JP2006106978A - 指紋画像撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 指紋の皮膚表面の湿り気の状態に拘わらず、さらには指紋の凹凸が不明瞭な場合にも、安定かつコントラストの向上した指紋画像を得る。
【解決手段】 撮像対象となる指紋11を有する指先部1を被検体とし、被検体にこれを透過し得る光30を照射する光源3と、被検体を透過する光源からの光を撮像して指紋の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得る撮像手段5と、被検体を透過する光源からの光を撮像手段に結像させる光学系4とを備え、かつ、光学系の光軸400に直交する面402に指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、被検体の指先部先端側がその反対側に比して光学系から離れるように所定の角度傾いた状態となるように、光学系を配置した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、指紋画像撮像装置に関するものであり、特に、指紋の皮膚表面の湿り気の状態に拘わらず、さらには指紋の凹凸が不明瞭な場合にも、安定かつコントラストの向上した指紋画像を得ることができ、個人識別の性能を向上することができる指紋画像撮像装置に関するものである。
従来の指紋画像撮像装置においては、指先部の指紋部分が非接触状態で指を保持し、指先部の甲側(背側)から光を照射し、指内部を透過してきた光を検出する。指先部を透過する光の透過率は、指紋の凸部に比べて凹部において高いので、指紋の凸部に比べて凹部が明るい画像が得られる(例えば特許文献1参照)。
特開2003-85538号公報(第3−4頁、第1−4図)
従来の指紋画像撮像装置は、以上のように構成されており、指紋の皮膚表面の湿り気の状態に拘わらず、さらには指紋の凹凸が不明瞭な場合にも、安定した指紋画像を得ることができるが、指紋画像のコントラストの更なる向上が望まれる。
本発明は、よりコントラストの向上した指紋画像を得ることができる指紋画像撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る指紋画像撮像装置は、撮像対象となる指紋を有する指先部を被検体とし、上記被検体にこれを透過し得る光を照射する光源と、上記被検体を透過する上記光源からの光を撮像して上記指紋の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得る撮像手段と、上記被検体を透過する上記光源からの光を上記撮像手段に結像させる光学系とを備え、かつ、上記光学系の光軸に直交する面に上記指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、上記被検体の指先部先端側がその反対側に比して上記光学系から離れるように所定の角度傾いた状態となるように、上記光学系を配置したものである。
本発明に係る指紋画像撮像装置によれば、撮像対象となる指紋を有する指先部を被検体とし、上記被検体を透過し得る光源からの光を上記被検体に照射し、光学系で上記被検体を透過する上記光源からの光を撮像手段に結像させ、撮像手段で上記被検体を透過する上記光源からの光を撮像して上記指紋の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得るので、指紋の皮膚表面の湿り気の状態に拘わらず、さらには指紋の凹凸が不明瞭な場合にも、安定した指紋画像を得ることができる。
しかも、光学系の光軸に直交する面に上記指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、上記被検体の指先部先端側がその反対側に比して上記光学系から離れるように所定の角度傾いた状態となるように、上記光学系を配置したので、コントラストのより向上した指紋画像を得ることができ、個人識別の性能を向上することができる。
本発明の発明者らは、撮像対象となる指紋を有する指先部を被検体とし、上記被検体にこれを透過し得る光を照射する光源と、上記指紋の凸部を透過する上記光源からの光と上記指紋の凹部を透過する上記光源からの光とを撮像して上記指紋の凸部が暗く凹部が明るい、上記指紋に対応する指紋画像を得る撮像手段と、上記被検体を透過する上記光源からの光を上記撮像手段に結像させる光学系とを備えた指紋画像撮像装置において、上記光学系の光軸に直交する面に上記指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、上記被検体の指先部先端側をその反対側に比して上記光学系から離れるように所定の角度(約10°〜30°)傾けることで、上記光学系の光軸に直交する面に指先部の背側または腹側を当接させた場合よりもさらに指紋画像のコントラストを向上させることができることを発見した。
これは、指紋表面および指紋表面近傍の内部組織の透過率特性に角度依存性があり、特定の角度に光が透過し易いためではないかと考えられる。
本発明は上記特性に着目してなされたものであり、光学系の光軸に直交する面に指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、被検体をその指先部先端側がその反対側に比して光学系から離れるように所定の角度傾けた状態で指紋画像を得ることを特徴とするものである。
実施の形態1.
