JP2006190827A - 分子線結晶成長装置、ヘテロ構造を作製する方法および窒素源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】該中断時間を短縮できる分子線結晶成長装置を提供する。
【解決手段】成長室13は、窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するために用いられる。各粒子ビーム源15は、成長室13に接続されており、III−V化合物半導体を成長するための構成元素を提供する。窒素源装置17は、成長室13に接続されている。窒素源装置17は、ラジカルガン19と、ハウジング23と、シャッタ25とを含む。ラジカルガン19は、窒素ラジカルを発生する。ハウジング23は、分子線結晶成長装置11の成長室13に設けられた開口21に接続可能であり、またラジカルガン19を収容する。シャッタ25は、開口21とラジカルガン19との間に設けられ、またラジカルガン19からの粒子フラックスを調整するためにアパーチャのサイズを変更できる。
【選択図】 図1
【解決手段】成長室13は、窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するために用いられる。各粒子ビーム源15は、成長室13に接続されており、III−V化合物半導体を成長するための構成元素を提供する。窒素源装置17は、成長室13に接続されている。窒素源装置17は、ラジカルガン19と、ハウジング23と、シャッタ25とを含む。ラジカルガン19は、窒素ラジカルを発生する。ハウジング23は、分子線結晶成長装置11の成長室13に設けられた開口21に接続可能であり、またラジカルガン19を収容する。シャッタ25は、開口21とラジカルガン19との間に設けられ、またラジカルガン19からの粒子フラックスを調整するためにアパーチャのサイズを変更できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、分子線結晶成長装置、量子井戸構造を作製する方法および窒素源装置に関する。
特許文献1には、分子線結晶成長装置が記載されている。この分子線結晶成長装置では、ラジカルビーム源が、照射口に開閉自在なシャッタ板が配設されたラジカルビーム源室内に収容されている。ラジカルビーム源室がゲートバルブを介してターボ分子ポンプに接続されている。このラジカルビーム源室では、シャッタ板が閉じられた状態で、ターボ分子ポンプによりラジカルビーム源室内部の真空度が調節される。これにより、組成およびドーピングの急峻なプロファイルを有する薄膜結晶を基板上に安定的にエピタキシャル成長することができる分子線結晶成長装置を提供できる。
特開平6−5511号公報
この分子線結晶成長装置では、ラジカルビーム源室内を密閉状態にして、ターボ分子ポンプにより真空排気してラジカルビーム源室内にプラスマを形成することで、所定の強度のラジカルビームをラジカルビーム源から供給できる。
詳述すれば、所望の窒素フラックスを得るためにゲートバルブの開閉量を調整して、ラジカルビーム源室の真空度を予め調節している。真空度およびプラズマが安定した後に、ラジカルビーム源室のシャッタ板を開いてラジカルビームの供給を開始して、所望の窒素組成を有する半導体膜を形成する。これ故に、ラジカルビームの供給強度およびラジカルビームに含まれるラジカル種の割合の変動は小さく抑えられる。また、別の所望の窒素フラックスを得るためにゲートバルブの開閉量を再度調整して、ラジカルビーム源室の真空度を予め調節する。真空度およびプラズマが安定するまで、次の半導体膜の形成を開始できない。窒素組成の異なるいくつかの半導体層を形成するためには、半導体層の形成の間において成長を中断してなければならない。求められていることは、この中断の期間を短縮することである。
本発明は、このような事情を鑑みて為されたものであり、該中断時間を短縮できる分子線結晶成長装置を提供することを目的とするものであり、また、該中断時間を短縮できる、ヘテロ構造を作製する方法を提供することを目的とするものであり、さらに上記分子線結晶成長装置に用いられる窒素源装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、窒素を含むIII−V化合物半導体の層を有するヘテロ構造を作製する方法である。この方法は、(a)窒素ラジカルガンと基板との間に位置するシャッタのアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第1のIII−V化合物半導体層を前記基板上に堆積する工程と、(b)前記シャッタのアパーチャサイズを変更する工程と、(c)前記アパーチャサイズを変更した後に、前記変更されたアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第2のIII−V化合物半導体層を前記第1のIII−V化合物半導体層上に堆積する工程とを備え、前記第1のIII−V化合物半導体層の窒素組成は前記第2のIII−V化合物半導体層の窒素組成と異なる。
