JP2006200814A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】温度制御の応答性を向上させることである。
【解決手段】蒸発器(14)で冷却された冷却油を工作機械の主軸(21)との間で循環させる冷却油回路(20)を備えている。そして、蒸発器(14)への戻り液温と目標温度との差温を導出すると共に、主軸(21)への入口液温(Tin)と出口液温(Tout)との温度差ΔTから主軸(21)の推定発熱量を導出し、差温と推定発熱量とに基づいて蒸発器(14)の冷却能力を調節する。これにより、主軸(21)の実際の発熱量にほぼ見合った冷却能力に調節される。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸発器(14)で冷却された冷却油を工作機械の主軸(21)との間で循環させる冷却油回路(20)を備えている。そして、蒸発器(14)への戻り液温と目標温度との差温を導出すると共に、主軸(21)への入口液温(Tin)と出口液温(Tout)との温度差ΔTから主軸(21)の推定発熱量を導出し、差温と推定発熱量とに基づいて蒸発器(14)の冷却能力を調節する。これにより、主軸(21)の実際の発熱量にほぼ見合った冷却能力に調節される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、冷凍装置に関し、温度制御の応答性向上に係るものである。
従来より、この種の冷凍装置は、例えば工作機械の主軸へ冷却液としての冷却油を供給して主軸を温度制御するために用いられている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の冷凍装置は、冷凍サイクルを行う冷媒回路と、該冷媒回路の蒸発器で冷媒と熱交換して冷却された冷却油を工作機械との間で循環させる冷却油回路とを備えている。そして、この冷凍装置は、冷却油の冷却温度を調節して主軸の温度制御を行っている。
特開2001−165058号公報
しかしながら、上述した従来の冷凍装置では、蒸発器の入口および出口付近の冷却油温に基づいて冷却能力を調節しているため、主軸の発熱量変化に対して温度制御の応答性が悪くなるという問題があった。すなわち、工作機械から離れた位置での冷却油温に基づくため、その配管長さによる時間遅れや、また発熱量変化が温度変化として現れるまでの時間遅れにより、過渡温度の変動が大きくなり、主軸の制御温度が安定するまで時間が掛かってしまうという問題があった。
上記の問題に対し、予め工作機械側から発熱量変化の事前情報を受け取り、その変化量に応じて冷却能力を調節して温度制御の応答性を向上させるという制御が考えられるが、その事前情報が工作機械の種類や場所によっては入手できない場合もあるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、冷却液を被冷却物との間で循環させる冷凍装置において、被冷却物側から発熱量変化の事前情報を入手できない場合であっても、被冷却物に対する温度制御の応答性を向上させ、被冷却物の制御温度を早く安定させることである。
第1の発明は、熱媒体が流れ、冷却熱交換器(14)を有する熱源側回路(10)と、上記冷却熱交換器(14)で熱媒体と熱交換して冷却された冷却液を被冷却物との間で循環させる利用側回路(20)とを備えた冷凍装置を前提としている。そして、上記冷却熱交換器(14)における冷却液の入口温度または出口温度と目標温度との差温と、上記被冷却物の推定発熱量とを導出し、上記導出した差温と推定発熱量とに基づいて冷却熱交換器(14)の冷却能力を調節する調節手段(30)を備えている。
この第1の発明では、利用側回路(20)において冷却熱交換器(14)で冷却された冷却液が循環して被冷却物が冷却される。ここで、被冷却物の発熱量が増大すると、調節手段(30)により、冷却熱交換器(14)における冷却液の入口温度または出口温度が目標温度になるように、その入口温度または出口温度と目標温度との差温だけでなく、被冷却物の推定発熱量にも基づいて冷却熱交換器(14)の冷却能力が調節される。つまり、被冷却物の実際の発熱量とほぼ同じ推定発熱量に基づくため、回路の配管長さによる温度変化の時間遅れ等に影響されずにその発熱量にほぼ見合った冷却能力に調節され、さらに上記差温に基づいて冷却能力が微調整される。したがって、従来のように上記差温にのみ基づいて冷却能力を調節する場合に比べて、冷却熱交換器(14)における冷却液の入口温度等が早く目標温度に到達する。すなわち、温度制御の応答性が早くなる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記調節手段(30)が、被冷却物における冷却液の入口温度(Tin)と出口温度(Tout)の温度差ΔTに基づいて被冷却物の推定発熱量を導出する発熱量導出部(31)を備えている。
