JP2006105671A - ガスセンサ及びガス濃度測定方法 - Google Patents

ガスセンサ及びガス濃度測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基準ガス等が不要で構造を簡素化できるとともに、広い範囲のガス濃度を測定することができるガスセンサ及びガス濃度測定方法を提供すること。
【解決手段】 ガスセンサ1のセンサ素子3は、先端が閉塞され後端が開放された試験管状の基体9と、基体9の外周面の先端側に環状に形成された基準電極11と、同外周面にて基準電極11より後端側に環状に形成された検知電極13とから構成されており、基準電極11と検知電極13はガス測定部7に接続されている。基体9は、固体電解質であり、イットリアを添加した安定化ジルコニアからなる。基準電極11は、マンガンとニッケルを含む酸化物(例えばNiMn2O4)を主成分とする電極であり、検知電極13は、白金を主成分とする電極である。従って、ガス測定部7では、基準電極11と検知電極13との間の電位差から酸素濃度を求めることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定することができるガスセンサ及びガス濃度測定方法に関するものである。
従来より、空気中の酸素濃度を測定するセンサとして、例えば理論空燃比にてその出力が急変するλセンサが知られている。
このλセンサは、例えば固体電解質からなるコップ状の基体の外側と内側に電極を形成し、内側に基準ガスを導入するとともに、外側に被測定ガスを導入し、その際に両電極間に発生する起電力によって、被測定ガス中の酸素の濃度(理論空燃比)を検知しようとするものである(特許文献1参照)。
また、これとは別に、いわゆる限界電流式ガスセンサが提案されている。この限界電流式ガスセンサは、固体電解質基板の両側に陰電極と陽電極とを設けるとともに、陰電極側に被測定ガスの拡散を制限する拡散律速部を設けたものであり、両電極間に所定の電圧を印加することによって陰電極から陽電極に流れる電流(限界電流)が、測定ガス中の酸素濃度に比例することを利用して、酸素濃度を測定するものである(特許文献2参照)。
特開平11−160275号公報 (第3頁、図1) 特開平10−318975号公報 (第3頁、図1)
ところが、上述した従来のλセンサの技術では、コップ状の基体の内側に基準ガスを導入する必要があるので、その構成が複雑になるという問題があった。
また、限界電流式ガスセンサでは、精度良く酸素濃度を測定できるものの、拡散律速部を設ける必要があるため、一層構造が複雑になるという問題があった。
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、基準ガス等が不要で構造を簡素化できるとともに、広い範囲のガス濃度を測定することができるガスセンサ及びガス濃度測定方法を提供することである。
(1)請求項1の発明は、固体電解質を主成分とする基体に少なくとも1対の電極を設けたセンサ素子を有し、前記電極間の電気的特性(例えば電位差)に基づいて、被測定ガス中の所定ガスの濃度を検出するガスセンサにおいて、前記電極のうちの1つの電極が、マンガンとニッケルを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本発明では、固体電解質の基体に例えば一対の電極が設けられ、その電極の一方にマンガンとニッケルを含む酸化物が含有されている。従って、このセンサ素子を被測定ガスに晒して例えば両電極を測定ガスに接触させることにより、例えば両電極間の電位差から所定ガスの濃度を測定することができる。
つまり、このマンガンとニッケルを含む酸化物を含有する電極を用いた場合には、従来の例えば白金等からなる通常の電極に比べて、所定ガスに対する電気化学反応(例えば酸素分子と酸素イオンとの平衡反応)が制限されるので、例えば両電極間の電位差等の電気的特性の変化から、所定ガスの濃度を求めることができる。
従って、従来のλセンサの様な基準ガス等が不要であり、その構造を簡素化でき、しかも、広い範囲のガス濃度を測定することができるという顕著な効果を奏する。
尚、前記一方の電極としては、前記マンガンとニッケルを含む酸化物を主成分とするもの(或いは電極全体が前記酸化物であるもの)が好ましい。
尚、前記ガス濃度の測定には、その物質の存在の有無の検出も含まれるものとする。
(2)請求項2の発明は、前記マンガンとニッケルを含む酸化物が、NixA1-xMn2yB2(1-y)O4で示される酸化物であることを特徴とする。
本発明は、マンガンとニッケルを含む酸化物の好ましい例を示したものである。
