JP2006116902A - 直液式筆記具群 - Google Patents

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Abstract

【課題】同種で異なる筆跡幅を有するペン先を備えた複数種の直液式筆記具からなる直液式筆記具群において、いずれの筆跡幅のペン先であっても、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られると同時に、金型の製造コストを抑える。
【解決手段】前記各々のインキ保溜部材3が、インキタンク41内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部31を備える。インキ保溜部31とインキタンク41との間のインキ及び空気の流通を可能にする毛細管力を有する空気交替孔42を、各々のインキ保溜部材3の後端に形成する。各々のインキ保溜部材3のインキ保溜部31を共通にする。筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の空気交替孔42の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力よりも小さく形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、直液式筆記具群に関する。詳細には、同種で筆跡幅の異なるペン先を備えた複数種の直液式筆記具からなる直液式筆記具群に関する。尚、本発明で「前」とはペン先側を指し、「後」とはインキタンク側を指す。
従来、この種の直液式筆記具において、例えば、特許文献1には、多数の櫛歯を適宜間隔に並設してインキ保留溝を形成すると共に、前記インキ保溜溝と連通するスリット状のインキ誘導溝を軸方向に設け、さらに前記インキ誘導溝に接続し且つインキ貯留部側に開口するスリット状の連通溝を、前記櫛歯群の最後部に位置する鍔部に設けたインキ調節部材(本願のインキ保溜部材に相当)を軸筒前部に装着し、軸筒後部にはインキ貯留部を形成してなる直液式筆記具において、前記鍔部に連通溝が軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口され設けられてなるインキ調節部材を、軸筒前部に密嵌させた際、前記軸筒内壁による鍔部の径方向内方への挟圧変形によって、前記連通溝の横断面開口量がインキ誘導溝の横断面開口量より小に形成されてなることを特徴とする直液式筆記具が記載されている。
また、従来の直液式ボールペンにおいて、ユーザーが用途や好みに応じて選択可能なよう、筆記先端ボールの外径が0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.7mm、1.0mm等からなる異なるサイズのペン先を有する複数種の直液式ボールペンを商品群として提供することが知られている。
特公平7−110560号公報
前記従来の直液式筆記具群において、筆跡幅の太いペン先の場合、ペン先からのインキ消費量(単位筆記距離あたりのインキ消費量)は大きく設定され、一方、筆跡幅の細いペン先の場合、ペン先からのインキ消費量は小さく設定される。前記筆跡幅に応じた適正なインキ消費量を得るために、製造コスト面から、インキ保溜部材を共通にして、インキタンクからペン先へインキ誘導するインキ誘導部材のみを変更する手段が採用されている。しかし、インキ誘導部材のみを変更しても、ペン先からのインキ消費量を幅広く調節することは容易ではない。特に、筆跡幅の太いペン先の場合(例えば、最適インキ消費量が100m当たり200mg以上のペン先の場合)、筆跡幅の細いペン先とインキ保溜部材を共通にし、インキ誘導部材のみを変更しただけでは、筆跡カスレのない十分なインキ消費量を得ることが困難であった。
そのため、前記従来の直液式筆記具群では、筆跡幅の細いペン先のインキ保溜部材と筆跡幅の太いペン先のインキ保溜部材とを共通にせず、各々のインキ保溜部材を寸法設定して製造することを余儀なくされる。その結果、各々のインキ保溜部材を形成するための金型の製造コストが上昇してしまう。
本発明は、前記従来の問題点を解決するものであって、同種で異なる筆跡幅を有するペン先を備えた複数種の直液式筆記具からなる直液式筆記具群において、いずれの筆跡幅のペン先であっても、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られると同時に、金型の製造コストを抑えることができる直液式筆記具群を提供しようとするものである。
本発明者は、鋭意研究の結果、インキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力が、ペン先からのインキ吐出性に大きく影響を与えることに着目し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下を要件とする。
(請求項1)