この第2の発明では、推定発熱量が被冷却物に極めて近い冷却液の入口温度(Tin)と出口温度(Tout)との温度差ΔTから導出されるので、被冷却物の実際の発熱量にほぼ同じ発熱量が確実に検出される。したがって、温度制御の応答性が確実に早くなる。
第3の発明は、第2の発明において、上記発熱量導出部(31)が、上記入口温度(Tin)として、出口温度(Tout)を検出した時刻から所定時間Δt前に検出した被冷却物における冷却液の入口温度を用いる。
この第3の発明では、被冷却物自体の温度変化の時間遅れによる影響を受けずにすむ。つまり、上記冷却熱交換器(14)の冷却能力を増大させると、先ず被冷却物における冷却液の入口温度(Tin)が低下するが、その時点では出口温度(Tout)は殆ど低下せずにその後遅れて低下することになる。これは、被冷却物自体の熱容量により出口温度(Tout)が変化するまでに時間を要するためである。この状態では、入口温度(Tin)と出口温度(Tout)の温度差ΔTが実際より小さくなるので、被冷却物の発熱量が適切に導出されない。ところが、本発明では、出口温度(Tout)の検出時より予め設定された所定時間Δt前の、すなわち低下する前の入口温度(Tin)が用いられるので、適切な発熱量が導出される。したがって、制御の応答性が一層早くなる。
第4の発明は、第2または第3の発明において、上記熱源側回路(10)は熱媒体として冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路である。また、上記利用側回路(20)は、冷却液として冷却油が循環して被冷却物として工作機械の主軸を冷却する回路である。
この第4の発明では、利用側回路(20)の冷却油が冷却熱交換器(14)で冷媒と熱交換して冷却され、冷媒が蒸発する。つまり、上記冷却熱交換器(14)は蒸発器として機能する。そして、冷却油によって工作機械の主軸が冷却される。したがって、この種の工作機械では高精度な温度制御が要求されるが、制御の応答性が早くなることから制御温度が高精度な温度制御が行われる。
したがって、本発明によれば、冷却熱交換器(14)における冷却液の入口温度または出口温度と目標温度との差温だけでなく、被冷却物の推定発熱量も導出し、上記導出した差温と推定発熱量とに基づいて冷却熱交換器(14)の冷却能力を調節するようにしたので、従来に比べて、被冷却物における実際の発熱量にほぼ見合った冷却能力に調節することができる。この結果、制御の応答性を向上させることができ、制御温度を早く安定させることができる。
また、第2の発明によれば、推定発熱量を被冷却物における冷却液の入口温度(Tin)と出口温度(Tout)との温度差ΔTに基づいて導出するようにしたので、実際の発熱量にほぼ同じ発熱量を確実に推定することができる。したがって、制御応答性が確実に向上する。
さらに、第3の発明によれば、入口温度(Tin)として、出口温度(Tout)が検出された時間よりも所定時間Δt前の入口温度を用いるようにしたので、被冷却物自体の熱容量による温度変化遅れを考慮した温度制御を行うことができる。したがって、一層適切に冷却能力を調節することができ、制御温度を一層早く安定させることができる。
また、第4の発明によれば、利用側回路(20)は工作機械の主軸を冷却する冷却油が循環するものを対象としたので、高精度な温度制御が必要な工作機械に対しても制御温度を早く安定させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
本実施形態の冷凍装置(1)は、図1に示すように、冷媒回路(10)と、該冷媒回路(10)に接続される冷却油回路(20)とを備えた、いわゆるオイルコンである。
本実施形態の冷凍装置(1)は、図1に示すように、冷媒回路(10)と、該冷媒回路(10)に接続される冷却油回路(20)とを備えた、いわゆるオイルコンである。
