JP2006200216A - 車両用スライドドアのガイドローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】 支持軸の強度を弱めることなく支持部材への取付け及び位置調整を簡単に行うことが可能なガイドローラを提供する。
【解決手段】 支持部材11の長穴15に支持軸21のネジ部23を挿通して裏側からナット16で固着する際に、切欠平面34を当接部15aに当接させながら挿通させると共にネジ部23の長穴15に対する挿通位置を調節可能としたので、円柱状の支持軸21にカシメ用の係合部を形成する必要がなく、ガイドローラ20の強度の低下を防止することができると共に、予め支持部材11をスライドドアに固定した上で、ガイドローラ20を支持部材11にネジ止めするだけでレールに対するガイドローラ20の位置決めを行うことができるため、その作業性の効率化を図ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車体側に設けられるレールに沿って転動するガイドローラであって、スライドドアに連結される支持部材に回転自在に軸支されるガイドローラに関するものである。
車両のスライドドアは、車体開口部の上縁部に設けたアッパレール、車体開口部に隣接する車体後部側壁の高さ方向中央部に設けたセンタレール及び車体開口部の下縁部に設けたロアレールに、スライドドアの前端上部に設けたアッパガイドローラ、後端の高さ方向中央部に設けたセンタガイドローラ及び前端下部に設けたロアガイドローラをそれぞれ転動可能に係合させて、スライドドアを車体側壁に沿ってスライド可能に支持し、このスライドドアのスライドにより開閉できるようになっている。
ところで、スライドドアのガイドローラとして、例えば、特開2003−176661号公報に示されるように、外輪の外周面及び上面に合成樹脂を被覆したベアリングタイプのローラが使用されている。このようにベアリングタイプのガイドローラが使用される理由として、ガイドローラが部品点数の少ない樹脂ソリッドのローラとして構成されたものを使用した場合に、スライドドアの荷重によって樹脂ソリッドローラが偏摩耗してスムーズな回転が妨げられ、最悪の場合に、樹脂ソリッドローラが破損してスライドドアが車体から脱落するという欠点があるためである。ベアリングタイプのガイドローラであれば、少なくともローラの構造体が金属(軸受鋼)よりなる外輪であるため、ローラ自体が割れ難く、仮に樹脂部が破損してもスライドドアが車体から脱落し難いという利点がある。
特開2003−176661号公報(図3、図8参照)
しかしながら、上記特開2003−176661号公報の図3に示されるガイドローラは、外輪の外周面及び上面を樹脂部で被覆し、且つ支持部材であるブラケットへの固着構造がカシメ構造であるため、支持軸の中程にカシメ治具を装着するための凹溝状の係合部が形成されている。このため、支持軸の直径が凹溝状の係合部の部分で細くなるので、強度が低下すると共に形状が複雑となり加工コストがかかるという問題があった。さらに、上記特開2003−176661号公報の図8に示されるガイドローラでは、ブラケットへの取付けをカシメ固定ではなく、上記の凹溝状の係合部が形成されていないネジ固定による構造のガイドローラも開示されているが、このガイドローラのブラケットへの詳細な取付け構造が開示されていないものの、図3に示されるガイドローラと同じ取付け構造であるとした場合に、ガイドローラをブラケットに対して決められた位置にしか固着できないため、ガイドローラの位置決めをブラケットとスライドドアとの間で行わなければならず、結果的に位置調整する部品が重くなり微妙な調整が行い難いという問題があった。そのため、ネジ部に切欠平面を形成したものもあったが、軸のネジ部分が全周になくナットとの締付強度が十分に確保できない場合があった。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、支持軸の強度を弱めることなく支持部材への取付け及び位置調整を簡単に行うことが可能なガイドローラを提供することにある。