図1および図2は本発明の実施の形態1による指紋画像撮像装置を説明するための図であり、より具体的には、図1は指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図、図2は指先部近傍を撮像手段側(腹側)から見た様子を示す下面図、図3は指先部近傍を背側(爪側)から見た様子を示す上面図である。
本実施の形態による指紋画像撮像装置は、撮像対象となる指紋11を有する指先部1を被検体とし、被検体1にこれを透過し得る光30を照射する光源3と、
被検体1を透過する光源3からの光を撮像して指紋11の凸部が暗く凹部が明るい、指紋11に対応する指紋画像を得る撮像手段5と、
被検体1を透過する光源3からの光を撮像手段5に結像させる光学系4と、
撮像手段5から出力された指紋画像を画像処理して指紋情報を得るとともに、この指紋情報に基づき個人を識別する信号処理部6とを備え、
かつ、光学系4の光軸400に直交する面402に指先部の背側を当接させた位置を基準に、被検体1をその指先部先端側がその反対側に比して光学系4から離れるように所定の角度傾けた状態となるように、光学系4を配置した。
本実施の形態では、指先部1を撮像対象となる指紋11の表面が非接触の状態で保持し得る被検体保持部(以下、開口付き被検体保持部と言う。)21を備えている。開口付き被検体保持部21の開口部分は、撮像手段5で撮像する範囲である観察面100を含むように設けられている。
被検体である指先部1は、その腹側に撮像対象となる指紋11を有しており、指紋1は凸部(山部)と凹部(谷部)からなる凹凸パターンを有している。なお、本発明では、指先部1とは、指の先端部分のみを言うのではなく、指の先端部分から第1関節、あるいは第2関節の辺りまでを言う。
指先部1を透過し得る光30を指先部1に照射する光源3は、指先部1の指紋11と反対側である背側(爪側)から腹側(指紋側)へ光が進行するように設けられる。光源3としては、主波長が赤色光〜近赤外光領域である光、すなわち、赤色光〜近赤外光領域にある何れかの波長(単色)の投射光、赤色光〜近赤外光領域に亘る光が混合された投射光、あるいは赤色光〜近赤外光領域の光(単色の場合も混合されている場合もある。)を主波長として含む投射光を出射するものが用いられ、例えばレーザー、発光ダイオード、ランプ光源が用いられる。赤色光〜近赤外光領域の光は、被検体1である生体に対する光の透過率が高いので好ましく用いられるが、主波長が600nm〜1400nmの範囲のものがより好ましい。さらに、血管中のヘモグロビンの光吸収特性は660nm前後で最小となるので、血管が指紋画像に及ぼす影響を低減するために、主波長が630nm〜780nmの領域の光がさらに好ましい。
また、外部からの光の影響を受けないように、指先部1および光源3を遮光体によって覆ってもよい。
光源3は1つ以上の例えばレーザー、発光ダイオード、ランプ光源から構成されており、同時に任意の数だけ点灯させることができる。指先部1を開口付き被検体保持部2で保持し、観察面100が開口付き被検体保持部2の開口内に納まる位置にある時に所定の領域16を照射するように配置する。また、光源駆動回路32により、点灯させる素子を制御することで、被検体1へ照射する光30の照射条件(輝度および照射領域16)を制御することができる構成となっている。例えば、光源3が複数の発光素子で構成されている場合、それぞれの素子が、あるいは同一位置(領域)を照射できるように構成した素子の小グループが、指先1の異なる位置(領域)を照射するように設置し、照射したい位置(領域)に応じて点灯させる素子を変更できるように制御したり、光源3が複数の発光素子を有さず単数の場合は駆動部を設けて照射したい位置(領域)へ移動させるように制御してもよい。
なお、照射領域16を制御するとは、位置の制御および領域の大きさの制御の両方を含む。
また、本実施の形態による指紋画像撮像装置は、被検体1の位置決め用のマーカー光31を被検体1に照射するマーカー光源33を備えている。
マーカー光源33は、被検体である指先部1が開口付き被検体保持部2に載置されて開口部を覆うと撮像素子52へマーカー光31が入射せず、開口付き被検体保持部2に指先部1が載置されない状態で撮像素子52へマーカー光31が入射するように設置されている。
さらに、被検体(指先部)1の所定位置にマーカー光31が照射されるように被検体1を移動させると、光源3からの光30が照射領域16に照射される位置に被検体1を配置することができる。
なお、マーカー光源33は光源3との共用でもよいが、マーカー光31として、例えば、矢印や爪皮に沿うような曲線やその他、人間が判読でき指をかざす位置を理解するのを助けるような意味のあるパターンを1ないし数カ所に別光源から投影してもよい。
また、マーカー光31の波長は赤色光〜近赤外光領域だけではなく、使用者が目視できる可視光であればよい。
光学系4は、指先部1の指紋11の凸部を透過する光源3からの光と指紋11の凹部を透過する光源3からの光とを撮像素子52に結像する。本実施の形態では、光学系4は指先部1からの透過光が始めに通過する位置にレンズ41を、レンズ41の次に透過光が通過し尚且つ物体側(被検体1側)にテレセントリックになるような位置に絞り42を備えている。
なお、より明確な指紋画像を得るために、レンズ41に主にテレセントリックの効果を持たせ、さらに光が絞り42を通過した後に通る位置に主に結像に寄与するレンズを設置し、さらには像の歪みを取る効果を持つレンズを設置し、複数のレンズからなる光学系を構成してもよい。
指先部1の腹側、すなわち撮像対象となる指紋11の表面は曲面で構成されており、指紋11と撮像素子52との距離が観察面100内の場所により異なるので、場所によってピンボケや倍率の違いによる画像の歪みが生じる場合がある。そこで、物体側にテレセントリックな光学系を採用することで、倍率変動による影響を受けることなく、よりコントラストが向上された指紋画像を得ることができる。
撮像手段5(以下撮像系5と言うこともある。)では指先部1の内部組織を透過した強度分布を持った光を光学系4で結像させた画像を撮像して指紋に対応する指紋画像を得る。撮像手段5は、波長選択手段としての波長選択素子51と、撮像素子52と、撮像素子52からの電気信号を画像電気信号に変換する画像出力回路53とを備えている。
波長選択素子51(波長選択手段)は、光源3と同程度の波長を持った光(赤色光〜近赤外光領域の光)だけを選択的に透過させるものであり、波長選択素子51としては、例えば干渉フィルター、フィルターガラス、プラスティックフィルターが用いられる。波長選択素子51からの出力光信号は、撮像素子52で結像される。
