JP2006165309A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

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秀樹 松原
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裕久 齊藤
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文毅 中西
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大樹 森
Manabu Shiozaki
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Abstract

【課題】 青色や紫外光などの短波長の光を発振することのできる半導体レーザ素子を提供する。
【解決手段】 半導体レーザ素子1は、主面3aを有する基板3と、主面3aが延びる方向に沿って基板3上に形成されたフォトニック結晶層7と、基板3上に形成されたn型クラッド層4と、基板3上に形成されたp型クラッド層6と、n型クラッド層4およびp型クラッド層6に挟まれ、キャリアが注入されると発光する活性層5とを備えている。フォトニック結晶層7は、GaNよりなるエピタキシャル層2aと、エピタキシャル層2aよりも低屈折率である複数の孔2bとを含んでいる。活性層5から出た光のうち素子の内部に存在する光の3%以上をフォトニック結晶層7に導入できる程度に、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1が規定されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は半導体レーザ素子に関し、より特定的には、GaN(窒化ガリウム)を含む2次元回折格子を備えた半導体レーザ素子に関する。
DFB(Distributed feedback)レーザは、内部に設けられた1次元の回折格子によって前進波と後進波との結合を誘起し、その結果生じる定在波を利用したレーザである。この現象は、1次元の回折格子に対しブラック条件を満たす特定の波長の光でのみ生じる。したがって、DFBレーザによれば、縦モード(発振される光の光軸方向の共振モード)が単一モードである光を安定して発振することができる。
一方、DFBレーザにおいて、発振される光の光軸方向(言い換えれば回折格子に対して垂直な方向)以外の方向の光は、回折格子により回折されても定在波とはならず、フィードバックされない。つまり、DFBレーザでは、発振される光の光軸方向以外の方向の光は発振に関与せずにロスになるので、その分だけ発光効率が悪いという欠点があった。
そこで、近年、2次元の屈折率分布を持った2次元フォトニック結晶レーザが開発されつつある。2次元フォトニック結晶レーザによれば、発振される光の光軸方向以外の光であっても、フォトニック結晶面内に存在するさまざまな方向の光を回折して定在波を生じさせることで、発光効率を向上することができる。また、2次元フォトニック結晶レーザは、フォトニック結晶の主面に対して垂直な方向に面発光するという特徴を有しているので、レーザ光の出力を増加することができる。従来の2次元フォトニック結晶レーザは、たとえば以下の構造を有している。
2次元フォトニック結晶レーザは、ダブルへテロ接合を形成するように形成されたn型クラッド層、活性層、およびp型クラッド層と、InP基板と、2つの電極とを備えている。InP基板の主面には、所定の格子配列(たとえば三角格子や正方格子など)で複数の孔が開口されている。これにより、孔の開いていない部分はInPの屈折率(n=3.21)となり、孔の開いている部分は空気の屈折率(n=1)となり、InP基板の主面は周期的な屈折率分布を有するフォトニック結晶となる。このInP基板の主面上にn型クラッド層、活性層、およびp型クラッド層がこの順序で形成されている。p型クラッド層の主面と、フォトニック結晶が形成されていない側のInP基板の主面との各々に、2つの電極の各々が形成されている。
このような2次元フォトニック結晶レーザでは、2つの電極間に適当な電圧を印加することによって、正孔と電子とが活性層に注入される。そして、正孔と電子とが再結合すると、所定の波長を持った光が活性層内に発生する。そして、この光が活性層外へしみ出してエバネッセント光となり、フォトニック結晶に導入され、フォトニック結晶内における孔の格子点でブラック反射を繰り返す。その結果、各格子点間で定在波が発生し、波長および位相が揃った光となる。そして、この光がフォトニック結晶の主面に垂直な方向から発振される。
なお、従来の2次元フォトニック結晶レーザは、たとえば特許文献1および非特許文献1〜3に開示されている。特許文献1では、n型InPよりなる基板上にInGaAsなどよりなるフォトニックバンド構造が形成された2次元フォトニック結晶レーザが開示されている。また、非特許文献1および2では、InPよりなる基板上にInPよりなるフォトニック結晶が形成された2次元フォトニック結晶レーザが開示されている。さらに、非特許文献3には、n型GaAsよりなる基板上にGaAsよりなるフォトニック結晶を有し、活性層とフォトニック結晶との距離が80nmである2次元フォトニック結晶レーザが開示されている。これらの2次元フォトニック結晶レーザは、全て赤外光を発振するレーザである。
特開2000−332351号公報 横山光他、「二次元フォトニック結晶面発光レーザー」、日本赤外線学会誌、2003年、第12巻、第2号、第17頁〜第23頁 M.Imada, et al., "Coherent two-dimensional lasing action in surface-emitting laser with triangular-lattice photonic crystal ", App. Phys. Lett., 75 (3) pp.316-318, 19 July 1999 D.Ohnishi, et al., "Continuous wave operation of surface emitting two-dimensional photonic crystal laser ", ELECTRONICS LETTERS, 3rd April 2003, Vol.39, No.7
近年、赤外光よりも短波長(青色や紫外光など)の光を発振する2次元フォトニック結晶レーザへの要望が高まっている。しかしながら、2次元フォトニック結晶レーザにおいては、短波長の光を発振することができないという問題があった。これについて以下に説明する。
上述のように、2次元フォトニック結晶レーザでは、活性層外へしみ出したエバネッセント光をフォトニック結晶に導入し、フォトニック結晶において波長および位相を揃えて光を発振している。ここで、エバネッセント光が活性層から漏れ出す距離(光の強度が1/eとなる界面からの距離)dは、以下の式(1)で表わされる。
d=λ/4π(n1 2sin2θ−n2 21/2 ・・・(1)
式(1)において、λは活性層における光の波長であり、n1は活性層に隣接する領域(通常クラッド層)の屈折率であり、n2は活性層の屈折率である。式(1)に示すように、エバネッセント光が活性層から漏れ出す距離dは、光の波長λに比例する。つまり、赤外光を発振する2次元フォトニック結晶レーザに比べて、赤外光よりも短波長の光を発振する2次元フォトニック結晶では、エバネッセント光が活性層から漏れ出す距離dが短くなる。このため、青色や紫外光などの短波長の光の発振を目指した、通常の2次元フォトニック結晶レーザでは、素子の内部に存在する光のうち1%以下の光しかフォトニック結晶層へ導入することができず、発振することができなかった。
