JP2006145657A - 無響室用吸音楔の取付方法 - Google Patents

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博俊 岡内
Yoshiyuki Kurobe
能幸 黒部
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Abstract

【課題】取付フレームのような特別の部材を必要とせず、取付作業時間を可及的に短縮化し、取付作業のコストを低減するようにした吸音楔の取付方法を提供する。
【解決手段】無響室内壁面1aに取付けられる基部4と、基部4から突出する相互に平行な複数のテーパー部5とが一体形成された吸音楔2を複数準備し、各吸音楔2を、そのテーパー部5の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室内壁面全体に隙間なく各吸音楔2を取り付ける無響室用吸音楔の取付方法である。そして、吸音楔2の基部両端面を係止する係止フック部8を備えた固定金具3を、無響室内壁面の所定位置に固定し、次いで、固定金具3の係止フック部8を吸音楔の基部両端面に係止する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば、無響室内の音を吸音して残響の少ない室内を形成するための吸音楔を、スタジオやホールの天井や壁等の室内内周面へ取り付ける無響室用吸音楔の取付方法に関する。
この種の吸音楔の取付方法の従来例としては、予め室内壁面へビスによって取付自在な取付フレームに、吸音楔を取付けておき、取付フレームのビス孔を覆う吸音楔部分をビス孔が室内内方側へ露出するように変形させて、ビスをビス孔に挿通させて室内壁面へ吸音楔を取り付けた後、吸音楔の変形を復元させて、吸音楔を室内壁面に取り付ける取付方法が提案されている(特開平7−102658号公報参照)。
特開平7−102658号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の取付方法では、取付フレームを室内壁面に取り付ける工程が必要であり、取付作業に長時間を要する。また、取付フレームを準備しなければならず、取付作業のコストが増大する。
本発明は、上記の実情を鑑みて考え出されたものであり、その目的は、取付フレームのような特別の部材を必要とせず、取付作業時間を可及的に短縮化し、取付作業のコストを低減するようにした吸音楔の取付方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、無響室内壁面に取付けられる基部と、この基部から突出する相互に平行な複数のテーパー部とが一体形成された吸音楔を複数準備し、各吸音楔を、そのテーパー部の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室内壁面全体に隙間なく各吸音楔を取り付ける無響室用吸音楔の取付方法であって、吸音楔の基部両端面を係止する係止フック部を備えた固定金具を、無響室内壁面の所定位置に固定し、次いで、固定金具の係止フック部を吸音楔の基部両端面に係止することを特徴とする。
上記構成により、取付フレームのような特別の部材を必要とせず、取付作業時間を可及的に短縮化し、取付作業のコストを低減することができる。
また、請求項2記載の発明は、無響室内壁面に取付けられる基部と、この基部から突出する相互に平行な複数のテーパー部とが一体形成された吸音楔を複数準備し、各吸音楔を、そのテーパー部の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室内壁面全体に隙間なく各吸音楔を取り付ける無響室用吸音楔の取付方法であって、固定金具の係止フック部を、吸音楔の基部両端面に係止させた固定金具付吸音楔を予め作製しておき、この固定金具付吸音楔の固定金具を、無響室内壁面の所定位置に固定することを特徴とする。
上記の如く、予め作製された固定金具付吸音楔を用いることにより、さらに取付作業時間を短縮化することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の無響室用吸音楔の取付方法であって、前記固定金具は、基部の底面を支持するとともに、両端が折曲した係止フック部を構成する長尺の支持部と、ビスが挿通するビス孔が形成された固定片と、を備え、前記固定金具を壁面の所定位置に配置し、この状態で、ビスを、ビス孔を挿通して壁面に打ち込むことにより、固定金具を無響室内壁面に固定することを特徴とする。
上記構成の固定金具を用いることにより、壁面全面に吸音楔が取付けらときには、室内側から吸音楔を見た場合に、係止フック部を含めた固定金具は全く見えないことになる。即ち、吸音楔同士が隙間なく所定レイアウトで配置された状態となる。これにより、吸音特性が向上するとともに、吸音楔の全体の配置状態における美観が向上する。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の無響室用吸音楔の取付方法であって、吸音楔は、廃棄・回収されたペットボトルから再生されたリサイクルポリエステル繊維から成ることを特徴とする。
吸音楔の材料としては、グラスウール等を用いることも可能であるが、本請求項4記載の発明のように、リサイクルポリエステル繊維を用いた場合は、グラスウールのように繊維が作業中において作業者を刺したり浮遊することによる作業環境の劣化等の課題の発生を防止することができ、さらに、ゴミ削減や資源回収に寄与でき廃棄時の処分も容易である。
本発明によれば、取付フレームのような特別の部材を必要とせず、取付作業時間を可及的に短縮化し、取付作業のコストを低減することができる。
以下、本発明に係る無響室用吸音楔の取付方法を実施の形態に基づいて詳述する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無響室用吸音楔が室内壁面に取り付けられた状態における正面図であり、図2はその背面図であり、図3は図1のA−A線矢視断面図であり、図4は無響室用吸音楔の斜視図であり、図5は吸音楔を室内壁面に取付けるための固定金具の斜視図である。
図1〜図3に示すように、無響室1の内壁1a全面には、吸音楔2が固定金具3(図5参照)によって取付けられている。この吸音楔2は、廃棄・回収されたペットボトルから再生された、例えば密度30kg/m3程度(なお、本発明はこの値に限定されるものではなく、設計スペックに応じて種々の値に変更可能である。)のリサイクルポリエステル繊維から成り、図4に示すように、内壁1aに取付けられる基部4と、この基部4から突出する相互に平行な複数個(本実施の形態では2個)のテーパー部5とが一体的に形成されてなる。吸音楔2のテーパー部5の先端部は、その端面が基部4の裏面(即ち、室内面)と平行なるように切断されている。そして、例えば、図1に示すように、この吸音楔2を、テーパー部4の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室1の内壁1a全体に取付けられている。これにより、様々な方向からの音波を効果的に吸収できるようになっている。なお、吸音楔2の材質を、廃棄・回収されたペットボトルから再生されたリサイクルポリエステル繊維とすることにより、グラスウールのように繊維が作業中において作業者を刺したり浮遊することによる作業環境の劣化等の課題の発生を防止することができ、さらに、ゴミ削減や資源回収に寄与でき廃棄時の処分も容易である(特開2003−195869号公報参照)。
次いで、図5を参照して、固定金具3の具体的な構造について説明する。固定金具3は、基部4の底面を支持する長尺の支持部6と、支持部6に固着し支持部6のほぼ中央部に設けられた固定片7とから構成されている。支持部6の両端部は、「コ」字状に折れ曲がった係止フック部8を構成している。また、固定片7には、ビス9が挿通するビス孔10が形成されている。
次いで、上記構成の吸音楔を、室内内周部に取付ける方法について説明する。
先ず、リサイクルポリエステル繊維を上記形状にプレス切りして作製された吸音楔2と、固定金具3とをそれぞれ複数個準備する。なお、吸音楔2の作製に際しては、上記プレス切りに限らず、専用鋸により一品一品手加工で作製するようにしてもよい。
次いで、壁面1aの所定位置に固定金具3を固定する。具体的には、固定金具3の支持部6が、吸音楔2が取付けられた際のテーパー部5,5間の谷に対応するように、固定金具を壁面1aの所定位置に配置する。そして、このような状態で、固定片7のビス孔10にビス9を挿入し、壁面1aに打込む。これにより、固定金具3が壁面に固定される。次いで、固定金具3に吸音楔2を取り付ける。具体的には、固定金具3の係止フック部8を吸音楔2の基部4の両端面4a(図4参照)に差し込む。このとき、吸音楔2はある程度の弾性を有するので、係止フック部8を基部4の両端面4aに容易に差し込むことができる。
そして、上記の吸音楔2の取り付けを順次行うことにより、壁面1a全面に隙間なく所定レイアウトとなるように、吸音楔2を取付けることができる。
なお、固定金具3によって1つの吸音楔2を壁面に取付けた際には、係止フック部8の一部は基部4から露出しているが、この露出部は隣接する吸音楔2の基部4との間で挟み込まれるので、壁面全面に吸音楔2が取付けらときには、室内側から吸音楔2を見た場合に、係止フック部8を含めた固定金具3は全く見えないことになる。即ち、吸音楔2同士が隙間なく所定レイアウトで配置された状態となる。これにより、吸音特性が向上するとともに、吸音楔2の全体の配置状態における美観が向上する。なお、厳密には、壁面1aの端部に位置する吸音楔2の係止フック部8は、その一部が露出するが、壁面1aの端部のため、吸音特性に影響を与えることもなく、また、室内の中央部付近から見た場合には、その露出部分は見えないので、全体の美観にも影響を与えない。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、予め固定金具3を吸音楔2に取付けた固定金具付吸音楔2を作製しておき、取付現場においては、固定金具3を壁面1aに固定するだけで、固定金具付吸音楔2を壁面1aに取り付けるようにしたことを特徴とするものである。なお、固定金具3を壁面1aに取り付けるに際しては、固定片7のビス孔10にビス9を挿入し壁面1aに打込む必要があるが、このとき、吸音楔2はある程度の弾性を有するので、吸音楔2の基部4を変形させて固定金具を露出させた状態で行えば、容易にビス9の打込む作業を行うことができる。
(その他の事項)
(1)上記実施の形態では、1個の吸音楔2を1単位として縦横に配列したけれども、1個の吸音楔2を直列に複数を連設したものを1単位として、縦横に配列するようにしてもよい。
(2)上記実施の形態では、吸音楔2はリサイクルポリエステル繊維から成っていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、グラスウール等から成る吸音楔2を使用してもよい。
本発明は、無響室内の音を吸音して残響の少ない室内を形成するための吸音楔を、スタジオやホールの天井や壁等の室内内周面へ取り付ける無響室用吸音楔の取付方法等に好適に実施することができる。
実施の形態1に係る無響室用吸音楔が室内壁面に取り付けられた状態における正面図である。 実施の形態1に係る無響室用吸音楔が室内壁面に取り付けられた状態における背面図である。 図1のA−A線矢視断面図である。 実施の形態1に係る無響室用吸音楔の斜視図である。 実施の形態1に係る無響室用吸音楔を室内壁面に取付けるための固定金具の斜視図である。
符号の説明
1:無響室
1a:無響室内壁
2:吸音楔
3:固定金具
4:基部
5:テーパー部
6:支持部
7:固定片
8:係止フック部
9:ビス
10:ビス孔

Claims (4)

  1. 無響室内壁面に取付けられる基部と、この基部から突出する相互に平行な複数のテーパー部とが一体形成された吸音楔を複数準備し、各吸音楔を、そのテーパー部の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室内壁面全体に隙間なく各吸音楔を取り付ける無響室用吸音楔の取付方法であって、
    吸音楔の基部両端面を係止する係止フック部を備えた固定金具を、無響室内壁面の所定位置に固定し、次いで、固定金具の係止フック部を吸音楔の基部両端面に係止することを特徴とする無響室用吸音楔の取付方法。
  2. 無響室内壁面に取付けられる基部と、この基部から突出する相互に平行な複数のテーパー部とが一体形成された吸音楔を複数準備し、各吸音楔を、そのテーパー部の並ぶ向きを縦横交互に変えて配置し、無響室内壁面全体に隙間なく各吸音楔を取り付ける無響室用吸音楔の取付方法であって、
    固定金具の係止フック部を、吸音楔の基部両端面に係止させた固定金具付吸音楔を予め作製しておき、
    この固定金具付吸音楔の固定金具を、無響室内壁面の所定位置に固定することを特徴とする無響室用吸音楔の取付方法。
  3. 前記固定金具は、
    基部の底面を支持するとともに、両端が折曲した係止フック部を構成する長尺の支持部と、
    ビスが挿通するビス孔が形成された固定片と、
    を備え、
    前記固定金具を壁面の所定位置に配置し、この状態で、ビスを、ビス孔を挿通して壁面に打ち込むことにより、固定金具を無響室内壁面に固定する、請求項1又は2記載の無響室用吸音楔の取付方法。
  4. 前記吸音楔は、廃棄・回収されたペットボトルから再生されたリサイクルポリエステル繊維から成る、請求項1〜3の何れかに記載の無響室用吸音楔の取付方法。
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