本発明が採用した解決手段を図面を参照して説明すると、請求項1に係る発明は、図1乃至図3に示すように、車体外板1a〜1d(車体側)に設けられるアッパレール3(ガイドレール)に沿って転動するガイドローラ20であって、スライドドア6に連結される支持部材11に回転自在に軸支されるガイドローラ20において、前記ガイドローラ20は、前記支持部材11にネジ止め固着される円柱状の支持軸21と、該支持軸21の外周を囲むように複数のベアリング26を介して配置される軸受鋼からなるリング状の外輪28と、該外輪28の外周面及び上面を覆う合成樹脂製の被覆部材32と、から構成され、前記支持軸21には、前記円柱状の下方に形成されるネジ部23の上端周囲に該ネジ部23の強度を向上させる回り止め座33と、該回り止め座33の上端周囲に倒れ防止用のフランジ部22と、が周設されると共に、前記回り止め座33の外周の対面する位置に上下方向に切り欠いて切欠平面34が形成され、前記支持部材11には、前記切欠平面34と当接する当接部15aを有する長穴15が形成され、前記支持部材11の長穴15に前記支持軸21のネジ部23を挿通して裏側からナット16で固着する際に、前記回り止め座33の切欠平面34を前記当接部15aに当接させながら挿通させると共に前記支持軸21の前記長穴15に対する挿通位置を調節可能としたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1記載のガイドローラ20において、前記支持軸21に焼入れ・焼戻し処理の後、窒化処理が施されることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2記載のガイドローラ20において、前記被覆部材32が軟化温度の高い46ナイロン又は芳香族ナイロンを主成分として特殊繊維を混合した繊維強化型合成樹脂よりなることを特徴とする。なお、被覆部材32に混合される特殊繊維としては、アラミド繊維やカーボン繊維が挙げられる。
また、請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガイドローラ20において、前記支持軸の前記ベアリングが当接する軌道凹部あるいは前記外輪の前記ベアリングが当接する軌道凹部のいずれか一方又は両方の表面に研削加工が施されることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガイドローラ20において、前記ベアリングに10〜30μmの厚さのリン酸塩皮膜が形成されることを特徴とする。
さらに、請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガイドローラ20において、前記フランジ部の前記支持部材が当接するフランジ部当接面は、凹凸形状に形成されることを特徴とする。
請求項1に係る発明においては、支持軸21が支持部材11に対してネジ止め固着されるので、円柱状の支持軸21にカシメ用の係合部を形成する必要がなく、ガイドローラ20の強度の低下を防止することができる。
また、ネジ部23の上端周囲に回り止め座33が形成されているため、ネジ部23の根元部分の径が大きくなり、ネジ部23の締め付けに対する強度を向上させることができる。
また、支持部材11の長穴15に支持軸21のネジ部23を挿通して裏側からナット16で固着する際に、回り止め座33に形成される切欠平面34を長穴15の当接部15aに当接させながら挿通させると共に支持軸21の長穴15に対する挿通位置を調節可能としたので、予め支持部材11をスライドドア6に固定した上で、ガイドローラ20を支持部材11にネジ止めするだけでレール3に対するガイドローラ20の位置決めを行うことができるため、その作業性の効率化を図ることができる。
また、回り止め座33に形成される切欠平面34を長穴15の当接部15aに当接させるため、支持軸21が支持部材11に対して回転することがなく、これにより、ネジ部23に対するナット16の緩みを防止することができる。
また、上記のように、長穴15の当接部15aに当接させる切欠平面34を回り止め座33に形成したため、切欠平面34をネジ部23に形成した場合のようにネジ部面積が減少することがなく、ネジ部23に対する締め付け力を低減させることがない。
さらに、ネジ部23に切欠平面34を形成する場合には、ネジ部23の形成後に切削加工により行なわなければならないが、回り止め座33への切欠平面34の形成は、金型による成型加工によって行なうことができるため、ネジ部23へ切欠平面34を形成する場合よりも安価であり、これにより、ガイドローラ20のコストダウンを図ることができる。
請求項2に係る発明においては、支持軸21に焼入れ・焼戻し処理の後、窒化処理が施されるので、支持軸21の伸びを損なうことなく、ガイドローラ20とベアリング26との摩耗を抑制することができる。
請求項3に係る発明においては、被覆部材32を軟化温度の高い46ナイロン又は芳香族ナイロンを主成分として特殊繊維を混合した繊維強化型合成樹脂としたので、強度を高めることができると共にED塗装時における温度によって合成樹脂製の被覆部材32のレールと当接していた部分がフラットな面となることはないので、ガイドローラ20のレール3に対するスムーズな転動を維持することができる。
請求項4に係る発明においては、支持軸21の軌道凹部25あるいは外輪28の軌道凹部30のいずれか一方又は両方の表面に研削加工を施したので、軌道凹部25,30の面精度を向上させることにより、ベアリングのスムーズな転動を維持することができ、異音の発生を防止することができる。
請求項5に係る発明においては、ベアリング26に10〜30μmの厚さのリン酸塩皮膜を形成したので、ベアリング26と支持軸21の軌道凹部25及び外輪28の軌道凹部30との間の摩擦が低減するとともに、異材質が介在して凝着を抑制することにより、車体の振動に起因するベアリング26表面でのフレッチングの発生を防止することができる。
請求項6に係る発明においては、フランジ部22の支持部材11が当接するフランジ部当接面22aが凹凸形状に形成されるため、支持軸21が支持部材11に対して滑りにくくなり、これにより、ネジ部23に対するナット16の緩みを防止することができる。
以下、本発明に係る車両用スライドドアのガイドローラの一実施形態について図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係るガイドローラ20が適用されるアッパレール部分の断面図であり、図2は、ガイドローラ20が適用されるアッパガイドローラ機構10の分解斜視図であり、図3は、ガイドローラ20の内部構造を示す一部破断正面図であり、図4は、ガイドローラ20の底面図である。
車両のスライドドアは、前述したように、車体開口部の上縁部に設けたアッパレール、車体開口部に隣接する車体後部側壁の高さ方向中央部に設けたセンタレール及び車体開口部の下縁部に設けたロアレールに、スライドドアの前端上部に設けたアッパガイドローラ、後端の高さ方向中央部に設けたセンタガイドローラ及び前端下部に設けたロアガイドローラをそれぞれ転動可能に係合させて、スライドドアを車体側壁に沿ってスライド可能に支持し、このスライドドアのスライドにより開閉できるようになっている。図示の実施形態は、本発明に係るガイドローラを上記のアッパガイドローラ機構10に適用したものを示している。
図1に示すように、アッパレール3は、複数の車体外板1a〜1dを溶接して組み付けることにより形成される断面ほぼコ字状で開口が側方に開放するレール敷設用の凹部2内に取り付けられている。そして、アッパレール3は、ガイドローラ20が収納されるガイドローラ室4が形成されるように下向き開口の逆さコ字状に形成されている。なお、凹部2の下端部には、スライドドア6を閉めたときに、スライド開口とスライドドア6との密着性を確保するためのゴム製のパッキン5が装着されている。
上記のように構成されるアッパレール3には、アッパガイドローラ機構10のガイドローラ20が転動可能に係合され、アッパガイドローラ機構10の支持部材11を介してスライドドア6と連結されている。ここで、アッパガイドローラ機構10について図1及び図2を参照して説明する。
アッパガイドローラ機構10は、平面視で逆L字状に形成された支持部材11と、該支持部材11の一端辺を形成するガイドローラ取付片部14に回転自在に取り付けられるガイドローラ20と、から構成されている。より詳細には、図2に示すように、逆L字状に形成される支持部材11の一端辺は、垂直方向に垂下したドア取付片部12として形成されており、そのドア取付片部12の左右離れた位置にドア取付穴13a,13bが穿設されている。このドア取付穴13a,13bは、図1に示すように、支持部材11をスライドドア6の上端部内側にボルト18によって取り付けるための取付穴である。
一方、逆L字状に形成される支持部材11の他端辺は、前記ドア取付片部12に対して直交する方向に延説されたガイドローラ取付片部14として形成されており、その上面先端よりにトラック形状の長穴15が穿設されている。そして、この長穴15にガイドローラ20の支持軸21が挿通されて裏面からナット16で締着される。また、長穴15の長手方向の内周は、支持軸21の回り止め座33に形成される切欠平面34と当接する直線状の当接部15aとなっている。なお、支持部材11のL字状の角部の前面側には、スライドドア6を閉めたときに、車体側に形成される係合溝(図示しない)に係合する案内突起17が突設され、スライドドア6の最終閉止位置の位置決めを行っている。
上記のように構成されるアッパガイドローラ機構10は、ガイドローラ20がアッパレール3のガイドローラ室4に収納されてスライドドア6のスライド移動に伴ってガイドローラ室4の左右の側面と当接しながら転動するようになっている。
次に、ガイドローラ20の詳細な構成について主として図3及び図4を参照して説明する。ガイドローラ20は、前記支持部材11のガイドローラ取付片部14にネジ止め固着される円柱状の支持軸21と、該支持軸21の外周を囲むように複数のベアリング26を介して配置される軸受鋼からなるリング状の外輪28と、該外輪28の外周面及び上面を覆う合成樹脂製の被覆部材32と、から構成されている。
支持軸21は、中炭素鋼(例えば、S35C、S45C)の円柱部材によって形成され、そのほぼ中程よりやや下方に倒れ防止用のフランジ部22が周設され、そのフランジ部22の下方にネジ部23の強度を向上させる回り止め座33が形成され、更に、回り止め座33の下方がネジ部23となっている。フランジ部22の支持部材11が当接するフランジ部当接面22aは、凹凸形状に形成されている。この凹凸形状は、例えば、格子状に形成されるものやあるいは波形に形成されるもの等である。
また、回り止め座33は、円筒の外周の対面する位置を上下方向に切り欠いた形状に形成され、この切欠が切欠平面34として形成されている。この切欠平面34は、前述したように支持軸21のネジ部23を支持部材11の長穴15に挿通したときに当接部15aに当接するようになっている。この切欠平面34は、上記のように、回り止め座33に形成されるものであるため、金型による成型加工によって行なうことができる。このため、ネジ部23に切欠平面34を形成する場合のように、ネジ部23の形成後に切削加工により行なわなければならないということがなく、ネジ部23へ切欠平面34を形成する場合よりも安価であり、これにより、ガイドローラ20のコストダウンを図ることができる。
また、上記のように、回り止め座33がネジ部23の上端周囲に形成されているため、ネジ部23の根元部分の径が大きくなり、ネジ部23の締め付けに対する強度を向上させることができる。
また、回り止め座33の円弧部分の直径よりも長穴15の長手方向の寸法が長いので、支持軸21の締着位置を長穴15内で移動させることが可能である。さらに、支持軸21の上方部分には、ベアリング26が当接する円弧状の軌道凹部25が形成されている。この軌道凹部25の表面には、研削加工が施されているため面精度が向上し、これにより、ベアリングのスムーズな転動を維持することができ、異音の発生を防止することができる。
ところで、支持軸21は、ベアリング26の軌道となる軌道凹部25に対して耐摩耗性向上のための硬さを要求される一方、ネジ部23に対してネジ締め付け時のねじりに耐える軟らかさ(伸び)という相反する性能が要求される。この相反する性能を確保するために中炭素鋼の軌道凹部25のみに高周波焼き入れを施すことがあるが、焼き入れ部分が限定的であるため作業性が悪いと言う欠点があった。そこで、本実施形態に係る支持軸21では、中炭素鋼の支持軸21の全体に焼き入れ焼き戻し処理を行うことで伸びを損なうことなく適度な硬さを併せ持たせ、作業性も向上させることができた。更に、支持軸21に窒化処理を施すことにより軌道凹部25の摺動特性(耐摩耗性、低摩擦性)を向上させ防錆力も向上させることができた。
