JP2006121973A - カフェインの少ない不発酵茶及びその製造方法 - Google Patents

カフェインの少ない不発酵茶及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 カテキンを維持したままカフェインを選択的に除去した不発酵茶、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 1)酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶、および2)緑茶の生葉を蒸す工程と、前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程とを含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カフェインの少ない不発酵茶及びその製造方法に関する。
緑茶の効用成分として、緑茶カテキンの抗肥満効果が注目されている。これまでカテキンは、高い抗酸化能力により、抗老化、抗アレルギー等に効果があるといわれていたが、抗肥満、特に中性脂肪減少効果が注目され、カテキン摂取のために緑茶を飲用する若い女性や男性が増加している。しかし、緑茶に含まれるカフェインには、中枢神経興奮、胃酸分泌促進等の作用があるため、神経興奮効果が注目されている反面、その過剰摂取により神経が過剰に興奮し眠りにくくなったり怒りっぽくなったりという悪影響も報告されている。
従来の緑茶は、緑茶カテキンを13%、カフェインを2.3%含んでおり、カテキンをたくさん摂取するとカフェインの摂取量も増えてしまうという問題があった。一例として、体脂肪代謝改善効果について考えてみる。体内の脂肪代謝を改善し、体脂肪を減らすためには、1日540 mgの緑茶カテキンを摂取することが必要とされているが、その量のカテキンを摂取すると同時に150 mgのカフェインが摂取されてしまう。この150 mgの量のカフェインは、神経に悪影響を及ぼす量である。したがって、緑茶の効用を引き出し、一日の緑茶摂取量を増加させるためには、カフェインが少ない割にはカテキンの豊富なお茶が望まれる。
また、茶系ドリンクは、近年非常に販売が伸びてきているが、茶系ドリンクは基本的にお湯で抽出して製造され、その後冷却され、常温で流通している。そのため、製造時には溶解していたカフェインおよびカテキンがともに、冷却にともなって溶解度が低下したり、反応により両者のコンプレックスをつくって沈殿したりすることが知られている。これは、“オリ”といわれ、透明のペットボトルでは敬遠されている。したがって、このような理由からも、お茶のカテキン量を維持したままカフェインの量を低減することが必要であると考える。
一般に不発酵茶は、生葉に熱を加えることにより生葉中の酵素を殺青し、その後揉みながら乾燥させることにより製造される。生葉に熱を加え生葉中の酵素を不活性化する方法には、「蒸す」、「炒る」の2種類の方法が実用化されており、その他、「お湯でゆがく」という方法が知られている。生葉を「蒸す」または「炒る」だけでは、緑茶中の酵素を不活性化させることはできても、緑茶中の成分含量を変化させることはできない。しかし、「お湯でゆがく」方法で殺青すると、カフェインとカテキンの温度による溶解度の差によりカフェインが減少することが知られている。ただ、カフェイン、カテキンともに水にも油にも溶けにくい物質であるため、温度による溶解度の差だけでカフェインを除去することは難しく、また、装置の改良が必要なことから「お湯でゆがく」方法は汎用されていない。
上記事情に鑑み、本発明は、カテキンを維持したままカフェインを選択的に除去した不発酵茶、およびその製造方法を提供することを目的とする。
なお、茶は葉に含まれる緑茶カテキンの機能性が注目され、嗜好性飲料としてだけでなく機能性飲料としても注目されている。今日、機能性飲料の需要や消費が高まっていることもあり、機能性面で悪影響を及ぼすカフェインを除去することが望まれる。
上記課題を解決するため、本発明者が検討を重ねた結果、以下のことを見出し本発明を完成させるに至った。
a)カテキンやカフェインは、水にも油にも溶けにくい両性物質であるが、水溶液のpHをコントロールすることにより水溶性を調整することができる。たとえば、カテキンは酸性物質なのでアルカリ性の水溶液で溶けやすく、カフェインはアルカリ性物質なので酸性の水溶液に溶けやすい。
b)通常の茶葉は酸性溶液で洗浄してもカフェインが溶解して減少することはないが、一度蒸した茶葉は、その後酸性溶液で洗浄すると、カフェインが溶解して茶葉中のカフェインが減少する。あるいは茶葉を酸性溶液中でゆでることにより、茶葉中の酵素を不活性化させると、カフェインが溶解して茶葉中のカフェインが減少する。
c)上記酸性溶液での処理により酸性溶液が付着した茶葉は、クロロフィルが分解して変色してしまうが、水洗や中和により茶葉の変色を抑えることができる。
上記発見に基いて、本発明は、以下の手段を提供する。
(1) 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(2) 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
前記工程により得られた茶葉を水洗する工程と
を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(3) 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