なお、図1は、絞り42と撮像素子52との間に波長選択手段51を設けるものであるが、波長選択手段51は、レンズ41と指先部1との間、レンズ41が複数枚で構成されている場合のレンズとレンズの間、レンズ41と絞り42との間などの何れの位置に設けてもよい。また、波長選択機能を有するレンズ41や撮像素子52を用いることもできる。
撮像素子52は、例えば、CCD(電荷結像素子)、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)イメージセンサなどの2次元固体撮像素子や撮像管などである。撮像素子52は指先部1を通過して指先部1の内部組織を透過した光に感度を有するもの、即ち、赤色光〜近赤外光領域の光に感度を有するものが用いられる。撮像手段5は指先部1からの光以外を受光しないよう遮光される。また、撮像素子52のゲインを調整するゲイン調整回路55が設けられている。
信号処理部6は、画像出力回路53からの信号を受け取る画像取り込み部61と、画像取り込み部61からの信号を処理し2値化や細線化などを行う画像処理部62と、画像処理部62からの信号を受け取り、登録画像として保存する指紋データ保存部63と、指紋データ保存部63からの画像と画像処理部62からの画像を照合して個人識別を行う個人識別部64とを備えており、画像出力回路53から出力される指紋画像を画像処理して指紋情報を得るとともに、この指紋情報に基づき個人を識別する。
さらに、信号処理部6は、画像取り込み部61からの信号を処理し、その信号が予め定められた閾値の範囲内か否かを判定して指が存在するかどうかを判定し、光源駆動回路32に信号を送ることができる指存在判定部65と、画像取り込み部61で取り込まれた指紋画像の明度が予め定められた閾値の範囲内か否かを判定し、判定結果に基づいて光源駆動回路32およびゲイン調整回路55へ信号を送り、指先部1を照射する光源3からの光30の強度と点灯させる素子の個数、および撮像素子52のゲインを調整する明度判定部66とを備えている。
信号処理部6に備えられている各部分は、それらの全てが信号処理部6に備えられている必要は無く、例えば、画像出力回路53をパソコンに接続してその中に一部分を備えたり、また、例えば指紋データを保存するが個人識別は行わない場合などは、個人識別部64を省略することも可能である。
次に、光源3からの光30の照射領域(位置)と得られた指紋画像の明度との関係について説明する。
本発明の発明者らは、撮像対象となる指紋11を有する指先部1を被検体とし、被検体1を透過し得る光源3からの光30を被検体1に照射し、光学系4で被検体1を透過する光源3からの光30を撮像手段5(撮像素子52)に結像させ、撮像手段5で被検体1を透過する光源3からの光30を撮像して指紋11の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得るのに、光30を照射する位置が、指紋画像のシェーディングに影響を及ぼすことを発見した。主に爪12に照射すると爪先側は飽和し根元側は暗くなり、爪12の生え際近くの略爪12以外の部分に照射すると指紋画像の全体のシェーディングが緩やかになり、第1関節付近に照射すると根元側は明るくなり爪先側が暗くなることがわかった。
発明者らは、骨が第2の光源となり、骨に当たった光は広い角度に散乱して指先部分を比較的均一な強度で指紋部分まで透過できるが、指先の骨が爪12の途中までしかないので、光源からの光30を主に爪12に当てると、骨に当たらなかった光がそのまま透過してシェーディングがきつくなるのではないかと推測している。
これにより、爪12の生え際近くの略爪12以外の部分に光30を照射することで、シェーディングが緩和された指紋画像を撮像することができ、主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲での明度の適正化に貢献することができると考えた。
なお、本発明で言う、個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲とは、例えば、指の第1関節から指先までの領域、あるいは第1関節部分も含めた領域や指の側面の指紋を含んだ領域などを指す。
図4〜図7は、図8の各点A〜Dに光(レーザー光)30をスポット的に照射したときのCCDにより撮像した指紋画像を示す図であり、図4は図8の点Aに、図5は図8の点Bに、図6は図8の点Cに、図7は図8の点Dに、それぞれレーザー光30を照射したときの指紋画像を示す。図4〜図7において、図に向かって右側が爪先側(指先部1の先端側)である。図7は指先部1の背側への光30の照射点A〜Dを示す図である。
図4は指紋画像全面で明るさがほぼ均等であるが、図5は照射領域16(点B)に近い爪先側(指先部の先端側)が飽和しており、図6は照射領域16(点C)から遠い爪先側が暗くなっている。また、指先部1の幅方向に関して言えば、図7により照射領域16(点D)に近い部分が飽和しており反対側が暗くなっていることが分かる。
なお、図1では、指先部11腹側の観察面が、光学系4の光軸400に直交する面402に対して所定の角度で傾斜しているが、図4〜図7は、指先部11腹側の観察面が、光学系4の光軸400に直交する面402とほぼ平行である場合の結果である。指先部11腹側の観察面が、光学系4の光軸400に直交する面402に対して所定の角度で傾斜していた場合には、後に詳細に説明するように、得られる指紋画像のコントラストは向上するが、照射点と指紋画像の明暗との関係は上記結果と同様である。
これらの結果より、個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲のほぼ全面にわたって明るさがほぼ均等な指紋画像を得るためには、図8のA点、すなわち照射中心が指先部1の爪12の存在している面における幅方向の略中心線上でかつ爪12の生え際に対して爪12部とは反対側にあり、略爪12以外の部分を照射するのが好ましいことがわかる。
より具体的な照射領域16としては、例えば、図8のA点(スポット領域)、図9に示す第1の照射領域161、第2の照射領域162、第3の照射領域163などが挙げられる。
第1の照射領域161は、長手方向が爪際の点Pから根元方向へは第1関節までで、幅は指先部1の幅を超えないような領域であり、爪際の点Pから第1関節までの長さのほぼ1/2程度の位置に長手方向の中心がある。
