JP2006200385A - 内燃機関の始動装置 - Google Patents

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好孝 松木
Naoki Osada
尚樹 長田
Hidehiro Fujita
英弘 藤田
Masahiko Suketani
昌彦 祐谷
Atsushi Mitsubori
敦士 三堀
Tadanori Nouchi
忠則 野内
Takatsugu Katayama
孝嗣 片山
Shota Hamane
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Abstract

【課題】特定の気筒における燃焼により始動させる内燃機関において、機関の停止に際し、燃焼ガスの掃気を充分に行わせる。
【解決手段】機関の停止に際し、点火の停止に先立ちエンジン回転数を上昇させ(S201〜203)、点火の停止後に機関が回転する回数又は角度を確保する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の始動装置に関し、詳細には、電気モータ等を採用したスタータによらず、特定の気筒における燃焼により機関を始動させる技術に関する。
スタータによらない、いわゆるスタータレス始動装置として、次のものが知られている。すなわち、機関の始動に際し、前回の停止時に膨張行程で停止した気筒を判定するとともに、判定した気筒で燃焼を生じさせ、この燃焼を契機として機関を回転させて、始動させるものである(特許文献1)。
特開平02−271073号公報(第2頁左上欄第7〜14行)
しかしながら、この公知の始動装置には、次のような問題がある。すなわち、機関の停止時において、機関は、点火(すなわち、燃焼)の停止により直ちに回転が停止するものではなく、ある程度惰性的に回転した後、完全に停止する。この点火の停止から完全な停止までの間に機関が回転する回数又は角度は、機関の慣性及び摩擦の大きさ等により個体同士の間でばらつきがあるとともに、1つの機関についても気温等の環境的な条件により変化する。次回の始動を考慮すると、一般的な内燃機関についていえば、点火の停止から機関が2回以上回転し、全ての気筒で燃焼ガスが充分に掃気されるのが好ましい。しかしながら、上記の理由から点火を停止した後の惰性的な回転にばらつき又は変化が生じ、燃焼ガスの掃気が充分に行われないときは、次回の始動時において、筒内に既燃ガスが残存することにより始動のための燃焼が良好に行われず、速やかに始動させることができないことが考えられる。
本発明は、機関の停止に際し、点火の停止後に機関が回転する回数を確保し、全ての気筒で燃焼ガスを充分に掃気することを目的とする。
本発明は、内燃機関の始動装置を提供する。本発明に係る装置は、膨張行程で停止した特定の気筒における点火により回転させて機関を始動させる内燃機関の始動装置であって、機関を停止させる所定の条件が成立したか否かを判定するとともに、この所定の条件が成立したと判定したときは、機関の回転数を上昇させた後、点火を停止させるものである。
本発明によれば、機関の停止に際し、点火の停止前に機関の回転数を上昇させることで、これが行われない場合に対し、点火の停止後に機関が回転する回数を確保することができる。このため、機関を燃焼ガスの掃気に必要な回数だけ確実に回転させ、全ての気筒でこの掃気を充分に行わせることができ、次回の始動に際し、燃焼を良好に生じさせ、速やかに始動させることができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(以下「エンジン」という。)1の構成を示している。本実施形態では、エンジン1として、いわゆる直噴型のガソリンエンジンを採用している。
シリンダブロック11には、ピストン12が挿入されており、ピストン12の冠面121とシリンダヘッド13の下面との間に形成される空間が、燃焼室14となる。ピストン12は、コンロッド15及びクランクアーム16を介してクランクシャフト17に連結されており、ピストン12の往復運動に連動して、クランクシャフト17が回転する。本実施形態では、気筒中心軸mを含む図1の断面で、ピストンボスの中心122を気筒中心軸m上に設定しているが、ピストンボスの中心122は、この断面で、コンロッド15とクランクアーム16との連結部cが、この中心122を通り、かつ気筒中心軸mに対して平行な直線上を上死点前に通過する位置にオフセットさせて設定してもよい。
