JP2006194549A - 冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷媒としてクラスレートを使用する冷却システムの消費エネルギーを低減する。
【解決手段】 冷却システム10では、ハイドレート生成リアクタ11でハイドレートHが生成され、ハイドレートライン31でハイドレート分解システム15に移送される。ハイドレート分解システム15でハイドレートHが液体成分Lとガス成分Gに分解される際の分解熱で周囲が冷却される。ハイドレートライン31にはタービン14が設けられている。ハイドレートライン31で移送されるハイドレートHの圧力エネルギーでタービン14が回転され、動力変換機構18によって、タービン14の回転力が、液体成分Lを昇圧するポンプ16の動力に変換される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クラスレート生成装置で生成されたクラスレートをクラスレート分解装置で分解し、吸熱することにより周囲を冷却する冷却システムに関する。
従来から、ハイドレート等のクラスレートを生成するクラスレート生成装置と、このクラスレート生成装置で生成されたクラスレートをガス成分と液体成分に分解するクラスレート分解装置との間で、クラスレート、ガス成分、液体成分を循環させ、クラスレートが分解される際の吸熱作用により、周囲を冷却する冷却システムが考案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この特許文献1、2では、クラスレート分解装置で分解されたガス成分と液体成分を気液分離し、液体成分は液体移送ラインでクラスレート生成装置へ移送する際にポンプで昇圧し、ガス成分はガス移送ラインでクラスレート生成装置へ移送する際に圧縮機で圧縮している。即ち、冷媒であるクラスレートの全量を圧縮機に通過させるのではなく、クラスレートのガス成分と液体成分を別々にし、ガス成分のみを圧縮機に通過させることで、圧縮機の所要動力を減らしている。
しかしながら、圧縮機と比較すると格段に小さいながらも液体成分を昇圧するポンプの動力が必要になるので、圧縮機の所要動力を減量した分だけシステム全体の消費エネルギーを低減できているわけではなく、さらに低減することが望まれる。
特願2002−40964号 特開平5−180522号公報
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、クラスレートを冷媒として利用する冷却システムで消費されるエネルギーを低減することを目的とする。
請求項1に記載の冷却システムは、クラスレート生成用の液体成分とクラスレート生成用のガス成分を供給されてクラスレートを生成するクラスレート生成装置と、前記クラスレート生成装置で生成されたクラスレートを液体成分とガス成分に分解し、吸熱するクラスレート分解装置と、前記クラスレート生成装置から前記クラスレート分解装置へクラスレートを移送するクラスレートラインと、前記クラスレート分解装置から前記クラスレート生成装置へ液体成分を移送する液体ラインと、前記クラスレート分解装置から前記クラスレート生成装置へガス成分を移送するガスラインと、前記液体ラインに設けられ、移送される液体成分を昇圧するポンプと、前記ガスラインに設けられ、移送されるガス成分を圧縮する圧縮機と、を備える冷却システムであって、前記クラスレートラインに設けられ、移送されるクラスレートを動力源として回転するタービンと、前記タービンの回転力を前記ポンプの動力に変換する動力変換手段と、を有することを特徴とする。
請求項1に記載の冷却システムでは、クラスレート生成用の液体成分とクラスレート生成用のガス成分がクラスレート生成装置に供給されてクラスレートが生成される。そして、クラスレート生成装置で生成されたクラスレートは、クラスレートラインでクラスレート生成装置からクラスレート分解装置へ移送され、クラスレート分解装置で液体成分とガス成分に分解される。この際、周囲から吸熱することで冷却効果を発揮する。
そして、液体成分が液体ラインによってクラスレート分解装置からクラスレート生成装置へ移送され、その間にポンプによって昇圧される。また、ガス成分がガスラインによってクラスレート分解装置からクラスレート生成装置へ移送され、その間に圧縮機によって圧縮される。これによって、クラスレート生成装置に供給される液体成分、ガス成分が高圧になってクラスレートが生成される。
ここで、クラスレートラインにはタービンが設けられており、クラスレートラインで移送されるクラスレートによってタービンが回転される。そして、動力変換手段によって、タービンの回転力がポンプの動力に変換される。即ち、移送されるクラスレートの圧力エネルギーを回収して、回収したエネルギーをポンプの駆動エネルギーとして使っている。これによって、システム全体の消費エネルギーを低減できる。