第2の照射領域162は、長手方向は根元側端部が爪際の点Pから第1関節までの長さのほぼ3/4程度の位置に先端側端部が爪際の点Pよりも多少先端の位置にあり、幅が指幅のほぼ1/3の領域であり、爪際の点Pから第1関節までの長さのほぼ1/3程度の位置に長手方向の中心がある。
第3の照射領域162は、長手方向は根元側端部が爪際の点Pから第1関節までの長さのほぼ1/5程度の位置に先端側端部が爪際の点Pよりも多少先端の位置にあり、幅が指幅のほぼ1/5の領域であり、爪際の点Pから第1関節までの長さのほぼ1/10程度の位置に長手方向の中心がある。
なお、長手方向の先端側端部は、爪際の点Pと一致するのが好ましいが、多少爪12にかかってもよい。爪際の点Pから指先部1の先端部までの長さをLとすると、長手方向の先端側端部は、爪際の点Pから長さLのほぼ1/3程度までが好ましく、より好ましくはほぼ1/4程度まで、さらに好ましくは上爪皮(爪の甘皮に相当する部分)にかかる程度が良い。
さらに、照射領域16の形状は、上記領域に内接する楕円形、矩形状などが挙げられる。
また、生体の血液において近赤外光は透過率が低いので撮像手段5から出力される指紋画像には指先部1内部の血管のパターンが指紋11の凹凸パターンと重畳されて明度が低下し、コントラスト低下の原因になっている場合がある。極端に他より暗くなる部分が見られた場合は、その部分を明るくするために、シェーディングをきつくさせて撮像することもできる。例えば、指先部1の爪先側の部分の画像明度が低い場合は、光源3からの光30をわざと爪12かかるように照射し、必要に応じて輝度や撮像素子のゲインも調整して、指先部1の爪先側の画像の明度が低い部分の明度が適正になるようにして撮像すると、上記明度の低い部分のコントラストを向上させることができる。このように、指先部1への光30の照射領域(位置)を移動させることでシェーディングをコントロールし、部分的なコントラストの向上を図ることができる。
次に、指紋画像のコントラスト向上のために指先部1を所定の角度傾ける構成について述べる。
図1および図3に示すように、指先部1の爪側(背側)の指幅方向の中心付近を通って指先部1の背側に接する直線を、指先部の背側を代表する直線15とする。開口付き被検体保持部21は、指先部1を保持した時に、光学系4によって決定される光軸400に直交する面402に指先部1の背側を当接させた位置を基準に、被検体1の指先部先端側がその反対側に比して光学系4(レンズ41)から離れるように所定の角度(θ)傾いた状態となるように設置されている。すなわち、光学系4の光軸400に直交する面402と指先部1の背側を代表する直線15とのなす角度が所定の角度(θ)となるように、光学系4および開口付き被検体保持部21が配置されている。
図16に、指先部の背側を代表する直線15と光軸300を垂線に持つ平面402との成す角度(θ)と、指紋画像のコントラストとの関係を示す。
また、図17に、同様の構成で図16とは異なるサンプル(被検体1)を用いて指先部1先端側がその反対側に比して光学系4に近づくように(θが負になるように)傾けた場合の、θとコントラストとの関係を示す。
図16および図17より、傾け角度θが、10°〜30°、より好ましくは15°〜25°、さらに好ましくは20°前後である場合に、指紋画像のコントラストが向上することがわかる。
なお、指先部1の腹側が曲面で構成されていることに加え、指先部1を光学系4の光軸400に対して傾けているために、観察面100は光軸400に対して角度を持ち、観察面100の全面に渉って焦点を合わせることが困難になる。そこで、観察面100の全面に焦点を合わせるように、光学系4の被写体深度を深くし、図1に示すように撮像素子52を光軸400に対して傾けた構成としている。
このように、光学系4の被写体深度を深くし、撮像素子52を光軸400に対して傾けた構成とすることにより、指先部1の観察面100の全域を光学系4の被写体深度内に収め、コントラストの良い画像を得ることができる。
次に動作について説明する。
まず、マーカー光31を目視し易い光量で点灯させておき、撮像素子52で、予め定めた間隔で撮像する。
マーカー光31を遮るように指先部1が配置されると、光源31が遮られるので、撮像素子52で得られた画像はある範囲が一定の輝度以下になる。撮像素子52で得られた画像は、信号処理部6の画像取り込み部61により、画像出力回路53から信号処理部6へと取り込まれる。さらに、画像取り込み部61より指存在判定部65へ送られ、マーカー光31が指先部1によって遮られてできた撮像素子52(撮像素子52で得られた画像)上のあらかじめ定められた範囲の輝度が、予め定められた閾値の範囲であれば、指先部1が撮像素子52の撮像範囲に存在すると判定する。
また、同時に、マーカー光31が指先部1の最適な位置に当たるように使用者が目視で確認しながら指先部1を移動させると、指紋画像全面で明るさがほぼ均等になる条件である、指先1の照射領域16へ光源3からの光30が投射される配置になるので、指先部1への光源3の照射位置最適化によるシェーディングの最適化、画像輝度に対する照射光量の高効率化も実現できる。
指存在判定部65では、指先部1が撮像素子52の撮像範囲に存在すると判定すると、指先部1を透過し得る光を投射するために、光源駆動回路32へ信号を送り、光源3からの光30が予め定められた明るさになるように、点灯させる素子の個数と1素子あたりの明るさを調整して光源3を点灯させる。なお、光源3点灯時にマーカー光源33は消灯してもよいし、そのまま点灯していてもよい。
指先部1の背面(指紋11と反対側の面)に照射された光30は、指内部を透過し指紋11に到達する。指先部1腹側の表面近くの内部組織は表面の指紋11の凹凸に対応した透過率分布を持っており、指紋の凸部に対応する内部組織の光透過率は低く、凹部に対応する内部組織の光透過率は高いので、前者に比べ後者を透過してきた光の輝度が高くなる。
指先部1を透過した、指紋11に応じた強度分布を持った光の中でも、指先部1の背側を代表する直線15と平面402とのなす角(θ)が10°〜30°、より好ましく15°〜25°、さらに好ましくは20°前後傾いた光のみが、物体(被検体である指先部1)側にテレセントリックになるように光学設計された光学系4のレンズ41と絞り42により、撮像素子52上で結像される。絞り42と撮像素子52の間には、波長選択素子51が配置されており、光源3と同程度の波長の光(赤色光〜近赤外光領域の光)だけが選択される。画像出力回路53では撮像素子52からの電気信号が入力され、指紋の山部(凸部)に比べて谷部(凹部)が明るい指紋画像が画像電気信号として出力される。