また、上記した支持軸21と外輪28との間には、複数のベアリング26がリテーナ27によって等間隔に配置されるようになっている。ベアリング26の間にはグリス油が塗布されている。また、支持軸21の外周を囲むように配置されるリング状の外輪28は、外周面下端に鍔部29が一体形成されると共にその内周面に前記ベアリング26が当接する円弧状の軌道凹部30が形成されている。そして、外輪28は、軸受鋼(例えば、SUJ−2)によって構成されていると共にその全体に真空焼入れ処理が施されている。このように、外輪28の全体を真空焼入れ処理することにより、軌道凹部30の硬度がHRc58〜65となっているため、ベアリング26との摩擦摩耗に対して耐久性を有するように構成されている。なお、外輪28の軌道凹部30の表面には、上記した支持軸21の軌道凹部25と同様に、研削加工が施されているため面精度が向上し、これにより、ベアリング26のスムーズな転動を維持することができ、異音の発生を防止することができる。
また、上記したベアリング26には、10〜30μmの厚さのリン酸塩皮膜を形成したので、ベアリング26と支持軸21の軌道凹部25及び外輪28の軌道凹部30との間の摩擦が低減するとともに、異材質が介在し凝着を抑制することにより、車体の振動に起因するベアリング26表面でのフレッチングの発生を防止することができる。このリン酸塩皮膜としては、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カルシウム、リン酸鉄等がある。
リン酸塩皮膜の厚さが10μm未満の場合、初期のなじみ摩耗でリン酸塩皮膜が摩耗してしまう。また、リン酸塩皮膜の厚さが30μmを超えると、リン酸塩皮膜強度が低下し、皮膜層内で剥離が発生してしまう。従って、リン酸塩皮膜の厚さが10μm〜30μmの範囲で、フレッチングの発生を防止する効果を奏することができる。
合成樹脂製の被覆部材32は、66ナイロンよりも軟化温度の高い46ナイロン又は芳香族ナイロンを主成分としてアラミド繊維やカーボン繊維等の特殊繊維を10wt%以下(望ましくは2〜6wt%)混合した繊維強化型合成樹脂によって構成されている。そして、この被覆部材32は、インサート成型によって外輪28の外周面及び上面を被覆するように設けられるが、被覆部材32を被覆したときには、被覆部材32の下端が外輪28の鍔部29に掛けとめられるので、外輪28から合成樹脂製の被覆部材32が脱落することがなく、さらに、合成樹脂製の被覆部材32を軟化温度の高い46ナイロン又は芳香族ナイロンを主成分として特殊繊維を混合した繊維強化型合成樹脂としたので、強度を高めることができると共にED塗装時における温度によって合成樹脂製の被覆部材32のガイドレールと当接していた部分がフラットな面となることはない。このため、スライドドア6のスムーズな移動を維持することができる。以上説明した支持軸21とベアリング26と外輪28と被覆部材32とからなるガイドローラ20においては、支持軸21を外輪28に組み込んだ状態でその下面がシールリング31で密封されて内部に異物が混入しないようになっている。
上記の構造からなるガイドローラ20を支持部材11に取り付けるためには、ガイドローラ20のネジ部23をガイドローラ取付片部14の長穴15に挿通してフランジ部22のフランジ部当接面22aをガイドローラ取付片部14の上面と当接させる。なお、ネジ部23を長穴15に挿通させる際には、回り止め座33の切欠平面34を長穴15の当接部15aに当接させながら挿入することにより行う。その後、ナット16をガイドローラ取付片部14の裏面から締着する。そして、この締着の際には、切欠平面34が当接部15aに当接挟持された状態となっているので、回り止め機能を奏し、ネジ部23に対するナット16の締着作業が行い易い。ただし、この締着時には、長穴15に対して支持軸21が移動し得る程度に緩く締着しておけばよい。
また、上記のようにしてガイドローラ20を支持部材11にネジ止め固着したアッパガイドローラ機構10をスライドドア6の上端部内側にボルト18によって堅固に固定した状態で、スライドドア6の全体をアッパレール3に取り付けるには、まず、ガイドローラ20をアッパレール3のガイドローラ室4に挿入し、その後、ガイドローラ20の最終的な位置調整をしてナット16を堅固に締着する。そして、ナット16の最終的な締着により、フランジ部22が支持部材11の上面に当接した状態となっているので、長期間に使用によっても支持軸21が傾く等の変形を防止することができる。
なお、前述したように、フランジ部22のフランジ当接面22aが凹凸形状に形成されており、また、ナット16に形成されているフランジの支持部材11に当接する面には、図2に示すように緩み止め突起19が周回に亘って突設されているため、ナット16を最終的に定着した際、支持軸21及びナット16が支持部材11に対して滑りにくくなるため、ネジ部23に対するナット16の緩みを防止することができる。また、前述したように、回り止め座33に形成される切欠平面34を長穴15の当接部15aに当接させるため、支持軸21が支持部材11に対して回転することがなく、これによっても、ネジ部23に対するナット16の緩みを防止することができる。
また、前述したように、長穴15の当接部15aに当接させる切欠平面34が回り止め座33に形成されているため、切欠平面34をネジ部23に形成した場合のようにネジ部面積が減少することがなく、ネジ部23に対する締め付け力を低減させることがない。
なお、上記に説明してきた実施形態においては、ガイドローラ20をアッパガイドローラ機構10に組み込んだ場合について説明してきたが、センタガイドローラ機構又はロアガイドローラ機構に組み込まれるガイドローラに対しても本発明を適用することができる。
本実施形態に係るガイドローラが適用されるアッパレール部分の断面図である。 ガイドローラが適用されるアッパガイドローラ機構の分解斜視図である。 ガイドローラの内部構造を示す一部破断正面図である。 ガイドローラの底面図である。
符号の説明
3 アッパレール(ガイドレール)
6 スライドドア
10 アッパガイドローラ機構
11 支持部材
12 ドア取付片部
14 ガイドローラ取付片部
15 長穴
15a 当接部
16 ナット
20 ガイドローラ
21 支持軸
22 フランジ部
23 ネジ部
26 ベアリング
28 外輪
29 鍔部
32 被覆部材
33 回り止め座
34 切欠平面

Claims (6)

  1. 車体側に設けられるレールに沿って転動するガイドローラであって、スライドドアに連結される支持部材に回転自在に軸支されるガイドローラにおいて、
    前記ガイドローラは、前記支持部材にネジ止め固着される円柱状の支持軸と、該支持軸の外周を囲むように複数のベアリングを介して配置される軸受鋼からなるリング状の外輪と、該外輪の外周面及び上面を覆う合成樹脂製の被覆部材と、から構成され、
    前記支持軸には、前記円柱状の下方に形成されるネジ部の上端周囲に該ネジ部の強度を向上させる回り止め座と、該回り止め座の上端周囲に倒れ防止用のフランジ部と、が周設されると共に、前記回り止め座の外周の対面する位置に上下方向に切り欠いて切欠平面が形成され、
    前記支持部材には、前記切欠平面と当接する当接部を有する長穴が形成され、
    前記支持部材の長穴に前記支持軸のネジ部を挿通して裏側からナットで固着する際に、前記回り止め座の切欠平面を前記当接部に当接させながら挿通させると共に前記支持軸の前記長穴に対する挿通位置を調節可能としたことを特徴とする車両用スライドドアのガイドローラ。
  2. 前記支持軸に焼入れ・焼戻し処理の後、窒化処理が施されることを特徴とする請求項1記載の車両用スライドドアのガイドローラ。
  3. 前記被覆部材が軟化温度の高い46ナイロン又は芳香族ナイロンを主成分として特殊繊維を混合した繊維強化型合成樹脂よりなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用スライドドアのガイドローラ。
  4. 前記支持軸の前記ベアリングが当接する軌道凹部あるいは前記外輪の前記ベアリングが当接する軌道凹部のいずれか一方又は両方の表面に研削加工が施されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の車両用スライドドアのガイドローラ。
  5. 前記ベアリングにリン酸塩皮膜が形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の車両用スライドドアのガイドローラ。
  6. 前記フランジ部の前記支持部材が当接するフランジ部当接面は、凹凸形状に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の車両用スライドドアのガイドローラ。

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