JP2006111925A - 銅基合金 - Google Patents

銅基合金 Download PDF

Info

Publication number
JP2006111925A
JP2006111925A JP2004300660A JP2004300660A JP2006111925A JP 2006111925 A JP2006111925 A JP 2006111925A JP 2004300660 A JP2004300660 A JP 2004300660A JP 2004300660 A JP2004300660 A JP 2004300660A JP 2006111925 A JP2006111925 A JP 2006111925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper
alloy
weight
content
tensile strength
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004300660A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Ozasa
友行 小笹
Kazuto Kurose
一人 黒瀬
Hisanori Terui
尚徳 照井
Eishin Tameda
英信 為田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kitz Corp
Original Assignee
Kitz Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kitz Corp filed Critical Kitz Corp
Priority to JP2004300660A priority Critical patent/JP2006111925A/ja
Publication of JP2006111925A publication Critical patent/JP2006111925A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)

Abstract

【課題】不可避不純物レベルのPbの含有を許容しつつ、Bi−Pb共晶相の生成を抑制して、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善したPbレスの銅基合金を提供する。
【解決手段】少なくとも、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、P:0.5重量%以下、Pb:0.25重量%以下を含有する銅基合金であって、前記合金中に含まれるZnの含有量を2.0〜5.0重量%に抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善した銅基合金である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、バルブ、コック、継手等の水道用配管器材などに適する銅基合金であって、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善した銅基合金に関する。
青銅鋳物(CAC406)は、通常、鋳造性、耐食性、被削性、耐圧性に優れ、しかも、溶融時の湯流れが良好であるため、ある程度の複雑な形状の鋳造に適しており、バルブ、コック、継手等の水道用配管器材などにも多く用いられている。ところが、昨今、青銅中に含まれるPb(鉛)が人体に悪影響を及ぼすとして大きな社会問題となっており、世界的にもPbの水道水中への浸出量が厳しく規制されつつある。
そこで、このような状況に基づいて、新たに有用なPbレス銅合金の開発が急務となり、そのなかで、Bi系、Bi−Sb系、Bi−Se系等の各種の材料が開発されている。例えば、特公平5−63536号公報(特許文献1)は、銅合金中の鉛に代えてBiを添加して切削性を上げ、脱亜鉛を防止した鉛レス銅合金である。特許第2889829号公報(特許文献2)は、切削性向上のためのBi添加による鋳造時のポロシティ発生をSbの添加により抑制し、機械的強度を上げた無鉛青銅である。米国特許第5614038号明細書(特許文献3)は、SeとBiの添加により、特にZn−Se化合物を析出させ、機械的性質及び切削性や鋳造性をCAC406と実質同等とした青銅合金である。
これらPbレス銅合金は、その量産時において、従来のCAC406の製造と鋳造設備を共用して製造しているところが多く、このような場合、炉及び取鍋等からのPbの混入が考えられる。また、上記Pbレス銅合金は、市販のインゴットや、コスト及び環境に配慮して、スクラップ等のリサイクル材を用いて製造されるが、これらの材料には不可避不純物としてのPbの混入が避けられない。従って、上記Pbレス銅合金は、鋳造設備をPbレス銅合金専用としても、不可避不純物レベルでの、例えば、0.4重量%以下のPbの含有を許容しているのが現状である。
特公平5−63536号公報 特許第2889829号公報 米国特許第5614038号明細書
上記特許文献のように、Pbの代替元素として、Biを添加したPbレス青銅鋳物において、上述のような微量のPbを含有している場合、鋳物材料が100℃を超えるような高温下に曝されると、機械的性質、とりわけ引張強度が低下するおそれがある。これは、Pbの代替成分として、Biを添加したPbレス青銅鋳物にPbが微量でも含有している場合、Cuに固溶しないBi及びPbが低融点のBi−Pb2元系共晶物として結晶粒界、及び結晶粒内に存在し、ここが高温下において局部的に弱い部分となり、引張強度が低下するためである。
