JP2006182103A - タングおよびこれを用いたシートベルト装置 - Google Patents

タングおよびこれを用いたシートベルト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】通常時の取り扱いを容易にしつつ、緊急時のウェビングの挟圧力を大きくしてウェビングのロックを確実に行う。
【解決手段】通常時はバースプリング10の付勢力で、ウェビングガイド5およびロックバー7が反時計回りに付勢されて初期位置に保持され、隙間α,βが設定される、これらの隙間α,βにウェビング11が挿通されるので、通常時タング1はウェビング11に対してスムーズに摺動する。また、緊急時は、ウェビング11にラップ方向およびショルダー方向に所定値以上の引っ張り力が加えられるので、ウェビングガイド5が時計回りに回動するとともにロックバー7が反時計回りに回動しかつ右方へ直線運動する。これにより、ロックバー7とタング本体4との間にウェビング11が挟圧される。このときの挟圧力は、ウェビング11の引っ張り力とバースプリング10の付勢力とで構成され、大きくなる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、自動車等の車両に装備され、シートベルトにより乗員を拘束保護するシートベルト装置であって、シートベルトに摺動可能に支持されかつ車体等に固定されたバックルに係合されるタングおよびこれを用いたシートベルト装置の技術分野に関するものである。
従来から自動車等の車両シートに付設されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出しを阻止して、乗員を保護している。
この種のシートベルト装置として、一般に3点式シートベルト装置が広く知られ、多用されている。周知の一般的な3点式シートベルト装置は、乗員を拘束するシートベルトを構成するウェビングを有している。このウェビングは、一端が車体に固定されるとともに他端側がセンターピラー等の車体の上部に取り付けられたベルトガイド(ショルダーアンカ)でガイドされた後、車体下部に固定されたシートベルトリトラクタに引き出し可能に巻き取られている。車体に固定された一端とベルトガイドとの間のウェビングには、タングが摺動可能に支持されており、このタングは車体等に固定されたバックルに係合することで、車両シートに着座した乗員を拘束するようになっている。その場合、ベルトガイドとタングとの間のウェビングが乗員の肩および胸を拘束するショルダーベルトとして機能し、また、車体に固定された一端とタングとの間のウェビングが乗員のラップ(腰)を拘束するラップベルトとして機能する。
そして、車両衝突等の車両にきわめて大きな減速度が作用する緊急時には、シートベルトリトラクタの緊急ロック機構が作動してウェビングの引き出しを阻止して乗員の慣性による前方移動を防止することにより、乗員を拘束保護する。特に、近年では、シートベルトリトラクタはバックル等にプリテンショナーを設け、緊急事態発生時にこのプリテンショナーが作動してウェビングを引っ張ることによりウェビングの緩みを迅速になくして乗員の前方移動をできるだけ少なくし、乗員の拘束保護効果を向上している。
ところで、このようなシートベルト装置においては、一般に、タングに設けられたベルト挿通孔にウェビングが挿通され、このウェビングは、乗員の肩の方から斜め下方に延びるショルダーベルトからタングで曲げられて乗員の腰の沿って左右方向に延びるラップベルトに単に移行するようになっている。
しかしながら、このようにウェビングをタングでショルダーベルトからラップベルトに単に曲げただけでは、緊急時に乗員の慣性力でラップベルトが若干伸びて乗員が前方へ移動してしまい、乗員の拘束を効果的に行うことが難しくなる。その場合、前述のようにプリテンショナーで緊急事態発生時にベルトの緩みを除去しようとしても、プリテンショナーの作動終了後に同様にしてラップベルトが若干伸びてしまう。
このようなことから、バックルと係合するラッチプレートを有するフレームにロックバーを回動可能に支持させるとともに、ウェビングに加えられる引っ張り力でロックバーを回動してこのロックバーとフレームとの間にウェビングを挟圧することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示のタングでは、緊急時にロックバーとフレームとの間にウェビングを挟圧することで、ラップベルトの伸び出しを抑制することができる。しかし、このタングでは、シートベルト装着時等の通常のタングの扱い時に、タングのウェビングに対する摺動でウェビングに引っ張り力が加えられてもロックバーが回動し、ウェビングがロックバーとフレームとの間に挟圧されるおそれがある。このため、シートベルト着脱時の取り扱い性があまり良好でないという問題がある。
