JP2006147130A - 垂直磁気記録媒体の製造方法及び垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来と同等以上の記録再生特性を確保しつつ、トラック密度を大幅に増加させ、ひいては面記録密度を増加させようとすることを目的とする。
【解決手段】本発明は、成膜装置10内に、非磁性基板11、ターゲット材12、マグネット板21を平行に配置し、ターゲット材には高周波電圧を印加し、マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、ターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる磁気記録媒体、特に垂直磁気記録媒体とその製造方法、および磁気記録装置に関するものである。
近年、磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増すと共に、これらの装置に用いられる磁気記録媒体について、その記録密度の著しい向上が図られつつある。
特にMRヘッド(磁気抵抗効果ヘッド)、およびPRML(Partial Response Maximum Likelihood)技術の導入以来、面記録密度の上昇はさらに激しさを増し、近年ではさらにGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)、TMRヘッド(トンネル磁気抵抗効果型ヘッド)なども導入され、1年に約100%ものペースで増加を続けている。
このように、磁気記録媒体については今後更に高記録密度化を達成することが要求されており、そのために磁気記録層の高保磁力化と高信号対雑音比(S/N比)、高分解能を達成することが要求されている。これまで広く用いられてきた長手磁気記録方式においては、線記録密度が高まるにつれて、隣接する記録磁区同士がお互いの磁化を弱め合おうとする自己減磁作用が支配的になるので、それを避けるために磁気記録層を更に薄くして形状磁気異方性を高めてやる必要がある。
その一方で、磁気記録層の膜厚を薄くしていくと、磁区を保つためのエネルギー障壁の大きさと熱エネルギーの大きさが同レベルに近付いてきて、記録された磁化量が温度の影響によって緩和される現象(熱揺らぎ現象)の影響が無視できなくなり、これが線記録密度の限界を決めてしまうと言われている。
このような中、長手磁気記録方式の線記録密度改良に答える技術として最近ではAFC(Anti Ferro Coupling)媒体が提案され、長手磁気記録で問題となる熱磁気緩和の問題を回避しようという努力がなされている。
そのような中、今後一層の面記録密度を実現するための有力な技術として注目されているのが垂直磁気記録技術である。従来の長手磁気記録方式が、媒体を面内方向へ磁化させるのに対し、垂直磁気記録方式では媒体面に垂直な方向に磁化させることを特徴とする。
このことにより、長手磁気記録方式で高線記録密度を達成する妨げとなる自己減磁作用の影響を回避することができ、より高密度記録に適していると考えられている。また一定の磁性層膜厚を保つことができるため、長手磁気記録で問題となっている熱磁気緩和の影響も比較的少ないと考えられている。
垂直磁気記録媒体は、図1に示すように非磁性基板1上にシード層2、中間層3、磁気記録層4、保護層5の順に成膜された構成が一般的である。また、多くの場合、軟磁性裏打ち層とよばれる磁性膜がそれらの下に設けられる。前記中間層3は磁気記録層4の特性をより高める目的で形成される。また、シード層2は中間層3、磁気記録層4の結晶配向を整えると同時に磁性結晶の形状を制御する働きをするといわれている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、優れた特性を有する垂直磁気記録媒体を製造するためには、磁気記録層の結晶構造が重要である。すなわち、垂直磁気記録媒体においては多くの場合、その磁気記録層の結晶構造は六方晶稠密構造をとるが、その(002)結晶面が基板面に対して平行であること、換言するならば結晶C軸[002]軸が基板面に垂直な方向にできるだけ乱れなく配列していることが重要である。しかしながら、垂直磁気記録媒体は、比較的厚い磁気記録層を使用できるという利点がある反面、媒体全体の積層薄膜の総膜厚が現行の長手磁気記録媒体に比べて厚くなりがちであり、そのために媒体積層の過程において結晶構造を乱す要因を内包しやすいという欠点があった。
