JP2006190838A - 記憶素子及びメモリ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層17を有し、この記憶層17に対して中間層16を介して磁化固定層19が設けられ、積層方向に電流を流すことにより、記憶層17の磁化の向きが変化して、記憶層17に対して情報の記録が行われる記憶素子10において、記憶層17がNiFe合金を主成分として成る構成とする、又は、記憶層17を構成する磁性体のダンピング定数αがα<0.015を満足する構成とする。
【選択図】 図1
Description
そして、特に、不揮発性メモリは、機器の高機能化に必要不可欠な部品と考えられている。
例えば、電源の消耗やトラブル、サーバーとネットワークが何らかの障害により切断された場合でも、不揮発性メモリはシステムや個人の重要な情報を保護することができる。
また、最近の携帯機器は、不要の回路ブロックをスタンバイ状態にして、できるだけ消費電力を抑えるように設計されているが、高速のワークメモリと大容量ストレージメモリを兼ねることができる不揮発性メモリを実現することができれば、消費電力とメモリの無駄を無くすことができる。
さらに、高速の大容量不揮発性メモリが実現できれば、電源を入れると瞬時に起動できる「インスタント・オン」機能も可能になってくる。
しかしながら、フラッシュメモリは、書き込み速度がμ秒のオーダーと遅いため、高速なアクセスに向かないという欠点がある。
一方、FRAMにおいては、書き換え可能回数が1012〜1014と有限であるため、完全にSRAMやDRAMを置き換えるには耐久性が小さく、また強誘電体キャパシタの微細加工が難しいという問題が指摘されている。
このMRAMは、磁気モーメントの回転により記憶を行うため、書き換え可能回数が大きい。
また、アクセス時間についても非常に高速である。
シリコン基板等の半導体基体110の素子分離層102により分離された部分に、各メモリセルを選択するための選択用トランジスタを構成する、ドレイン領域108、ソース領域107、並びにゲート電極101が、それぞれ形成されている。
また、ゲート電極101の上方には、図中前後方向に延びるワード線105が設けられている。
ドレイン領域108は、図中左右の選択用トランジスタに共通して形成されており、このドレイン領域108には、配線109が接続されている。
そして、ワード線105と、上方に配置された、図中左右方向に延びるビット線106との間に、磁化の向きが反転する記憶層を有する磁気記憶素子103が配置されている。この磁気記憶素子103は、例えば磁気トンネル接合素子(MTJ素子)により構成される。
さらに、磁気記憶素子103は、水平方向のバイパス線111及び上下方向のコンタクト層104を介して、ソース領域107に電気的に接続されている。
ワード線105及びビット線106にそれぞれ電流を流すことにより、電流磁界を磁気記憶素子103に印加して、これにより磁気記憶素子103の記憶層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行うことができる。
一方、記録された情報を書き換えるためには、アドレス配線にある程度の電流を流さなければならない。
ところが、MRAMを構成する素子の微細化に従い、磁化の向きを反転させる電流値が増大する傾向を示す反面、アドレス配線も細くなるため、充分な電流が流せなくなってくる。
スピン注入による磁化反転とは、磁性体の中を通過してスピン偏極した電子を、他の磁性体に注入することにより、他の磁性体において磁化反転を起こさせるものである。
シリコン基板等の半導体基体60の素子分離層52により分離された部分に、各メモリセルを選択するための選択用トランジスタを構成する、ドレイン領域58、ソース領域57、並びにゲート電極51が、それぞれ形成されている。このうち、ゲート電極51は、図10中前後方向に延びるワード線を兼ねている。
ドレイン領域58は、図10中左右の選択用トランジスタに共通して形成されており、このドレイン領域58には、配線59が接続されている。
そして、ソース領域57と、上方に配置された、図10中左右方向に延びるビット線56との間に、スピン注入により磁化の向きが反転する記憶層を有する記憶素子53が配置されている。
この記憶素子53は、例えば磁気トンネル接合素子(MTJ素子)により構成される。
図中61及び62は磁性層を示しており、2層の磁性層61,62のうち、一方の磁性層を磁化の向きが固定された磁化固定層として、他方の磁性層を磁化の向きが変化する磁化自由層即ち記憶層とする。
また、記憶素子53は、ビット線56と、ソース領域57とに、それぞれ上下のコンタクト層54を介して接続されている。これにより、磁気記憶素子53に電流を流して、スピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させることができる。
また、スピン注入による磁化反転を利用することにより、外部磁界により磁化反転を行う一般的なMRAMと比較して、素子の微細化が進んでも、書き込みの電流が増大しないという利点がある。
そして、このように記憶素子に直接電流を流して情報の書き込み(記録)を行うことから、書き込みを行うメモリセルを選択するために、記憶素子を選択トランジスタと接続してメモリセルを構成する。この場合、記憶素子に流れる電流は、選択トランジスタに流すことが可能な電流(選択トランジスタの飽和電流)の大きさに制限される。
このため、選択トランジスタの飽和電流以下の電流で書き込みを行う必要があり、スピン注入の効率を改善して、記憶素子に流す電流を低減する必要がある。
このように中間層としてトンネル絶縁層を用いた場合には、トンネル絶縁層が絶縁破壊することを防ぐために、記憶素子に流す電流量に制限が生じる。この観点からも、スピン注入時の電流を抑制する必要がある。
また、例えば、強磁性層として一般的なCoFeを記憶層の材料に使用した場合、磁化反転を生じさせるためには、おおよそ1×107A/cm2程度の電流密度が必要である。
そして、電流密度が上述した値のときに、例えば記憶素子の大きさが90nm×130nmであるとすると、書き込み電流閾値は、おおよそ550μAとなる。
読み出し信号の大きさを考えると、素子抵抗は大きいほど良いが、図13より、素子抵抗を大きくすると記憶素子に流せる電流が小さくなってしまう。
そして、読み出し特性を充分に確保する上で下限と推定される素子抵抗2.5kΩの場合を考えると、図13より、記憶素子に流せる電流の上限は約400μAとなることから、上述した値からさらに書き込み電流閾値を30%以上低減させなくてはならないことになる。
このため、読み出し特性を充分に確保するためには、記憶層の材料にCoFeやCoFeBを使用した場合と比較して、さらに書き込み電流を低減することが求められる。
そして、記憶層が、NiFe合金を主成分として成ることにより、NiFe合金のダンピング定数αが0.01と小さいことから、記憶層のダンピング定数を小さくすることができ、ダンピング定数に比例する、記憶層の磁化の向きを変化させるための電流の閾値を小さくすることができる。これにより、スピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させて情報を記録するために必要な電流量を低減することができる。
