JP2006190890A - 研磨液及びそれを用いた研磨方法 - Google Patents

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上村  哲也
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Abstract

【課題】
配線部の金属層を研磨する際にスクラッチ、表面荒れを防ぐと共に、ディッシングの防止による高い平坦性の実現、研磨速度を向上させることで歩留まりを向上出来る研磨液及び該研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供する。
【解決手段】
テトラゾール誘導体およびアントラニル酸誘導体から選ばれる少なくとも一種を含み、且つ硬度の異なる少なくとも2種の砥粒を含有することを特徴とする研磨液及び該研磨液を用いた化学的機械的研磨方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、研磨液、特に化学的機械的研磨用研磨液、これを用いる研磨方法、さらには半導体デバイスの製造方法に関する。更に詳しくは、半導体デバイスの製造における配線パターン上の金属層の化学的機械的研磨(以下「CMP」と記す。)の際に発生する、スクラッチと呼ばれる微小な研磨傷やディッシングと呼ばれる過剰研磨による凹みを低減させることが可能となる化学的機械的研磨用研磨液及び研磨方法に関する。
エレクトロニクス業界の著しい発展により、デバイスは、トランジスター、IC、LSI(半導体集積回路)、超LSIと進化してきており、高集積化、高性能化のために様々な微細加工技術が研究開発されている。半導体デバイスの高集積化、高性能化のためには、トランジスターの様な個々の素子を小さくすることと同時に、その素子間をつなぐ配線も細く形成し、かつ多層構造にすることが非常に有効である。しかしながら、配線構造を多層化する場合、各層の凹凸により設計通りの配線が組めない、使用中にショートを起こす等デバイスの信頼性を大きく低下させるといった問題が発生することがある。これらの問題を解決するための手段として、各層における配線部の金属層の凹凸を研磨液(スラリー)と研磨布(パッド)により研磨して高い平坦性を実現するCMPが注目されている。配線用の金属としては従来からタングステンおよびアルミニウムがインターコネクト構造体に汎用されてきた。しかしながら更なる高性能化を目指し、これらの金属より配線抵抗の低い銅を用いたLSIが開発されるようになった。現在では、低い電気抵抗を有するCu(銅)が配線金属として用いられており、この配線の銅層を研磨するCu−CMP用スラリーが活発に研究されている。
一般的なCMP用スラリーではアルミナやシリカ等の無機粒子を水中に分散させたスラリーが主に検討されている。しかしながら、金属層及び酸化金属層は硬度が低い物もあり、それよりも硬度の高い無機粒子で研磨をすると金属層、酸化金属層表面に引っかき傷(スクラッチ)が発生したり、粒子自体が層中に埋没されたりといった問題が発生することがある。これらの問題を回避するため、硬度の低い有機樹脂からなる粒子を研磨剤として用いたスラリー等も検討されている。しかしながら、これら柔らかい樹脂粒子を研磨剤として用いたスラリーでは、研磨速度が遅いために歩留まりが非常に低くなるという新たな問題が発生する。また、こうした樹脂粒子の研磨速度の低下を補うために金属表面を効果的にエッチングさせる様な化学試薬を添加する方法がある。しかしながら、これら化学試薬の添加では、研磨速度は向上するが、化学試薬の腐食による表面の荒れや配線部や接続孔での過剰研磨(ディッシング)が激しくなり、デバイスの配線抵抗の増加や断線といった別の問題が発生する。
そこで、このような諸問題を解決するために各種金属または金属合金からなる金属膜研磨用スラリーとして、研磨剤として無機粒子と有機粒子の両者を含んだCMP用スラリーが特許文献1に開示されている。このスラリーでは、無機粒子の効果的な研磨に対し有機粒子が緩衝材として働くので、研磨剤への過剰な圧力がかかるのを防ぎ、スクラッチを低減出来るとされている。さらに、特許文献2では研磨剤として無機粒子と有機粒子の両者を含んだ組成に、防腐用ベンゾトリアゾールをも含んだCMP用スラリーが開示されている。ベンゾトリアゾールは酸化された金属膜上で反応保護膜を形成し、エッチングを適度に抑制するので、このスラリーでは上記効果に加え表面荒れも防ぐことが出来る。
しかしながら、近年金属配線の更なる微細化および多層化に向けて、より高度の平坦性、高い研磨速度を実現出来るCMP用スラリーの開発が望まれていた。
特開平9−285957号公報 特開2003−297779号公報
そこで本発明は、研磨速度を向上させるとともに、配線部の金属層を研磨する際にスクラッチ、表面荒れを防ぎ、ディッシングの防止による高い平坦性の実現することができる研磨液(スラリー)及びそれを用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討した結果、下記研磨液及びそれを用いた研磨方法により上記課題を達成するに至った。
(1)一般式(1)で表されるテトラゾール誘導体および一般式(II)で表されるアントラニル酸誘導体から選ばれる少なくとも一種を含み、且つ硬度の異なる少なくとも2種の砥粒を含有することを特徴とする研磨液。
Figure 2006190890
式(I)中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は置換基を表す。R1及びR2はお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1及びR2が同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
式(II)中、式中、R3〜R8は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3〜R6のうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。また、M+は陽イオンを表す。
(2)当該硬度が異なる少なくとも2種の砥粒が(A)無機粒子と(B)有機粒子であることを特徴とする上記(1)に記載の研磨液。
(3)当該硬度が異なる少なくとも2種の砥粒が、(A)金属酸化物と(B)有機重合体粒子であることを特徴とする上記(1)に記載の研磨液。
(4)当該2種の砥粒が、下記A群から選択される砥粒とB群から選択される砥粒であることを特徴とする上記(1)に記載の研磨液。
A群:ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、及び炭化ケイ素。
B群:ポリスチレン及びスチレン系共重合体、(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアルキッド樹脂。
(5)硬度が異なる少なくとも2種の砥粒における高い硬度の砥粒の平均粒径が0.01
〜1μmであり、低い硬度の砥粒の平均粒径が、該高い硬度の砥粒の平均粒径の2〜50倍であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の研磨液。