撮像手段5においてこのようにして得られた指紋画像は、信号処理部6に備えられた画像取り込み部61により取り込まれ、画像処理部62へ送られる。画像処理部62では、指紋画像に、例えば特開平10−334237号公報記載のように、二値化、細線化などの画像処理を施し、指紋の特徴情報(指紋情報)を抽出する。抽出されたデータは、必要に応じて指紋データ保存部63で保存される。個人識別部64では、画像処理部62から出力されるデータを指紋データ保存部63で保存されているデータと照合し、個人を識別する。
また、本実施の形態では、信号処理部6に明度判定部66を備えており、例えば画像処理部62で上記の指紋の特徴情報を抽出する前に、明度判定部66で指紋画像の明度の過不足を判定し、最適な明度の画像を採取するように照射条件(光源3の輝度や照射領域16)および撮像素子52のゲインの少なくとも一方を調整し、再び撮像を行う。
そのためには、明度判定部66で、画像取り込み部61より出力された指紋画像の明度が予め定められた閾値の範囲内かどうかを判定し、予め定められた閾値の範囲内となるように光源駆動回路32とゲイン調整回路55のどちらか一方、もしくは両方を制御し、再び撮像素子52での撮像を行う。すなわち、指紋画像の明度が予め定められた閾値の範囲より低い場合は、例えば光源駆動回路32に電気信号を送り、明度が飽和しない範囲で可能な限り輝度の高い投射光30を出射するように光源3を駆動させ、指紋画像の明度が予め定められた閾値の範囲より高い場合は、逆に輝度の低い投射光30を出射するように光源3を駆動させる。
このように、指紋画像の明度の閾値を適正な値に設定することにより、明度が原因による指紋画像および識別性能の劣化を防止することができる。
なお、上記実施の形態では、結像手段としてレンズ41を用いた場合について説明したが、結像レンズ以外にも、結像機能を有するピンホールなどを用いてもよい。
また、上記実施の形態において、生体の血液において近赤外光は透過率が低いので撮像手段5から出力される指紋画像には指先部1内部の血管のパターンが指紋の凹凸パターンと重畳されている。そこで、以下のようにして、撮像手段5から出力される指紋画像から血管のパターンを取り除いてもよい。
すなわち、まず、撮像手段5から出力される指紋画像を原画像とし、原画像に対して平滑化処理を行なって平滑化画像を得る。指紋の凹凸パターンは血管パターンに比べて線幅が細いので、平滑化画像では指紋の凹凸パターンが除去され血管パターンが残る。そして、原画像と平滑化画像の差分演算を行なうと、指紋の凹凸パターンのみが残った指紋画像が得られ、この指紋画像から指紋の特徴情報の抽出を行なう。
なお、上記説明では、撮像手段5で得られた指紋画像を信号処理部6で処理して個人を識別する場合について説明したが、個人識別をせずに単に指紋画像を得る場合にも用いることができることは言うまでもない。
なお、図1および図2では、撮像対象となる指紋の表面が非接触の状態で保持し得る被検体保持部として、額縁形状を有している開口付き被検体保持部21を示したが、指先部1の角度と位置を決められ、尚且つ指紋11の表面が非接触の状態で指先部1を保持できるものであればよく、例えば、図12に示すように、指先部1の腹側先端部と腹側根元部とを保持すべく、観察面100の外側に観察面100を挟んで対向して配置された少なくとも一対の棒状被検体保持部22等を用いることもできる。
また、装置全体の小型化を図るために、図13に示すように、指先部1を透過した光を偏向させるように、反射手段として平面鏡8を設置し、光学系4、波長選択素子51、撮像素子52は偏向された光に対向するように設置してもよい。なお、図13では、信号処理部6は省略している。
なお、反射手段は平面鏡8に限るものではなく、例えば曲面鏡を用いることで像の歪みおよび収差を軽減させることができる。
また、反射手段を複数設けてさらに小型化を図ってもよい。
また、平面鏡8は必ずしもレンズ42と指先部1の間にある必要はなく、例えばレンズ41と絞り42の間など、撮像素子42と指先部1の間にあればよい。
以下の各実施の形態でも、特に明記はしないが図13と同様に、指先部1を透過した光を偏向させるように反射手段を備えることにより、装置全体の小型化を図ることができる。
以上のように、本実施の形態によれば、撮像対象となる指紋11を有する指先部1を被検体とし、被検体にこれを透過し得る光30を照射する光源3と、被検体を透過する光源3からの光を撮像して指紋11の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得る撮像手段5と、被検体を透過する光源3からの光を撮像手段5に結像させる光学系4とを備え、かつ、光学系3の光軸400に直交する面402に指先部1の背側を当接させた位置を基準に、被検体の指先部先端側がその反対側に比して光学系3から離れるように所定の角度傾いた状態となるように、光学系3を配置したので、指紋11の皮膚表面の湿り気の状態に拘わらず、さらには指紋11の凹凸が不明瞭な場合にも、安定しかつコントラストのより向上した指紋画像を得ることができるという効果が得られる。
さらに、上記構成に加えて、撮像手段5から出力された指紋画像を画像処理して指紋情報を得るとともに、この指紋情報に基づき個人を識別する信号処理部6を備えたので、個人識別の精度が向上するという効果が得られる。
また、所定の角度が10°〜30°、好ましくは15°〜25°、より好ましくは20°前後である場合に、コントラストのより向上した指紋画像を得ることができる。
また、被検体の位置決め用のマーカー光31を被検体に照射するマーカー光源33を備えたので、被検体の装置本体への位置決めを容易に行うことができるという効果が得られる。
また、被検体を、撮像対象となる指紋の表面が非接触の状態で保持し得る被検体保持部21を備えたので、被検体の光学系3に対する位置および角度を容易に合わせることができるという効果が得られる。
また、光源3からの光30を、その照射中心が指先部1の爪12の存在している面における幅方向の略中心線上でかつ爪12の生え際に対して爪12部とは反対側にあり、略爪12以外の部分に照射するので、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲において適正な明度の指紋画像を得ることができ、明度が原因による指紋画像の劣化を防止して正確な指紋情報を得ることができる。
実施の形態2.