このような構成としたときには、中間層として、酸化マグネシウムによりトンネル絶縁層が構成され、トンネル絶縁層を流れるトンネル電流によって、記憶層に記録された情報(記憶層の磁化状態)を読み出しすることができる。また、酸化マグネシウムから成るトンネル絶縁層により、磁気抵抗変化率(MR比)を大きくすることができる。
そして、MR比が大きいほどスピン注入効率が向上し、スピン注入により情報を記録するために必要な電流量を低減することができる。また、MR比が大きいことにより、読み出し信号強度を大きくすることができる。
このような構成としたときには、中間層の面積抵抗値を小さくして、記憶素子に情報の記録を行うための電流を充分に流すことが可能になる。
このような構成としたときには、例えば、記憶層の材料がNiFe合金に他の元素が添加された構成であっても、ダンピング定数をNiFe合金と同様の小さい値に抑制することができる。
このような構成としたときには、Cu,Pd,Znから選ばれる少なくとも1つ以上の元素の添加により、NiFe合金単体と比較して、さらに飽和磁束密度を下げてかつスピン分極率を向上することができる。
飽和磁束密度を下げることにより、スピン注入により情報を記録するために必要な電流量を低減することができる。また、スピン分極率を向上することにより、磁気抵抗変化率(MR比)を大きくして、記憶層に記録された情報を読み出す際の読み出し信号強度を大きくすることができる。
このような構成としたときには、記憶素子を破壊することなく良好に情報の書き込み(記録)を行うことができると共に、大きいMR比を得ることができる。
このような構成としたときには、スピン注入効率を向上することができると共に、大きいMR比を得ることができる。
このような構成としたときには、記憶層の飽和磁化を小さくすることができ、この記憶層の飽和磁化の2乗に比例する、スピン注入により情報を記録するために必要な電流量を低減することができる。
このような構成としたときには、CoFeBがCoFe等と比較してスピン分極率が大きいことから、記憶素子のスピン注入効率が高くなり、スピン注入により情報を記録するために必要な電流量を低減することが可能になる。
このような構成としたときには、製造時に高温の熱履歴を受けた場合や高温の熱処理を行った場合でも、記憶層と上層の保護層との間の元素の拡散を挿入層により抑制することができる。これにより、記憶層を薄くした場合でも磁気特性を維持することができるため、充分な磁気抵抗変化率(MR比)を維持することができると共に、記憶層を薄くすることによって、情報の記録に必要な電流を低減することが可能になる。
また、さらに、この挿入層の面積抵抗値が中間層の面積抵抗値よりも小さい構成としたときには、記憶素子に情報の記録を行う電流を充分に流すことができる。
そして、記憶層を構成する磁性体のダンピング定数αがα<0.015を満足することから、記憶層のダンピング定数を小さくすることができ、ダンピング定数に比例する、記憶層の磁化の向きを変化させるための電流の閾値を小さくすることができる。これにより、スピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させて情報を記録するために必要な電流量を低減することができる。
また、スピン注入により記憶素子の記憶層の磁化の向きを反転させるために必要な電流量を低減することができる。
また、スピン注入により記憶素子の記憶層の磁化の向きを反転させるために必要な電流量を低減することができる。
ことにより、メモリ全体の消費電力を低減することが可能になる。
従って、従来にない低消費電力のメモリを実現することが可能になる。
これにより、耐熱性を有し、信頼性の高いメモリを実現することができる。
本発明は、前述したスピン注入により、記憶素子の記憶層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行うものである。記憶層は、強磁性層等の磁性体により構成され、情報を磁性体の磁化状態(磁化の向き)により保持するものである。
この閾値よりも絶対値が小さい電流を流した場合には、磁化反転を生じない。
一方、メモリとしての性能を維持するという観点から、上記各種パラメータが制約される。例えば、式1中の(a2lmHkMs)の項は熱ゆらぎを決定する項として知られており、書き込み閾値電流Icのばらつきを抑えて、書き込んだデータの長期安定性を確保するためには、一定以上の値を保たなければならず、ある一定値以下に小さくすることはできない。このため、記憶素子の大きさや記憶層の厚さlm・飽和磁化Msには下限が存在し、これらのパラメータを減少させることにより書き込み電流を低減させる手法は、ある所で限界となる。
また、記憶層の材料として、CoFeBを使用した場合には、一般的に用いられているCoFeにさらにボロンBを添加することによって、飽和磁化Msを減少させて、CoFeに比べて書き込み閾値電流Icを低減することができると考えられる。
しかしながら、これらの材料(CoFe,CoFeB)は、ダンピング定数αが0.02程度と大きい。このため、書き込み電流密度は6×106A/cm2以上と大きくなり、また、前述した熱揺らぎを決定する項が大きくなることから、熱揺らぎによる悪影響を受けることになる。
従って、これらの材料では、熱揺らぎの影響を抑えつつ書き込み閾値電流Icを低減させることは困難であり、選択トランジスタと接続してメモリセルを構成して情報の書き込みを行うことができなくなる。
このとき、記憶素子の大きさが例えば90nm×130nmであるとすると、書き込み閾値電流Icはおよそ280μAとなり、前述した選択トランジスタの飽和電流(約400μA)よりも小さくすることができ、スピン注入を利用して情報の書き込みを行うメモリの実現が可能となる。
α<0.015 (式2)
の関係を満たすことが求められる。
また、記憶層に対して、前述したスピン注入による磁化反転を用いて、記憶層を構成する磁性層の磁化の向きを反転させて、情報の記録を行う。
そして、ダンピング定数αが0.01程度のNiFe合金等の、上述の式2の関係を満足する材料を、記憶層を構成する磁性体として使用する。
これにより、記憶層のダンピング定数αが小さくなり、書き込み閾値電流Icはおよそ280μAとなり、前述した選択トランジスタの飽和電流(約400μA)よりも小さくすることができ、スピン注入を利用して情報の書き込みを行うメモリの実現が可能となる。
例えば、NiFeを主成分として、さらに、他の元素として、B,C,N,Si,P,Al,Ta,Mo,Cr,Nb,Cu,Zr,W,V,Hf,Gd,Mn,Pdが添加された材料を用いることができる。
これら他の元素の添加量は、ダンピング定数αが式2を満たすように設定する。より好ましくは、初透磁率(μi)が10000以上となるように設定する。初透磁率が10000以上であるように、他の元素の添加量を設定することにより、記憶層のダンピング定数を大きくならないように抑制することができる。
また、NiFeを主成分とする材料に限らず、ダンピング定数αが式2の条件を満たす材料であれば、その他の磁性体を使用することも可能である。