好適な実施の形態においては、第1および第2のIII−V化合物半導体層の一方は井戸層であり、第1および第2のIII−V化合物半導体層の他方はバリア層である。
また、本発明に係る方法は、窒素を含むIII−V化合物半導体の層を有するヘテロ構造を作製する方法である。この方法は、(a)窒素ラジカルガンと基板との間に位置するシャッタの第1のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第1のIII−V化合物半導体層を前記基板上に堆積する工程と、(b)窒素フラックスの供給を停止する工程と、(c)前記窒素フラックスの供給を停止した後に、前記第1のIII−V化合物半導体層上にGaAs半導体を堆積する工程と、(d)前記シャッタに第2のアパーチャを形成する工程と、(e)前記第2のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第2のIII−V化合物半導体層を前記GaAs半導体層上に堆積する工程とを備え、前記第1のアパーチャのサイズは前記第2のアパーチャのサイズと異なる。
好適な実施の形態においては、GaAs半導体層はバリア層であり、第1および第2のIII−V化合物半導体層の少なくともいずれか一方は井戸層である。
これらの方法では、窒素組成の異なる半導体膜を形成するために、窒素ラジカルガンに供給される原料ガスの流量を変更することなく、シャッタのアパーチャサイズを変更して窒素フラックスを調整している。これ故に、窒素組成の異なるいくつかの半導体層を形成するときに、窒素ラジカルガンのプラズマを安定させるための時間が必要ない。
本発明に係る方法では、前記第1および第2のIII−V化合物半導体の一方は、III族元素としてガリウムを含み、V族元素として窒素および砒素を含んでおり、前記第1および第2のIII−V化合物半導体の他方は、III族元素としてガリウムおよびインジウムを含み、V族元素として少なくとも窒素および砒素を含むことが好ましい。この方法では、GaNAs、GaInNAs系半導体膜を形成するために好適である。
本発明の別の側面によれば、分子線結晶成長装置は、(a)窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するための成長室と、(b)前記III−V化合物半導体を成長するための構成元素を前記成長室に提供する一又は複数の粒子ビーム源と、(c)前記成長室に窒素フラックス供給するための窒素源装置とを備え、前記窒素源装置は、(c1)窒素ラジカルを発生するためのラジカルガンと、(c2)前記成長室に接続されており前記ラジカルガンを収容するハウジングと、(c3)前記ハウジングに支持されており、アパーチャのサイズを変更して前記ラジカルガンからの粒子フラックスの量を調整するシャッタとを含む。
この分子線結晶成長装置の窒素源装置では、シャッタはハウジングに支持されており、またラジカルガンからの粒子フラックスは、シャッタのアパーチャのサイズを変更することによって調整される。
好適な実施の形態では、アパーチャのサイズは絞り構造を用いて変更されることができる。また、 前記シャッタは、窒素フラックスが通過する開口と、該開口を覆うための遮蔽部材とを含み、前記アパーチャのサイズは前記遮蔽部材の位置を変更することによりを変更されることができる。
本発明の更なる別の側面は、粒子ビームを用いてIII−V化合物半導体を成長する成膜装置のための窒素源装置である。窒素源装置は、(a)窒素ラジカルを発生するためのラジカルガンと、(b)前記ラジカルガンを収容するハウジングと、(c)前記ハウジングに支持されており、アパーチャのサイズを変更して前記ラジカルガンからの粒子フラックスの量を調整するシャッタとを備える。
これらの窒素源装置では、窒素ラジカルガンに供給される原料ガスの流量を変更することなく、シャッタのアパーチャサイズを変更して窒素フラックスを調整している。これ故に、窒素フラックスを変更する度に、窒素ラジカルガンのプラズマを安定させることが不要である。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明の一側面によれば、該中断時間を短縮できる分子線結晶成長装置が提供される。本発明の別の側面によれば、該中断時間を短縮できる、ヘテロ構造を作製する方法が提供される。本発明の更なる別の側面によれば、上記分子線結晶成長装置に用いられる窒素源装置が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の分子線結晶成長装置、ヘテロ構造を作製する方法および窒素源装置に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る分子線結晶成長装置を概略的に示す図面である。