JP2006200731A - スベリゴム基礎型免震装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 木造建築物のコンクリート製の基礎と木製の土台材との間に設置する免震装置であって、ゴムに比べて、薄くてコンパクトでありながら、地震による振動エネルギーを吸収し、また、陳列棚や工芸品等の免震装置であって、コンパクトであり、汎用性が高く、廉価なものを提供する。
【解決手段】 免震装置11の大部分を、複数の鋼板であるプレート12で構成し、その間に滑面層16を設けることで、免震装置11を厚くせずに、複数の鋼板であるプレート12の横移動と、このプレート12を被覆する弾性体である弾性体13の弾性力により、振動エネルギーを吸収することができる。また、振動を吸収するための横移動を円滑にするローラーやレール、ベアリング等の特殊な機構を設ける必要がない。したがって、コンパクトで、汎用性が高く、廉価な免震装置を提供することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 免震装置11の大部分を、複数の鋼板であるプレート12で構成し、その間に滑面層16を設けることで、免震装置11を厚くせずに、複数の鋼板であるプレート12の横移動と、このプレート12を被覆する弾性体である弾性体13の弾性力により、振動エネルギーを吸収することができる。また、振動を吸収するための横移動を円滑にするローラーやレール、ベアリング等の特殊な機構を設ける必要がない。したがって、コンパクトで、汎用性が高く、廉価な免震装置を提供することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は免震装置、特にスベリ構造とゴムの組合わせたものからなり、コンクリート製の布基礎又は束石の上に建築される木造建築の免震装置、並びに、陳列棚、工芸品、美術品、若しくは機械類を地震から守る免震装置に関するものである。
木造建築物の一般的な工法として、コンクリート製の布基礎又は束石の上に、木製の土台材や柱をアンカーボルト等で固定することで、基礎と上屋を固定する建築方法が知られている。ところが、木製の土台材や柱を直接コンクリートに固定すると接触部分がコンクリートからの湿気により腐食するといった問題や、建築物の床下の換気ができないという問題があった。そこで、木製の土台等とコンクリート基礎の間にプラスチック製の受け材が設置されていた。しかし、地震により建築物への振動が与えられた場合には、プラスチック製の受け材では、振動エネルギーを吸収することができず、基礎の破壊や上屋の歪みを引き起こしていた。
もちろん、従来技術の問題点を解決するために、様々な工夫がなされている。例えば、木造建築物の免震装置としては、プラスチック製の受け材の代わりに、ゴムと樹脂材等との積層材を用いることで、地震による振動エネルギーを吸収するものがある(特許文献1)。
ところで、陳列棚、工芸品、美術品、若しくは機械類が地震により倒壊した場合には、多大な損害が発生することとなるため、陳列棚等が倒壊しないように、従来は、例えば、陳列棚や機械類の架台又は、工芸品、美術品の陳列ケースの構造部材の断面積を大きくすることによって、陳列棚等の剛性を高めていた。ところが、構造部材の断面積を大きくすると、架台や陳列ケースの容積や重量が大きくなり、架台や陳列ケースの制作費も高額なものとなっていた。そこで、架台や陳列ケースと設置面との間にゴムなどの弾性体により震動エネルギーを吸収、減衰させる免震装置が設置されている。しかし、ゴムのみで振動エネルギーを吸収した場合には、吸収できる振動エネルギーの大きさはゴムの容積の大きさに比例し、大きい地震を想定すると、ゴムの容積も大きくする必要があった。
もちろん、従来技術の問題点を解決するために、様々な工夫がなされている。例えば、陳列棚、工芸品、美術品、若しくは機械類の架台や陳列ケースの免震装置としては、ゴムを使用する代わりに、2枚の鋼板の間にローラーとレール等を主機構として組み込んだ機械的免震装置がある(特許文献2)。これにより、免震装置を一定の大きさにすることができる。
特開平8−232500号公報
特開平10−281217号公報
しかし、木造建築物の免震装置としては、ゴムの弾性力によってのみ振動エネルギーを吸収した場合には、振動エネルギーの吸収率はゴムの弾力性に依存することとなる。しかし、ゴムは、建築物等の重量物の下に敷設された場合には圧縮され、弾力性が弱くなるので、地震による振動エネルギーを吸収するためには、ゴムを厚くしなければならない。ところが、ゴムを厚くした場合は、木製の土台等とコンクリート基礎の間に設置すると土台が不安定になるという問題があった。
また、陳列棚、工芸品、美術品、若しくは機械類の架台や陳列ケースの免震装置としては、機械的免震装置とした場合には、ローラー、レールや、ベアリング等の機構を収納するため、一定の大きさではあるものの、それでも免震装置の容積は大きいものである。また、免震装置を設置する架台や陳列ケースについて個々に制作する必要があるため、汎用性がなく、高価なものとなっている。
そこで、本発明は、かかる従来の問題点を解決すべく、木造建築物の免震装置として地震による振動エネルギーを吸収しつつ、免震装置を薄くてコンパクトにし、また、陳列棚、工芸品等を地震から守る免震装置としては、簡易、かつ、汎用性と経済性を備えた免震装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するために、本発明は、プラスチック製の受け材の代わりに、木造建築物のコンクリート製の基礎と木製の土台との間に設置する免震装置であって、ゴムに比べて、薄くてコンパクトでありながら、地震による振動エネルギーを吸収できるようにしたものである。また、陳列棚や工芸品等を地震から守る免震装置であって、コンパクトであり、汎用性が高く、廉価であるようにしたものである。より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1)床面に置かれ、所定の物品が載置される免震装置であって、複数の鋼板が積層されることによって構成された積層体と、この積層体の鋼板積層方向に直交する方向からの応力に対して復元力を与えるように前記鋼板どうしを規制してなる弾性体と、を備え、前記複数の鋼板の間には、少なくとも一層の滑面層が設けられていることを特徴とする免震装置。