上記冷媒回路(10)は、可変容量圧縮機(11)と凝縮器(12)と膨張弁(13)と蒸発器(14)とが順に接続された閉回路である。そして、上記冷媒回路(10)は、冷媒が熱媒体として循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行うように構成されている。
上記可変容量圧縮機(11)は、電動機をインバータ制御することにより運転容量を制御することのできるインバータ圧縮機により構成されている。上記凝縮器(12)は、冷媒が空気と熱交換するように構成され、上記蒸発器(14)は、冷媒が後述する冷却油と熱交換する冷却熱交換器に構成されている。また、上記膨張弁(13)は、開度を連続的に制御可能な膨張機構を構成している。
上記冷却油回路(20)は、冷媒回路(10)の蒸発器(14)に接続され、該蒸発器(14)で冷媒と熱交換して冷却された冷却油が工作機械の回転部分である主軸(21)との間で循環する利用側回路を構成している。すなわち、上記冷却油および主軸(21)は、それぞれ冷却油回路(20)の冷却液および被冷却物としている。
具体的に、上記冷却油回路(20)は、蒸発器(14)の出口側と工作機械の入口側とが送り配管(26)により接続され、工作機械の出口側と蒸発器(14)の入口側とが戻り配管(25)により接続されている。なお、本実施形態では、上記送り配管(26)および戻り配管(25)は約2mの長さである。上記送り配管(26)における蒸発器(14)の近傍には、蒸発器(14)側から油タンク(24)およびポンプ(23)が順に設けられている。
上記冷却油回路(20)には、冷却液の温度検出手段である、戻り液温センサ(TH1)と主軸入口液温センサ(TH2)と主軸出口液温センサ(TH3)が設けられている。
上記戻り液温センサ(TH1)は、戻り配管(25)における蒸発器(14)の近傍に配設され、蒸発器(14)における冷却液の入口温度(以下、「戻り液温」または「オイルコン入口油温」という。)を検出するためのものである。上記主軸入口液温センサ(TH2)は、送り配管(26)における主軸(21)の近傍に配設され、主軸(21)における冷却液の入口温度(Tin)(以下、「入口液温()」または「工作機械入口油温」という。)を検出するためのものである。上記主軸出口液温センサ(TH3)は、戻り配管(25)における主軸(21)の近傍に配設され、主軸(21)における冷却液の出口温度(Tout)(以下、「出口液温」または「工作機械出口油温」という。)を検出するためのものである。
また、この冷凍装置(1)は、蒸発器(14)の冷却能力を調節する調節手段であるコントローラ(30)を備えている。このコントローラ(30)は、主軸(21)の推定発熱量を導出する発熱量導出部(31)と遅れ時間決定部(32)とを有し、各温度センサ(TH1,TH2,TH3)の検出温度が入力される。
具体的に、上記コントローラ(30)は、入力される戻り液温が予め設定された目標温度になるように、可変容量圧縮機(11)のインバータ周波数の調節量を導出し、その調節量に基づいて可変容量圧縮機(11)の容量を調節することにより冷却能力を調節するように構成されている。
次に、上記インバータ周波数の調節量の導出について図2を参照しながら説明する。上記発熱量導出部(31)は、入力された入口液温(Tin)と出口液温(Tout)との温度差ΔTに基づいて主軸(21)の推定発熱量を導出するように構成されている(図2のP1)。具体的には、下記の式(1)に基づいて導出される。
推定発熱量=温度差ΔT×液流量L×液比重d×液比熱c (1)
ここに、液流量L、液比重dおよび液比熱cは、主軸(21)を流れる冷却油の流量、冷却油の比重、冷却油の比熱をそれぞれ示す。また、上記入口液温(Tin)は、出口液温(Tout)が検出された時刻から所定時間Δt(遅れ時間Δt)前に検出された入口液温が用いられる。この遅れ時間Δtは、予め上記遅れ時間決定部(32)により決定されるものであり、その決定方法は後述する。
ここに、液流量L、液比重dおよび液比熱cは、主軸(21)を流れる冷却油の流量、冷却油の比重、冷却油の比熱をそれぞれ示す。また、上記入口液温(Tin)は、出口液温(Tout)が検出された時刻から所定時間Δt(遅れ時間Δt)前に検出された入口液温が用いられる。この遅れ時間Δtは、予め上記遅れ時間決定部(32)により決定されるものであり、その決定方法は後述する。
