JP2006207457A - 回転電機の制御装置 - Google Patents

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修一 花井
Zenichi Shinpo
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Abstract

【課題】 コストの上昇および機器のレイアウトの自由度を損なうことを抑制しつつ、油温に応じた適切なトルクでスタータを駆動してエンジンをクランキングする。
【解決手段】 エンジンECUは、油温(エンジンオイルの温度)を推定するステップ(S108)と、推定された油温から、エンジンのフリクションを推定するステップ(S110)と、フリクションが低いほど、すなわち油温が高いほど、スタータの駆動電圧を低い電圧に決定するステップ(S112)と、決定された駆動電圧でスタータを駆動し、エンジンをクランキングするステップ(S114)と、クランキングによりエンジン回転数NEが上昇し、エンジン回転数NEがしきい値NE(0)以上になると(S118にてYES)、点火プラグによりシリンダ内の混合気を点火し、エンジンを始動するステップ(S120)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、液媒体を保温状態で一時的に蓄える蓄熱システムを搭載した車両における回転電機の制御装置に関し、特に、内燃機関に高温の液媒体を供給して内燃機関の温度を制御する車両における回転電機の制御装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関が冷間状態で始動される場合には、吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなるため、燃料が霧化し難くなるとともに燃焼室の周縁部において消炎が発生し易くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが誘発される。
このような問題に対し、水冷式内燃機関において高温の冷却水を保温貯蔵する蓄熱装置を備え、内燃機関の始動時などに蓄熱装置に貯蔵されている冷却水を内燃機関へ供給することにより内燃機関の温度上昇を図り、以て始動性の向上や暖機の早期化を図る技術が提案されている。
たとえば、特開2003−184553号公報(特許文献1)に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関は、内燃機関のシリンダヘッドに形成され、熱媒体が流通する熱媒体流通路と、熱媒体流通路を流れる熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱装置と、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を導く第1の熱媒体通路と、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を導く第2の熱媒体通路と、第1の熱媒体通路と第2の熱媒体通路とを択一的に導通させる通路切換手段とを備える。
この蓄熱装置を備えた内燃機関によると、通路切換手段が第1の熱媒体通路を導通させることにより、蓄熱装置内に保温貯蔵されている高温の熱媒体が第1の熱媒体通路を介して直接的に熱媒体流通路へ供給されるとともに、通路切換手段が第2の熱媒体通路を導通させることにより、熱媒体流通路内の高温の熱媒体が第2の熱媒体通路を介して直接的に蓄熱装置へ供給される。このように熱媒体流通路と蓄熱装置との間で直接的に熱媒体の授受が行われると、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を供給する際の熱損失が最小限に抑制されるとともに、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を供給する際の熱損失も最小限に抑制される。この結果、熱媒体流通路内の熱媒体が持つ熱量が少ない場合であっても、その少ない熱量が効率良く蓄熱装置に蓄えられることになる。
また、燃費の向上や排気エミッション性能の向上のため、車両が停止している場合などに内燃機関(エンジン)を停止するアイドリングストップシステムが搭載された車両が実用化されている。このアイドリングストップシステムが搭載された車両においては、頻繁にエンジンの停止および始動が繰返される。エンジンの始動は、一般的にスタータモータなどの回転電機によって行なわれる。このとき、エンジンの潤滑油の粘性はエンジンの温度状態によって異なるため、スタータモータに要求されるトルクは、エンジンの温度状態によって異なる。
特開2001−159384号公報(特許文献2)は、エンジンが低温状態、高温状態のいずれかにある場合でも,円滑に安定して始動することができるエンジン始動装置を開示する。特許文献2に記載のエンジン始動装置は、エンジンの出力軸に結合され、高温状態にあるエンジンを円滑に始動可能な範囲の低トルクを出力する第1電動機と、出力軸に結合され、低温状態にあるエンジンを始動するのに十分な高トルクを出力する第2電動機とを含む。
この公報に記載のエンジン始動装置によると、高温状態での始動に適した第1電動機と、低温状態での始動に適した第2電動機とを備えることにより、装置の小型化を図りつつ、それぞれの運転状況下でエンジンを円滑かつ安定して始動することができる。
特開2003−184553号公報 特開2001−159384号公報