そこで、タングプレートにロック部材を回動可能に設けるとともに、ロック部材をトーションスプリングで常時付勢することで、通常時はタングプレートとロック部材との間にウェビングとタングプレートとの自由な相対移動を許容する隙間を設けたタングが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この特許文献2に開示のタングでは、通常時にはトーションスプリングによりロック部材とタングプレート本体との間にウェビングが移動可能な隙間が確保されるので、ベルトの脱着時にタングプレートがウェビングに対してスムーズに移動することができ、タングの取り扱いを容易に行うことができる。
特公平7−71522号公報。 特許第3544322号公報。
しかしながら、特許文献2に開示のタングにおいては、タングプレートに近接する2つの挿通孔にウェビングを挿通させているので、これらの挿通孔を挿通されるウェビングの曲率半径が小さくなることから挿通タングプレートとウェビングとの間の摺動抵抗が大きく、タングプレートをウェビングに対してスムーズに摺動させることが難しいということが考えられる。また、トーションスプリングでロック部材をタングプレートから離間する方向に常時付勢しているので、ロック部材とタングプレートとの間にウェビングを挟圧してロックするための挟圧力が弱くなるという問題もある。
更に、ウェビングをロック部材およびタングプレートの各面で挟圧しているため、ウェビングの大きな挟圧力が得られず、また、挟圧力をより大きくするためにロック部材およびタングプレートの各挟圧面に鋸歯のような歯を形成したり、あるいは挟圧面を波形状面にしたりしなければならなく、これらの歯や波形状面を形成するための余分な加工工程が必要となるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、通常時の取り扱いを容易にしつつ、緊急時のウェビングの挟圧力を大きくしてウェビングのロックを確実に行うことのできるタングおよびこれを用いたシートベルト装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明のタングは、ウェビングに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングであって、車両衝突時等の車両に大きな減速度が作用する緊急時に、タング本体に回動可能に設けられたロック手段が作動して前記ウェビングを前記タング本体との間に挟圧するようになっているタングにおいて、前記ロック手段が、前記タング本体に回動可能に支持されて前記ウェビングをガイドするウェビングガイドと、このウェビングガイドに相対回動可能に連結され、作動時前記タング本体との間に前記ウェビングを挟圧するロック部材とからなり、更に、通常時は前記ロック部材を前記タング本体から離間する方向に付勢して前記ロック部材と前記タング本体との間に、前記ウェビングがスムーズに挿通される所定の隙間を形成する初期位置に設定するとともに前記緊急時に前記ウェビングに加えられる所定値以上の引っ張り力で前記ロック部材が作動して前記タング本体に接近し前記ウェビングを挟圧するとき、前記ロック部材を前記ウェビングが挟圧される方向に付勢する付勢手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項2の発明のタングは、前記ロック部材が横断面矩形状のロック本体を有し、前記ウェビングは前記ロック本体の角部と前記タング本体との間に挟圧されることを特徴としている。
更に、請求項3の発明のシートベルト装置は、ウェビングと、このウェビングを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記ウェビングに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、前記タングが請求項1記載のタングからなることを特徴としている。
このように構成された請求項1の発明に係るタングによれば、通常時は付勢手段の付勢力によりウェビングガイドとロックバーとが初期位置に保持されて、ロック部材とタング本体との間に、ウェビングが挿通される隙間が確保されるので、タングとウェビングとの摺動抵抗がほとんど生じないようにでき、通常時のタングの取り扱いが容易になる。特に、この隙間の間隔が大きく設定されることで、隙間に挿通されるウェビングの曲率半径を比較的大きく設定でき、通常時のタングの取り扱いが更に一層容易になる。
また、緊急時ラップベルト方向に所定値以上の大きな引っ張り力が加えられると、ロック部材が作動してタング本体との間でウェビングを挟圧するが、このとき付勢手段の付勢力がロック部材をウェビングが挟圧される方向に付勢しているので、ウェビングの挟圧力を所定値以上の引っ張り力と付勢手段の付勢力とで構成することができ、ウェビングの挟圧力を大きくすることができる。したがって、ロックバーによるウェビングのロックは確実なものにでき、乗員の腰の移動量を効果的に抑制することができる。
特に、請求項2の発明によれば、ロック部材における矩形状のロック本体の角部でウェビングを挟圧するので、挟圧力を更に大きくすることができ、ロック本体に前述の従来のように歯や波形状面を不要にすることができる。
更に、請求項3の発明のシートベルト装置によれば、本発明のタングを用いていることで、緊急時のウェビングのロックを確実にして乗員の腰の移動を効果的によくでき、しかも、通常時の乗員のタングの取り扱いを容易にすることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明にかかるシートベルト装置におけるタングの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。
図1に示すように、この例のタング1は、前述のような従来の一般的な3点式のシートベルト装置、すなわち、乗員を拘束するウェビングの一端が車体に固定されるとともにウェビングの他端側がセンターピラー等の車体の上部に取り付けられたベルトガイドでガイドされた後、車体下部に固定されたシートベルトリトラクタに引き出し可能に巻き取られており、更に、車体に固定された一端とベルトガイドとの間のウェビングに摺動可能に支持されたタングを、車体等に固定されたバックルに係合することで、車両シートに着座した乗員を拘束するようになっている車両のシートベルト装置に用いられるタングとして構成される。
このタング1は、金属製のタングプレート2およびこのタングプレート2を部分的に樹脂で被覆したタングモールド3からなるタング本体4と、このタング本体4に相対回動可能に設けられたウェビングガイド5と、タング本体4の一対の取付孔4a,4bおよびウェビングガイド5の貫通孔5aにそれぞれ嵌合されることでこのタング本体4に架設されてウェビングガイド5を回転可能に支持する回転軸6と、ウェビングガイド5に相対回動可能に支持されたロックバー7と、ウェビングガイド5の貫通孔5bおよびロックバー7の一対の取付孔7a,7bにそれぞれ嵌合されることでロックバー7を回転可能に支持するボルトからなる一対の回転軸8,9と、タングモールド3およびロックバー7にそれぞれ取り付けられてこのロックバー7を常時一方向に付勢するバースプリング10とを備えている。
図2はタングプレート2を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
図2(a)ないし(c)に示すように、タングプレート2は横方向延設部2aとこの横方向延設部2aの中央部から一体にかつ垂直に延びる縦方向延設部2bとを有するほぼT字状の金属板から形成されている。横方向延設部2aには、横方向に延びる大きな矩形状の開口2cが穿設されているとともに、縦方向延設部2bには、縦方向に延びる矩形状の開口2dが穿設されている。縦方向の開口2dは、従来の一般的なタングと同様に図示しないバックルのラッチ部材が係合するようになっている。したがって、縦方向延設部2bはタングと係合する係合片として構成されている。以下、縦方向延設部2bを係合片2bともいう。
横方向延設部2aの両端には、一対の側壁2e,2fが立設されている。これらの側壁2e,2fには、それぞれ同じ大きさの孔2g,2hが穿設されている。また、一対の側壁2e,2fには、それぞれ同じ大きさの凹溝2i,2jが設けられている。図2(b)に明りょうに示すように、一方の凹溝2iは側壁2eの外周縁に開口する横方向溝2i1とこの横方向溝2i1に連通する縦方向溝2i2とからT字状に形成されている。他方の凹溝2jも凹溝2iと同じ形状で横方向溝2j1と縦方向溝2j2とからT字状に形成されている(なお、符号2j1,2j2は図示されないが、それぞれ2i1,2i2に対応するものであり、説明の便宜上使用する)。
そして、図1に示すようにタングプレート2の横方向延設部2aのほとんどすべてが樹脂でモールドされて、タングモールド3が形成される。その場合、一対の孔2g,2hの内周面が樹脂モールドされることで、回転軸6が嵌合される前述の一対の取付孔4a,4bが形成される。また、凹溝2iの図2(a)において右端および凹溝2jの図2(a)において左端がそれぞれモールド樹脂で閉塞されているとともに、図1に示すように一対の凹溝2i,2jの内周面が樹脂モールドされることで、それぞれガイド溝4c,4dが形成されている。一方のガイド溝4dは、上方に開口する縦方向溝4d1とこの縦方向溝4d1に連通する横方向溝4d2とからT字状に形成されている。他方のガイド溝4cもガイド溝4dと同じ形状で縦方向溝4c1とこの縦方向溝4c1に連通する横方向溝4c2とからT字状に形成されている(なお、符号4c1,4c2は図示されないが、それぞれ4d1,4d2に対応するものであり、説明の便宜上使用する)。更に、タングプレート2の開口2cの内周面が樹脂モールドされることで、タング本体4に大きな矩形状の開口4eが形成される。
図3はウェビングガイド5を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
図3(a)ないし(c)に示すように、ウェビングガイド5は横断面がほぼ四角形状に形成されているとともに4つの角部が大きな径のR部に丸く形成された比較的長いガイド本体5cを備えている。なお、四角形状のガイド本体5cの4辺にそれぞれ対応する4面5c1,5c2,5c3,5c4はいずれも若干外側に膨出する湾曲面として形成されている。もちろん、これらの4辺の少なくとも1辺は直線状の平面として形成することもできる。
ガイド本体5cの図1において上方に向く1面5c1には、所定数(図示例では7個)の矩形状の凹部5dが形成されている。そして、前述の貫通孔5aがガイド本体5cにその長手方向に貫通して設けられている。ガイド本体5cの他の1面5c4には、取付部5eがガイド本体5cの長手方向に沿って一体に形成されている。前述の貫通孔5bが取付部5eにその長手方向に貫通して設けられている。
また、ガイド本体5cの1面5c1とこの1面5c1に連続しかつ下方に向く1面5c2との角を含む境界部は、ウェビング5の入力側でウェビングをガイドするウェビングガイド部5fとされている。更に、ガイド本体5cの1面5c4は、後述するようにストッパとして機能するようになっている。
ウェビングガイド5をタング本体4に回動可能に支持する回転軸6は、緊急時にウェビング11(符号11は、後述の図7に示す)に大きな引っ張り力が加えられたときに、この引っ張り力を支持できる強度保持部材としても構成されている。
図4はロックバー7を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。
図4(a)ないし(c)に示すように、ロックバー7は横断面がほぼ矩形状の長いロック本体7cを備えている。このロック本体7cの両端には、それぞれガイド軸7d,7eが設けられている。これらのガイド軸7d,7eは、それぞれタング本体4のガイド溝4c,4dに移動可能に嵌合され、ロック本体7cをガイドするようになっている。また、ロック本体7cの両端部には、それぞれ横断面円弧状の取付部7f,7gが所定間隔を置いて一体に立設されている。一対の取付部7f,7gの間隔は、ウェビングガイド5の取付部5eがこれらの取付部7f,7gの間に進入可能な大きさに設定されている。前述の一対の取付孔7a,7bがそれぞれこれらの取付部7f,7gに穿設されている。更に、ロック本体7cの両端部には、それぞれ断面円形の取付穴7h,7jが穿設されている。
図5はバースプリング10を示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。
図5(a)ないし(d)に示すように、バースプリング10は弾性線材からなり、図5(a)および(c)において左右対称の比較的複雑な形状に形成されている。すなわち、バースプリング10は、中央の第1部分10aから右側部においては、右端に向かってまず上下方向に直角に曲げられた第2部分10b、続いて第2部分10bから第1および第2部分10a,10bのいずれにも直角となるように曲げられた第3部分10c、続いて第3部分10cから第2部分10bと平行で第2部分10b側にかつ第3部分10cに直角となるように曲げられた第4部分10d、続いて第4部分10dから第1部分10aと平行で第1部分10aと反対側にかつ第4部分10dに直角となるように曲げられた第5部分10e、続いて第5部分10eから第1部分10aと反対側にかつ第5部分10eに直角となるように曲げられた第6部分10fを有している。また、バースプリング10は、中央の第1部分10aから左側部においては、右側部の各部分とそれぞれ対応する第2部分10g、第3部分10h、第4部分10i、第5部分10j、および第6部分10kを有している。
そして、バースプリング10は、中央の第1部分10aが図1に示すタングモールド3の凹溝からなるばね支持部3aに嵌合されて支持されるとともに、左右の第6部分10f,10kがそれぞれロックバー7の取付穴7h,7jに嵌合されて取り付けられるようになっている。
このような構成を備えたこの例のタング1は、例えば次のようにして組み立てられる。ウェビングガイド5の取付部5eをロックバー7の取付部7f,7gの間に位置させ、回転軸8,9をそれぞれロックバー7の取付孔7a,7bおよびウェビングガイド5の貫通孔5bに嵌合させて、ウェビングガイド5の出力側である取付部5eにロックバー7を相対回動可能に取り付ける。ロックバー7の取付穴7h,7jにそれぞれバースプリング10の第6部分10f,10kを嵌合して、ロックバー7にバースプリング10を取り付ける。
そして、図6に示すようにタングモールド3の左右側壁3b,3cの間に、ウェビングガイド5をそのウェビングガイド部5aが係合片5b側に向くように位置させ、回転軸6をタング本体4の取付孔4a,4bおよびウェビングガイド5の貫通孔5aに嵌合させて、タング本体4にウェビングガイド5を相対回動可能に取り付ける。また、ロックバー7の左右のガイド軸7d,7eを、それぞれガイド溝4c,4dの縦方向溝4c1,4d1を通して横方向溝4c2,4d2に摺動可能に嵌合させる。
最後に、バースプリング10の中央の第1部分10aをタングモールド3のばね支持部3aの凹溝に嵌合する。このとき、ロックバー7のガイド軸7d,7eがバースプリング10の付勢力で図7(a)において左方に押圧されてタングモールド3のガイド溝4c,4dの横方向溝4c2,4d2に沿って左方に移動する。同時に、バースプリング10の付勢力によって、ウェビングガイド5およびロックバー7に回転軸6を中心に反時計回りのモーメントが加えられるので、ウェビングガイド5およびロックバー7が回転軸6を中心に反時計回り回動する。その場合、回転軸6の位置が固定されていることからガイド軸7d,7eが回転軸6に次第に接近していくので、図7(a)に示すようにウェビングガイド5およびロックバー7は、回転軸8,9の中心が回転軸6の中心とガイド軸7d,7eの中心とを結ぶ直線より上方に位置するように、互いに屈曲運動しながら回動する。
そして、ロックバー7がウェビングガイド5の1面5c4で構成されるストッパに当接してウェビングガイド5に対してそれ以上の屈曲運動を阻止されてほぼ直角に屈曲保持された状態となる。ガイド軸7d,7eが更に左方へ移動してガイド溝4c,4dの横方向溝4c2,4d2の一端に当接すると、ガイド軸7d,7eのそれ以上の左方への移動が阻止されて、ウェビングガイド5およびロックバー7が図7(a)に示す初期位置に保持された状態でタング1が組み立てられる。
このようにウェビングガイド5およびロックバー7が図7(a)に示す初期位置に保持された状態では、ウェビングガイド5のウェビングガイド部5fとこのウェビングガイド部5fに対向するタングモールド3の部分3dとの間に隙間αが形成されるとともに、ロックバー7のロック本体7cの角部とこの角部に対向するタングモールド3の部分3eとの間に隙間βが形成される。これらの隙間α,βは、いずれも図7(a)に示す状態ではウェビング11の厚みよりかなり大きく最大に設定されている。したがって、タング1がウェビング11に、ウェビング11が隙間αを貫通してウェビングガイド5にガイドされ、更に隙間βを貫通するようにして支持されたとき、タング1はウェビング11にほとんど抵抗なくスムーズに摺動するようになっている。しかも、タング本体4の開口4eにより、ウェビングガイド5にガイドされるウェビング11はタング本体3のタングモールド3と干渉することがないので、タング1はウェビング11に対して更に一層スムーズに摺動する。なお、隙間αはあまり大きくなると、ウェビング11の反転が生じやすくなるので、ウェビング11の反転が生じない程度の大きさに設定されている。
また、ウェビングガイド5は、回転軸6を中心とする時計回りのモーメントを生じさせる所定の大きさ以上の力が加えられたとき、バースプリング10の付勢力によるモーメントに抗して時計回りに回動するようになっている。そして、このウェビングガイド5の回動により、ロックバー7がガイド軸7d,7eを中心に反時計回りに回動しつつガイド軸7d,7eがタングモールド3のガイド溝4c,4dに沿って直線的に移動する。このロックバー7の反時計回りの回動かつ直線移動とにより、ウェビング11がロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとの間に挟圧されてロックされるようになっている。
すなわち、これらのウェビングガイド5とロックバー7との2ピースで、緊急時においてウェビング11をロックしてそのラップベルトの伸び出しを防止するラップベルト伸び出し防止手段が構成されている。その場合、ロックバー7が回動かつ直線移動することにより、ウェビングガイド5の回動量を比較的大きくしつつ、ロックバー7の回動量を比較的小さくしても、ロックバー7の直線移動量が十分に確保されるようになっている。
次に、この例のタング1の作用について説明する。
図7(a)に示すシートベルトの非装着時は、ウェビング11が図示しないシートベルトリトラクタに巻き取られて、タング1が格納状態にされている。タング1の格納状態では、前述のようにバースプリング10の付勢力とストッパとでウェビングガイド5およびロックバー7が図7(a)に示す初期位置に保持されて隙間α,βがともに最大に設定されているので、タング1はウェビング11に対してスムーズに摺動可能となっている。
シートベルトを装着するために、乗員がタング1を格納位置から引き寄せてタング1の係合片2bを反対側のバックルに挿入係合する。このとき、ウェビング11がシートベルトリトラクタから引き出されるとともに、ウェビングガイド5およびロックバー7が回動しなく初期位置に保持されているので、タング1がウェビング11に対してスムーズに摺動する。乗員がタング1をバックルに係合した後タング1を放すと、余分に引き出されたウェビング11はシートベルトリトラクタに巻き取られて乗員に圧迫感を抱くことなくフィットし、タング1は図7(b)に示す状態となる。この図7(b)に示す状態では、ウェビング11にシートベルトリトラクタの巻取り力が作用するので、ウェビング11は乗員のショルダー側(SHO側)に軽く引っ張られている状態となっている。このため、ウェビングガイド5およびロックバー7は初期位置に保持されている。この状態では、ウェニング11はウェビングガイド部5fに当接しているとともにウェビングガイド5の取付部5eにも当接している。
車両衝突等の車両にきわめて大きな減速度が加えられた緊急時に、まずシートベルトリトラクタに設けられている図示しないプリテンショナーが作動すると、ウェビング11が迅速にシートベルトリトラクタに巻き取られて、ウェビング11はSHO側に更に強く引っ張られる。このため、ウェビングガイド5およびロックバー7は依然として初期位置に保持される。
プリテンショナーの作動終了後、今度は乗員の腰(LAP)における前方への慣性力により、ウェビング11が乗員の腰側(LAP側)に強く引っ張られる。このウェビング11のLAP側への引張り力がウェビングガイド5のウェビングガイド部5fおよび取付部5eに作用してウェビングガイド5に回転軸6を中心とする時計回りの大きなモーメントが加えられるので、ウェビングガイド5が回転軸6を中心として時計回りに回動する。このとき同時に、ロックバー7がガイド軸7d,7eを中心に反時計回りに回動しつつガイド軸7d,7eがタングモールド3のガイド溝4c,4dの横方向溝4c2,4d2に沿ってその一端側から他端側(図7(b)において右方)に直線的に移動する。
これらのウェビングガイド5の時計回りの回動とロックバー7の反時計回りの回動かつ直線移動とにより、ロックバー7のロック本体7cの角部がタングモールド3の部分3eに接近して隙間βが小さくなる。これにより、図7(c)に示すようにウェビング11がロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとの間に挟圧される。その場合、ロックバー7が回動かつ直線移動することにより、回動量が小さくても直線移動量が十分に確保されるので、ウェビング11の挟圧力は大きいものとなる。
そのうえ、このようにウェビング11がロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとの間に挟圧され状態では、ウェビングガイド5およびロックバー7を連結する回転軸8,9の中心が回転軸6の中心とガイド軸7d,7eの中心とを結ぶ直線より若干下方に位置するようになるので、バースプリング10の付勢力がウェビングガイド5およびロックバー7を回転軸6を中心として時計回りに回転させるように付勢している。すなわち、ロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとによるウェビング11の挟圧力は、ウェビング11のLAP側への引張り力とバースプリング10の付勢力とにより更に一層大きな力となっている。したがって、ウェビング11はロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとによって強固に挟圧されてロックバー7によるウェビング11のロックが確実に行われ、ウェビングン11はロック本体7cの角部とタングモールド3の部分3eとの間で摺動が阻止されてウェビングン11の延び出しが防止され、ウェビングン11による乗員の拘束が確実なものとなる。
この例のタングによれば、通常時はバースプリング10の付勢力によりウェビングガイド5とロックバー7とが初期位置に保持されて、ウェビングが挿通する前述の所定の隙間α,βが確保されるので、タング1とウェビング11との摺動抵抗がほとんど生じないようにでき、通常時のタング1の取り扱いが容易になる。特に、これらの隙間α,βの間隔が大きく設定されているので、隙間α,βに挿通されるウェビングの曲率半径を比較的大きく設定でき、通常時のタング1の取り扱いが更に一層容易になる。
また、ラップベルト方向に所定値以上の大きな引っ張り力が加えられると、ウェビングガイド5が回動しかつロックバー7が回動と直線運動とを行うことで、ロックバー7とタングモールド3との間でウェビング11を挟圧するが、このときのウェビング11の挟圧力がラップベルト方向の引っ張り力とバースプリング10の付勢力とで構成されるので、挟圧力を大きくすることができる。したがって、ロックバー7によるウェビング11のロックは確実なものにでき、乗員の腰の移動量を効果的に抑制することができる。しかも、ロックバー7における矩形状のロック本体7cの角部でウェビング11を挟圧するので、挟圧力を更に大きくすることができ、ロック本体7cに前述の従来のように歯や波形状面を不要にすることができる。
更に、ウェビング11のロック手段を互いに屈曲可能に連結されたウェビングガイド5とロックバー7との2ピースで構成しているので、ウェビングガイド5の入力側の回動量を大きくしかつロックバー7が連結されるウェビングガイド5の出力側の回動量を小さくしても、ロックバー7の直線運動を確保できるので、ウェビング11のロックを確実にしつつタング1のロック手段をコンパクトに形成することができる。
更に、この例のタング1を従来の3点式のシートベルト装置のタングに適用することで、緊急時のウェビング11のロックを確実にして乗員の腰の移動を効果的によくでき、しかも、通常時の乗員のタング1の取り扱いを容易にすることができる。
本発明のタングは、自動車等の車両に装備され、シートベルトにより乗員を拘束保護するシートベルト装置に用いられ、シートベルトに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングに好適に利用することができる。
本発明にかかるシートベルト装置におけるタングの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 図1に示す例のタングプレートを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。 図1に示す例のウェビングガイドを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。 図1に示す例のロックバーを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図である。 図1に示す例のバースプリングを示し、(a)は正面図、(b)は右側面図、(c)は上面図、(d)は斜視図である。 図1に示す例のタングの斜視図である。 図1に示す例のタングの作用を説明し、(a)はシートベルト非装着時における格納位置にあるタングの状態を示す断面図、(b)はシートベルト装着時およびプリテンショナーの作動時におけるタングの状態を示す断面図、(c)はシートベルト装着時およびプリテンショナーの作動後におけるタングの状態を示す断面図である。
符号の説明
1…タング、2…タングプレート、2a…横方向延設部、2b…縦方向延設部(係合片)、2c,2d…開口、3…タングモールド、3a…ばね支持部、4…タング本体、4a,4b…取付孔、4c,4d…ガイド溝、4c1,4d1…縦方向溝、4c2,4d2…横方向溝、5…ウェビングガイド、5a,5b…貫通孔、5c…ガイド本体、5e…取付部、5f…ウェビングガイド部、6…回転軸、7…ロックバー、7a,7b…取付孔、7c…ロック本体、7d,7e…ガイド軸、7f,7g…取付部、7h,7j…取付穴、8,9…回転軸、10…バースプリング

Claims (3)

  1. ウェビングに摺動可能に支持されかつバックルに係合されるタングであって、車両衝突時等の車両に大きな減速度が作用する緊急時に、タング本体に回動可能に設けられたロック手段が作動して前記ウェビングを前記タング本体との間に挟圧するようになっているタングにおいて、
    前記ロック手段が、前記タング本体に回動可能に支持されて前記ウェビングをガイドするウェビングガイドと、このウェビングガイドに相対回動可能に連結され、作動時前記タング本体との間に前記ウェビングを挟圧するロック部材とからなり、
    更に、通常時は前記ロック部材を前記タング本体から離間する方向に付勢して前記ロック部材と前記タング本体との間に、前記ウェビングがスムーズに挿通される所定の隙間を形成する初期位置に設定するとともに前記緊急時に前記ウェビングに加えられる所定値以上の引っ張り力で前記ロック部材が作動して前記タング本体に接近し前記ウェビングを挟圧するとき、前記ロック部材を前記ウェビングが挟圧される方向に付勢する付勢手段を備えていることを特徴とするタング。
  2. 前記ロック部材が横断面矩形状のロック本体を有し、前記ウェビングは前記ロック本体の角部と前記タング本体との間に挟圧されることを特徴とする請求項1記載のタング。
  3. ウェビングと、このウェビングを巻き取るシートベルトリトラクタと、前記ウェビングに摺動可能に支持されたタングと、このタングが挿入係合されるバックルとを少なくとも備え、前記タングを前記バックルに挿入係合することで前記シートベルトが乗員に装着されるシートベルト装置において、
    前記タングが請求項1または2記載のタングからなることを特徴とするシートベルト装置。
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