にない新しい着想のセメント排水処理方法を提供するものであり、また、そのために使用するセメント排水シートを提供するものである。
研掃廃棄物を含むセメント排水は、高アルカリで、固形分を含んでいるために、従来の排水処理においてはpH調整剤を添加して中和し、固形分を濾過している。しかし、このような排水処理では、化学薬品を使って排水をまとめて中和するため、排水処理のための設備が必要であり、小規模、中規模の工事現場では高コストとなって実施するには問題の多いものであった。このため本発明は、環境に負荷を与えることがない新しいセメント排水処理の手段を提供するものである。
なお、図1(a)は本発明の実施例1におけるセメント排水シートの断面図、図1(b)は(a)のセメント排水シートの一部破砕斜視図、図2はクエン酸の添加量と中和後のセメント排水とpHの関係図、図3は本発明の実施例1におけるセメント排水シートの製造工程図、図4(a)は本発明の実施例1におけるセメント排水シートだけを複数枚重ねて使う説明図、図4(b)は本発明の実施例1におけるセメント排水シートを折り重ねて使用する説明図、図5(a)は本発明の実施例1におけるセメント排水シートの後にフィルターを設けた説明図、図5(b)は本発明の実施例1におけるセメント排水シートをフィルターの後に設けた説明図である。
図1(a)(b)において、1はコンクリート構造物を高圧水噴射した場合に出てくるセメント排水を処理するセメント排水シート、2a,2bはセメント排水シート1を構成するスパンボンド不織布である。スパンボンド不織布2a,2bは、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエステル)などの樹脂を溶融して直接ノズルの先から溶出、紡糸した繊維を、繊維を織らずに堆積捕集してシート状とし繊維同士を結合させた不織布である。スパンボンド不織布2a,2bはいわゆるポーラス構造を有しており、紙おむつや手術用キャップ、マスクなどの衛生材料、農業資材、屋根材、衣料用芯地、土木・建築資材などに使われる。
次に、3はクエン酸の粒径10μm〜2000μm程度、好適には粒径20μm〜500μmの大きさのクエン酸粉末である。このクエン酸が、実施例1における本発明の常温固形有機酸である。有機酸は一般的に無機酸より弱い酸性を示すことが多いが、中でも実施例1のクエン酸粉末は水への溶解が早い上に弱酸性で環境に対して高い安全性を示すものである。このように本発明の常温固形有機酸は、クエン酸、酢酸、リンゴ酸等多くの有機酸のうち弱酸性を示して常温で固形化し、水に容易に溶解するものであればよい。また、固形化に当って、溶解したとき環境に負荷を与えない補助材であれば、他の補助材に混ぜて固形化させた有機酸でもよい。なお、無機塩の中には常温固形有機酸に近い作用を示すものもあるが、環境に対する負荷と周囲の安心感を考えると、有機酸の方が好適である。実施例1のクエン酸粉末3は、粒径とも関係するが、20g/m〜500g/m、できれば50g/m〜300g/mの粉末量が一様に分布した状態で、2枚のスパンボンド不織布2a,2bに両側から挟まれて担持されている。これにより、多くの作業現場の水温では、60g/100g〜70g/100gの溶解度でクエン酸はセメント排水に溶解し、これを中和する。なお、クエン酸の溶解度は水温20℃で60g/100g、50℃で70g/100g、60℃で78g/100gである。
ここで、常温固形有機酸の担持に関して説明すると、実施例1においては一様に分布したクエン酸粉末3の両側(通常の用法では使用時には重力のため上下方向となる)から担体としてのスパンボンド不織布2a,2bで挟み込み、全面をバインダーで固定している。これによりクエン酸粉末3が固定され、セメント排水シート1からクエン酸粉末3がこぼれ落ちたりするようなことはない。他の常温固形有機酸についても同様である。実施例1においてはバインダーとしてポリエチレン系接着剤を使用し、スパンボンド不織布2a,2bとしてPP(ポリプロピレン)を使用している。実施例1の場合、いずれもオレフィン類であって、セメント排水シート1には負荷化学物質が含まれていないので、最終的に焼却処分しても環境に負荷を与えることがなく、廃棄時の処理が容易になる。
ところで、クエン酸粉末3の粒径を小さくしすぎると、中和のための溶解は容易になるが、微細粉末になりすぎ、スパンボンド不織布2a,2bが担持しにくくなる。そこで、実施例1においてはクエン酸粉末3の粒径を10μm〜2000μm程度としている。これにより十分な溶解速度が得られる。そして、この粒径を有し一様に分布したクエン酸粉末3を担持するため、例えば長繊維で500g/m〜1000g/m、0.1mm〜3mm厚さ、空隙率75%〜95%程度の、例えばポリプロピレン製のスパンボンド不織布2a,2bで挟んでいる。実施例1においては、粒径20μmのクエン酸粉末3を800g/m、2.6mm厚さ、空隙率90%のポリプロピレン長繊維のスパンボンド不織布2a,2bとしている。これにより、微細な粉末であるクエン酸粉末3はセメント排水シート1を透過するセメント排水に容易に溶解され、且つ、スパンボンド不織布2a,2bのポーラス構造がセメント排水中の固形分を濾過することができる。