従来、優れた結晶構造をもつ垂直磁気記録媒体を得るために、成膜プロセスに様々な工夫がなされてきたが、より優れた記録再生特性を得るためには、さらに一層の技術的改良が待たれる。例えば、ウエハー表面全体に渡ってプラズマの均一な分布を作ることが可能なプラズマ処理装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−162807号公報 特開2003−318165号公報
本発明は、次世代の高記録密度媒体技術として注目されている垂直磁気記録媒体において、その結晶構造を飛躍的に改善し、ひいては面記録密度を大幅に増加させようとするものである。
本発明は以下に示したように、特に垂直磁気記録媒体の製造方法において、その薄膜形成方法に工夫を加えることによって結晶構造の乱れが少ない垂直磁気記録媒体を供するものである。
(1)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、非磁性基板上に、下地層、磁気記録層を積層してなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、該垂直磁気記録媒体を構成する少なくとも一層の成膜工程が、成膜装置内に、非磁性基板、非磁性基板の両面にターゲット材、ターゲット材の反基板側にマグネット板をそれぞれ平行に配置し、ターゲット材には高周波電圧を印加し、マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、成膜装置内にスパッタリングガスを導入してターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成する工程であることを特徴とする。
(2)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記成膜装置内に配置した非磁性基板の近傍におけるプラズマ密度が1×1011/cm以上であることを特徴とする。
(3)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法において、非磁性基板に高周波電圧バイアスを印加しても良い。
(4)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法においては、前記ターゲット材に高周波電圧に加え、さらに、直流電圧を印加しても良い。
(5)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法においては、前記ターゲット材に加える高周波の周波数を、基板に加える高周波の周波数より高くしても良い。
(6)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法においては、前記マグネット板を回転させても良い。
(7)本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法においては、成膜時のスパッタリングガス分圧を1Pa以上、8Pa未満としても良い。
(8)本発明の垂直磁気記録媒体は、先の(1)〜(7)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した垂直磁気記録媒体であって、垂直磁気記録媒体の表面平均粗さRaが4Å以下であることを特徴とする。
(9)本発明の垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録媒体を構成する全薄膜の合計膜厚の面内膜厚分布が±10%以下であることを特徴とする。
(10)本発明の垂直磁気記録媒体は、磁気記録層または下地層の結晶構造が六方晶稠密構造であり、(002)面に対応するロッキングカーブの半値幅角度(Δθ50)が5°以下であることを特徴とするものでも良い。
(11)本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、下地層、磁気記録層を積層してなる垂直磁気記録媒体であって、垂直磁気記録媒体の表面平均粗さRaが4Å以下であることを特徴とするものでも良い。
(12)本発明の垂直磁気記録媒体は、垂直磁気記録媒体を構成する全薄膜の合計膜厚の面内膜厚分布が±10%以下であることを特徴とするものでも良い。
(13)本発明の垂直磁気記録媒体は、磁気記録層または下地層の結晶構造が六方晶稠密構造であり、(002)面に対応するロッキングカーブの半値幅角度(Δθ50)が5°以下であることを特徴とするものでも良い。