図14および図15は本発明の実施の形態2による指紋画像撮像装置を説明するための図であり、より具体的には、図14は指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図、図15は指先部近傍を撮像系側(腹側)から見た様子を示す下面図である。
以下では主に、実施の形態1との相違点について説明する。
本実施の形態では実施の形態1と異なり、開口付き被検体保持部21が存在せず、代わりに指先部1(指先部1の腹側)の撮像素子53からの距離と、観察面100(指先1の腹側)と平面402(光学系4の光軸400に直交する面)のなす角度とを計測するために、指位置計測用光70を照射する指位置計測用光源(位置計測用光源)71および指位置計測用光源駆動回路72を設置し、信号処理部6内に指位置計測部67を設けた。
指位置計測用光源駆動回路72は、指先部1が撮像素子52の撮像範囲に存在するという信号を指存在判定部65から受け取ると、指位置計測用光源71を点灯させ、指位置計測用光70を指先部1の腹側(指紋11の表面)に照射する。なお、指位置計測用光源71は、指位置計測用光70が光学系4と撮像系5の焦点が合う範囲を通るように設置される。
指先部1の腹側(指紋11の表面)へ照射された指位置計測用光70の反射光は撮像素子52へ入射され、画像出力回路53で画像電気信号へ変換され、信号処理部6の画像取り込み部61へ送られる。
指位置計測用光70を投射する指位置計測用光源71は、例えば指向性の高い発光ダイオードとスリットや半導体レーザーとスリット等で構成されており、スリットの場合は1つ以上のスリット光を投射できる。なお、指位置計測用光源71の形状はスリット状の連続な直線に限定されなくてもよく、点、直線上にならぶ点列、格子形状やランダムパターンその他、三角測量の原理で物面との距離計測に使えるような様々なパターンを用いることができる。
指位置計測部67は画像取り込み部61からの信号を受け取り、指先部1の腹側(観察面100)が光学系4の被写体深度内に存在し、かつ、観察面100と平面402とのなす角度が10°〜30°、より好ましく15°〜25°、さらに好ましくは20°前後傾いているかどうかを計測する。条件を満たしていれば光源駆動回路32へ信号を出力し、光源3を点灯させる。
次に動作について説明する。
実施の形態1では、指先部1を開口付き被検体保持部21に保持することで位置決めを行ったが、本実施の形態では指位置計測用光70を照射し、位置計測を行うことにより、位置決めを行う。
指存在判定部65で指先部1が光学系4、撮像系5の撮像範囲に入り、撮像ができる状態になったことを判定するまでは実施の形態1と同様である。次に、前述の状態になると、指存在判定部65から指位置計測用光源駆動回路72へ信号が送られ、指位置計測用光源71から指位置計測用光70が照射される。
指位置計測用光70として、例えば図15に示すようにスリット光を2本点灯させるとすると、それぞれのスリットに対して信号処理部6での画像処理により撮像素子52上に反射光が入射した位置が求まり、指位置計測部67で三角測量の手法で観察面100上の指位置計測用光70が照射された位置と撮像素子52との距離が求まる。さらに2本以上のスリット光があるので、スリット光同士の距離と、スリット光と撮像素子52との距離の関係より、観察面100(より正確には、各スリット光70の指先部1腹側への照射部70aと70bを通る平面17であり、以下、この平面17を指先部1の腹側(観察面)を代表する平面17と言う。)と平面402とのなす角度が求まる。
なお、距離値としては、各スリット光において例えば最も短い距離、平均距離、最小自乗距離、などを計算量と精度のトレードオフに応じて用いる。
なお、スリット光に準じる点列光等でも同様に観察面100上の指位置計測用光70が照射された位置と撮像素子52との距離および観察面100と平面402とのなす角度が求まる。
指位置計測部67により計測された結果が、と光学系4と撮像系5の被写体深度内であり、尚且つ観察面100と平面402との成す角度が10°〜30°、より好ましくは15°〜25°、さらに好ましくは20°前後であれば、指位置計測部67は指位置計測用光源駆動回路72へ信号を送り、指位置計測用光源71を消灯させ、指位置計測部67から光源駆動回路32へ信号を送り、指先部1を透過しうる所定の光量で光源3を点灯させ、透過光による指紋画像を撮像する。
なお、実施の形態1では、光学系4の光軸400に直交する面402に指先部1の背側を当接させた位置を基準に、被検体の指先部先端側がその反対側に比して光学系4から離れるように所定の角度傾いた状態とすることにより、すなわち指先部1の背側を代表する直線15と平面402との成す角度(θ)を所定の角度とすることにより、指紋画像のコントラストが向上すると説明した。
これに対して、本実施の形態では、光学系4の光軸400に直交する面402に指先部1の腹側を当接させた位置を基準に、被検体の指先部先端側がその反対側に比して光学系4から離れるように所定の角度傾いた状態とすることにより、すなわち指先部1の腹側(観察面)を代表する平面17と平面402との成す角度(θ’)を所定の角度(10°〜30°、好ましくは15°〜25°、より好ましくは25°前後)とすることにより、指紋画像のコントラストが向上すると説明している。
指先部1の腹側(観察面)を代表する平面17と指先部1の背側を代表する直線15とは平行ではなく若干角度を持っており、またその角度には個人差もある。しかし、実施の形態1で述べた指先部1の背側を代表する直線15と光学系4の光軸400に直交する面402とのなす角度(θ)の範囲内(10°〜30°、好ましくは15°〜25°)には、指先部1の腹側(観察面)を代表する平面17と指先部1の背側を代表する直線15との成す角度およびその個人差を含んでおり、本実施の形態のように指先部1の腹側(観察面)を代表する平面17と平面402との成す角度(θ’)を上記範囲内(10°〜30°、好ましくは15°〜25°)とすることで、開口付き被検体保持部21あるいは棒状被検体保持部22で指先部1を保持する実施の形態1と同様に、コントラストの向上した指紋画像を得ることができる。
なお、上記と同様の理由により、実施の形態1においても、開口付き被検体保持部21あるいは棒状被検体保持部22の、指先部1が当接する側の面で囲まれた開口面(指先部1の腹側(観察面)を代表する平面)が、光学系4の光軸400に直交する面402に対して、所定の角度(10°〜30°、好ましくは15°〜25°)傾いた状態で配置されていてもよい。
このように、本実施の形態によれば、撮像対象となる指紋11の表面が構造体に非接触の状態である被検体1の撮像対象となる指紋11の表面に、位置計測用の光(指位置計測用光70)を照射する位置計測用光源71を備え、指紋11の表面に照射された位置計測用光70の反射光を撮像手段5で撮影し、指紋11の表面の、光学系4に対する距離および光学系4の光軸400に直交する面402からの傾斜角を検出するようにしたので、指先部1の指紋11の表面に接触することなく指紋11の表面の位置、形状(傾斜角)を検出して、指先部1が光学系4の光軸400に対して最適の角度にある状態で画像を撮像することができ、コントラストの向上した指紋画像を得ることができる。
なお、図14では、指先部1は構造物には全く接触していない完全非接触である場合について示したが、指先部1の指紋11部分よりも根元側に、例えば棒状の被検体保持部を設置してもよく、上記効果に加えて、被検体の位置をある程度決定することができるなどの効果が得られる。
実施の形態3.