続いて、実施例1の常温固形有機酸であるクエン酸によるpH調整について説明する。ここで、本発明のpH調整とは、pH7にする中和処理と、土壌の中和作用を考慮して中和のためにpH7に近い所定のpHに調整する処理を意味する。後者については後述する。図2はクエン酸の添加量と中和後のセメント排水とpHの関係を示している。これは、セメント排水50mLを0.2wt%のクエン酸溶液で中和し、セメント排水100Lに換算したもの(3回の実験結果)である。セメント排水は多くの測定によれば最大でpH12.5程度であり、図2のセメント排水も未処理時にpH12.5を示している。この図2によれば、このセメント排水100Lをクエン酸で中和する場合、230g/mのクエン酸が必要である。従って、クエン酸粉末3の量が230g/m担持されているセメント排水シート1の場合は、セメント排水を1枚のセメント排水シート1を通過させるだけで中和できるし、120g/m担持の場合は、略2枚のセメント排水シート1を通過させればよく、75g/m担持の場合も略3枚のセメント排水シート1を通過させればよいことが分る。
このように、セメント排水シート1に担持されるクエン酸量が230g/mの場合はセメント排水を中和するために必要なクエン酸量と等しく、1枚のセメント排水シート1をそのまま通水すれば中和できるが、セメント排水シート1に担持されるクエン酸量が120g/m、75g/mの場合は、略整数倍であるから、セメント排水シート1を積層してセメント排水を通水すれば中和できることが分る。
なお、図2の示すように、pH12.5からpH10に下げるときのクエン酸の量と、pH10からpH7に下げるときのクエン酸の量は大きく異なっている。前者のクエン酸の量は200g/mであるのに対し、後者のクエン酸の量は20g/m〜30g/mであり、僅かな中和を行うだけでpH10からpH7に下げることができる。そして、土壌にも吸着作用、中和能力があり、pH10以下の中和は土壌の自浄能力で十分に行えるから、pH10で排水しても環境に与える負荷はきわめて小さい。このように土壌の作用を考慮するとpH10で排水することもでき、この場合、必要なクエン酸量は200g/mとなるから、セメント排水シート1に担持されたクエン酸量は200g/m、100g/m、70g/mにすれば整数倍若しくは略整数倍となり、1枚若しくは複数枚積層してセメント排水を通水すればpH調整でき、中和が行える。
続いて、実施例1のセメント排水シートの製造工程について図3に基づいて簡単に説明する。図3において、10は実施例1の常温固形有機酸であるクエン酸粉末3を収容する容器を備えてスパンボンド不織布2b上に散布する散布装置、11は散布装置10に複数個形成された散布開口である。常温固形有機酸はクエン酸に限られないことは上述したとおりである。散布開口11はクエン酸粉末3が均一に散布されるように開口される。次に、20a,20bはそれぞれスパンボンド不織布2a,2bを巻き取ったスパンボンド不織布巻付体である。なお、均一に散布するというのは、通水される部分については少なくとも均一に散布されるということであって、確実に通水されない部分などについて散布量を低下させる等の処理は含まれてもよい。
図3の左端に示すように、スパンボンド不織布2bを巻き付けたスパンボンド不織布巻付体20bからスパンボンド不織布2bが引き出され、中央の散布装置10の下を通される。散布装置10においては、スパンボンド不織布2b上に散布開口11からクエン酸粉末3が一様に散布される。この散布装置10の後方(図3の右半面)にはスパンボンド不織布巻付体20aが配置され、クエン酸粉末3が一様に散布された状態で送られるスパンボンド不織布2bの上に、スパンボンド不織布巻付体20aから引き出されたスパンボンド不織布2aが重ねられる。その後小加重が加えられてスパンボンド不織布2a,2bにクエン酸が担持され、その後整形されて例えば1m〜10m単位で裁断される。これにより、スパンボンド不織布2a,2bの間に粉末のクエン酸粉末3が一様に分布した状態のセメント排水シート1が形成される。クエン酸粉末3の散布量は基本的に散布開口11の数や径で制御するが、スパンボンド不織布2a,2bの巻き取り速度を制御することで微調整できる。また、スパンボンド不織布巻付体20a,20bを様々の仕様のものに交換すれば、スパンボンド不織布2a,2bの仕様を自在に変更できる。
ところで、スパンボンド不織布2a,2b及びクエン酸粉末3の価格は比較的安く、これらを使ったセメント排水シート1は低価格で製造できる。排出されるセメント排水の水量にもよるが、小規模な工事の場合、1箇所の現場に1m〜10mの1枚、若しくは数枚のセメント排水シート1を敷き、場合によりさらに各セメント排水シート1上にセメント排水シートを積み重ね、これにセメント排水を流して排水するだけで、高アルカリのセメント排水を中和処理することができ、従来のような高価格で、設置場所も限られる排水処理のための設備を設ける必要がない。