請求項2に記載の冷却システムは、請求項1に記載の冷却システムであって、前記クラスレート生成装置でクラスレートから分離された添加剤を前記液体ラインに混入する添加剤ラインを有することを特徴とする。
請求項2に記載の冷却システムでは、添加剤が、添加剤ラインによって液体ラインに混入され、クラスレート生成装置でクラスレートから分離され、添加剤ラインによって液体ラインに混入される、というサイクルで添加剤が循環される。これによって、クラスレートの生成圧力を下げることができるので、圧縮機、ポンプの所要動力を下げることができる。従って、システム全体の消費エネルギーを低減できる。
請求項3に記載の冷却システムは、請求項2に記載の冷却システムであって、液体成分が水で、ガス成分がメタンで、添加剤がテトラヒドロフランであり、前記液体ラインで移送される水に含まれるテトラヒドロフランの濃度を10体積%以上としたことを特徴とする。
請求項3に記載の冷却システムでは、昇圧された水と圧縮されたメタンがクラスレート生成装置へ供給されてクラスレートが生成され、クラスレート分解装置でクラスレートが水とメタンに分解される。
ここで、添加剤ラインによって液体ラインに、添加剤としてテトラヒドロフランが混入されるが、液体ラインで移送される液体中に含まれるテトラヒドロフランの濃度を10体積%以上としている。即ち、移送される水の流量を90とした場合に混入するテトラヒドロフランの流量を10以上としている。
請求項4に記載の冷却システムは、請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却システムであって、前記液体ラインで移送される液体成分で前記クラスレートラインで移送されるクラスレートを冷却する冷却装置を有することを特徴とする。
請求項4に記載の冷却システムでは、冷却装置が、液体ラインで移送される液体成分によって、クラスレートラインで移送されるクラスレートを冷却する。これによって、クラスレート生成装置に移送されたクラスレートの温度が一層下がるので、クラスレートが液体成分とガス成分に分解される際の吸熱量が多くなり、冷却効果が向上する。
請求項5に記載の冷却システムは、請求項1乃至4の何れか1項に記載の冷却システムであって、前記クラスレートがハイドレートであり、前記クラスレート生成装置がハイドレート生成装置であり、前記クラスレート分解装置がハイドレート分解装置であることを特徴とする。
請求項5に記載の冷却システムでは、ハイドレートがハイドレート生成装置で生成され、ハイドレート分解装置でガス成分と液体成分に分解され、吸熱する。これによって冷却効果が発揮される。
本発明は上記構成にしたので、クラスレートを冷媒として利用する冷却システムで消費されるエネルギーを低減できる。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、冷凍システム10では、冷媒としてメタン等の低級炭化水素のガス成分Gと水(又は油)等の液体成分Lからなりクラスレートの一種であるガスハイドレートH(気体包接化合物)を使用する。
このガスハイドレートHを形成するガス成分Gとしては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の低級炭化水素の単一成分又はこれらの複数成分の混合ガス等を使用することができるが、本実施形態ではメタンを使用している。また、液体成分Lとしては、水や油等を使用することができるが、本実施形態では水を使用している。
更に、冷凍システム10におけるガスハイドレートHの生成及び分解条件を調整するために、添加剤Aを使用することもできる。このガスハイドレートHの液体成分Lに加える添加剤Aとしては、水和包接促進剤、水和物安定剤、水和物分解剤と呼ばれるものがあるが、ここでは水和物の生成を促進する水和包接促進剤を使用する。この水和包接促進剤を使用することにより、ハイドレート生成時における圧力を低下させ、また、温度を上昇させることができる。
この水和包接促進剤Aとしては、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、フラン、シクロブタノン、シクロペンタノン、特殊塩類、レシチン、PVA、PVCap、アセトン、メタノール、食塩、グリコール等を使用することができるが、本実施形態では、テトラヒドロフランを使用している。
そして、冷凍システム10は、ハイドレート生成リアクタ11、冷却器(クーラー)12、冷熱回収装置13、タービン14、ハイドレート分解システム(チラー)15、ポンプ16、圧縮機(コンプレッサー)17、及び動力変換手段18を有して構成される。
そして、この冷凍システム10は、ハイドレートライン31、ガスライン32、液体ライン33、冷却ライン34、添加剤用ライン35により各機器を接続している。
ハイドレートライン31は、ハイドレート生成リアクタ11、冷熱回収装置13、タービン14、ハイドレート分解システム15を順次接続し、ガスライン32は、ハイドレート分解システム15と圧縮機17とハイドレート生成リアクタ11を順次接続している。