(6)高い硬度の砥粒の濃度が0.1〜20質量%であり、低い硬度の砥粒の濃度が高い硬度の砥粒の濃度の0.1〜10倍であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の研磨液。
(7)更に、酸化剤を含有することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の研磨液。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面を相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
本発明の研磨液は、特に半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる研磨液として、研磨速度を向上させるとともに、配線部の金属層を研磨する際にスクラッチ、表面荒れを防ぎ、ディッシングの防止による高い平坦性の実現することができ、半導体デバイスの歩留まり、生産性を向上することが出来る。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
なお、本明細書において「濃縮」及び「濃縮液」とは、使用状態よりも「濃厚」及び「濃厚な液」を意味する慣用表現にしたがって用いており、蒸発などの物理的な濃縮操作を伴う一般的な用語の意味とは異なる用法で用いている。
すなわち、濃縮液または濃縮された研磨液とは、研磨に使用する際の研磨液よりも、溶質の濃度が高く調製された研磨液を意味し、研磨に使用する際に、水または水溶液などで希釈して、研磨に使用されるものである。希釈倍率は、一般的には1〜20体積倍である。
本発明において「研磨液」とは、研磨に使用する際の研磨液(即ち、必要により希釈された研磨液)のみならず、研磨液の濃縮液をも包含する意である。
本発明の研磨液は、構成成分として少なくとも、一般式(I)で表されるテトラゾール誘導体および一般式(II)で表されるアントラニル酸誘導体から選ばれる少なくとも1種、及び硬度の異なる少なくとも2種の砥粒を含有し、好ましくは酸化剤を含有する、通常水溶液である。
本発明の研磨液は、さらに他の成分を含有しても良く、好ましい成分として、例えば、有機酸、無機酸、界面活性剤、水溶性ポリマー、及び添加剤を挙げることができる。
研磨液が含有する上記各成分は1種でも2種以上併用してもよい。
以下、各構成成分について説明する。
〔一般式(I)で表されるテトラゾール誘導体および一般式(II)で表されるアントラニル酸誘導体〕
Figure 2006190890
式(I)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R1及びR2はお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1及びR2が同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
式(II)中、R3〜R8は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3〜R6のうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。M+は陽イオンを表す。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
式(I)におけるR1及びR2としての置換基は、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、
アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモ
ニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これらの中でも好ましい置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、
(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。なおここで活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、ここに電子求引性基とはアシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)が挙げられる。
さらに好ましくは、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
1及びR2が結合して、式(I)における−C−N−結合とともに、形成する環としては、単環であっても多環であってもよく、好ましくは5〜6員環の単環、または5〜6員環から構成される多環である。
上記置換基は、さらに上記置換基で置換されていてもよい。
一般式(I)で表される化合物の分子量は、好ましくは20〜600、より好ましくは40〜400である。
一般式(I)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2006190890
Figure 2006190890

Figure 2006190890
一般式(I)で表される化合物の中で好ましいものとしては、化合物I−1、I−3、I−4、I−10、I−15、I−21、I−22、I−23、I−41、I−48が挙げられ、化合物I−1、I−4、I−15、I−22、I−23がより好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(I)で表される化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
式(II)におけるR3〜R8としての置換基は、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、または沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基としては、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基またはその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、カルバモイルオキシ基、スルホニルオキシ基、
アミノ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、またはヘテロ環)ジチオ基、(アルキルまたはアリール)スルホニル基、(アルキルまたはアリール)スルフィニル基、スルホ基またはその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基としては、例えばN−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)またはその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
これらの中でも好ましい置換基としては、R3〜R6のうち少なくとも1つが、置換基を有しないアルキル基以外の置換基であり、さらに好ましくは、R7〜R8のそれぞれが水素原子である。特に好ましくは、R3〜R6のうち少なくとも1つが上述の電子吸引性基でかつR7〜R8のそれぞれが水素原子である。