しかしながら、特開2003−184553号公報においては、エンジン始動時において必要な回転電機のトルクに関する記載は何等ない。したがって、特開2003−184553号公報に記載の蓄熱装置を備えた車両に、特開2001−159384号公報に記載のエンジン始動装置を適用することは困難である。また、特開2001−159384号公報に記載のエンジン始動装置は、たとえばエンジンと回転電機との駆動力により走行可能なハイブリッド車両など、エンジンの回転軸に連結された回転電機が複数設けられる車両において好適である。しかしながら、エンジンのみからの駆動力により走行する車両においては、エンジン始動のために少なくとも2つの回転電機が必要となり、コストが上昇したり、機器のレイアウトの自由度が損なわれたりするおそれがある。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、コストの上昇および機器のレイアウトの自由度を損なうことを抑制しつつ、内燃機関の潤滑油の温度に応じた適切なトルクで内燃機関を始動することができる回転電機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る回転電機の制御装置は、内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、貯蔵手段内の液媒体を、貯蔵手段および内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両において内燃機関を始動する回転電機を制御する。この制御装置は、内燃機関の潤滑油の温度を検知するための手段と、内燃機関の潤滑油の温度に基づいて回転電機から発生するトルクを変更するように回転電機を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、貯蔵手段内の液媒体を、貯蔵手段および内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両においては、貯蔵手段内の液媒体により、内燃機関の始動時における潤滑油の温度が変化し得る。潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、潤滑油の粘度が低いため、内燃機関のフリクションが低い。そのため、内燃機関の始動のために回転電機に要求されるトルクが低い。よって、たとえば内燃機関の潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、回転電機から発生するトルクが低くされる。これにより、出力トルクが異なる複数の回転電機を設けることなく、内燃機関の潤滑油の温度に応じた適切なトルクで回転電機を駆動することができる。そのため、コストの上昇および機器のレイアウトの自由度を損なうことを抑制しつつ、内燃機関の潤滑油の温度に応じた適切なトルクで内燃機関を始動することができる回転電機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る回転電機の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、制御手段は、潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、トルクを低くするように回転電機を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、内燃機関の潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、潤滑油の粘度が低いため、内燃機関のフリクションが低い。そのため、内燃機関の始動のために回転電機に要求されるトルクが低い。よって、内燃機関の潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、回転電機から発生するトルクが低くされる。これにより、出力トルクが異なる複数の回転電機を設けることなく、内燃機関の潤滑油の温度に応じた適切なトルクで回転電機を駆動することができる。
第3の発明に係る回転電機の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、制御装置は、内燃機関の回転数を検知するための手段をさらに含む。制御手段は、内燃機関の潤滑油の温度に加え、内燃機関の回転数に基づいてトルクを変更するように回転電機を制御するための手段を含む。
第3の発明によると、回転電機から発生するトルクが不十分である場合、内燃機関の回転数が予め定められた回転数まで上昇せず、内燃機関を始動できないおそれがある。したがって、たとえば内燃機関の回転数が予め定められた回転数よりも低い場合、回転電機から発生するトルクが高くされる。これにより、適切なトルクで回転電機を駆動し、速やかに内燃機関の始動を行なうことができる。
第4の発明に係る回転電機の制御装置においては、第3の発明の構成に加え、制御手段は、内燃機関の回転数が予め定められた回転数よりも低い場合、トルクを高くするように回転電機を制御するための手段を含む。
第4の発明によると、内燃機関の回転数が予め定められた回転数まで上昇しない場合は、回転電機のトルクが不十分である状態であるといえる。この場合、回転電機から発生するトルクが高くされる。これにより、適切なトルクで回転電機を駆動することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置の制御対象である蓄熱システムの制御ブロック図を示す。
図1に示す蓄熱システムは、内燃機関(エンジン)を搭載した車両に適用される。なお、この車両は、エンジンのみを搭載した車両であってもよいし、エンジンとバッテリにより駆動されるモータとを搭載したハイブリッド車両のいずれであってもよい。
このエンジンは、運転者がイグニッションスイッチをスタート位置にすることによりスタータ700によりクランキングされて始動される。また、このようなエンジンの始動については、アイドリングストップにおけるエンジンの一時的な停止後の再始動も同じように行なわれる。アイドリングストップシステムは、交差点等において赤信号で車両が停車するとエンジンを自動的に停止させて、再び走行を始めようと運転者が操作するとエンジンを再始動させる。たとえば、アクセル開度が0であって、シフト操作後1秒以上経過しており、車速が0であって、エンジン回転数が1000rpm以下であって、車両が登坂路や降坂路に停止しておらず、エンジン冷却水温が予め定められた範囲内にあると、アイドリングストップが許可されてエンジンが一時的に停止する。その後、アイドリングスト
ップ条件が成立しなくなるとエンジンが再始動される。
