JP2006207449A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エンジンの燃焼室温を適切な温度に維持し、エネルギ損失が低減された蓄熱システムを備える車両の制御装置を提供する。
【解決手段】 高負荷時に蓄熱タンクに貯蔵していた冷水を注入することにより急速に燃焼室を冷却して、ノッキングを発生させることなく燃費が良好な高温の領域にエンジンの燃焼室の温度を維持する。蓄熱タンクの冷却水を使用するとき、ラジエータ400に対して送風を行なうファン440が動作していた場合には、エンジンECU1000は、高負荷状態を検出するとエネルギロスを減らすため、ファン440を停止させる。高負荷時に蓄熱タンクの冷水によって燃焼室を冷却することによりノッキングの発生が防止され、そのときにラジエータファンを停止させることによりエネルギ効率のさらなる改善が図られる。
【選択図】 図1
【解決手段】 高負荷時に蓄熱タンクに貯蔵していた冷水を注入することにより急速に燃焼室を冷却して、ノッキングを発生させることなく燃費が良好な高温の領域にエンジンの燃焼室の温度を維持する。蓄熱タンクの冷却水を使用するとき、ラジエータ400に対して送風を行なうファン440が動作していた場合には、エンジンECU1000は、高負荷状態を検出するとエネルギロスを減らすため、ファン440を停止させる。高負荷時に蓄熱タンクの冷水によって燃焼室を冷却することによりノッキングの発生が防止され、そのときにラジエータファンを停止させることによりエネルギ効率のさらなる改善が図られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、温度を保った状態で液媒体を一時的に蓄える蓄熱システムを搭載した車両の制御装置に関し、特に、内燃機関に液媒体を供給して、内燃機関の温度を制御する車両の制御装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関が冷間状態で始動される場合には、吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなる。このため、燃料が霧化し難くなるとともに燃焼室の周縁部において消炎が発生し易くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが誘発される。
このような問題に対し、水冷式内燃機関において高温の冷却水を保温貯蔵する蓄熱装置を備え、内燃機関の始動時などに蓄熱装置に貯蔵されている冷却水を内燃機関へ供給することにより内燃機関の昇温を図り、始動性の向上や暖機の早期化を図る技術が提案されている。
たとえば、特開2003−184553号公報(特許文献1)に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関は、内燃機関のシリンダヘッドに形成され、熱媒体が流通する熱媒体流通路と、熱媒体流通路を流れる熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱装置と、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を導く第1の熱媒体通路と、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を導く第2の熱媒体通路と、第1の熱媒体通路と第2の熱媒体通路とを択一的に導通させる通路切換手段とを備える。
この蓄熱装置を備えた内燃機関によると、通路切換手段が第1の熱媒体通路を導通させることにより、蓄熱装置内に保温貯蔵されている高温の熱媒体が第1の熱媒体通路を介して直接的に熱媒体流通路へ供給されるとともに、通路切換手段が第2の熱媒体通路を導通させることにより、熱媒体流通路内の高温の熱媒体が第2の熱媒体通路を介して直接的に蓄熱装置へ供給される。
このように熱媒体流通路と蓄熱装置との間で直接的に熱媒体の授受が行われると、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を供給する際の熱損失が最小限に抑制されるとともに、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を供給する際の熱損失も最小限に抑制される。この結果、熱媒体流通路内の熱媒体が持つ熱量が少ない場合であっても、その少ない熱量が効率良く蓄熱装置に蓄えられることになる。
特開2003−184553号公報
近年、冷却水温度を90℃程度に維持することにより燃焼室温度を従前よりも高温に維持して燃費改善を図る技術が開発されている。燃焼室温を高温にすることにより熱損失が少なくなり、かつ潤滑油温も上昇し摩擦も小さくなる。