+としての陽イオンは、特に限定されないが、例えば、水素イオン、アルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+、Li+など)、アンモニウムイオン(例えば、NH4 +、4級アンモニウムイオンなど)を挙げることができる。
一般式(II)で表される化合物の分子量は、好ましくは20〜600、より好ましくは40〜400である。
一般式(II)で表される化合物の具体例を以下に挙げるが、これらに限定するものではない。
Figure 2006190890

Figure 2006190890
Figure 2006190890
上記の化合物の中で、II−2、II−5、II−9、II−27、II−29、II−30、II−33、II−35、II−37が好ましく、II−5、II−9、II−27、II−29、II−33が特に好ましい。
さらに、上記例示化合物におけるカルボキシ基の水素原子をNa+、K+、Li+、アン
モニウムイオン(例えば、NH4 +、4級アンモニウムイオンなどのアンモニウムイオン)で置換し塩としたものを挙げることができる。
また、一般式(II)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(II)で表される化合物は、市販品を使用してもよいし、常法に従って合成してもよい。
例えば、化合物II−29は、Synthesis (8), 654−659 (1983)に記載の合成法に準じて合成することができる。化合物II−37は、Tetrahedron Letters, 51(7), 1861−1866 (1995)
及び Tetrahedron Letters, 44(25), 4741−4745 (2003) に記載の方法に準じて合成することができる。他の化合物もこれらに記載の方法に準じて合成することができる。
一般式(I)または(II)で表される化合物(テトラゾール誘導体およびアントラニル酸誘導体)の添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液(即ち、溶媒で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)の1L中、0.0001〜1.0molが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5 mol、更に好ましくは0.01〜0.5molである。すなわち、一般式(I)または(II)で表される化合物の添加量は、酸化剤及び一般式(I)または(II)で表される化合物の劣化(無効果、分解)防止の点から研磨液1L中1.0mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0001mol以上が好ましい。一般式(I)または(II)で表される化合物の添加量よりも少ない添加量で、チオシアン酸塩、チオエーテル類、チオ硫酸塩又はメソイオン化合物を併用してもよい。
〔砥粒〕
本発明の研磨液は硬度の異なる少なくとも2種以上の砥粒を含有する。ここで述べる硬度とは、使用粒子と同様の組成を有する10μmの粒子を微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−500W」)において、20℃にて、粒径の10%を変位させる際にかかる荷重(強度)を指し、粒径の10%を変位させる際にかかる荷重(強度)が粒子間で3MPa以上異なる際には、それぞれの粒子硬度は異なるものと定義する。
すなわち、本発明の研磨液が含有する砥粒について、最も硬度の高い砥粒と最も硬度の低い砥粒の硬度差は3MPa以上であり、より好ましくは10MPa以上、さらに好ましくは20MPa以上である。すなわち、低硬度粒子の緩衝材の働きを十分に発揮し、スクラッチ発生を低減する目的で低硬度粒子と高硬度粒子の硬度差は3MPa以上である。
本発明の研磨液が含有する砥粒の硬度は20〜2000MPaであることが好ましい。より好ましくは20〜1000MPa、さらに好ましくは30〜500MPaである。すなわち、研磨力の著しい低下を防ぐ上で硬度は20MPa以上が好ましく、また、低硬度粒子の緩衝材の働きを十分に発揮し、スクラッチ発生を低減する目的で2000MPa以下の硬度が好ましい。
硬度が異なる2種以上の砥粒は(A)無機粒子及び(B)有機粒子のそれぞれ少なくとも1種から選ばれることが好ましい。前記無機粒子は金属酸化物、有機粒子は有機重合体粒子がより好ましい。
上記無機粒子として具体的にはヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、炭化ケイ素等から
選ばれる少なくとも1種の無機粒子、またはこれらのうち任意に組み合わせた物を用いることが出来る。組み合わせる数、比率などは限定させず任意に選択出来る。好ましくはヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、チタニア、より好ましくはコロイダルシリカである。
上記有機粒子として具体的にはポリスチレン及びスチレン系共重合体、(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等から選ばれる少なくとも1種の有機粒子、またはこれらのうち任意に組み合わせた物を用いることが出来る。組み合わせる数、比率などは限定させず任意に選択出来る。好ましくはポリスチレン及びスチレン系共重合体、(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体、メラミン樹脂が望ましい。より好ましくは(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体が望ましい。
本発明における有機粒子は、それ自体、無機粒子よりも相当程度柔らかいので、無機粒子に対し金属層への研磨力は非常に小さい。しかしながら、研磨液中の有機粒子に対し無機粒子が付着し、無機−有機粒子の複合粒子を研磨液中で形成すれば、無機粒子の実効的粒子径が増大し、研磨速度の向上とスクラッチの低減が同時に達成される粒子とすることも可能である。この様な複合粒子の形成は、重合体粒子が有するカルボキシル基、スルホン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基等の表面官能基に由来する静電的相互作用によって結合されていても良いし、アルコキシシラン、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド等を共存させシランカップリング剤の様な添加剤によって化学的結合されていても良い。
この様な相互作用等が働かず、無機粒子、有機粒子が単独で存在し、個々に研磨に対して効果を及ぼしていても良い。
前述のように、本発明の研磨液は、3MPa以上異なる少なくとも2種の砥粒、すなわち、「高い硬度の砥粒」及び「低い硬度の砥粒」を含有する。
ここで「高い硬度の砥粒」とは、研磨液中に存在するある砥粒よりも3MPa以上高い硬度の砥粒を意味し、「低い硬度の砥粒」とは、「高い硬度の砥粒」よりも硬度が3MPa以上低い砥粒すべてを意味する。すなわち、硬度が3MPa以上低い砥粒が存在するという前提で「高い硬度の砥粒」を決めることで、「低い硬度の砥粒」が決まる。研磨液中には、「高い硬度の砥粒」及び「低い硬度の砥粒」以外にも、「高い硬度の砥粒」よりも、硬度が高い砥粒、「高い硬度の砥粒」よりも硬度が3MPa未満の範囲で低い硬度の砥粒が存在しうる。