同種で筆跡幅が異なるペン先を各々の先端に備えたインキ保溜部材を、各々の軸筒の前端開口部に嵌入し、前記各々の軸筒内のインキ保溜部材の後方に、インキを直に貯溜するインキタンクを形成し、前記各々のインキ保溜部材が、インキタンク内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部を備え、前記インキ保溜部とインキタンクとの間のインキ及び空気の流通を可能にする毛細管力を有する空気交替孔を、各々のインキ保溜部材の後端に形成した、複数種の直液式筆記具からなる直液式筆記具群であって、前記各々のインキ保溜部材のインキ保溜部を共通にするとともに、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力よりも小さく形成したことを特徴とする直液式筆記具群。
(請求項2)
前記各々のインキ保溜部材の空気交替孔が、インキ保溜部材の後端鍔部に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝と、インキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する軸筒の内周面とから構成され、
前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外径を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外径より小さく設定し、前記各々のインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する各々の軸筒の内周面の内径を等しく設定し、
前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅よりも大きく設定した請求項1記載の直液式筆記具群。
(請求項3)
前記各々のインキ保溜部材の空気交替孔が、インキ保溜部材の後端鍔部に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝と、インキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する軸筒の内周面とから構成され、
前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接可能な軸筒の内周面の内径を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接可能な軸筒の内周面の内径より大きく設定し、前記各々のインキ保溜部材の後端鍔部の外周面の外径を等しく設定し、
前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅よりも大きく設定した請求項1記載の直液式筆記具群。
(請求項4)
筆跡幅の太いペン先における100m当たりのインキ消費量が、200mg以上である請求項1、2または3記載の直液式筆記具群。
(請求項5)
前記各々のペン先が、ボール外径の異なるボールペンチップであり、筆跡幅の太いペン先のボール外径が、筆跡幅の細いペン先のボール外径よりも大きく設定される請求項1、2、3または4記載の直液式筆記具群。
(請求項6)
前記筆跡幅の太いペン先のボール外径が、1.0mm以上である請求項5記載の直液式筆記具群。
請求項1により、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られるとともに、金型の製造コストを抑えることができる。
請求項2により、より一層、金型の製造コストを抑えることができるとともに、各々の軸筒を共通部品にでき、より一層、製造コストを抑えることができる。
請求項3により、より一層、金型の製造コストを抑えることができるとともに、各々のインキ保溜部材を共通部品にでき、より一層、製造コストを抑えることができる。
請求項4により、極太の筆跡幅を有するペン先を備えた直液式筆記具を、商品群の一つとして容易に加えることができる。
請求項5により、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られると同時に、金型の製造コストを抑えることができる直液式ボールペン群を得る。
請求項6により、極太の筆跡幅を有するボールペンチップを有するボールペンを、商品群の一つとして容易に加えることができる。
本発明を実施するための最良の形態を説明する。
〔1〕本発明の実施の形態の直液式筆記具群は、同種で筆跡幅が異なるペン先2,6を各々の先端に備えたインキ保溜部材3,7を、各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入し、前記各々の軸筒4,8内のインキ保溜部材3,7の後方に、インキを直に貯溜するインキタンク41,81を形成し、前記各々のインキ保溜部材3,7が、インキタンク41,81内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部31,71を備え、前記インキ保溜部31,71とインキタンク41,81との間のインキ及び空気の流通を可能にする毛細管力を有する空気交替孔42,82を、各々のインキ保溜部材3,7の後端に形成した、複数種の直液式筆記具1,5からなる直液式筆記具群であって、前記各々のインキ保溜部材3,7のインキ保溜部31,71を共通にするとともに、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の空気交替孔42の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の空気交替孔82の毛細管力よりも小さく形成したこと(請求項1)を要件とする。