ここで、より多くの光をフォトニック結晶へ導入するために、2つのフォトニック結晶を、活性層を挟むように配置し、活性層の上下からしみ出すエバネッセント光をそれぞれのフォトニック結晶へ導入する方法も考えられる。しかし、2つのフォトニック結晶の回折格子点の位置を完全に揃えることは困難であるため、活性層の上下に2つのフォトニック結晶を配置することはできなかった。
したがって、本発明の目的は、青色や紫外光などの短波長の光を発振することのできる半導体レーザ素子を提供することである。
本発明の半導体レーザ素子は、主面を有する基板と、基板の主面が延びる方向に沿って基板上に形成された2次元回折格子と、基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、基板上に形成された第2導電型の第2クラッド層と、第1および第2導電型クラッド層に挟まれ、キャリアが注入されると発光する活性層とを備えている。活性層から出た光のうち素子の内部に存在する光の3%以上を2次元回折格子に導入できる程度に、2次元回折格子と活性層との距離が規定されている。
本発明の半導体レーザ素子によれば、活性層からしみ出すエバネッセント光を十分に2次元回折格子に導入できるので、2次元回折格子において波長および位相を揃えて光を発振することができる。したがって、青色や紫外光などの短波長の光を発振することができる。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、2次元回折格子と活性層との距離が0.01μm以上0.07μm以下である。
2次元回折格子と活性層との距離を0.07μm以下とすることで、素子の内部に存在する光のうち3%以上の光を2次元回折格子に導入できる。したがって、青色や紫外光などの短波長の光を発振することができる。また、2次元回折格子と活性層との距離を0.01μm以上にすることで、活性層から2次元回折格子へ少数キャリアが進入しにくくなり、2次元回折格子内でのキャリアの非発光再結合が起こりにくくなる。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、第1クラッド層は2次元回折格子の一方の主面側に形成されており、かつ第2クラッド層は第1クラッド層よりも2次元回折格子に近い。さらに、2次元回折格子の一方の主面側に形成され、第2クラッド層よりも広いバンドギャップを有する第2導電型の少数キャリアブロック層をさらに備えている。
2次元回折格子と活性層との距離を小さくすると、第1クラッド層から活性層へ注入されたキャリアが第2クラッド層を通過して2次元回折格子に進入しやすくなる。特に、2次元回折格子が空気孔を有している場合には、2次元回折格子の空気孔の表面でのキャリアの非発光再結合が非常に起こりやすい。そこで、2次元回折格子と活性層との間に少数キャリアブロック層を形成することによって、少数キャリアが2次元回折格子に進入することを防止することができるので、2次元回折格子内でのキャリアの非発光再結合を防止することができる。これにより、半導体レーザ素子の閾値を低下することができる。
本発明の半導体レーザ素子においてこのましくは、少数キャリアブロック層はAlxGa1-xN(0.16≦x≦1)よりなっている。
xが0.16以上のAlxGa1-xNは、広いバンドギャップを有しているので、少数キャリアブロック層として適している。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、第1および第2クラッド層は、共に2次元回折格子の一方の主面側に形成されており、かつ第2クラッド層は第1クラッド層よりも2次元回折格子に近く、第1クラッド層の屈折率は第2クラッド層の屈折率よりも低い。
これにより、第1クラッド層の屈折率が低くなるので、活性層から第1クラッド層側へエバネッセント光がしみ出しにくくなる。これにより、活性層から第2クラッド層側へしみ出すエバネッセント光の光量が増加し、2次元回折格子に導入される光の光量が増加する。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、第1クラッド層は、厚さが0.1μm以上のAlxGa1-xN(0.13≦x≦1)よりなっている。
xが0.13以上のAlxGa1-xNは、低い屈折率を有しているので、この層を0.1μm以上の厚さで形成することで、活性層から第1クラッド層へエバネッセント光がしみ出しにくくなる。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、エピタキシャル層よりなる2次元回折格子は複数の孔を有しており、複数の孔によって回折格子点が構成されている。
これにより、TEモードの光に対して定在波を立たせて光を発振する半導体レーザ素子が得られる。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、2次元回折格子を形成するエピタキシャル層は複数の柱形状であり、複数の柱形状によって回折格子点が構成されている。
これにより、TMモードの光に対して定在波を立たせて光を発振する半導体レーザ素子が得られる。
本発明の半導体レーザ素子において好ましくは、基板は導電性GaNまたは導電性SiC(炭化シリコン)よりなっている。
導電性GaNまたは導電性SiCの上にGaNをエピタキシャル成長すると、転位密度が低く、平坦性の高いGaN結晶が得られる、したがって、エピタキシャル層の転位密度を低下し、平坦性を向上することができる。また、導電性を有する基板を用いると、基板に電極を取り付けることで基板を介して電流を注入することができるので、高電流密度の電流を活性層内へ注入することができる。
本発明の半導体レーザ素子によれば、活性層からしみ出すエバネッセント光を十分に2次元回折格子に導入できるので、フォトニック結晶において波長および位相を揃えて光を発振することができる。したがって、青色や紫外光などの短波長の光を発振することができる。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の斜視図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1および図2に示すように、半導体レーザ素子1は、基板3と、第1クラッド層としてのn型クラッド層4と、活性層5と、第2クラッド層としてのp型クラッド層6と、2次元回折格子としてのフォトニック結晶層7と、もう一つの第2クラッド層としてのp型クラッド層8と、コンタクト層9と、電極10および11とを備えている。
基板3はたとえば導電性GaNまたは導電性SiCよりなっており、主面3aを有している。基板3上には、n型クラッド層4およびp型クラッド層6が形成されており、活性層5がn型クラッド層4およびp型クラッド層6に挟まれている。フォトニック結晶層7はp型GaNよりなっており、主面3aが延びる方向に沿ってp型クラッド層6上に形成されている。フォトニック結晶層7上には、p型クラッド層8およびコンタクト層9がこの順で形成されている。コンタクト層9の上には円形状の電極10が設けられており、基板3の主面3aとは反対側の主面3bには、一面に電極11が設けられている。
また、フォトニック結晶層7から見た場合には、n型クラッド層4およびp型クラッド層6は、共にフォトニック結晶層7の裏面17a(一方の主面)側に形成されている。また、フォトニック結晶層7の表面17b(他方の主面)側にはp型クラッド層8が形成されている。p型クラッド層6およびp型クラッド層8はn型クラッド層4よりもフォトニック結晶層7に近い。