シリンダヘッド13には、気筒中心軸mを基準とした一側に吸気ポート18が形成されており、吸気ポート18は、図示しない吸気マニホールドと接続して、吸気通路を形成している。吸気ポート18は、吸気弁19により開放及び遮断される。一方、気筒中心軸mを基準とした他側に排気ポート20が形成されており、排気ポート20は、図示しない排気マニホールドと接続して、排気通路を形成している。排気ポート20は、排気弁21により開放及び遮断される。吸気ポート18及び排気ポート20は、各気筒について2つずつ、気筒配列方向に並設されている。吸気弁19及び排気弁21は、各弁19,21の上方に設置された図示しない吸気カム及び排気カムにより夫々駆動される。なお、本実施形態では、後述するアイドル回転数制御のため、吸気制御弁71が設置されている。この吸気制御弁71は、図示しないストッロル弁(吸気通路に設けられる。)を迂回するバイパス通路に設置されている。スロットル弁が電子制御式のものである場合は、このスロットル弁に吸気制御弁71としての機能を兼ねさせることができる。
また、シリンダヘッド13には、燃料供給用のインジェクタ22が燃焼室14に臨ませて設置されており、このインジェクタ22により、燃焼室14に燃料が直接噴射される。本実施形態では、インジェクタ22は、2つの吸気ポート18,18の間に配置されており、燃焼室14に対し、側方から燃料が噴射される。また、気筒中心軸m上に、インジェクタ22により噴射された燃料を着火させるための点火プラグ23が設置されている。インジェクタ22及び点火プラグ23の動作は、後述するエンジンコントロールユニット31により制御される。
エンジン1の運転は、エンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)31により統合的に制御される。ECU31には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ41からの信号、クランク角センサ42〜44からの信号(これをもとに、エンジン回転数を算出することができる。)、及び冷却水温度を検出する温度センサ45からの信号等が入力されるとともに、パワーステアリング装置の作動スイッチ46、エアーコンディショナの作動スイッチ47、オルタネータの作動スイッチ48、イグニションスイッチ49及びスタートスイッチ50からの信号が入力される。ECU31は、これらの信号をもとに、燃料噴射弁22の噴射量及び噴射時期と、点火装置23の点火時期とを演算し、設定する。
ECU31は、特に、車速等に関して定められる所定のアイドルストップ条件が成立したときに、その後にアイドルストップ解除条件が成立するまでの間、エンジン1を一時的に停止させるアイドルストップ制御を行う。本実施形態では、このアイドルストップに際してクランクシャフト17の正確な停止位置を検出するため、クランク角センサとして、3つのセンサ42〜44が設置されている。これらのうち、2つのセンサ42,43は、クランクシャフト17に取り付けられた第1のロータ61に対して設けられている。この第1のロータには、外周に30degの間隔で凹凸が形成されており、センサ42,43は、この凹凸に応じ、クランク角で30deg毎に位置信号を出力する。また、センサ42,43は、クランクシャフト17を中心として周方向に15degだけずらして配置されており、互いに15degずつ位相をずらしてこの位置信号を出力する。残りの1つのセンサ44は、カムシャフトに取り付けられた第2のロータ(図示せず。)に対して設けられている。この第2のロータには、外周に1つの突起が形成されており、センサ44は、この突起の通過に伴い、クランク角で720deg毎に基準信号を出力する。このクランク角センサ42〜44により、15degの精度でクランクシャフト17の停止位置を検出することができる。ECU31は、アイドルストップ後の再始動に際し、検出した停止位置をもとに、アイドルストップ時に膨張行程で停止した気筒を判定するとともに、判定した気筒で燃焼を生じさせ、この燃焼を契機としてエンジン1を回転させて、始動させる。なお、エンジン回転数は、センサ42,43からの位置信号を所定の期間に亘りカウントするか、センサ44からの基準信号の発生周期を測定して、検出することができる。
次に、クランク角センサ42〜44によるクランクシャフト17の停止位置の検出について、図2により説明する。
図2は、エンジン1の停止時におけるクランク角センサ42〜44の出力波形を示している。