前記直液式筆記具群(請求項1)は、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の空気交替孔42の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の空気交替孔82の毛細管力よりも小さく形成したことにより、筆跡幅の細いペン先6のインキ消費量を小さく、筆跡幅の太いペン先2のインキ消費量を大きくでき、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られる。
さらに、前記直液式筆記具群(請求項1)は、前記各々のインキ保溜部材3,7のインキ保溜部31,71を共通にすること(即ちインキ保溜部31,71を共通の形状寸法にすること)により、各々の空気交替孔42,82のみを異なる寸法形状にすればよく、その結果、各々のインキ保溜部材3,7の金型の製造コストを抑えることができる。
尚、本発明で、直液式筆記具群とは、同種で異なる筆跡幅のペン先を備えた少なくとも2本の直液式筆記具からなる。
〔2〕前記直液式筆記具群(請求項1)において、前記各々のインキ保溜部材3,7の空気交替孔42,82が、インキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝32a,72aと、インキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面が圧接する軸筒4,8の内周面とから構成され、前記各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の後端鍔部32の外径Bを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の後端鍔部72の外径Bより小さく設定し、前記各々のインキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面が圧接する各々の軸筒4,8の内周面の内径Aを等しく設定し、前記各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sよりも大きく設定したこと(請求項2)が好ましい。
前記直液式筆記具群(請求項2)は、各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sよりも大きく設定したことにより、筆跡幅の太いペン先2側の空気交替孔42の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先6側の空気交替孔82の毛細管力よりも小さく設定できる。
即ち、前記直液式筆記具群(請求項2)は、各々のインキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面の外径Bのみを変化させることにより、異なる毛細管力を有する空気交替孔42,82を得る。それにより、各々の連通溝32a,72aの溝幅Sを異なる形状寸法にする必要がなくなるとともに、より一層、インキ保溜部材3,7の金型の製造が容易となり、金型の製造コストを抑えることができる。また、前記直液式筆記具群(請求項2)は、各々の軸筒4,8を共通部品にでき、より一層、製造コストを抑えることができる。
〔3〕前記直液式筆記具群(請求項1)において、前記各々のインキ保溜部材3,7の空気交替孔42,82が、インキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝32a,72aと、インキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面が圧接する軸筒4,8の内周面とから構成され、前記各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の後端鍔部32の外周面が圧接可能な軸筒4の内周面の内径Aを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の後端鍔部72の外周面が圧接可能な軸筒8の内周面の内径Aより大きく設定し、前記各々のインキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面の外径Bを等しく設定し、前記各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sよりも大きく設定したこと(請求項3)が好ましい。