上記Bi−Pb2元系共晶物の生成を抑制する改善策として、Pbの含有量を減ずることが考えられる。しかし、どの程度までPbの含有量を減ずれば、高温下においても所定の機械的性質が得られるかは未解明である。また、CAC406などの従来のPb含有青銅合金は、180℃の高圧蒸気でも利用されるケースのある材料であるので、これと同等レベルの機械的性質を得られるPbレス銅基合金の開発が求められていた。
本発明は、上記の実情に鑑みて鋭意研究の結果開発に至ったものであり、その目的とするところは、不可避不純物レベルのPbの含有を許容しつつ、Bi−Pb共晶相の生成を抑制して、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善したPbレスの銅基合金を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、青銅合金等の銅合金材料中のZnの含有を抑制することにより、不可避不純物レベルのPbの含有を許容しつつ、Bi−Pb共晶相の生成を抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善した銅基合金である。
請求項2に係る発明は、少なくとも、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、P:0.5重量%以下、Pb:0.25重量%以下を含有する銅基合金であって、前記合金中に含まれるZnの含有量を2.0〜5.0重量%に抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善した銅基合金である。
請求項3に係る発明は、前記銅基合金に、Se:0.05〜1.2重量%を含有させた銅基合金である。
請求項4に係る発明は、前記銅基合金に、Te:0.01〜0.5重量%を含有させた銅基合金である。
請求項5に係る発明は、合金組織中におけるTe−Zn金属間化合物の発生を抑制した銅基合金である。
請求項6に係る発明は、前記銅基合金において、PbのBiに対する固溶限界を高めた銅基合金である。
請求項1に係る発明によると、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善することが実現可能となり、従来のPb含有青銅合金(例えば、CAC406)と同等レベルの機械的性質を有する鉛レス銅基合金として提供することが可能となる。例えば、180℃などの高圧蒸気でも利用できる。
請求項2に係る発明によると、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善することが実現可能となり、従来のPb含有青銅合金(例えば、CAC406)と同等レベルの機械的性質を得たCu−Sn−Zn−Bi系の銅基合金として提供することができる。また、請求項3に係る発明によると、高温下における機械的性質、特に引張強度の低下を改善したCu−Sn−Zn−Bi−Se系の銅基合金として提供することができる。
請求項4、5に係る発明によると、合金組織中におけるTe−Zn金属間化合物の発生を抑制することで、効率的なTeとPbとの結びつきを実現させ、Bi−Pb共晶相の生成を効果的に抑制することができる。
請求項6に係る発明によると、Bi、Pbの含有量を所定の成分値に調整することで、不可避不純物レベルのPbの許容混入量を高めつつ、例えば、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を得ることが可能となる。量産可能な高温特性を改善した鉛レス銅合金として提供できる。
特に、本発明による効果を詳述すると、Teの添加は、合金組織中にBi−Te金属間化合物(又は合金)、Pb−Te金属間化合物(又は合金)、或いはBi−Pb−Te金属間化合物(又は合金)等を形成して、合金組織中におけるBi−Pb2元系共晶物の発生を抑制する。これは、Teを含有することで、鋳物の凝固過程において、合金組織中にBi−Pb2元系共晶物の晶出よりも優先的に、Bi−Pb2元系共晶物より融点の高いBi−Te金属間化合物(又は合金)、Pb−Te金属間化合物(又は合金)、或いはBi−Pb−Te金属間化合物(又は合金)等が形成され、合金組織中にBi−Pb2元系共晶物を形成するBi、Pbが減少するためである。しかし、TeはZnとの結びつきも強いため、多くのTeはZnに補足されてしまうが、Znの含有量を抑制することで、Znとの反応が抑えられ、効率的なTeとPbとの結びつきを実現させる。これにより、Bi−Pb共晶相の生成を効果的に抑制し、高温下での機械的性質を向上させるという効果を奏する。
本発明の銅基合金は、青銅合金材料中のZnの含有を抑制することにより、不可避不純物レベルのPbの含有を許容しつつ、Bi−Pb共晶相の生成を抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善した銅基合金であって、特に、好ましい銅基合金は、Cu−Sn−Zn−Bi系、及びCu−Sn−Zn−Bi−Se系の銅基合金である。本発明における銅基合金は、以下に示す成分元素を含有する形態を有し、各成分範囲とその理由は次のとおりである。
Bi:0.1〜3.0重量%