(14)本発明の磁気記録装置は、先の(8)〜(13)の何れかに記載の垂直磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせたことを特徴とする。
本発明によれば、結晶構造、特に六方稠密結晶構造のC軸が基板面に対して極めて角度分散の小さい状態で配向し、ひいては高記録密度特性に優れた垂直磁気記録媒体を供することができる。
本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法を具体的に説明する。
垂直磁気記録媒体の一般的な積層構造を図1に示す。
本発明において使用される磁気記録媒体の垂直磁性膜の構成は現在広く用いられているもののすべてに適用することができる。図1に示すように本実施形態の磁気記録媒体6は、非磁性基板1上にシード層2、中間層3、磁気記録層4、保護層5の順に各膜が積層されて構成されている。
また、本発明の磁気記録媒体6に使用される非磁性基板1としては、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、通常のソーダガラス、アルミノシリケート系ガラス、非結晶ガラス類、シリコン、チタン、セラミックス、各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものを用いることができる。中でもAl合金基板や結晶化ガラス等のガラス製基板を用いることが好ましい。
磁気ディスクの製造工程においては、まず基板の洗浄・乾燥が行われるのが通常であり、本発明においても各層の密着性を確保する見地からもその形成前に洗浄、乾燥を行うことが望ましい。また、基板サイズも特に限定しない。
次に、垂直磁気記録媒体6を構成する各層について説明する。
非磁性基板1の上であってシード層2の下地層として設けられる軟磁性裏打ち層は、一般的な多くの垂直磁気記録媒体に設けられている。媒体に信号を記録する際、ヘッドからの記録磁界を導き、磁気記録層4に対して記録磁界の垂直成分を効率よく印加する働きをする。材料としてはFeCo系合金、CoZrNb系合金、CoTaZr系合金などいわゆる軟磁気特性を有する材料ならば使用することができる。また、これら軟磁性層単層の場合だけでなく、途中にRuなどの極薄い非磁性薄膜をはさみ、軟磁性層間に反強磁性結合をもたせたものも多く用いられるようになっている。膜厚は2nm〜20nm程度であるが、記録再生特性とOW特性(オーバーライト特性)とのバランスにより適宜決定される。一般的に裏打ち層の層厚は5nm〜15nm程度である。
シード層2は磁気記録層の磁気特性、記録再生特性を左右する極めて重要な層であり、中間層3、磁気記録層4を同様に六方稠密構造にエピタキシャル成長させる働きをする。
材料としてはPdなどの材料が用いられる。
中間層3は磁気記録層4を効率よく垂直配向させるために用いる。中間層3自身も六方稠密構造をとり、磁気記録層4をエピタキシャル成長させるためのものである。この中間層3の結晶配向が磁気記録層の結晶配向をほぼ決定するため、この中間層3の配向制御は垂直磁気記録媒体の製造上極めて重要である。
磁気記録層4は文字通り、実際に信号の記録がなされる層である。材料としてはCoCr、CoCrPt、CoCrPt−O、CoCrPt−SiO、CoCrPt−Crなどが使用される。最終的にはこの層の結晶構造、磁気的性質が記録再生を決定する。
以上の各層の成膜には通常DCスパッタリング法またはRFスパッタリング法が用いられる。そのときのガス圧力は各層により適宜決定されるが、0.1Pa〜2.0Pa程度の範囲にコントロールされる。媒体の性能を見ながら調整される。
保護層5はヘッドと媒体との接触によるダメージから媒体を保護するためのものであり、カーボン膜、SiO膜などが用いられるが、多くの場合はカーボン膜が用いられる。
膜の形成にはスパッタリング法、プラズマCVD法などが用いられるが、近年ではプラズマCVD法が用いられることが多い。膜厚は1nm〜10nm程度であり、好ましくは2〜6nm程度、さらに好ましくは2〜4nmである。
本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法では、垂直磁気記録媒体の形成プロセスを改良することにより、その性能、特に磁気記録層の結晶配向性を向上させることが可能となり方法について鋭意検討を行った結果、特に上記膜のうちシード層または中間層あるいはその両方の成膜プロセスにおいて、スパッタリング法に工夫を加えることによって大幅な性能向上を達成することが可能となるできることを見出し、本発明に至った。