磁化固定層は、強磁性層のみにより、或いは反強磁性層と強磁性層の反強磁性結合を利用することにより、その磁化の向きが固定された構成とする。
また、磁化固定層は、単層の強磁性層から成る構成、或いは複数層の強磁性層を非磁性層を介して積層した積層フェリ構造とする。磁化固定層を積層フェリ構造としたときには、磁化固定層の外部磁界に対する感度を低下させることができるため、外部磁界による磁化固定層の不要な磁化変動を抑制して、記憶素子を安定して動作させることができる。
反強磁性層として用いられる材料としては、鉄、ニッケル、白金、イリジウム、ロジウム等のマンガン合金、コバルトやニッケル酸化物等が使用できる。
非磁性層として用いられる材料としては、ルテニウム、銅、クロム、金、銀等が使用できる。膜厚は材料によって変動するが、ほぼ0.4nm〜2.5nmの範囲で使用する。
磁化固定層を構成する強磁性層の材料としては、CoもしくはCo−Fe強磁性材料やそれにボロンBが15〜30原子%添加されたアモルファス材料や、Co,Fe,Niの合金から成る強磁性材料を用いることができる。
飽和磁束密度を下げることにより、スピン注入による書き込み閾値電流を低減することができ、少ない電流で情報の書き込み(記録)を行うことができる。
スピン分極率を向上することにより、磁気抵抗変化率(MR比)を大きくして、記憶層に記録された情報を読み出す際の読み出し信号強度を大きくすることができる。
図2Aより、Cr及びRuを添加した場合には、少量の添加では分極率の向上が見られるが、添加量を増やすと分極率は低下する。また、Cu,Pd,Znを添加した場合には比較的添加量の多いところで、分極率が大きくなることがわかる。
図2Bより、添加する元素の種類によって、添加による平均磁気モーメントの減少率に差があり、Cr,Znは減少率が大きく、Pdは減少率が小さい。平均磁気モーメントと飽和磁束密度とはほぼ比例するので、平均磁気モーメントが小さい方が記録電流は小さくなる。
図3より、Zn,Cu,Pdを添加した場合に、平均磁気モーメント当たりの分極率が著しく向上しているのがわかる。
トンネル絶縁層の材料としては、例えば、酸化アルミニウム(AlOx)や酸化マグネシウム(MgO)等の酸化物を用いることができる。
従って、トンネル絶縁層の材料に酸化マグネシウムを用いることにより、スピン注入による書き込み閾値電流を低減することができ、少ない電流で情報の書き込み(記録)を行うことができる。また、読み出し信号強度を大きくすることができる。
スピン注入により記憶層の磁化の向きを反転させる記憶素子では、スピン注入による磁化反転を可能とするためには、およそ3〜8×106(A/μm2)の電流密度を必要とする。トンネル絶縁層内のピンホール密度等の信頼性にもよるが、スピン注入による磁化反転が可能であり、かつ比較的低抵抗のトンネル絶縁層の絶縁耐電圧は、およそ1V程度である。
ここで、記憶素子の面積を仮に0.06×0.167μm=0.01μm2であるとした場合に、3〜8×106(A/μm2)の電流密度を得るためには、それぞれ33.3〜12.5(Ωμm2)よりも抵抗値が小さい必要がある。
なお、磁化反転に必要な電流密度が小さいほど、記憶素子の抵抗値が大きくてもよくなる。
従って、トンネル絶縁層の面積抵抗値は、スピン注入に必要な電流密度を得る観点から、少なくとも30Ωμm2以下であることが好ましく、15Ωμm2以下であることがさらに好ましい。
そして、トンネル絶縁層にMgO膜を用いた場合には、面積抵抗値を上述の30Ωμm2以下とするために、MgO膜の膜厚を0.8nm以下にすることが望ましい。
記憶層が薄くなると、MR比が小さくなるため、読み出し信号強度が小さくなる。
一方、記憶層が厚くなると、磁化の向きを反転させるための書き込み電流を大きくする必要があるため、トンネル絶縁層を破壊するおそれがある。
Ni含有量が少ないと、MR比が小さくなり、またスピン注入による書き込み閾値電流も大きくなる。
一方、Ni含有量が100原子%付近と多くなると、MR比が大きく劣化する。また、90原子%以下の場合と比較して、スピン注入による書き込み閾値電流も大きくなる。
なお、記憶層の一部領域を上述したNi含有量とする場合には、当該領域が記憶層のどこにあっても効果はあるが、当該領域が中間層(トンネル絶縁層等)と接する側にあるときに最も大きい効果が得られる。
記憶層の飽和磁化が1Tを超えると、スピン注入による書き込み閾値電流も大きくなってしまう。
このような薄い記憶層を形成する工程としては、DCマグネトロンスパッタ法等により直接所望の膜厚の薄膜を成膜する方法が考えられる。
また、例えば、記憶層を構成する磁性体の薄膜を所望の膜厚よりも厚く形成した後に、化学反応・酸化・イオンの打ち込み等により、上部を混合層領域として非磁性に変化させ、記憶層の実効的な厚さを低減することも可能である。この製造方法を用いることにより、直接良好な状態で成膜することが困難である膜厚であっても、良好な状態で作製することが可能になる。
この記憶素子10は、下層から、下地層11、反強磁性層12、強磁性層13、非磁性層14、強磁性層15、トンネル絶縁層16、記憶層17、キャップ層(保護層)18が積層されて成る。
記憶層17は、磁性体から成り、情報を磁化状態(記憶層17の磁化M1の向き)で保持することができるように構成される。
強磁性層13・非磁性層14・強磁性層15の3層により、積層フェリ構造の磁化固定層19が構成される。このうち、強磁性層13は反強磁性層12により磁化M13の向きが右向きに固定されている。強磁性層15の磁化M15の向きは、強磁性層13の磁化M13の向きとは反平行の左向きになっている。
また、この強磁性層15は、記憶層17に対する磁化の向きの基準となるものであるため、参照層とも称される。
例えば、CoFe合金にボロンBが20〜30原子%添加されたアモルファス(非晶質)のCoFeBを用いることも可能である。
特に、トンネル絶縁層16の材料として酸化マグネシウム(MgO)を用いると、前述したように、大きい磁気抵抗変化率(MR比)が得られる。
また、前述した理由により、このMgOからなるトンネル絶縁層16の膜厚は0.8nm以下とすることが好ましい。
キャップ層18から下地層11に向けて、即ち記憶層17から強磁性層(参照層)15に向けて電流を流すと、強磁性層(参照層)15から記憶層17に偏極電子が注入され、記憶層17の磁化の向きが参照層15の磁化の向きと平行になる。
下地層11からキャップ層18に向けて、即ち参照層15から記憶層17に向けて電流を流すと、記憶層17から参照層15に偏極電子が注入され、記憶層17の磁化の向きが参照層15の磁化の向きと反平行になる。
このようにして、電流を流す向きによって、記録する情報を選択することができる。
なお、読み出し時に流す電流は、スピン注入による記憶層17の磁化反転が生じないように、反転電流よりも小さくする。
これにより、前述したように、記憶層のダンピング定数を小さくすることができるため、ダンピング定数に比例する、記憶層の磁化の向きを変化させるための電流の閾値を小さくすることができる。
即ち、記憶素子10を2種類のアドレス配線の交点付近に配置してメモリを構成し、2種類のアドレス配線を通じて記憶素子10に上下方向(積層方向)の電流を流して、スピン注入により記憶層17の磁化の向きを反転させて、記憶素子10に情報の記録を行うことができる。