図1に示すように、この蓄熱システムは、シリンダヘッド(以下、ヘッドと記載する。)100およびシリンダブロック110に設けられた冷却水流路を流れる冷却水の一部を蓄熱タンク310に保温して貯蔵しておいて、その冷却水を必要に応じて蓄熱タンク310からヘッド100やシリンダブロック110に供給する。ヘッド100およびシリンダブロック110とラジエータ400またはラジエータバイパス通路410との間において、機械式ウォータポンプ200により冷却水が循環される。ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410のいずれを通るかについては、流量制御弁430により制御される。なお、機械式ウォータポンプ200には、ベルトを介して、エンジンのクランクシャフトから駆動力が伝達される。そのため、機械式ウォータポンプ200は、エンジンのフリクションとなる。
蓄熱タンク310からヘッド100およびシリンダブロック110への冷却水の供給は電動式ウォータポンプ300により行なわれる。電動式ウォータポンプ300を駆動することにより、蓄熱タンク310内の冷却水(温水であったり冷水であったりする)が三方弁610を介してヘッド100、シリンダブロック110、ヒータコア500等に供給される。三方弁610は、全閉状態、全開状態(ポートA、ポートBおよびポートCを連通状態)、ポートAとポートBとを連通状態、ポートAとポートCとを連通状態、ポートBとポートCとを連通状態の5通りの状態を実現することができる。
また、この蓄熱システムの温度センサとして、ヘッド100の冷却水出口側に設けられたエンジン冷却水温度センサ120と、蓄熱タンク310の出口側に設けられた蓄熱タンク出口温度センサ320と、ラジエータ400の出口に設けられたラジエータ出口水温センサ420とが設けられる。これらの温度センサからの信号は、エンジンECU(Electronic Control Unit)1000に入力される。
さらに、エンジンECU1000には、エンジンのクランクシャフトと一体的に回転するタイミングロータの外周に対向するように設けられたクランクポジションセンサ1010から、エンジン回転数NEを表す信号が入力される。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300、三方弁610、流量制御弁430を制御する。流量制御弁430は、制御デューティを変更することにより、ラジエータ400に流通する冷却水の流量およびラジエータバイパス通路410を流通する冷却水の流量を制御することができる。このとき、流量制御弁430は、ラジエータ400のみに、ラジエータバイパス通路410のみに、ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410に、冷却水を流すことができる。流量制御弁430は、エンジンECU1000から全開指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータ400に流すように、流量を制御する。また、流量制御弁430は、エンジンECU1000から全閉指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータバイパス通路410に流すように、流量を制御する。さらに、流量制御弁430は、エンジンECU1000から指令信号を受信して、冷却水の一部をラジエータ400に流して、残りの冷却水をラジエータバイパス通路410に流すように流量を制御することもできる。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティを変更することにより、モータの回転数を制御して、電動式ウォータポンプ300の吐出量を制御することができる。また、この制御は、電動式ウォータポンプ300のモータの電圧を可変とすることにより行なってもよい。また、電動式ウォータポンプ300のモータの通電時間を変更することにより、電動式ウォータポンプ300の駆動時間を制御して、電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御するようにしてもよい。
さらに、エンジンECU1000は、スタータ700の駆動電圧を調整するコンバータ702を制御して、スタータ700の駆動電圧を変更することにより、スタータ700のトルクを変更する。なお、スタータ700のトルクを変更する方法は、これに限らない。
図2を参照して、図1のエンジンECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECU1000は、エンジン始動要求を検知したか否かを判断する。たとえば、運転者によりイグニッションスイッチがエンジンスタート位置まで操作されることにより始動要求が検知されたり、アイドリングストップ中にアイドリングストップ条件が満足されなくなって再始動要求が検知されたりする。以下、このようなアイドリングストップからの再始動を含めて始動という。エンジンの始動要求を検知すると(S100にてYES)、処理はS102へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100へ戻されてエンジンの始動要求を検知するまで待つ。
S102にて、エンジンECU1000は、エンジン冷却水温度センサ120から送信された信号に基づいて、エンジン冷却水温THW(1)を検知するとともに、蓄熱タンク出口温度センサ320から送信された信号に基づいて、蓄熱タンク水温THW(2)を検知する。
S104にて、エンジンECU1000は、蓄熱タンク310内の冷却水がシリンダブロック110に供給されているか否かを判別する。蓄熱タンク310内の冷却水をシリンダブロック110に供給するか否かは、エンジンECU1000自体が、たとえばメモリ(図示せず)に記憶されたマップに基づいて判別する。したがって、蓄熱タンク310内の冷却水がシリンダブロック110に供給されているか否かは、エンジンECU1000の内部で判別される。蓄熱タンク310内の冷却水がシリンダブロック110に供給されている場合(S104にてYES)、処理はS106に移される。もしそうでないと(S104にてNO)、処理はS108に移される。