(1)の発明によると、複数の鋼板の間に滑面層が設けられているので、複数の鋼板が相互に横移動し振動エネルギーを吸収する。そして、この複数の鋼板どうしを連結して一体化することによって前記積層体を構成する弾性体の復元力により、複数の鋼板の横移動を収束できる。
そして、免震装置の大部分が、鋼板で構成されているので、免震装置の大部分をゴムで構成した場合に比べて、圧縮力に対して強く、建築物のような重量物とその基礎との間に設置した場合でも、免震装置を厚くせずに、振動エネルギーを吸収し、振動を減衰できる。
したがって、木造建築物のコンクリート製の基礎と木製の土台との間に挟むプラスチック製の受け材の代わりに、設置する免震装置とした場合でも、土台の安定性を確保できる厚さとしつつ、高い免震性能を発揮できる。
また、陳列棚や工芸品等を地震から守る免震装置として使用した場合でも、鋼板を直接対向させ、複数の鋼板の間には、少なくとも一つの滑面層が設けられているので、振動エネルギーを吸収する複数の鋼板の相互の横移動を円滑にするローラー、レールやベアリング等の特殊な機構を設ける必要がない。
したがって、免震装置をコンパクトにすることができる。また、陳列棚等と床面の対向する間に、必要な個数を設置すればいいので、汎用性が高く、廉価な免震装置を提供できる。
(2)(1)に記載の免震装置において、前記弾性体は、前記積層体の周を被覆して前記複数の鋼板を一体化するものであることを特徴とする免震装置。
(2)の発明によると、最小限の弾性体で、振動エネルギーによって相互に横移動した複数の鋼板に復元力を与えることができる。したがって、よりコンパクトで廉価な免震装置を提供することができる。
(3)(1)または(2)に記載の免震装置において、前記弾性体は、垂直方向の高さが前記積層体の垂直方向の高さと略同じ高さの平板状の弾性体であり、前記積層体の形状と略同形状の開口部が設けられ、当該開口部に前記積層体が設置されていることを特徴とする免震装置。
(3)の発明によると、積層体と略同じ高さを持つ平板状の弾性体の開口部に積層体を設置している。これにより、垂直方向の圧縮力を負担する積層体の厚さや面積、及び弾性体の厚さを変えない場合でも、平板状の弾性体の面積を広くすることで、弾性体の容積を大きくすることができる。したがって、免震装置の厚さを薄くしつつ、弾性体の容積を大きくできるので、薄くてコンパクト、かつ、振動エネルギーの吸収率の大きい免震装置を提供することができる。
(4)(1)または(2)に記載の免震装置において、前記弾性体は、垂直方向の高さが前記積層体の垂直方向の高さより僅かに高い平板状の弾性体であり、前記積層体を設置する開口部が設けられ、この開口部の断面形状は、前記弾性体の水平面の一方における開口部の側縁を、前記積層体の水平面の外周より僅かに大とし、前記弾性体の水平面の他方における開口部の側縁を、前記積層体の水平面の外周より僅かに小となるように傾斜面を形成することを特徴とする免震装置。
(4)の発明によると、積層体を設置する弾性体の開口部の断面形状は、一方の開口部側縁を、積層体の水平面の外周より僅かに大とし、他方の開口部側縁を、積層体の水平面の外周より僅かに小となるような傾斜面を形成している。これにより、積層体を弾性体に設置することが容易にできる。また、設置した後に、弾性体から積層体が下方に抜け落ちることを防止することができる。したがって、高い免震性能を有しつつ、設置や運搬等が簡易である免震装置を提供することができる。
(5)(1)に記載の免震装置において、前記弾性体は、前記積層体の全体を包む包皮状の弾性体であることを特徴とする免震装置。
(5)の発明によると、積層体の全体を包皮状の弾性体で被覆しているので、弾性体が積層体から分離しない。また、積層体が密封されているので、積層体を構成する鋼板と鋼板の間に水分や塵等が入り、摩擦係数が大きくなることもない。したがって、安定した免震性能を発揮する免震装置を提供できる。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の免震装置において、前記滑面層は、一対の鋼板の対向面と、この対向面の間に挟まれた介在体とからなるものであることを特徴とする免震装置。
(6)の発明によると、滑面層を鋼板の対向面の他に、別の部材である介在体も用いることで、滑面層の摩擦係数をさらに小さくすることができ、鋼板自体は汎用されている鋼板をそのまま利用しても高い免震性能を有する免震装置を提供できる。
(7)(1)から(6)のいずれかに記載の免震装置において、前記滑面層は、潤滑処理されている対向面からなるものであることを特徴とする免震装置。
(7)の発明によると、鋼板の横移動がより円滑になる。したがって、より安定した免震性能を発揮する免震装置を提供できる。
(8)(1)から(7)のいずれかに記載の免震装置において、前記弾性体は、ゴムからなるものであることを特徴とする免震装置。
(8)の発明によると、物品と床面が接する弾性体をゴムとすることで、免震装置に載置された所定の物品が地震によって横滑りすることがない。したがって、地震による振動エネルギーをより的確に免震装置で吸収できる。
(9)(1)から(8)のいずれかに記載の免震装置において、前記複数の鋼板は、円板状の鋼板であり、前記弾性体は円筒形状のものであることを特徴とする免震装置。
(9)の発明によると、鋼板の形状を円形として、この鋼板を弾性体で被覆しているので、水平方向のあらゆる方向からの振動に対しても、同様な免震性能を発揮できる免震装置を提供できる。
(10)(1)から(9)のいずれかに記載の免震装置において、前記複数の鋼板の側縁は、面取りされている鋼板であることを特徴とする免震装置。
(10)の発明によると、鋼板の側縁の角が弾性体に引っ掛かることがないので、より円滑に鋼板が横移動できるので、安定した免震性能を発揮する免震装置を提供できる。
また、鋼板の側縁の角によって、鋼板を被覆している弾性体を傷めることがなく、免震装置としての耐久性を向上することができ、経済的である。
(11)基礎と、この基礎の上に設置される土台と、を有する建築物であって、前記基礎と前記土台との間に、(1)から(10)のいずれかに記載の免震装置が設置されていることを特徴とする建築物。