このような挿入層を設けることにより、製造時に高温(例えば400℃)の熱履歴を受けた場合や、高温の熱処理工程を行った場合でも、キャップ層18と記憶層17との間の元素の拡散を挿入層により抑制することができる。
そして、このような材料を用いた挿入層は、例えば、酸化物のターゲットを用いたRFマグネトロンスパッタリングや、酸素ガスを成膜中に導入することによるリアクティブスパッタリング、金属膜を成膜した後に酸素ガスにさらすことによる自然酸化、金属膜を酸素プラズマによって酸化する等、公知の方法により形成することができる。
例えば、トンネル絶縁層と挿入層を共にMgO膜により形成した場合には、前述したようにトンネル絶縁層の膜厚を0.8nm以下とすることが好ましいので、挿入層の膜厚も0.8nm以下にする。即ち、トンネル絶縁層と挿入層を共に同じ材料で形成する場合には、挿入層の膜厚をトンネル絶縁層の膜厚と同じとするか、或いはトンネル絶縁層よりも薄くする。
この挿入層を設けた場合の実施の形態を次に示す。
本実施の形態の記憶素子20は、特に、記憶層17と上層のキャップ層(保護層)18との間に、挿入層21が設けられている。
その他の構成は、先の実施の形態の記憶素子10と同様であるので、同一符号を付して重複説明を省略する。
これにより、記憶層17を薄くした場合でも磁気特性を維持することができるため、充分な磁気抵抗変化率(MR比)を維持することができると共に、記憶層17を薄くすることによって、情報の記録に必要な電流を低減することが可能になる。
従って、耐熱性を有し、信頼性の高いメモリを実現することができる。
特に、記憶素子10の例えばトンネル絶縁層16にMgO等の比較的高い熱処理温度を要求される層を用いた場合において、熱処理によって抵抗変化率をさらに上昇させて、なおかつ磁気特性の劣化を抑制することができる。
ここで、本発明の記憶素子の構成において、具体的に記憶層の寸法や組成等を設定して、特性がどのようになるか検討を行った。
まず、記憶層を構成する磁性体のダンピング定数αの大きさによる、特性の差異を調べた。
なお、実際には、メモリには、図10に示したように、記憶素子以外にもスイッチング用の半導体回路等が存在するが、ここでは、記憶層の磁気抵抗特性を調べる目的で、記憶素子のみを形成したウエハにより検討を行った。
まず、厚さ0.575mmのシリコン基板上に厚さ2μmの熱酸化膜を形成し、図1に示した記憶素子10と同様の記憶素子を形成した。
具体的には、図1に示した構成の記憶素子10において、下地層11を膜厚3nmのTa膜、反強磁性層12を膜厚20nmのPtMn膜、磁化固定層19を構成する強磁性層13,15を膜厚2nmのCoFe膜、積層フェリ構造の磁化固定層19を構成する非磁性層14を膜厚0.8nmのRu膜、トンネル絶縁層16を膜厚0.5nmのAl膜を酸化した酸化アルミニウム膜、記憶層17を膜厚3nmのCo72Fe8B20膜、キャップ層18を膜厚5nmのTa膜と選定し、また下地層11と反強磁性層12との間に図示しない膜厚100nmのCu膜(後述するワード線となるもの)を設けて、各層を形成した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成1)として、記憶素子10を作製した。
膜構成1:
Ta(3nm)/Cu(100nm)/PtMn(20nm)/CoFe(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFe(2nm)/Al(0.5nm)-Ox/Co72Fe8B20(3nm)/Ta(5nm)
なお、上記膜構成で、合金組成の示されていないPtMnの組成はPt50Mn50(原子%)とした。
酸化アルミニウム膜から成るトンネル絶縁層16以外の各層は、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。
酸化アルミニウム(Al−Ox)膜から成るトンネル絶縁層16は、まず金属Al膜をDCスパッタ法により0.5nm堆積させて、その後に酸素/アルゴンの流量比を1:1とし、自然酸化法により金属Al層を酸化させた。酸化時間は10分とした。
さらに、記憶素子10の各層を成膜した後に、磁場中熱処理炉で、10kOe・270℃・4時間の熱処理を行い、反強磁性層12のPtMn膜の規則化熱処理を行った。
なお、特性評価用の記憶素子には、磁化反転に必要なスピントルクを発生させるために、記憶素子に充分な電流を流す必要があるため、トンネル絶縁層の抵抗値を抑える必要がある。そこで、記憶素子10のパターンを、短軸90nm×長軸130nmの楕円形状として、また記憶素子10の面積・抵抗積(RA)を10Ωμm2とした。
その後、フォトリソグラフィを用いて、上部電極となるビット線及び測定用のパッドを形成して記憶素子の試料を作製して、サンプル1の記憶素子の試料とした。
記憶層17を膜厚3nmのNi80Fe20膜により形成し、その他の構成は膜構成1と同様にして、記憶素子10を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成2)として、記憶素子10を作製した。
膜構成2:
Ta(3nm)/Cu(100nm)/PtMn(20nm)/CoFe(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFe(4nm)/Al(0.5nm)-Ox/Ni80Fe20(3nm)/Ta(5nm)
これを、サンプル2の記憶素子の試料とした。
なお、測定に先立ち、反転電流のプラス方向とマイナス方向の値を対称になるように制御することを可能にするため、記憶素子に対して、外部から磁界を与えることができるように構成した。
記憶素子に電流を流して、その後の記憶素子の抵抗値を測定した。記憶素子の抵抗値を測定する際には、温度を室温25℃として、ワード線の端子とビット線の端子にかかるバイアス電圧が10mVとなるように調節した。さらに、記憶素子に流す電流量を変化させて、この記憶素子の抵抗値の測定を行い、測定結果から抵抗−電流曲線を得た。なお、この抵抗−電流曲線を得る測定は、両極性(プラス方向及びマイナス方向)の電流について行った。
この抵抗−電流曲線から、抵抗値が変化する電流値を求めて、これを磁化の向きを反転させる反転電流値とした。両極性の電流について、この反転電流値を求めた。さらに、両極性の反転電流値の絶対値の平均値を計算し、これを各サンプルの反転電流値とした。
また、反転電流値と記憶素子の断面積とから、反転電流密度を計算で求めた。
各サンプルについて、反転電流密度と、反転電流値と、記憶層を構成する磁性体のダンピング定数αの値とをまとめて、表1に示す。
ここで、選択トランジスタの許容電流上限を400μAとすると、サンプル1の記憶素子では反転電流値がこの許容電流上限を超えており、スピン注入による情報の記録ができないことになる。
一方、サンプル2の記憶素子では、選択トランジスタの許容電流上限よりも小さい電流値で記憶層の磁化を反転させることができるため、スピン注入による情報の記録を行うことができる。
(膜構成3:サンプル3〜サンプル7)
次に、記憶層の飽和磁化の大きさと、特性との関係を調べた。
