JP2006111469A - 水素製造方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 反応性にすぐれた効率のよい水素製造方法及び装置を提供する。
【解決手段】 高圧ガスを瞬間的に開放して衝撃波を発生させ、該衝撃波を反応室に導入して反応室内の原料を衝撃圧縮して水素含有ガス生成反応を行わせる反応装置71と、反応室73に原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を前記原料として供給するエマルジョン油供給装置74と、を備えた。
また、反応装置71にて生成された生成ガスの水素濃度を分析する分析装置96と、分析装置96の分析値に基づいてエマルジョン油中の水の添加率を調整する水分添加率調整手段97を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、炭化水素化合物と水蒸気を反応させて水素を製造する水素製造方法及び装置に関する。
炭化水素を原料とする水素の製造方法としては、原料となる炭化水素と水蒸気とを触媒の存在下において高温で反応させる水蒸気改質方法が知られている。
このような水蒸気改質方法として、水蒸気導入路と、原料導入路が設けられた水蒸気改質装置に、前記原料導入路から灯油等を、水蒸気導入路から水蒸気をそれぞれ導入して600℃で水蒸気改質反応を行うものがある(特許文献1参照)。
また、他の例として、高圧ガスを瞬間的に開放して衝撃波を発生させてその衝撃波によって例えば廃油等と水蒸気を化学反応させて水素を製造する方法がある(特許文献2参照)。
特開平6-305701号公報([0018]、[0021]参照) 特開2004−202412号公報([0001]、[0039]参照)
上記特許文献1、2においては、いずれも原料となる炭化水素に水蒸気を別途供給して化学反応を生じさせるものである。
しかしながら、炭化水素に水蒸気を別途供給するのでは、両者の混合が不十分となり反応性が悪く効率のよい水素製造を行うことは難しいという問題がある。
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、反応性にすぐれた効率のよい水素製造方法及び装置を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る水素製造方法は、原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を加熱して水素含有ガス生成反応により水素含有ガスを製造することを特徴とするものである。
原料油とは、灯油、軽油、重油等の軽質油、重質油および廃油をいう。ここで重質油とは、常温では流動性に乏しく高温に加熱しないと流動しない油で、好ましくは常圧での沸点340℃以上の成分を90重量%以上含む次に示す油が含まれる。石油系アスファルト類およびその油の混合物、石油系アスファルト各種処理物、その中間製品、残渣及びそれらの混合物、常温で流動しない高流動点油あるいは原油、石油系タールピッチ及びその油混合物、ビチューメン類、天然アスファルト、オリノコタール、タール、残渣油。
また、エマルジョン油とは、原料油に水を添加して攪拌混合して乳化させたものである。なお、エマルジョン油を製造後、乳化分散状態を保つ必要がある場合には乳化剤を添加する。
(2)本発明に係る水素製造装置は、高圧ガスを瞬間的に開放して衝撃波を発生させ、該衝撃波を反応室に導入して反応室内の原料を衝撃圧縮して水素含有ガス生成反応を行わせる反応装置と、前記反応室に原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を前記原料として供給するエマルジョン油供給装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(3)また、加熱手段を有し、該加熱手段によって反応室を加熱して反応室内の原料に水素含有ガス生成反応を行わせる反応装置と、該反応室に原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を前記原料として供給するエマルジョン油供給装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)または(2)に記載のものにおいて、反応装置にて生成された生成ガスの水素濃度を分析する分析装置と、該分析装置の分析値に基づいてエマルジョン油中の水の添加率を調整する水分添加率調整手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を加熱して水素含有ガス生成反応により水素含有ガスを製造するようにしたので、原料油と水とが予め均一状態になっており、また、エマルジョン油のミクロ爆発の効果によって液滴が微粒化されることにより、反応性にすぐれた効率のよい水素製造が実現できる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の説明図である。
本実施の形態に係る水素製造装置は、エマルジョン油を製造して反応装置に供給するエマルジョン油製造系1と、供給されたエマルジョン油から水蒸気改質反応によって水素含有ガスを製造する水蒸気改質反応系3と、該水蒸気改質反応系3によって製造された水素含有ガスの成分を分析して該分析結果をエマルジョン油製造系1にフィードバックしてエマルジョン油の水分添加量を制御する制御系5と、を備えている。以下、各系統を構成する機器について系統ごとに詳細に説明する。
エマルジョン油は、軽質油、重質油、廃油等の原料油に水と乳化剤を添加して攪拌混合して乳化させたものである。もっとも、エマルジョン油を製造後、直ぐに使用する場合など、乳化分散状態を保つ必要がない場合には乳化剤の添加を省略してもよい。
<エマルジョン油製造系>
エマルジョン油製造系1は、添加水と原料油と乳化剤の供給を受けてこれらを混合して乳化分散する攪拌装置7を主な構成機器としている。
攪拌装置7には、攪拌装置7に原料油を供給する原料油供給管9、添加水を供給する添加水供給管11、乳化剤を供給する乳化剤供給管13がそれぞれ接続されている。
原料油供給管9の基端側に原料油を貯留する原料油貯蔵タンク15が設けられており、原料油供給管9には原料油貯蔵タンク15内の原料油を移送する原料油移送ポンプ17と、原料油の流量を計測する流量計19が設けられている。
添加水供給管11の基端側は添加水供給源に連結されており、また添加水供給管11の途中には添加水供給管11を流れる添加水の流量を検出する流量計21、添加水を移送する移送ポンプ23、添加水供給管を流れる添加水の流量を調整する流量調整弁25が設けられている。
なお、添加水供給管11には添加水を加熱して80℃〜120℃に調整できる添加水加熱手段(図示なし)を設けることにより、粘度の高い重質油を原料油として利用することが可能となる。
乳化剤供給管13の基端側には乳化剤を貯留する乳化剤貯留槽27が設けられ、乳化剤供給管13の途中には乳化剤貯留槽27内の乳化剤を移送する移送ポンプ29と、乳化剤の流量を計測する流量計31が設けられている。
攪拌装置7としては、種々のものを適用可能である。もっとも、水素含有ガスを連続的に製造する水素製造装置においては、エマルジョン油を連続的に製造できるものが好ましい。
エマルジョン油を連続的に製造可能な攪拌装置7としては、例えば図2に示すように、原料油、添加水、乳化剤の混液を混液供給管33を介して攪拌容器41に供給して第1の旋回流61を形成する噴射ノズル43と、第1の旋回流61の旋回径よりも小径の第2の旋回流65を第1の旋回流61の下方に形成する攪拌翼45と、を備えてなるものが好ましい。以下、攪拌装置7の構成をさらに詳細に説明する。
(1)攪拌容器
攪拌容器41は、略円筒形の容器本体部47と、その上方に形成された上方に向って縮径する縮径ノズル部49と、容器本体部47の下方に形成された縮径部51から構成される。
縮径ノズル部49は、上方に向って延びる内側に凸の滑らかな曲面で構成され、その上端部が液体(エマルジョン油又はエマルジョン化される前の混液等)の出口になっている。
縮径ノズル部49の出口側には制御弁53が設けられ、縮径ノズル部49から排出される液体を、水蒸気改質反応系3側に供給する供給管55または噴射ノズル43側に戻す戻り配管57に適宜振り分ける。