距離d1はフォトニック結晶層7と活性層5との距離であり、詳細には、フォトニック結晶層7の裏面17aと活性層5の表面5aとの距離である。本実施の形態においては、活性層5からしみ出すエバネッセント光を十分にフォトニック結晶層7に導入できる程度(たとえば素子の内部に存在する光のうち3%以上の光をフォトニック結晶層7に導入できる程度)に、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1が規定されている。距離d1は、たとえば0.01μm以上0.07μm以下である。
n型クラッド層4はたとえばn型AlGaNよりなっており、p型クラッド層6はたとえばp型AlGaNよりなっている。n型クラッド層4およびp型クラッド層6は、活性層5に与えられるべきキャリアが伝導する導電層として機能する。また、n型クラッド層4およびp型クラッド層6は、共に、活性層5にキャリア(電子および正孔)を閉じ込める閉じ込め層として機能する。つまり、n型クラッド層4、活性層5、およびp型クラッド層6は、ダブルヘテロ接合を形成している。このため、発光に寄与するキャリアを活性層5に集中させることができる。
活性層5はたとえばAlxGa1-x-yInyN(0≦x,y≦1,0≦x+y≦1)よりなる多重量子井戸によって構成されている。また、単一の半導体材料よりなっていてもよい。活性層5は、フォトニック結晶層7に沿って設けられ所定の方向に伸びる複数の量子細線として形成されることができ、また、フォトニック結晶層7に沿って設けられ複数の量子箱として形成されることができる。各量子細線は、その長手方向と直交する2方向に関して電子のエネルギ準位が離散的になるような寸法(たとえば数十nm程度)を有する。各量子箱は、互いに直交する3方向に関して電子のエネルギ準位が離散的になるような寸法(たとえば数十nm程度)を有する。このような量子構造を備えると状態密度が大きくなるので、発光効率が高められると共に、発光スペクトルが先鋭化される。
図3は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。図1〜図3を参照して、フォトニック結晶層7は、GaNよりなるエピタキシャル層2aと、複数の孔2bとを含んでいる。エピタキシャル層2aの表面17bに複数の孔2bが3角格子を形成するように設けられており、複数の孔2bの各々によって回折格子点が構成されている。各孔2bは、柱状(例えば、円柱形状)の空間部として設けられている。各孔2bの中心と、これと最も近い隣接の6個の孔2bの中心との距離は等しい値であり、孔の中心の間隔はたとえば0.15μmであり、孔2bの直径はたとえば0.08μmである。
エピタキシャル層2aは第1の屈折率(GaNの場合2.54)を有し、周期的に形成された孔2bは、第1の屈折率よりも低屈折率である第2の屈折率(孔2b内に空気が埋め込まれている場合1)を有する。孔2bには、第1の屈折率よりも低屈折率である材料を埋め込むことも可能である。しかしながら、第1の屈折率と第2の屈折率との差を大きくとるためには、孔2bは何も埋め込まない状態(気体、たとえば空気を埋め込んだ状態、より厳格には、後に説明する接合工程における雰囲気に含まれる気体が存在する状態)であることが好ましい。このように屈折率の差を大きくとると、第1の屈折率の媒質内に光を閉じ込めることができる。なお、孔2bを埋め込む低屈折率の誘電体材料としては、シリコン窒化膜(SiNx)などを用いることができる。
フォトニック結晶層7は、第1の方向と、この方向と所定の角度をなす第2の方向とに対して、等しい周期(格子定数に対応する値)を有する回折格子である。フォトニック結晶層7には、上記の2方向およびそれらの方向の周期に関して様々な選択が可能である。また、領域Aおよびその周辺の領域は電極10から高電流密度の電流が注入される領域であるので、光を放出する領域として機能する。半導体レーザ素子1の発光方法については、後ほど説明する。
図1および図2を参照して、p型クラッド層8はたとえばp型のAlGaNよりなっている。p型クラッド層8は、活性層5に与えられるべきキャリアが伝導する導電層として機能する。また、p型クラッド層8は、フォトニック結晶層7より下の層にキャリア(電子)と光とを閉じ込める閉じ込め層として機能する。また、コンタクト層9は、電極10との接触をオーミック接触にするために形成される。電極10および11は、たとえばAu(金)などよりなっている。
なお、本実施の形態における半導体レーザ素子1の各部分の寸法を例示的に以下に列挙すると、基板3の厚さはたとえば100μmであり、フォトニック結晶層7の厚さはたとえば0.1μmであり、n型クラッド層4およびp型クラッド層8の各々の厚みはたとえば0.5μmであり、活性層5の厚みはたとえば0.1μmである。
次に、半導体レーザ素子1の発光方法について、図1〜図3を用いて説明する。
電極10に正電圧を印加すると、p型クラッド層6および8から活性層5へ正孔が注入され、n型クラッド層4から活性層5へ電子が注入される。活性層5へ正孔および電子(キャリア)が注入されると、キャリアの再結合が起こり、光が発生される。発生される光の波長は、活性層5が備える半導体層のバンドギャップによって規定される。
活性層5において発生された光は、n型クラッド層4およびp型クラッド層6によって活性層5内に閉じ込められるが、一部の光はエバネッセント光としてフォトニック結晶層7に到達する。フォトニック結晶層7に到達したエバネッセント光の波長と、フォトニック結晶層7が有する所定の周期とが一致する場合には、その周期に対応する波長において光は回折を繰り返し、定在波が発生し、位相条件が規定される。フォトニック結晶層7によって位相が規定された光は、活性層5内の光にフィードバックされ、やはり定在波を発生させる。この定在波は、フォトニック結晶層7において規定される光の波長および位相条件を満足している。
このような現象は、活性層5およびフォトニック結晶層7が2次元的に広がりをもって形成されているので、電極10を中心にした領域Aおよびその付近において生じうる。十分な量の光がこの状態に蓄積された場合、波長および位相条件の揃った光が、フォトニック結晶層7の主面17に垂直な方向(図1中上方向)、つまり光放出面9aから誘導放出される。
続いて、2次元回折格子(フォトニック結晶層)7について具体例を掲げながら説明する。2次元回折格子は、少なくとも2方向に同一の周期で並進させたときに重なり合うような性質を有する。このような2次元回折格子は、正三角形、正方形、または正六角形を一面に敷き詰めて配置し、その各頂点に格子点を設けることによって形成される。ここでは、正三角形を用いて形成される格子を3角格子、正方形を用いて形成される格子を正方格子、正六角形を用いて形成される格子を6角格子とそれぞれ呼ぶ。
図4は、2次元回折格子として、格子間隔がaである3角格子を描いた図面である。3角格子は、一辺の長さがaである正三角形によって埋め尽くされている。図4において、任意に選択された格子点Aに着目し、格子点Aから格子点Bに向かう方向をX−Γ方向と呼び、また格子点Aから格子点Cへ向かう方向をX−J方向と呼ぶ。本実施の形態では、活性層5において発生される光の波長がX−Γ方向に関する格子周期に対応している場合について説明する。