上記コントローラ(30)は、戻り液温と目標温度との差温を導出し(図2のP3)、その差温に基づいてインバータ周波数の第1調節量を導出すると共に(図2のP4)、上記発熱量導出部(31)により導出された推定発熱量に基づいてインバータ周波数の第2調節量を導出する(図2のP2)。そして、コントローラ(30)は、第1調節量と第2調節量を合わせてインバータ周波数の最終的な調節量とする(図2のP5)。すなわち、上記コントローラ(30)は、戻り液温と目標温度との差温だけでなく、主軸(21)の発熱量を推定し、その推定発熱量も加味して蒸発器(14)の冷却能力を調節するように構成されている。
−運転動作−
次に、この冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
次に、この冷凍装置(1)の運転動作について説明する。
上記冷媒回路(10)において、可変容量圧縮機(11)から吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器(12)を流れるときに空気と熱交換をして凝縮し、液化する。この液冷媒は膨張弁(13)において膨張し、低圧の気液二相冷媒となる。そして、この気液二相冷媒が蒸発器(14)を流れるときに冷却油回路(20)の冷却油から吸熱してガス化するとともに、その際に上記冷却油が所定温度に冷却される。上記蒸発器(14)でガス化した冷媒は、可変容量圧縮機(11)に戻り、以上の圧縮、凝縮、膨張、蒸発の各行程が順に繰り返される。
一方、上記冷却油回路(20)において、蒸発器(14)で冷却された冷却油は、油タンク(24)およびポンプ(23)を通って工作機械の主軸(21)へ流れ、該主軸(21)が所定温度に冷却される。つまり、上記主軸(21)の発熱量が所定量に維持される。そして、上記主軸(21)を通った冷却油は、再び蒸発器(14)へ戻る。
この冷凍装置(1)は、据付時に、上述した遅れ時間Δtを決定するために、遅れ時間決定部(32)によって「冷却能力リミットサイクル」モードの運転が行われる。そして、決定された遅れ時間Δtは、通常運転を行う前に予め制御パラメータとして設定される。
「冷却能力リミットサイクル」運転は、図3に示す制御フローに基づいて行われる。先ず、ステップST1において、運転が開始されと、可変容量圧縮機(11)が駆動(所定容量で)と停止とに所定時間毎に切り換えられる(図4(A)参照)。つまり、この運転では、蒸発器(14)の冷却能力がゼロまたは所定容量となるように制御される。ステップST2では、温度センサ(TH2,TH3)で検出された入口液温(Tin)および出口液温(Tout)がデータとして連続的に取り込まれる。
次に、ステップST3において、取り込まれた入口液温(Tin)および出口液温(Tout)のそれぞれのピーク値が検出される(図4(B)(C)参照)。そして、ステップST4において、入口液温(Tin)および出口液温(Tout)のピーク値が各N個(本実施形態では、5個)ずつ検出されたか否かが判断され、検出されたと判断するとステップST5へ移行する。一方、検出されていないと判断するとステップST2へ戻り、各N個検出されるまで繰り返される。
ステップST5では、入口液温(Tin)のあるピーク値が検出された時間と、そのピーク値に対応する出口液温(Tout)のピーク値が検出された時間との時間差が検出される。つまり、図4に示すように、可変容量圧縮機(11)が駆動している間は、蒸発器(14)の冷却能力が所定容量となって入口液温(Tin)および出口液温(Tout)が徐々に低下し、所定時間経過後に可変容量圧縮機(11)を停止させると、入口液温(Tin)および出口液温(Tout)が上昇し始める。これにより、入口液温(Tin)および出口液温(Tout)の各下限のピーク値が検出される。また、可変容量圧縮機(11)を所定時間停止した後に駆動すると、入口液温(Tin)および出口液温(Tout)の各上限のピーク値が検出される。
ところが、主軸(21)の熱容量により、入口液温(Tin)のピーク値が検出された時点からΔt1(Δt2〜Δt5)だけ遅れて出口液温(Tout)のピーク値が検出される。すなわち、このステップST5では、5個の時間差(Δt1〜Δt5)が検出される。そして、ステップST5で、5個の時間差から平均時間差が導出され、ステップST6にてその平均時間差が遅れ時間Δtとして決定される。この遅れ時間Δtが決定されると、ステップST7へ移行して運転が終了する。このように決定した遅れ時間Δtを制御パラメータとして用いることにより、主軸(21)の熱容量による時間遅れの影響を正確に考慮することができる。