本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法を、図2を用いて説明する。本発明では、スパッタリングプロセスに以下の工夫を加える。
図2は本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法に用いる製造装置の一例である。この例の成膜装置Aは、図2に示すように、成膜装置10内に、非磁性基板11、非磁性基板11の両面にターゲット材12、ターゲット材12の反基板側にマグネット板21をそれぞれ平行に配置し、ターゲット材12には高周波電源22から高周波電圧を印加できるように構成されている。
また、非磁性基板11には高周波電圧バイアスを印加できるように高周波電源23を接続し、ターゲット材12には、高周波電源22からの高周波電圧に加えて、直流電圧を別途印加できるように構成しても良い。そして、成膜装置10内にスパッタリングガス13を導入してターゲット材12の周囲にプラズマを発生させ、非磁性基板11にスパッタリング法により薄膜を形成する。
非磁性基板11には5MHz〜400MHzの範囲内の高周波電圧バイアスを高周波電源23から加えることが好ましく、ターゲット材12に印加する高周波電圧は基板バイアスより高い周波数を加えることが好ましい。例えば、非磁性基板11に13.56MHzの高周波を加えた場合は、ターゲット材12には60MHzの高周波を用いるのが好ましい。
マグネット板21はターゲット材12の背面に配置されており、その働きは通常のマグネトロンスパッタリングの場合と基本的に同等である。
ただし、マグネット板21の表面には、図3に示すように、小さいマグネットMが碁盤目状に、交互に異なる極性を等間隔で配置されており、磁束の分布が細かく複雑になっている。これらの複数のマグネットMは、ターゲット材12の部分に細かな磁界を生じさせるため、ターゲット材の近傍において高い磁界強度を生成し、高いプラズマ密度をもたらす。例えば、1×1011/cm以上のプラズマ密度を発生できる。よって、高いイオン密度で、均一なスパッタ粒子を放出されることができる。また、このようにして配置したマグネット板21をその周回りに回転させることで、より均一な膜堆積を得ることができる。
本発明では、このようなきめの細かいマグネット磁界と、ターゲット材12に印加された高周波電圧により、より多くの粒子をイオン化させることができ、通常のスパッタリング法では達成できない1×1011/cm以上のプラズマ密度を発生でき、よって優れた膜被覆率、結晶配向性、指向性を得ることができる。
この発明のスパッタ法による製造方法を用いることにより、また、本発明者の検討によると、これらの特徴の他に、この方法を用いることにより表面平滑性に優れた膜を形成することが可能となることが判明した。特に結晶成長が基体の平滑性に影響を受けやすい垂直磁気記録媒体においては、磁気記録層4の下の下地層を上記の成膜法を用いて成膜することにより、Coの稠密六方晶構造のC軸配向をさらに改良することができることがわかった。
また、この方法によれば、通常より高いスパッタガス圧力下で安定した放電を得ることができ、膜厚の均一性、均質性にすぐれた薄膜を形成することが可能である。成膜時のガス圧は0.1Pa〜20.0Pa程度が一般的である。好ましくは0.5Pa〜10.0Pa、さらに好ましくは1.0Pa〜8.0Paである。
本発明のマグネット板で用いる小さいマグネットMは、5mm〜30mm程度の大きさのものが好ましく、その断面形状は四角でも円でもかまわない。これらの小さいマグネットを、0mm〜50mm程度の間隔(中心間距離)で、交互に異なる極性を碁盤目状に、等間隔で配置する。
膜厚の面内分布δは一般的に面内の3箇所以上で測定された膜厚の最大値dmax、最小値dminを用いて、δ=(dmax−dmin)/(dmax+dmin)で定義される。先に説明したスパッタ法を用いることにより、磁気記録媒体6を構成する各層の膜厚分布は通常のスパッタリング法に比べて改善され、±10%以下とすることができる。
以上説明したような工夫を施したスパッタリング法を以下説明の簡略化のために改良スパッタリング法と呼ぶこととする。
このように改良スパッタリング法を用いて各層を成膜することにより、各層成膜時にその結晶構造が乱される要素が最小限に抑えられ、ひいては磁気記録層4のC軸配向は飛躍的に改善される。この手法はシード層2、中間層3の両方に対して適用されるのが好ましいが、例えば、シード層2のみ、あるいは中間層3のみ、またはそれらの下側に形成される軟磁性裏打ち層のみなど、一部の層だけに適用しても一定の効果が得られるので、本発明はこれらを排除するものではない。