前記直液式筆記具群(請求項3)は、各々のインキ保溜部材3,7を各々の軸筒4,8の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先2を備えたインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sを、筆跡幅の細いペン先6を備えたインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sよりも大きく設定したことにより、筆跡幅の太いペン先2側の空気交替孔の毛細管力42を、筆跡幅の細いペン先6側の空気交替孔82の毛細管力よりも小さく設定できる。
即ち、前記直液式筆記具群(請求項3)は、各々のインキ保溜部材3,7の後端鍔部32,72の外周面が圧接可能な軸筒4,8の内周面の内径Aのみを変化させることにより、異なる毛細管力を有する空気交替孔42,82を得る。それにより、各々の連通溝32a,72aの溝幅Sを異なる形状寸法にする必要がなくなり、より一層、各々の軸筒4,8の金型の製造が容易となり、金型の製造コストを抑えることができる。また、前記直液式筆記具群(請求項3)は、各々のインキ保溜部材3,7を共通部品にでき、より一層、製造コストを抑えることができる。
〔4〕前記直液式筆記具群(請求項1、2または3)において、筆跡幅の太いペン先2における100m当たりのインキ消費量が、200mg以上であること(請求項4)が好ましい。
前記直液式筆記具群(請求項4)は、前記請求項1乃至3の構成と相まって、極太の筆跡幅を有するペン先を備えた直液式筆記具を、商品群の一つとして容易に加えることができる。尚、本発明でインキ消費量は、JIS S6054に準拠し、筆記試験機による筆記試験(荷重100g、筆記角度62.5度、筆記速度4m/分)により測定した。
〔5〕前記直液式筆記具群(請求項1、2、3または4)において、前記各々のペン先2,6が、ボール外径の異なるボールペンチップであり、筆跡幅の太いペン先2のボール21の外径が、筆跡幅の細いペン先6のボール61の外径よりも大きく設定されること(請求項5)が好ましい。
前記直液式筆記具群(請求項5)は、前記請求項1乃至3の構成と相まって、筆跡幅に応じた適正なインキ消費量が得られると同時に、金型の製造コストを抑えることができる直液式ボールペン群を得る。
〔6〕前記直液式筆記具群(請求項5)において、前記筆跡幅の太いペン先2のボール21の外径が、1.0mm以上であること(請求項6)が好ましい。
前記直液式筆記具群(請求項6)は、前記請求項1乃至3の構成と相まって、極太の筆跡幅を有するボールペンチップを有するボールペンを、商品群の一つとして容易に加えることができる。
本発明の実施例を図面に従って説明する。
(第1実施例)
図1乃至図8に本発明の実施例の直液式筆記具群を示す。図1乃至図4に、前記直液式筆記具群を構成する、筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1を示す。
・筆跡幅の太いペン先を備えた直液式筆記具
前記筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1は、前部にインキ保溜部材3が装着され且つ後部にインキを直に貯溜するインキタンク41が形成された軸筒4と、前記インキ保溜部材3の前部に取り付られるペン先2(具体的にはボールペンチップ)と、前記ペン先2とインキタンク41との間を毛細管力により接続する3つの部材(インキ誘導部材36、ジョイント35、中継芯34)とからなる。
前記軸筒4は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の射出成形より得られる有底円筒体であり、前端が開口され且つ後端が閉塞される。軸筒4の前端開口部にインキ保溜部材3が嵌入される。
ペン先2を構成するボールペンチップは、金属製(例えばステンレス鋼製)細管の先端にボール21(外径1.0mm)を回転可能に抱持したものであり、金属製細管の前端近傍側壁を内方へ押圧変形させることによりボール受け座を形成するタイプである。
前記ボールペンチップは、ペン先ホルダー37の前部に圧入固着され、該ペン先ホルダー37を介してインキ保溜部材3の軸心孔33の前端に圧入固着される。前記ボールペンチップの内部には、中継芯34(例えば、合成樹脂の棒状の押出成形体)が挿入され、前記中継芯34の前端がボール21の背面に接続している。また、前記ペン先ホルダー37の後部の内部には、合成樹脂製繊維束(例えば、ポリエステル繊維束)の樹脂加工体よりなるジョイント35が収容され、該ジョイント35の前端が前記中継芯34の後端と接続している。
前記インキ保溜部材3の軸心孔33には、合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂)の押出成形体よりなるインキ誘導部材36が後方より圧入される。前記インキ誘導部材36の前端は、円錐面状に切削加工され、前記ジョイント35の後端に突き刺し接続される。