「高い硬度の砥粒」は、全砥粒の量に対し、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは40〜60質量%である。
「高い硬度の砥粒」と「低い硬度の砥粒」の総量は、全砥粒の量に対し、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%である。
「高い硬度の砥粒」の平均粒径は0.01〜1μmが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5μmである。金属層を研磨する際の研磨力が十分に大きく、被研磨面に研磨残りの金属を発生させない目的で0.01μm以上が好ましい。又、スクラッチの発生、及び溶媒への分散性の観点から1μm以下が好ましい。
尚、砥粒の平均粒径は、前記の微小圧縮試験機(例えば、島津製作所製「MCT−500W」)で、測定することができる。
「低い硬度の砥粒」の平均粒径は、「高い硬度の砥粒」の平均粒径の2〜50倍であることが好ましく、より好ましくは2〜20倍である。金属層を研磨する際の高硬度粒子にかかる過剰研磨に対する緩衝効果が十分に発揮し、半導体ウエハに対するスクラッチを抑える目的で2倍以上が好ましい。又、無機粒子の研磨効果を十分に発揮し、研磨速度の低下を防ぐだけでなく、溶媒への良分散性を得る目的で粒子径は50倍以下が好ましい。
「高い硬度の砥粒」の濃度は、研磨液中に0.1〜20質量%の割合で含まれていることが好ましい。より好ましくは0.1〜10質量%である。金属層を研磨する際の研磨力が十分に大きく、被研磨面に研磨残りの金属を発生させない目的で濃度は0.1質量%以上が好ましい。又、半導体ウエハに対するスクラッチの低減、ディッシングの抑制の目的で濃度は20質量%以下が好ましい。
「低い硬度の砥粒」の濃度は、「高い硬度の砥粒」の濃度の0.1〜10倍であることが好ましい。より好ましくは1〜10倍である。金属層を研磨する際の高硬度粒子にかかる過剰研磨に対する緩衝効果が十分に発揮し、半導体ウエハに対するスクラッチを抑える目的で0.1倍以上が好ましい。又、無機粒子の研磨効果を十分に発揮し、研磨速度の低下を防ぐ目的で10倍以下が好ましい。
「低い硬度の砥粒」の中で、「高い硬度の砥粒」よりも10MPa以上低い砥粒の割合が5〜100質量%であることが好ましく、20MPa以上低い砥粒の割合が3〜100質量%であることがより好ましい。
〔酸化剤〕
本発明の研磨液は、研磨対象の金属を酸化できる化合物(酸化剤)を含有することが好ましい。酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水および銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられる。鉄(III)塩としては例えば、硝酸鉄(III)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、臭化鉄(III)など無機の鉄(III)塩の他、鉄(III)の有機錯塩が好ましく用いられる。
鉄(III)の有機錯塩を用いる場合、鉄(III)錯塩を構成する錯形成化合物としては、例えば、酢酸、クエン酸、シュウ酸、サリチル酸、ジエチルジチオカルバミン酸、コハク酸、酒石酸、グリコール酸、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−エタンジチオール、マロン酸、グルタル酸、3−ヒドロキシ酪酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、3−ヒドロキシサリチル酸、3,5−ジヒドロキシサリチル酸、没食子酸、安息香酸、マレイン酸などやこれらの塩の他、アミノポリカルボン酸及びその塩が挙げられる。
アミノポリカルボン酸及びその塩としては、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン1−N,N’−ニ酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N−ジ酢酸など及びその塩が挙げられる。対塩の種類は、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、特にはアンモニウム塩が好ましい。
中でも、過酸化水素、ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、塩素酸塩、鉄(III)の有機錯塩が好ましく、鉄(III)の有機錯塩を用いる場合の好ましい錯形成化合物は、クエン酸、酒石酸、アミノポリカルボン酸(具体的には、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジコハク酸(ラセミ体)、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、N−(カルボキシメチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸、ニトリロ三酢酸、イミノジ酢酸)を挙げることができる。
酸化剤の中でも過酸化水素並びに鉄(III)のエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−N,N,N’,N’−四酢酸及びエチレンジアミンジコハク酸(SS体)錯体が最も好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
〔酸〕
本発明の研磨液は更に酸を含有することが好ましい。ここでいう酸は、金属を酸化するための酸化剤とは構造が異なる化合物であり、前述の酸化剤として機能する酸を包含するものではない。ここでの酸は、酸化の促進、pH調整、緩衝剤としての作用を有する。酸の例として、その範囲で、無機酸、有機酸、アミノ酸が挙げられる。無機酸としては、硫酸、硝酸、ホウ酸、燐酸、炭酸などが挙げられ、無機酸の中では燐酸、炭酸が好ましい。
本発明においては特に有機酸やアミノ酸が存在することが好ましく、さらにはアミノ酸が好ましい。有機酸としては、以下の群から選ばれたものがより適している。ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩、硫酸、硝酸、アンモニア、アンモニウム塩類、又はそれらの混合物等が挙げられる。これらの中ではギ酸、マロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸が銅、銅合金及び銅又は銅合金の酸化物から選ばれた少なくとも1種の金属層を含む積層膜に対して好適である。
アミノ酸としては、水溶性のものが好ましい。以下の群から選ばれたものがより適している。例えば、グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨ−ド−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、4−ヒドロキシ−L−プロリン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−シスチン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸等から少なくとも1種を含むことが望ましい。特に、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グリシン、グリコール酸については実用的なCMP速度を維持しつつ、エッチング速度を効果的に抑制できるという点で好ましい。
酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0005mol〜0.5molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、酸の添加量は、エッチングの抑制の点から0.5mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0005mol以上が好ましい。
〔キレート剤〕
本発明の研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤(すなわち硬水軟化剤)を含有することが好ましい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物であり、例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N, N, N−トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N, N, N’,N’−テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、β−アラニンジ酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N, N’−ジ酢酸、1,2−ジヒドロキシベンゼン−4,6−ジスルホン酸等が挙げられる。
キレート剤は必要に応じて2種以上併用しても良い。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であれば良く、例えば、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0003mol〜0.07molになるように添加する。
〔添加剤〕
また、本発明の研磨液には以下の添加剤を用いることが好ましい。
アンモニア;ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピレンジアミン等のアルキルアミンや、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム及びキトサン等のアミン;ジチゾン、クプロイン(2,2’−ビキノリン)、ネオクプロイン(2,9−ジメチル−1,10−フェナントロリン)、バソクプロイン(2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン)及びキュペラゾン(ビスシクロヘキサノンオキサリルヒドラゾン)等のイミン;ベンズイミダゾール−2−チオール、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオプロピオン酸、2−[2−(ベンゾチアゾリル)]チオブチル酸、2−メルカプトベンゾチアゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾール、4−メトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−ブトキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−オクチルオキシカルボニル−1H−ベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、N−(1,2,3−ベンゾトリアゾリル−1−メチル)−N−(1,2,4−トリアゾリル−1−メチル)−2−エチルヘキシルアミン、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸等のアゾール;ノニルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、トリアジンチオール、トリアジンジチオール、トリアジントリチオール等のメルカプタン、その他、アントラニル酸、アミノトルイル酸、キナルジン酸などが挙げられる。これらの中でも特にキトサン、エチレンジアミンテトラ酢酸、L−トリプトファン、キュペラゾン、トリアジンジチオール、ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル−1H−ベンゾトリアゾールブチルエステル、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾールが高いCMP速度と低いエッチング速度を両立する上で好ましい。
これら添加剤の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜0.5molとすることが好ましく0.001mol〜0.2molとすることがより好ましく、0.005mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加剤の添加量は、エッチング抑制の点から0.0001mol以上が好ましく、CMP速度低下防止の点から0.5mol以下が好ましい。
〔界面活性剤及び/又は親水性ポリマー〕
本発明の研磨液は、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーを含有することが好ましい。界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤及び/又は親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、カルボン酸塩として、石鹸、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド;スルホン酸塩として、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼン及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩;硫酸エステル塩として、硫酸化油、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩;リン酸エステル塩として、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレンアルキルアリルエーテルリン酸塩を挙げることができる。
陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩;両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、エーテル型として、ポリオキシエチレンアルキルおよびアルキルフェニルエーテル、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルが挙げられ、エーテルエステル型として、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、エステル型として、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、ショ糖エステル、含窒素型として、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が例示される。また、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、その他の界面活性剤、親水性化合物、親水性ポリマー等としては、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、メトキシ酢酸、エトキシ酢酸、3−エトキシプロピオン酸及びアラニンエチルエステル等のエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリエチレングリコール、アルキルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリエチレングリコール、アルケニルポリエチレングリコールアルキルエーテル、アルケニルポリエチレングリコールアルケニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルキルポリプロピレングリコール、アルキルポリプロピレングリコールアルキルエーテル、アルキルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル、アルケニルポリプロピレングリコール、アルケニルポリプロピレングリコールアルキルエーテル及びアルケニルポリプロピレングリコールアルケニルエーテル等のエーテル;アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、カードラン及びプルラン等の多糖類;グリシンアンモニウム塩及びグリシンナトリウム塩等のアミノ酸塩;ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、
ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、アミノポリアクリルアミド、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマ;メチルタウリン酸アンモニウム塩、メチルタウリン酸ナトリウム塩、硫酸メチルナトリウム塩、硫酸エチルアンモニウム塩、硫酸ブチルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ナトリウム塩、1−アリルスルホン酸ナトリウム塩、2−アリルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩、メトキシメチルスルホン酸ナトリウム塩、エトキシメチルスルホン酸アンモニウム塩、3−エトキシプロピルスルホン酸ナトリウム塩及びスルホコハク酸ナトリウム塩等のスルホン酸及びその塩;プロピオンアミド、アクリルアミド、メチル尿素、ニコチンアミド、コハク酸アミド及びスルファニルアミド等のアミド等が挙げられる。
但し、適用する基体が半導体集積回路用シリコン基板などの場合はアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染は望ましくないため、酸もしくはそのアンモニウム塩が望ましい。基体がガラス基板等である場合はその限りではない。上記例示化合物の中でもシクロヘキサノール、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、コハク酸アミド、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.001g〜10gとすることが好ましく、0.01g〜5gとすることがより好ましく0.1g〜3gとすることが特に好ましい。即ち、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、充分な効果を得る上で、0.001g以上が好ましく、CMP速度の低下防止の点から10g以下が好ましい。また、これらの界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
〔アルカリ剤及び緩衝剤〕
本発明の研磨液は、必要に応じて、pH調整のためにアルカリ剤、さらにはpHの変動
抑制の点から緩衝剤を含有することができる。
アルカリ剤及び緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。
アルカリ剤及び緩衝剤の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸カリウム)、水酸化アンモニウムなどを挙げることができる。
特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ剤及び緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。研磨に使用する際の研磨液のpHは2〜14が好ましく、3〜12がより好ましい。この範囲において本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔分散媒〕
本発明の研磨用分散媒として水単独、または水を主成分(分散媒中、50〜99質量%)とし、アルコ−ル、グリコ−ル等の水溶性有機溶媒を副成分(1〜30質量%)として配合したものが使用できる。水は、できる限り巨大粒子を含まない純水またはイオン交換水が好ましい。アルコ−ルとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールが、グリコ−ル類としては、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、等が挙げられる。研磨液中に占める分散媒の含有量は、75〜95質量%、好ましくは85〜90質量%である。研磨液の基板上への供給性の観点から75質量%以上が好ましい。
本発明においては、研磨面への吸着性や反応性、研磨金属の溶解性、被研磨面の電気化学的性質、化合物官能基の解離状態、液としての安定性などにより、適時化合物種、添加量やpH、分散媒を設定することが好ましい。
なお、研磨液の濃縮液作製時に添加する成分の内、室温での溶媒に対する溶解度が5%未満の物の配合量は、室温での溶媒に対する溶解度の2倍以内とすることが好ましく、1.5倍以内とすることがより好ましい。この添加量が2倍以上では濃縮液を5℃に冷却した際の析出を防止するのが困難となる。
[配線金属原材料]
本発明においては、研磨する対象は、例えばLSI等の半導体における、銅金属及び/又は銅合金からなる配線が好ましく、特には銅合金が好ましい。更には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が好ましい。銅合金に含有される銀含量は、40質量%以下が好ましく、特には10質量%以下、さらには1質量%以下が好ましく、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
〔配線の太さ〕
本発明においては、研磨する対象である半導体が、例えばDRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で特には0.10μm以下、更には0.08μm以下、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を持つLSIであることが好ましい。これらのLSIに対して、本発明の研磨液は特に優れた効果を発揮する。
