JP2006152158A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】高剛性で低ロス性のゴム組成物と、このゴム組成物を用いた運転安定性に優れた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと熱硬化性樹脂とを含むゴム組成物。このゴム組成物をタイヤ構成部材に適用した空気入りタイヤ。

Description

本発明は、特定の変性天然ゴムと熱硬化性樹脂とを含むゴム組成物と、このようなゴム組成物を用いた運転安定性に優れた空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのトレッド部等は、一般に合成ゴムに比べて破壊強度等に優れた天然ゴムを主体とするゴム組成物で構成されているが、近年の車輌の高速化に伴い、タイヤにはより一層高い運転安定性が求められ、運転安定性の改善に有効なゴム組成物配合として、各種の充填剤や熱硬化性樹脂の配合等の検討が行われている。
より高い運転安定性を実現するためには、高い剛性、即ち高い貯蔵弾性率E’と低ロス性、即ち低い損失係数tanδとを共に達成するタイヤ用ゴム組成物が望まれるが、従来において、これらを同時に満足するゴム組成物は提供されていない。
従って、本発明は高剛性で低ロス性のゴム組成物と、このゴム組成物を用いた運転安定性に優れた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明(請求項1)のゴム組成物は、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと熱硬化性樹脂とを含むことを特徴とする。
請求項2のゴム組成物は、請求項1において、前記変性天然ゴムを全ゴム成分の10重量%以上含有することを特徴とする。
請求項3のゴム組成物は、請求項1又は2において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項4のゴム組成物は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする。
請求項5のゴム組成物は、請求項1ないし4のいずれか1項において、熱硬化性樹脂がノボラック型フェノール樹脂及び/又は変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする。
請求項6のゴム組成物は、請求項1ないし4のいずれか1項において、熱硬化性樹脂が、下記一般式(I)で表されるポリマレイミド樹脂であることを特徴とする。
Figure 2006152158
(式中、R及びRは、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、xは0〜5の整数を示す。)
請求項7の空気入りタイヤは、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤ構成部材に適用したことを特徴とする。
本発明の空気入りタイヤは、このような本発明のゴム組成物をタイヤ構成部材に適用したことを特徴とする。
天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムは、低ロス性を示す。一方、熱硬化樹脂は塩基性・酸性化合物と反応し、硬化が加速される。本発明者らは変性天然ゴムと特定の熱硬化樹脂を組み合わせることで低ロス性を維持しつつ、未変性天然ゴムよりも高い剛性を有するゴム組成物が得られることを見い出した。従って、このような変性天然ゴムと共に特定の熱硬化性樹脂を配合した本発明のゴム組成物によれば、運転安定性に優れた空気入りタイヤを実現することができる。
以下に本発明のゴム組成物及び空気入りタイヤの実施の形態を詳細に説明する。
[変性天然ゴム]
まず、本発明のゴム組成物に含まれる変性天然ゴムについて説明する。
本発明に係る変性天然ゴムは、天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなるものである。
本発明に用いる天然ゴムラテックスは通常のものであって、フィールドラテックス、アンモニア処理ラテックス、遠心分離濃縮ラテックス、界面活性剤や酵素で処理した脱蛋白ラテックス及びこれらを組合せたもの等を挙げることができる。
本発明に用いる極性基含有単量体としては、分子内に少なくとも一つの極性基を有する単量体であれば特に制限されない。この極性基含有単量体が有する極性基の具体例としては、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基及び含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基等を挙げることができる。これらの極性基を含有する単量体は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。極性基含有単量体は、これらの極性基の1種のみを含有していても良く、2種以上を含有していても良い。
以下に、極性基含有単量体の具体例を挙げる。
アミノ基含有単量体としては、1分子中に第1級、第2級及び第3級アミノ基から選ばれる少なくとも1つのアミノ基を有する重合性単量体がある。その中でも、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート等のような第3級アミノ基含有単量体が特に好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル又はメタクリル」を意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を意味する。
第1級アミノ基含有単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、4−ビニルアニリン、アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第2級アミノ基含有単量体としては、例えば、