(11)の発明によると、従来プラスチック製の土台の受け材の替わりに免震装置を設置することで、地震による振動エネルギーを吸収し、基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
(12)(11)に記載の建築物において、前記土台の上に構築される複数の構造用骨組を有し、前記構造用骨組が対向する位置に弾性ダンパー装置が設置されていることを特徴とする建築物。
(12)の発明によると、従来プラスチック製の土台の受け材の替わりに免震装置を設置し、さらに構造用骨組の対向する位置に弾性ダンパー装置を設置することで、地震による振動エネルギーを基礎部分と上屋部分で吸収できるので、相乗効果でより効果的に基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
(13)基礎と、この基礎の上に設置される土台と、を有し、前記基礎にはアンカーボルトが埋設されている建築物の建築方法であって、前記基礎を形成する工程と、前記基礎の上で前記アンカーボルトの近傍に(1)から(10)のいずれかに記載の免震装置を設置する工程と、(1)から(10)のいずれかに記載の免震装置の上に前記土台を設置する工程と、を有することを特徴とする建築物の建築方法。
(13)の発明によると、従来プラスチック製の土台の受け材の代わりに免震装置をアンカーボルトの近傍に設置するだけなので、従来のように免震装置を設置する特別な工程が必要なく、免震性能を有する建築物の建築方法を提供できる。したがって、免震性能を有する建築物を従来より早い工期で提供することができる。
(14)(13)に記載の建築物の建築方法において、前記土台の上に構造用骨組を構築する工程と、前記構造用骨組が対向する部分に弾性ダンパー装置を設置する工程と、を有することを特徴とする建築物の建築方法。
(14)の発明によると、従来プラスチック製の土台の受け材の替わりに免震装置を設置するので、新たな工程を追加することなく、免震用の弾性ダンパーを設置した建築物の免震性能をさらに高めた建築物の建築方法を提供できる。したがって、建築物全体で高い免震性能を有する建築物を従来より早い工期で提供することができる。
(15)床面に置かれ、所定の物品が載置される免震システムであって、床面に接する第1の架台と、請求項1から10のいずれかに記載の免震装置を介して、前記第1の架台に設置される第2の架台と、前記第1の架台と前記第2の架台を連結する弾性ダンパー装置と、を有することを特徴とする免震システム。
(15)の発明によると、第1の架台と第2の架台との間に、請求項1から10のいずれかに記載の免震装置を介在させることで、被免震物の重量による圧縮を受けている場合でも、第1、第2の架台が互い違いに水平移動し、地震による振動エネルギーを吸収する。さらに、第1、第2の架台を弾性ダンパーで連結することで、より大きな振動エネルギーを吸収し、元の状態に復元することができる免震システムを提供することができる。
本発明によれば、地震による振動エネルギーの高い吸収率を維持しつつ、免震装置の厚さを薄くすることができるので、コンパクトで、汎用性が高く、廉価な免震装置を提供することができる。これによって、木造建築物の基礎に設置する免震装置と、目立たぬように陳列棚の下に設置する免震装置を同形態のものとできる。
本発明に係る好適な実施形態の一例について、図面に基づいて以下に説明する。
〔本実施形態に係る免震装置の構成〕
図1は、本発明の好適な実施形態に係る免震装置11の断面図であり、図2は、免震装置11が、2枚のプレート12の周のみを弾性体13で被覆されている斜視図であり、図3は、免震装置11が、2枚のプレート12の全体を包皮状に弾性体13で被覆されている斜視図である。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る免震装置11の断面図であり、図2は、免震装置11が、2枚のプレート12の周のみを弾性体13で被覆されている斜視図であり、図3は、免震装置11が、2枚のプレート12の全体を包皮状に弾性体13で被覆されている斜視図である。
本実施形態である免震装置11は、図1、図2または図3に示されるように、2枚のプレート12が積層され、2枚のプレート12の対向する面には滑面層16が形成され、2枚のプレート12は弾性体13で被覆されている。
2枚のプレート12の材質は、炭素鋼(SS-400)の鋼板であり、形状は、それぞれの厚さが6mmで直径103mmの円板状であり、側縁はR0.5の面取りがされている。
2枚のプレート12が互いに対向する面には、滑面層16が設けられ、2枚のプレート12が互いに対向する面に、PTFEコーティングがされていて、摩擦係数を0.1から0.015としている。
弾性体13の材質は、天然ゴムであり、厚さは、2mmである。
そして、弾性体13は、図2に示されるように、免震装置11の周を被覆する。また、図3に示されるように、複数のプレート12の集合体としての積層体全体を円筒状の弾性体13で包む場合もある。さらに、図4に示されるように、プレート12の形状を角形とした場合は、弾性体13を帯状の輪として、プレート12の積層体の各辺2ヶ所に、帯状の輪とした弾性体13を掛けることもできる。
さらに、弾性体13は、図5に示されるように、垂直方向の高さをプレート12の集合体としての積層体と略同じ高さとし、形状を上記積層体と略同形状の開口部を有する四角形の平板状とすることもできる。この場合にプレート12の集合体としての積層体は、上記開口部に設置される。
また、弾性体13は、図6に示される断面図ように、垂直方向の高さをプレート12の集合体としての積層体より僅かに高くし、上記積層体を設置する弾性体13の開口部は、弾性体13の水平面における一方の開口部側縁を、積層体の水平面の外周より僅かに大きくし、他方の開口部側縁を、積層体の水平面の外周より僅かに小さくなるような傾斜面からなる断面形状にすることもできる。この場合におけるプレート12の形状は、それぞれの厚さが1.5mmで直径29mmの円形の平板であり、弾性体13の形状は、厚さが5mmで一辺100mmの正方形の平板である。なお、本発明は、これらの数値に限定されるものではない。
プレート12の材質は、SS-400に限定されるものでなく、その他の炭素鋼や、ステンレス鋼等を用いることもできる。
