JP2006102752A - 重合体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】張出かしめにより形成される凹陥部の開口縁部をなだらかな形状に仕上げ、もって所望の塗装品質を確保できるようにする。
【解決手段】自動車用ストラットを構成するチューブ1にナックルブラケット2を重ね合せて成形装置内の所定位置にセットした後、チューブ1の内側に配したダイ5とナックルブラケット2の外側に配したかしめ用ポンチ6との協働により張出かしめを行い、その後、接合されたチューブ1にナックルブラケット2とを回転させて、前記張出かしめによって形成された凹陥部4を面取り用ポンチ7に対する所定位置に位置決めし、面取り用ポンチ7の面取り成形部7aによって前記凹陥部4の開口縁部4aに面取り加工を施し、該開口縁部4aに、後の塗装品質を阻害しないようになだらかな丸みを付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも2つの板材または管材を張出かしめによって接合してなる、板または管の重合体とその製造方法とに関する。
例えば、自動車のサスペンション用ストラット(油圧緩衝器)は、チューブ(アウタチューブ)の軸方向中間部に車体との間に介装されるばねを受けるスプリングシートを、そのチューブの下端部に車体のナックルに連結されるナックルブラケットをそれぞれ重合固定した構造となっている。そして従来、前記チューブに対するスプリングシートやナックルブラケットの接合には、溶接が一般に採用されていたが、この場合は、溶接の熱で生じた酸化スケールや溶接時に空気中に飛散した微細なチリがチューブ内に残り、異物(コンタミネーション)として油中に入り込む虞があった。
そこで従来、特許文献1に記載のものでは、例えば、図5および6に示されるように、上記ストラットを構成するチューブ1とナックルブラケット2との重合部分にスポット的に張出かしめを施し、この張出かしめによる複数のかしめ部3によって両者を接合一体化するようにしていた。
特開2004−223612号公報
ところで、上記特許文献1に記載される張出かしめ方法では、図7に示されるように、チューブ1とナックルブラケット2との重合部分の片側(ナックルブラケット2側)にダイ5を位置決め固定した後、ポンチ6を張出かしめ方向Fへ移動させて、その小径の押込み部6aによってナックルブラケット1とチューブ2とを局部的にダイ5の成形凹部5a内に押込むようにしている。この場合、かしめ部3には、前記ポンチ6の抜け跡としての凹陥部4が形成されるが、この凹陥部4の開口縁部4aは、ポンチ6の押込みに追従する材料の塑性流動によって略エッジ形状となる。しかるに、この種のストラットは、防錆のため、最終的に塗装を施して仕上げられるようになっており、前記エッジ形状の開口縁部4aが存在すると、該開口縁部4aに対する塗料の乗りが悪くなり、ここが、発錆の起点になる虞があった。
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、張出かしめにより形成される凹陥部の開口縁部をなだらかな形状に仕上げ、もって所望の塗装品質を確保できる、板または管の重合体とその製造方法とを提供することにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る重合体は 少なくとも2つの板材または管材を張出かしめすることによって形成された凹陥部の開口縁部になだらかな斜面または丸みを付けたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための、本発明に係る重合体の製造方法は、少なくとも2つの板材または管材を重ね合せて成形装置内の所定位置にセットするワークセット工程と、該ワークセット工程の後、かしめ用ポンチとダイとの協働により張出かしめを実行する張出かしめ工程と、該張出かしめ工程の後、前記成形装置内の面取り用ポンチにより、前記張出かしめによって形成された凹陥部の開口縁部に面取り加工を施す面取り工程とよりなることを特徴とする。この場合、前記面取り加工は、張出かしめ工程を終えた後、接合ワークを移動させてその凹陥部を面取りポンチに対して位置決めして実行するようにしても、かしめ用ポンチに面取り用ポンチとして機能するポンチ部を設け、張出かしめに連続して実行するようにしてもよい。
本発明に係る板または管の重合体によれば、張出かしめによって形成された凹陥部の開口縁部に、なだらかな斜面または丸みが付けられているので、該開口縁部においても十分なる塗膜厚さが得られ、安定した防錆効果が得られるようになる。
また、本発明に係る接合方法によれば、同じ成形装置内で、張出かしめと面取り加工とを行うので、張出かしめによって形成された凹陥部の開口縁部に効率よく斜面または丸みを付けることができる。また、接合ワークを移動させてその凹陥部を面取り用ポンチに対して位置決めして面取り加工を実行する場合は、張出用ポンチとは別の面取り用ポンチの使用により、成形圧を低く抑えることができるので、各ポンチにかかる負担が軽減し、工具寿命が延長する。また、かしめ用ポンチに面取り用ポンチとして機能するポンチ部を設け、張出かしめに連続して実行する場合は、接合ワークを移動させる必要がないので、サイクルタイムが短縮する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1および2は、本発明に係る重合体の製造方法の1つの実施形態を示したものである。本実施形態は、前記図5、6に示した、ストラットを構成するチューブ(管材)1とナックルブラケット(管材)2とを張出かしめにより接合して管重合体を得ようとするもので、その張出かしめに用いるダイ5およびポンチ6(図7に示したものと同じもの)は、成形装置内にそれぞれ一対配設されている。本実施形態においてはまた、同じ張出かしめ装置内に面取り成形部7aを有する一対の面取り用ポンチ7を配設している。一対の面取り用ポンチ7は、前記一対のポンチ(以下、これをかしめ用ポンチという)6と同様に、チューブ1とナックルブラケット2との重合部分の周りに軸径方向で対向して、かつ該かしめ用ポンチ6と回転方向に所定角度だけ位置をずらして配置されている。なお、一対のかしめ用ポンチ6および一対の面取り用ポンチ7のそれぞれは、図示を略す駆動手段により相互に接近、離間する方向へ進退動するようになっている。
上記一対のダイ5は、チューブ1の内部に挿入可能な中空マンドレル10に半径方向へ進退動可能に支持されている。このダイ5の支持構造は、前出特開2004−223612号公報に示されるものと同じであり、各ダイ5は、前記中空マンドレル10の先端部に軸径方向に貫通して形成されたガイド孔11内に摺動可能に嵌装した一対の受台12の前面に固定されている。各受台12の背面には、中空マンドレル10内に挿入され、図示を略す駆動手段により直線移動するテーパロッド13が、ありとあり溝とを係合せた楔合部14を介して作動連結されている。すなわち、一対の受台12は、テーパロッド13の直線移動に応じて相互に半径方向へ進退動するようになっており、これに応じて一対のダイ5が、図1に示す退避位置と図2に示すかしめ位置とに任意位置決めされる。
本製造方法の実施に際しては、先ず、チューブ1とナックルブラケット2とを嵌合させた状態として、両者を成形装置内の所定位置にセットし、続いて、チューブ1内に中空マンドレル10を挿入する。次に、中空マンドレル10内のテーパロッド13を移動(下動)させる。すると、図2に示すように各受台12が相互に半径外方向へ移動し、これにより各受台12に支持されているダイ5が、前記チューブ1の内面に当接するかしめ位置に位置決めされる。その後、図示を略す駆動手段により一対のかしめ用ポンチ6を相互に接近する方向へ移動させる。すると、同じく図2に示すように、ナックルブラケット2とチューブ1との重合部分がポンチ6の小径の押込み部6aによって局所的にダイ5の成形凹部5a内に押込まれ、これによってチューブ1とナックルブラケット2とは張出かしめされる。このとき、軸径方向に対向する二箇所が同時に張出かしめされるので、重合部分に対して成形圧が効率よく作用し、これによって成形荷重の低減を図ることができる。
上記張出かしめ後、図示を略す駆動手段により一対のポンチ6を後退させると共にテーパロッド13を上動させる。すると、このテーパロッド13に楔合されている一対の受台12が後退し、これと一体に一対のダイ5が、図1に示す退避位置まで後退する。本実施形態においては、ダイ5が退避位置まで後退したら、図1に示すように、張出かしめにより接合されたチューブ1とナックルブラケット2(接合ワーク)を所定角度だけR方向へ回転させる。そして、この接合ワークの回転後、一対の面取り用ポンチ7を相互に接近する方向へ移動させる。すると、各面取り用ポンチ7に形成されている面取り成形部7aが各かしめ部3の凹陥部4の開口縁部を押圧し、これによって該凹陥部4の開口縁部は、面取り成形部7aに倣う形状に面取りされる。このとき、軸径方向に対向する二箇所が同時に面取り加工されるので、各かしめ部3に対して成形圧が効率よく作用し、これによって成形荷重の低減を図ることができる。また、かしめ用ポンチ6から独立した専用のポンチ7で面取りを行うので、各ポンチ6、7にかかる負担が軽減し、工具寿命が延長する。
その後、面取りポンチ7を後退させ、接合体を成形装置内から取出すことで、一連の接合工程は完了し、これによって、図3に示すごとき重合体15が得られる。この重合体15において、張出かしめによるかしめ部3に形成されている凹陥部4の開口縁部には、かなり大きなアール(R)の丸み4aが付けられている。このように凹陥部4の開口縁部4aに大きなRの丸み4aが付けられることで、その後に重合体15の外面に塗装を施した際、該凹陥部4の開口縁部4aにも十分に塗料が乗り(十分な塗膜厚さが得られ)、この結果、該開口縁部4aにおいても、安定した防錆効果が得られるようになる。なお、前記開口縁部4aに付ける丸みの大きさは、所望の塗膜厚さが得られる、すなわち塗装品質を阻害しない範囲内で任意の大きさとすることができる。また、この丸みは、斜面(C面)に代えることができる。
ここで、上記実施形態においては、張出かしめ後の接合ワークのみを回転させて、その凹陥部4を面取り用ポンチ7に対して位置決めするようにした、本発明は、ダイ5と一体に接合ワークを回転させるようにしてもよいものである。この場合は、ダイ5によってバックアップされているので、面取り用ポンチを凹陥部4の開口縁部7に強圧することが可能になり、より大きな丸みを付けることができるようになる。
また、上記実施形態においては、かしめ用ポンチ6から独立した専用のポンチ7により面取りを行うようにしたが、本発明は、かしめ用ポンチ6を面取り加工に共用するようにしてもよいものである。図4は、この場合の実施形態を示したもので、かしめ用ポンチ6の押込み部6aの途中に、面取り用ポンチとして機能する面取り部20を設けている。この実施形態においては、張出かしめの最終段階で、前記面取り部20が凹陥部4の開口縁部4aに作用し、これによって該凹陥部4の開口縁部4aは、面取り成形部7aに倣う形状に面取りされる。この実施形態においては、接合ワークを回転させる必要がないので、上記実施形態に比べてサイクルタイムが短縮する。
なお、上記実施形態においては、なだらかな斜面または丸みをつけるために、面取り用ポンチを用いたものを示したが、別段これに限らず、本発明によれば、かしめ用ポンチによるかしめ後に、それによりできた、開口縁部の角を、例えば、「湿式切削(オイルをかけながら切削)+洗浄」によって、なだらかな斜面または丸みをつけるようにしても構わない。この場合、なだらかな斜面または丸み部を、より精緻に形成することができ、より安定した塗膜厚さを得ることができる。
本発明に係る重合体の製造方法の一つの実施形態を示す断面図である。 本製造方法における張出かしめ工程を示す断面図である。 本製造方法によって得られた重合体の構造を示す断面図である。 本発明に係る重合体の製造方法の他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る重合体の1つであるストラットを構成するチューブとナックルブラケットとの重合構造を示す斜視図である。 図6に示したチューブとナックルブラケットとの重合構造を示す断面図である。 従来の張出かしめ方法を示す断面図である。
符号の説明
1 チューブ(管材)
2 ナックルブラケット(管材)
3 かしめ部
4 凹陥部
4a 凹陥部の開口縁部
5 ダイ
6 かしめ用ポンチ
7 面取り用ポンチ
15 重合体
20 ポンチ部

Claims (4)

  1. 少なくとも2つの板材または管材を張出かしめによって接合してなる重合体であって、張出かしめによって形成された凹陥部の開口縁部に、なだらかな斜面または丸みを付けたことを特徴とする重合体。
  2. 請求項1に記載の重合体の製造方法であって、少なくとも2つの板材または管材を重ね合せて成形装置内の所定位置にセットするワークセット工程と、該ワークセット工程の後、かしめ用ポンチとダイとの協働により張出かしめを実行する張出かしめ工程と、該張出かしめ工程の後、前記成形装置内の面取り用ポンチにより、前記張出かしめによって形成された凹陥部の開口縁部に面取り加工を施す面取り工程とよりなることを特徴とする重合体の製造方法。
  3. 張出かしめを終えた後、接合ワークを移動させてその凹陥部を面取り用ポンチに対して位置決めし、面取り加工を実行することを特徴とする請求項2に記載の重合体の製造方法。
  4. かしめ用ポンチに、面取り用ポンチとして機能するポンチ部を設け、張出かしめに連続して面取り加工を実行することを特徴とする請求項2に記載の重合体の製造方法。

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