(2)噴射ノズル
噴射ノズル43は、図2のA−A断面図である図3に示すように、容器本体部47の上部周壁に、該噴射ノズル43から噴射される液体によって容器本体内の液体に水平方向の旋回流が形成できるように設置されている。具体的には、噴射ノズル43は、噴射ノズル43から噴射される液体の噴射方向が、攪拌容器内径Dの0.7〜0.9倍の径d1の同心円59の接線方向に向くように設置されている。
このように設置された噴射ノズル43には、予混合槽1側から原料油、添加水、乳化剤を含む混液が供給され、供給された混液が噴射ノズル43から噴射されると、攪拌容器内に液体が満たされた状態では、噴射ノズル43からの噴射流によって攪拌容器内に第1の旋回流61が発生する。
噴射ノズル43から噴射される液体の噴射方向が、攪拌容器内径Dの0.7〜0.9倍の径d1の同心円59の接線方向に向くように設置すると、第1の旋回流61の旋回平均径が攪拌容器内径の0.7〜0.9倍となる。
噴射ノズル43に連結される混液供給管33には制御弁34が設置されており、戻り配管57から戻された混液、または、新たに供給される原料油、添加水、乳化剤を含む混液が選択的に供給される。なお、制御弁34は図示しない制御手段によって制御される。
(3)攪拌翼
攪拌翼45は、容器本体底部に設置され、容器本体底部の外側に設置されたモータ63によって回転可能に設置されている。攪拌翼45を回転させることによって容器本体下部に第2の旋回流65が発生するが、この第2の旋回流65の平均旋回径d2は攪拌容器内径Dの0.1〜0.3倍であることが望ましい。
ここで、攪拌翼45の直径dfと平均旋回径d2の間には、図4に示すように、d2=df/2の関係がある。したがって、第2の旋回流65の平均旋回径を攪拌容器内径Dの0.1〜0.3倍にするには、攪拌翼45の直径dfを攪拌容器内径の0.2〜0.6倍にすればよい。
攪拌翼45の直径dfをこのような径にすることで、攪拌翼45の負荷を軽減して消費電力を軽減でき、また、攪拌翼45の損耗を抑制でき、メンテナンスコストを低減できる。
<水蒸気改質反応系>
水蒸気改質反応系3は、反応装置71と反応装置71に作動用の蒸気を供給するボイラ73と、反応装置71で製造された水素含有ガスを一旦貯留するバッファタンク72を備えている。
反応装置71は、衝撃波を導入して水素含有ガス製造反応を行う反応室装置73と、該反応室装置73の入口側に設けられて水素製造反応の原料となるエマルジョン油を該反応室装置73に供給するエマルジョン油供給装置74と、衝撃波を発生させて反応室装置73に導入する衝撃波発生装置76と、を備えている。
エマルジョン油供給装置74は、攪拌装置7によって製造されたエマルジョン油の供給を受けて反応室装置73へのエマルジョン油の供給タイミング及び供給量を制御する。
エマルジョン油供給装置74は、例えばエマルジョン油を霧状にして噴射する噴射弁によって構成される。
図5は本実施形態にかかる反応室装置73の説明図であり、図5(A)は反応室装置73の軸線に沿う断面図であり、図5(B)は図5(A)のB−B断面図である。
以下、図5に基づいて反応室装置73を詳細に説明する。
この反応室装置73は、図5(A),(B)に示すように、図5(A)にて横方向に延びる軸線77まわりに回転する回転体79に、周方向の複数位置で、軸線77に平行に延びて回転体79の軸線方向両端にて開口する反応室79Aが形成されている。各反応室79Aは、上述のエマルジョン油供給装置74から原料となるエマルジョン油の供給を受け、後述の衝撃波発生装置76から衝撃波を導入し、この衝撃波のエネルギーを利用してエマルジョン油中の炭化水素と水とを反応させるための空間である。反応室79Aでは、衝撃波によって霧状になったエマルジョン油を衝撃圧縮して高温とすることにより、水素含有ガス生成反応を生じさせて、水素含有ガスを生成させる。
この回転体79の両端面に対向する位置には、回転体79の回転を許容するよう該端面に対して微小間隙をもって蓋状の開閉部材80,81が非回転でそれぞれ配設されている。この開閉部材80,81と回転体79の端部周面との間はこれらの相対回転を許容しつつシール部材83によってシールされている。また、シールの他の例としてはラビリンスシール、オイルシールまたは水封装置を用いてもよい。