なお、上記ピーク値の検出個数はこれに限るものではない。また、本実施形態では、可変容量圧縮機(11)を駆動と停止とに切り換えるようにしたが、容量が小容量と大容量とになるように切り換えるようにしてもよい。
次に、上記コントローラ(30)による冷却能力の調節について図5を参照しながら説明する。
例えば、運転中に主軸(21)の発熱量が増大すると(図5(A)参照)、出口液温(Tout)が上昇し(図5(C)参照)、その時点で入口液温(Tin)と出口液温(Tout)との温度差ΔTが増大する。この増大した温度差ΔTから発熱量導出部(31)によって主軸(21)の推定発熱量が導出され、インバータ周波数の第2調節量が導出される(図5(G)参照)。そして、この第2調節量に基づいて可変容量圧縮機(11)の容量が調節される。なお、参考として、この可変容量圧縮機(11)の調節により、蒸発器(14)の出口油温が低下し始める(図5(E)参照)。
上記出口液温(Tout)が上昇してから所定時間(T1)遅れて、戻り液温が上昇する(図5(D)参照)。この所定時間(T1)の遅れは、戻り配管(25)の長さによるものである。上記戻り液温が上昇すると、その戻り液温と目標温度との差温からインバータ周波数の第1調節量が導出される(図5(F)参照)。そして、この第1調節量に基づいて可変容量圧縮機(11)の容量が調節される。結果として、上記第1調節量と第2調節量を合計した調節量(図5(H)参照)に基づいて可変容量圧縮機(11)の容量が調節される。これにより、入口液温(Tin)は、第1調節量に基づいて可変容量圧縮機(11)が調節されてから所定時間(T2)遅れて低下し始める(図5(B)参照)。この所定時間(T2)の遅れは、送り配管(26)の長さによるものである。上記入口液温(Tin)が低下し始めると、それにほぼ伴って出口液温(Tout)が低下して発熱量が増大する前の所定温度に収束し(図5(C))、戻り液温が目標温度に収束する(図5(D)参照)。
そこで、図6に示すように、戻り液温と目標温度との差温にのみ基づいて冷却能力を調節する従来の制御方法と対比する。
先ず、本実施形態における戻り液温)は、従来(図6(D)参照)に比べて、上昇幅が小さく、さらに目標温度への収束時間が短い。このように、戻り液温と目標温度との差温に基づくだけでなく、主軸(21)の推定発熱量にも基づいてインバータ周波数の調節量を導出するので、蒸発器(14)が実際の発熱量にほぼ見合った冷却能力に調節されていることが分かる。
また、従来の制御では、インバータ周波数の調節量が一定せず、入口液温のばらついて制御が不安定になっているのが分かる(図6(B)(H)参照)。これに対し、本実施形態では、インバータ周波数の調節量はほぼ一定となり、制御が安定している(図5(H)参照)。さらに、本実施形態では、第2調節量により冷却能力を大幅に調節し、第1調節量によって冷却能力を微調整しているのが分かる。つまり、従来のように、戻り液温と目標温度との差温だけで冷却能力を調節するよりも、高精度な温度制御を行うことができる。
−実施形態の効果−
以上のように、本実施形態によれば、戻り液温と目標温度との差温だけでなく、主軸(21)の推定発熱量にも基づいて冷却能力を調節するようにしたので、従来と比べて、主軸(21)における実際の発熱量にほぼ応じて冷却能力を調節することができる。したがって、戻り液温を目標温度に早く到達させることができる。つまり、制御の応答性を向上させることができるので、制御温度を早く安定させることができる。
以上のように、本実施形態によれば、戻り液温と目標温度との差温だけでなく、主軸(21)の推定発熱量にも基づいて冷却能力を調節するようにしたので、従来と比べて、主軸(21)における実際の発熱量にほぼ応じて冷却能力を調節することができる。したがって、戻り液温を目標温度に早く到達させることができる。つまり、制御の応答性を向上させることができるので、制御温度を早く安定させることができる。
また、上記推定発熱量を主軸(21)における入口液温(Tin)と出口液温(Tout)との温度差ΔTから導出するようにしたので、実際の発熱量にほぼ同じ発熱量を確実に推定することができる。
さらに、上記入口液温(Tin)として、出口液温(Tout)が検出された時間よりも遅れ時間Δt前の入口液温を用いるようにしたので、主軸(21)の熱容量による温度変化遅れの影響を受けなくてもすむ。したがって、一層適切に冷却能力を調節することができ、制御の応答性を一層向上させることができる。