(1)アニリノスチレン、β−フェニル−p−アニリノスチレン、β−シアノ−p−アニリノスチレン、β−シアノ−β−メチル−p−アニリノスチレン、β−クロロ−p−アニリノスチレン、β−カルボキシ−p−アニリノスチレン、β−メトキシカルボニル−p−アニリノスチレン、β−(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−p−アニリノスチレン、β−ホルミル−β−メチル−p−アニリノスチレン、α−カルボキシ−β−カルボキシ−β−フェニル−p−アニリノスチレン等のようなアニリノスチレン類
(2)アニリノフェニルブタジエン、1−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン、3−アニリノフェニル−2−メチル−1,3−ブタジエン、1−アニリノフェニル−2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−メチル−1,3−ブタジエン、2−アニリノフェニル−3−クロロ−1,3−ブタジエン等のアニリノフェニルブタジエン類
(3)N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(4−アニリノフェニル)メタクリルアミド等のN−モノ置換(メタ)アクリルアミド類
等が挙げられる。
第3級アミノ基含有単量体としては、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリレート、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミド、ピリジル基を有するビニル化合物等が挙げられる。
上記のN,N−ジ置換アミノアルキルアクリレートとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等のアクリル酸またはメタクリル酸のエステル等が挙げられる。特に、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジオクルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
また、N,N−ジ置換アミノアルキルアクリルアミドとしては、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジブチルアミノブチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジヘキシルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド化合物またはメタクリルアミド化合物等が挙げられる。これらのうち、特に、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジオクチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
また、アミノ基の代わりに含窒素複素環基を有するものであっても良く、含窒素複素環としては、例えばピロール、ヒスチジン、イミダゾール、トリアゾリジン、トリアゾール、トリアジン、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、キノリン、プリン、フェナジン、プテリジン、メラミン等が挙げられる。含窒素複素環は、他のヘテロ原子を環中に含んでいても良い。
また、ピリジル基を有するビニル化合物としては、例えば、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、5−メチル−2−ビニルピリジン、5−エチル−2−ビニルピリジン等が挙げられる。これらのうち特に、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等が好ましい。
ニトリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体としては、1分子中に少なくとも1つの第1級、第2級及び第3級ヒドロキシル基を有する重合性単量体が挙げられる。かかる単量体としては、例えばヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルエーテル系単量体、ヒドロキシル基含有ビニルケトン系単量体等がある。このようなヒドロキシル基含有単量体の具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のようなポリアルキレングリコール(アルキレングリコール単位数が、例えば2〜23である)のモノ(メタ)アクリレート類;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ヒドロキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のヒドロキシル基含有不飽和アミド類;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、m−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルアルコール等のヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物類;(メタ)アクリレート類がある。これらの中で、ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシル基含有ビニル芳香族化合物が好ましく、特にヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体が好ましい。ヒドロキシル基含有不飽和カルボン酸系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエステル、アミド、無水物等の誘導体であり、特にアクリル酸、メタクリル酸等のエステル化合物が好ましい。