2次元回折格子7は、以下に説明する3個の1次元回折格子群L、M、Nを含むと考えることができる。1次元回折格子群Lは、Y軸方向に向けて設けられた1次元格子L1、L2、L3などからなっている。1次元回折格子群Mは、X軸方向に対して120度の角度を方向に向けて設けられた1次元格子M1、M2、M3などからなっている。1次元回折格子群Nは、X軸方向に対して60度の方向に向けて設けられた1次元格子N1、N2、N3などからなっている。これら3つの1次元回折格子群L,N,およびMは、任意の格子点を中心に120度の角度で回転すると重なりあう。各1次元回折格子群L,N,およびMにおいて、1次元格子間の間隔はdであり、1次元格子内の間隔はaである。
まず、格子群Lに関して考える。格子点Aから格子点Bの方向に進む光は、格子点Bにおいて回折現象を生じる。回折方向は、ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)によって規定される。ここで、λはエピタキシャル層2a内における光の波長である。2次のブラッグ反射(m=±2)を満足するように回折格子が形成されている場合には、θ=±60゜、±120゜の角度に別の格子点D,E,F,およびGが存在する。また、m=0に対応する角度θ=0、180゜にも格子点AおよびKが存在する。
格子点Bにおいて、たとえば格子点Dの方向に向けて回折された光は、格子点Dにおいて格子群Mに従って回折される。この回折は、格子群Lに従う回折現象と同様に考えることができる。次いで、格子点Dにおいて格子点Hに向けて回折される光は、格子群Nに従って回折される。このようにして順次、格子点H、格子点I、格子点Jと回折されていく。格子点Jから格子点Aに向けて回折される光は、格子群Nに従って回折される。
以上、説明したように、格子点Aから格子点Bに進む光は、複数回の回折を経て、最初の格子点Aに到達する。このため、半導体レーザ素子1においては、ある方向に進む光が複数回の回折を介して元の格子点の位置の戻るので、各格子点間には定在波が立つ。したがって、2次元回折格子7は光共振器、つまり波長選択器および反射器として作用する。
また、上記ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)において、mが奇数である条件でのブラッグ反射の方向は、θ=±90゜となる。これは、2次元回折格子7の主面に対して垂直方向(図4中紙面に垂直な方向)にも回折が強くなることを意味している。これにより、2次元回折格子7の主面に対して垂直方向、すなわち光放出面9a(図1)から光を放出(面発光)させることができる。
さらに、2次元回折格子7では、上記の説明が任意の格子点Aにおいて行なわれたことを考慮すると、上記のような光の回折は2次元的に配置されたすべての格子点において生じ得る。このため、各X−Γ方向に伝搬する光が、ブラッグ回折によって2次元的に相互に結合していると考えられる。2次元回折格子7では、この2次元的結合によって3つのX−Γ方向が結合しあってコヒーレントな状態が形成されると考えられる。
図5は、図4に示された3角格子が有する逆格子空間を示した図面である。逆格子空間におけるブリリアンゾーンの中心Γ点、このΓ点と隣接ブリリアンゾーンのΓ点とを結んだ直線がブリリアンゾーンの境界と交差するX点、互いに隣接する3ブリリアンゾーンが一点において接するJ点が示されている。図5におけるΓ点、X点、J点から規定される方向は、図4に説明において参照したΓ−X方向およびΓ−J方向に対応する。
図6(a)は、図4に示された3角格子について、InPよりなるフォトニック結晶層に関して、平面波展開法を用いてバンド計算を行なった結果の一例を示したフォトニックバンド図であり、特にTEモードに対する計算結果である。図6(b)は、図6(a)におけるS点近傍における拡大図である。図1のフォトニック結晶層7は、図6(a)に示された分散関係、つまりフォトニックバンド構造を有する。本明細書において、フォトニックバンド構造とは、媒質内に設けられた少なくとも2次元の周期的な屈折率分布に基づき光子のエネルギに対して規定された分散関係をいう。
図6(a)および(b)を参照して、Γ点およびその付近の波数範囲では、Sで示す部分およびPで示す部分において、フォトニックバンドギャップが存在している。ここでは、Sで示す部分を「第1フォトニックバンドギャップ」と呼び、Pで示す部分を「第2フォトニックバンドギャップ」と呼ぶ。第1フォトニックバンドギャップの規格化周波数ω1は約0.35となっており、第2フォトニックバンドギャップの規格化周波数ω2は約0.61となっている。ここで、Γ点は波数ベクトルk=0の点であるので、光の規格化周波数ωが規格化周波数ω1およびω2の場合には、結晶方向に関わらず定在波が立つ。同様の計算を本願のGaNよりなるフォトニック結晶層7(3角格子)に対して行なうと、第1フォトニックバンドギャップの規格化周波数ω1は約0.47となり、第2フォトニックバンドギャップの規格化周波数ω2は約0.82となる。
次に、本実施の形態における半導体レーザ素子1の製造方法について、図7〜図13を用いて説明する。
始めに、図7を参照して、たとえば導電性GaNまたは導電性SiCなどよりなる基板3を準備する。そして、たとえばMOCVD(Metal-organic chemical vapor deposition)法を用いて、n型クラッド層4、活性層5、p型クラッド層6、およびGaNよりなるエピタキシャル層2aをこの順序で基板3上にエピタキシャル成長させる。活性層5とエピタキシャル層2aとの距離については、p型クラッド層6の膜厚によって調整することができる。なお、図示しないが、基板3の直上にバッファ層を形成し、バッファ層の上にn型クラッド層4を形成してもよい。
次に、図8を参照して、電子ビーム露光によってエピタキシャル層2a上に所定形状のレジスト20を形成する。続いて、図9を参照して、レジスト20をマスクとしてエピタキシャル層2aをICP(Inductively coupled plasma)でエッチングし、エピタキシャル層2aの所定の位置に回折格子点となる孔2bを形成する。これにより、フォトニック結晶層7が形成される。
一方、図10を参照して、図9に示す構造とは別に、剥離層22、コンタクト層9、およびp型クラッド層8をこの順序で基板21上に形成する。これらの層は、たとえばMOCVD法を用いて基板21上にエピタキシャル成長させることによって形成する。
次に、図11を参照して、フォトニック結晶層7とp型クラッド層8とが互いに対向するような向きで基板3と基板21とを融着貼り付けする。融着貼り付けは、たとえば窒素雰囲気において700℃の温度で所定の圧力をかけて行なわれる。この方法により、接着剤を用いることなしにp型クラッド層8とフォトニック結晶層7とをくっつけることができる。
次に、図12を参照して、図中横方向からエッチングすることにより剥離層22を選択的に除去する。これにより、基板21と基板3とが分離し、コンタクト層9の上面である光放出面9aが露出する。その後、コンタクト層9の光放出面9aに電極10を形成し、基板3の主面3bに電極11を形成し、図2に示す半導体レーザ素子1が完成する。なお、本実施の形態における半導体レーザ素子1の製造方法は、上記製造方法に限定されるものではなく、他の方法であってもよい。
本実施の形態の半導体レーザ素子1は、主面3aを有する基板3と、主面3aが延びる方向に沿って基板3上に形成されたフォトニック結晶層7と、基板3上に形成されたn型クラッド層4と、基板3上に形成されたp型クラッド層6と、n型クラッド層4およびp型クラッド層6に挟まれ、キャリアが注入されると発光する活性層5とを備えている。フォトニック結晶層7は、GaNよりなるエピタキシャル層2aと、エピタキシャル層2aよりも低屈折率である複数の孔2bとを含んでいる。活性層5から出た(活性層5で発光した)光のうち素子の内部に存在する光の3%以上をフォトニック結晶層7に導入できる程度に、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1が規定されている。