図2(A)および図2(B)は、窒素源装置を概略的に示す図面である。分子線結晶成長装置11は、成長室13と、一又は複数の粒子ビーム源15と、窒素源装置17とを備える。成長室13は、窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するために用いられる。各粒子ビーム源15は、成長室13に接続されており、III−V化合物半導体を成長するための構成元素を提供する。窒素源装置17は、成長室13に接続されている。図2(A)は、窒素源装置の一例を概略的に示す図面である。窒素源装置17は、ラジカルガン19と、ハウジング23と、シャッタ25とを含む。ハウジング23は、分子線結晶成長装置11の成長室13に設けられた開口21に接続可能であり、またラジカルガン19を収容する。ラジカルガン19は、窒素ラジカルを発生する。シャッタ25はハウジング23に支持されており、またシャッタ25のアパーチャのサイズは、ラジカルガン19からの粒子フラックスを調整するために変更される。
図1は、第1の実施の形態に係る分子線結晶成長装置を概略的に示す図面である。図2(A)および図2(B)は、窒素源装置を概略的に示す図面である。分子線結晶成長装置11は、成長室13と、一又は複数の粒子ビーム源15と、窒素源装置17とを備える。成長室13は、窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するために用いられる。各粒子ビーム源15は、成長室13に接続されており、III−V化合物半導体を成長するための構成元素を提供する。窒素源装置17は、成長室13に接続されている。図2(A)は、窒素源装置の一例を概略的に示す図面である。窒素源装置17は、ラジカルガン19と、ハウジング23と、シャッタ25とを含む。ハウジング23は、分子線結晶成長装置11の成長室13に設けられた開口21に接続可能であり、またラジカルガン19を収容する。ラジカルガン19は、窒素ラジカルを発生する。シャッタ25はハウジング23に支持されており、またシャッタ25のアパーチャのサイズは、ラジカルガン19からの粒子フラックスを調整するために変更される。
この窒素源装置では、窒素ラジカルガンに供給される原料ガスの流量を変更することなく、シャッタのアパーチャサイズを変更して窒素フラックスを調整している。これ故に、粒子フラックスの量を調整するために、窒素源装置の真空度を変更する必要がない。
この分子線結晶成長装置11の窒素源装置17は、ラジカルガンを収容するハウジングを有するので、ハウジングの真空度を成長室の真空度とは独立して変更できる。また、ラジカルガン19からの粒子フラックスは、シャッタのアパーチャのサイズを変更することによって調整される。
窒素源装置17では、ハウジング23は、第1の開口23aおよび第2の開口23bを有する。第1の開口23aは、図1に示されるように、配管27aおよびバルブ27bを介して原料ボンベ29に接続されている。第2の開口23bは、ゲートバルブ31を介して真空排気装置33に接続されている。真空排気装置33は、例えばターボ分子ポンプ35および粗引きポンプ37に接続されている。第1の開口23aからの原料ガスは、ラジカルガン19に提供される。ラジカルガン19は、原料ガスからラジカルを生成する。ハウジング23内の真空度は、ゲートバルブ31および真空排気装置33を用いて調整されることができる。これにより、ハウジング23内に、原料ガスのプラズマを生成することができる。
ハウジング23は、シャッタ25に加えて、ゲートバルブ39が取り付けられている。ゲートバルブ39は、シャッタ25とラジカルガン19との間に位置している。ゲートバルブ39を閉じると、ハウジング23内にプラズマの生成と窒素ラジカルの供給とをして変更できる。
図1に示されるように、成長室13内には、GaAsウエハといった成長用基板を搭載するステージ41が設けられている。成長室13の内部を真空排気するために、真空排気ポンプ43がゲートバルブ45を介して成長室13に接続されている。成長室13には、クヌードセンセルからなる複数の粒子ビーム源15a、15b、15cが設けられている。各粒子ビーム源15a、15b、15cには、分子線を照射するための照射口が設けられており、各照射口はステージ41に向けられている。各粒子ビーム源15a〜15cの照射口には、シャッタ板47a、47b、47cが設けられている。また、各粒子ビーム源15a〜15cは固体原料を加熱するためのヒータが設けられている。各粒子ビーム源内の固体原料をヒータを用いて加熱すると、粒子ビーム源内の原料が蒸発あるいは昇華する。気化された原料のビームが、各粒子ビーム源から照射される。