また、液体ライン33は、ハイドレート分解システム15、ポンプ16、冷熱回収装置13、ハイドレート生成リアクタ11を順次接続し、冷却ライン34はハイドレート生成リアクタ11とポンプ36と冷却器12とハイドレート生成リアクタ11とを順次接続している。
また、添加剤用ライン35は、ハイドレート生成リアクタ11と添加剤受け容器22と液体ライン33とを順次接続している。
この冷凍システム10において、ハイドレート生成リアクタ11で生成されたスラリー状のガスハイドレートHは、ハイドレートライン31により、冷熱回収装置13で、ポンプ16からハイドレート生成リアクタ11に加圧されて送られてくる液体成分Lで冷却されてから、タービン14に入って減圧され、その下流のハイドレート分解システム15で、周囲から熱を吸収してガス成分Gと液体成分Lに分解する。
このハイドレート分解システム15は、ハイドレート分解リアクタ15aと液・ガス分離器15bと受液器15cとからなり、ガスハイドレートHの分解に際して、ガスハイドレートHの大きな分解熱を利用することにより効率的に周囲を冷却することができる。なお、冷熱回収装置13でガスハイドレートHを冷却し、ガスハイドレートHの温度が一層下がったので、ガスハイドレートHが分解される際の吸熱量が多くなり、冷却効果が向上する。
このガスハイドレートHの分解熱の計算例を示すと、重量比でメタン:水が1:6.75のメタンガスハイドレートの場合は、MW(分子量)=125、モル分解熱が12.95kcal/molで、ハイドレート1kg当りの分解熱が103.6kcal/kgとなる。
なお、ハイドレート分解リアクタ15a、液・ガス分離器15b及び受液器15cは、一体物としても、又は、吸熱量が大きい時は、吸熱器をその一体物の外部循環ラインに設けることもできるが、前記のように分離したそれぞれの容器で形成することもできる。
そして、このハイドレート分解リアクタ15aで分解した液体成分Lとガス成分Gは、液・ガス分離器15bで分離され、受液器15cに溜まった液体成分Lは、液体ライン33により、ポンプ16で加圧され、冷熱回収装置13で減圧前のガスハイドレートHを冷却した後、ハイドレート生成リアクタ11に送られる。また、分離されたガス成分Gは、ガスライン32により、圧縮機17で加圧及び圧縮されてハイドレート生成リアクタ11に送られる。
そして、ハイドレート生成リアクタ11においては、高圧に維持されると共に、固体を含む混合液又は液体成分Lhは冷却器12で海水、冷却水、低温水、ブライン等で形成される外部冷却媒体と熱交換し、ガスハイドレートH側の熱を外部冷却媒体に放熱し、冷却されてハイドレート生成リアクタ11に戻り、ガスハイドレートHを冷却する。
また、ハイドレート生成リアクタ11でガスハイドレートHの生成時に分離された、ガスハイドレートHの生成を促進する添加剤Aを添加剤用ライン35により、ポンプ16の上流側に供給し、液体成分Lに混合する。
なお、液体ライン33で移送される液体の全流量に対して添加剤用ライン35により液体ライン33に供給される添加剤Aとしてのテトラヒドロフランの流量を10%以上に設定し、液体ライン33で移送される液体中のテトラヒドロフランの濃度を10体積%以上としている。
これは、図2のグラフに示すように、テトラヒドロフランの濃度を10体積%以上とした場合に、メタンガスハイドレートの生成圧力を低下させる効果が認められるためである。
そして、冷却器12の冷却とポンプ16と圧縮機17の昇圧により、高圧低温状態で、ガス成分Gは液体成分Lに取り込まれてガスハイドレートHが生成される。
この冷凍サイクルを繰り返すことにより、ハイドレート分解システム15において冷凍機能を発揮する。
そして、このハイドレート生成リアクタ11では、圧力が高いと容器の耐圧が問題になり、圧力が低いとガスハイドレートHが生成しなくなり、又、温度が高いとガスハイドレートHが分解したり、温度が0℃以下になると液体成分Lが氷結したりして、ガスハイドレートHの生成効率が低下するので、適正な圧力及び温度に維持することが重要となる。
そのため、図示しないセンサや圧力制御装置により、ガスハイドレートH、液体成分L、ガス成分Gの循環量や、ハイドレート分解システム15、冷熱回収装置13、冷却器12の熱交換量を制御し、各機器における圧力及び温度を調整制御する。
ここで、本実施形態では、液体成分Lである水に添加剤Aとしてのテトラヒドロフランが上述した濃度で混入されており、メタンガスハイドレートの生成圧力が極力下げられているので、液体成分L及びガス成分Gの圧力を大きく下げることが可能となっている。このため、ハイドレート生成リアクタ11の容器の耐圧性の問題が解消される。また、ポンプ16、圧縮機17の動力を大きく下げることができるので、消費エネルギーを低減できる。