本実施の形態の半導体レーザ素子1によれば、活性層5からしみ出すエバネッセント光を十分にフォトニック結晶層7に導入できるので、フォトニック結晶層7において波長および位相を揃えて光を発振することができる。したがって、GaNを含むフォトニック結晶層7を用いて青色や紫外光などの短波長の光を発振することができる。
本実施の形態の半導体レーザ素子1においては、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1が0.01μm以上0.07μm以下である。
フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1を0.07μm以下とすることで、素子の内部に存在する光のうち3%以上の光をフォトニック結晶層7に導入できる。したがって、GaNを含むフォトニック結晶層7を用いて青色や紫外光などの短波長の光を発振することができる。また、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1を0.01μm以上にすることで、活性層5からフォトニック結晶層7へ電子が進入しにくくなり、2次元回折格子内でのキャリアの非発光再結合が起こりにくくなる。
本願発明者らは、上記効果を確認すべく、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1を0.07μmに規定し、半導体レーザ素子1の内部に存在する光の分布についてシミュレーションを行なった。この結果を図13に示す。図13を参照して、実線は半導体レーザ素子1の内部の光強度分布を示しており、光強度分布を積分したもの(面積)が光量となる。光強度は電界強度の2乗に比例する。また、点線は各層の屈折率を示している。シミュレーションの結果、半導体レーザ素子1の内部に存在する光の総量B0に対する、フォトニック結晶層7に導入された光の光量Bの割合(B/B0)は、3%を超えていた。以上の結果から、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1を0.07μm以下とすることで、素子の内部に存在する光のうち3%以上の光をフォトニック結晶層7に導入できることが分かる。
本実施の形態の半導体レーザ素子1において、エピタキシャル層2aは複数の孔2bを有しており、複数の孔2bによって回折格子点が構成されている。
これにより、TEモードの光に対して定在波を立たせて光を発振する半導体レーザ素子が得られる。
本実施の形態の半導体レーザ素子1において好ましくは、基板3は導電性GaNまたは導電性SiC(炭化シリコン)よりなっている。
導電性GaNまたは導電性SiCの上にGaNをエピタキシャル成長すると、転位密度が低く、平坦性の高いGaN結晶が得られる、したがって、エピタキシャル層2aの転位密度を低下し、平坦性を向上することができる。また、導電性を有する基板を用いると、基板3に電極11を取り付けることで基板3を介して電流を注入することができるので、高電流密度の電流を活性層5内へ注入することができる。
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。図14に示すように、本実施の形態の半導体レーザ素子1aは、p型クラッド層6(図1)の代わりに、少数キャリアブロック層24を備えている。少数キャリアブロック層24は、フォトニック結晶層7の裏面17a側に形成されており、第2クラッド層としてのp型クラッド層8よりも広いバンドギャップを有している。少数キャリアブロック層24は、たとえばp型AlxGa1-xN(0.16≦x≦1)よりなっている。なお、半導体レーザ素子1aにおいて、少数キャリアブロック層24は、p型クラッド層6と同様の機能も有している。具体的には、少数キャリアブロック層24は、活性層5に与えられるべきキャリアが伝導する導電層として機能し、また、活性層5にキャリアと光とを閉じ込める閉じ込め層として機能する。
なお、これ以外の半導体レーザ素子1aの構成およびその製造方法は、実施の形態1における半導体レーザ素子1の構成およびその製造方法とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の半導体レーザ素子1aにおいて、n型クラッド層4はフォトニック結晶層7の裏面17a側に形成されており、かつp型クラッド層8はn型クラッド層4よりもフォトニック結晶層7に近い。半導体レーザ素子1aは、フォトニック結晶層7の裏面17b側に形成され、p型クラッド層8よりも広いバンドギャップを有するp型の少数キャリアブロック層24をさらに備えている。
本実施の形態の半導体レーザ素子1aによれば、閾値を低下することができる。これについて以下に説明する。
図15は、本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の各層のバンドギャップを模式的に示す図である。図15を参照して、半導体レーザ素子1aから光が発振される際には、n型クラッド層4から電子が活性層5内へ注入され、p型クラッド層8から活性層5へ正孔が注入される。図15においては、電子および正孔が活性層5内へ注入される様子を示している。これらのキャリアのうち、電子は、活性層5内に留まらずにフォトニック結晶層7へ少数キャリアとして進入しやすい。本実施の形態のように活性層5とフォトニック結晶層7との距離d1が小さい場合には、電子がフォトニック結晶層7へ特に進入しやすくなる。電子がフォトニック結晶層7へ進入すると、p型クラッド層8から注入された正孔と非発光再結合する。特に、フォトニック結晶層7において複数の孔2bの内部に空気が埋め込まれている場合には、非発光再結合が起こりやすい。
そこで、本実施の形態では、フォトニック結晶層7と活性層5との間に、広いバンドギャップを有する少数キャリアブロック層24を形成し、少数キャリアブロック層24の高い障壁によって電子がフォトニック結晶層7に進入することを防止している。少数キャリアブロック層24のバンドギャップh1は、p型クラッド層8のバンドギャップh2よりも広い。これにより、フォトニック結晶層7内でのキャリアの非発光再結合を防止することができ、半導体レーザ素子1aの閾値を低下することができる。
本実施の形態の半導体レーザ素子1aにおいて、少数キャリアブロック層24はAlxGa1-xN(0.16≦x≦1)よりなっている。
xが0.16以上のAlxGa1-xNは、広いバンドギャップを有しているので、少数キャリアブロック層として適している。
なお、本実施の形態では、半導体レーザ素子1aがp型クラッド層6の代わりに少数キャリアブロック層24を備えている場合について示したが、本発明の半導体レーザ素子はこのような場合の他、図16に示すように、p型クラッド層6と少数キャリアブロック層24との両方を備えていてもよい。また、図16では、少数キャリアブロック層24上にp型クラッド層6が形成されているが、p型クラッド層6上に少数キャリアブロック層24が形成されていてもよい。
(実施の形態3)
図2を参照して、上述のように、半導体レーザ素子1におけるn型クラッド層4およびp型クラッド層6は、共に、活性層5にキャリアを閉じ込める閉じ込め層として機能する。このため、n型クラッド層4およびp型クラッド層6は、通常、同程度の屈折率を有している。