カルボキシル基含有単量体としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラコン酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸類;またはフタル酸、琥珀酸、アジピン酸等の非重合性多価カルボン酸と、(メタ)アリルアルコール、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有不飽和化合物とのモノエステルのような遊離カルボキシル基含有エステル類及びその塩等が挙げられる。これらの中で、不飽和カルボン酸類が特に好ましい。
エポキシ基含有単量体としては、(メタ)アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−オキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジロキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等を挙げることができる。
本発明に用いるスズ含有単量体としては、アリルトリ−n−ブチルスズ、アリルトリメチルスズ、アリルトリフェニルスズ、アリルトリ−n−オクチルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−ブチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリメチルスズ、(メタ)アクリルオキシトリフェニルスズ、(メタ)アクリルオキシ−n−オクチルスズ、ビニルトリ−n−ブチルスズ、ビニルトリメチルスズ、ビニルトリフェニルスズ、ビニルトリ−n−オクチルスズ等を挙げることができる。
本発明に係る変性天然ゴムは、例えば天然ゴムラテックスに極性基含有単量体を添加し、さらにグラフト重合用の開始剤を加えた後、乳化重合を行い、次いで生成重合物を凝固、乾燥することにより得ることができる。
グラフト重合用の開始剤としては、特に限定はなく種々の開始剤、例えば乳化重合用の開始剤を用いることができ、その添加方法についても特に限定はない。一般に用いられる開始剤の例としては、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が挙げられる。なお、重合温度を低減させるためには、レドックス系の重合開始剤を用いるのが好ましい。かかるレドックス系重合開始剤に用いる過酸化物と組合せる還元剤としては、例えばテトラエチレンペンタミン、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。特に、tert−ブチルヒドロパーオキサイドとテトラエチレンペンタミンとの組合せがレドックス系重合開始剤として好ましい。
本発明で行うグラフト重合は、前述の極性基含有単量体を天然ゴムラテックス中に添加し、所定の温度で撹拌しながら重合する一般的な乳化重合で良い。ここで、予め極性基含有単量体に水と乳化剤を加え、十分に乳化させたものを天然ゴムラテックス中に添加しても良いし、極性基含有単量体を直接天然ゴムラテックス中に添加し、必要に応じて単量体の添加前または添加後に乳化剤を添加しても良い。
乳化剤としては、特に限定されず、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のようなノニオン系の界面活性剤が挙げられる。
ゴム組成物にカーボンブラックやシリカと配合した際の加工性を低下させることなく、本発明の効果を有効に発揮させることを考慮すると、天然ゴムの分子に対し万遍なく少量の極性基を導入することが重要であり、このために重合開始剤の添加量は極性基含有単量体100モルに対し1〜100モル%が好ましく、10〜100モル%がより好ましい。
本発明に係る変性天然ゴムは、上述した各成分を反応容器に仕込み、30〜80℃で10分〜7時間反応させてグラフト重合を行うことにより、変性天然ゴムラテックスを得、この変性天然ゴムラテックスを凝固し、洗浄後、真空乾燥機、エアドライヤー、ドラムドライヤー等の乾燥機を用いて乾燥することにより得ることができる。
本発明に係る変性天然ゴムにおいて、極性基含有単量体のグラフト量は天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%が好ましく、0.1〜3.0重量%がより好ましく、0.2〜1.0重量%が特に好ましい。極性基含有単量体のグラフト量が0.01重量%未満の場合、この変性天然ゴムを用いることによる本発明の効果を十分に得ることができず、5.0重量%を超えると、粘弾性、S−S特性(引張試験機における応力−歪曲線)等の天然ゴム本来の優れた特性が損なわれると共に、加工性が低下するおそれがある。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分としてこのような変性天然ゴムを、好ましくは10重量%以上、特に50重量%以上、とりわけ50〜100重量%含むものである。ここで、変性天然ゴムの含有量が上記下限未満では、この変性天然ゴムを用いることによる本発明の効果を十分に得ることができない。
なお、変性天然ゴムと併用する他のゴム成分としては、通常の天然ゴム及びジエン系合成ゴムが挙げられる。ジエン系合成ゴムとしては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。これらの他のゴム成分は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
[熱硬化性樹脂]
本発明のゴム組成物に配合される熱硬化性樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂及び/又は変性ポリオレフィン樹脂が挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、ゴム組成物の硬度を高める補強用樹脂として好適である。