〔バリア金属〕
本発明においては、半導体の銅金属及び/または銅合金からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層を設けることが好ましい。バリア層としては低抵抗のメタル材料がよく、特にはTiN、TiW、Ta、TaN、W、WNが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。
〔研磨方法〕
研磨液は、濃縮液であって使用する際に水を加えて希釈して使用液とする場合、または、各成分が次項に述べる水溶液の形態でこれらを混合し、必要により水を加え希釈して使用液とする場合、あるいは使用液として調製されている場合がある。本発明の研磨液を用いた研磨方法は、いずれの場合にも適用でき、研磨液を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する研磨方法である。
研磨する装置としては、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨パッドとしては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。研磨条件には制限はないが、研磨定盤の回転速度は基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましい。被研磨面(被研磨膜)を有する半導体基板の研磨パッドへの押しつけ圧力は、5〜500g/cm2であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、12〜240g/cm2であることがより好ましい。
研磨している間、研磨パッドには研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄した後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させる。本発明の研磨方法では、希釈する水溶液は、次ぎに述べる水溶液と同じである。水溶液は、予め酸化剤、酸、添加剤、界面活性剤のうち少なくとも1つ以上を含有した水で、水溶液中に含有した成分と希釈される研磨液の成分を合計した成分が、研磨液を使用して研磨する際の成分となるようにする。水溶液で希釈して使用する場合は、溶解しにくい成分を水溶液の形で配合することができ、より濃縮した研磨液を調製することができる。
濃縮された研磨液に水または水溶液を加え希釈する方法としては、濃縮された研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、混合し希釈された研磨液を研磨パッドに供給する方法がある。混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法
など通常に行われている方法を採用することができる。
研磨液の供給速度は10〜1000ml/minが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、170〜800ml/minであることがより好ましい。
濃縮された研磨液を水または水溶液などにより希釈し、研磨する方法としては、研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動で混合しつつ研磨する方法である。または、1つの容器に、所定量の濃縮された研磨液と水または水溶液を入れ混合してから、研磨パッドにその混合した研磨液を供給し、研磨をする方法がある。
本発明の別の研磨方法は、研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨定盤上の研磨パッドに供給し、被研磨面と接触させて被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する方法である。例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。
また、溶解度の低い添加剤を2つの構成成分(A)と(B)に分け、酸化剤、添加剤及び界面活性剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液を加え構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この例の場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、希釈混合は、3つの配管を、研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合する方法があり、この場合、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合することも可能である。
例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合する方法である。その他の混合方法は、上記したように直接に3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法、1つの容器に3つの構成成分を混合して、そこから研磨パッドに希釈された研磨液を供給する方法である。上記した研磨方法において、酸化剤を含む1つの構成成分を40℃以下にし、他の構成成分を室温から100℃の範囲に加温し、且つ1つの構成成分と他の構成成分または水もしくは水溶液を加え希釈して使用する際に、混合した後に40℃以下とするようにすることもできる。温度が高いと溶解度が高くなるため、研磨液の溶解度の低い原料の溶解度を上げるために好ましい方法である。
酸化剤を含まない他の成分を室温から100℃の範囲で加温して溶解させた原料は、温度が下がると溶液中に析出するため、温度が低下したその成分を用いる場合は、予め加温して析出したものを溶解させる必要がある。これには、加温し溶解した構成成分液を送液する手段と、析出物を含む液を攪拌しておき、送液し配管を加温して溶解させる手段を採用することができる。加温した成分が酸化剤を含む1つの構成成分の温度を40℃以上に高めると酸化剤が分解してくる恐れがあるので、加温した構成成分とこの加温した構成成分を冷却する酸化剤を含む1つの構成成分で混合した場合、40℃以下となるようにする。
また本発明においては、上述したように研磨液の成分を二分割以上に分割して、研磨面に供給してもよい。この場合、酸化物を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給することが好ましい。また、研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
〔パッド〕
研磨用のパッドは、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
〔ウエハ〕
本発明の研磨液でCMPを行なう対象ウエハは、径が200mm以上であることが好ましく、特には300mm以上が好ましい。300mm以上である時に顕著に本発明の効果を発揮する。
以下実施例によって本発明をより詳しく説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(研磨液の調製)