図15および図16は本発明の実施の形態3による指紋画像撮像装置を説明するための図であり、より具体的には、図15は指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図、図16は透明状被検体保持部と被検体との接触部を拡大して模式的に示す図である。
以下では主に、実施の形態1との相違点について説明する。
実施の形態1では指先部1を撮像対象となる指紋11の表面が非接触の状態で保持し得る被検体保持部(開口付き被検体保持部21や棒状被検体保持部22)を備えていたが、本実施の形態では、指紋を有する被検体を撮像対象となる指紋の表面が接触した状態で保持し得る透明な被検体保持部(以下、透明状被検体保持部という。)23を備えている。
透明状被検体保持部23は実施の形態1の開口付き被検体保持部21と開口の有無を除き、設置位置および機能は同等である。すなわちθおよびθ’が10°〜30°、好ましくは15°〜25°、より好ましくは20°前後となるように設置されている。
動作についても、実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同等の効果が得られる。
ただし、指紋11の凸部を透過する光源3からの光と指紋11の凹部を透過する光源3からの光とを撮像して指紋11の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得るために、図17に示すように、透明状被検体保持部23の指紋接触面において、指紋の凹部11aと透明状被検体保持部23間の気体の屈折率と、透明状被検体保持部23の屈折率とで決まる全反射の臨界角θ以下の方向に透明状被検体保持部23に入射する光を検出する必要がある。
例えば、指紋の凹部11aと透明状被検体保持部23間の気体が空気、透明状被検体保持部23がガラスであり、空気の屈折率n0を1.0、ガラスの屈折率ngを1.5とすると、臨界角φはφ=arcsin(n0/ng)=41(度)となり、指紋の凹部11aを通過した光は41度以内の角度で透明状被検体保持部23に入射する。
一方、生体の屈折率を例えば1.45とすると、arcsin(1.45/1.5)=75(度)となり、指紋の凸部11bを通過した光は75度以内の角度で透明状被検体保持部23に入射する。
したがって、41度以内の角度で透明状被検体保持部23に入射する光を検出することにより、指紋の凸部11bを透過した光と凹部11aを透過した光の両方を検出できることになる。
実施の形態4.
実施の形態1では、光源3からの光30を、その照射中心が指先部1の爪12の存在している面における幅方向の略中心線上でかつ爪12の生え際に対して爪12部とは反対側にあり、略爪12以外の部分(上述した第1〜第3の照射領域161〜163などの照射領域16)に照射することにより、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲において適正な明度で明暗のコントラストが分かる指紋画像を得た。
しかし、それでも、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲に、輝度が飽和することや、輝度が低すぎることで指紋の山と谷とが判別できない部分が存在し、個人識別に必要な情報が抽出できない指紋画像になることがある。
そこで、本実施の形態では、以下に説明するように、光の照射条件(輝度、照射領域16)および撮像手段5(撮像素子52)のゲインの少なくとも一方を調整することで画像の明度を調整し、同一の被検体についての明度の異なる複数の指紋画像を撮像し、これら複数の指紋画像を重畳または部分的に貼り合せることにより、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲においてより適正な明度で明暗のコントラストが分かる指紋画像を得、明度が原因による指紋画像の劣化をより確実に防止してより正確な指紋情報を得るようにしている。
以下、実施の形態1との相違点について主に説明する。予め定められた輝度と照射領域16で光源3から光30を照射し、予め定められた撮像素子52のゲインで1度目の撮像を行う。その画像を画像取り込み部61から明度判定部66へ送り、そこで指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲の全体的な明度を判定し、適正でなければ適正となるように光源駆動回路32による光源3の輝度、照射領域の調整、およびゲイン調整回路55によるゲインの調整のうちの少なくとも1つの調整を行い、再び撮像を行うのは、実施の形態1と同様である。
なお、ここで、全体的な明度とは、例えばヒストグラムなど画素ごとの位置情報を含まない全体的な明度、あるいは特定部位の明度や少数のプロファイルなど狭い範囲の明度から画像全体の明度を判断する場合を指しており、部分的に明るすぎる、あるいは暗すぎる個所が含まれている場合もある。
指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲を含む領域の全体的な明度が適正となった画像を明度判定部66で複数の部分領域に区切って各部分領域の画像明度を判定する。複数の部分領域とは、例えば先端側と根元側など全領域を2つに分割したそれぞれの領域や、全領域から少なくとも指紋の山と谷とを1ペア以上含む領域を複数箇所抜き出す等、様々な領域が考えられる。
このようにして得られた複数の部分領域全てが予め定められた閾値の範囲内である適正な明度を満たしている場合はその画像の画像情報を画像処理部62へ送り、個人識別もしくは指紋データ保存用として、指紋情報を抽出する。
また、各部分領域において、画像の明度が予め定められた閾値の範囲外である個所が少なくとも1箇所あった場合は、その部分領域の全体が適正な明度になるように、光源駆動回路32により光源3の輝度、照射領域の調整、およびゲイン調整回路55によるゲインの調整のうちの少なくとも1つの調整を行ってから再度撮像を行い、画像取り込み部61から画像を取り込み、一時的に保存する。上記動作を、画像の明度が予め定められた閾値の範囲外である個所が少なくとも1箇所あった全ての部分領域にわたって行い、得られた画像を画像取り込み部61へ一時的に保存する。
次に、一時的に保存された画像を画像取り込み部61から画像処理部64へ送り、複数枚の画像を重畳もしくは予め定められた閾値の範囲内である適正な明度を満たしている部分領域を切り出してこれらを張り合わせる等の処理を行い、個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲の全面にわたって適正な明度となった画像を得る。
なお、上述の例では、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲を含む領域の全体的な明度あるいは予め定めた特定部位の明度が適正となった画像について、複数の部分領域に区切って各部分領域の画像明度を判定し、複数枚画像を撮像するか否かを決定しているが、各部分領域の画像明度を判定することなく、最初から照射条件および撮像素子52のゲインの少なくとも一方を違えた明度の異なる複数枚の画像を撮像するようにしてもよい。
この場合、例えば、1度目の撮像を行った後の1度目の明度判定時における明度の閾値を2種類以上決めておき、それぞれの閾値に対応した画像明度にするために光源3の輝度や照射位置、照射面積、撮像素子42のゲインの値を決定して複数枚撮像する方法がある。すなわち、個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲のほぼ全面が適正な明度になるような閾値と、適正な明度よりも明るくなる代わりに暗すぎる部分が無くなるような閾値や、適正な明度よりも暗くなる代わりに飽和部分が無くなるような閾値などが考えられる。このようにして得られた複数枚の画像について、前述のように重畳や貼り合わせなどを行い、1枚の画像にする。