ここで、xは0<x≦1.0であり、Aは2価の元素であり、yは0<y≦1.0であり、Bは3価の元素である。
(3)請求項3の発明は、前記マンガンとニッケルを含む酸化物が マンガン酸塩であることを特徴とする。
本発明は、マンガンとニッケルを含む酸化物の好ましい例を示したものである。
(4)請求項4の発明は、前記マンガン酸塩が、マンガン酸ニッケル(NiMn2O4)であることを特徴とする。
本発明は、マンガンとニッケルを含む酸化物の最も好ましい例を示したものである。
(5)請求項5の発明は、前記一方の電極とそれと対をなす他方の電極との間の電位差を測定し、該電位差に基づいて、前記被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定することを特徴とする。
本発明では、両電極が被測定ガスと接触した場合には、両電極における電気化学反応の平衡状態が異なるので、両電極間に電位差が生じる。よって、一方の電極(例えば基準極)と他方の電極(例えば検知極)との間の電位差から、所定ガスの濃度を測定することができる。
(6)請求項6の発明は、前記一方の電極が基準極であり、該基準極と対をなす他方の電極が検知極であることを特徴とする。
ここで、検知極とは、所定ガスに対して、電気化学反応(例えば酸素分子と酸素イオンと平衡反応)を、相手側の基準極よりもスムーズに平衡に到達させる電極である。そして、この検知極では、所定ガスの濃度に対応して電気化学反応の平衡状態が変化する。一方、基準極とは、接触するガスの種類や濃度が変化しても、その電極と固体電解質との界面での電気化学反応の平衡状態が変化しないガス不活性電極である。
つまり、基準極と検知極とでは、所定ガスに対する電気化学反応の平衡状態が異なるので、この両電極間の電気的特性(例えば電位差)から、所定ガスの濃度を求めることができる。
(7)請求項7の発明は、前記所定ガスが酸素ガスであることを特徴とする。
本発明は、所定ガスを例示したものである。両電極が酸素ガスと接触した場合には、両電極における電気化学反応の平衡状態が異なり、両電極間に電位差が生じるので、その電位差からガスの濃度を求めることができる。
(8)請求項8の発明は、前記固体電解質が安定化ジルコニアであることを特徴とする。
本発明は、固体電解質を例示したものである。前記一対の電極を備えた固体電解質を酸素ガス等を含む被測定ガスに晒すことにより、両電極間に酸素濃度に応じた電位差(起電力)が生じるので、その電位差から酸素濃度等を求めることができる。
(9)請求項9の発明は、前記一方の電極と対をなす他方の電極が、白金族又は白金族の合金を主成分とする電極であることを特徴とする。
本発明は、他方の電極(検知極)を例示したものである。この白金族又は白金族の合金を主成分とする電極を用いることにより、安定な電位差が発生するので、酸素濃度等を好適に測定することができる。
(10)請求項10の発明は、前記ガスの濃度を測定する際の測定温度が、300〜700℃であることを特徴とする。
本発明は、本発明のガスセンサの好ましい使用温度範囲(従ってセンサ素子の電極近傍の温度)を例示したものである。
(11)請求項11の発明は、温度センサ及び/又はヒータを備えたことを特徴とする。
本発明では、温度センサやヒータを備えているので、例えば温度センサによりセンサ素子やその周囲の温度(即ち測定温度)をチェックし、ヒータによって所定の温度に制御することにより、被測定ガスの温度が低い場合やガスセンサに温度依存性がある場合でも、常に精度良くガス濃度を測定することができる。
尚、温度センサのみを備えているものは、温度を測定し、例えば所定の好ましい温度範囲の場合にガス濃度を測定するようにしてもよい。また、ヒータのみを備えているものは、例えば所定の加熱パターンで加熱することにより、測定温度をほぼ一定に保つことが可能である。
(12)請求項12の発明は、固体電解質を主成分とする基体に少なくとも1対の電極を設けたセンサ素子を用い、前記電極間の電気的特性に基づいて、被測定ガス中の所定ガスの濃度を検出するガス濃度測定方法において、前記電極のうちの1つの電極として、マンガンとニッケルを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有する電極を用い、前記センサ素子を前記被測定ガス中に配置し、前記電極を前記測定ガスに接触させて、前記所定ガスの濃度を測定することを特徴とする。
前記請求項1の発明で述べた様に、本発明では、固体電解質の基体に一対の電極が設けられ、その電極の1つにマンガンとニッケルを含む酸化物が含有されている。よって、後述する実験例からも明かな様に、このセンサ素子を被測定ガスに晒して両電極を測定ガスに接触させることにより、例えば両電極間の電位差から所定ガスの濃度を測定することができる。