このような高温水制御では、エンジン負荷が高くなるとノッキングが発生しやすくなるという問題がある。しかしながら、特許文献1に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関においては、内燃機関の昇温に着目したものに過ぎず、蓄熱装置をノッキング防止に利用することについては考慮されていない。
また、蓄熱装置をノッキング防止に利用するには従来のラジエータ等の放熱装置と適切な調和を図りエネルギ損失を小さく抑えることが望ましい。
この発明の目的は、エンジンの燃焼室温を適切な温度に維持し、エネルギ損失が低減された蓄熱システムを備える車両の制御装置を提供することである。
この発明は要約すると車両の制御装置であって、車両は、内燃機関から送出される液媒体の放熱を行なう放熱部と、放熱部に通風を行なう電動ファンと、液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵部とを備える。車両の制御装置は、内燃機関の負荷状態を検知する第1の検知部と、第1の検知部が通常負荷状態よりも負荷の高い高負荷状態を検知した場合に、貯蔵部に保存されていた冷水を内燃機関の冷却に使用し、かつ電動ファンの駆動を停止させる制御部とを含む。
好ましくは、車両は、貯蔵部から送出される液媒体を内燃機関に導くように構成された第1の経路と、液媒体を貯蔵部に取込ませるとともに貯蔵部に貯蔵されていた液媒体を内燃機関に向けて放出させる第1のポンプと、放熱部から送出される液媒体を内燃機関に導くように構成された第2の経路と、第2の経路上に配置され液媒体を内燃機関に向けて送出する第2のポンプとをさらに備える。車両の制御装置は、内燃機関に設けられた流路を流れる液媒体の温度を検知する第2の検知部をさらに含む。制御部は、貯蔵部に保存されていた冷水を内燃機関の冷却に使用するときは第1のポンプを駆動させるとともに、第2の検知部が冷水による冷却に応じて液媒体の温度低下を検知するよりも前に電動ファンの送風を停止させる。
好ましくは、放熱部は、ラジエータと、ラジエータと並列接続されるバイパス通路と、ラジエータおよびバイパス通路の結合点に配置され、制御部の指示に応じてラジエータおよびバイパス通路のいずれかを選択し、またはラジエータおよびバイパス通路の双方の液媒体の通過の停止させることが可能な流量制御弁とを含む。
本発明によれば、高負荷時に冷水によって燃焼室を冷却することによりノッキングの発生が防止され、そのときにラジエータファンを停止させることによりエネルギ効率のさらなる改善が図られる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳しく説明する。なお、同一または相当の部品には同一の符号を付し、それらの説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態に係る制御装置の制御対象である蓄熱システムの制御ブロック図である。
図1に示す蓄熱システムは、内燃機関(エンジン)を搭載した車両に適用される。なお、この車両は、エンジンのみを搭載した車両であってもよいし、エンジンとバッテリにより駆動されるモータとを搭載したハイブリッド車両のいずれであってもよい。
図1に示すように、この蓄熱システムは、シリンダヘッド(以下、ヘッドと記載する。)100およびシリンダブロック110に設けられた冷却水流路を流れる冷却水の一部を蓄熱タンク310に保温して貯蔵しておいて、その冷却水を必要に応じて蓄熱タンク310からヘッド100やシリンダブロック110に供給する。
ヘッド100およびシリンダブロック110とラジエータ400またはラジエータバイパス通路410との間において、機械式ウォータポンプ200により冷却水が循環される。ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410のいずれを通るかについては、流量制御弁430により制御される。ラジエータ400に通風を行なうために電動式のファン440が設けられている。ファン440は必要とされる冷却能力に応じてエンジンECU1000によりオン/オフおよび回転数を制御される。
蓄熱タンク310からヘッド100およびシリンダブロック110への冷却水の供給は電動式ウォータポンプ300により行なわれる。電動式ウォータポンプ300を駆動することにより、蓄熱タンク310内の冷却水(温水であったり冷水であったりする)が三方弁600を介してヘッド100、シリンダブロック110、ヒータコア500等に供給される。
三方弁600は、全閉状態、全開状態(ポートA、ポートBおよびポートCを連通状態)、ポートAとポートBとを連通状態、ポートAとポートCとを連通状態、ポートBとポートCとを連通状態の5通りの状態を実現することができる。