窒素源装置17では、ラジカルガン19には、高周波コイルが設けられている。原料ボンベ29から気体原料が、ハウジング23のキャビティに供給され、その気体原料は高周波コイルから放出される高周波エネルギにより励起される。励起された分子線がシャッタ25から発射される。
窒素源装置17では、ラジカルガン19、ゲートバルブ39、およびシャッタ25が順に配列されている。図2(B)に示されるように、窒素源装置17aでは、ラジカルガン19、シャッタ25およびゲートバルブ39が順に配列されている。
図3(A)、図3(B)および図3(C)は、窒素源装置のためのシャッタの一例を示す図面である。シャッタ25aは、粒子フラックスが通過する開口51aを有するベース51と、ベース51を移動して開口51aの一部または全部を覆う遮蔽部材53とを有する。アパーチャのサイズは遮蔽部材53の位置を変更することによりを調整されることができる。図3(A)に示されるシャッタ25aは、完全に閉じられている。図3(B)に示されるシャッタ25aは完全に開かれており、アパーチャ51aのサイズが最も大きい。図3(C)に示されるシャッタ25aは、遮蔽部材53がアパーチャ51aの一部を覆っている。シャッタ25aを用いると、アパーチャ51aのサイズを連続的に或いは離散的に変更することができる。
図4(A)は、窒素源装置のためのシャッタの別の例を示す図面である。シャッタ25bは、絞り構造57を有することができる。アパーチャ57aのサイズは絞り構造を用いて変更されることができる。絞り構造57は、複数の絞り板57bから構成されている。シャッタ25bを用いると、アパーチャ57aのサイズを連続的に或いは離散的に変更することができる。また、絞り構造57によれば、フラックスの分布のかたよりを縮小でき、またウエハの配置位置に依存する成膜の不均一を改善できる。多数枚チャージの場合等は均一性の観点からより有利である。
また、図4(B)は、窒素源装置のためのシャッタの更なる別の例を示す図面である。図4(B)では、アレイ状に配列された絞り構造が示されている。シャッタ25cは、単位のシャッタ59aがアレイ状に配列されたシャッタアレイ59を含むこともできる。シャッタアレイ59によれば、フラックスの偏りを縮小できる。真空中におけるシャッタの動作はマグネットカップリング等を用いて実現され、また装置の外から操作されることができる。
以上説明したように、分子線結晶成長装置11は、アパーチャのサイズを調節可能な機構を有するシャッタ25と、Nラジカルガン19とステージ41の間にゲートバルブ39とを備える。窒素源装置17は、Nラジカルガン19と、ターボポンプ35とを備えており、ゲートバルブ39が閉じられている時に、成長室13とは独立して真空排気を行うことができる。これ故に、ゲートバルブ39を閉めたまま窒素ガスを窒素源装置17に供給して、プラズマを発生すると共にこのプラズマを維持できる。このため、ゲートバルブ39を開いている時、フラックスの変動を小さくすることにも寄与する。例えば、GaInNAs半導体膜またはGaNAs半導体膜の成膜およびGaAs半導体膜の成長の一方から他方に切り替えるときには、窒素源装置17のゲートバルブ39を開閉する。また、GaInNAs半導体膜の成膜およびGaNAs半導体膜の成膜の一方から他方に切り替えるときには、窒素組成を調整するためにシャッタ25のアパーチャのサイズを調整する。
ターボポンプ35または粗引きポンプ37に異常がおきた場合、ゲートバルブ31は、ターボポンプ35等が停止しても、ラジカルガン19の真空を破ることを防ぐために用いられる。
分子線結晶成長装置11と異なる分子線結晶成長装置は、マスフローを用いて原料ガスの流量を制御している。この分子線結晶成長装置では、原料ガスの流量を変化したとき、プラズマが安定するための時間が必要である。さらに、ラジカルガン19では、原料ガスの流量を変えるとラジカル発生部の圧力が変動するので、ラジカルの安定性が悪くなる。また、原料ガスの流量に関してマッチングが取れる流量範囲が狭い。これらの理由により、膜の界面において急峻に窒素組成を変化させるためには、成長を一旦中断することが必要となる。成長中断をすると、界面にヒ素(As)が偏析し、また結晶欠陥が発生しやすい。また、成長室に混入したコンタミネーションのため、半導体膜の界面に不純物がパイルアップして、該界面の品質を悪化させる。一方、分子線結晶成長装置11のようにシャッタ25のアパーチャのサイズのみでフラックス量を調整する場合には、1秒程度またはそれ以上に短い時間で、シャッタのアパーチャサイズを迅速な変化させることができる。
(第2の実施の形態)
