JP2006190848A - 光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物及びそれを用いたプリント配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた保存安定性、作業性を有し、耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性、電気特性に優れた、アルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型のソルダーレジスト組成物とそれを用いたプリント配線板を提供する。
【解決手段】(A)不飽和一塩基酸(a)と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)とからなる共重合物に、1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂、(B)希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)メラミン又はその有機酸塩、及び(E)無機フィラーを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、プリント配線板の永久マスクとしての使用に適し、露光後、アルカリ水溶液で現像することによって画像形成し、加熱硬化することにより、耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性並びに電気特性に優れたソルダーレジスト膜を形成できるアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物に関する。本発明はまた、ソルダーレジストパターンの形成に上記組成物を用いたプリント配線板に関するものである。
現在、ほとんどのプリント配線板のソルダーレジストには、高精度、高密度化の観点から、露光後、現像することにより画像形成し、加熱硬化して塗膜を形成する液状アルカリ現像型ソルダーレジストが使用されている。このような希アルカリ水溶液を用いるアルカリ現像タイプのソルダーレジストとしては、例えば、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の反応生成物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、及びエポキシ化合物からなる二液型の液状ソルダーレジスト組成物が、提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、このような液状のアルカリ現像型ソルダーレジストのほとんどが、ノボラック型エポキシ化合物と不飽和一塩基酸の反応生成物に酸無水物を付加した感光性樹脂、光重合開始剤などを主成分とする主剤と、希釈剤やエポキシ化合物を主成分とする硬化剤とからなる二液型のソルダーレジストであり、主剤と硬化剤をよく混合してから使用しなければならない。また、混合後のポットライフは24時間以内と短く、さらに、乾燥工程と現像工程の間にも主剤の感光性樹脂に含まれるカルボキシル基と硬化剤中のエポキシ化合物のエポキシ基が徐々に反応するため現像不良(熱かぶり)を起こすなど、作業上の問題点がある。更に特性面では、鉛フリー化への対応の為に要求が増えつつある無電解すずめっき耐性が十分で無いという問題がある。
また上記作業性、保存安定性の問題を解決する為に、例えば、分子内にカルボキシル基と光反応性を有する高分子化合物、希釈剤、光重合開始剤、メラミン又はその誘導体、あるいは更に2,4,6−トリスメルカプト−S−トリアジンを含む一液型のソルダーレジストが提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながらこの一液型ソルダーレジストは,作業性は優れるものの、耐熱性、無電解金めっき耐性が二液型の液状ソルダーレジストに比べ不安定であり、実用化されるに至っていない。また当然、無電解すずめっき耐性は有していない
特公平1−54390号公報(特許請求の範囲) 特開平8−335768号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明は、上記従来技術が抱える問題を解決する為になされたものであり、その主な目的は、一液型としての特徴である保存安定性や作業性を有するとともにソルダーレジストとして十分満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等の塗膜特性を有し、且つ従来二液型ソルダーレジストでも十分ではない無電解すずめっき耐性を有する、アルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型のソルダーレジスト組成物とそれを用いたドライフィルム及びプリント配線板を提供することにある。
前記目的を達成するべく鋭意研究を重ねた結果、本発明の第一の態様は、(A)不飽和一塩基酸(a)と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)とからなる共重合物に、1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂、(B)希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)メラミン又はその有機酸塩、及び(E)無機フィラーを含むことを特徴としたアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型のソルダーレジスト組成物が提供される。また別の提供形態として、上記ソルダーレジスト組成物をキャリアフィルムに塗布乾燥して得られる光硬化性・熱硬化性のドライフィルムがある。第二の態様は、回路形成されたプリント配線板表面に前記一液型ソルダーレジスト組成物を塗布し乾燥後、又は前記ドライフィルムをラミネート後、活性エネルギー線によりパターン露光し、未露光部をアルカリ水溶液により現像し、加熱硬化してソルダーレジスト膜を形成してなるプリント配線板が提供される。