また、この蓄熱システムは、温度センサとして、温度センサ120と、蓄熱タンク温度センサ320と、ラジエータ水温センサ420とを含む。
温度センサ120は、ヘッド100に設けられヘッド100の温度に応じて変化するエンジン冷却水温Thを検知する。蓄熱タンク温度センサ320は、蓄熱タンク310に設けられ貯蔵されている冷却水の温度Ttを検知する。ラジエータ水温センサ420は、ラジエータ400に設けられエンジンから送られてくる冷却水の温度とラジエータ400の放熱能力とに応じて変化する冷却水温Trを検知する。これらの温度センサからの信号は、エンジンECU(Electronic Control Unit)1000に入力される。
さらに、この蓄熱システムは、エンジンの吸気量を検知する吸気量センサ140と、エンジン回転数を検知する回転数センサ130と、スロットル開度を検知するスロットル開度センサ150とを含む。これらのセンサからの信号もエンジンECU1000に入力される。
エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300、三方弁600、流量制御弁430を制御する。流量制御弁430は、制御デューティを変更することにより、ラジエータ400に流通する冷却水の流量およびラジエータバイパス通路410を流通する冷却水の流量を制御することができる。
このとき、流量制御弁430は、ラジエータ400のみに冷却水を流すことができ、またラジエータバイパス通路410のみに冷却水を流すことができ、さらにラジエータ400およびラジエータバイパス通路410の両方に冷却水を流すことができる。
流量制御弁430は、エンジンECU1000からラジエータ選択指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータ400に流すように流量を制御する。また、流量制御弁430は、エンジンECU1000からバイパス選択指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータバイパス通路410に流すように、流量を制御する。さらに、流量制御弁430は、エンジンECU1000から指令信号を受信して、冷却水の一部をラジエータ400に流して、残りの冷却水をラジエータバイパス通路410に流すように流量を制御することもできる。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティを変更することにより、モータの回転数を制御して、電動式ウォータポンプ300の吐出量を制御することができる。また、この制御は、電動式ウォータポンプ300のモータの電圧を可変とすることにより行なってもよい。また、電動式ウォータポンプ300のモータの通電時間を変更することにより、電動式ウォータポンプ300の駆動時間を制御して、電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御するようにしてもよい。
図2は、図1のエンジンECU1000で実行されるプログラムの制御を説明するためのフローチャートである。このフローチャートはエンジン制御のメインルーチンから一定時間毎または所定の条件が成立するごとに呼び出されて実行される。
図1、図2を参照して、処理が開始されると、ステップS1においてエンジンの始動時か否かが判断される。たとえば、イグニッションキーやパワースイッチがオンされた場合などに始動時であると判断される。
ステップS1において始動時であると判断された場合にはステップS2に処理が進み、始動時ではないと判断された場合にはステップS7に処理が進む。
ステップS2〜S6では、始動時においてエンジンの燃焼室を蓄熱タンク310に貯蔵されていた温水によって予熱するための処理を行なう。
まずステップS2において、エンジンECU1000は三方弁600に対してポートAとポートBとを連通状態にするように制御信号を送信する。これにより蓄熱タンク310からヘッド100に至る経路が形成される。ステップS2の処理が終了すると処理はステップS3に進む。
続いてステップS3においては、エンジンECU1000は流量制御弁430に対して全閉指令を出力する。全閉指令を受けると流量制御弁430は冷却水を流通させないので、ラジエータ400とバイパス通路410は冷却水が流れない状態となる。これによりヘッド100からシリンダブロック110、機械式ウォータポンプ200を経由し電動式ウォータポンプ300に至る経路が形成される。機械式ウォータポンプ200はエンジン停止状態では動作していないので冷却水が逆流することが可能である。ステップS3の処理が終了すると処理はステップS4に進む。