ノボラック型フェノール樹脂としてはノボラック型未変性フェノール樹脂、及びロジン油、トール油、カシューナッツ油、アマニ油等よりなる動植物やリノール油、オレイン酸油、リノレン酸油等よりなる不飽和油、キシレン、メシチレンよりなる芳香族炭化水素樹脂等のいずれかによって変性されたノボラック型変性フェノール樹脂等の1種又は2種以上が挙げられる。このようなノボラック型フェノール樹脂を配合する場合には、更に硬化剤としてメチレン供与体を使用することが好ましい。メチレン供与体としてヘキサメチレンテトラミンおよびメチロール化メラミン誘導体が使用できる。例えば、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサキス−(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリメチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N’−ジ(メトキシメチル)メラミン、N,N’,N”−トリブチル−N,N’,N”−トリメチロールメラミン等が例示できる。
変性ポリオレフィン樹脂としては1個以上の官能基を含むもので、官能基としては無水マレイン酸、アクリル酸、エポキシド類などから誘導されるものが好ましい。例えばユニロイヤル・ケミカル・カンパニー社製の「POLYBOND3009」あるいは「同3109」等が使用できる。変性ポリオレフィン樹脂についても1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
ノボラック型フェノール樹脂及び/又は変性ポリオレフィン樹脂の配合量は、ゴム成分100重量部に対して30重量部以下、例えば3.0〜30重量部とすることが好ましい。この配合量が少な過ぎるとこれを配合したことによる十分な補強効果を得ることができず、多過ぎるとゴムとしての粘性が低下しもろくなる。
なお、ノボラック型フェノール樹脂を用いる場合に硬化剤としてメチレン供与体を用いる場合、メチレン供与体の使用量はノボラック型フェノール樹脂100重量部に対して1.0〜10重量部程度が好ましい。
熱硬化性樹脂としてはまた、下記一般式(I)で表されるポリマレイミド樹脂の1種又は2種以上を用いても良く、このようなポリマレイミド樹脂を配合することにより、良好な作業性を維持した上で弾性率を向上させることができる。
Figure 2006152158
(式中、R及びRは、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、xは0〜5の整数を示す。)
このようなポリマレイミド樹脂は、下記一般式(II)で表されるメチレンポリアニリンと、無水マレイン酸、無水シトラコン酸及び無水ジメチルマレイン酸の中から選ばれる少なくとも1種を反応させることにより製造することができる。
Figure 2006152158
(式中、xは前記と同じである。)
このようなポリマレイミド樹脂の配合量は、ゴム成分100重量部に対して0.1重量部以上、特に0.1〜10重量部、とりわけ0.5〜5重量部とすることが好ましい。この配合量が少な過ぎるとこれを配合することによる十分な弾性率向上効果を得ることができず、多過ぎるとゴムとしての粘性が低下しもろくなる。
なお、前述のノボラック型フェノール樹脂及び/又は変性ポリオレフィン樹脂と上記ポリマレイミド樹脂とを併用する場合、全熱硬化性樹脂の合計の配合量がゴム成分100重量部に対して25重量部以下となるようにすることがゴムとしての粘性を失わずに高い弾性率が得られる点で好ましい。
[その他の配合成分]
本発明のゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを含有することが好ましい。カーボンブラックの配合量は、ゴム組成物中のゴム成分100重量部に対して30〜120重量部であることが好ましい。この配合量が30重量部未満の場合、カーボンブラックを配合したことによる補強性、その他の物性の改良効果を十分に得ることができず、120重量部を超えると加工性等が低下する。
カーボンブラックとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでもSAF,ISAF,HAF,FEF,GPFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。カーボンブラックは、特にDBP吸収量が110×10−5/kg以上で、窒素吸着比表面積が140×10/kg以上のものが好ましい。
また、ゴム組成物中にカーボンブラックを含む場合、その一部、例えばゴム成分100重量部に対して10〜100重量部をシリカで置き換えることにより、発熱性を改善することができる。ここで、シリカとしては、市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましい。シリカのBET比表面積としては150m/g以上のものが好ましく、より好ましくは170m/g以上、特に好ましくは190m/g以上である。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」などの市販品を用いることができる。
カーボンブラックについても、シリカについてもいずれも1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
本発明に係るゴム組成物においては、必要に応じて、ゴム業界で通常使用されている配合剤、例えば、他の補強性充填材、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤等を、目的に応じて適宜配合することができる。
[空気入りタイヤ]
本発明の空気入りタイヤは、上述したゴム組成物をタイヤ構成部材に適用した空気入りタイヤであり、特に空気入りタイヤのトレッド部を上記ゴム組成物で構成することが好ましい。
このような本発明の空気入りタイヤは、バス、トラック、飛行機といった重荷重用空気入りタイヤから、乗用車、モータースポーツ(MS)等のレース用車空気入りタイヤ等、各種の空気入りタイヤに有効に適用される。
以下に製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:変性天然ゴムの製造方法
(1)天然ゴムラテックスの変性反応工程
フィールドラテックスをラテックスセパレーター(斎藤遠心工業製)を用いて回転数7500rpmで遠心分離して乾燥ゴム濃度60%の濃縮ラテックスを得た。この濃縮ラテックス1000gを、撹拌機、温調ジャケットを備えたステンレス製反応容器に投入し、予め10mlの水と90mgの乳化剤(エマルゲン1108,花王株式会社製)を4−ビニルピリジン3.0gに加えて乳化したものを990mlの水とともに添加し、これらを窒素置換しながら30分間撹拌した。次いで、重合開始剤としてtert−ブチルヒドロパーオキサイド1.2gとテトラエチレンペンタミン1.2gとを添加し、40℃で30分間反応させることにより、変性天然ゴムラテックスを得た。
(2)凝固、乾燥工程
次いで、ギ酸を添加してpHを4.7に調整することにより、変性天然ゴムラテックスを凝固させた。このようにして得た固形物をクレーパーで5回処理し、シュレッダーに通してクラム化し、熱風式乾燥機により110℃で210分間乾燥して変性天然ゴムAを得た。このようにして得た変性天然ゴムAの重量から極性基含有単量体としての4−ビニルピリジンの転化率は100%であることが確認された。また、該変性天然ゴムを石油エーテルで抽出し、さらにアセトンとメタノールの2:1混合溶媒で抽出することによりホモポリマーの分離を行ったところ、抽出物の分析からホモポリマーは検出されず、添加した単量体の100%が天然ゴム分子に導入されていることを確認した。
実施例1〜3、比較例1〜5
表1に示す配合のゴム組成物について、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
なお、表1において用いた各材料は次の通りである。
[使用材料]
天然ゴム:RSS♯4
変性天然ゴム:製造例1で製造した4−ビニルピリジン0.5%変性天然ゴム
ノボラック型フェノール樹脂:住友デュレズ(株)製「PR50235」
ポリマレイミド樹脂:三井化学(株)製「BMI−S」(N,N’−(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド)
カーボンブラック:ISAF 旭カーボン社製「旭♯80(N−220)」
老化防止剤:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン 大内新興化学社製「ノクラック6C」
加硫促進剤:N−t−ブチル−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
加硫剤:硫黄
[評価]
(1)貯蔵弾性率E’及び損失係数tanδ
加硫条件(160℃×14分)で加硫したゴム組成物について、スペクトロメーター(動的粘弾性測定試験機)を用い、初期荷重160g、周波数52Hz、歪1%、測定温度25℃で測定し、比較例1の場合を100とし、指数で表示した。なお、表1には、貯蔵弾性率E’の増加率を示すために、比較例5の場合を100として、実施例1〜3の値を指数表示した数値も併記した。
E’は大きいほど弾性率が高く高剛性であり、tanδは低いほど低ロス性であることを示す。
Figure 2006152158
表1より、本発明のゴム組成物は、高剛性、低ロス性であることから、このような本発明のゴム組成物によれば、運転安定性に優れた空気入りタイヤが提供されることが明らかである。

Claims (7)

  1. 天然ゴムラテックスに極性基含有単量体をグラフト重合し、凝固、乾燥してなる変性天然ゴムと熱硬化性樹脂とを含むことを特徴とするゴム組成物。
  2. 請求項1において、前記変性天然ゴムを全ゴム成分の10重量%以上含有することを特徴とするゴム組成物。
  3. 請求項1又は2において、前記極性基が、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、アンモニウム基、イミド基、アミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、オキシカルボニル基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、含窒素複素環基、含酸素複素環基、アルコキシシリル基及びスズ含有基から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とするゴム組成物。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記極性基含有単量体のグラフト量が天然ゴムラテックスのゴム分に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とするゴム組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、熱硬化性樹脂がノボラック型フェノール樹脂及び/又は変性ポリオレフィン樹脂であることを特徴とするゴム組成物。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1項において、熱硬化性樹脂が、下記一般式(I)で表されるポリマレイミド樹脂であることを特徴とするゴム組成物。
    Figure 2006152158
    (式中、R及びRは、それぞれ水素原子又はメチル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、xは0〜5の整数を示す。)
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のゴム組成物をタイヤ構成部材に適用したことを特徴とする空気入りタイヤ。
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JP2011225678A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Bridgestone Corp ゴム組成物、ベルトコーティングゴム及び空気入りタイヤ
CN103936928A (zh) * 2014-05-03 2014-07-23 北京化工大学 一种具有高抗湿滑性能的改性丁苯橡胶的制备方法
CN112920473A (zh) * 2021-01-25 2021-06-08 三角轮胎股份有限公司 低变形刚度抗沟裂的全钢胎面底层胶橡胶组合物和轮胎

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