以上説明した実施例1のセメント排水シート1を使って、濾過と、クエン酸によるpH調整を行う実施例1のセメント排水処理方法について説明する。第1のセメント排水シート1の使用方法は、セメント排水シート1だけを使ってセメント排水をpH調整及び濾過する使用方法である。セメント排水シート1による濾過は、基本的には粒径100μm〜2000m以上を濾過する粗濾過であり、セメント排水に含まれる研掃廃棄物の粒子の寸法があまり小さくない場合、若しくは、濾過がそれほど問題にならない場合に有効な方法である。この場合、セメント排水に含まれる研掃廃棄物等の固形分を、スパンボンド不織布2a,2bで、できる限り濾過するために、スパンボンド不織布2a,2bの厚さ、空隙率をできるだけ下げて設定するのがよい。
この場合、図4(a)に示すように、セメント排水シート1を2枚以上積層してセメント排水を流すか、図4(b)に示すように、セメント排水シート1を2つ折りあるいはそれ以上(図示しない)に折り畳んで使用する。積層と折り畳みの組み合わせもよい。このようにセメント排水シート1を積層することにより、クエン酸粉末3を挟んだスパンボンド不織布2a,2bは、2枚若しくは3枚以上折り重なって、スパンボンド不織布2a、クエン酸粉末3の層、スパンボンド不織布2b、スパンボンド不織布2b、クエン酸粉末3の層、スパンボンド不織布2a、・・・のような順で積み重なった積層体となり、セメント排水が通過すると、4層のスパンボンド不織布2a,2b,2b,2a,・・・で濾過され、2層のクエン酸粉末3,3,・・・層でクエン酸が溶解し、pH調整され、排水時には中和される。ただし、セメント排水シート1は3枚以上積層することもできるが、2枚積層するのがコスト的に有利であるため、2枚積層するのを基本にするのがよい。
なお、使用済みのセメント排水シート1では、クエン酸粉末3は溶解して消費されているが、スパンボンド不織布2a,2bに固形分が目詰まりしており、流体抵抗が高く見掛け上メッシュが小さくなっている。そこで、未使用のセメント排水シート1の上流側に、この使用済みのセメント排水シート1を積層することで、使用後のセメント排水シート1を有効利用し、固形分の濾過能力を向上させることができる。
第2の使用方法は、図5(a)に示すように固形分を濾過する主フィルターを別途設けるものであり、この主フィルターで固形分を濾過した後の排水をセメント排水シート1によってpH調整するものである。図5(a)において、4はセメント排水シート1と別に配置する主フィルターである。実施例1の主フィルター4は、25μm程度の固形分を除くため、800g/m、2.6mm厚さ、空隙率91.8%の濾材(日本バイリーン株式会社製FC−525)を使っている。
スパンボンド不織布2a,2bは、ポーラス構造のメッシュを細かくしすぎると、担持作用、溶解作用の面から不適当となるため、メッシュには限界があり、濾過能力にも下限がある。このため、20μm〜100μmの粒径の固形分まで濾過する場合には、別途主フィルター4を設けるのがよい。そこで、第2の使用方法は主フィルター4をセメント排水シート1の上(上流側)に配置している。この方法によれば、固形分を主フィルター4で除いてからpH調整するため、クエン酸が無駄にならず、位置による中和作用のムラが起こらない。また、実施例1のセメント排水シート1は、クエン酸が溶け出している状況を目視可能であるが、セメント排水の汚濁が激しい条件の場合はこの溶解している状況が目視不能になるから、第2の使用方法のように主フィルター4を使用すると、主フィルター4で濾過した後にセメント排水シート1を通水することになり、クエン酸の溶解が目視により確認できる。
なお、主フィルター4は20μm〜100μmの濾過をするためにスパンボンド不織布2a,2bと比較すると高価格であり、できるだけ目詰まりさせないようにするのが望ましい。そこで、使い済みのセメント排水シート1を主フィルター4上に配置し、予備的に濾過させるという使用方法が好適である。
次に、第3の使用方法は、図5(b)に示すようにセメント排水をセメント排水シート1でpH調整及び予備的濾過を行い、pH調整及び予備的濾過を行った後の固形分を主フィルターで本格的に濾過する方法である。この場合の主フィルター4も、実施例1では25μm程度の固形分を除くため、800g/m、2.6mm厚さ、空隙率91.8%の濾材(日本バイリーン株式会社製FC−525)を使用している。
スパンボンド不織布2a,2bで予備的濾過をした後に、主フィルター4で20μm〜100μmの微小な固形分を濾過するから、主フィルター4の目詰まりをできるだけ遅らせることができる。主フィルター4は精密濾過するためにセメント排水シート1と比較して高価格となるが、スパンボンド不織布2a,2bで予備的濾過することで低コストの排水処理にすることができる。