図5(A)は、レーザダイオードといった半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを示す図面である。図6(A)、図6(B)、図6(C)、図6(D)および図6(E)は、ヘテロ構造を形成する工程における成膜条件を示す図面である。GaAsウエハといった半導体ウエハ61上に、バッファ膜63を堆積する。バッファ膜63上に、第1導電型のクラッド膜65を堆積する。クラッド膜65上に、活性領域67を形成する。活性領域67は、半導体層67a、67b、67cから成る量子井戸構造を有することができる。活性領域67の成長は、図6(A)〜図6(E)を参照しながら、後ほど詳述される。活性領域67上には、第2導電型のクラッド膜69を堆積する。クラッド膜69上に、コンタクト膜71を堆積する。必要な場合には、メサ構造またはリッジ構造を形成することができる。これらの工程により、結晶成長工程が完了する。結晶成長工程が完了した後に、アノード電極およびカソード電極を形成する。一例の半導体レーザの構造は下記のものである。
半導体ウエハ61:n型GaAsウエハ
バッファ膜63:n型GaAs
クラッド膜65:n型AlGaAs
活性領域67:GaAs光閉じ込め層を含む量子井戸構造
クラッド膜69:p型AlGaAs
コンタクト膜71:p型GaAs
図5(A)は、レーザダイオードといった半導体発光素子のためのエピタキシャルウエハを示す図面である。図6(A)、図6(B)、図6(C)、図6(D)および図6(E)は、ヘテロ構造を形成する工程における成膜条件を示す図面である。GaAsウエハといった半導体ウエハ61上に、バッファ膜63を堆積する。バッファ膜63上に、第1導電型のクラッド膜65を堆積する。クラッド膜65上に、活性領域67を形成する。活性領域67は、半導体層67a、67b、67cから成る量子井戸構造を有することができる。活性領域67の成長は、図6(A)〜図6(E)を参照しながら、後ほど詳述される。活性領域67上には、第2導電型のクラッド膜69を堆積する。クラッド膜69上に、コンタクト膜71を堆積する。必要な場合には、メサ構造またはリッジ構造を形成することができる。これらの工程により、結晶成長工程が完了する。結晶成長工程が完了した後に、アノード電極およびカソード電極を形成する。一例の半導体レーザの構造は下記のものである。
半導体ウエハ61:n型GaAsウエハ
バッファ膜63:n型GaAs
クラッド膜65:n型AlGaAs
活性領域67:GaAs光閉じ込め層を含む量子井戸構造
クラッド膜69:p型AlGaAs
コンタクト膜71:p型GaAs
図6(A)〜図6(E)を参照しながら、ヘテロ構造の形成を説明する。特に図6(C)および図6(D)を参照すると、時刻t1において窒素源装置のゲートバルブが開かれる。Nシャッタのアパーチャのサイズは、面積S1である。該アパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、時刻t1〜t2の期間で、GaNAs半導体67aといった第1のIII−V化合物半導体層を成長する。時刻t2において、インジウム源のシャッタを開くと共に、窒素源装置のNシャッタのアパーチャサイズが変更される。このNシャッタのアパーチャのサイズは、面積S2である。該アパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、時刻t2〜t3の期間で、GaInNAs半導体67bといった第2のIII−V化合物半導体層を成長する。時刻t3において、インジウム源のシャッタを閉じると共に、窒素源装置のNシャッタのアパーチャサイズが再び変更される。このNシャッタのアパーチャのサイズは、面積S1である。該アパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、時刻t3〜t4の期間で、GaNAs半導体67cといった第3のIII−V化合物半導体層を成長する。図6(A)に示されるように、窒素源装置に供給されるN2ガスの流量は、時刻t1〜t4の間において変更されていない。また、図6(B)に示されるように、窒素源装置に印加されるプラズマパワーは、時刻t1〜t4の間において変更されていない。さらに、図6(E)に示されるように、窒素源装置のゲートバルブは時刻t1〜t4の間において開かれたままである。
これらの工程の後に、ヘテロ構造を有する活性領域67が形成される。このヘテロ構造の界面は、急峻にかつ制御性良く窒素組成を制御されている。シャッタを用いて窒素フラックス量を調整するので、成長中断が不要となり、この結果、より良好な界面を形成できる。これ故に、半導体レーザの特性を向上することができる。
好適な実施の形態においては、第2のIII−V化合物半導体層は井戸層であり、第1および第3のIII−V化合物半導体層はバリア層である。
これらの方法では、窒素組成の異なる半導体膜を形成するために、窒素ラジカルガンに供給される原料ガスの流量を変更することなく、シャッタのアパーチャサイズを変更して窒素フラックスを調整している。これ故に、窒素組成の異なるいくつかの半導体層を形成するときに、窒素ラジカルガンのプラズマを安定させるための時間が必要ない。
アパーチャサイズはシャッタの構造に依存して異なるけれども、半導体膜の窒素組成とアパーチャサイズとの関係を実験的に決めることができる。
(実施例1)
例えば、全開のシャッタを用いて半導体膜を成長する。このGaNAs半導体の窒素組成は2パーセントである(N=2%)。また、完全に閉じてシャッタを用いて半導体膜を成長する。このGaNAs半導体は、シャッタからの漏れのため、0.2パーセントの窒素組成を有する(N=0.2%)。この窒素源装置を用いると、シャッタのアパーチャサイズを調整することにより、0.2%から2%の範囲で窒素組成を変化できる。また、窒素源装置のゲートバルブを閉じた時には、ラジカルガンを用いてプラズマを生成しているけれども、GaAs半導体を堆積できる(N=0%)。したがって、半導体膜の組成を変更してヘテロ界面を形成するために成長中断してプラズマが安定するのを待つことなく、GaAs半導体に加えて、0.2%〜2%の窒素組成の範囲でGaNAs層またはGaInNAs層を成長できる。
例えば、全開のシャッタを用いて半導体膜を成長する。このGaNAs半導体の窒素組成は2パーセントである(N=2%)。また、完全に閉じてシャッタを用いて半導体膜を成長する。このGaNAs半導体は、シャッタからの漏れのため、0.2パーセントの窒素組成を有する(N=0.2%)。この窒素源装置を用いると、シャッタのアパーチャサイズを調整することにより、0.2%から2%の範囲で窒素組成を変化できる。また、窒素源装置のゲートバルブを閉じた時には、ラジカルガンを用いてプラズマを生成しているけれども、GaAs半導体を堆積できる(N=0%)。したがって、半導体膜の組成を変更してヘテロ界面を形成するために成長中断してプラズマが安定するのを待つことなく、GaAs半導体に加えて、0.2%〜2%の窒素組成の範囲でGaNAs層またはGaInNAs層を成長できる。
図6(A)〜図6(E)に示される工程に従って、シリコンドープのGaAs基板上に、GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μm/Ga0.7In0.3N0.01As0.99(N=1%)7nm/GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μmという構造の単一量子井戸を成長した。また、成長速度は1μm/h、成長温度は摂氏480度である。シャッタ全開の場合、パワー500ワット窒素流量0.2sccmにおいて窒素組成は0.5%であり、パワー500ワット窒素流量0.4sccmにおいて窒素組成は1%である。GaInNAs半導体の成長において、ガリウムのフラックス強度を一定にすると共に、インジウム源のシャッタを開閉する。上記の単一量子井戸の成長には、13秒の成長時間がかかる。以上説明したように、本実施の形態に係る上記の単一量子井戸の成長は、窒素ラジカルガンのパワー500ワットおよび流量0.4sccmに保ったままで、GaNAs/GaInNAs/GaNAsを連続して成長することができる。
図7(A)〜図7(D)に示される工程に従って、シリコンドープのGaAs基板上に、GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μm/Ga0.7In0.3N0.01As0.99(N=1%)7nm/GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μmという構造の単一量子井戸を成長する。時刻t5〜t6の期間に、GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μmを成長する。時刻t7〜t8の期間に、Ga0.7In0.3N0.01As0.99(N=1%)7nmを成長する。時刻t9〜t10の期間に、GaN0.005As0.995(N=0.5%)0.2μmを成長する。時刻t11、t12に窒素流量を変更する。シャッタを開いたまま窒素流量を変化させると、プラズマ安定待ちの時間が30秒必要である。時刻t11〜t7および時刻t12〜t9の期間が、プラズマを安定させるための待ち時間である。この待ち時間が無い場合は、プラズマが安定する期間中にGaInNaAs層の成長が終わる。
フォトルミネッセンス(PL)の強度を比較すると、連続成長した量子井戸構造は、成長中断した量子井戸構造と比較して、約4倍のPL強度を示す。
本実施の形態によれば、上記の例に限定されることなく、図5(B)に示されるような別の量子井戸構造73を形成することもできる。この方法は、窒素を含むIII−V化合物半導体の層を有するヘテロ構造を作製する方法である。この方法は、窒素ラジカルガンと基板との間に位置するシャッタに形成された第1のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、GaNAs半導体73aといった第1のIII−V化合物半導体層を基板上に堆積する。次いで、窒素源装置のシャッタおよびゲートバルブを閉じる。シャッタおよびゲートバルブを閉じた後に、第1のIII−V化合物半導体層上にGaAs半導体73bを堆積する。ゲートバルブを閉じた後に、この堆積に先立って、この堆積の後に或いはこの堆積中に、シャッタのアパーチャサイズを調整して第2のアパーチャを形成する。次いで、第2のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、GaInNAs半導体73cといった第2のIII−V化合物半導体層をGaAs半導体層上に堆積する。次いで、窒素源装置のシャッタおよびゲートバルブを閉じる。シャッタおよびゲートバルブを閉じた後に、第1のIII−V化合物半導体層上にGaAs半導体73dを堆積する。この堆積に先立って、この堆積の後に或いはこの堆積中に、シャッタのアパーチャサイズを調整して第3のアパーチャを形成する。次いで、第3のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、GaNAs半導体73eといった第3のIII−V化合物半導体層をGaAs半導体層73d上に堆積する。第1および第3のアパーチャのサイズは第2のアパーチャのサイズと異なる。
これらの工程の後に、ヘテロ構造を有する活性領域73が形成される。この構造は、成長中断なく成長されたGaNAs/GaAs/GaInNAs/GaAs/GaNAsを有する。このヘテロ構造の界面は、急峻にかつ制御性良く窒素組成を制御されている。シャッタおよびゲートバルブを用いて窒素フラックス量を調整するので、プラズマ安定化のための成長中断が不要となり、この結果、より良好な界面を形成できる。これ故に、半導体レーザの特性を向上することができる。
好適な実施の形態においては、GaAs半導体層はバリア層であり、第1および第2のIII−V化合物半導体層の少なくともいずれか一方は井戸層である。この方法では、GaNAs、GaInNAs系半導体膜を形成するために好適である。しかしながら、第1および第2のIII−V化合物半導体は、上記の特定の例示に限定されない。例えば、第1および第2のIII−V化合物半導体の一方は、III族元素としてガリウムを含み、V族元素として窒素および砒素を含むことが好ましい。また、第1および第2のIII−V化合物半導体の他方は、III族元素としてガリウムおよびインジウムを含み、V族元素として少なくとも窒素および砒素を含むことが好ましい。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本実施の形態では、例えば、レーザダイオードといった半導体発光素子を説明したけれども、本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
11…分子線結晶成長装置、13…成長室、15…粒子ビーム源、15a、15b、15c…粒子ビーム源、17…窒素源装置、19…ラジカルガン、23…ハウジング、25…シャッタ、25b…シャッタ、25c…シャッタ、23a、23b…開口、31…ゲートバルブ、33…真空排気装置、39…ゲートバルブ、41…ステージ、25a…シャッタ、51a…開口、51…ベース、57…絞り構造、57a…アパーチャ、59…シャッタアレイ、59a…単位のシャッタ、61…半導体ウエハ、63…バッファ膜、65…クラッド膜、67…活性領域、69…クラッド膜、71…コンタクト膜、67a…GaNAs半導体、67b…GaInNAs半導体、67c…GaNAs半導体、73…量子井戸構造、73a…GaNAs半導体、73b…GaAs半導体、73c…GaInNAs半導体、73d…GaAs半導体、73e…GaNAs半導体
Claims (7)
- 窒素を含むIII−V化合物半導体の層を有するヘテロ構造を作製する方法であって、
基板を搭載するステージと窒素ラジカルガンとの間に位置するシャッタのアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第1のIII−V化合物半導体層を前記基板上に堆積する工程と、
前記シャッタのアパーチャサイズを変更する工程と、
前記アパーチャサイズを変更した後に、前記変更されたアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第2のIII−V化合物半導体層を前記第1のIII−V化合物半導体層上に堆積する工程と
を備え、
前記第1のIII−V化合物半導体層の窒素組成は前記第2のIII−V化合物半導体層の窒素組成と異なる、ことを特徴とする方法。 - 窒素を含むIII−V化合物半導体の層を有するヘテロ構造を作製する方法であって、
基板を搭載するステージと窒素ラジカルガンとの間に位置するシャッタの第1のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第1のIII−V化合物半導体層を前記基板上に堆積する工程と、
窒素フラックスの供給を停止する工程と、
前記窒素フラックスの供給を停止した後に、前記第1のIII−V化合物半導体層上にGaAs半導体を堆積する工程と、
前記シャッタに第2のアパーチャを形成する工程と、
前記第2のアパーチャを介して窒素フラックスを供給すると共に他の原料フラックスを供給して、第2のIII−V化合物半導体層を前記GaAs半導体層上に堆積する工程と
を備え、
前記第1のアパーチャのサイズは前記第2のアパーチャのサイズと異なる、ことを特徴とする方法。 - 前記第1および第2のIII−V化合物半導体の一方は、III族元素としてガリウムを含み、V族元素として窒素および砒素を含んでおり、
前記第1および第2のIII−V化合物半導体の他方は、III族元素としてガリウムおよびインジウムを含み、V族元素として少なくとも窒素および砒素を含む、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載された方法。 - 窒素を含むIII−V化合物半導体を成長するための成長室と、
前記III−V化合物半導体を成長するための構成元素を前記成長室に提供する一又は複数の粒子ビーム源と、
前記成長室に窒素フラックスを提供するための窒素源装置と
を備え、
前記窒素源装置は、
窒素ラジカルを発生するためのラジカルガンと、
前記ラジカルガンを収容するハウジングと、
前記ハウジングに支持されており、アパーチャのサイズを変更して前記ラジカルガンからの窒素フラックスの量を調整できる構造を有するシャッタと
を含む、ことを特徴とする分子線結晶成長装置。 - 前記アパーチャのサイズは絞り構造を用いて変更される、ことを特徴とする請求項4に記載された分子線結晶成長装置。
- 前記シャッタは、窒素フラックスが通過する開口と、該開口を覆うための遮蔽部材とを含み、
前記アパーチャのサイズは前記遮蔽部材の位置を変更することによりを調整される、ことを特徴とする請求項4に記載された分子線結晶成長装置。 - 粒子ビームを用いてIII−V化合物半導体を成長する成膜装置のための窒素源装置であって、
窒素ラジカルを発生するためのラジカルガンと、
前記ラジカルガンを収容するハウジングと、
前記ハウジングに支持されており、アパーチャのサイズを変更して前記ラジカルガンからの粒子フラックスの量を調整できる構造を有するシャッタと
を備えることを特徴とする窒素源装置。
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|---|---|---|---|
| JP2005001686A JP2006190827A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 分子線結晶成長装置、ヘテロ構造を作製する方法および窒素源装置 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2005001686A JP2006190827A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 分子線結晶成長装置、ヘテロ構造を作製する方法および窒素源装置 |
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| JP2005001686A Pending JP2006190827A (ja) | 2005-01-06 | 2005-01-06 | 分子線結晶成長装置、ヘテロ構造を作製する方法および窒素源装置 |
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| JP (1) | JP2006190827A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013136834A (ja) * | 2011-11-28 | 2013-07-11 | National Institute For Materials Science | 蒸着用シャッター装置及びこれを用いた成膜装置 |
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2005
- 2005-01-06 JP JP2005001686A patent/JP2006190827A/ja active Pending
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