ECU31には、1〜48の値をとる位置カウンタCNTが設定されており、ECU31は、停止時におけるこの位置カウンタCNTの値によりクランクシャフト17の停止位置を検出する。前述の通り、センサ42,43からの位置信号POS1,POS2は、30deg毎に、かつ互いに15degずつ位相をずらして入力される。位置カウンタCNTは、基準信号REFを入力した次の位置信号(ここでは、POS1)の入力により1にリセットされ(角ANG1)、位置信号POS1,POS2の入力毎に1ずつ加算される。位置カウンタCNTは、センサ42,43からの位置信号POS1,POS2が交互に入力される場合は、各位置信号POS1,POS2の入力により1ずつ加算されるが、エンジン1の停止に際し、回転が完全に停止する直前にクランクシャフト17が逆転した場合は、一方のセンサからの位置信号(ここでは、POS2)が連続して入力されることとなる(角ANG2)。この場合に、位置カウンタCNTから1を減算することで、逆転を加味した停止位置を検出することができる。回転が完全に停止したか否かは、所定の期間に亘り位置信号POS1,POS2のいずれの入力もないことにより判定することができる(角ANG3)。
以下に、ECU31の動作について、フローチャートにより説明する。
図3は、アイドル制御ルーチンのフローチャートである。このルーチンは、イグニションスイッチ49のオンにより起動され、その後、所定の周期で実行される。このルーチンに従い、エンジン1のアイドル回転数制御、アイドルストップ及びアイドルストップ後の再始動が行われる。
S101では、所定のアイドル条件が成立したか否かを判定する。この条件が成立したときは、S102へ進み、成立していないときは、このルーチンをリターンする。本実施形態では、a)アクセル開度が所定の値以下で、アクセルペダルが完全に戻された状態にあり、かつb−1)車速が所定の値以下である低車速時であるか又はb−2)トランスミッションのシフトレバーがニュートラルにあることを条件に、次のアイドル回転数制御に移行する。なお、車速は、エンジン回転数及びトランスミッションの変速比等に基づいて算出することができる。
S102では、アイドル回転数制御を行う。この制御は、公知のいかなる方法により行われてもよいが、本実施形態では、冷却水温度、補機による負荷及びシフトレバーの位置等に基づいて目標アイドル回転数tNidlを設定し、吸入空気量の制御により実際のエンジン回転数NEを設定した目標アイドル回転数tNidlに制御する。すなわち、目標アイドル回転数tNidlとエンジン回転数NEとの差を算出し、算出した差に基づいて吸気制御弁71を開閉させることで、エンジン回転数NEを目標アイドル回転数tNidlに一致させる。
S103では、所定のアイドルストップ条件が成立したか否かを判定する。この条件が成立したときは、S104へ進み、成立していないときは、このルーチンをリターンする。本実施形態では、a)車速が所定の値以下の実質的な停車状態が所定の時間に亘り継続しており、かつb)冷却水温度が所定の温度以上であることを条件に、アイドルストップを実行する。
S104では、図4に示すフローチャートに従い、停止制御を実行する。
S105では、所定のアイドルストップ解除条件が成立したか否かを判定する。この解除条件が成立したときは、S106へ進み、成立していないときは、このS105の処理を繰り返す。本実施形態では、アクセルセンサ41により所定の値以上のアクセル開度が検出され、アクセルペダルが踏み込まれたと判断されることを条件に、アイドルストップを解除する。
S106では、クランクシャフト17の停止位置をもとに、アイドルストップ時に膨張行程で停止した気筒を判定し、この気筒に対して燃料の噴射及び点火を実行して、燃焼を生じさせ、エンジン1を始動させる。
図4は、停止制御ルーチンのフローチャートである。
S201では、アイドルストップに先立ち、エンジン回転数を上昇させる。本実施形態では、エンジン1の目標回転数として、アイドルストップ条件の成立前における目標アイドル回転数tNidlよりも大きな値の停止前目標回転数tNstpを設定し、これと一致させるようにエンジン回転数を制御することで、エンジン回転数を上昇させる。停止前目標回転数tNstpは、図5に示す傾向のテーブルから検索される停止前基本目標回転数tNstp0に、図6に示す傾向のテーブルから検索される補正値DLTを加算して、設定する(tNstp=tNstp0+DLT)。図5のテーブルにおいて、停止前基本目標回転数tNstp0は、概して目標アイドル回転数tNidlよりも大きな値に設定されており、かつ目標アイドル回転数tNidlとの差δNstpが、冷却水温度Twが低いときほど大きくなるように設定されている。本実施形態では、冷却水温度Twが所定の値Tw1以上であるときに、両者の回転数tNstp0,tNidlを一致させているが、冷却水温度Twがとり得る値全体に渡り、停止前基本目標回転数tNstp0を目標アイドル回転数tNidlよりも大きな値に設定してもよい。他方、図6のテーブルにおいて、補正値DLTは、補機による負荷に応じて設定されている。本実施形態では、この補機として、パワーステアリング装置及びオルタネータを採用している。補正値DLTは、スイッチ46,48からの信号をもとに、両者の補機が作動していると判断されるときは、比較的に大きな値Aに設定され、いずれかの補機のみが作動していると判断されるときは、この値Aよりも小さな値Bに設定され、補機のいずれもが停止していると判断されるときは、最も小さな値C(C<B<A)に設定される。
なお、補正値DLTの変更は、補機の作動状態に応じ、すなわち、パワーステアリング装置等の作動又は停止によるばかりでなく、その負荷の大きさに応じて行うこととしてもよい。この場合は、スイッチ46,48に加え、補機による負荷を検出するためのセンサを設置する。たとえば、オルタネータによる負荷は、オルタネータの発電電力に基づいて検出することができる。また、補正値DLTの変更は、オルタネータによる負荷に限らず、エアーコンディショナによる負荷に応じて行うこととしてもよい。エアーコンディショナによる負荷は、エアーコンディショナを構成するブロアーの流量に基づいて算出することができる。
S202では、所定の装置を駆動させて、エンジン回転数を上昇させる。本実施形態では、吸気制御弁71の操作により吸入空気量を増大させるか、点火時期を進角させることによる。前者の方法による場合は、エンジン回転数を大幅に上昇させることができ、後者の方法による場合は、エンジン回転数を高いレスポンスで上昇させることができる。
S203では、実際のエンジン回転数NEが停止前目標回転数tNstpに到達したか否かを判定する。到達した場合は、S204へ進み、到達していないときは、S202及び203の処理を繰り返す。
S204では、アイドルストップのため、点火プラグ23の点火コイルに対する通電信号の出力を遮断し、全ての気筒における点火を停止させる。
S205では、インジェクタ22のソレノイドに対する駆動信号の出力を遮断し、全ての気筒における燃料の噴射を停止させる。
本実施形態に関し、図3に示すフローチャートのS101の処理が「停止判定手段」に、図4に示すフローチャートのS201〜203の処理が「回転制御手段」に、同フローチャートのS204の処理が「点火停止手段」に、冷却水温度センサ45が「温度検出手段」に、インジェクタ22が「燃料噴射手段」に相当する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
すなわち、本実施形態では、アイドルストップに先立ち、エンジン回転数を上昇させ、より高い回転数tNsptからエンジン回転数を低下させることで、点火の停止後、回転が完全に停止するまでの間に、エンジン1が回転する回数を確保することができる。このため、アイドルストップに際し、エンジン1を燃焼ガスの掃気に必要な回数だけ確実に回転させ、全ての気筒でこの掃気を充分に行わせることができ、次回の始動に際し、燃焼を良好に生じさせ、速やかに始動させることができる。
図7は、この効果を示すものである。アイドルストップに先立ち、エンジン回転数を上昇させた場合のものを実線で示し、通常の目標アイドル回転数tNidlを維持した場合のものを二点鎖線で示している。点火の停止後にエンジン回転数が低下する際の傾きは、両者の場合で大きな差はないため、エンジン回転数を上昇させたことで、点火の停止(時刻t0)後、回転が完全に停止するまでの期間を延長し、クランクシャフト17が回転する角度(「停止回転角度」という。)を充分に確保することができる。図7は、エンジン回転数を停止前目標回転数tNstpに上昇させたことで、点火の停止後、回転が完全に停止するまでの間に、エンジン1をクランク角で720度以上回転させ、クランクシャフト17を2回以上回転させ得ることを示している。
また、本実施形態では、停止前目標回転数tNstpを冷却水温度Tw及び補機による負荷に基づいて設定することで、環境等の条件によらず、停止回転角度を確実に確保することができる。すなわち、冷却水温度Twを検出し、これが低いときほど目標アイドル回転数tNidlから大きく上昇させたエンジン回転数Nstpでアイドルストップを実行することで(図5)、環境等の変化による摩擦の増大に対応し、停止回転角度を確保することができる。他方、補機による負荷を検出し、これが高いときほど目標アイドル回転数tNidlから大きく上昇させたエンジン回転数Nstpでアイドルストップを実行することで(図6)、補機の負荷によらず、停止回転角度を確保することができる。なお、環境等による影響を緩和するため、冷却水温度Twに代え、潤滑オイルの温度又は周囲の気温を採用してもよい。この場合に、停止前基本目標回転数tNstp0に対し、図5に示すものと同様の傾向を持たせることができる。
本実施形態では、エンジン回転数の上昇に際し、冷却水温度Tw等に基づいて上昇後の目標回転数(すなわち、停止前目標回転数tNstp)自体を設定している。これに限らず、目標アイドル回転数tNidlからの回転数の上昇代δNstpを算出し、これを目標アイドル回転数tNidlに加算することとしてもよい。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る停止制御ルーチンのフローチャートである。なお、本実施形態に係るエンジンの構成は、図1に示す先の実施形態のものと同様である。
ECU31は、アイドル判定後、所定のアイドルストップ条件の成立によりこの停止制御を実行する。
アイドルストップに先立ち、図5,6に示す傾向のテーブルを参照して、停止前基本目標回転数tNstp0及び補正値DLTを算出し、停止前目標回転数tNstpを設定する(tNstp=tNstp0+DLT:S201)。設定した停止前目標回転数tNstpに基づいて吸気制御弁71等の所定の装置を駆動させ(S202)、エンジン回転数NEが停止前目標回転数tNstpに到達したときは(S203)、点火プラグ23を停止させるとともに(S204)、インジェクタ22を停止させる(S205)。
S301では、点火(すなわち、燃焼)の停止から回転が完全に停止するまでの間にエンジン1が回転した角度Astpを検出する。この停止回転角度Astpは、クランク角センサ42〜44の出力に基づいて容易に検出することができる。
S302では、検出した停止回転角度Astpに基づいて停止前基本目標回転数tNstp0を補正する。本実施形態では、図9に示す傾向のテーブルからの検索により学習値HOSnを算出し、これをテーブル(図5)上の停止前基本目標回転数tNstp0に加算することによる。図9のテーブルにおいて、学習値HOSnは、停止回転角度Astpが大きいときほど小さな値に設定されており、720deg以上の停止回転角度Astpに対して0に設定されている。全ての気筒で掃気を行わせるのに必要な停止回転角度が確保されているためである。この学習値HOSnによる停止前基本目標回転数tNstp0の補正は、冷却水温度Twの領域毎に行われるのが好ましい。図5において、この補正後の停止前基本目標回転数tNstp0を一点鎖線で示す。停止前基本目標回転数tNstp0の補正は、次回のアイドルストップに際し、停止前目標回転数tNstpの設定(S201)に反映される。
本実施形態に関し、特に、図8に示すフローチャートのS301が「停止回転角度検出手段」に、同フローチャートのS201〜203,302の処理が「回転制御手段」に相当する。
本実施形態によれば、アイドルストップに際し、停止回転角度Astpに基づいて燃焼ガスの掃気が全ての気筒で充分に行われたか否かを判定し、これが充分に行われていないときは、停止前基本目標回転数tNstp0を増大させたことで、次回のアイドルストップ時において、より高いエンジン回転数Nstpでアイドルストップを行い、停止回転角度を確保することができる。このため、エンジン1における経年的な摩擦の増大等によらず、アイドルストップ時における掃気を確実に行い、エンジン1の始動性を維持することができる。
なお、以上では、エンジン1を常に特定の気筒における燃焼により始動させることとしたが、エンジン1の冷機時における始動性を確保するため、電気的に作動するスタートモータを設置し、アイドルストップ後の再始動に際して冷却水温度等が所定の温度に満たないときは、このスタートモータによりエンジン1のクランキングを行い、始動させることとしてもよい。
また、以上では、アイドルストップ後の再始動時を対象に説明したが、本発明は、イグニションスイッチがオフされることによるエンジン1の停止後の始動時に適用することもできる。