なお、さらにこれに加えて、セメント排水シート1を主フィルター4の下に配置してもよい。また、使い済みのセメント排水シート1をセメント排水シート1の上にさらに重ねてもよい。
このように実施例1のセメント排水シートとセメント排水処理方法は、従来のセメント排水の排水処理のように、排水を集めてまとめて物理的化学的に、pH調整及び濾過するのではなく、クエン酸等の常温固形有機酸を担持したセメント排水シートを必要な回数通水させることにより、すなわち、常温固形有機酸の粉末の層及びスパンボンド不織布の層の数だけ通過させて簡単にpH調整と濾過を行うものである。従って、排水処理設備を設置する必要はなく、小中規模の工事でも、作業現場で排水量からセメント排水シートの中和能力を考慮し、簡単にpH調整することができる。また、セメント排水シートというきわめて簡単な手段を使用するだけで、環境に負荷をかけないセメント排水処理が実現できる。
本発明は、ウォータージェット等でコンクリート構造物の切削や表面処理を行うときのセメント排水処理に適用できる。
(a)本発明の実施例1におけるセメント排水シートの断面図、(b)(a)のセメント排水シートの一部破砕斜視図 クエン酸の添加量と中和後のセメント排水とpHの関係図 本発明の実施例1におけるセメント排水シートの製造工程図 (a)本発明の実施例1におけるセメント排水シートだけを複数枚重ねて使う説明図、(b)本発明の実施例1におけるセメント排水シートを折り重ねて使用する説明図 (a)本発明の実施例1におけるセメント排水シートの後にフィルターを設けた説明図、(b)本発明の実施例1におけるセメント排水シートをフィルターの後に設けた説明図
符号の説明
1 セメント排水シート
2a,2b スパンボンド不織布
3 クエン酸粉末
4 主フィルター
10 散布装置
11 散布開口
20a,20b スパンボンド不織布巻付体

Claims (8)

  1. セメント排水をpH調整するための常温固形有機酸の粉末と、前記粉末を一様に分布させて両側から担持する一対のスパンボンド不織布とを備え、前記セメント排水が通水されたとき、前記常温固形有機酸が溶解して前記セメント排水のpH調整を行うことを特徴とするセメント排水シート。
  2. 前記常温固形有機酸が粒径10μm〜2000μmのクエン酸の粉末であることを特徴とする請求項1記載のセメント排水シート。
  3. 前記常温固形有機酸が20g/m〜500g/mの割合で前記スパンボンド不織布に担持されたことを特徴とする請求項1または2に記載のセメント排水シート。
  4. セメント排水をpH調整するのに必要な常温固形有機酸量が前記スパンボンド不織布に担持された常温固形有機酸量の整数倍若しくは略整数倍であり、これが1を越えた整数の場合は積層されて使用されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセメント排水シート。
  5. 前記スパンボンド不織布が、前記粉末を担持するとともにセメント排水中の固形分を濾過するために0.1mm〜3mm厚さ、空隙率75%〜95%とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセメント排水シート。
  6. セメント排水のpH調整に必要な常温固形有機酸量を求め、該常温固形有機酸量を供給可能な積層数のセメント排水シートを積層し、これにセメント排水を通水してpH調整するセメント排水処理方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載されたセメント排水シートが積層されることを特徴とする請求項6記載のセメント排水処理方法。
  8. 前記セメント排水シートとともに、粒径20μm〜2000μmの固形分を濾過するための主フィルターを積層し、これにセメント排水を通水してpH調整する請求項6または7記載のセメント排水処理方法。
JP2004295579A 2004-10-08 2004-10-08 セメント排水シート及びセメント排水処理方法 Pending JP2006102705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004295579A JP2006102705A (ja) 2004-10-08 2004-10-08 セメント排水シート及びセメント排水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004295579A JP2006102705A (ja) 2004-10-08 2004-10-08 セメント排水シート及びセメント排水処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006102705A true JP2006102705A (ja) 2006-04-20