本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型のソルダーレジスト組成物は、一液としての特徴である保存安定性や乾燥管理幅の長い現像性を有し、且つ、ソルダーレジストとして十分満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、電気特性等の塗膜特性を有する事から、生産性に優れ、信頼性の高いプリント配線板を低価格で提供することも可能となる。更に無電解すずめっき耐性を有することから、鉛フリー化への対応の要求にも応えることができる。また本発明に用いる共重合樹脂(A)はハロゲンを完全になくすことができる為、ハロゲンフリー化の要求にも応えることができる。
本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物の基本的態様は、(A)不飽和一塩基酸(a)と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)とからなる共重合物に、1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂、(B)希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)メラミン又はその有機酸塩、及び(E)無機フィラーを含むソルダーレジスト組成物が、保存安定性や作業性を有し、且つソルダーレジストとして満足できる耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性、電気特性等の諸特性を有する事を見出し本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明のアルカリ現像可能な光硬化・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物は、第一の特徴は、熱硬化性組成物を用いずともソルダーレジストとしての特性を発現する為に、造膜性に優れた、不飽和一塩基酸と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物とからなる共重合物に、1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂とメラミン又はその有機酸塩を併用したことにある。メラミン又はその有機酸塩は、エポキシ樹脂等の熱硬化成分を配合した二液型のソルダーレジスト組成物では、その硬化促進触媒として使用されているが、エポキシ樹脂等の熱硬化成分を使用しない組成物では、効果がみられないと考えられていた。
本発明では、この特定の共重合系樹脂(A)とメラミン又はその有機酸塩を併用した時に限って耐熱性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性が、著しく向上することを見出した。これは、先に述べた引用例に記載されているような、別の分子骨格で構成された共重合系樹脂との併用ではこれらの特性を得ることはできない。これは、この特定の共重合系樹脂(A)の不飽和二重結合と、メラミン又はその有機酸塩の活性水素が、加熱硬化中に一部付加反応し分子鎖に取り込まれ、銅箔へのキレート効果と防錆効果により、塗膜と銅箔の密着性を向上させるものと考えられる。
また無電解すずめっき液は、強酸性液であり、これに耐性を得る為にはレジストと銅箔の界面の優れた密着性に加え、優れた表面硬化性が必要であるが、この共重合系高分子化合物は、クレゾールもしくはフェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリレート化物に二塩基酸無水物を付加した不飽和基とカルボキシル基を併せ持つ感光性樹脂と違い、主鎖に共役の二重結合を有しないため、優れた光硬化性を有することができる。
また第二の特徴は、一液化を達成するために、熱反応性のエポキシ樹脂やメラミン樹脂を用いず、塗膜形成成分の反応性基としては不飽和基を主体としたことにある。この不飽和基は、光重合開始剤の存在下、光照射による反応は容易に進行するが、熱による反応は起きにくい為、このような組成物は優れた保存安定性を示し、本発明の目的の一つである一液化は達成される。
第三の特徴は、無機フィラーを必須成分とし、しかも比較的多量に使用することにより硬化収縮を少なくした点にある。
以下、本発明の一液型ソルダーレジスト組成物の各構成成分について詳しく説明する。
まず、本発明に用いられる(A)不飽和一塩基酸(a)と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)とからなる共重合物に、1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂は、酸価30〜150mgKOH/g、より好ましくは酸価50〜140mgKOH/gである。酸価が30mgKOH/g未満のときは、アルカリ水溶液に対する溶解性が悪くなり、現像が困難になる。一方、酸価が150mgKOH/gより超えると、露光の条件によらず露光部の塗膜表面まで現像されてしまうので好ましくない。