前記工程により得られた茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(4) 緑茶の生葉を蒸す工程と、
前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と
を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(5) 緑茶の生葉を蒸す工程と、
前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
前記洗浄後の茶葉を水洗する工程と
を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(6) 緑茶の生葉を蒸す工程と、
前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
前記洗浄後の茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
(7) 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
(8) 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
前記工程により得られた茶葉を水洗するか、または前記工程により得られた茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
(9) 緑茶の生葉を蒸す工程と、
前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と
を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
(10) 緑茶の生葉を蒸す工程と、
前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
前記洗浄後の茶葉を水洗するか、または前記洗浄後の茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
本発明に従って酸性溶液で茶葉をゆでることにより、通常のお湯でゆでる以上に、茶葉からカフェインを選択的に除くことが可能である。これにより、茶葉由来のカテキンを保持したままカフェインを選択的に除去した不発酵茶を製造することが可能である。さらに、茶葉に付着している酸性溶液を水洗するか、またはアルカリ水で中和することにより、酸性溶液による茶葉の変色を抑えることが可能である。
また、本発明に従って蒸し終わった茶葉を酸性溶液に浸すことにより、茶葉からカフェインを選択的に除くことが可能である。これにより、茶葉由来のカテキンを保持したままカフェインを選択的に除去した不発酵茶を製造することが可能である。さらに、茶葉に付着している酸性溶液を水洗するか、またはアルカリ水で中和することにより、酸性溶液による茶葉の変色を抑えることが可能である。
以下、本発明のカフェインの少ない不発酵茶を、その製法により詳細に説明する。
本発明のカフェインの少ない不発酵茶の原料となる茶葉は、緑茶の原料となる生葉であれば任意のものを使用することができる。
本発明の一態様に従えば、本発明のカフェインの少ない不発酵茶は、酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む方法により作成される。
本発明において「酸性溶液」は、pH1〜7の溶液であり、好ましくはpH2〜5の溶液である。「酸性溶液」は、カフェインに対して酸として働き、カフェインと水溶性の塩をつくる酸で、食品への使用が可能なものであれば、任意の化合物の溶液を使用することができる。「酸性溶液」の例としては、有機酸の溶液、無機酸の溶液、およびそれらの塩が挙げられる。
有機酸の溶液としては、たとえば酢酸、炭酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、リンゴ酸等の溶液、およびこれらの混合溶液;食品の加工助剤または食品添加物として使用できるそれらの塩の溶液;並びに食品として使用可能な酸性溶液(たとえば食酢)が挙げられる。有機酸の溶液は、塩の状態とすることによりpHを調整してもよい。また、グルクノデルタラクトンのように水に溶けると酸性を呈する有機化合物の溶液も本発明において使用可能である。
無機酸の溶液としては、たとえば塩酸、燐酸、ポリリン酸等の溶液、並びに食品の加工助剤または食品添加物として使用できるそれらの塩の溶液が挙げられる。無機酸の溶液は、アルギニン等の塩基性化合物または前述の有機酸の塩を添加して、pHを調整することができる。また、酸性溶液として、揮発性の高い酢酸、塩酸、炭酸、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム等を使用すると、その後の水洗操作の必要が軽減されるので望ましい。
また、「酸性溶液」として、食用の塩(酸性物質と塩基性物質が結合した物質)を溶解した水を電気的に分解することにより得られる酸性水を使用することもできる。
酸性溶液の濃度や緩衝能によりカフェインの除去能力は変化するので、採用する酸性溶液の種類、濃度およびpHは、適宜設定することが望ましい。酸性溶液の濃度に関しては、酸性溶液中の酸性物質が、カフェインと1:1で反応し水溶性の塩を形成することによりカフェインを除去し得るので、酸の量(モル量)で規定される。すなわち、モル換算で除去したいカフェイン量以上の酸が必要である。しかし、反応性が100%でないため、カフェイン量と同量の酸を使用した場合は20%程度しかカフェインを除去できない。また、酸濃度が増加するに従い、除去できるカフェイン量は増えるが、反応性が低下する傾向があるので、酸の使用量とカフェインの除去能は必ずしも一致しない。これらのことを考慮すると、除去したいカフェインと同量から10倍量程度の酸含量が好ましい。たとえば、100gの緑茶の生葉をゆでる場合、100gの緑茶の生葉には約2.6g(=約0.013 mol)のカフェインが含有されるため、1価の酸の酸性溶液であれば、0.013 mol〜0.13 molの酸含量を有する酸性溶液を使用することができる。ここで、100gの生葉をゆでるのに10Lの酸性溶液を使用する場合、1.3〜13 mMの1価の酸の酸性溶液を使用することができる。1.3〜13 mMの1価の酸性溶液が酢酸である場合、0.008〜0.08重量%の酢酸に相当する。
また、酸性溶液のpHに関しては、pHが2付近以下の場合や無機酸の溶液の場合には、茶葉が変色し赤みが強くなるため、塩基(アルギニン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)でpHを調整することが望ましい。特に、解離基が複数ある酸を使用し、中和量に満たない塩基を加えて作った緩衝液は、緩衝能が高いためpHのコントロールが容易であり、カフェインを溶解してもpHの変動がないので、この場合の酸として望ましい。このような緩衝液としては、0.1 Mの燐酸に1.2等量程度(0.12 M)の水酸化ナトリウムを加えた緩衝液が挙げられる。
このような酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる際、調製した酸性溶液を加熱し、その中に生葉を添加してゆでることも可能であるが、酸性溶液の加熱により揮発性物質が気化することもあるので、沸騰したお湯に酸、塩基、塩等を、所定の濃度になるように添加して酸性溶液を調製し、生葉をゆでることも可能である。
使用する酸性溶液の量は、当該溶液中に緑茶の生葉を浸すことが可能であれば任意であり、たとえば、緑茶の生葉100gあたり1Lとしてもよい。ゆでる温度は、好ましくは80℃以上であり、100℃に近いほうがより好ましい。このような温度にする理由は、カフェインが、高温、特に80℃以上で溶けやすいため、カフェインはカテキンよりも温度による溶解度差が大きいため、並びに、熱処理することにより茶葉中の酵素を不活性化する必要があるためである。ゆで時間は、たとえば5〜300秒、好ましくは5秒〜120秒、より好ましくは20〜40秒であるが、一度に添加される生葉の量や熱源の熱量等により、ゆでる時間は変化する。ゆで時間は長くなればそれだけカフェインが溶出し、茶葉中のカフェインが減少する傾向があるが、長時間ゆでると茶葉が褐変し、カテキンも同時に溶出するため、ゆで時間は120秒より長くならないことが望ましい。
上記手法に従って酸性溶液中でゆでた茶葉は、通常の茶製造工程に従って製品化され、カフェインの少ない不発酵茶が製造される。
本発明の別の態様に従えば、本発明のカフェインの少ない不発酵茶は、緑茶の生葉を蒸す工程と、当該工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程とを含む方法により作成される。
この態様において茶葉は、一般的な緑茶の製法で用いられる手法に従って蒸す。蒸し時間は、一般に10秒〜300秒、適切には30秒〜150秒である。
蒸した茶葉を酸性溶液で洗浄する。酸性溶液については、上述のものを使用することができる。洗浄は、酸性溶液に茶葉を浸漬させることにより行うことができる。あるいは、酸性溶液で茶葉をシャワー洗浄することにより行うこともできる。
酸性溶液への茶葉の浸漬は、蒸した茶葉を酸性溶液に入れ、たとえば10秒〜600秒の間室温に静置することにより行うことができる。浸漬の間に、酸性溶液を適宜攪拌してもよい。
酸性溶液の濃度や緩衝能によりカフェインの除去能力は変化するので、採用する酸性溶液の種類、濃度およびpHは、適宜設定することが望ましい。酸性溶液の濃度に関しては、酸含量で、除去したいカフェインと同量以上が好ましく、同量から100倍量程度の酸含量がより好ましい。酸性溶液の濃度をこのように設定する理由は上述したとおりである。ただし、シャワー洗浄の場合には、浸漬による洗浄の場合とは異なり、カフェインとの反応率が低くなりがちであるため、酸含量を1000倍程度まで増やしてもよい。
また、茶葉の酸性溶液への浸漬時間、および茶葉の蒸し時間もカフェインの減少効果に影響を及ぼすため、適宜設定することが望ましい。浸漬時間は、たとえば10〜600秒、好ましくは30〜300秒、より好ましくは60秒前後である。長時間浸漬すればそれだけカフェインが溶出し、茶葉中のカフェインが減少する傾向があるが、茶葉が褐変し、カテキンも同時に溶出するため、浸漬時間は300秒より長くならないことが望ましい。更に、茶葉の蒸し時間は、好ましくは10〜300秒、より好ましくは20〜150秒である。蒸し時間は、茶葉の細胞壁を破壊し、茶葉中の酵素活性を不活性化するだけの時間が必要であるため、10秒より短くならないことが望ましく、一方、長くなればそれだけカフェインが溶出しやすくなるが、長時間蒸すとその後の製茶工程が難しくなる傾向があるため、300秒より長くならないことが望ましい。
蒸す前の生葉を、酸性溶液で上述のとおり洗浄してもカフェインが溶出して茶葉中のカフェインが減少することはないが、一度蒸した茶葉は、上述のとおり酸性溶液で洗浄すると、カフェインが溶出して茶葉中のカフェインが減少する。これは、茶葉の表面の細胞が加熱により破壊されたことにより、細胞内のカフェインが溶出しやすくなったためと考えられる。ここで洗浄の際、カフェインの酸性溶液への溶解度とカテキンの酸性溶液への溶解度との差が効いているため、カテキンは溶出せず、カフェインが選択的に溶出する。
上記手法に従って酸性溶液で洗浄した茶葉は、通常の茶製造工程に従って製品化され、カフェインの少ない不発酵茶が製造される。
また、酸性溶液でゆでることにより上述のとおり処理された茶葉、および酸性溶液で洗浄することにより上述のとおり処理された茶葉はいずれも、処理後すぐに、茶葉に付着した酸性溶液を除去しておくことが望ましい。酸性溶液の除去は、茶葉を水洗するか、または茶葉に付着した酸性溶液を塩基性の中和用溶液もしくは塩基性の蒸気で中和することにより行うことができる。ここで、水洗および中和は、茶葉に流水または中和用溶液をかけて、茶葉表面を洗い流すことにより行ってもよいし、茶葉を水または中和用溶液中に浸漬させて行ってもよい。中和は、この処理によりアルカリ性に振れるとカテキンの褐変や溶出が起こるため、好ましくは使用した酸の1/100〜1の濃度の揮発性の塩(例えば炭酸アンモニウムや重曹)の溶液を使用することが望ましい。また、アンモニア等の揮発性の塩基性化合物やその塩を気化して作った塩基性蒸気を中和のために用いてもよい。
このように茶葉に付着した酸性溶液を除去せず茶葉に付着したままにしておくと、クロロフィルが分解し茶葉の変色が起こるが、茶葉を水洗するか、茶葉に付着した酸性溶液を中和することにより、変色を抑えることができる。特に冷水を用いた場合、カテキンが茶葉から溶け出すこともない上に、熱によるクロロフィルの褐変も抑えることができるという利点を有する。
また、塩基性の中和用溶液で茶葉を洗って中和し、その後水洗することにより、中和と水洗の両方を行ってもよい。このように中和後に水洗を行うことは、塩基性物質が茶葉に残らないため望ましい。
[実施例1]
水10Lを沸騰させた後、酢酸10ccを加え、茶の生葉100gを45秒茹でた。これを10回繰り返し、1kgのゆでた茶葉を得た。その後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶1を製茶した。
また、水10Lを沸騰させた後、酢酸10ccを加え、茶の生葉100gを45秒茹でたのち、直に水で水洗し、これを10回繰り返し、1kgのゆでた茶葉を得た。その後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶2を製茶した。
また、水10Lを沸騰させた後、酢酸10ccを加え、茶の生葉100gを45秒茹でたのち、直に0.01%重曹水で洗った。これを10回繰り返し、1kgのゆでた茶葉を得た。その後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶3を製茶した。
さらに、水10Lを沸騰させた後、茶の生葉100gを45秒茹で、これを10回繰り返し、1kgのゆでた茶葉を得た。その後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、対照茶を製茶した。
本実施例において、酢酸を添加することにより水溶液のpHは3.5となった。
このようにしてつくった低カフェイン茶および対照茶について、総カテキン量およびカフェイン量を測定した。測定は、HPLC法により行った。また、低カフェイン茶および対照茶の着色の程度を、通常荒茶を10として、経験豊富な検査員が肉眼で観察し、減点法で採点した。
その結果を以下の表1に示す。
Figure 2006121973
低カフェイン茶1〜3はいずれも、カテキンの量は水で茹でたもの(対照茶)とほとんど変わらないにもかかわらず、カフェインの量は40%程度減少した。また、水洗やアルカリでの中和により変色が低減された。
[実施例2]
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、0.1%酢酸溶液10Lに1分間浸潤した。なお、酢酸溶液への浸潤は、1%酢酸溶液1Lを用いて行ってもよい。その後水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶4を製茶した。
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、0.1%酢酸溶液10Lに1分間浸潤した。その後水で洗浄した後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶5を製茶した。
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、0.1%酢酸溶液10Lに1分間浸潤した。その後0.01%重曹水で洗浄した後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶6を製茶した。
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、1%酢酸溶液10Lに1分間浸潤した。その後水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶7を製茶した。
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、0.1%クエン酸溶液10Lに1分間浸潤した。その後水で洗浄した後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶8を製茶した。
茶の生葉1kgをベルトコンベアーに並べ各90秒ずつ蒸した後、通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、対照茶を製茶した。
本実施例において、酢酸またはクエン酸を添加することにより、水溶液のpHは2〜4となった。具体的には、0.1%の酢酸 pH3.5、1%の酢酸 pH 3.7、0.1%のクエン酸 pH 2.5であった。
このようにしてつくった低カフェイン茶および対照茶を、実施例1と同様に、総カテキン量、カフェイン量を測定し、変色の程度について評価した。
その結果を以下の表2に示す。
Figure 2006121973
低カフェイン茶4〜8はいずれも、カテキンの量は水で茹でたもの(対照茶)とほとんど変わらないにもかかわらず、カフェインの量は15〜40%程度減少した。また、水洗やアルカリでの中和により変色が低減された。
[実施例3]
酸性溶液中の酸の濃度の違いが、カフェイン減少率に及ぼす影響を検討した。
水10Lを沸騰させた後、酢酸を表3に示す種々の濃度で加え、茶の生葉100gを45秒茹でた。これを10回繰り返し、1kgのゆでた茶葉を得た。その後、水を切って通常どおり、粗揉、揉捻、中揉、精揉を行い、低カフェイン茶を製茶した。実施例1と同様にして、総カテキン量、カフェイン量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2006121973
酢酸濃度が低いとカフェイン減少率は低く、酢酸濃度が高くなるにつれカフェイン減少率が増大する傾向がみられた。しかし、10重量%の酢酸濃度は、カテキンの溶出を引き起こすため、カフェインを選択的に除去するためには、1重量%、0.1重量%の酢酸濃度が好ましい。

Claims (10)

  1. 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  2. 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
    前記工程により得られた茶葉を水洗する工程と
    を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  3. 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
    前記工程により得られた茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
    を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  4. 緑茶の生葉を蒸す工程と、
    前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と
    を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  5. 緑茶の生葉を蒸す工程と、
    前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
    前記洗浄後の茶葉を水洗する工程と
    を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  6. 緑茶の生葉を蒸す工程と、
    前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
    前記洗浄後の茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
    を含む方法により得られる、カフェインの少ない不発酵茶。
  7. 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
  8. 酸性溶液中で緑茶の生葉をゆでる工程と、
    前記工程により得られた茶葉を水洗するか、または前記工程により得られた茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
    を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
  9. 緑茶の生葉を蒸す工程と、
    前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と
    を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
  10. 緑茶の生葉を蒸す工程と、
    前記工程により得られた茶葉を酸性溶液で洗浄する工程と、
    前記洗浄後の茶葉を水洗するか、または前記洗浄後の茶葉をアルカリ性流体で中和する工程と
    を含む、カフェインの少ない不発酵茶の製造方法。
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