なお、画像処理部62で重畳もしくは張り合わせる画像は、2値化などの処理前の画像でも、処理後の画像でもどちらでもよい。
また、上記のように同一の被検体について撮像した明度の異なる複数枚の画像を重畳もしくは張り合わせる場合は、指先1の位置ズレを防ぐために撮像間隔を出来るだけ短くすることが重要である。
なお、上記では、実施の形態1の指紋画像撮像装置を例に説明したが、実施の形態2や実施の形態3の指紋画像撮像装置においても、光の照射条件(輝度、照射領域16)および撮像手段5(撮像素子52)のゲインの少なくとも一方を調整することで画像の明度を調整し、同一の被検体についての明度の異なる複数の指紋画像を撮像し、これら複数の指紋画像を重畳または部分的に貼り合せてもよく、同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、光の照射条件および撮像手段5(撮像素子52)のゲインの少なくとも一方を調整することで画像の明度を調整する手段(明度判定部66、光源駆動回路32、ゲイン調整回路55)と、同一の被検体についての明度の異なる複数の指紋画像を重畳または部分的に貼りあわせる手段(画像処理部62)とを備えたので、指紋画像の主要部である個人識別に必要な指紋情報が含まれる範囲においてより適正な明度で明暗のコントラストが分かる指紋画像を得ることができ、明度が原因による指紋画像の劣化をより確実に防止してより正確な指紋情報を得ることができる。
本発明の実施の形態1による指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係り、指先部近傍を腹側から見た様子を示す下面図である。 本発明の実施の形態1に係り、指先部近傍を背側から見た様子を示す上面図である。 本発明の実施の形態1に係り、CCDにより撮像した指紋画像を示す図である。 本発明の実施の形態1に係り、CCDにより撮像した指紋画像を示す図である。 本発明の実施の形態1に係り、CCDにより撮像した指紋画像を示す図である。 本発明の実施の形態1に係り、CCDにより撮像した指紋画像を示す図である。 本発明の実施の形態1に係り、指先部の背側への光の照射点A〜Dを示す図である。 本発明の実施の形態1に係り、照射領域を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係り、指先部の背側を代表する直線15と光軸300に直交する平面402との成す角度(θ)と、指紋画像のコントラストとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1に係り、指先部の背側を代表する直線15と光軸300に直交する平面402との成す角度(θ)と、指紋画像のコントラストとの関係を示すグラフである。 本発明の実施の形態1による指紋画像撮像装置の要部の別の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態1による指紋画像撮像装置の別の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態2による指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態2に係り、指先部近傍を腹側から見た様子を示す下面図である。 本発明の実施の形態3による指紋画像撮像装置の全体構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3に係り、透明状被検体保持部と被検体との接触部を拡大して模式的に示す図である。
符号の説明
1 指先部、11 指紋、15 指先部を代表する直線、16 照射領域、21 開口付き被検体保持部、22 棒状被検体保持部、23 透明状被検体保持部、3 光源、31 マーカー光、32 光源駆動回路、33 マーカー光源、4 光学系、41 レンズ、42 絞り、5 撮像手段(撮像系)、51 波長選択素子、52 撮像素子、53 画像出力回路、55 ゲイン調整回路、6 信号処理部、61 画像取り込み部、62 画像処理部、63 指紋データ保存部、64 個人識別部、65 指存在判定部、66 明度判定部、67 指位置計測部、70 指位置計測用光、71 指位置計測用光源、72 指位置計測用光源駆動回路、8 平面鏡。

Claims (10)

  1. 撮像対象となる指紋を有する指先部を被検体とし、上記被検体にこれを透過し得る光を照射する光源と、
    上記被検体を透過する上記光源からの光を撮像して上記指紋の凸部が暗く凹部が明るい指紋画像を得る撮像手段と、
    上記被検体を透過する上記光源からの光を上記撮像手段に結像させる光学系とを備え、
    かつ、上記光学系の光軸に直交する面に上記指先部の背側または腹側を当接させた位置を基準に、上記被検体の指先部先端側がその反対側に比して上記光学系から離れるように所定の角度傾いた状態となるように、上記光学系を配置した
    ことを特徴とする指紋画像撮像装置。
  2. 所定の角度が10°〜30°であることを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  3. 所定の角度が15°〜25°であることを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  4. 被検体の位置決め用のマーカー光を上記被検体に照射するマーカー光源を備えたことを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  5. 被検体を、撮像対象となる指紋の表面が非接触の状態で保持し得る被検体保持部を備えたことを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  6. 被検体を、撮像対象となる指紋の表面が接触した状態で保持し得る透明な被検体保持部を備えたことを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  7. 撮像対象となる指紋の表面が構造体に非接触の状態である被検体の上記撮像対象となる指紋の表面に、位置計測用の光を照射する位置計測用光源を備え、上記指紋の表面に照射された位置計測用の光の反射光を撮像手段で撮影し、上記指紋の表面の、光学系に対する距離および上記光学系の光軸に直交する面からの傾斜角を検出するようにしたことを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  8. 光源からの光は、その照射中心が指先部の爪の存在している面における幅方向の略中心線上でかつ上記爪の生え際に対して上記爪部とは反対側にあり、略爪以外の部分を照射することを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
  9. 光の照射条件および撮像手段のゲインの少なくとも一方を調整することで画像の明度を調整する手段と、
    同一の被検体についての明度の異なる複数の指紋画像を重畳または部分的に貼り合せる手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1または8に記載の指紋画像撮像装置。
  10. 撮像手段から出力された指紋画像を画像処理して指紋情報を得るとともに、この指紋情報に基づき個人を識別する信号処理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の指紋画像撮像装置。
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