また、この共重合系樹脂の重量平均分子量は8,000〜70,000、より好ましくは10,000〜50,000である。本発明は、樹脂の分子量効果による造膜性が重要であり8,000未満では十分な造膜性が得られず、一方70,000以上では現像性が得られない。
この共重合系樹脂の調製に用いられる不飽和一塩基酸(a)の代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、β−カルボキシルエチル(メタ)アクリレートや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有の(メタ)アクリレートにニ塩基酸無水物を付加した化合物などがあり、二塩基酸無水物としては無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸などが挙げられる。これらの中で、感光性、保存安定性の面から、アクリル酸又はメタクリル酸が特に好ましい。これら不飽和一塩基酸(a)は、単独又は2種類以上を混合して用いてもよい。
なお、本明細書において(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを総称するものであり、他の類似の表現についても同様である。
また、1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)としては、スチレン、酢酸ビニルなどのビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類;2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル類などが挙げられる。
1分子内に1つの脂環式エポキシ基と1つの不飽和基を併せ持つ化合物(c)としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアミノアクリレートなどが挙げられる。これらの中で特に3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
本発明に用いられる希釈剤(B)は、インキ組成物の粘度を調整して作業性を向上させるとともに、架橋密度を上げたり、密着性などを向上するために用いられ、光重合性モノマーなどの反応性希釈剤(B−1)や公知慣用の有機溶剤(B−2)が使用できる。
反応性希釈剤(B−1)としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のアルキレンオキシド誘導体のモノ又はジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等の多価アルコール又はこれらのエチレンオキシド或いはプロピレンオキシド付加物の多価(メタ)アクリレート類;フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのポリエトキシジ(メタ)アクリレート等のフェノール類のエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート類;グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレートなどのグリジジルエーテルの(メタ)アクリレート類;及びメラミン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらは、単独または2種以上組み合わせて使用でき、密着性の点で親水性基含有の(メタ)アクリレート類が、また光硬化性の点で多官能性の(メタ)アクリレート類が好ましい。これらの光重合モノマーの配合量は、共重合系樹脂(A)100質量部に対して20〜120質量部、より好ましく20〜100質量部であることが望ましい。20質量部未満では、光反応性が悪く、120質量部より多い場合は、指触乾燥性が悪くなるので好ましくない。
前記有機溶剤(B−2)としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、炭酸プロピレン等のエステル類;オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤など、公知慣用の有機溶剤が使用できる。これらの有機溶剤は、単独で又は二種類以上組み合わせて用いることができる。
このような有機溶剤の配合量は、コーティング方法や使用する有機溶剤の沸点により異なり、特に制限されるものでは無いが、高沸点の有機溶剤が多量に含まれる場合、指触乾燥性が低下したり、コーティング後、仮乾燥するまでに、ダレ等を発生するので好ましくない。
本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類、チタノセン系開始剤などが挙げられ、これらは、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤等と併用しても良い。これらの光重合開始剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの光重合開始剤(C)の配合量は、共重合系樹脂(A)100質量部に対して1〜25質量部、より好ましくは2〜20質量部である。前記配合量が1質量部未満の場合、光硬化性が低下し、露光・現像後のパターン形成が困難になるので好ましくない。一方、25質量部を超えた場合、厚膜硬化性が低下し、またコスト高の原因となるので好ましくない。