Pbの代替成分たる低融点金属として、鋳造の凝固過程において、合金(鋳物)中のデンドライト間隙の最終凝固部に生じるミクロポロシティに入り込むことにより、合金の健全性を向上しつつ、切削性の確保に寄与する成分である。切削性向上には0.1重量%以上の含有が有効だが、ミクロポロシティを減少させ、合金の耐圧性を確保するためには、0.25重量%以上の含有が必要である。また、Biはその含有量を増やすことによりPbの固溶度を高め、合金中に含有される不可避不純物レベルのPbの許容量を増加させることができるので、量産可能な、高温特性を改善した鉛レス銅合金を得ることができる。この高温特性を考慮すると、0.8重量%以上、とりわけ1.2重量%以上の含有が好ましい。しかし、多量に添加すると、機械的強度を低下させることから、3.0重量%以下とする。
Zn:2.0〜8.0重量%
切削性に影響を与えずに、硬さや機械的性質、特に伸びを向上させる元素である。また、経済性や銅基合金溶湯の脱酸作用、鋳造成形時の湯流れ性も考慮に入れると、多く含有したい成分であるが、Znは蒸気圧が高いので、作業環境の確保や鋳造性を考慮すると、8.0重量%以下の含有が好ましい。高温下における引張強さを向上するには、Znが後述するTeと金属間化合物を形成する割合を減らし、TeがBiやPbと合金又は金属間化合物を形成する割合を高めることが有効である。具体的な成分値としては5.0重量%以下に抑制するのが有効であり、とりわけ4.0重量%以下が好ましい。一方、過剰な抑制は脱酸作用や、鋳物の健全性を低下させてしまうおそれがあるため、2.0重量%以上含有するのが好ましい。
Se:0.05〜1.2重量%
Pbの代替成分として、CuとZnの含有比率に応じて、SeZn、CuSeなどの金属間化合物を形成することにより、Biと同様に切削性を確保する。また、これらの金属間化合物の晶出により、ミクロポロシティを分散して合金の健全性が向上し、機械的性質(例えば、引張強さ)を安定させる。また、Seの含有により高温特性が低下する原因となるBi−Pb共晶相も合金内に均一分散することから、0.05重量%以上の含有が有効である。一方、Seを多く含有しても、上記ミクロポロシティの面積率は平衡状態となり、その後は上記金属間化合物の増加により機械的強度も低下することから、1.2重量%を上限とした。
Sn:2.8〜6.0重量%
合金の機械的性質(とりわけ、伸び)と耐食性の向上に寄与する成分であり、2.8重量%以上の含有が有効である。一方、含有量の増加に伴い、硬く脆弱なδ相を析出し加工性と伸びを低下させてしまうこと、及び経済性を考慮し、上限値を6.0重量%とする。
Te:0.01〜0.5重量%
Teは、マトリックス中に固溶することなく、分散することによって切削性を向上させる成分であると共に、合金中で単独若しくは互いに結合した状態のBiやPbと、合金又は金属間化合物を形成、より詳しくは、主として金属間化合物TePb(融点約917℃)を晶出させることにより、融点の低いBi−Pb共晶相の晶出を抑制することで、高温下における機械的性質(引張強さ)を向上する。0.01重量%以上の含有が有効であるが、添加量相応の効果を得る点及び経済性の観点から、0.5重量%を上限値とする。
P:0.5重量%以下
銅基合金溶湯の脱酸、湯流れ性の向上が必要な場合、とりわけ高温特性向上のためにZnの含有量を抑制した場合に、これを補完する成分として添加する。また、Pは結晶粒微細化の効果を有し、機械的性質を向上させる働きがある。脱酸性を確保するためには0.01重量%以上の含有が有効であるが、過剰の含有は固相線が低下して偏析を起こして鋳造欠陥を生じ、鋳物の健全性を損なうおそれがあることから、上限を0.5重量%とする。
Pb:0.25重量%以下
Bi含有銅基合金において、Biと共晶相を形成し、高温特性を低下させてしまう元素であり、また、水道水へのPb浸出問題を解消するなど、環境保護の点から積極的に排除すべき元素であることから、Pbを積極的に含有させない不可避不純物として、上限値を0.25重量%とする。
不可避不純物
本発明の銅基合金における不可避不純物としては、Fe(0.3重量%以下)、Al(0.01重量%以下)、Si(0.01重量%以下)、Sb(0.2重量%以下)が挙げられる。
以下に、本発明における銅基合金の好ましい実施例を詳述する。本実施例では、引張強さの基準値を180℃にて152MPaとした。これは、JIS H5120「銅および銅合金鋳物」CAC406における200度の許容引張応力38N/mmに対し、安全率4倍を乗じた値であり、本発明における銅基合金の主な用途であるバルブ等の圧力容器の使用に適したものである。勿論、引張強さの基準値の設定は、実施に応じて任意である。
(試験1)
本発明における鉛レス銅基合金のうち、Cu−Sn−Zn−Bi−Se系青銅合金について、供試品のBi含有量を約0.8重量%、約1.2重量%、約2.0重量%、約2.6重量%、約3.0重量%(いずれも狙い値)の5段階に分け、Pb含有量を変化させた場合の180℃における引張強さを測定した。その他の成分範囲はいずれも狙い値として、Zn:約8重量%、Sn:約4重量%、Se:約0.2重量%、P:約200ppm、残余をCuとしている。試験条件は、試験片をCO鋳型を用いて鋳込み温度1130℃でJIS A号方案に鋳造後、切削加工により製作したJIS Z2201に規定の4号試験片とし、アムスラー引張試験機を用いて行った。各サンプルの組成を表1に示し、引張試験の結果を同表並びに図1に示す。
Figure 2006111925
本試験において、引張強さの基準値とした152MPa付近では、Bi含有量が多くなる程、Pbの許容含有量が増すことが判明した。これは、Bi含有量の増加に伴い、Pbの固溶限界値が増加することを意味する。