尚、マンガンとニッケルを含む酸化物としては、前記請求項2〜4にて例示した物質を採用することができる。
(13)請求項13の発明は、前記一方の電極とそれと対をなす他方の電極との間の電位差を測定し、該電位差に基づいて、前記被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定することを特徴とする。
本発明は、前記請求項5の発明と同様な作用効果を奏する。
(14)請求項14の発明は、前記前記一方の電極が基準極であり、該基準極と対をなす他方の電極が検知極であることを特徴とする。
前記請求項6の発明にて述べた様に、基準極と検知極とでは、所定ガスに対する電気化学反応の平衡状態が異なるので、この両電極間の電気的特性(例えば電位差)から、所定ガスの濃度を求めることができる。
(15)請求項15の発明は、前記一方の電極を基準極とし、該基準極に対して参照ガス又は基準ガスを用いることなく、前記所定ガスの濃度を測定することを特徴とする。
本発明では、検知極だけでなく基準極も被測定ガスに晒して所定ガスの濃度を測定することができる。よって、従来の様な基準となる参照ガスや基準ガスを用いる必要がないので、センサの構造を簡素化することができる。
(16)請求項16の発明は、前記ガスの濃度を測定する際の測定温度を、300〜700℃に設定することを特徴とする。
本発明は、本発明のガスセンサの好ましい使用温度範囲を例示したものである。
次に、本発明のガスセンサ及びガス濃度測定方法の最良の形態の例(実施例)について説明する。
a)まず、本実施例のガスセンサのシステム構成について説明する。
図1に示す様に、本実施例のガスセンサ(ガス濃度測定装置)1は、被測定ガス中の酸素ガスの濃度(ガス濃度)を測定する酸素センサであり、センサ素子3と、センサ素子3の温度を調節する温度調節部5と、センサ素子3からの信号によってガス濃度を測定するガス測定部7から構成されている。
前記センサ素子3は、先端(同図左側)が閉塞され後端が開放された試験管状の基体9と、基体9の側方の外周面の先端側に環状に形成された基準電極11と、同外周面にて基準電極11より後端側に環状に形成された検知電極13から構成されており、基準電極11と検知電極13とには、ガス測定部7との接続のために、それぞれリード部15、17が設けられている。
このうち、前記基体9は、固体電解質であり、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)からなる。また、基準電極11は、マンガンとニッケルを含む酸化物(例えばマンガン酸ニッケル:NiMn2O4)を主成分とする電極であり、検知電極13は、白金を主成分とする電極である。
前記温度調節部5は、基体9の内部空間19に配置された熱電対(温度センサ)21及びヒータ23と、熱電対21及びヒータ23に接続された電子制御装置である温度制御器25とから構成されている。
この温度制御器25は、熱電対21の起電力からセンサ素子3の温度(従って測定部位の温度である測定温度)を求め、この測定温度に基づいて、センサ素子3が所定の測定温度となる様に、ヒータ23に通電してセンサ素子3を加熱する制御を行うものである。
尚、ここでは、熱電対21、ヒータ23、及び温度制御器25を用いて温度を調節するが、温度調節が可能な構成であればこれに限定されることはない。また、温度調節を必要としない場合は、これらを省略してもよい。更に、ヒータ23は、センサ素子3を加熱できれば良いので、必ずしもセンサ素子3の内側に配置しなくともよい。例えばセンサ素子3の外側に配置してもよく、或いは基体9内に埋め込んでもよい。
前記ガス測定部7は、リード部15、17に接続されており、基準電極11と検知電極13との間の電位差(電圧)を測定するデジタルエレクトロメータ27と、測定した電位差から酸素濃度を求める電子制御装置29と、電子制御装置29によって求めた酸素濃度を表示するディスプレイ31とを備えている。
従って、本実施例では、前記センサ素子3、温度調節部5、及びガス測定部7を用いることにより、後に詳述する様にして、両電極11、13間の電位差に基づいて被測定ガス中の酸素ガスの濃度を求めることができる。
b)次に、本実施例のガスセンサ1の要部であるセンサ素子3の製造方法について説明する。
まず、純度99%以上のジルコニア(ZrO2):100molに対して、純度99%以上のイットリアを8molの割合で配合し、湿式混合した後、1300℃の温度で仮焼した。