図4は、上記積層構造の磁気記録媒体6を備えた磁気記録再生装置の例を示すものである。ここに示す磁気記録再生装置Bは、先に説明した積層構造の磁気記録媒体6と、磁気記録媒体6を回転駆動させる媒体駆動部31と、磁気記録媒体6に情報を記録再生する磁気ヘッド32と、ヘッド駆動部33と、記録再生信号処理系34とを備えている。記録再生信号処理系34は、入力されたデータを処理して記録信号を磁気ヘッド32に送ったり、磁気ヘッド32からの再生信号を処理してデータを出力することができるように構成されている。
上記構造の磁気記録媒体6は、先に説明の特性の優れた各層を有するので、磁気記録媒体6が有する優れた記録密度特性を有効に利用して記憶容量の大きな磁気記録再生装置を提供できる。
ハードディスク用ガラス基板をセットした真空チャンバをあらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した。ここで使用したガラス基板は、LiSi、Al+KO、MgO+P、Sb+ZnOを成分とする結晶化ガラスを材質とし、Ra〜5Å、外径65mm、内径20mmである。
次に、このガラス基板上に、スパッタリング法を用いて軟磁性裏打ち層(CoNbZr)を厚さ100nm成膜した。ここまでの処理を終えた基板10枚を一旦回収して保管した。
保管した基板から5枚を再び1.0×10−5Pa以下に真空排気した真空チャンバ内にセットした。さらに改良スパッタリング法を使用してシード層(Pd)を6nm、中間層(Ru)を200nm順次成膜した。
この改良スパッタリング法の条件として、スパッタリングプロセスの電極の大きさは直径420mmの円形であり、電極全体に大きさ10×10×12mm、磁極近傍での磁束密度12.1kGのNd-Fe-B磁石をお互いの距離40mm間隔で格子状に配置した。このとき、磁極の向きは隣接する磁石どうしが逆向きになるようにした。また、電極に対して60MHzのRF電源を接続し、1000Wの電力を印加した。Ar分圧は1.3Paに調整した。
引き続き磁気記録層(CoCrPt−SiO)を通常のスパッタリング法を用いて10nm、プラズマCVD法を用いてDLC(Diamond Like Carbon)を5nm成膜した。これらを実施例1〜5とする。
同様に残りのCoNbZr膜付き基板5枚を別途1.0×10−5Pa以下に真空排気した真空チャンバ内にセットした。今度はシード層(Pd)、中間層(Ru)、磁気記録層(CoCrPt−SiO)を実施例と同じ膜厚になるように、すべてDCスパッタリング法にて成膜した。これらを比較例1〜5とする。
実施例1〜5、比較例1〜5ともに基板加熱は行わず、また、スパッタリングガスにはArを用いた。Arガス分圧は実施例1〜5のシード層、中間層の成膜時のAr分圧は5.0Paに、他の層を成膜する際は0.5Paにセットした。また、比較例の成膜ではAr分圧をすべて0.5Paとした。
実施例1〜5、比較例1〜5のそれぞれについて、単深針法を用いて非磁性基板の近傍におけるプラズマ密度を測定した。
実施例1〜5、比較例1〜5のそれぞれについて、X線回折を用いてCo(002)に対応するピークについてロッキングカーブを測定し、その半値幅(Δθ50)を求めた。
同様に実施例1〜5、比較例1〜5のそれぞれについて、垂直磁気記録媒体用Kerrループ測定装置を用いて、垂直保磁力Hc⊥を測定した。
同様に実施例1〜5、比較例1〜5のそれぞれについて、触針式表面粗さ計を用いて平均表面粗さRaを測定した。
また同様に磁気ディスク評価用スピンスタンドにセットして、垂直磁気記録用ヘッドを用いて記録再生特性を測定した。特に記録信号のパルス半値幅であるPW50、ビットエラーレートと強い相関があるSp−SNRの二つを調べた。
下記表1にそれぞれの試料についての測定結果をまとめた。
Figure 2006147130
表1の結果からわかるように、垂直磁気記録媒体の結晶配向の指針となるロッキングカーブの半値幅角度(Δθ50)の値は、実施例において大幅に狭くなっており、改良スパッタリング法によりCoの結晶成長が改善されていることがわかる。さらに保磁力もわずかながら実施例サンプルの方が高い。記録再生特性も記録信号の半値幅(PW50)が小さく、ビットエラーレートに相関関係の高いSp−SNRが高くなっており、理想的な垂直磁気記録媒体になっていることがわかる。
表1に示す実施例においては、(Δθ50)=3°以下(2.49〜2.81゜)、Ra=4Å以下(3.0〜3.4Å)の優れた値を得ることができた。