供給側(図5(A)にて左側)の開閉部材80には、回転体79の半径方向で互いに対向する位置に、上述のエマルジョン油供給装置74に連通せる一つの供給開口80Aと、衝撃波発生装置76の出口開口端部と連通する一つの衝撃波導入開口80Bとが形成されている。
また、排出側(図5(A)にて右側)の開閉部材81には、図1に示すバッファタンク72に連通する一つの排出口81Aが形成されている。該排出口81Aは、反応室79A内の反応生成ガスを排出する排出手段を構成し、また排出口81Aは、図1に見られるように、制御弁84により開閉されるようになっている。
回転体79は、図5に示されるごとく、軸受等の支持部材85によって回転自在に支持され、駆動手段(図示せず)によって、各反応室79Aの開口が供給開口80Aに順次一致して連通するように、間欠的に回転されるようになっている。すなわち、本実施形態では、回転体79には8つの反応室79Aが形成されているので、回転体79が45°ずつ間欠回転して、順次各反応室79Aの開口が供給開口80Aと一致する。
具体的には、回転体79の回転により、複数の反応室のうち一つの反応室79Aの開口が供給開口80Aと一致するときには、該一つの反応室79Aとエマルジョン油供給装置74とが供給開口80Aを介して連通される。このとき、該供給開口80Aと半径方向で対向する衝撃波導入開口80Bには、一つの反応室79Aと半径方向反対側の他の反応室79Aの開口が一致する。その後、回転体79が45°ずつ4回、すなわち180°回転したときに、衝撃波導入開口80Bと一つの反応室79Aが一致して、該一つの反応室79Aと衝撃波発生装置76の出口開口端部とが衝撃波導入開口80Bを介して連通される。180°回転の間に一つの反応室79Aの開口が供給開口80A及び衝撃波導入開口80Bと一致せずに開閉部材80の蓋面(壁面)に対面するときには、該蓋面によって一つの反応室79Aの左端開口が閉ざされる。その結果、該一つの反応室79Aとエマルジョン油供給装置74及び衝撃波噴射口との連通が実質的に遮断される。
また、上述のごとく一つの反応室79Aの左端開口が衝撃波導入開口80Bと一致するときには、該一つの反応室79Aは排出側で排出口81Aと一致し、図1に示す制御弁84を介してバッファタンク72と連通可能な状態となる。また、一つの反応室79Aが排出口81Aと一致せずに開閉部材81の蓋面に対面するときには、該蓋面によって該反応室79Aの右端開口が実質的に閉ざされる。
このように、複数の反応室79Aは、回転体79の間欠回転によって、供給側で供給開口80Aと一致しかつ排出側で開閉部材81の蓋面に対面したときの一つの反応室79Aが原料の供給を順次断続的に受ける。そして、原料の供給を受けたその反応室79Aの開口が回転体79の180°回転後に衝撃波導入開口80Bと一致する位置にきたときに、図1の制御弁84が閉状態のままで、衝撃波発生装置76からの衝撃波が反応室79A内に伝播するようになっている。衝撃波により反応室79A内で霧状のエマルジョン油が衝撃圧縮されて高温となって、該エマルジョン油中の炭化水素と水蒸気が反応し、水素含有ガスを生成する。その後、制御弁84が開状態とされて、該反応室79Aから開閉部材81の排出口81Aを経て水素含有ガスが排出され、バッファタンク72へ収容される。
バッファタンク72は、比較的大容量に形成されていて、反応室79Aからの高圧の水素含有ガスを急激に圧力緩和させる。また、バッファタンク72には、バッファタンク72内で圧力変動が緩和された水素含有ガスから水素を分離する水素分離装置(例えば、PSA)86が接続されている。水素分離装置86で分離された水素は、それぞれ適した用途に用いることができる。水素分離装置86には、水素含有ガスから水素を分離した後の残ガス(主として一酸化炭素)をボイラ73に供給して燃料として利用するため、水素分離装置とボイラとを接続する帰還路87を設けてもよい。
なお、バッファタンク72内の水素含有ガスを上述のボイラ73の燃料として帰還させて有効利用してもよい。