しかし、本実施の形態では、2つのクラッド層のうちフォトニック結晶層7から見て遠い方のクラッド層であるn型クラッド層4の屈折率が、p型クラッド層6の屈折率よりも低くなっている。n型クラッド層4は、たとえば厚さd2が0.1μm以上のAlxGa1-xN(0.13≦x≦1)よりなっている。
なお、これ以外の半導体レーザ素子の構成は、実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様であるので、その説明は省略する。
本実施の形態の半導体レーザ素子において、n型クラッド層4およびp型クラッド層6は、共にフォトニック結晶層7の裏面17a側に形成されており、かつp型クラッド層6はn型クラッド層4よりもフォトニック結晶層7に近く、n型クラッド層4の屈折率はp型クラッド層6の屈折率よりも低い。
これにより、n型クラッド層4の屈折率が低くなるので、活性層5からn型クラッド層4側へエバネッセント光がしみ出しにくくなる。これにより、活性層5からp型クラッド層6側へしみ出すエバネッセント光の光量が増加し、フォトニック結晶層7に導入される光の光量が増加する。
本実施の形態の半導体レーザ素子において、n型クラッド層4は、厚さd2が0.1μm以上のAlxGa1-xN(0.13≦x≦1)よりなっている。
xが0.13以上のAlxGa1-xNは、低い屈折率を有しているので、この層を0.1μm以上の厚さで形成することで、活性層5からn型クラッド層4へエバネッセント光がしみ出しにくくなる。
なお、エピタキシャル成長層全体がGaN系材料よりなっている半導体レーザ素子の場合、高Al組成のAlGaNよりなるn型クラッド層4を厚く形成すると、基板3とエピタキシャル成長層との格子が不整合になりやすい。しかし、GaNやSiCよりなる基板3を用いてエピタキシャル成長層を形成することで、その結晶性を良好にすることができるので、上記不整合を回避することができる。
本願発明者らは、上記効果を確認すべく、0.2μmの厚さd2を有するAlxGa1-xN(x=0.15)よりなるn型クラッド層 4を用いて、フォトニック結晶層7と活性層5との距離d1を0.04μmに規定し、半導体レーザ素子の内部に存在する光の分布についてシミュレーションを行なった。この結果を図17に示す。図17を参照して、シミュレーションの結果、半導体レーザ素子の内部に存在する光の総量C0に対する、フォトニック結晶層7に導入された光の光量Cの割合(C/C0)は、6%を超えていた。以上の結果から、n型クラッド層4の屈折率を低屈折率にすることで、より多くの光をフォトニック結晶層7に導入できることが分かる。
(実施の形態4)
実施の形態1においては、フォトニック結晶層7の回折格子点2bが図3に示すような3角格子を形成している場合について示した。しかしながら、フォトニック結晶層の回折格子点の配列は、たとえば以下のようなものであってもよい。
図18は、本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。図18に示すように、本実施の形態のフォトニック結晶層7aにおいて、エピタキシャル層2aの表面17bには、複数の回折格子点(孔)2bが正方格子を形成するように設けられている。
図19は、2次元回折格子として、格子間隔がdである正方格子を描いた図である。正方格子は、一辺の長さがdである正方形で埋め尽くされている。図19において、任意に選択された格子点Wに着目し、格子点Wから格子点Pに向かう方向をX−Γ方向と呼び、また格子点Wから格子点Qへ向かう方向X−J方向と呼ぶ。ここでは、活性層5において発生される光の波長がX−Γ方向に関する格子周期に対応している場合について説明する。
2次元回折格子(フォトニック結晶層)7aは、以下に説明する2個の1次元回折格子群U、Vを含むと考えることができる。1次元回折格子群Uは、Y軸方向に向けて設けられた1次元格子U1、U2、U3などからなっている。1次元回折格子群Vは、X軸方向に向けて設けられた1次元格子V1、V2、V3などからなっている。これら2つの1次元回折格子群UおよびVは、任意の格子点を中心に90゜の角度で回転すると重なりあう。各1次元回折格子群UおよびVにおいて、1次元格子間の間隔はdであり、1次元格子内の間隔はbである。
まず、格子群Uに関して考える。格子点Wから格子点Pの方向に進む光は、格子点Pにおいて回折現象を生じる。回折方向は、3角格子の場合と同様に、ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)によって規定される。2次のブラッグ反射(m=±2)を満足するように回折格子が形成されている場合には、θ=±90゜の角度に別の格子点Q、Rが存在し、m=0に対応する角度θ=0、180゜にも格子点W、Sが存在する。
格子点Pにおいて格子点Qの方向に向けて回折された光は、格子点Qにおいて格子群Vに従って回折される。この回折は、格子群Uに従う回折現象と同様に考えることができる。次いで、格子点Qにおいて格子点Tに向けて回折される光は、格子群Uに従って回折される。このようにして順次に回折されていく。格子点Tから格子点Wに向けて回折される光は、格子群Vに従って回折される。
以上、説明したように、格子点Wから格子点Pに進む光は、複数回の回折を経て、最初の格子点Wに到達する。このため、本実施の形態の半導体レーザ素子においては、ある方向に進む光が複数回の回折を介して元の格子点の位置の戻るので、各格子点間には定在波が立つ。したがって、2次元回折格子7aは光共振器、つまり波長選択器および反射器として作用する。
また、上記ブラッグ条件2d・sinθ=mλ(m=0、±1、・・)において、mが奇数である条件でのブラッグ反射の方向は、θ=±90゜となる。これは、2次元回折格子7aの主面に対して垂直方向(図15中紙面に垂直な方向)にも回折が強くなることを意味している。これにより、2次元回折格子7aの主面に対して垂直方向、すなわち光放出面9a(図1)から光を放出(面発光)させることができる。
さらに、2次元回折格子7aでは、上記の説明が任意の格子点Wにおいて行なわれたことを考慮すると、上記のような光の回折は2次元的に配置されたすべての格子点において生じ得る。このため、各X−Γ方向に伝搬する光が、ブラッグ回折によって2次元的に相互に結合していると考えられる。2次元回折格子7aでは、この2次元的結合によって2つのX−Γ方向が結合しあってコヒーレントな状態が形成されると考えられる。
なお、これ以外の半導体レーザ素子の構成およびその製造方法は、実施の形態1における半導体レーザ素子1の構成およびその製造方法とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の半導体レーザ素子においても、実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
実施の形態1におけるフォトニック結晶層7では、エピタキシャル層2aの表面17bに複数の孔2bが3角格子を形成するように設けられており、複数の孔2bの各々によって回折格子点が構成されている場合について示した。しかし、本発明の2次元回折格子はこのような場合の他、たとえば図20に示す構成であってもよい。
図20は、本発明の実施の形態5におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。図20に示すように、本実施の形態のフォトニック結晶層7bにおいて、GaNよりなるエピタキシャル層2aは複数の柱形状であり、複数の柱形状によって回折格子点が構成されている。複数の柱形状の各々の間2cには空気が充填されており、エピタキシャル層2aよりも低屈折率とされている。