メラミン又はその有機酸塩(D)としては、メラミン又は、メラミンと当モルの有機酸を反応させたものが使用できる。メラミンの有機酸塩はメラミンを沸騰水中に溶解し、水あるいはアルコール等の親水性溶剤に溶解した有機酸を添加し、析出した塩をろ過することで得られる。メラミン分子中の1個のアミノ基は、反応性が速いが他の2個の反応性は低い為、反応は化学量論的に進行し、メラミン分子中の1個のアミノ基に有機酸が1個付加したメラミン塩が生成する。有機酸としては、カルボキシル基含有化合物、酸性リン酸エステル化合物、スルホン酸含有化合物が考えられ、いずれも使用することができるが、カルボキシル基含有化合物がより好ましい。
前記カルボキシル基含有化合物としては、モノカルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、乳酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸などがあり、ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、クロトン酸があり、またトリカルボン酸としては、トリメリット酸などがある。これらのなかでも、特にジカルボン酸とメラミンの等モル反応により得られる塩が、これを添加するソルダーレジストの特性低下が少なく、好ましい。また、多塩基酸無水物を用いることもできる。一般に多塩基酸無水物は、例えば沸騰水中に溶解することにより容易に開環して対応するポリカルボン酸を生成する。
これらのメラミン又はその有機酸塩(D)の配合量は、共重合系樹脂(A)100質量部に対して1〜25質量部、より好ましくは2〜20質量部であることが望ましい。前記配合量が1質量部未満である場合、密着性、耐熱性が低下し、25質量部を越えると光反応性が低下する。なおメラミンの有機酸塩を使用する場合は、通常メラミンを使用する場合の約1.5〜2倍が必要である
無機フィラー(E)としては、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素紛、微粉状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、マイカ等の公知慣用の無機フィラーを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらは塗膜の硬化収縮を抑制し、密着性、硬度などの特性を向上する目的で用いられる。その配合量は、共重合系樹脂(A)100質量部に対して50〜250質量部であることが望ましい。上記範囲より少ない場合、密着性、耐熱性の低下などを生じ、一方多い場合、塗膜強度の低下や感度低下などを生じ、いずれも好ましくない。
さらに、必要に応じて、公知慣用の着色顔料、着色染料、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、カップリング剤、難燃助剤等が使用できる。
また、本発明では必要に応じてフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニール型エポキシ樹脂やトリグリシジルイソシアヌレート等の公知慣用のエポキシ樹脂を使用することができるが、一液性であり、保存安定性が損なわれないよう注意が必要である。
なお本発明の一液型ソルダーレジスト組成物は、液状、ペースト状またはドライフィルムの形態で提供することができる。ドライフィルムとして供給する場合は、例えばキャリアフィルム上にロールコーターやドクターバー、ワイヤーバー方式、スピンコート方式、ドクタープレート方式等により本発明のソルダーレジスト組成物を塗布した後、60〜100℃に設定した乾燥炉で乾燥し有機溶剤を除去することにより、また必要に応じて離型フィルムを貼りつけることにより得ることができる。この際キャリアフィルム上のレジストの膜厚は、5〜150μm好ましくは10〜60μmに調整される。上記キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のフィルムが好適に使用される。
以上のような組成を有する本発明の一液型ソルダーレジスト組成物は、必要に応じて希釈して塗布方法に適した粘度に調整し、これを例えば、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷法、カーテンコート法、スプレーコート法、ロールコート法等の方法により塗布し、例えば70〜90℃の温度で組成物中に含まれる有機溶剤を揮発乾燥させることにより、タックフリーの塗膜を形成できる。その後、フォトマスクを通して選択的に活性エネルギー線により露光し、未露光部を希アルカリ水溶液により現像してレジストパターンを形成でき、さらに、加熱硬化させることにより、耐熱性、密着性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性、電気特性等に優れたソルダーレジスト膜を有するプリント基板が形成される。
前記希アルカリ水溶液としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、アミン類などのアルカリ水溶液が使用できる。また、露光するための照射光源としては、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどを用いることができる。その他、レーザー光線なども活性光線として利用できる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、以下において「部」とあるのは、特に断りのない限り全て「質量部」を示す。
合成例1