なお、本実施形態では反応装置71は上述のごとく構成されているが、特にその形態に限定はない。例えば、反応器は上述のような回転する形式でなくとも非回転であってもよい。すなわち、反応室の数や形状も任意であり、衝撃波発生装置76からの衝撃波を受けてエマルジョン油中の炭化水素と水蒸気が衝撃圧縮されるのに適した反応室を有していればよい。
<衝撃波発生装置>
衝撃波発生装置76は、図6(A)に示すように、高圧蒸気が導入される蒸気室88と、該蒸気室内に設置される作動弁89と、衝撃波を収束によって高圧化する収束室90を備えてなるものである。
蒸気室88は、図中左右に移動可能な作動弁89によって二室91,92に仕切られ、一方の室92に先端に向かって断面が収束する収束室90が設けられている。また、収束室90の基端側には作動弁89がバネ93によって押し付けられている。
上記のように構成された衝撃波発生装置76においては、左右の蒸気室91,92にボイラ73で発生した蒸気を左右の蒸気室内の蒸気圧がバランスするように充填しておく。この状態で、作動弁89の前面、すなわち室92に高圧の蒸気を注入する。これによって、両室91,92の圧力バランスを崩す力を瞬間的に発生させ、作動弁89を1ms前後の瞬間的な時間内で開放することで高圧蒸気を瞬間的に開放して衝撃波を発生させる(図6(B)参照)。発生した衝撃波は収束室90内を進み、収束されてより高圧となって、前述の反応装置50側に導入される。
<制御系>
制御系5は、制御情報を取得するための制御情報取得手段として、反応室装置73の排出口81Aから排出される水素含有ガスの温度を検知する温度検知手段94と、同じく反応室装置73の排出口81Aから排出される水素含有ガスを分析して該水素含有ガス中の水素濃度を検出する生成ガス分析装置96を備えている。
また、制御系5は、温度検知手段94から取得した温度情報及び生成ガス分析装置96から取得した水素濃度情報を入力して、これらの情報に基づいて添加水の流量を調整する流量調整弁25の開度を調整するコントローラ97を備えている。
<動作説明>
上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
まず、図2〜図4に基づいて、攪拌装置7によるエマルジョン油の製造方法を説明する。
制御弁53によって縮径ノズル49の出口と戻り配管57を連通させ、制御弁34によって供給管33と噴射ノズル43とを連通させる。
この状態で、原料油と、添加水と、乳化剤とが所定の割合で混合された混液を噴射ノズル43に供給し、噴射ノズル43から攪拌容器内に混液を噴射する。噴射ノズル43から供給された混液が攪拌容器41の攪拌翼45よりも上位置にくると、モータ63を稼動して攪拌翼45を回転させる。このとき、攪拌翼45の回転数は図示しない制御手段によって適宜最適値に調整する。攪拌容器内が混液で満たされた状態になると、制御弁34を操作して混液供給経路を閉止し、戻り配管57と噴射ノズル43を連通させ、噴射ノズル43、攪拌容器41、戻り配管57、噴射ノズル43という循環経路を形成する。そして、混液を、循環経路内に循環させながら攪拌容器41内で攪拌してエマルジョン化する。
ここで、攪拌容器41内におけるエマルジョン化のメカニズムを図2に基づいて説明する。
噴射ノズル43から混液が攪拌容器内に噴射されることによって、攪拌容器内の混液に第1の旋回流61が形成される。また、攪拌翼45を回転することによって、第1の旋回流61の平均旋回径よりも小径の第2の旋回流65が第1の旋回流61の下方に形成される。
このように、第1の旋回流61と第2の旋回流65からなる二重旋回流が形成されることで、図2に示すように、第1の旋回流61の外周側から攪拌容器底部へ向かうと共に、第2の旋回流65の内側を通過して上方に向う二次流れ95が形成される。