プレート12の枚数は2枚に限定されるものでなく、設置する場所のスペースや被免震物品の重量に応じて、枚数を増やすこともある。また、プレート12の形状、厚さは、上記の数値に限定されるものでなく、被免震物品の形状に合わせることもできる。例えば、木造建築物の免震装置として使用する場合には、図4に示されるように、木造建築物の基礎の形状に合わせて角形にすることもできる。
滑面層16は、複数のプレート12が互いに対向する面に、PTFEコーティングする代わりに、2枚のプレート12の間に介在体としてフッ素樹脂シートを挿入する場合もある。また、PTFEコーティングとフッ素樹脂シートの挿入を併用する場合もある。
弾性体13の材質は、天然ゴムに限定されるものでなく、伸縮や曲げ等の変形が可能であり、高い内部粘性、耐摩耗性、耐亀裂性、耐候性等をもつ、クロロプレンゴム等の合成ゴムとすることもできる。
弾性体13の厚さも2mmに限定されるものでなく、被免震物品の重量や用途に応じて、厚さを変えることもできる。
〔本実施形態に係る免震装置の作用〕
上記の構成によれば、鉛直方向の荷重をゴムよりも剛性の高い炭素鋼で形成されたプレート12が負担することで、地震による振動エネルギーの吸収を複数のプレート12の横移動(図1参照)と、弾性体13の弾性力によって吸収するので、ゴムのみによって振動エネルギーを吸収させる場合に比べて、免震装置11をコンパクトにすることができ、かつ、建築物のような重量物に圧縮されていても、安定して振動エネルギーを吸収することができる。
上記の構成によれば、鉛直方向の荷重をゴムよりも剛性の高い炭素鋼で形成されたプレート12が負担することで、地震による振動エネルギーの吸収を複数のプレート12の横移動(図1参照)と、弾性体13の弾性力によって吸収するので、ゴムのみによって振動エネルギーを吸収させる場合に比べて、免震装置11をコンパクトにすることができ、かつ、建築物のような重量物に圧縮されていても、安定して振動エネルギーを吸収することができる。
また、複数のプレート12の滑面を直接に対向させ、さらにPTFEコーティング等の潤滑処理をすることで、プレート12の横移動が円滑となり、複数のプレート間に設けるローラー、レールや、ベアリング等の特殊機構が必要なくなり、免震装置11は、コンパクトで、汎用性が高く、廉価なものとすることができる。
〔本実施形態に係る免震装置を木造建築物の基礎に設置した場合の構成〕
図10は、木造建築物の基礎21に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の断面図であり、図11は、木造建築物の基礎21に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の正面図である。
図10は、木造建築物の基礎21に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の断面図であり、図11は、木造建築物の基礎21に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の正面図である。
本実施形態に係る免震装置11を木造建築物の基礎21に設置する場合について、図10または図11に基づいて説明する。
本実施形態に係る免震装置11は、木造建築物の基礎21と木造建築物の土台22の間に設置される。
木造建築物の基礎21は、従来通りの施工方法で、根伐りし、砕石を敷き、捨てコンクリートを打設した後に、基礎を形成するための墨を出し、鉄筋を組み、型枠を組んで、アンカーボルト23を設置した後に、基礎のコンクリートを打設し、基礎21の天端を地盤面から予め決められた高さに均し、コンクリートが凝固後に、型枠を解体することで、木造建築物の基礎21が形成される。
その後、従来はプラスチック製の受け材が設置されていた代わりに、免震装置11は、図11に示されるように、アンカーボルト23の近傍と柱等が構築され鉛直荷重がかかる部分及び全体的に略1m間隔で、基礎21の天端に設置される。
そして、免震装置11が設置された後に、木造建築物の土台22が設置され、アンカーボルト23によって固定される。
〔本実施形態に係る免震装置を木造建築物の基礎に設置した場合の作用〕
上記の構成によれば、従来プラスチック製の土台の受け材の替わりに免震装置11を、応力が集中するアンカーボルトの近傍、鉛直荷重を受ける柱の下及び、土台が座屈しない範囲の間隔で設置することで、地震による振動エネルギーを吸収し、基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
上記の構成によれば、従来プラスチック製の土台の受け材の替わりに免震装置11を、応力が集中するアンカーボルトの近傍、鉛直荷重を受ける柱の下及び、土台が座屈しない範囲の間隔で設置することで、地震による振動エネルギーを吸収し、基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
また、木造建築物の施工者は、従来と同じ工法で、免震装置11を設置できるので、新たな工程を必要とせず、従来と同じ工期で、免震装置11を設置し、免震性能を有する木造建築物の建築方法を提供できる。
〔本実施形態に係る免震装置と弾性ダンパー装置Aを設置した木造建築物の構成〕
本実施形態では、土台22の上に構築される隣接する2つの構造用骨組24に弾性ダンパー装置A25が設置される。
本実施形態では、土台22の上に構築される隣接する2つの構造用骨組24に弾性ダンパー装置A25が設置される。
〈弾性ダンパー装置Aの構成〉
図12は木造建築物の構造用骨組に本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25を設置した場合の説明図であり、図13は本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25の断面図であり、図14は本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25の上面図である。