ステップS4では、エンジンECU1000は不要なエネルギ消費を避けるためファン440を停止状態に制御する。エンジンの予熱が必要な始動時においてはラジエータ400を冷却水が通過せず、ファン440を回転させると無用なエネルギ消費となるからである。
続いて処理はステップS5に進み、エンジンECU1000は電動式ウォータポンプ300を駆動するモータに対して駆動指令を出力する。このとき、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティ、電圧または通電時間を制御して電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御する。そして、蓄熱タンク310に貯蔵されていた温水が吐出されこれによりヘッド100およびシリンダブロック110が予熱される。代わりに冷えていたヘッド100およびシリンダブロック110中の冷却水は蓄熱タンク310に取込まれる。
図3は、蓄熱システムにおける冷却水の流れを説明するための図である。
図3を参照して、蓄熱タンク310から吐出された温水は経路P3を通ってヘッド100およびシリンダブロック110のウォータジャケットスペース(W/Jスペーサ)に注入される。そして経路P1を逆流する。経路P1はエンジン停止時においては機械式ウォータポンプ200が停止しており、冷却水は逆流が可能である。そして、温水は経路P4を通り、ヘッド100およびシリンダブロック110から押出された冷水が蓄熱タンク310に取込まれる。
再び図1、図2を参照して、ステップS5においてヘッド100およびシリンダブロック110が予熱され、蓄熱タンク310中の冷却水の入替えが終了すると処理はステップS6に進む。ステップS6ではエンジンECU1000は電動式ウォータポンプ300の駆動を停止させる。そして処理はステップS24に進み、制御がメインルーチンに戻る。
一方、ステップS1において始動時ではないと判断されステップS7に処理が進んだ場合には、エンジンの高負荷状態が検出されるか否かが判断される。例えば、ヘッド100に取付けられた温度センサ120の出力によってエンジン温度が急上昇したことを検知した時、エンジン回転数NEが所定回転以上となった時、吸気量センサ140の出力によって吸気量が急に増加したことを検知した時、スロットル開度センサ150の出力によってスロットル開度が急に増加したことを検知した時またはこれらの条件の組合せによってエンジンが高負荷状態であると判断される。
ステップS7においてエンジンが高負荷状態でないと判断された場合には、処理はステップS8に進む。ステップS8〜S16では、通常運転時の制御が行なわれる。
まずステップS8において、エンジンECU1000は、図示しないヒータスイッチの設定を検知し、ヒータスイッチがオンであるかオフであるかを判断する。ヒータスイッチがオフであれば処理はステップS9に進む。一方、ヒータスイッチがオンであれば処理はステップS10に進む。
ステップS9では、エンジンECU1000は、三方弁600を全閉状態とする。すると、ヒータコア500および蓄熱タンク310には冷却水の出入りが無い状態となる。
一方、ステップS10では、エンジンECU1000は、三方弁600のポートB,C間を連通状態とし、ポートAは閉じた状態とする。すると、蓄熱タンク310には冷却水の出入りが無い状態となり、ヘッド100から送出される温水がヒータコア500に導かれるような経路が形成される。
ステップS9またはS10が終了すると、処理はステップS11に進む。ステップS11では、エンジンECU1000は温度センサ120で検知された温度Thがしきい値温度TA1より高いか否かを判断する。Th>TA1が成立しない場合には処理はステップS12に進み、Th>TA1が成立した場合には処理はステップS13に進む。
ステップS12では、温度Thが低いので冷却水の熱を放熱する必要が無いので、エンジンECU1000は流量制御弁430にバイパス通路410を選択させる。これによりラジエータ400には冷却水が通過しなくなる。そして処理はステップS24に進み、制御がメインルーチンに戻る。
一方、ステップS13では、温度Thが高いため冷却水の熱を放熱する必要があるので、エンジンECU1000は流量制御弁430にラジエータ400を選択させる。これによりバイパス通路410には冷却水が通過しなくなる。なお、精度よく目標温度に冷却水を制御するために流量制御弁430にラジエータ400を通過する流量とバイパス通路410を通過する流量の比を制御させても良い。