この仮焼物に水を加え、ボールミルにて粉砕した後、水溶性バインダーを添加し、スプレードライ法により造粒した。
この造粒物を、ラバープレス法によりコップ状の有底円筒状(又は平板状:実施例2、3)に成形し、砥石によって研削し、その形状を整えた。
次いで、この成型体を、1500℃の温度で3時間焼成し、固体電解質のジルコニアセラミックからなる基体9を得た。
また、基準電極11用として、マンガン酸ニッケル(NiMn2O4)の粉末に、バインダとして20重量%のポリエチレングリコール(PEG)を加えるとともに、溶剤としてαーテルピネオールを適当な粘度となるように混合して、ペーストを調製した。例えば「前記(粉末+バインダ):溶剤=2:1」の重量比で混合したペーストを調製した。
更に、検知電極13用として、白金(Pt)の粉末に、バインダとして10重量%のエチルセルロースを加えるとともに、溶剤としてパーピネオール(商品名)を適当な粘度となるように混合して、ペーストを調製した。
次に、前記基準電極11用のペーストを、基体9の先端側の側方の外周面上に、環状(ベルト状に)に塗布する。また、同様に、検知電極13用のペーストも、基体9の先端側の側方の外周面上に、環状に塗布した。
そして、各ペーストを塗布した後、130℃の乾燥器中で1時間乾燥させ、その後、基体9を、管状炉に入れ、大気雰囲気下にて1400℃で2時間焼成し、基準電極11及び検知電極13を備えた基体9、即ちセンサ素子3を得た。
尚、検知電極13としては、無電解白金メッキ法により、1〜2ミクロンの厚みで白金薄膜を形成してもよい。また、熱電対21やヒータ23は、センサ素子3の完成後、センサ素子3内に配置すればよい。
c)次に、本実施例のガスセンサ1を用いたガス濃度測定方法について説明する。
本実施例のガス濃度測定方法としては、所定ガスとして酸素ガスを含む被測定ガス(例えばエンジンの排気ガス)を用いる。
そして、この被測定ガスに、センサ素子3の両電極11、13を晒し、ヒータ23により、両電極11、13を300〜700℃の範囲内の所定温度に保つ。
このとき、基準電極11側では、基準電極11の構成成分(即ちNiMn2O4)のために、一定電位を示すが、検知電極13側では、検知電極13の構成成分(即ちPt)により、酸素ガスの濃度に応じた電気化学反応が平衡に達する。
つまり、主として検知電極13側で、酸素分子と酸素イオンとが関与する電気化学反応が平衡に達することにより、両電極11、13間に電位差が生じるので、この電位差をデジタルエレクトロメータ27で検出するとともに、ガス測定部7にて、この電位差に基づいて酸素ガスの濃度を求める。
すなわち、基準電極11側の電位は、酸素ガスの濃度に変化に対して不活性であるが、検知電極13側では、酸素濃度に応じて電気化学反応が平衡に達するので、両電極11、13の電位差に基づいて酸素ガスの濃度を求めることができる。
この様に、本実施例では、ガスセンサ1のセンサ素子3として、ジルコニア質の固体電解質の基体9に、マンガン酸ニッケルを主成分とする基準電極11と白金を主成分とする検知電極13とが設けられた素子を用い、両電極11、13を被測定ガスに晒すことにより、酸素濃度に対応した起電力を得ることができるので、その起電力から被測定ガスの酸素濃度を求めることができる。
従って、従来のλセンサの様に、基準ガス等を導入することが不要となり、その構造を簡素化でき、また、従来の拡散制限手段を省略でき、しかも、広い範囲のガス濃度を測定することができるという顕著な効果を奏する。
また、このガスセンサを用いることにより、特に、300〜700℃の測定温度にて、好適に酸素濃度を測定することができる。
d)次に、本実施例の効果を確認するために行った実験例について説明する。
(1)実験例1
本実験例1は、本発明の範囲の基準電極を用いた場合の各ガスに対する応答(起電力:センサ出力)を調べたものである。
図2に示す様に、本実験例では、前記実施例1と同様に、基体の外側に基準電極Kと外側検知電極Pt-outを設け、両電極間の電位差を第1電圧計V1で測定する構成とした。更に、基体の内側にも(外側検知電極Pt-outと同様な)内側検知電極Pt-inを設け、基準電極Kと内側検知電極Pt-inとの間の電位差を第2電圧計V2で測定する構成とした。
また、センサ素子の内部空間には、実験のために、基準ガスとして空気を供給した。尚、本発明のガスセンサには基準ガスが不要であるが、ここでは、実験のために基準ガスを用いた。
そして、測定温度を600℃とし、5分づつ5分間隔で、6種類のガスを、100cm3/minの流量で供給した。具体的には、CO、CH4、C3H8、H2、NO、NO2の6種のガスを、それぞれ400ppmづつベースガスに含ませた被測定ガスを供給した。尚、ベースガスは、窒素に酸素を5%(以下ガス濃度の%は容積%を示す)と水蒸気を5%含んだものである。
そして、前記被測定ガスを供給した際に、基準電極Kと外側検知電極Pt-outとの間に生じる電位差(起電力EMF)を測定した。また、同様にして、基準電極Kと内側検知電極Pt-inとの間に生じる電位差も測定した。
その結果を、図3に示す。この図3は縦軸に起電力をとり横軸に時間(分)をとったものである。図3から明かな様に、本実験例のガスセンサは、各種のガスに対して特に応答を示さないので、酸素ガスを検出する際の誤検出の恐れがないことが分かる。
(2)実験例2
本実験例2は、本発明のガスセンサのセンサ出力における酸素濃度の依存性を調べたものである。
本実験例では、前記実験例1と同様なセンサ素子を用い、センサ素子の内部空間には、基準ガスとして空気を供給した。
そして、測定温度を600℃とし、5分づつ3分間隔で、5種類の酸素濃度の異なるガスを、100cm3/minの流量で供給した。具体的には、ベースガスである窒素ガスに、(測定対象の所定ガスとして)酸素ガスを5%、10%、20%、50%、80%含む5種の酸素濃度の異なる被測定ガスを供給した。尚、被測定ガスとしては、5%の水蒸気を含むものと水蒸気無しのものとを供給した。
そして、前記被測定ガスを供給した際に、基準電極Kと外側検知電極Pt-outとの間に生じる電位差(起電力EMFgas)を測定した。また、ベースガスを供給した場合の電位差(起電力EMFbase)を測定した。更に、ガスセンサの感度として、両起電力の差ΔEMF(=EMFgas−EMFbase)を求めた。
その結果を、図4に示す。この図4は検知電極(外側検知電極Pt-out)を基準として示したものであり、縦軸に感度ΔEMFをとり横軸に対数にて酸素濃度をとったものである。図4から明かな様に、本実験例のガスセンサは、酸素濃度に対応した感度が得られることが分かる。従って、起電力に基づく感度から酸素濃度を求めることができることが分かる。
また、図5に、図4を基準電極を基準として書き直したグラフを示す。図5から明かな様に、本実験例のガスセンサは、酸素濃度が増加すると感度が増加することが分かる。
(3)実験例3
本実験例3は、本発明のガスセンサにセンサ出力における酸素濃度の依存性を調べたものである。
本実験例では、前記実験例1と同様なセンサ素子を用い、センサ素子の内部空間には、基準ガスとして空気を供給した。
そして、測定温度を600℃とし、5分づつ3分間隔で、5種類の酸素濃度の異なるガスを、100cm3/minの流量で供給した。具体的には、ベースガスである窒素ガスに、酸素ガスを5%、10%、20%、50%、80%含む5種の酸素濃度の異なる被測定ガスを供給した。尚、被測定ガスとしては、5%の水蒸気を含むものと水蒸気無しのものとを供給した。
そして、前記被測定ガスを供給した際に、基準電極Kと内側検知電極Pt-inとの間に生じる電位差(起電力EMFgas)を測定した。また、ベースガスを供給した場合の電位差(起電力EMFbase)した。更に、ガスセンサの感度として、両起電力の差ΔEMF(=EMFgas−EMFbase)を求めた。
その結果を、図6に示す。この図6は検知電極(内側検知電極Pt-in)を基準として示したものであり、縦軸に感度をとり横軸に対数にて酸素濃度をとったものである。
この実験では、基準電極Kは酸素濃度が変化する被測定ガスに接し、内側検知電極Pt-inは酸素濃度が変化しない基準ガスに接しているが、図6から明かな様に、殆ど感度が無いことが分かる。
つまり、被測定ガスに接する基準電極では電気化学反応は殆ど起こらず、よって基準電極としての機能を発揮していることが分かる。
(4)実験例4
本実験例では、図7に示す様に、基準電極Kと内側検知電極Pt-inを設け、両電極間の電位差を電圧計で測定する構成とした。その他の構成は、前記実施例1と同様である。また、センサ素子の内部空間には、実験のために、基準ガスとして空気を供給した。尚、基準電極を作製する際にはPEGを用いなかった。
そして、測定温度を500℃、550℃、600℃、700℃とし、酸素濃度を違えたガスを、100cm3/minの流量で供給した。具体的には、ベースガスである窒素ガスに、酸素ガスを、0%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、10%、20%、50%、80%含む被測定ガスを供給し、その際に、基準電極Kと内側検知電極Pt-inとの間に生じる電位差(起電力EMF)を測定した。
その結果を、図8〜図11に示す。この図8〜図11は縦軸に起電力をとり横軸に時間(分)をとったものである。尚、図8〜図11に示す%も(酸素濃度の)容積%である。
前記図8、図10に示す500℃、600℃における実験では、実験開始後50分を経過した後は、酸素濃度を80%に設定した。また、図9に示す550℃における実験では、実験開始後55分を経過した後は、酸素濃度を0%に設定した。更に、図11に示す700℃における実験では、実験開始後40分〜130分は、酸素濃度を20%に設定した。
この実験では、基準電極Kは酸素濃度が変化する被測定ガスに接し、内側検知電極Pt-inは酸素濃度が変化しない基準ガスに接しているが、図8及び図9から明かな様に、測定温度が500℃及び550℃では、両電極間の起電力は、酸素濃度が変化しても殆ど変化しないことが分かる。
つまり、この測定温度では、被測定ガスに接する基準電極では、電気化学反応は酸素濃度によらずに平衡状態を維持しており、よって基準電極としての機能を発揮していることが分かる。
一方、図10から明かな様に、測定温度が600℃の場合は、酸素濃度が5%以上の場合から、徐々に起電力が増加し、80%では起電力が急激に増加する。また、図11から明かな様に、測定温度が700℃の場合は、酸素濃度が5%以上の場合、起電力が急激に増加する。
従って、測定温度が高い場合には、そのままでは、測定濃度の範囲に制限があることが分かる。
次に、実施例2について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
本実施例は、前記実施例1とはセンサ素子の構造が異なる。
図12に示す様に、本実施例のガスセンサ41のセンサ素子43は、平板状の基体(基板)45の両側に、それぞれマンガン酸ニッケル(NiMn2O4)を主成分とする基準電極47とPtを主成分とする検知電極49とを配置したものであり、この基準電極47と検知電極49とが被測定ガスに接するように構成されている。
また、基板45の近傍には、間隙を介してヒータ基板51が平行に配置されており、このヒータ基板51内には、温度を検出するための熱電対とヒータとが配置されている(図示せず)。
尚、両電極47、49間の電位差から酸素濃度を測定するガス測定部53以外に、前記実施例1と同様に、温度制御器等(図示せず)が接続されている。
本実施例でも、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、センサ素子43の構造を簡素化できるという利点がある。
次に、実施例3について説明するが、前記実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
本実施例は、前記実施例1とはセンサ素子の構造が異なる。
図13に示す様に、本実施例のガスセンサ61のセンサ素子63は、平板状の基体(基板)65の一方の表面(同図の上面)に、マンガン酸ニッケル(NiMn2O4)を主成分とする基準電極67とPtを主成分とする検知電極69とを並べて配置したものであり、この基準電極67と検知電極69とが被測定ガスに接するように構成されている。
また、基板65の他方の表面(下面)には、ヒータ基板71が接合されており、このヒータ基板71内には、温度を検出するための熱電対とヒータとが配置されている(図示せず)。
尚、両電極67、69間の電位差から酸素濃度を測定するガス測定部73以外に、前記実施例1と同様に、温度制御器等(図示せず)が接続されている。
本実施例でも、前記実施例1と同様な効果を奏するとともに、センサ素子63の構造を簡素化できるとともに、その強度を向上できるという利点がある。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、前記実施例では、基準電極として、マンガン酸ニッケル(NiMn2O4)を主成分とする電極を用いたが、基準電極全体をマンガン酸ニッケルで構成してもよく、或いは、基準電極の一部をマンガン酸ニッケルで構成してもよい。
(2)また、基準電極に含む電極成分として、マンガン酸ニッケル以外でも、例えば被検ガスの種類や濃度に依存しないで、電気化学反応が平衡状態を示すようなマンガンとニッケルを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有するように構成してもよい。
実施例1のガスセンサの構成を示す説明図である。 実験例1で用いるガスセンサを示す説明図である。 実験例1の各ガスに対する起電力の実験結果を示すグラフである。 実験例2のガスセンサの感度の実験結果(検知電極基準)を示すグラフである。 実験例2のガスセンサの感度の実験結果(基準電極基準)を示すグラフである。 実験例3のガスセンサの感度の実験結果(基準電極基準)を示すグラフである。 実験例4で用いるガスセンサを示す説明図である。 実験例4のガスセンサの起電力の実験結果を示すグラフである。 実験例4のガスセンサの起電力の実験結果を示すグラフである。 実験例4のガスセンサの起電力の実験結果を示すグラフである。 実験例4のガスセンサの起電力の実験結果を示すグラフである。 実施例2のガスセンサの構成を示す説明図である。 実施例3のガスセンサの構成を示す説明図である。
符号の説明
1、41、61…ガスセンサ
3、43、63…センサ素子
5…温度調節部
7、53、73…ガス測定部
9、45、65…基体
11、47、67…基準電極
13、49、69…検知電極
21…熱電対
23…ヒータ
27…デジタルエレクトロメータ
51、71…ヒータ基板

Claims (16)

  1. 固体電解質を主成分とする基体に少なくとも1対の電極を設けたセンサ素子を有し、前記電極間の電気的特性に基づいて、被測定ガス中の所定ガスの濃度を検出するガスセンサにおいて、
    前記電極のうちの1つの電極が、マンガンとニッケルを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記マンガンとニッケルを含む酸化物が、NixA1-xMn2yB2(1-y)O4で示される酸化物であることを特徴とする前記請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記マンガンとニッケルを含む酸化物が マンガン酸塩であることを特徴とする前記請求項2に記載のガスセンサ。
  4. 前記マンガン酸塩が、マンガン酸ニッケル(NiMn2O4)であることを特徴とする前記請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 前記一方の電極とそれと対をなす他方の電極との間の電位差を測定し、該電位差に基づいて、前記被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載のガスセンサ。
  6. 前記一方の電極が基準極であり、該基準極と対をなす他方の電極が検知極であることを特徴とする前記請求項1〜5のいずれかに記載のガスセンサ。
  7. 前記所定ガスが酸素ガスであることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれかに記載のガスセンサ。
  8. 前記固体電解質が安定化ジルコニアであることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれかに記載のガスセンサ。
  9. 前記一方の電極と対をなす他方の電極が、白金族又は白金族の合金を主成分とする電極であることを特徴とする前記請求項1〜8のいずれかに記載のガスセンサ。
  10. 前記ガスの濃度を測定する際の測定温度が、300〜700℃であることを特徴とする前記請求項1〜9のいずれかに記載のガスセンサ。
  11. 温度センサ及び/又はヒータを備えたことを特徴とする前記請求項1〜10のいずれかに記載のガスセンサ。
  12. 固体電解質を主成分とする基体に少なくとも1対の電極を設けたセンサ素子を用い、前記電極間の電気的特性に基づいて、被測定ガス中の所定ガスの濃度を検出するガス濃度測定方法において、
    前記電極のうちの1つの電極として、マンガンとニッケルを含む酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有する電極を用い、前記センサ素子を前記被測定ガス中に配置し、前記電極を前記測定ガスに接触させて、前記所定ガスの濃度を測定することを特徴とするガス濃度測定方法。
  13. 前記一方の電極とそれと対をなす他方の電極との間の電位差を測定し、該電位差に基づいて、前記被測定ガス中の所定ガスの濃度を測定することを特徴とする前記請求項12に記載のガス濃度測定方法。
  14. 前記前記一方の電極が基準極であり、該基準極と対をなす他方の電極が検知極であることを特徴とする前記請求項12又は13に記載のガスセンサ。
  15. 前記一方の電極を基準極とし、該基準極に対して参照ガス又は基準ガスを用いることなく、前記所定ガスの濃度を測定することを特徴とする前記請求項12〜14のいずれかに記載のガス濃度測定方法。
  16. 前記ガスの濃度を測定する際の測定温度を、300〜700℃に設定することを特徴とする前記請求項12〜15のいずれかに記載のガス濃度測定方法。
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