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエーテル300.0gを100℃まで加熱し、メタクリル酸172.0g、ε−カプロラクトン変性メタクリル酸(平均分子量344)172.0g、メタクリル酸メチル150.0g、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル142.0g、及び重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル10.0gの混合物を3時間かけて滴下し、更に110℃,3時間攪拌し重合触媒を失活させて共重合樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却後、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート(ダイセル化学工業(株)製サイクロマーA400)170.0g、トリフェニルホスフィン3.0g、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3gを加え、100℃に昇温し、攪拌することによってエポキシの開環付加反応を行った。このようにして得られた1分子中に2個以上のアクリロイル基とカルボキシル基を併せ持つ共重合系樹脂は、重量平均分子量が25,000でかつ、不揮発分が60wt%、固形物の酸価が90mgKOH/gであった。以下、この反応溶液を ワニスA−1と称す。
合成例2
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジプロピレングリコールモノメチルエール276.0gと重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル8.0gを入れた。窒素雰囲気下で、80℃に加熱し、メタクリル酸172.0gとメタクリル酸メチル100.0gとメタクリル酸エチル114.0gを混合したモノマーを約3時間かけて滴下し、さらに1時間撹拌後、温度を115℃まで上げ、重合触媒を失活させて共重合樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を、85〜95℃まで下げた後、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン0.3gと触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加え、グリシジルメタクリレート160.0gを徐々に滴下し、約24時間反応させた。このようにして得られた1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基とカルボキシル基を併せ持つ共重合系樹脂は、重量平均分子量が16,000で、かつ、不揮発分が60wt%、固形物の酸価が90mgKOH/gであった。以下、この反応溶液を ワニスA−2と称す。
合成例3
温度計、撹拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート280.0gと重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル2.8gを入れた。窒素雰囲気下で、60℃に加熱し、メタクリル酸メチル100.0gとグリシジルメタアクリレート142.0gを混合したモノマーを約4時間かけて滴下し、さらに2時間撹拌後、温度を115℃まで上げ、重合触媒を失活させて共重合樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を冷却後、重合禁止剤としてメチルハイドロキノン0.2gと触媒としてトリフェニルホスフィン2.0gを加え、95〜105℃に加熱した。この混合溶液に、アクリル酸72.0gを徐々に滴下し、酸価が4.0mgKOH/g以下になるまで、24時間反応させた。更に、テトラヒドロフタル酸無水物106.0gを加え、赤外吸光分析で酸無水物の吸収が無くなるまで、8時間反応させた。このようにして得られた1分子中に2個以上のアクリロイル基とカルボキシル基を併せ持つ共重合系樹脂は、重量平均分子量が24,000でかつ、不揮発分が60wt%、固形物の酸価が92mgKOH/gであった。以下、この反応溶液を ワニスA−3と称す。
実施例1〜7、及び比較例1〜4
合成例1〜3で得られた各ワニスを用い、下記表1に示す配合割合で各成分を配合し、3本ロールミルを用いて混練し、アルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物を調製した。尚、印刷時、必要に応じて、有機溶剤で希釈した。





上記実施例1〜7及び比較例1〜4の一液型ソルダーレジスト組成物について、以下の各項目について試験を行い、評価した。評価の結果を下記表2に示す。尚評価試験の方法は以下に示す。
(1)一液粘度安定性:上記各実施例及び比較例の組成物を20℃の恒温槽に保管し、EHD型粘度計の5回転値を6ヶ月後まで測定し、増粘の有無を確認した。判定基準は以下のとおりである。
○:増粘率が120%以内。
△:増粘率が120〜200%以内。
×:ゲル化もしくは増粘率が200%以上。
(2)現像性
上記実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、それぞれ銅張り基板上にスクリーン印刷で全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で90℃で60分乾燥させ、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、その塗膜表面の現像性を以下の基準で評価した。
○:塗膜が完全に除去され、残渣なし。