前記インキ保溜部材3は、複数の円板状櫛歯を有する合成樹脂(例えばABS樹脂)の射出成形体であり、軸心に円形断面の軸心孔33が貫設され、隣接する各々の櫛歯の間に複数のインキ保溜溝31aが形成され、櫛歯群外面に軸方向のインキ誘導スリット31bが形成される。前記インキ保溜部材3の複数のインキ保溜溝31a及びインキ誘導スリット31bが、本発明のインキ保溜部31を構成する。
前記インキ保溜部材3の後端には、櫛歯群の最後部に位置する円板状の後端鍔部32が形成される。前記後端鍔部32には、軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝32aが形成される。前記後端鍔部32の外周面は、インキ保溜部材3を軸筒4の前端開口部に嵌入した際、軸筒4の内周面と圧接される。前記連通溝32aと軸筒4内周面とにより、インキタンク41とインキ保溜溝31aとの間の空気及びインキが流通可能な毛細管力を有する空気交替孔42が構成される。
前記筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1において、後端鍔部32の外周面が圧接される軸筒4の内周面の内径Aが、6.18mmに設定され、軸筒4に嵌入前のインキ保溜部材3の後端鍔部32の外周面の外径Bが、6.20mmに設定され、軸筒4に嵌入前のインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sが、0.175mmに設定される。軸筒4に嵌入後、前記インキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sは、0.10mm〜0.12mmであった。
・筆跡幅の細いペン先を備えた直液式筆記具
図5乃至図8に、前記直液式筆記具群を構成する、筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5を示す。
前記筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5は、筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1と同様、前部にインキ保溜部材が装着され且つ後部にインキを直に貯溜するインキタンク81が形成された軸筒8と、前記インキ保溜部材7の前部に取付られるペン先6(具体的にはボールペンチップ)と、前記ペン先6とインキタンク81との間を毛細管力により接続する3つの部材(インキ誘導部材76、ジョイント75、中継芯74)とからなる。
前記筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5に適用される軸筒8は、筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1と同様、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン)の射出成形より得られる有底円筒体であり、前端が開口され且つ後端が閉塞される。前記軸筒8の前端開口部にインキ保溜部材7が嵌入される。前記筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5に適用される軸筒8と、前記筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1に適用される軸筒4とは、共通部材であり、同一の寸法形状を有する。
ペン先6を構成するボールペンチップは、金属製(例えばステンレス鋼製)細管の先端にボール61(外径0.5mm)を回転可能に抱持したものであり、金属製細管の前端近傍側壁を内方へ押圧変形させることによりボール受け座を形成するタイプである。
前記ボールペンチップは、筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1と同様、ペン先ホルダー77の前部に圧入固着され、該ペン先ホルダー77を介してインキ保溜部材7の軸心孔73の前端に圧入固着される。前記ボールペンチップの内部には、中継芯74(例えば、合成樹脂の棒状の押出成形体)が挿入され、前記中継芯74の前端がボール61の背面に接続している。また、前記ペン先ホルダー77の後部の内部には、合成樹脂製繊維束(例えば、ポリエステル繊維束)の樹脂加工体よりなるジョイント75が収容され、該ジョイント75の前端が前記中継芯74の後端と接続している。
前記インキ保溜部材7の軸心孔73には、合成樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂)の押出成形体よりなるインキ誘導部材76が後方より圧入される。前記インキ誘導部材76の前端は、円錐面状に切削加工され、前記ジョイント75の後端に突き刺し接続される。
前記インキ保溜部材7は、筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1と同様、複数の円板状櫛歯を有する合成樹脂(例えばABS樹脂)の射出成形体であり、軸心に円形断面の軸心孔73が貫設され、隣接する各々の櫛歯の間に複数のインキ保溜溝71aが形成され、櫛歯群外面に軸方向のインキ誘導スリット71bが形成される。前記インキ保溜部材7の複数のインキ保溜溝71a及びインキ誘導スリット71bが、本発明のインキ保溜部71を構成する。前記筆跡幅の細いペン先6側のインキ保溜部71と、筆跡幅の太いペン先2側のインキ保溜部31とは、形状寸法が同一である。
前記インキ保溜部材7の後端には、櫛歯群の最後部に位置する円板状の後端鍔部72が形成される。前記後端鍔部72には、軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝72aが形成される。前記後端鍔部72の外周面は、インキ保溜部材7を軸筒8の前端開口部に嵌入した際、軸筒8の内周面と圧接される。前記連通溝72aと軸筒8内周面とにより、インキタンク81とインキ保溜溝71aとの間の空気及びインキが流通可能な毛細管力を有する空気交替孔82が構成される。
前記筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5において、後端鍔部72の外周面が圧接される軸筒8の内周面の内径Aが、6.18mmに設定され、軸筒8に嵌入前のインキ保溜部材7の後端鍔部72の外周面の外径Bが、6.30mmに設定され、軸筒8に嵌入前のインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sが、0.175mmに設定される。軸筒8に嵌入後、前記インキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sは、0mm〜0.02mmであった。それにより、筆跡幅の太いペン先2側の空気交替孔の毛細管力42が、筆跡幅の細いペン先6側の空気交替孔の毛細管力82よりも、小さく設定される。
この第1実施例において、筆跡幅の太いペン先2側のインキ消費量は、100m当たり220mgであり、筆跡幅の細いペン先6側のインキ消費量は、100m当たり120mgであった。それにより、ペン先2側及びペン先6側のいずれも、筆跡の滲みや筆跡のカスレのない、適正なインキ吐出性を得ることができた。
(第2実施例)
前記筆跡幅の太いペン先2を備えた直液式筆記具1において、後端鍔部32の外周面が圧接される軸筒4の内周面の内径Aが、6.28mmに設定され、軸筒4に嵌入前のインキ保溜部材3の後端鍔部32の外周面の外径Bが、6.30mmに設定され、軸筒4に嵌入前のインキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sが、0.175mmに設定される。軸筒4に嵌入後、前記インキ保溜部材3の連通溝32aの径方向外方端部の溝幅Sは、0.10mm〜0.12mmであった。
前記筆跡幅の細いペン先6を備えた直液式筆記具5において、後端鍔部72の外周面が圧接される軸筒8の内周面の内径Aが、6.18mmに設定され、軸筒8に嵌入前のインキ保溜部材7の後端鍔部72の外周面の外径Bが、6.30mm設定され、軸筒8に嵌入前のインキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sが、0.175mmに設定される。軸筒8に嵌入後、前記インキ保溜部材7の連通溝72aの径方向外方端部の溝幅Sは、0mm〜0.02mmであった。それにより、筆跡幅の太いペン先2側の空気交替孔42の毛細管力が、筆跡幅の細いペン先6側の空気交替孔82の毛細管力よりも、小さく設定される。尚、他の構成は、第1実施例と同一であり、説明は省略する。
この第2実施例において、筆跡幅の太いペン先2側のインキ消費量は、100m当たり220mgであり、筆跡幅の細いペン先6側のインキ消費量は、100m当たり120mgであった。それにより、ペン先2側及びペン先6側のいずれも、筆跡の滲みや筆跡のカスレのない、適正なインキ吐出性を得ることができた。
尚、本発明で、前記ボールペンチップは、前記以外にも、金属材料の切削加工によりボール受け座を形成するタイプのボールペンチップでもよい。さらに、前記ペン先の種類は、ボールペンチップ以外にも、例えば、繊維ペン体、ポーラスペン体、合成樹脂の押出成形体よりなるペン体、パイプペン体、先端にスリットを有する板状ペン体が挙げられる。
尚、本発明で、前記インキ保溜部材のインキ保溜部は、インキタンクの内圧が上昇した際にインキタンクからの余剰インキを一時的に保持し、一方、インキタンクの内圧が低下した際に前記一時的に保持したインキをインキタンクに戻す機能を有する部材であればよく、本実施例の他にも、例えば、螺旋状や迷路状のインキ保溜溝を有する合成樹脂の射出成形体、または多孔質含浸体が挙げられる。
本発明の実施例の筆跡幅の太いペン先を備えた直液式筆記具を示す縦断面図である。 図1のC−C線断面図である。 図1の軸筒に嵌入する前のインキ保溜部材を示す縦断面図である。 図3のD−D線断面図である。 本発明の実施例の筆跡幅の細いペン先を備えた直液式筆記具を示す縦断面図である。 図5のE−E線断面図である。 図5の軸筒に嵌入する前のインキ保溜部材を示す縦断面図である。 図7のF−F線断面図である。
符号の説明
1 直液式筆記具(筆跡幅の太いペン先側)
2 ボールペンチップ(ペン先)
21 ボール
3 インキ保溜部材
31 インキ保溜部
31a インキ保溜溝
31b インキ誘導スリット
32 後端鍔部
32a 連通溝
33 軸心孔
34 中継芯
35 ジョイント
36 インキ誘導部材
37 ペン先ホルダー
4 軸筒
41 インキタンク
42 空気交替孔
5 直液式筆記具(筆跡幅の細いペン先側)
6 ボールペンチップ(ペン先)
61 ボール
7 インキ保溜部材
71 インキ保溜部
71a インキ保溜溝
71b インキ誘導スリット
72 後端鍔部
72a 連通溝
73 軸心孔
74 中継芯
75 ジョイント
76 インキ誘導部材
77 ペン先ホルダー
8 軸筒
81 インキタンク
82 空気交替孔
A 後端鍔部の外周面が圧接される軸筒の内周面の内径
B 軸筒に嵌入前のインキ保溜部材の後端鍔部の外周面の外径
S インキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅

Claims (6)

  1. 同種で筆跡幅が異なるペン先を各々の先端に備えたインキ保溜部材を、各々の軸筒の前端開口部に嵌入し、前記各々の軸筒内のインキ保溜部材の後方に、インキを直に貯溜するインキタンクを形成し、前記各々のインキ保溜部材が、インキタンク内の圧力上昇に応じた溢出インキを一時的に保持するインキ保溜部を備え、前記インキ保溜部とインキタンクとの間のインキ及び空気の流通を可能にする毛細管力を有する空気交替孔を、各々のインキ保溜部材の後端に形成した、複数種の直液式筆記具からなる直液式筆記具群であって、
    前記各々のインキ保溜部材のインキ保溜部を共通にするとともに、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の空気交替孔の毛細管力よりも小さく形成したことを特徴とする直液式筆記具群。
  2. 前記各々のインキ保溜部材の空気交替孔が、インキ保溜部材の後端鍔部に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝と、インキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する軸筒の内周面とから構成され、
    前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外径を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外径より小さく設定し、前記各々のインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する各々の軸筒の内周面の内径を等しく設定し、
    前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅よりも大きく設定した請求項1記載の直液式筆記具群。
  3. 前記各々のインキ保溜部材の空気交替孔が、インキ保溜部材の後端鍔部に軸方向に貫設され且つ径方向外方に開口されたスリット状の連通溝と、インキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接する軸筒の内周面とから構成され、
    前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入する前において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接可能な軸筒の内周面の内径を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の後端鍔部の外周面が圧接可能な軸筒の内周面の内径より大きく設定し、前記各々のインキ保溜部材の後端鍔部の外周面の外径を等しく設定し、
    前記各々のインキ保溜部材を各々の軸筒の前端開口部に嵌入した後において、筆跡幅の太いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅を、筆跡幅の細いペン先を備えたインキ保溜部材の連通溝の径方向外方端部の溝幅よりも大きく設定した請求項1記載の直液式筆記具群。
  4. 筆跡幅の太いペン先における100m当たりのインキ消費量が、200mg以上である請求項1、2または3記載の直液式筆記具群。
  5. 前記各々のペン先が、ボール外径の異なるボールペンチップであり、筆跡幅の太いペン先のボール外径が、筆跡幅の細いペン先のボール外径よりも大きく設定される請求項1、2、3または4記載の直液式筆記具群。
  6. 前記筆跡幅の太いペン先のボール外径が、1.0mm以上である請求項5記載の直液式筆記具群。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110481202A (zh) * 2019-07-29 2019-11-22 温州市新亚文具有限公司 直液式彩色笔芯

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