この結果、ハイドレート生成リアクタ11の圧力、温度を、5.0MPa、25℃、ハイドレート分解システム15の圧力、温度を0.69MPa、温度10℃と設定して、ハイドレート分解システム15で冷却し外部に供給するブラインの温度15℃を得ることが可能となっている。
ところで、ハイドレートライン31で移送されるスラリー状のハイドレートHは、タービン14を圧力エネルギーで回転させる。タービン14の回転軸と、ポンプ16の駆動源の回転軸とは動力変換機構18で連結されており、タービン14の回転力がポンプ16の動力に変換される。即ち、移送されるハイドレートHの圧力エネルギーを回収して、回収したエネルギーをポンプ16の駆動エネルギーとして使っている。
ここで、図3の表に示すように、冷凍能力660000kcal/Hr(220USRT)を得るために圧縮機17、ポンプ16が消費するエネルギーは、タービン14で動力の回収を行わない従来の冷凍システムでは、147kw((圧縮機:102kw)+(ポンプ:45kw))となっているが、タービン14で動力の回収を行う本実施形態の冷凍システム10では、118kw((圧縮機:102kw)+(ポンプ:45kw)−(タービン:29kw))となっている。即ち、タービン14によって動力を回収することで、冷凍システム10全体の消費エネルギーを20%程低減できる。
なお、本実施形態では、冷凍システム10を例に取って本発明の冷却システムを説明したが、冷却対象物を冷凍させることは必須ではなく、単に冷却させるだけの場合でも、本発明を適用可能である。
また、本実施形態では、冷媒としてガスハイドレートを使用したが、これに限らず、他のクラスレートも冷媒として使用可能である。
さらに、本実施形態では、回転式の動力変換機構18を例に取って本発明の動力変換手段を説明したが、図4に示すように、往復動式の動力変換機構50も本発明に適用可能である。
本実施形態の冷却システムの概略構成を示す図である。 メタンガスハイドレートの生成平衡データを示すグラフである。 本実施形態の冷却システムと従来技術の冷却システムの消費エネルギーとの比較を示す表である。 本発明の冷却システムの変形例の概略構成を示す図である。
符号の説明
10 冷却システム
11 ハイドレート生成リアクタ(クラスレート生成装置)
13 冷熱回収装置(冷却装置)
14 タービン
15 ハイドレート分解システム(クラスレート分解装置)
16 ポンプ
17 圧縮機
18 動力変換機構(動力変換手段)
31 ハイドレートライン
32 ガスライン
33 液体ライン
35 添加剤用ライン
H ハイドレート(クラスレート)
G ガス成分
L 液体成分
A 添加剤

Claims (5)

  1. クラスレート生成用の液体成分とクラスレート生成用のガス成分を供給されてクラスレートを生成するクラスレート生成装置と、
    前記クラスレート生成装置で生成されたクラスレートを液体成分とガス成分に分解し、吸熱するクラスレート分解装置と、
    前記クラスレート生成装置から前記クラスレート分解装置へクラスレートを移送するクラスレートラインと、
    前記クラスレート分解装置から前記クラスレート生成装置へ液体成分を移送する液体ラインと、
    前記クラスレート分解装置から前記クラスレート生成装置へガス成分を移送するガスラインと、
    前記液体ラインに設けられ、移送される液体成分を昇圧するポンプと、
    前記ガスラインに設けられ、移送されるガス成分を圧縮する圧縮機と、
    を備える冷却システムであって、
    前記クラスレートラインに設けられ、移送されるクラスレートを動力源として回転するタービンと、
    前記タービンの回転力を前記ポンプの動力に変換する動力変換手段と、
    を有することを特徴とする冷却システム。
  2. 前記クラスレート生成装置でクラスレートから分離された添加剤を前記液体ラインに混入する添加剤ラインを有することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム。
  3. 前記液体成分が水で、前記ガス成分がメタンで、添加剤がテトラヒドロフランであり、液体ラインで移送される水に含まれるテトラヒドロフランの濃度を10体積%以上としたことを特徴とする請求項2に記載の冷却システム。
  4. 前記クラスレートラインで移送されるクラスレートを前記液体ラインで移送される液体成分によって冷却する冷却装置を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の冷却システム。
  5. 前記クラスレートがハイドレートであり、前記クラスレート生成装置がハイドレート生成装置であり、前記クラスレート分解装置がハイドレート分解装置であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の冷却システム。
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