化合物(I−1) 0.01質量%
砥粒1(コロイダルシリカ(1):平均粒子径30nm) 10質量%
砥粒2(アクリル樹脂(1):平均粒子径135nm) 5質量%
過酸化水素(酸化剤) 1質量%
グリシン(酸) 0.8質量%
pH(アンモニア水と硫酸で調整) 7.0
各成分が上記の濃度となるよう水溶液を調製し、高速ホモジナイザーで撹拌して均一に分散させて研磨液を得た。
<実施例2〜62、比較例1〜5>
実施例1と同様にして、表1に記載の化合物及び砥粒を使用して、実施例2〜62及び比較例1〜5の研磨液を調製し研磨試験を行った。酸、酸化剤、pHは実施例1と同様とした。なお、表1における砥粒の濃度(%)は、質量%である。
<研磨速度評価>
下記の条件で、研磨装置の研磨定盤の研磨布上に研磨液を供給しながら、基板を研磨布に押し当てた状態で研磨定盤と基板を相対的に動かして金属膜を研磨し、その時の研磨速度を測定した。
基板:4cm×4cmの銅膜付きシリコンウエハ
基板と研磨定盤との相対速度:60m/分
研磨圧力:168 hPa
研磨パッド:IC1400
研磨液の供給速度:50ml/分
研磨速度の測定:研磨前後の銅膜の厚さを、電気抵抗から求め、下記式により研磨速度を算出した。
研磨速度(A/分)=(研磨前の銅膜の厚さ−研磨後の銅膜の厚さ)/研磨時間
<研磨特性評価>
研磨特性を評価する為に、下記の条件で、研磨装置の研磨定盤の研磨布上に研磨液を供給しながら、パターンが形成された配線基板を研磨布に押し当てた状態で研磨定盤と基板を相対的に動かして金属膜を研磨し、そのときの段差を測定した。
基板:タンタルがバリア金属膜として用いられ、深さが500nmの溝が形成された1200nmの銅膜が付いたシリコンウエハを4cm×4cmに切った基板。
基板と研磨定盤との相対速度:60m/分
研磨圧力:168 hPa
研磨パッド:IC1400
研磨液の供給速度:50ml/分
段差の測定: 触針式の段差測定計を用い、100μm/100μmのライン/スペースでの段差を測定した。
<銅膜のスクラッチの有無>
研磨後の各基板の外観を目視で観察した。評価基準は、A;スクラッチがなし、B;数本のスクラッチが観測される、C;明らかに問題となる数のスクラッチが観測される、とした。
評価結果を表1に示す。
Figure 2006190890
Figure 2006190890
Figure 2006190890
Figure 2006190890
<一般式(I)又は(II)で表される化合物>
化合物II−29のように、Synthesis (8), 654-659 (1983) などに記載の方法に準じて合成するか、化合物I−1、I−2、II−10のように、和光純薬工業(株)などの市販品を用いた。
<砥粒>
実施例、比較例で使用した砥粒を表2に示す。
Figure 2006190890
<砥粒の平均粒径>
微小圧縮試験機(島津製作所製「MCT−500W」)で測定した。
<砥粒の硬度>
微小圧縮試験機(島津製作所製「MCT−500W」)のサンプル板に、粒径約10μmの粉体の形で各粒子を乗せ、荷重をかけ圧縮した。20℃にて、粒径の10%を変形させるのに必要な圧力を強度とした。
表1の結果によれば、硬度が異なる2種の砥粒(有機粒子、無機粒子の混合系)とともに、テトラゾール誘導体またはアントラニル酸誘導体を含有する実施例1〜62の研磨液では、高い研磨速度、低ディッシング、スクラッチも観測されない。一方、保護膜形成材としてベンゾトリアゾール(BTA)を用いた比較例1では、ディッシングが大きくなっていることがわかる。またコロイダルシリカのみを砥粒として用いた比較例2では研磨速度の低下に加え、スクラッチも多数観測された。ジビニルベンゼン樹脂のみを砥粒として
用いた比較例3では研磨速度の大幅な低下に加え、ディッシングも非常に大きな値となった。複数の砥粒を用いてもBTAを使用した比較例4及び5ではディッシング、スクラッチの点で劣ることがわかる。

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表されるテトラゾール誘導体および一般式(II)で表されるアントラニル酸誘導体から選ばれる少なくとも一種を含み、且つ硬度の異なる少なくとも2種の砥粒を含有することを特徴とする研磨液。
    Figure 2006190890
    式(I)中、R1及びR2は、各々独立に水素原子又は置換基を表す。R1及びR2はお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1及びR2が同時に水素原子の場合、一般式(I)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。)
    式(II)中、式中、R3〜R8は、各々独立に、水素原子又は置換基を表す。R3〜R6のうちの隣り合った二つはお互いに結合して環を形成してもよい。また、M+は陽イオンを表す。
  2. 当該硬度が異なる少なくとも2種の砥粒が、(A)無機粒子及び(B)有機粒子であることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  3. 当該硬度が異なる少なくとも2種の砥粒が、(a)金属酸化物及び(b)有機重合体粒子であることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
  4. 当該硬度が異なる少なくとも2種の砥粒が、下記A群から選択される砥粒とB群から選択される砥粒であることを特徴とする請求項1に記載の研磨液。
    A群:ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、合成シリカ、セリア、アルミナ、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、酸化マンガン、及び炭化ケイ素。
    B群:ポリスチレン及びスチレン系共重合体、(メタ)アクリル樹脂及びアクリル系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンのポリオレフィン及びオレフィン系共重合体、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアルキッド樹脂。
  5. 硬度が異なる少なくとも2種の砥粒における高い硬度の砥粒の平均粒径が0.01〜1μmであり、低い硬度の砥粒の平均粒径が、該高い硬度の砥粒の平均粒径の2〜50倍であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の研磨液。
  6. 高い硬度の砥粒の濃度が0.1〜20質量%であり、低い硬度の砥粒の濃度が高い硬度の砥粒の濃度の0.1〜10倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の研磨液。
  7. 更に、酸化剤を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の研磨液。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面を相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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