なお、これ以外の半導体レーザ素子の構成およびその製造方法は、実施の形態1における半導体レーザ素子1の構成およびその製造方法とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の半導体レーザ素子において、エピタキシャル層2aは複数の柱形状であり、複数の柱形状によって回折格子点が構成されている。
これにより、TMモードの光に対して定在波を立たせて光を発振する半導体レーザ素子が得られる。
(実施の形態6)
実施の形態1においては、図1に示すように、活性層5の上に形成されたp型クラッド層6に接するようにフォトニック結晶層7が形成されている場合について示した。しかし、本発明の半導体レーザ素子はこのような場合の他、たとえば図21に示す構成であってもよい。
図21は、本発明の実施の形態6における半導体レーザ素子の構成を示す斜視図である。図21に示すように、本実施の形態の半導体レーザ素子1bにおいては、活性層5の下に形成されたn型クラッド層4に接するようにフォトニック結晶層7が形成されている。すなわち、本実施の形態の半導体レーザ素子1bにおいては、n型クラッド層8a、フォトニック結晶層7、n型クラッド層4、活性層5、p型クラッド層6、およびコンタクト層9が、この順序で基板3上に形成されている。半導体レーザ素子1bから光を発振する際には、電極10に正電圧を印加し、電極11に負電圧を印加することで活性層5にキャリアを注入する。
また、図21に示す半導体レーザ素子1bにおいて少数キャリアブロック層を形成する場合には、n型クラッド層8aよりも広いバンドギャップを有する少数キャリアブロック層をn型クラッド層4の位置に形成する。これによって、p型クラッド層6から活性層5へ注入された正孔がフォトニック結晶層7に進入するのを抑止することができる。
なお、これ以外の半導体レーザ素子1bの構成は、実施の形態1における半導体レーザ素子1の構成およびその製造方法とほぼ同様であるので、同一の部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態の半導体レーザ素子1bにおいても、実施の形態1の半導体レーザ素子1と同様の効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、活性層からしみ出すエバネッセント光を十分に2次元回折格子に導入できる程度に、2次元回折格子と活性層との距離を規定することの効果について調べた。具体的には、MOCVD法を用いて、バッファ層、n型クラッド層、活性層、およびGaNよりなるエピタキシャル層を、この順序で一方の基板上に作製した。活性層とエピタキシャル層(フォトニック結晶層)との距離d1が0.1μmであるものと、0.07μmであるものとの2種類を作製した。また、活性層の発光波長を410nmとした。次に、MOCVD法を用いて、剥離層、p型コンタクト層、p型クラッド層を、この順序で他方の基板上に作製した。
続いて、得られたエピタキシャル層の表面に、電子ビーム露光用フォトレジスト(ZEP520)を塗布し、電子ビーム露光機を用いて微細孔のレジストパターンを描画した。レジストのパターンは3角格子とし、0.19μmのピッチで孔の開口率を約20%とした。続いて、このレジストパターンをマスクとして、ICP−RIE(Reactive ion etching)法を用いてエピタキシャル層をエッチングし、フォトニック結晶層を作製した。
続いて、p型クラッド層とフォトニック結晶層とが互いに対向するような向きで、一方の基板と他方の基板とを融着貼り付けした。融着貼り付けは、窒素雰囲気において700℃の温度で所定の圧力をかけて行なわれた。次に、エッチングにより剥離層を選択的に溶解させ、他方の基板のみを分離した。その後、p型コンタクトの上にp型オーミック電極を形成し、基板の裏面全面にn型オーミック電極を形成し、半導体レーザ素子を作製した。p型オーミック電極については、直径100μmの円形ベタ電極とした。
上記のようにして製造された半導体レーザ素子について、連続通電で電流注入し、レーザ発振の可否を調べた。その結果、活性層とフォトニック結晶層との距離d1が0.1μmである半導体レーザ素子では、構造が破壊される電流密度(約20kA/cm2)までのどの電流密度領域でもレーザ発振することはなかった。一方、活性層とフォトニック結晶層との距離d1が0.07μmである半導体レーザ素子では、約10kA/cm2の閾値電流密度でレーザ発振することが確認された。レーザ光は、基板面に垂直な方向へ、円形状の電極10における外周部から出射した。
この結果から、活性層からしみ出すエバネッセント光を十分に2次元回折格子に導入できる程度に、2次元回折格子と活性層との距離を規定することで、短波長の光を発振することができることが分かる。
(実施例2)
本実施例では、半導体レーザ素子が少数キャリアブロック層を備えていることの効果について調べた。具体的には、実施例1とほぼ同様の製造方法を用いて、図14に示す構造の半導体レーザ素子1aを作製した。本実施例の半導体レーザ素子1aにおける各層の具体的構成を図22に示す。図22を参照して、n型GaNよりなる基板3上に、1μmの厚さのn型GaNよりなるバッファ層と、1μmの厚さのn型AlxGa1-xN(x=0.08)よりなるn型クラッド層4と、0.06μmの厚さのアンドープGaNよりなるガイド層とがこの順序で形成されている。また、ガイド層上には、厚さ0.015μmのアンドープGaxIn1-xN(x=0.02)よりなるバリア層と、厚さ0.005μmのアンドープGaxIn1-xN(x=0.07)よりなるウェル層と、厚さ0.015μmのアンドープGaxIn1-xN(x=0.02)よりなるバリア層と、厚さ0.005μmのアンドープGaxIn1-xN(x=0.07)よりなるウェル層とにより構成される活性層5が形成されている。活性層5上には、0.02μmの厚さのp型AlxGa1-xN(x=0.18)よりなる少数キャリアブロック層24と、0.05μmの厚さのp型GaNよりなるガイド層と、0.1μmの厚さのGaNおよび複数の空気孔により構成されるフォトニック結晶層7とが形成されている。フォトニック結晶層7上には、0.4μmの厚さのp型AlxGa1-xN(x=0.08)よりなるp型クラッド層8と、0.1μmの厚さのp型GaNよりなるコンタクト層9とが形成されている。活性層5とフォトニック結晶層7との距離d1は、0.07μmとした。また、少数キャリアブロック層24のキャリア濃度は2×1017個/cm3とし、活性層の発光波長を410nmとした。
上記のようにして製造された半導体レーザ素子1aについて、連続通電で電流注入し、レーザ発振の可否を調べた。その結果、約6kA/cm2の閾値電流密度でレーザ発振することが確認された。レーザ光は、基板面に垂直な方向へ、円形状の電極10における外周部から出射した。この結果から、少数キャリアブロック層24の存在によって少数キャリアの漏れが防止され、キャリアが効率的に活性層5へ注入されるので、半導体レーザ素子の閾値が低下することが分かった。
(実施例3)
本実施例では、フォトニック結晶層7から遠い側のクラッド層であるn型クラッド層4の屈折率を、p型クラッド層6の屈折率よりも低くすることの効果について調べた。具体的には、図14に示す構造の半導体レーザ素子1aを作製し、各層の具体的構成を図23に示す構成とした。図23を参照して、本実施例の半導体レーザ素子は、以下の点で図22に示す実施例2の半導体レーザ素子と異なっている。1μmの厚さのn型AlxGa1-xN(x=0.08)よりなるn型クラッド層4の代わりに、0.8μmの厚さのn型AlxGa1-xN(x=0.08)と、0.2μmの厚さのn型AlxGa1-xN(x=0.15)とにより構成されるn型クラッド層4を形成した。また、少数キャリアブロック層24上のガイド層の厚さを0.05μmから0.02μmに変更し、活性層5とフォトニック結晶層7との距離d1を0.04μmとした。