また、上記遅れ時間Δtを冷却能力リミットサイクル運転により決定しているので、すなわち、実際の運転により導出しているので、主軸(21)の熱容量による影響を確実に把握することができる。したがって、制御温度を一層早く安定させることができる。
特に、本実施形態では、工作機械の主軸(21)を冷却対象としているため、高い制御精度が要求されるが、確実に高精度な温度制御を行うことができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
例えば、上記遅れ時間Δtを冷却能力リミットサイクル運転により決定して制御パラメータとして設定するようにしたが、予め実験等により導出した遅れ時間Δtを設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、利用側回路(20)の熱媒体が工作機械の冷却油である場合について説明したが、熱媒体は、放電加工の加工液(水や油)、工作機械のワークを移動させるベッドのアクチュエータ(リニアモータなど)の冷却液、レーザー加工機の発振部の冷却液、あるいは半導体の冷却液など、発熱体を直接的あるいは間接的に冷却する各種液体としてもよい。
また、上記実施形態では、熱源側回路として冷媒回路(10)を用いるようにしたが、本発明は、冷却水を循環させ、冷却熱交換器で冷却水が冷却油と熱交換して該冷却油を冷却する冷却水回路を用いるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、蒸発器(14)における冷却油の戻り液温が目標温度になるように制御しているが、これに代えて、本発明は、蒸発器(14)における冷却油の送り液温(供給液温)、または主軸(21)自体の温度が目標温度になるように制御してもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷却熱交換器と被冷却物との間で冷却液を循環させて被冷却物を温度制御する冷凍装置として有用である。
1 冷凍装置
10 冷媒回路(熱源側回路)
14 蒸発器(冷却熱交換器)
20 冷却油回路(利用側回路)
21 主軸(被冷却物)
30 コントローラ(調節手段)
31 発熱量導出部
10 冷媒回路(熱源側回路)
14 蒸発器(冷却熱交換器)
20 冷却油回路(利用側回路)
21 主軸(被冷却物)
30 コントローラ(調節手段)
31 発熱量導出部
Claims (4)
- 熱媒体が流れ、冷却熱交換器(14)を有する熱源側回路(10)と、
上記冷却熱交換器(14)で熱媒体と熱交換して冷却された冷却液を被冷却物との間で循環させる利用側回路(20)とを備えた冷凍装置であって、
上記冷却熱交換器(14)における冷却液の入口温度または出口温度と目標温度との差温と、上記被冷却物の推定発熱量とを導出し、上記導出した差温と推定発熱量とに基づいて冷却熱交換器(14)の冷却能力を調節する調節手段(30)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記調節手段(30)は、被冷却物における冷却液の入口温度(Tin)と出口温度(Tout)の温度差ΔTに基づいて被冷却物の推定発熱量を導出する発熱量導出部(31)を備えている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2において、
上記発熱量導出部(31)は、上記入口温度(Tin)として、出口温度(Tout)を検出した時刻から所定時間Δt前に検出した被冷却物における冷却液の入口温度を用いる
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2または3において、
上記熱源側回路(10)は、熱媒体として冷媒が循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路であり、
上記利用側回路(20)は、冷却液として冷却油が循環して被冷却物として工作機械の主軸を冷却する回路である
ことを特徴とする冷凍装置。
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|---|---|
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Cited By (3)
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