図1のグラフより、Bi含有量毎に引張強さの基準値とした152MPaに対応するPb含有量a〜eを読み取り、Bi含有量−Pb含有量の関係として図2に示した。同図から明らかであるように、Pb含有量a〜eは回帰直線上に位置することが判明し、この回帰直線(以下、第1の回帰直線という)の式、即ち、引張強さの基準値とした152MPaを満たすBi−Pbの関係式は次式で表される。
関係式
Pb=(0.0036±α1)Bi+0.0039±α2
従って、Zn:2.0〜8.0重量%、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、Se:0.05〜1.2重量%、Pb:0.25重量%以下、Cu:残余を含有し、且つ、Bi、Pbの含有量を図2における第1の回帰直線よりも下側の領域A内に対応する成分値に調整することで、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を得ることができる。また、Biを0.8以上含有すれば、0.006以上のPb含有を許容することができ、Bi、Pbの含有量を図2の領域B内に対応する成分値に調整することで、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を得ることができる。なお、表1のデータは、Zn、Sn、Se、Pが前記狙い値の場合におけるものであることから、これらの各成分が前記成分範囲で変動した場合を考慮して、前記関係式に補正値α1、α2を反映している。
(試験2)
単独若しくは互いに結合した状態のBi、Pbと、合金又は金属間化合物を形成するTeを加えることにより、合金組織中にBi−Pb2元系共晶物の発生を抑制することで、高温下における機械的性質、とりわけ引張強度の低下の改善を確認する。
本発明における鉛レス銅基合金のうち、Cu−Sn−Zn−Bi−Se系青銅合金について、Teを0.5重量%(狙い値)含有し、供試品のBi含有量を約0.8重量%、約1.2重量%、約2.0重量%、約2.6重量%、約3.0重量%(いずれも狙い値)の5段階に分け、上記試験1と同様に、引張強さの基準値とした152MPaに対応するPb含有量f〜jを読み取り、Bi含有量−Pb含有量の関係として図2に示した。その他の成分値はいずれも狙い値として、Zn:約2重量%、Sn:約4重量%、Se:約1重量%、P:約200ppm、残余をCuとしている。試験条件は、上記試験1と同様である。各サンプルの組成を表2に示す。
Figure 2006111925
同図から明らかであるように、Pb含有量f〜jは回帰直線上に位置することが判明し、この回帰直線(以下、第2の回帰直線という)の式、即ち、引張強さの基準値とした152MPaを満たすBi−Pbの関係式は次式で表される。
関係式
Pb=(0.0157±β1)Bi+0.0098±β2
従って、Zn:2.0〜8.0重量%、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、Se:0.05〜1.2重量%、Te:0.01〜0.5重量%、Pb:0.25重量%以下、Cu:残余を含有し、且つ、Bi、Pbの含有量を図2における第1の回帰直線以上で、且つ、第2の回帰直線以下の領域C内に対応する成分値に調整することで、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を得ることができる。即ち、例えば、Bi=0.8において、Teを含有しない試験1の供試品におけるPbの許容含有量は0.006であったが、Teの含有やZn含有量の低減、Se含有量の増加により、0.022のPb含有を許容しつつ、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を得ることができる。
また、図2に示すように、第2の回帰直線は、第1の回帰直線よりも傾きが大きくなっている。これは、TeやSeの含有量が増すことにより、Biのみの含有量が増える場合に比して、Pbの許容含有量が飛躍的に増すことを意味しており、BiとTe若しくはSeとが、二元系又は三元系の交互作用(相乗効果)を有し、高温特性を改善しているものと推察される。なお、表2のデータは、Zn、Sn、Se、Pが前記狙い値の場合におけるものであることから、これらの各成分が前記成分範囲で変動した場合を考慮して、前記関係式に補正値β1、β2を反映している。
(試験3)
領域Cの範囲内におけるサンプルの引張試験を行った。試験条件は、上記試験1、2と同様である。各サンプルの組成、並びに引張試験の結果を表3及び図2に示す。試験結果から明らかであるように、領域Cの範囲内における各サンプルは、いずれも180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金であることが確認された。
Figure 2006111925
(試験4)
単独若しくは互いに結合した状態のBi、Pbと、合金又は金属間化合物を形成するTeを添加し、合金組織中にBi−Pb2元系共晶物の発生を抑制した鉛レス銅基合金の標準サンプルについて、EDX定量分析、及びマッピングを行った。マッピングとは、特定の元素がどの場所に存在するかを分析するものであり、元素が集中的に存在している部分を黄色で表示するものである。各分析は、シャルピー衝撃試験後の試験片について、その破断面を避けて切断した切断面に対して行なった。金属組織写真(倍率400倍)を図3に示し、図3の金属組織写真における各元素のマッピングを図4に示す。また、標準サンプルの化学成分値を表4に示し、図3の金属組織写真に表した領域1〜5におけるEDX定量分析結果を表5に示す。
Figure 2006111925
Figure 2006111925