まず、シリコン基板上に、図1に示した記憶素子10と同様の記憶素子を形成した。
具体的には、図1に示した構成の記憶素子10において、下地層11を膜厚3nmのTa膜、反強磁性層12を膜厚30nmのPtMn膜、磁化固定層19を構成する強磁性層13を膜厚1.8nmのCoFe膜、積層フェリ構造の磁化固定層19を構成する非磁性層14を膜厚0.8nmのRu膜、磁化固定層19を構成する強磁性層(参照層)15を膜厚2nmのCoFeB膜、膜厚0.7nmのトンネル絶縁層16、膜厚3nmの記憶層17、キャップ層18を膜厚6nmのTa膜と選定し、また下地層11と反強磁性層12との間に図示しない膜厚60nmのAl膜(後述するワード線となるもの)と膜厚3nmのTa膜との積層膜を設けて、各層を形成した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成3)として、記憶素子10を作製した。
膜構成3:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/CoFe(1.8nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2nm)/トンネル絶縁層(0.7nm)/記憶層(3nm)/Ta(6nm)
トンネル絶縁層16以外の各層は、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。
トンネル絶縁層16として、酸化アルミニウム(Al−Ox)膜を形成する場合には、まず金属Al膜をDCスパッタ法により0.7nm堆積させて、その後に酸素/アルゴンの流量比を1:1とし、自然酸化法により金属Al層を酸化させた。
また、トンネル絶縁層16として、酸化マグネシウム(MgO)膜を形成する場合には、MgOをターゲットとして用いたRFスパッタ法により、膜厚0.7nmの酸化マグネシウム膜をそのまま成膜した。
さらに、記憶素子10の各層を成膜した後に、磁場中熱処理炉で、10kOe・270℃・4時間の熱処理を行い、反強磁性層12のPtMn膜の規則化熱処理を行った。
なお、特性評価用の記憶素子には、磁化反転に必要なスピントルクを発生させるために、記憶素子に充分な電流を流す必要があるため、トンネル絶縁層の抵抗値を抑える必要がある。そこで、記憶素子10のパターンを、短軸80nm×長軸150nmの楕円形状とした。
その後、フォトリソグラフィを用いて、上部電極となるビット線及び測定用のパッドを形成して記憶素子の試料を作製した。
サンプル3(実施例)は、トンネル絶縁層16に酸化マグネシウム(MgO)を用い、記憶層17にNiFeを用いた。この記憶層17のNiFeの飽和磁化は0.88Tであった。
サンプル4(実施例)は、トンネル絶縁層16に酸化マグネシウム(MgO)を用い、記憶層17にNiFeMoを用いた。この記憶層17のNiFeMoの飽和磁化は0.85Tであった。
サンプル5(実施例)は、トンネル絶縁層16に酸化アルミニウム(AlO)を用い、記憶層17にNiFeを用いた。この記憶層17のNiFeの飽和磁化は0.88Tであった。
サンプル6(比較例)は、トンネル絶縁層16に酸化マグネシウム(MgO)を用い、記憶層17にCoFeBを用いた。この記憶層17のCoFeBの飽和磁化は1.45Tであった。
サンプル7(比較例)は、トンネル絶縁層16に酸化アルミニウム(AlO)を用い、記憶層17にはサンプル6とは組成の異なるCoFeBを用いた。この記憶層17のCoFeBの飽和磁化は0.88Tであった。
各サンプルについて、中間層(トンネル絶縁層16)の材料、記憶層17の材料と飽和磁化の大きさ、反転電流値とを、まとめて表2に示す。
さらに、CoFeBでは、組成を変えて飽和磁化を1T以下としても、反転電流値を低減することができず、NiFe又はNiFeMoの場合のみに反転電流値を大幅に低減できることがわかる。
また、サンプル3及びサンプル4と、サンプル5との対比により、トンネル絶縁層16としてMgOを使用した場合に、より反転電流値の低減効果が大きくなることがわかる。
また、特に、トンネル絶縁層として、酸化マグネシウム(MgO)を用いることにより、さらに記録電流を下げることができる。
(膜構成4;サンプル8〜サンプル10)
次に、記憶層にNiFeを用いた場合に、記憶層の膜厚による特性の変化を調べた。
まず、厚さ0.6mmのシリコン基板上に厚さ2μmの熱酸化膜を形成し、図1に示した記憶素子10を形成した。
具体的には、図1に示した構成の記憶素子10において、下地層11を膜厚3nmのTa膜、反強磁性層12を膜厚30nmのPtMn膜、磁化固定層19を構成する強磁性層13を膜厚1.8nmのCoFe膜、積層フェリ構造の磁化固定層19を構成する非磁性層14を膜厚0.8nmのRu膜、磁化固定層19を構成する強磁性層(参照層)15を膜厚2nmのCoFe膜、トンネル絶縁層16を膜厚0.7nmの酸化マグネシウム膜、記憶層17を膜厚t(nm)のNiFe膜、キャップ層18を膜厚5nmのTa膜と選定し、また下地層11と反強磁性層12との間に図示しない膜厚60nmのAl膜(後述するワード線となるもの)と膜厚3nmのTa膜との積層膜を設けて、各層を形成した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成4)として、記憶素子10を作製した。
膜構成4:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/CoFe(1.8nm)/Ru(0.8nm)/CoFe(2nm)/MgO(0.7nm)/NiFe(tnm)/Ta(5nm)
酸化マグネシウム(MgO)膜から成るトンネル絶縁層16以外の各層は、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。
酸化マグネシウム(MgO)膜から成るトンネル絶縁層16は、MgOをターゲットして用いたRTスパッタ法により、そのまま0.7nm成膜した。
続いて、電子ビーム描画装置により記憶素子10のパターンのマスクを形成し、積層膜に対してArプラズマにより選択エッチングを行い、記憶素子10を形成した。このとき、記憶素子10部分以外のワード線は、PtMnを15nm残す深さまでエッチングした。
なお、記憶素子10のパターンを、短軸68nm×長軸195nmの楕円形状とした。
次に、プローブ針などからワード線との電気的接続を得るために、ワード線の端子パッド以外をフォトリソグラフィによってマスクした後、端子パッドをArプラズマにより選択的にエッチングし、端子パッド下のワード線を露出させた。その後端子パッドを覆っていたレジストマスクを剥離した。
続いて、基板全面に、膜厚20nmのCr膜・膜厚100nmのCu膜・膜厚100nmのAu膜の積層膜から成る金属膜を形成し、この金属膜上にビット線及びビット線の端子パッドのパターンをフォトリソグラフィによってマスクした後に、Arプラズマにより選択的にエッチングし、ビット線及び端子パッドを形成した。その後、ビット線及び端子パッドを覆っていたレジストマスクを剥離した。
最後に、磁場中熱処理炉にて、10kOeの磁界中、265℃で、4時間の熱処理を行い、反強磁性層であるPtMn層の規則化熱処理を行った。
このようにして、記憶素子の試料を作製した。