更に、以上では、エンジン1として直噴型のものを採用した場合について説明したが、本発明は、燃料供給用のインジェクタが吸気通路に臨ませて設置され、燃料と空気とを吸気前に予め混合させるものに適用することもできる。この場合は、エンジン1の停止に際し、点火のみを停止させ、燃料の噴射を継続させることで、筒内に混合気を充填させた状態でエンジン1を停止させる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関の構成 クランク角センサからの出力に対する位置カウンタの変化 アイドル制御ルーチンのフローチャート 停止制御ルーチンのフローチャート 停止前基本目標回転数tNstp0のテーブルデータ 補機による負荷に対する停止前目標回転数の補正値DLTのテーブルデータ アイドルストップ前にエンジン回転数を上昇させることの効果 本発明の他の実施形態に係る停止制御ルーチンのフローチャート 停止前目標回転数の学習値HOSnのテーブルデータ
符号の説明
1…エンジン、11…シリンダブロック、12…ピストン、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、15…コンロッド、16…クランクアーム、17…クランクシャフト、18…吸気ポート、19…吸気弁、20…排気ポート、21…排気弁、22…インジェクタ、23…点火プラグ、31…エンジンコントロールユニット、41…アクセルセンサ、42,43…単位角センサ、44…基準角センサ、45…冷却水温度センサ、46…パワーステアリング作動スイッチ、47…エアーコンディショナ作動スイッチ、48…オルタネータ作動スイッチ、49…イグニションスイッチ、50…スタートスイッチ、61…単位角検出用ロータ、71…吸気制御弁。

Claims (9)

  1. 膨張行程で停止した特定の気筒における点火により回転させて機関を始動させる内燃機関の始動装置であって、
    機関を停止させる所定の条件が成立したか否かを判定する停止判定手段と、
    この停止判定手段により前記所定の条件が成立したと判定されたときに、機関の回転数を上昇させる回転制御手段と、
    この回転制御手段により機関の回転数を上昇させた後、点火を停止させる点火停止手段と、を含んで構成される内燃機関の始動装置。
  2. 前記回転制御手段は、機関の回転数を所定の目標回転数に上昇させる請求項1に記載の内燃機関の始動装置。
  3. 前記回転制御手段は、前記所定の条件が成立する前後で、機関の回転数を所定の値だけ変化させる請求項1に記載の内燃機関の始動装置。
  4. 前記回転制御手段は、吸入空気の流量を増大させて機関の回転数を上昇させる請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
  5. 前記回転制御手段は、点火時期を進角させて機関の回転数を上昇させる請求項1〜4のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
  6. 機関の内部又は周囲の温度を検出する温度検出手段を更に含んで構成され、
    前記回転制御手段は、この温度検出手段により検出された温度に応じ、前記所定の条件の成立前からの回転数の上昇代を変化させる請求項1〜5のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
  7. 機関に対し、作動している状態で負荷を生じさせる補機を更に含んで構成され、
    前記回転制御手段は、この補機による負荷に応じ、前記所定の条件の成立前からの回転数の上昇代を変化させる請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
  8. 機関の停止に際し、前記点火停止手段による点火の停止から機関の実質的な停止までの間にこの機関が回転した停止回転角度を検出する停止回転角度検出手段を更に含んで構成され、
    前記回転制御手段は、この機関の次回の停止に際し、この停止回転角度検出手段により検出された停止回転角度に応じ、前回の停止時とは前記所定の条件の成立前からの回転数の上昇代を変化させる請求項1〜7のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
  9. 燃料を燃焼室内に直接噴射する燃料噴射手段を更に含んで構成され、
    機関の停止に際し、前記点火停止手段による点火の停止に併せ、この燃料噴射手段による燃料の噴射を停止させ、かつこの機関の次回の始動に際し、前記特定の気筒に対してこの燃料噴射手段により燃料を噴射させるとともに、この特定の気筒における点火により回転させる請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の始動装置。
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