図1は本発明に係る磁気記録媒体の一実施形態の積層構造を示す断面図である。 図2は本発明方法の実施に用いる成膜装置の一例を示す構成図である。 図3は図2に示す成膜装置に設けられるマグネット板におけるマグネットの配置例を示す図である。 図4は本発明に係る方法により得られた磁気記録媒体を備えた磁気記録装置の一例を示す構成図である。
符号の説明
1…非磁性基板、2…シード層、3…中間層、4…磁気記録層、5…保護層、10…成膜装置、11…非磁性基板、12…ターゲット材、21…マグネット板、22、23…高周波電源、M…マグネット

Claims (14)

  1. 非磁性基板上に、下地層、磁気記録層を積層してなる垂直磁気記録媒体の製造方法であって、該垂直磁気記録媒体を構成する少なくとも一層の成膜工程が、成膜装置内に、非磁性基板、非磁性基板の両面にターゲット材、ターゲット材の反基板側にマグネット板をそれぞれ平行に配置し、ターゲット材には高周波電圧を印加し、マグネット板の表面には交互に異なる極性を等間隔で生じさせ、成膜装置内にスパッタリングガスを導入してターゲット材の周囲にプラズマを発生させ、非磁性基板にスパッタリング法により薄膜を形成する工程であることを特徴とする垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記成膜装置内に配置した非磁性基板の近傍におけるプラズマ密度が1×1011/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記非磁性基板に高周波電圧バイアスを印加することを特徴とする請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記ターゲット材に高周波電圧に加え、さらに、直流電圧を印加することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記ターゲット材に加える高周波の周波数が、基板に加える高周波の周波数より高いことを特徴とする請求項3または4に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記マグネット板を回転させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 成膜時のスパッタリングガス分圧が1Pa以上、8Pa未満であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法を用いて製造した垂直磁気記録媒体であって、垂直磁気記録媒体の表面平均粗さRaが4Å以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  9. 垂直磁気記録媒体を構成する全薄膜の合計膜厚の面内膜厚分布が±10%以下であることを特徴とする請求項8に記載の垂直磁気記録媒体。
  10. 前記磁気記録層または下地層の結晶構造が六方晶稠密構造であり、(002)面に対応するロッキングカーブの半値幅角度(Δθ50)が5°以下であることを特徴とする請求項8または9に記載の垂直磁気記録媒体。
  11. 非磁性基板上に、下地層、磁気記録層を積層してなる垂直磁気記録媒体であって、垂直磁気記録媒体の表面平均粗さRaが4Å以下であることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
  12. 垂直磁気記録媒体を構成する全薄膜の合計膜厚の面内膜厚分布が±10%以下であることを特徴とする請求項11に記載の垂直磁気記録媒体。
  13. 前記磁気記録層または下地層の結晶構造が六方晶稠密構造であり、(002)面に対応するロッキングカーブの半値幅角度(Δθ50)が5°以下であることを特徴とする請求項11または12に記載の垂直磁気記録媒体。
  14. 請求項8〜13の何れか1項に記載の垂直磁気記録媒体と、これを記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部からなる磁気ヘッドと、磁気ヘッドを磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、磁気ヘッドへの信号入力と磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を組み合わせたことを特徴とする磁気記録装置。

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