サンプル8は、記憶層17の膜厚tを2nmとした。
サンプル9は、記憶層17の膜厚tを3nmとした。
サンプル10は、記憶層17の膜厚tを4nmとした。
なお、測定に先立ち、反転電流のプラス方向とマイナス方向の値を対称になるように制御することを可能にするため、記憶素子に対して、外部から磁界を与えることができるように構成した。
外部磁界によって記憶層を磁化させることにより、抵抗値の測定を行った。即ち、まず記憶素子の記憶層を磁化反転させるための外部磁界を記憶層の磁化容易軸に対して平行となるように印加した。測定のための外部磁界の大きさは、1kOeとした。
次に、記憶層の磁化容易軸の一方側から見て−1kOeから+1kOeまでの正の掃引とそれに引き続く、+1kOeから−1kOeまでの負の掃引を行うと同時に、ワード線の端子パッドとビット線の端子パッドとにかかるバイアス電圧が100mVとなるように調節して、強磁性トンネル接合にトンネル電流を流した。このときの各外部磁界に対する抵抗値を測定してR−H曲線を得た。
磁化固定層と記憶層の磁化が反平行の状態にあって抵抗が高い状態の抵抗値と、磁化固定層と記憶層の磁化が平行の状態にあって抵抗が低い状態の抵抗値を測定し、これらからTMR比(磁気抵抗変化率)を求めた。
尚、良好な読み出し特性を得るといった観点から、このTMR比は30%以上であることが好ましい。
上記の測定方法によりR−H曲線を測定し、R−H曲線から、磁化固定層と記憶層の磁化が反平行の状態であって抵抗が高い状態での抵抗値と、磁化固定層と記憶層の磁化が平行の状態であって抵抗が低い状態での抵抗値との平均値を求め、この平均値の抵抗値が得られるときの外部磁界の値を保磁力Hcとした。
図5Aは記憶層17の膜厚tが2nmのサンプル8の曲線を示し、図5Bは記憶層17の膜厚tが3nmのサンプル9の曲線を示し、図5Cは記憶層17の膜厚tが4nmのサンプル10の曲線を示している。なお、各曲線の縦軸は、縦軸は抵抗値の代わりに、トンネル磁気効果(TMR)により抵抗が変化した割合(%)を示している。
図5B及び図5Cに示すように、記憶層17の膜厚tが3nmのサンプル9と4nmのサンプル10とでは、高いTMR比と急峻な磁化反転が実現されている。抵抗値は1.4kΩ、TMR比は33%が得られている。
また、サンプル9(t=3nm)とサンプル10(t=4nm)とを比較すると、磁気モーメントの大きさの違いにより、サンプル10(t=4nm)の方が保磁力が大きい。
尚、図示しないが、t<3nmの場合には、超常磁性となる素子が多数となった。
そして、スピン注入による磁化反転が起こる際の反転電流は、外部磁界の大きさに従って変化するため、さまざまな外部磁界のもとで、上述の反転電流値の測定を行った。
図6A及び図6Bから、反転電流値が、外部磁界の変化に従って、単調に変化することがわかる。
そして、図6Aより、サンプル9(t=3nm)の場合には、外部磁界がゼロの条件下で、電流の上限値約0.6mAよりも小さい電流値で反転していることがわかり、安定した書き込みが可能となっている。
一方、図6Bより、サンプル10(t=4nm)の場合には、外部磁界がゼロの条件下で、電流の上限値約0.6mAとほぼ等しい電流値で反転している。図示はしていないが、t>4nmの場合には、書き込み電流が電流の上限値約0.6mAより大きくなるために記憶層の磁化が反転しなかった。
このため、記憶層の膜厚t>4nmの場合には、記憶層の磁化が反転しないという結果は、素子面積が変化しても有効である。
次に、記憶層にNiFeやNiFe系の材料を用いた場合に、記憶層のNi含有量(組成比)による特性の変化を調べた。
磁化固定層19を構成する強磁性層(参照層)15を膜厚2.5nmのCoFeB膜とし、トンネル絶縁層16を膜厚0.8nmの酸化マグネシウム(MgO)膜とし、記憶層17のNiFe膜のNi−Fe組成比を変更した他は、実験1のサンプル2の膜構成2と同様にして、記憶素子10を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を下記の構成(膜構成5)として、記憶素子10を作製した。
膜構成5:
Ta(3nm)/Cu(100nm)/PtMn(20nm)/CoFe(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2.5nm)/MgO(0.8nm)/NiFe(3nm)/Ta(5nm)
なお、上記膜構成で、合金組成の示されていないPtMn膜の組成はPt50Mn50(原子%)、CoFe膜の組成はCo90Fe10(原子%)とした。
酸化マグネシウム膜(MgO)から成るトンネル絶縁層16は、RFマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。
また、記憶素子10のパターンを短軸90nm×長軸180nmの楕円形状として、記憶素子10の面積抵抗値(Ωμm2)が30Ωμm2となるようにした。
それ以外の条件や製造工程は、実験1のサンプル2と同様にして、記憶素子の試料を作製した。
測定結果を、図7A及び図7Bに示す。図7Aは、Ni含有量(原子%)とMR比との関係を示し、図7BはNi含有量(原子%)と磁化反転電流密度との関係を示している。
記憶層17として膜厚3nmのNiFeCo膜(Co含有量は10原子%に固定)を形成する以外は、膜構成5と同様にして、記憶素子を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を下記の構成(膜構成6)として、記憶素子10を作製した。
膜構成6:
Ta(3nm)/Cu(100nm)/PtMn(20nm)/CoFe(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2.5nm)/MgO(0.8nm)/NiFeCo(3nm)/Ta(5nm)
また、それ以外の条件や製造工程は、膜構成5の試料と同様にした。
測定結果を、図8A及び図8Bに示す。図8Aは、Ni含有量(原子%)とMR比との関係を示し、図8BはNi含有量(原子%)と磁化反転電流密度との関係を示している。
そして、0.4mA以下の比較的小さい電流値で情報の記録を行うことが可能な記憶素子を実現することができ、これまでにない低消費電力型の磁気メモリを実現することが可能になる。
次に、図4に断面図を示したように、記憶層17と上層のキャップ層18との間に、酸化物から成る挿入層21を設けた場合の効果を調べた。
まず、厚さ0.575mmのシリコン基板上に厚さ300nmの熱酸化膜を形成し、図4に示した記憶素子20を形成した。
具体的には、図4に示した構成の記憶素子20において、下地層11を膜厚3nmのTa膜、反強磁性層12を膜厚30nmのPtMn膜、磁化固定層19を構成する強磁性層13を膜厚2nmのCu90Fe10膜、積層フェリ構造の磁化固定層19を構成する非磁性層14を膜厚0.8nmのRu膜、磁化固定層19を構成する強磁性層(参照層)15を膜厚2nmのCoFeB膜、トンネル絶縁層16を膜厚0.8nmのMgO膜、記憶層17をNiFe膜、挿入層21を膜厚0.6nmのAl膜を酸化した酸化アルミニウム膜、キャップ層18を膜厚5nmのTa膜と選定し、また下地層11と反強磁性層12との間に図示しない膜厚60nmのAl膜(後述するワード線となるもの)と膜厚3nmのTa膜との積層膜を設けて、各層を形成した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成7)として、記憶素子20を作製した。