ステップS13の次には、処理はステップS14に進む。ステップS14では、エンジンECU1000は温度センサ120で検知された温度Thがしきい値温度TA2より高いか否かを判断する。しきい値温度TA2はしきい値温度TA1よりも高い温度であり、ラジエータ400に冷却水を通水する場合でもファン440によって送風するか否かでラジエータ400の放熱能力を変化させるための切換温度である。しきい値温度Th>TA2が成立しない場合には処理はステップS15に進み、Th>TA2が成立した場合には処理はステップS16に進む。
ステップS15では、冷却水温度を考慮するとラジエータ400からの放熱はファン440を使用しないでも十分であるのでファンを停止させる。一方、ステップS16では、冷却水温が高いのでファン440を駆動させてラジエータ400の放熱能力を向上させる。ステップS15またはS16が終了すると、処理はステップS24に進み、制御がメインルーチンに戻る。
なお、ファンの回転についてはステップS14の温度による判定以外にも車速が大きい場合には走行風による冷却が期待できるのでファンの駆動を停止させる制御を行なっても良い。
ステップS7においてエンジンが高負荷状態であると判断された場合には、処理はステップS17に進む。
ステップS17〜S23では、エンジンの燃焼室を蓄熱タンク310に貯蔵されていた冷水によって冷却するための処理を行なう。
すなわち、エンジンECU1000は、エンジンの温度に基づいて、前記内燃機関の燃焼室温度が所定のしきい値温度に到達しないように、蓄熱タンク310内の液媒体のエンジンへの供給および供給の停止を行なうように、電動式ウォータポンプ300や流量制御弁430、三方弁600を制御する。
エンジンECU1000は、エンジンの始動時に蓄熱タンク310内に流路から回収した冷水を、高負荷状態が検出された場合にエンジンに供給する。
まずステップS17において、エンジンECU1000は三方弁600に対してポートAとポートBとを連通状態にするように制御信号を送信する。これにより蓄熱タンク310からヘッド100に至る経路が形成される。ステップS17の処理が終了すると処理はステップS18に進む。
ステップS18においては、エンジンECU1000は流量制御弁430に対してラジエータ400を選択させる。この指令を受けると流量制御弁430はバイパス通路410には冷却水を流通させず、ラジエータ400に冷却水が流れる状態となる。これによりヘッド100からラジエータ400を経由し電動式ウォータポンプ300に至る経路が形成される。機械式ウォータポンプ200はエンジン運転状態では冷却水をシリンダブロック110に向けて送出している。ステップS18が終了すると、処理はステップS19に進む。
ステップS19では、蓄熱タンク温度センサ320の出力に基づいて蓄熱タンク310の内部の冷却水が冷水か否かが判断される。
ステップS19において蓄熱タンク310の内部の冷却水が冷水でない場合には、ステップS20においてファン440が駆動され、そして処理がステップS24に進み制御がメインルーチンに戻る。
ステップS19において蓄熱タンク310の内部の冷却水が冷水である場合には、ステップS21に処理が進む。
ステップS21では、不要なエネルギ損失を抑えるため、エンジンECU1000は、ファン440を停止させる。蓄熱タンク310中の冷水によってヘッド100を冷却する場合は、ヘッド100が急冷されるので、ラジエータ400の放熱能力はさほど必要が無く、ファン440を停止させたほうがエネルギ効率が良いからである。エネルギ効率をより多く改善するために、ファン440の停止は温度センサ120によって温度変化が検知される前に行なわれる。冷水が注入され燃焼室温度が低下してから温度変化が検知されるまでには、すこし時間的な遅れがあるからである。ステップS21の処理が終了するとステップS22に進む。
ステップS22では、エンジンECU1000は電動式ウォータポンプ300を駆動するモータに対して駆動指令を出力する。このとき、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティ、電圧または通電時間を制御して電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御する。蓄熱タンク310に貯蔵されていた冷水が吐出されこの冷水によりヘッド100が冷却される。これにより、高負荷時において燃焼室が高温になってしまうことによるノッキングの発生が防止される。
図3に示すように、蓄熱タンク310から吐出された冷水は経路P3を通ってヘッド100を冷却する。ヘッド100を通過した冷却水は経路P2でラジエータ400を経由する。そしてその一部は、機械式ウォータポンプ200によって経路P1を流れシリンダブロック110のウォータジャケットスペースを冷却する。残りの冷却水は経路P4を通って蓄熱タンク310に取込まれる。