図12は木造建築物の構造用骨組に本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25を設置した場合の説明図であり、図13は本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25の断面図であり、図14は本発明の好適な実施形態に係る弾性ダンパー装置A25の上面図である。
図13、図14に示されるように、弾性ダンパー装置A25は、対向した2つの構造用骨組の一方に接合可能な第1の板状プレート31と、隣接した2つの構造用骨組の他方に接合可能な第2の板状プレート32とを有し、第1の板状プレート31と第2の板状プレート32との一端側の表面及び裏面との両面側には、弾性体34が面接触するように接着剤を介在することなく配置されている。
そして、前記弾性体34は、第3の板状プレート33と押圧固定手段35によって、第1の板状プレート31と第2の板状プレート32の表面及び裏面に押し付けられて、第1及び第2の板状プレート31、32をその摩擦力によって連結している。
より具体的には、第1及び第2の板状プレート31、32は、いずれも長尺棒状の剛性板材であり、第1の板状プレート31の長辺方向の一端側と第2の板状プレート32の長辺方向の一端側とに弾性体34が面接触するように配置される一方、第1及び第2の板状プレート31、32の前記長辺方向の他端側には、構造用骨組24に取り付けられたブラケット26に接合するための接合穴37を形成している。
第3の板状プレート33は、間隔をもって互いに平行に対向配置された平面視矩形状の一対の剛性板材であり、押圧固定手段35は、互いに平行に対向配置された一対の第3の板状プレート33の間隔を狭める方向に締め付けることが可能なボルトおよびナットである。
第1及び第2の板状プレート31、32のそれぞれの前記一端側は、各々互いに重ならないように一定の間隙Lを有するように一対の第3の板状プレート33間に挿入された状態で、弾性体34を介して前記押圧固定手段35の締め付け力によって挟み込み押圧固定される。
そして、図12に示されるように、弾性ダンパー装置A25は、構造用骨組24に取り付けられたブラケット26に、第1及び第2の板状プレート31、32に形成された接合穴37を介して締結手段36であるボルトおよびナットで接合される。
〈弾性ダンパー装置Aの作用〉
上記の構成によれば、構造用骨組24に作用する地震による振動エネルギーをブラケット26を介して弾性ダンパー装置A25の第1及び第2の板状プレート31、32を抜き取ろうとする力に抗する弾性体34の摩擦力によって吸収し制振させる。
上記の構成によれば、構造用骨組24に作用する地震による振動エネルギーをブラケット26を介して弾性ダンパー装置A25の第1及び第2の板状プレート31、32を抜き取ろうとする力に抗する弾性体34の摩擦力によって吸収し制振させる。
また、図13、図14に示されるように、第1、第2及び第3の板状プレート31、32、33の弾性体34を押圧する面には、溝部38が形成されている。これにより、弾性体34が滑ることにより、弾性ダンパー装置A25の制振性が低下するのを防止している。
なお、本発明に係る弾性ダンパー装置は、弾性ダンパー装置A25に限定されるものでなく、構造用骨組24が受けた地震による振動エネルギーを吸収するその他のダンパー装置であってもよい。
〔本実施形態に係る免震装置と弾性ダンパー装置Aを設置した木造建築物の作用〕
上記の構成によれば、木造建築物の基礎部分に免震装置11を設置し、さらに上屋部分の構造用骨組24に弾性ダンパー装置A25を設置することで、地震による振動エネルギーを基礎部分と上屋部分で吸収できるので、相乗効果でより効果的に基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
上記の構成によれば、木造建築物の基礎部分に免震装置11を設置し、さらに上屋部分の構造用骨組24に弾性ダンパー装置A25を設置することで、地震による振動エネルギーを基礎部分と上屋部分で吸収できるので、相乗効果でより効果的に基礎の破壊や上屋の歪みを回避できる建築物を提供できる。
また、木造建築物の施工者は、従来と同じ工法で、免震装置11を設置できるので、新たな工程を追加することなく、免震用の弾性ダンパーを設置した建築物の免震性能をさらに高めた木造建築物の建築方法を提供できる。
〔本実施形態に係る免震装置を陳列棚の免震装置として設置した場合の構成〕
図15は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の正面図であり、図16は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の側面図であり、また図17は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の斜視図である。
図15は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の正面図であり、図16は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の側面図であり、また図17は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合の斜視図である。
本実施形態に係る免震装置11を陳列棚41の免震装置として設置した場合について、図15、図16、及び図17に基づいて説明する。
免震装置11は、陳列棚41の下面と床面42の間で、陳列棚41の下面の四隅に設置される。
なお、免震装置11は、その他に工芸品、美術品、機器類の下面と床面の間に設置してもよい。
また、本実施形態では、陳列棚41の四隅に、免震装置11を設置しているが、被免震物の大きさ、形状によって、免震装置11の数量を減らしたり、増やしたりすることもできる。
〔本実施形態に係る免震装置を陳列棚の免震装置として設置した場合の作用〕
図18(A)から(D)は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合において、地震による振動エネルギーにより、床面42に水平力が加えられたときの状態変位を示す説明図である。また、図18(A)から(D)における一点鎖線は、定常状態の水平位置(定常位置)を示し、二点鎖線は、地震により水平力が床面42に与えられた場合の床面42の水平方向に変位した位置(変位位置)を示す。