Family

ID=36373002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004295579A Pending JP2006102705A (ja) 2004-10-08 2004-10-08 セメント排水シート及びセメント排水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006102705A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014036922A (ja) * 2012-08-13 2014-02-27 Kensyo Co Ltd 排水中和緩衝処理剤、排水中和緩衝処理剤添加水及び排水処理方法
JP2018171457A (ja) * 2012-03-09 2018-11-08 フィパック・リサーチ・アンド・ディベロップメント・カンパニー 空気から不必要な物質を除去するための方法と装置
JP2019173358A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 住友大阪セメント株式会社 粗面化された車道用の舗装コンクリートの製造方法
US10478517B2 (en) 2008-09-19 2019-11-19 Fipak Research And Development Company Method and apparatus for purging unwanted substances from air
GB2591004A (en) * 2019-10-31 2021-07-14 Mudtech Ltd Concrete washout system
WO2022253990A1 (en) 2021-06-03 2022-12-08 Mudtech Tank Division Limited Concrete washout materials and system

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592190A (en) * 1979-01-06 1980-07-12 Ikuo Ogawa Neutralizer packed in bag
JPS60139389A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 Mishima Seishi Kk 塩基中和能力を有する水溶性シ−ト及びその製造法
JPS6119499U (ja) * 1984-07-04 1986-02-04 日本ミネラルマシン株式会社 水質調整材
JPH02107395A (ja) * 1988-10-14 1990-04-19 Miura Co Ltd カプセル入り中和剤
JPH04135693A (ja) * 1990-12-28 1992-05-11 Miura Co Ltd 産業廃液の中和処理方法
JPH0731197U (ja) * 1993-11-17 1995-06-13 新和化工株式会社 モルタル汚水の処理装置
JP2004008937A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Sumitomo Forestry Co Ltd セメント洗浄水の浄化方法及び浄化用袋体
JP2004512950A (ja) * 2000-11-08 2004-04-30 エムビーティー ホールディング アーゲー 自動指示中性化組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5592190A (en) * 1979-01-06 1980-07-12 Ikuo Ogawa Neutralizer packed in bag
JPS60139389A (ja) * 1983-12-28 1985-07-24 Mishima Seishi Kk 塩基中和能力を有する水溶性シ−ト及びその製造法
JPS6119499U (ja) * 1984-07-04 1986-02-04 日本ミネラルマシン株式会社 水質調整材
JPH02107395A (ja) * 1988-10-14 1990-04-19 Miura Co Ltd カプセル入り中和剤
JPH04135693A (ja) * 1990-12-28 1992-05-11 Miura Co Ltd 産業廃液の中和処理方法
JPH0731197U (ja) * 1993-11-17 1995-06-13 新和化工株式会社 モルタル汚水の処理装置
JP2004512950A (ja) * 2000-11-08 2004-04-30 エムビーティー ホールディング アーゲー 自動指示中性化組成物
JP2004008937A (ja) * 2002-06-07 2004-01-15 Sumitomo Forestry Co Ltd セメント洗浄水の浄化方法及び浄化用袋体