再び図2を参照して、ステップS22において蓄熱タンク310中の冷水の吐出が終了すると処理はステップS23に進む。ステップS23ではエンジンECU1000は電動式ウォータポンプ300の駆動を停止する。そして処理はステップS24に進み、制御がメインルーチンに戻る。
図4は、本発明が適用された蓄熱システムによるエンジン燃焼室の温度変化を説明するための図である。
図4を参照して、時刻t0〜t1で通常運転が行なわれ、時刻t2においてエンジンが高負荷状態になると、従来においては一点鎖線W1で示すように温度Thが上昇し、ノッキングが発生しない臨界温度を超えてしまう。
このため、燃費が良好な高温の領域にエンジンの燃焼室の温度を維持することが困難であった。または、エンジン燃焼室の目標温度をノッキングが発生しない臨界温度に対して十分余裕を持った温度に設定しなければならなかったので、通常運転時における燃費向上の面ではさらに改善の余地があった。
一方、本発明に係る制御装置においては、実線W2で示すように、蓄熱タンクに貯蔵していた冷水を注入することにより急速に燃焼室を冷却可能であるので、ノッキングを発生させることなく燃費が良好な高温の領域にエンジンの燃焼室の温度を維持することができる。
また、燃焼室を通過した冷却水の上限温度目標値であるしきい値温度は、エンジンの負荷状態に対応してエンジンにノッキングが発生しない温度範囲内に定められる。すなわち、負荷状態が通常負荷状態である場合は温度T1程度に定められており、高負荷状態である場合には温度T1よりも低い温度T2に定められる。たとえば、通常負荷状態に対応するしきい値温度T1は、燃費をよくするため90℃程度に定められ、高負荷状態に対応するしきい値温度T2はノッキングの発生を防止するためこれよりも温度の低い80℃程度に定められる。つまり温度T1は温度T2よりも10℃以上高く定められる。
エンジンECU1000は、このしきい値温度を超えないようにエンジンの負荷状態に応じてラジエータ400等による放熱能力を調整し、かつ蓄熱タンクの冷却水を使用する。
すなわち、時刻t0〜t1において通常運転が行なわれており、時刻t1において急加速等が行なわれエンジン回転数NEが増加開始し、時刻t2において高負荷運転であると判断される回転数NE0に到達する。時刻t0〜t2においては、電動式ウォータポンプ300は停止している。このときラジエータ400に対して送風を行なうファン440が動作していたとする。
高負荷状態を検出すると時刻t2において、エンジンECU1000は、燃焼室を通過した冷却水の上限側のしきい値温度をT1からT2に切換える。また、エネルギロスを減らすため、ファン440を停止させる。そして、エンジンECU1000が電動式ウォータポンプ300を駆動するので、蓄熱タンク310に貯蔵されていた冷水はヘッド100に注入される。すると実線W2に示すように時刻t3において温度Thがしきい値温度T2を下回る。そしてエンジンECU1000は電動式ウォータポンプ300を停止させる。
その後、エンジン回転数NEが時刻t4において回転数NE0より低下し、高負荷運転が終了し、その後時刻t5においてエンジンECU1000は、燃焼室を通過した冷却水の上限温度目標値であるしきい値温度をT2からT1に戻す。
以上説明したように、本発明によれば、高負荷時に蓄熱タンクの冷水によって燃焼室を冷却することによりノッキングの発生が防止され、そのときにラジエータファンを停止させることによりエネルギ効率のさらなる改善が図られる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 ヘッド、110 シリンダブロック、120 温度センサ、130 回転数センサ、140 吸気量センサ、150 スロットル開度センサ、200 機械式ウォータポンプ、300 電動式ウォータポンプ、310 蓄熱タンク、320 蓄熱タンク温度センサ、400 ラジエータ、410 ラジエータバイパス通路、420 ラジエータ水温センサ、430 流量制御弁、440 ファン、500 ヒータコア、600 三方弁、A,B,C ポート、1000 エンジンECU。
Claims (3)
- 車両の制御装置であって、
前記車両は、
内燃機関から送出される前記液媒体の放熱を行なう放熱部と、
前記放熱部に通風を行なう電動ファンと、
前記液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵部とを備え、
前記車両の制御装置は、
前記内燃機関の負荷状態を検知する第1の検知部と、
前記第1の検知部が通常負荷状態よりも負荷の高い高負荷状態を検知した場合に、前記貯蔵部に保存されていた冷水を前記内燃機関の冷却に使用し、かつ前記電動ファンの駆動を停止させる制御部とを含む、車両の制御装置。 - 前記車両は、