図18(A)から(D)は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震装置11を設置した場合において、地震による振動エネルギーにより、床面42に水平力が加えられたときの状態変位を示す説明図である。また、図18(A)から(D)における一点鎖線は、定常状態の水平位置(定常位置)を示し、二点鎖線は、地震により水平力が床面42に与えられた場合の床面42の水平方向に変位した位置(変位位置)を示す。
図18(A)は、床面42に水平力が加えられていない状態(定常状態)を示している。すなわち、定常状態を示す図18(A)においては、一点鎖線と二点鎖線は重なっている。
図18(B)は、床面42に矢印の示す方向(右方向)に水平力が加えられ、床面42が右方向に変位しているが、当該水平変位を免震装置11の2枚のプレート12(図1参照)の横移動により、吸収することで、陳列棚41は、定常位置を維持していることを示している。すなわち、定常位置を示す一点鎖線と変位位置を示す二点鎖線の間の距離が地震の水平力による変位量であり、当該変位量を免震装置11が吸収することで、陳列棚41は、定常位置が維持されている。
図18(C)は、床面42に矢印の示す方向(右方向)に水平力が加えられた後に、床面42が定常位置に戻った状態を示している。すなわち、一点鎖線と二点鎖線は重なっている。また、図18(B)で示した右方向の変位量は、免震装置11により吸収され、陳列棚41は、定常位置が維持されている。
図18(D)は、床面42に矢印の示す方向(左方向)に水平力が加えられ、床面42が左方向に変位しているが、当該水平変位を免震装置11の2枚のプレート12(図1参照)の横移動により、吸収することで、陳列棚41は、定常位置が維持されていることを示している。すなわち、定常位置を示す一点鎖線と変位位置を示す二点鎖線の間の距離が地震の水平力による変位量であり、当該変位量を免震装置11が吸収することで、陳列棚41は、定常位置が維持されている。なお、その後床面42は、定常位置に戻るが、当該変位量は、免震装置11により吸収され、陳列棚41は、定常位置が維持される。
したがって、従来の免震装置のように、レールやローラー等の特殊な機構を組み込んだ架台を用いることなく、コンパクトで、汎用性、経済性が高い免震装置11で、陳列棚や工芸品等を地震から守ることができる。
〔免震システムの構成〕
本実施形態に係る免震システム50について、図19から図23に基づいて説明する。
本実施形態に係る免震システム50について、図19から図23に基づいて説明する。
図19は、本発明の好適な実施形態に係る免震システム50の正面図である。図19に示されるように、免震システム50は、第1の架台51と、第1の架台51の上に、免震装置11を介して、設置される第2の架台52と、第1の架台51、第2の架台52を連結する弾性ダンパー装置B53とから成る。
弾性ダンパー装置B53は、円形状の第1の円形金具61と第2の円形金具62が弾性中間体63により、一体化されている。また、円形状の第1の円形金具61と第2の円形金具62の中央には、全ネジボルト65が螺合されるナット部64が形成されている。
図20は、免震システム50の断面図である。図20に示されるように、弾性ダンパー装置B53は、ナット部64に全ネジボルト65が螺合されることにより、第1の架台51及び第2の架台52に連結されている。
本実施形態における免震システム50の形状は、平面視で、幅600mm、奥行300mm、垂直方向の高さ82mmの長方体である。
また、第1の架台51及び第2の架台52は、厚さ6mmの鋼板であり、側縁は、水平面の歪みを防止するため、L型に屈曲されている。また、平面視における形状は、幅600mm、奥行300mmの長方形である。さらに、第1の架台51と第2の架台52とが互いに接する面における四隅には、免震装置11を設置するための受け台54が設けられている。
図21は、免震システム50に組み込まれる弾性ダンパー装置B53の斜視図である。図21に示されるように、弾性ダンパー装置B53の形状は、円筒状であり、下部と上部の直径は、150mmであり、中間部の直径は、140mmであり、ナット部64は、M20の全ネジボルト65が螺合できる形状となっている。
弾性ダンパー装置B53における円形状の第1の円形金具61と第2の円形金具62の材質は、炭素鋼(SS-400)の鋼板であり、形状は、それぞれの厚さが8mmで直径148mmの円板状であり、中央部が突出し、中央部の厚さは、69mmである。
弾性ダンパー装置B53における弾性中間体63の材質は、天然ゴムであり、第1の円形金具61と第2の円形金具62の間に設けられるとともに、弾性ダンパー装置B53の下面及び上面においては、第1の円形金具61と第2の円形金具62を厚さ1mmで被覆している。
なお、本発明における免震システム50、第1の架台51、第2の架台52、弾性ダンパー装置B53の材質、形状、寸法は、上記材質、形状、寸法に限定されるものではなく、被免震物の形状、重量に応じて、任意の材質、形状、寸法とすることができる。
また、好ましくは、弾性ダンパー装置B53の底部と頂部の直径は、20mmから150mmとすることができ、中間部の直径は、15mmから140mmとすることができ、ナット部64は、M6からM20の全ネジボルト65が螺合できる形状とすることができる。さらに、本実施形態における免震システム50では、弾性ダンパー装置B53を1つ設置しているが、全ネジボルトによって、互いに固定することで、2つ以上を積層して設置することもできる。
〔免震システムの作用〕
本実施形態による免震システムは、第1の架台51と第2の架台52との間に、免震装置11を介在させているので、被免震物の重量による圧縮を受けている場合でも、第1の架台51と第2の架台52が互い違いに水平移動し、地震による振動エネルギーを吸収する。また、第1の架台51と第2の架台52とは、弾性ダンパー装置B53により連結されているので、弾性中間体63の弾性力により、大きな振動エネルギーを吸収し、元の状態に復元することができる免震システムを提供することができる。