膜構成7:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2nm)/MgO(0.8nm)/NiFe/Al(0.6nm)-Ox/Ta(5nm)
なお、上記膜構成で、合金組成の示されていないPtMnの組成はPt50Mn50(原子%)とした。
トンネル絶縁層16及び挿入層21以外の各層は、DCマグネトロンスパッタ法を用いて成膜した。酸化マグネシウム膜から成るトンネル絶縁層16は、MgOターゲットを用いてRTスパッタ法を用いて酸化物をそのまま堆積させた。
酸化アルミニウム(Al−Ox)膜から成る挿入層21は、まず金属Al膜をDCスパッタ法により0.6nm堆積させて、その後に、酸素を10Torrまでチャンバー内に満たして、所定の時間だけ放置して、自然酸化法により金属Al層を酸化させた。酸化時間は10分とした。酸化を行った後は、再び1×10−7〜1×10−8Torrの高真空に排気して、それに続くキャップ層18の成膜を行った。
さらに、記憶素子20の各層を成膜した後に、磁場中熱処理炉で、10kOe・300℃・2時間の熱処理を行い、反強磁性層12のPtMn膜の規則化熱処理及び高温耐久熱処理を行った。
そこで、記憶素子20のパターンを、短軸70nm×長軸170nmの楕円形状とした。
さらに、リフトオフにより、記憶素子20の上面のコンタクトを形成した。
次に、基板全面に、膜厚20nmのCr膜・膜厚100nmのCu膜・膜厚100nmのAu膜の積層膜から成る金属膜を形成し、この金属膜上にビット線及びビット線の端子パッドのパターンをフォトリソグラフィによってマスクした後に、Arプラズマにより選択的にエッチングし、ビット線及び端子用のパッド部分を形成した。その後、ビット線及び端子パッドを覆っていたレジストマスクを剥離した。
このようにして、記憶素子の試料を作製した。
サンプル11は、記憶層17のNiFe膜の膜厚を3.0nmとし、サンプル12は、記憶層17のNiFe膜の膜厚を2.0nmとした。
記憶層17を膜厚2.0nmのNiFe膜により形成し、挿入層21をMgO膜により形成し、その他の構成は膜構成7と同様にして、記憶素子20を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成8)として、記憶素子20を作製した。
膜構成8:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2nm)/MgO(0.8nm)/NiFe(2.0nm)/MgO/Ta(5nm)
挿入層21のMgO膜は、トンネル絶縁層16のMgO膜と同様に、MgOターゲットを用いてRFスパッタ法により形成した。その他の製造工程は、膜構成7の記憶素子の試料と同様にした。
上記膜構成8において、挿入層21の膜厚を変えた、サンプル13及びサンプル14の記憶素子の各試料を作製した。
サンプル13は、挿入層21のMgO膜の膜厚を0.6nmとし、サンプル14は、挿入層21のMgO膜の膜厚を0.8nmとした。
磁化固定層を単層の強磁性層から成る構成とし、この強磁性層を膜厚2nmのCo90Fe10膜と膜厚2nmのCoFeB膜との積層膜により形成し、記憶層17を膜厚3.0nmのNiFe膜により形成し、挿入層21を膜厚0.6nmのMgO膜により形成し、その他の構成は膜構成7と同様にして、記憶素子を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成9)として、記憶素子を作製した。
膜構成9:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/CoFe10(2nm)/CoFeB(2nm)/MgO(0.8nm)/NiFe(3.0nm)/MgO(0.6nm)/Ta(5nm)
各層の成膜方法及び記憶素子の製造工程は、膜構成8の記憶素子と同様にして記憶素子を作製し、サンプル15の記憶素子の試料とした。
挿入層21を形成せず、記憶層17の上にキャップ層18を直接形成した他は、膜構成7のサンプル11及びサンプル12と同様にして記憶素子を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成10)として、記憶素子を作製した。
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/Co90Fe10(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2nm)/MgO(0.8nm)/NiFe/Ta(5nm)
上記膜構成10において、記憶層17の膜厚を変えた、サンプル16及びサンプル17の記憶素子の各試料を作製した。
サンプル16は、記憶層17のNiFe膜の膜厚を3.0nmとし、サンプル17は、記憶層17のNiFe膜の膜厚を2.0nmとした。
挿入層21の膜厚を1.0nmと厚く形成した他は、サンプル14と同様にして記憶素子を作製した。
即ち、各層の材料及び膜厚を、下記の構成(膜構成11)として、記憶素子を作製した。
膜構成11:
Ta(3nm)/Al(60nm)/Ta(3nm)/PtMn(30nm)/CoFe10(2nm)/Ru(0.8nm)/CoFeB(2nm)/MgO(0.8nm)/NiFe(2.0nm)/MgO(1.0nm)/Ta(5nm)
これをサンプル18の記憶素子とした。
なお、測定に先立ち、記憶素子に対して、外部から磁界を与えることができるように構成した。
また、測定した各試料は、前述した製造方法により作製されていることから、いずれも300℃で2時間の磁場中熱処理が施されている。
ワード線の端子とビット線の端子にかかるバイアス電圧が常に10mVとなるように調整し、外部磁界によって、記録層の磁化の向きを反転させて、記憶素子全体の面積抵抗値を測定した。
また、抵抗−外部磁界の関係を調べた。
その後、抵抗が高い状態での面積抵抗値(高抵抗)と、抵抗が低い状態での面積抵抗値(低抵抗)とから、(高抵抗−低抵抗)/低抵抗の式により、抵抗変化率を算出した。
測定温度を室温25℃として、記憶素子に流す電流量を変化させて、記憶素子の抵抗値の測定を行い、測定結果から抵抗−電流曲線を得た。なお、この抵抗−電流曲線を得る測定は、両極性(プラス方向及びマイナス方向)の電流について行った。
ここで、サンプル11の抵抗−電流曲線の一例を図9に示す。
図9に示すように、ある一定以上の電流が印加されると、高抵抗状態から低抵抗状態へもしくはその逆へと変化し、磁化反転していることが確認できる。
なお、この反転電流の測定においては、磁化の向きが反転する閾値が外部磁界によって変化するというオフセットを生じる。このオフセットをなくすためには、(1)上述の抵抗変化率の測定において、予め抵抗−外部磁界の関係からRHループのオフセット磁界を求めておき、外部からオフセット分の磁界を印加しながら、反転電流を測定する、(2)外部からの印加磁界を変化させながら、反転電流の外部磁界依存性を測定する、の2つの方法が考えられる。ここでは、(1)の方法を採用して、測定を行った。
また、記憶素子の抵抗値によっても異なるが、今回作製した短軸70nm×長軸170nmの楕円形状の記憶素子では、およそ1.0〜1.2Vのバイアス電圧で、トンネル絶縁層が絶縁破壊することがわかっているため、印加電流の上限は0.8Vのバイアス電圧がかかる電流値までとした。
そして、+と−の両極性の反転電流値(絶対値)の平均値から、反転電流密度を算出した。
また、各サンプルの、反転電流値及び反転電流密度の測定結果を表4に示す。
記憶層17とキャップ層18との間に、AlOxにより形成された挿入層21を設けているサンプル11及びサンプル12では、、記憶層のNiFe膜の膜厚が2nmであるサンプル12においても、表3から良好な抵抗変化率が得られることがわかり、表4からスピン注入による磁化反転が良好に行われることがわかる。
これに対して、挿入層21を設けないで記憶層17の上に直接キャップ層18を形成したサンプル17においては、表3から、記憶層17の膜厚が同じ2nmであるサンプル12と比較して、抵抗変化率が著しく減少している。また、表4より、磁気特性の乱れが生じて磁化反転の測定を行うことができなかった。
このような差異が生じる原因は必ずしも明らかではないが、挿入層21を記憶層17とキャップ層(保護層)18との間に設けたことにより、記憶層17のNiFe膜とキャップ層18のTa膜との界面での熱拡散が抑制され、これにより記憶層17のNiFe膜の膜厚が小さい場合でも、記憶層17の磁気特性が拡散により悪影響を受けることなく維持されていると考えることができる。
従って、記憶層17とキャップ層(保護層)18との間に挿入層21を設けることにより、記憶層17の膜厚を小さくすることができ、反転電流の低減に対して有利になる。
従って、挿入層21にはAlOxだけでなくMgOをも用いることができる。
表3より、挿入層21の膜厚が0.8nm以下であるサンプル13及びサンプル14では良好な抵抗変化率が得られているが、挿入層21の膜厚が1.0nmであるサンプル18では抵抗変化率が15%へと低下している。これは、挿入層21が厚くなることにより、その面積抵抗値が無視できない値となっているためである。
即ち、挿入層21の膜厚が0.8nm以下であることが好ましいことがわかる。
そして、これらのサンプルでは、トンネル絶縁層16のMgO膜の膜厚を0.8nmとしている。
従って、挿入層21の膜厚を、トンネル絶縁層16の膜厚と同じか、トンネル絶縁層16よりも薄くすることが好ましいことがわかる。
これにより、挿入層21の面積抵抗値が、トンネル絶縁層16の面積抵抗値以下となり、前述したように、記憶層の磁化の向きを反転して情報の記録を行う電流を、記憶素子に充分に流すことが可能になる。
従って、磁化固定層が単層の強磁性層から成る場合でも、挿入層を設けたことによる大きな悪影響はなく、挿入層を適用することが可能である。
そのため、NiFeから成る記憶層をより薄くすることが可能になり、記憶層を薄くすることにより反転電流値を低減することができるため、抵抗変化率が高くかつスピン注入による磁化反転の電流密度が小さい記憶素子を実現することができる。
Claims (14)
- 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有し、
前記記憶層に対して、中間層を介して磁化固定層が設けられ、
前記記憶層がNiFe合金を主成分として成り、
積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる
ことを特徴とする記憶素子。 - 前記中間層が、酸化マグネシウムから成ることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記中間層の膜厚が0.8nmよりも薄いことを特徴とする請求項2に記載の記憶素子。
- 前記記憶層の初透磁率が10000以上であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記記憶層が、前記NiFe合金に、Cu,Pd,Znから選ばれた少なくとも一つの元素が添加されて成ることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記記憶層の膜厚が3nm以上4nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記記憶層は、少なくとも一部の領域のニッケル含有量が、70原子%以上90原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記記憶層の飽和磁化が1T以下であることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記磁化固定層の前記中間層と接する強磁性層が、CoFeBを主成分として成ることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記記憶層と上層の保護層との間に、AlもしくはMgの酸化物もしくは窒化物からなる挿入層を配していることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子。
- 前記挿入層の面積抵抗値が、前記中間層の面積抵抗値よりも小さいことを特徴とする請求項10の記憶素子。
- 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有し、
前記記憶層に対して、中間層を介して磁化固定層が設けられ、
前記記憶層を構成する磁性体のダンピング定数αが、α<0.015を満足し、
積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる
ことを特徴とする記憶素子。 - 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する記憶素子と、
互いに交差する2種類の配線とを備え、
前記記憶素子は、前記記憶層に対して、中間層を介して磁化固定層が設けられ、前記記憶層がNiFe合金を主成分として成り、積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる構成であり、
前記2種類の配線の交点付近かつ前記2種類の配線の間に、前記記憶素子が配置され、
前記2種類の配線を通じて、前記記憶素子に前記積層方向の電流が流れる
ことを特徴とするメモリ。 - 情報を磁性体の磁化状態により保持する記憶層を有する記憶素子と、
互いに交差する2種類の配線とを備え、
前記記憶素子は、前記記憶層に対して、中間層を介して磁化固定層が設けられ、前記記憶層を構成する磁性体のダンピング定数αが、α<0.015を満足し、積層方向に電流を流すことにより、前記記憶層の磁化の向きが変化して、前記記憶層に対して情報の記録が行われる構成であり、
前記2種類の配線の交点付近かつ前記2種類の配線の間に、前記記憶素子が配置され、
前記2種類の配線を通じて、前記記憶素子に前記積層方向の電流が流れる
ことを特徴とするメモリ。
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