前記貯蔵部から送出される前記液媒体を前記内燃機関に導くように構成された第1の経路と、
前記液媒体を前記貯蔵部に取込ませるとともに前記貯蔵部に貯蔵されていた液媒体を前記内燃機関に向けて放出させる第1のポンプと、
前記放熱部から送出される前記液媒体を前記内燃機関に導くように構成された第2の経路と、
前記第2の経路上に配置され前記液媒体を前記内燃機関に向けて送出する第2のポンプとをさらに備え、
前記車両の制御装置は、
前記内燃機関に設けられた流路を流れる前記液媒体の温度を検知する第2の検知部をさらに含み、
前記制御部は、前記貯蔵部に保存されていた前記冷水を前記内燃機関の冷却に使用するときは前記第1のポンプを駆動させるとともに、前記第2の検知部が前記冷水による冷却に応じて前記液媒体の温度低下を検知するよりも前に前記電動ファンの送風を停止させる、請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記放熱部は、
ラジエータと、
前記ラジエータと並列接続されるバイパス通路と、
前記ラジエータおよび前記バイパス通路の結合点に配置され、前記制御部の指示に応じて前記ラジエータおよび前記バイパス通路のいずれかを選択し、または前記ラジエータおよび前記バイパス通路の双方の前記液媒体の通過の停止させることが可能な流量制御弁とを含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005019784A JP2006207449A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2005019784A JP2006207449A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2006207449A true JP2006207449A (ja) | 2006-08-10 |
Family
ID=36964585
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2005019784A Withdrawn JP2006207449A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2006207449A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014043203A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-13 | Toshiba Corp | 蓄熱装置、空調装置及び蓄熱方法 |
| JP2016160852A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の温度制御装置 |
| JP2020118043A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-08-06 | いすゞ自動車株式会社 | 内燃機関の冷却システム及び内燃機関の冷却システムの制御方法 |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005019784A patent/JP2006207449A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2014043203A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-13 | Toshiba Corp | 蓄熱装置、空調装置及び蓄熱方法 |
| JP2016160852A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の温度制御装置 |
| JP2020118043A (ja) * | 2019-01-18 | 2020-08-06 | いすゞ自動車株式会社 | 内燃機関の冷却システム及び内燃機関の冷却システムの制御方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20071207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
| A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20081224 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |