JP2006127366A - タイヤモデル作成方法およびタイヤ性能シミュレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ性能をシミュレーションにより解析するためのタイヤモデル10作成方法であって、タイヤのトレッド部をモデル化したトレッド部モデル12を作成するステップと、タイヤから前記トレッド部を除いたケーシング部をモデル化した2次元形状の断面モデルを作成するステップと、前記断面モデルを構成する節点位置を、タイヤモデル10周方向に移動することにより、前記2次元形状の断面モデルを3次元形状の断面モデルに修正するステップと、修正された前記断面モデルをタイヤモデル10周方向に展開しながら要素分割して、3次元形状のケーシング部モデル14を作成するステップと、前記ケーシング部モデル14と前記トレッド部モデル12とを結合するステップとを含む。
【選択図】図2
Description
有限要素法によるシミュレーションでは、コンピュータを使用してタイヤの有限要素モデルを作成し、作成したタイヤモデルを用いてタイヤの静止状態あるいは転動状態を模擬し、このときタイヤモデルに生じる物理量を取得してタイヤ特性を評価している。
このタイヤ特性を用いることで、実際にタイヤを作製することなく、タイヤ特性の優れたタイヤを設計することができ、そうすることにより、タイヤの開発効率の向上を図ることができる。
そのため、トレッド部モデルに刻まれたトレッドパターンと必ずしも一致しておらず、タイヤモデルの接地状態におけるトレッド部モデルの曲げ変形が十分に再現されていない場合があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、前記従来技術を解決することにあり、トレッドパターンが刻まれたトレッド部モデルの変形自由度をより忠実に再現することができるタイヤモデルを利用することによって、従来と比較して解析精度が優れたタイヤ性能シミュレーション方法を提供する。
あるいは、タイヤ性能をシミュレーションにより解析するためのタイヤモデル作成方法であって、タイヤのトレッド部をモデル化したトレッド部モデルを作成するステップと、タイヤから前記トレッド部を除いたケーシング部をモデル化し、要素分割されたケーシング部モデルを作成するステップと、ケーシング部モデルを構成する節点位置を、タイヤモデル周方向に移動することにより、要素分割された前記ケーシング部モデルの節点位置を修正するステップと、前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルとを結合するステップとを含むことを特徴とする。
結合ステップは、前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルの結合面において、相対位置が変化しないように拘束条件を設定することで、前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルを結合することが好ましい。
タイヤモデルは、所定のピッチ長さをもった形状が繰り返し配列されるトレッドパターンを有する前記トレッド部モデルと前記ケーシング部モデルが接する境界面で、前記ピッチ長さに対して2〜30個の範囲で要素分割されていることが好ましい。
あるいは、タイヤモデルは、ケーシング部モデルがトレッド部モデルと接する境界面におけるケーシング部モデルの分割線が、タイヤモデルを接地させた状態における接地面前端または後端の接地輪郭線に沿うように、要素分割されていることが好ましい。
図1は、タイヤモデル作成方法を実行し、実際のタイヤ特性試験をシミュレーションして、タイヤ特性の解析を実行するシミュレーション装置の概略を示す概略図である。
メモリ3としては、コンデンサに電気を蓄えることによって、情報を記憶するDRAM(Dynamic Random Access Memory)、コンデンサを使用せず、論理回路でメモリを構成しているSRAM(Static Random Access Memory)や、CPUによる実行プログラムなどを記憶する不揮発性で読み取り専用なROM(Read Only Memory)などの半導体記憶装置がある。
入力装置5は、モデル作成条件、処理条件、あるいは特性演算条件など各種の条件を入力するものであり、代表的なものとしてキーボードやマウスなどがある。出力装置6は、入力装置5からの入力結果やタイヤ特性の解析結果などを表示するものであり、代表的なものとしてディスプレイやプリンタなどがある。
外部記憶装置7としては、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、CDやDVDといった光学ディスクなどがある。
タイヤモデル10は、直接地面と接し、厚いゴム層で形成されるトレッド部モデル12と、タイヤにかかる荷重と接地面圧を最適に分散させるケーシング部モデル14に大別することができる。以下、トレッド部モデル12とケーシング部モデルに分けて説明する。
トレッド部モデル12は、直接路面と接するトレッド部の形状を忠実に再現しており、トレッド部モデル12には、ウェット路面における制動力、直進性やコーナーリング性などを良くするためのストレート溝16、駆動力が制動力などをより良くするためのラグ溝18、雪に食い込むことにより生じるせん断抵抗により駆動力や制動力などをより良くするためのサイプがある。
ケーシング部モデル14は、タイヤの骨格をなす部材であるカーカス部、トレッド部とカーカス部の間に位置するコード補強材であるベルト部、コード補強材の末端を支持し、タイヤをホイールのリム部に固定するビード部、およびタイヤ側面のサイド部などを再現したモデルである。
ケーシング部モデル14の表面要素の分割線は、トレッド部モデル12のトレッドパターンに沿うように要素分割される。
したがって、このようなタイヤモデルを利用することによって、従来と比較して解析精度が優れたタイヤ性能シミュレーションを行うことができる。
このようなタイヤ性能シミュレーションとしては、荷重負荷時の形状、バネ特性、応力、ひずみ、ひずみエネルギー、損失エネルギー、転がり抵抗、補強コード張力、接地形状、接地圧、コーナーリング時の制動性や駆動性、ウェット路面におけるハイドロプレーニング、スノー、アイス、接地面内のすべり、接触せん断応力、摩擦エネルギー、振動特性、騒音特性、突起乗り越しなどがある。
トレッド部の曲げ剛性は、陸部と比較して溝部の方が低いため、タイヤの接地状態における接地面の前端部および後端部では、トレッド部に設けられたラグ溝を基点として、このラグ溝に沿って曲げ変形が生じ、接地面の前端部および後端部を中心に圧縮応力と引張応力が加わる。
そこで、トレッド部モデルのトレッドパターンに沿うように要素分割されたタイヤモデル10を用いることで、トレッド部モデルの変形をより忠実に再現することができる。
ケーシング部モデル14は、ストレート溝16だけでなくラグ溝18にも沿って、要素分割される。
このようにケーシング部モデル14を要素分割したタイヤモデル10を用いてタイヤ性能シミュレーションを実行することにより、ラグ溝18を基点としてトレッド部モデル12の曲げ変形に対する自由度が設定され、シミュレーションの解析精度を向上させることができる。また、図6のように、サイプ20を有するトレッドパターンの場合は、ラグ溝18だけではなく、サイプ20に沿って要素分割することが好ましい。
また、ケーシング部モデル14の要素分割は、トレッドパターンの1ピッチに対して15分割以上としても、解析精度に与える影響は少なく、要素数の増大に伴い演算時間が増加するため、ケーシング部モデル14の要素分割は30分割以下とすることが好ましく、20分割以下とすることがさらに好ましい。
図7はケーシング部モデル14の2次元形状の断面モデルを示し、図8はケーシング部モデル14の3次元形状の断面モデルを示す。図9は本発明のタイヤモデル10の作成方法を示すフロー図である。図10はケーシング部モデル14の作成方法を示すフロー図である。
本発明のタイヤモデル10は、トレッドパターンのラグ溝18に沿って要素分割されたケーシング部モデル14を含む有限要素モデルであり、トレッド部モデル12とケーシング部モデル14を別々に作成し、それらを結合することで作成される。
タイヤのトレッド部をモデル化したトレッド部モデル12を作成する(S100)。
トレッド部モデル12は、トレッドパターンが刻まれたタイヤのトレッド部を再現したモデルである。
トレッド部モデル12は四面体、五面体や六面体などのソリッド要素で規定される3次元要素モデルであり、所望のタイヤ特性の解析精度に基づいて詳細に要素分割される。
トレッドパターンの2次元平面展開モデルを用いて、平面形状要素から成るトレッドパターンのメッシュ分割モデルを作成し、そのメッシュ分割モデルをタイヤトレッド部モデルの表面に転写する。作成されたメッシュ分割モデルの平面形状要素各々を形成する節点をタイヤ溝底曲面上に、タイヤトレッド部モデルの表面に対して垂直方向に、あるいは、所望の傾斜角度を付けて写像した溝底対応点を求め、節点およびこの溝底対応点を用いてタイヤトレッドパターンの立体形状要素を作成し、3次元トレッドパターン有限要素モデルを作成する(詳しくは、特開2002−283816号公報参照)。
しかしながら、トレッド部モデル12の作成方法について特に限定はない。
有限要素モデルの結合方法は、結合面において互いの節点位置が同一になるように要素を分割し、同一となる節点を一体化する節点共有型ではなく、節点非共有型の結合方法であることが好ましい。
節点非共有型の結合方法は、一方を結合面とし、他方を被結合面として定め、この結合面に位置する要素の節点が、結合される面である被結合面に位置する要素の節点に対して、相対的に変化しないような拘束条件を付与する結合方法である。
次に、トレッド部モデル12の結合面における各節点の挙動を、各節点を内包するケーシング部モデル14の要素を構成する節点の挙動によって規制するための拘束条件を求める。この拘束条件によりトレッド部モデル12の挙動を拘束する。
この拘束条件は位置情報および形状関数を用いて定められる。形状関数は、トレッド部モデル12の各節点を内包するケーシング部モデル14の要素の形状を、パラメトリック空間上の所定の基準形状から形状変換する際に用いられる関数であり、この位置情報は、トレッド部モデル12の各節点の基準形状内における対応点の位置情報である(詳しくは、特願2004−29195号明細書参照)。
したがって、本発明では、節点非共有型の結合方法により、トレッド部モデル12とケーシング部モデル14を結合することにより、各モデルを要素分割する際に境界面において互いの節点を同一位置に合わせることなく、それぞれのモデルを比較的容易に要素分割することができる。
ケーシング部モデル14がトレッド部モデル12のラグ溝18に合わせて要素分割されたタイヤモデル10を作成するには、図7に示すケーシング部モデル14の2次元断面形状の断面モデルを作成する(S200)。
解析対象とするタイヤのケーシング部の断面形状を再現した断面モデルを作成し、所定の要素サイズに要素分割する。
予め決められた3次元形状の断面モデルは、解析対象となるタイヤモデル10のトレッドパターンのラグ溝18や、タイヤモデル10の接地形状の輪郭線に沿うような断面形状を予備解析や実験などにより求めて再現したモデルである。
3次元形状の断面モデルを展開させる際に軸となる、タイヤモデル10の中心軸を設定する。タイヤモデル10の中心軸を中心に、3次元形状の断面モデルを構成する節点を所定角度ずつ移動させて、新たな節点を追加するとともに、新たな節点により構成される要素を追加していき、3次元形状の断面モデルをタイヤモデル10の中心軸に沿って一周移動させる。
そうすることにより、3次元形状の断面モデルに応じて要素分割されたケーシング部モデル14を作成することができる。
上述の実施形態では、図2に示すトレッドパターンが刻まれたタイヤモデル10のケーシング部モデル14について説明したが、本発明のケーシング部モデル14はこれに限定されない。例えば、図11に示すように、片側方向に傾斜して要素分割されたケーシング部モデルであってもよく、あるいは図12に示すように、タイヤ幅方向に対して両端から中央に向かってV字状に傾斜して要素分割されたケーシング部モデルであってもよい。
例えば、トレッドパターンのラグ溝を考慮することなく要素分割されたケーシング部モデルを作成する。次に、ケーシング部モデルを構成する節点位置をタイヤモデル周方向に移動することにより、トレッドパターンのラグ溝に沿って要素分割されるように、節点位置を修正する。その後、トレッドパターンのラグ溝に沿って要素分割されたケーシング部モデルと、別途作成したトレッド部モデルとを結合することによりタイヤモデルを作成してもよい。
すなわち、タイヤモデルを接地させた状態における接地面前端または後端の接地輪郭線に沿うように要素分割されたタイヤモデル10を用いることでも、トレッド部モデルの変形をより忠実に再現することができる。
2 CPU
3 メモリ
4 I/Oインターフェース
5 入力装置
6 出力装置
7 外部記憶装置
10 タイヤモデル
12 レッド部モデル
14 ケーシング部モデル
16 ストレート溝
18 ラグ溝
20 サイプ
Claims (9)
- タイヤ性能をシミュレーションにより解析するためのタイヤモデル作成方法であって、
タイヤのトレッド部をモデル化したトレッド部モデルを作成するステップと、
タイヤから前記トレッド部を除いたケーシング部を、モデル化した2次元形状の断面モデルを作成するステップと、
前記断面モデルを構成する節点位置を、タイヤモデル周方向に移動することにより、前記2次元形状の断面モデルを3次元形状の断面モデルに修正するステップと、
修正された前記断面モデルをタイヤモデル周方向に展開しながら要素分割して、3次元形状のケーシング部モデルを作成するステップと、
前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルとを結合するステップとを含むことを特徴とするタイヤモデル作成方法。 - タイヤ性能をシミュレーションにより解析するためのタイヤモデル作成方法であって、
タイヤのトレッド部をモデル化したトレッド部モデルを作成するステップと、
タイヤから前記トレッド部を除いたケーシング部をモデル化し、要素分割されたケーシング部モデルを作成するステップと、
ケーシング部モデルを構成する節点位置を、タイヤモデル周方向に移動することにより、要素分割された前記ケーシング部モデルの節点位置を修正するステップと、
前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルとを結合するステップとを含むことを特徴とするタイヤモデル作成方法。 - 前記結合するステップは、前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルの結合面において、相対位置が変化しないように拘束条件を設定することで、前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルを結合する請求項1または2に記載のタイヤモデル作成方法。
- ケーシング部とトレッド部からなるタイヤをモデル化したタイヤモデルを用いて有限要素法によってタイヤ性能をシミュレーションする方法であって、
タイヤのケーシング部をモデル化したケーシング部モデルのうちで、少なくともトレッド部をモデル化したトレッド部モデルと接する境界面上における、ラジアル方向の分割面が、タイヤ回転軸を含むラジアル方向の断面と交差するタイヤモデルを用いることを特徴とするタイヤ性能シミュレーション方法。 - 前記タイヤモデルは、ケーシング部モデルがトレッド部モデルと接する境界面におけるケーシング部モデルの分割線が、トレッド部モデルのラグ溝に沿うように、要素分割されている請求項4に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
- 前記タイヤモデルは、所定のピッチ長さをもった形状が繰り返し配列されるトレッドパターンを有する前記トレッド部モデルと前記ケーシング部モデルが接する境界面で、前記ピッチ長さに対して2〜30個の範囲で要素分割されている請求項4または5に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
- 前記タイヤモデルは、前記ケーシング部モデルが前記トレッド部モデルと接する境界面におけるケーシング部モデルの分割線が、タイヤモデルを接地させた状態における接地面前端または後端の接地輪郭線に沿うように、要素分割されている請求項4に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
- 前記タイヤモデルは、ケーシング部をモデル化したケーシング部モデルと、トレッド部をモデル化したトレッド部モデルとを結合することにより作成される請求項4乃至7のいずれか1項に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
- 前記ケーシング部モデルと前記トレッド部モデルは、結合面における相対位置が変化しないように拘束条件を設定することで結合される請求項8に記載のタイヤ性能シミュレーション方法。
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