上記のようにして製造された半導体レーザ素子1aについて、連続通電で電流注入し、レーザ発振の可否を調べた。その結果、約1.5kA/cm2の閾値電流密度でレーザ発振することが確認された。レーザ光は、基板面に垂直な方向へ、円形状の電極10における外周部から出射した。この結果から、n型クラッド層4の屈折率を低くして、活性層5とフォトニック結晶層7との距離d1をさらに小さくすることで、半導体レーザ素子の閾値が一層低下することが分かった。
以上に開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態および実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものと意図される。
本発明の半導体レーザ素子は、面発光構造であるので、同一素子あるいは異種素子のアレイ化がいずれも容易になる。また、たとえばDVD(Digital versatile disc)読取り機などの多波長光源が求められる用途にも有用である。
本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の斜視図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。 2次元回折格子として、格子間隔がaである3角格子を描いた図面である。 図4に示された3角格子が有する逆格子空間を示した図面である。 (a)は、図4に示された3角格子について、InPよりなるフォトニック結晶層に関して、平面波展開法を用いてバンド計算を行なった結果の一例を示したフォトニックバンド図であり、特にTEモードに対する計算結果である。(b)は、(a)におけるS点近傍における拡大図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第1工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第2工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第3工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第4工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第5工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の製造方法の第6工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体レーザ素子の内部に存在する光の分布についてのシミュレーション結果である。 本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の各層のバンドギャップを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における半導体レーザ素子の他の構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態3における半導体レーザ素子の内部に存在する光の分布についてのシミュレーション結果である。 本発明の実施の形態4におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。 2次元回折格子として、格子間隔がdである正方格子を描いた図である。 本発明の実施の形態5におけるフォトニック結晶層の構成を示す斜視図である。 本発明の実施の形態6における半導体レーザ素子の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例2における半導体レーザ素子の構成を示す図である。 本発明の実施例3における半導体レーザ素子の構成を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b 半導体レーザ素子、2a エピタキシャル層、2b 孔(回折格子点)、2c 柱形状の間、3,21 基板、3a,3b 基板主面、4,8a n型クラッド層、5 活性層、5a 活性層表面、6 p型クラッド層、7,7a,7b フォトニック結晶層(2次元回折格子)、8 p型クラッド層、9 コンタクト層、9a 光放出面、10,11 電極、17a フォトニック結晶層裏面、17b フォトニック結晶層表面、20 レジスト、22 剥離層、24 少数キャリアブロック層。

Claims (9)

  1. 主面を有する基板と、
    窒化ガリウムよりなるエピタキシャル層と、前記エピタキシャル層よりも低屈折率である低屈折率部分とを含み、前記主面が延びる方向に沿って前記基板上に形成された2次元回折格子と、
    前記基板上に形成された第1導電型の第1クラッド層と、
    前記基板上に形成された第2導電型の第2クラッド層と、
    前記第1および前記第2導電型クラッド層に挟まれ、キャリアが注入されると発光する活性層とを備え、
    前記活性層から出た光のうち素子の内部に存在する光の3%以上を前記2次元回折格子に導入できる程度に、前記2次元回折格子と前記活性層との距離が規定されている、半導体レーザ素子。
  2. 前記2次元回折格子と前記活性層との距離が0.01μm以上0.07μm以下である、請求項1に記載の半導体レーザ素子。
  3. 前記第1クラッド層は前記2次元回折格子の一方の主面側に形成されており、かつ前記第2クラッド層は前記第1クラッド層よりも前記2次元回折格子に近く、
    前記2次元回折格子の一方の主面側に形成され、前記第2クラッド層よりも広いバンドギャップを有する第2導電型の少数キャリアブロック層をさらに備える、請求項1または2に記載の半導体レーザ素子。
  4. 前記少数キャリアブロック層はAlxGa1-xN(0.16≦x≦1)よりなる、請求項3に記載の半導体レーザ素子。
  5. 前記第1および前記第2クラッド層は、共に前記2次元回折格子の一方の主面側に形成されており、かつ前記第2クラッド層は前記第1クラッド層よりも前記2次元回折格子に近く、
    前記第1クラッド層の屈折率は前記第2クラッド層の屈折率よりも低い、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
  6. 前記第1クラッド層は、厚さが0.1μm以上のAlxGa1-xN(0.13≦x≦1)よりなる、請求項5に記載の半導体レーザ素子。
  7. 前記エピタキシャル層よりなる前記2次元回折格子は複数の孔を有し、前記複数の孔によって回折格子点が構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
  8. 前記2次元回折格子を形成する前記エピタキシャル層は複数の柱形状であり、前記複数の柱形状によって回折格子点が構成される、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
  9. 前記基板は導電性窒化ガリウムまたは導電性炭化シリコンよりなる、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体レーザ素子。
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