第1の旋回流61によって混液の攪拌がなされるが、このとき大きな液滴あるいは水を多く含む液滴のように質量の大きいものが遠心力によって外周側に移動し、これが二次流れ95によって下方に移動し、攪拌翼45によって攪拌される。このとき、攪拌翼45のせん断作用によって液滴がさらに微粒化されて再び上方に移動し、第1の旋回流61によって攪拌される。このような攪拌容器41内での循環により、混液は原料油中に水滴のあるいわゆるW/O型エマルジョン油になる。このW/O型エマルジョン油のうち、微粒径のものは質量が小さいので、第1の旋回流61の遠心力で周方向に移動することなく、上方の縮径ノズル側に流れる上向流に乗って排出口へと移動する。このとき、縮径ノズル49は下流側、すなわち上方に行くに従って縮径していることから、下流側に進行するに従って液体は旋回速度を増し、せん断力が作用して微粒化が促進され乳化分散される。
一定時間上記のような循環を行なった後、W/O型エマルジョン油が形成されたら、縮径ノズル49の先端部の制御弁53を噴射ポンプ側に開放する。これによって、エマルジョン油が縮径ノズル49から排出され、エマルジョン油供給装置74に供給され、さらに反応装置71に供給される。
反応装置71側では、エマルジョン油供給装置74によって反応室79A内に噴霧状になったエマルジョン油が供給される。そして、すでにエマルジョン油が供給された反応室79A内に、開閉部材80の衝撃波導入開口80Bを介して衝撃波発生装置76で発生した衝撃波が伝播されると、反応室79A内のエマルジョン油がこの衝撃波によって反応室79Aの排出側の端部(図5にて右端部)に向けて衝撃圧縮されて高温、例えば1500Kとなる。
このとき、エマルジョン油液滴は、高温に加熱されたとき、原料油中の水が瞬時に沸騰して、さらに微粒化され(ミクロ爆発)、急激に加熱されてエマルジョン油中の炭化水素と水蒸気が瞬時に反応する。
炭化水素は一般に化学式C2nH4nで表され、このときの反応室79A内で生じる主反応はC2nH4n+2nH2O→2nCO+4nH2であり、水素とCOが生成される。この反応は、上記のように、ミクロ爆発の効果により瞬時に行われるので、水素含有ガスが高効率で生成されることになる。
このような反応を回転体79の間欠的な回転により次々に衝撃波導入開口80Bに連通した各反応室79A内で行い、その都度、水素含有ガスを生成する。
反応室79A内で生成された水素含有ガスは、制御弁84の開放によりバッファタンク72内に噴出されて一旦収容される。このとき、バッファタンク72内に高速噴出された高温の水素含有ガスは断熱のもとで急冷却されるので、逆反応が阻止される。又、バッファタンク72は、大容量となっており、バッファタンク72内へ噴射された高圧の水素含有ガスが一旦収容されることにより、該水素含有ガスの圧力変動が緩和されて安定した低圧となる。このように、本実施形態では、生成時には高温高圧であった水素含有ガスの圧力及び温度をバッファタンク72にて低下させることにより逆反応を阻止して、反応室79A内での水素含有ガスの生成効率を高めている。
水素含有ガスが生成され、バッファタンク72側に排出されると温度検知手段94から取得した温度情報及び生成ガス分析装置96から取得した水素濃度情報がコントローラ97に入力される。コントローラ97では、これらの入力情報に基づいて添加水の流量を調整する流量調整弁25の開度を調整する。具体的には、水素含有ガスの水素濃度が低いときには添加水の量を増やすべく、流量調整弁25の開度を大きくする制御をする。また、温度が低い場合には、添加水の量が多すぎると判断し、流量調整弁25の開度を小さくする制御をする。
以上説明したように、本実施の形態によれば、原料油と水を含むエマルジョン油を反応室内に噴霧し、これに衝撃波を伝播させてこれを衝撃圧縮することにより、急激に高温加熱して、水素含有ガスを生成させるようにしたので、原料油と水とが予め均一化されていることに加え、エマルジョン油液滴に生ずるミクロ爆発によって液滴が微粒化されることにより急激に加熱されるため、高効率で水素含有ガスの製造ができる。
また、反応に必要な熱を衝撃波による衝撃加熱によって与えるようにしたので、反応に必要十分な熱を短時間で効率よく供給できる。このため、反応器内を予め高温とする必要がなく、立ち上げ工程や立ち下げ工程でのエネルギーロスが軽減され、運転費が安価となる。
また、装置が立上げから立ち下げまで連続して長時間に亘って高温状態とはならず、反応に必要な時間及び領域だけ高温にするので、耐火物を多用する必要がなく、設備費が安価な装置となり、さらにはエネルギーロスが軽減されるだけでなく時間的ロスも軽減されるので、小規模生産あるいは所望時の短時間生産が可能となる。