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10478517B2 (en) 2008-09-19 2019-11-19 Fipak Research And Development Company Method and apparatus for purging unwanted substances from air
US12280184B2 (en) 2008-09-19 2025-04-22 Fipak Research And Development Company Method and apparatus for purging unwanted substances from air
JP2018171457A (ja) * 2012-03-09 2018-11-08 フィパック・リサーチ・アンド・ディベロップメント・カンパニー 空気から不必要な物質を除去するための方法と装置
JP2014036922A (ja) * 2012-08-13 2014-02-27 Kensyo Co Ltd 排水中和緩衝処理剤、排水中和緩衝処理剤添加水及び排水処理方法
JP2019173358A (ja) * 2018-03-28 2019-10-10 住友大阪セメント株式会社 粗面化された車道用の舗装コンクリートの製造方法
GB2591004A (en) * 2019-10-31 2021-07-14 Mudtech Ltd Concrete washout system
GB2591004B (en) * 2019-10-31 2022-04-20 Mudtech Ltd Concrete washout system
WO2022253990A1 (en) 2021-06-03 2022-12-08 Mudtech Tank Division Limited Concrete washout materials and system
GB2609887A (en) * 2021-06-03 2023-02-22 Mudtech Tank Division Ltd Concrete washout materials and system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6183606B2 (ja) 濾過装置及び濾過方法
HRP20170474T1 (hr) Sustav za tretiranje vode korištene za industrijske postupke
CA2851944C (en) Biocide-loaded electrospun nanofibers supported by adhesive-free thin fabric for pathogen removal filtration
JP6175783B2 (ja) ろ過装置
JP2006102705A (ja) セメント排水シート及びセメント排水処理方法
KR20260010453A (ko) 물 흐름 시스템의 파울링을 감소시키기 위한 디바이스, 시스템 및 방법
KR102594953B1 (ko) 직수형 정수기의 메인 필터용 소재 및 그 필터 제조방법
KR101418006B1 (ko) 막세척지수 측정장치
CN201253507Y (zh) 板式废水复合过滤器
JP2004025011A (ja) 濁水の処理方法
JPH07251191A (ja) 生物膜用担体と水処理方法
JP6113519B2 (ja) 吸着材及び吸着法
JP2009023266A (ja) 石材加工システム
JP3815615B2 (ja) 繊維ろ材を用いた高速ろ過装置
KR101254101B1 (ko) 침전형 섬유여재
JP4081726B2 (ja) 海砂からの塩分の除去装置
GB2591004A (en) Concrete washout system
JP3605995B2 (ja) 生物活性炭ろ過装置
JP7795822B1 (ja) フィルターモジュールの洗浄方法及び洗浄手段
JP3469296B2 (ja) 積層フィルタ
JP6832671B2 (ja) 汚泥水吸収土嚢
JP5571138B2 (ja) 排水中和緩衝処理剤、排水中和緩衝処理剤添加水及び排水処理方法
CN210636468U (zh) 一种自疏通垃圾池的防渗装置
KR100730994B1 (ko) 이동식 여과망세척장치를 이용한 빗물 여과망여과시설의자동 역세척 방법 및 장치
JP3655980B2 (ja) 濾材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100917

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110125