本実施形態による免震システムは、第1の架台51と第2の架台52との間に、免震装置11を介在させているので、被免震物の重量による圧縮を受けている場合でも、第1の架台51と第2の架台52が互い違いに水平移動し、地震による振動エネルギーを吸収する。また、第1の架台51と第2の架台52とは、弾性ダンパー装置B53により連結されているので、弾性中間体63の弾性力により、大きな振動エネルギーを吸収し、元の状態に復元することができる免震システムを提供することができる。
〔本実施形態に係る免震システムを陳列棚の免震装置として設置した場合の構成〕
図22は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震システム50を設置した場合の斜視図である。なお、受け台54は、第1の架台51と第2の架台52に設置されているが、発明の理解を容易にするため第1の架台51にのみ記載している。
図22は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震システム50を設置した場合の斜視図である。なお、受け台54は、第1の架台51と第2の架台52に設置されているが、発明の理解を容易にするため第1の架台51にのみ記載している。
免震システム50は、陳列棚41の下面と床面42の間で、陳列棚41の下面の中央に設置される。
なお、免震システム50は、その他に工芸品、美術品、機器類の下面と床面の間に設置してもよい。
また、本実施形態では、陳列棚41の中央に、免震システム50を1つ設置しているが、被免震物の大きさ、形状によって、複数の免震システム50を被免震物の下面で均等に配置することもできる。
〔本実施形態に係る免震システムを陳列棚の免震装置として設置した場合の作用〕
図23(A)から(D)は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震システム50を設置した場合において、地震による振動エネルギーにより、床面42に図18(A)で示した水平力より大きい水平力が加えられたときの状態変位を示す説明図である。また、図23(A)から(D)における一点鎖線は、定常状態の水平位置(定常位置)を示し、二点鎖線は、地震により水平力が床面42に与えられた場合の床面42の水平方向に変位した位置(変位位置)を示す。
図23(A)から(D)は、陳列棚41の下に本発明の好適な実施形態に係る免震システム50を設置した場合において、地震による振動エネルギーにより、床面42に図18(A)で示した水平力より大きい水平力が加えられたときの状態変位を示す説明図である。また、図23(A)から(D)における一点鎖線は、定常状態の水平位置(定常位置)を示し、二点鎖線は、地震により水平力が床面42に与えられた場合の床面42の水平方向に変位した位置(変位位置)を示す。
図23(A)は、床面42に水平力が加えられていない状態(定常状態)を示している。すなわち、定常状態を示す図23(A)においては、一点鎖線と二点鎖線は重なっている。
図23(B)は、床面42に矢印の示す方向(右方向)に図18(A)で示した水平力より大きい水平力が加えられ、床面42が右方向に変位し、当該水平変位を免震装置11の2枚のプレート12(図1参照)の横移動により、吸収することで、陳列棚41は、床面42の水平変位の略半分の変位量で留まっていることを示している。すなわち、定常位置を示す一点鎖線と床面42の変位位置を示す二点鎖線の間の距離が地震の水平力による床面42の変位量であり、陳列棚41の側面の位置は、当該変位量の略半分の位置で留まっている。
図23(C)は、床面42に矢印の示す方向(右方向)に水平力が加えられた後に、床面42が定常位置に戻った状態を示している。すなわち、一点鎖線と二点鎖線は重なっている。一方、陳列棚41は、図23(B)で変位した位置に留まっている。
図23(D)は、図23(B)で変位した陳列棚41を図23(C)の状態から、免震システム50の作用により、定常状態に戻されたことを示している。具体的には、免震システム50は、免震装置11の変位許容量を超えて変位した、図23(B)の陳列棚41の変位状態から、弾性ダンパー装置B53の復元力により、陳列棚41を図23(A)に示す定常状態に戻されている。
すなわち、地震時には、図19に示す、第1の架台51と第2の架台52が互い違いに水平移動することで、大きい地震による振動エネルギーを吸収する。また、第1の架台51と第2の架台52とは、弾性ダンパー装置B53により連結されているので、弾性中間体63の弾性力により、大きな振動エネルギーを吸収する。したがって、免震システム50の上に載置された陳列棚41の地震により受ける水平力を最小限に抑えるとともに、大きい地震により生じた陳列棚41の変位を定常位置に復元することができる。
〔検証実験例〕
図8と図9は、免震装置11の変位荷重曲線測定図である。図8は、垂直荷重を1000Kgfとした場合の荷重変位曲線であり、図9は、垂直荷重を2000Kgfとした場合の荷重変位曲線である。
図8と図9は、免震装置11の変位荷重曲線測定図である。図8は、垂直荷重を1000Kgfとした場合の荷重変位曲線であり、図9は、垂直荷重を2000Kgfとした場合の荷重変位曲線である。
免震装置11の変位荷重曲線測定方法は、図7に示されるように、2つの免震装置11を垂直方向に積層し、互いに対向する面の間に、中間板15を挟み、上側の免震装置11の上面と下側の免震装置11の下面から垂直荷重をかけ、上側と下側の免震装置11は固定し、中間体15に水平荷重をかけた場合の、中間体15の水平変位を測定したものである。
図8に示されるように、垂直荷重が1000Kgfの場合は、水平荷重が略50Kgfで5mm水平変位し、水平荷重が略70Kgfで10mm水平変位し、水平荷重が略75Kgfで15mm水平変位し、水平荷重が略80Kgfで20mm水平変位する。
図9に示されるように、垂直荷重が2000Kgfの場合は、水平荷重が略120Kgfで略3mm水平変位し、その後水平荷重が略90Kgfから略120Kgfの間で略3mmから略31mm水平変位する。そして、垂直荷重が1000Kgfの場合は、図8に示されるように、水平変位が略21mmのところで、弾性体13の復元力により、水平荷重が反対側にかかっている。また、垂直荷重が2000Kgfの場合は、図9に示されるように、水平変位が略31mmのところで、弾性体13の復元力により、水平荷重が反対側にかかっている。
図8及び図9の変位荷重曲線測定図より、重量が1000Kgや2000Kgの建築物等の重量物が免震装置11に載置された場合でも、免震装置11は、地震による水平荷重を水平変位により吸収し、水平荷重がかけられていない状態に復元できることが示されている。したがって、免震装置11は、非常にコンパクトでありながら建築物のような重量物に圧縮されていても、安定して振動エネルギーを吸収することができる。
本願発明は、コンクリート製の布基礎又は束石の上に建築される木造建築物の免震装置、免震装置を設置した木造建築物の建築方法又は、陳列棚、工芸品、美術品、若しくは機械類を地震から守る免震装置に利用可能である。
11 免震装置
12 プレート
13 弾性体
15 中間板
16 滑面層
21 木造建築物の基礎
22 木造建築物の土台
23 アンカーボルト
24 構造用骨組
25 弾性ダンパー装置A
26 ブラケット
31 第1の板状プレート
32 第2の板状プレート
33 第3の板状プレート
34 弾性体
35 押圧固定手段
36 締結手段
37 接合穴
38 溝部
41 陳列棚
42 床面
50 免震システム
51 第1の架台
52 第2の架台
53 弾性ダンパー装置B
54 受け台
61 第1の円形金具
62 第2の円形金具
63 弾性中間体
64 ナット部
65 全ネジボルト
12 プレート
13 弾性体
15 中間板
16 滑面層
21 木造建築物の基礎
22 木造建築物の土台
23 アンカーボルト
24 構造用骨組
25 弾性ダンパー装置A
26 ブラケット
31 第1の板状プレート
32 第2の板状プレート
33 第3の板状プレート
34 弾性体
35 押圧固定手段
36 締結手段
37 接合穴
38 溝部
41 陳列棚
42 床面
50 免震システム
51 第1の架台
52 第2の架台
53 弾性ダンパー装置B
54 受け台
61 第1の円形金具
62 第2の円形金具
63 弾性中間体
64 ナット部
65 全ネジボルト
Claims (15)
- 床面に置かれ、所定の物品が載置される免震装置であって、
複数の鋼板が積層されることによって構成された積層体と、この積層体の鋼板積層方向に直交する方向からの応力に対して復元力を与えるように前記鋼板どうしを規制してなる弾性体と、を備え、
前記複数の鋼板の間には、少なくとも一層の滑面層が設けられていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1に記載の免震装置において、
前記弾性体は、前記積層体の周を被覆して前記複数の鋼板を一体化するものであることを特徴とする免震装置。 - 請求項1または2に記載の免震装置において、
前記弾性体は、垂直方向の高さが前記積層体の垂直方向の高さと略同じ高さの平板状の弾性体であり、前記積層体の形状と略同形状の開口部が設けられ、当該開口部に前記積層体が設置されていることを特徴とする免震装置。 - 請求項1または2に記載の免震装置において、
前記弾性体は、垂直方向の高さが前記積層体の垂直方向の高さより僅かに高い平板状の弾性体であり、前記積層体を設置する開口部が設けられ、
この開口部の断面形状は、前記弾性体の水平面の一方における開口部の側縁を、前記積層体の水平面の外周より僅かに大とし、前記弾性体の水平面の他方における開口部の側縁を、前記積層体の水平面の外周より僅かに小となるように傾斜面を形成することを特徴とする免震装置。 - 請求項1に記載の免震装置において、
前記弾性体は、前記積層体の全体を包む包皮状の弾性体であることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から5のいずれかに記載の免震装置において、
前記滑面層は、一対の鋼板の対向面と、この対向面の間に挟まれた介在体とからなるものであることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から6のいずれかに記載の免震装置において、
前記滑面層は、潤滑処理されている対向面からなるものであることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から7のいずれかに記載の免震装置において、
前記弾性体は、ゴムからなるものであることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から8のいずれかに記載の免震装置において、
前記複数の鋼板は、円板状の鋼板であり、
前記弾性体は、円筒形状のものであることを特徴とする免震装置。 - 請求項1から9のいずれかに記載の免震装置において、
前記複数の鋼板の側縁は、面取りされている鋼板であることを特徴とする免震装置。 - 基礎と、この基礎の上に設置される土台と、を有する建築物であって、
前記基礎と前記土台との間に、請求項1から10のいずれかに記載の免震装置が設置されていることを特徴とする建築物。 - 請求項11に記載の建築物において、
前記土台の上に構築される複数の構造用骨組を有し、
前記構造用骨組が対向する位置に弾性ダンパー装置が設置されていることを特徴とする建築物。 - 基礎と、この基礎の上に設置される土台と、を有し、前記基礎にはアンカーボルトが埋設されている建築物の建築方法であって、
前記基礎を形成する工程と、前記基礎の上で前記アンカーボルトの近傍に請求項1から10のいずれかに記載の免震装置を設置する工程と、前記請求項1から10のいずれかに記載の免震装置の上に前記土台を設置する工程と、を有することを特徴とする建築物の建築方法。 - 請求項13に記載の建築物の建築方法において、
前記土台の上に構造用骨組を構築する工程と、前記構造用骨組が対向する部分に弾性ダンパー装置を設置する工程と、を有することを特徴とする建築物の建築方法。 - 床面に置かれ、所定の物品が載置される免震システムであって、
床面に接する第1の架台と、請求項1から10のいずれかに記載の免震装置を介して、前記第1の架台の上に設置される第2の架台と、前記第1の架台と前記第2の架台を連結する弾性ダンパー装置と、を有することを特徴とする免震システム。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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