[実施の形態2]
図7は本発明の実施の形態2の説明図であり、図1と同一部分には同一の符号を付して、説明を省略する。実施の形態1と異なる点は、加熱手段を有し、該加熱手段によって反応室を加熱して反応室内の原料に水蒸気改質反応を生じさせる反応装置98のものを用いた点である。
本実施の形態に係る反応装置98は、攪拌装置7で製造されたエマルジョン油を導入して、
内蔵する改質触媒による水蒸気改質反応により水素含有ガスを製造する改質触媒層98aと、改質触媒層98aの水蒸気改質反応に必要な熱を供給する加熱室98bとを交互に複数組積層して構成されている。この加熱室98bには加熱源となるバーナ99が設けられている
上記のように構成された本実施の形態においては、エマルジョン油を改質触媒層98aに連続的に導入して水素含有ガスを生成できる。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、エマルジョン油のミクロ爆発の効果によって、高効率の水素製造ができる。
なお、図7に示すように、加熱室98bから排出される排ガスを熱源とする熱交換器101を設けて、該熱交換器101によって水を加熱して蒸気にして改質触媒層98aに補助的に導入するようにしてもよい。
熱交換器101に導入された排ガスは排ガス処理装置103で処理され、誘引ファン105によって煙突107に誘引されて大気放散される。
なお、バーナ99として、パルスバーナを用いれば、パルス燃焼で発生する脈動流による攪拌作用と温度境界層剥離作用によって加熱室98bから改質触媒層98aへの伝熱が効果的に行われ、さらに効率よく水素含有ガスの製造ができる。
本発明の一実施の形態に係る水素製造装置の説明図である。 図1に示した攪拌装置の説明図である。 図2の矢視A−A断面図である。 図2に示した攪拌翼と該攪拌翼によって形成される第2の旋回流の平均旋回径の関係を説明する説明図である。 図1に示した反応装置の構成の一部を説明する説明図である(その1)。 図1に示した反応装置の構成の一部を説明する説明図である(その2)。 本発明の実施の形態2の説明図である。
符号の説明
7 攪拌装置
71 反応装置
97 コントローラ

Claims (4)

  1. 原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を加熱して水素含有ガス生成反応により水素含有ガスを製造することを特徴とする水素製造方法。
  2. 高圧ガスを瞬間的に開放して衝撃波を発生させ、該衝撃波を反応室に導入して反応室内の原料を衝撃圧縮して水素含有ガス生成反応を行わせる反応装置と、前記反応室に原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を前記原料として供給するエマルジョン油供給装置と、を備えたことを特徴とする水素製造装置。
  3. 加熱手段を有し、該加熱手段によって反応室を加熱して反応室内の原料に水素含有ガス生成反応を行わせる反応装置と、該反応室に原料油と水を含む混液を攪拌して製造したエマルジョン油を前記原料として供給するエマルジョン油供給装置と、を備えたことを特徴とする水素製造装置。
  4. 反応装置にて生成された生成ガスの水素濃度を分析する分析装置と、該分析装置の分析値に基づいてエマルジョン油中の水の添加率を調整する水分添加率調整手段を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の水素製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2025041773A1 (ja) * 2023-08-24 2025-02-27 国立大学法人東海国立大学機構 水素の製造装置
JP2025028620A (ja) * 2023-08-18 2025-03-03 株式会社中央エンジニアリング 水素製造装置、水素の製造方法及び発電装置

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