△:ほんの僅かにフィラー残りあり、
×:塗膜の残渣あり
(3)感度
上記実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷でそれぞれ全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃,30分乾燥した。これらの基板に、コダックNo.2のステップタブレットを当て、200mJ/cmで露光し、スプレー圧0.2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、塗膜が完全に残っている段数を評価した。
(4)はんだ耐熱性
上記実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた一液型ソルダーレジスト組成物を、回路形成されたプリント配線板にスクリーン印刷でそれぞれ全面塗布し、熱風循環式乾燥炉で80℃,30分乾燥した。これらの基板にソルダーレジストパターンが描かれたネガフィルムを当て、露光量300mJ/cmの露光条件で露光し、スプレー圧2MPaの1wt%NaCO水溶液で1分間現像し、ソルダーレジストパターンを形成した。この基板を、150℃で60分熱硬化し、評価基板を作製した。
この評価基板に、ロジン系フラックスを塗布して、予め260℃に設定したはんだ槽に30秒間浸漬し、イソプロピルアルコールでフラックスを洗浄した後、テープピールテストを行い、レジスト層の膨れ・剥がれ・変色について評価した。
○: 全く変化が認められないもの
△: ほんの僅か変色等の変化があるもの
×: レジスト層の膨れ、剥がれがあるもの
(5)無電解金めっき耐性
上記(4)と同様にして評価基板を作製した。この評価基板を、市販の無電解ニッケルめっき液と無電解金めっき液を用いて、ニッケル5μm、金0.03μmとなるような条件で無電解金めっきを行なった。このめっき後の評価基板について、テープピールテストを行ない、レジスト層の剥がれ、めっきのしみ込みについて評価した。
○: 全く変化が認められないもの
△ : ほんの僅かに剥がれ、しみ込みがあるもの
× : 塗膜に剥がれがあるもの
(6)無電解すずめっき耐性
上記(4)と同様にして評価基板を作製した。この評価基板を、前処理(酸性脱脂+ソフトエッチ+硫酸処理)を行い、市販の無電解すずめっき液を用いて、めっき厚が1μmとなるような条件(70℃ 12分)で無電解すずめっきを行なった。このめっき後の評価基板について、セロハン粘着テープによるピールテストを行ない、レジスト層の剥がれについて評価した。
○: 全く変化が認められないもの
△: ほんの僅か剥がれ、しみ込みがあるもの
×: レジスト層全体に剥がれがあるもの
(7)電気絶縁性
IPC B−25テストパターンのクシ型電極Bクーポンを用い、上記(4)と同様の条件で評価基板を作製し、このクシ型電極にDC100Vのバイアス電圧を印加し、85℃、85%R.H.の恒温恒湿槽にて1000時間後の絶縁抵抗値を測定した。






表2に示す結果から明らかなように、本発明にかかる実施例1〜7の一液型ソルダーレジスト組成物は一液安定性に優れ、乾燥管理幅、感度も高く、また得られた硬化塗膜もはんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性及び電気特性に優れている事がわかる。一方合成例2,3で得られた共重合系樹脂を使用した比較例2〜4の一液型ソルダーレジスト組成物では、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性がいずれも良好ではなかった。また、合成例1で得られた共重合系樹脂を用いてもメラミンまたはメラミンの有機酸塩を添加していない比較例1の一液型ソルダーレジスト組成物は、はんだ耐熱性、無電解金めっき耐性、無電解すずめっき耐性がいずれも良好ではなかった。

























Claims (6)

  1. (A)不飽和一塩基酸(a)と1種類以上の1分子内に1つの不飽和基を有する化合物(b)とからなる共重合物に1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)を付加してなるカルボキシル基を有する共重合系樹脂、(B)希釈剤、(C)光重合開始剤、(D)メラミン又はその有機酸塩、及び(E)無機フィラーを含むことを特徴とするアルカリ現像可能な光硬化性・熱硬化性の一液型ソルダーレジスト組成物。
  2. 前記共重合系樹脂(A)の重量平均分子量が10,000〜50,000である請求項1に記載の一液型ソルダーレジスト組成物。
  3. 前記1分子内に脂環式エポキシ基と不飽和基を併せ持つ化合物(c)が、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである請求項1又は2に記載の一液型ソルダーレジスト組成物。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の一液型ソルダーレジスト組成物を用いて得られる光硬化性・熱硬化性のドライフィルム。
  5. 回路形成されたプリント配線板表面に前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載の一液型ソルダーレジスト組成物によりソルダーレジスト膜を形成してなるプリント配線板。
  6. 回路形成されたプリント配線板表面に前記請求項4に記載のドライフィルムによりソルダーレジスト膜を形成してなるプリント配線板。








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