TeはPb、Zn、Cu、Bi、Se等の元素と結合して分散相として晶出し、Bi−Pb二元系共晶物の晶出を抑制していることがわかった。このように、Teは様々な元素と結合しており、とりわけZnと結合する割合が高いことが判明した。従って、Znの含有量を減じることにより、単独若しくは互いに結合した状態のBi、Pbと、合金又は金属間化合物を形成するTeの割合を増やし、Bi−Pb共晶相の生成を抑制することが、高温下での機械的性質を向上させることに寄与する知見が得られた。
(試験5)
本発明における鉛レス銅基合金のうち、Cu−Sn−Zn−Bi系、及びCu−Sn−Zn−Bi−Se系青銅合金について、供試品のZn含有量を約2.0重量%、約4.0重量%、約8.0重量%(いずれも狙い値)の3段階に、Se含有量を0、約0.4重量%、約0.8重量%(いずれも狙い値)の3段階に、更にTe含有量を0、約0.05重量%、約0.1重量%、約0.15重量%、約0.2重量%(いずれも狙い値)の5段階に変化させた場合の180℃における引張強さを測定した。各サンプルの組成を表6に示し、引張試験の結果を同表並びに図5〜図7に示す。その他の成分値はいずれも狙い値として、Sn:約4重量%、Pb:約0.01重量%、P:約200ppm、残余をCuとしている。試験条件は、上記試験1、2と同様である。
Figure 2006111925
図7は、供試品のZn含有量を約8.0重量%(狙い値)とした場合であり、同図に示すように、Seが0ではTe量を増しても、引張強さの基準値とした152MPaは満足できない。Se:0.4重量%では、Te:0.2重量%で引張強さの基準値とした152MPaを満たす。Se:0.8重量%では、Te:0.15重量%で引張強さの基準値とした152MPaを満たす。
図6は、供試品のZn含有量を約4.0重量%(狙い値)とした場合であり、同図に示すように、Seが0ではTe:0.15重量%で引張強さの基準値とした152MPaを満たす。Se:0.4重量%、0.8重量%では、Te:0.05重量%で引張強さの基準値とした152MPaを満たす。
図5は、供試品のZn含有量を約2.0重量%(狙い値)とした場合であり、同図に示すように、Se:0、0.4重量%、0.8重量%のいずれの供試品においても、Te:0.05重量%で引張強さの基準値とした152MPaを満たす。
上述のごとく、Znを2.0〜4.0重量%に抑制することにより、引張強さの基準値とした152MPaを満たす鉛レス銅基合金を、少量のTe含有により得ることができる。とりわけZnを上記値に抑制すること、及びSeを含有することの交互作用(相乗効果)によって、高温下における引張強さが向上することが判明した。従って、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、Pb:0.25重量%以下、Cu:残余を含有し、且つ、Znの含有量を2.0〜4.0重量%に抑制することにより、180℃にて152MPa以上の引張強度を満たす鉛レス銅基合金を、少量のTe含有により得ることができ、更にSe:0.05〜1.2重量%含有することで、より少量のTe含有のみで引張基準値を満足する鉛レス銅基合金を得ることができる。
さらに、表6並びに図5〜図7から明らかであるように、Teを含有しない場合であっても、Znの含有量を抑制することで、引張強さを向上させていることがわかる。これは、Znの含有量の抑制は、結晶粒の微細化により分散相(例えば、Bi、SeZn等)の微細化を促進させる等の効果を有するためであり、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善させることができる。
本発明の銅基合金は、バルブ、継手、管、水栓、給水・給湯用品等の水接触製品を加工成形したり、ガス器具、洗濯機、空調機等の電気・機械製品を加工成形したりするのに適している。その他、本発明の銅基合金を材料として好適な部材・部品は、特に、バルブや水栓等の水接触部品、即ち、ボールバルブ、ボールバルブ中の空用ボール、バタフライバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ、チェックバルブ、給水栓、給湯器や温水洗浄便座等の取付金具、給水管、接続管及び管継手、冷媒管、電気温水器部品(ケーシング、ガスノズル、ポンプ部品、バーナなど)、ストレーナ、水道メータ用部品、水中下水道用部品、排水プラグ、エルボ管、ベローズ、便器用接続フランジ、スピンドル、ジョイント、ヘッダー、分岐栓、ホースニップル、水栓付属金具、止水栓、給排水配水栓用品、衛生陶器金具、シャワー用ホースの接続金具、ガス器具、ドアやノブ等の建材、家電製品、サヤ管ヘッダー用アダプタ、自動車クーラー部品、釣り具部品、顕微鏡部品、水道メーター部品、計量器部品、鉄道パンタグラフ部品、その他の部材・部品に広く応用することができる。更には、トイレ用品、台所用品、浴室品、洗面所用品、家具部品、居間用品、スプリンクラー用部品、ドア部品、門部品、自動販売機部品、洗濯機部品、空調機部品、ガス溶接機用部品、熱交換器用部品、太陽熱温水器部品、金型及びその部品、ベアリング、歯車、建設機械用部品、鉄道車両用部品、輸送機器用部品、素材、中間品、最終製品及び組立体等にも広く適用できる。
試験1における引張試験結果を示したグラフである。 Bi含有量−Pb含有量の関係を示したグラフである。 サンプル(比較例)の金属組織写真(倍率400倍)である。 図3の金属組織写真における各元素のマッピングである。 試験5における引張試験結果(Zn:約2.0重量%)を示したグラフである。 試験5における引張試験結果(Zn:約4.0重量%)を示したグラフである。 試験5における引張試験結果(Zn:約8.0重量%)を示したグラフである。

Claims (6)

  1. 青銅合金等の銅合金材料中のZnの含有を抑制することにより、不可避不純物レベルのPbの含有を許容しつつ、Bi−Pb共晶相の生成を抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善したことを特徴とする銅基合金。
  2. 少なくとも、Sn:2.8〜6.0重量%、Bi:0.1〜3.0重量%、P:0.5重量%以下、Pb:0.25重量%以下を含有する銅基合金であって、前記合金中に含まれるZnの含有量を2.0〜5.0重量%に抑制して、高温下での機械的性質、特に引張強度を改善したことを特徴とする銅基合金。
  3. 前記銅基合金に、Se:0.05〜1.2重量%を含有させた請求項1又は2に記載の銅基合金。
  4. 前記銅基合金に、Te:0.01〜0.5重量%を含有させた請求項1乃至3の何れか1項に記載の銅基合金。
  5. 請求項4に記載の銅基合金において、合金組織中におけるTe−Zn金属間化合物の発生を抑制した銅基合金。
  6. 前記銅基合金において、PbのBiに対する固溶限界を高めた請求項1乃至5の何れか1項に記載の銅基合金
JP2004300660A 2004-10-14 2004-10-14 銅基合金 Pending JP2006111925A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004300660A JP2006111925A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 銅基合金

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004300660A JP2006111925A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 銅基合金

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006111925A true JP2006111925A (ja) 2006-04-27

Family

ID=36380690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004300660A Pending JP2006111925A (ja) 2004-10-14 2004-10-14 銅基合金

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006111925A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208433A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Kitz Corp 鉛レス青銅鋳物合金

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008208433A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Kitz Corp 鉛レス青銅鋳物合金

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6266737B2 (ja) 耐応力腐食割れ性に優れた黄銅合金と加工部品及び接液部品
JP4951342B2 (ja) 銅合金鋳物及びその鋳造方法
KR102623143B1 (ko) 쾌삭성 구리 합금 주물, 및 쾌삭성 구리 합금 주물의 제조 방법
US7776163B2 (en) Lead-free free-cutting aluminum brass alloy and its manufacturing method
JP2007517981A (ja) アンチモンを含む無鉛快削性黄銅合金
JP2000319736A (ja) 銅基合金とこの合金の製造方法並びにこの合金を用いた製品
US20080145265A1 (en) Copper-based alloy
JP4294793B2 (ja) 無鉛快削青銅合金
JP4522736B2 (ja) 金型鋳造用銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品
JP5566622B2 (ja) 鋳造合金とその合金を用いた接液部品
JP2006111925A (ja) 銅基合金
JP2009041088A (ja) 鋳造性に優れた無鉛快削性黄銅
US20110142715A1 (en) Brass alloy
JP4588352B2 (ja) Bi−Se添加用銅インゴットとこれを用いた銅基合金の製造方法並びに銅基合金とこの合金を用いた鋳塊・製品
EP1921173A1 (en) Bronze low-lead alloy
CA2687452C (en) Brass alloy
CN120530213A (zh) 低铅合金
JP2010100933A (ja) 鋳造用銅基合金