S106にて、エンジンECU1000は、蓄熱タンク310からシリンダブロック110に供給された冷却水の量を推定する。蓄熱タンク310からシリンダブロック110に供給された冷却水の量は、たとえば、電動式ウォータポンプ300の駆動時間や三方弁610における各ポートの開度に基づいて推定すればよい。
S108にて、エンジンECU1000は、シリンダブロック110内の油温(エンジンオイルの温度)を推定する。蓄熱タンク310からシリンダブロック110に冷却水が供給されている場合(S104にてYES)、油温は、冷却水からシリンダブロック110に伝達された熱量に基づいて推定される。シリンダブロック110に伝達された熱量は、シリンダブロック110に供給された冷却水の量および蓄熱タンク水温THW(2)に基づいて推定される。蓄熱タンク水温THW(2)からエンジン冷却水温THW(1)を減算して得られる温度差を、シリンダブロック110内の冷却水の量にシリンダブロック110の熱容量を加えた値とシリンダブロック110に供給された冷却水の量との比を表す係数で除算して、蓄熱タンク310内の冷却水からシリンダブロック110へ伝達される熱量が推定される。この熱量と油温の上昇量との関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップから導かれる油温の上昇量を、エンジン冷却水温THW(1)から推定される油温に加算して、最終的な油温を推定する。
一方、蓄熱タンク310からシリンダブロック110に冷却水が供給されていない場合(S104にてNO)、油温は、エンジン冷却水温THW(1)に基づいて推定される。たとえば、エンジン冷却水温THW(1)と油温との関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップから油温が推定される。なお、ヘッド100に伝達される熱量および油温の推定方法は、これらに限らない。
S110にて、エンジンECU1000は、推定された油温に基づいて、エンジンのフリクションを推定する。たとえば油温とフリクションとの関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップに基づいて、フリクションが推定される。なお、フリクションを推定する方法は、これに限らない。
S112にて、エンジンECU1000は、推定されたフリクションに基づいて、スタータ700の駆動電圧を決定する。スタータ700の駆動電圧は、たとえばメモリに記憶されたマップに従って決定される。フリクションが小さい場合、すなわち油温が高い場合は、低い場合に比べて、スタータ700の駆動電圧は低い電圧に設定される。これにより、油温が高い場合は、低い場合に比べて、スタータ700のトルクが低くされる。なお、油温が高すぎる場合は、潤滑油の粘度が、潤滑に必要な粘度よりも低くなり、逆にフリクションが高くなる場合がある。そのため、油温が予め定められた油温よりも高い場合は、スタータ700の駆動電圧を高くして、トルクを高くしてもよい。
S114にて、エンジンECU1000は、スタータ700を駆動して、エンジンのクランキングを開始する。S116にて、エンジンECU1000は、クランクポジションセンサ1002から送信された信号に基づいて、エンジン回転数NEを検知する。
S118にて、エンジンECU1000は、エンジン回転数NEが、予め定められたしきい値NE(0)以上であるか否かを判別する。エンジン回転数NEが、しきい値NE(0)以上である場合(S118にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでないと(S118にてNO)、処理はS122に移される。
S120にて、エンジンECU1000は、点火プラグにより燃焼室内の混合気を点火して、エンジンを始動する。S122にて、エンジンECU1000は、スタータ700の駆動電圧を高くする。その後、処理はS118に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る蓄熱システムの制御装置の動作について説明する。
エンジンの停止中に、運転者がイグニッションスイッチをエンジンスタート位置に操作したり、アイドリングストップ条件が成立しなくなると、エンジン始動要求が検知される(S100にてYES)。エンジン始動要求が検知されると(S100にてYES)、エンジン冷却水温THW(1)が検知され、蓄熱タンク水温THW(2)が検知される(S102)。
エンジン始動時においては、エンジンの始動性の向上したり、排気エミッション性能を向上したりするために、蓄熱タンク310の内の高温の冷却水が、ヘッド100やシリンダブロック110に供給される場合がある。
蓄熱タンク310の内の冷却水によりヘッド100やシリンダブロック110の温度が変化し得る。特にシリンダブロック110の温度が変化すると、油温が変化する。油温を精度よく推定するため、蓄熱タンク310内の冷却水がシリンダブロック110に供給されている場合(S104にてYES)、蓄熱タンク310からシリンダブロック110に供給された冷却水の量を推定される(S106)。推定された冷却水の量および蓄熱タンク水温THW(2)に基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水からシリンダブロック110へ伝達される熱量が推定され、この熱量から油温が推定される(S108)。一方、蓄熱タンク310からシリンダブロック110に冷却水が供給されていない場合、油温は、エンジン冷却水温THW(1)に基づいて推定される(S108)。これにより、蓄熱タンク310からの冷却水の供給状態に応じて精度よく油温を推定することができる。
さらに、推定された油温から、エンジンのフリクションが推定され(S110)、推定されたフリクションにおいてエンジンをクランキングして始動することができるトルクになるように、スタータ700の駆動電圧が決定される(S112)。したがって、フリクションが低いほど、すなわち油温が高いほど、スタータ700の駆動電圧が低くされ、トルクが低くされる。これにより、油温が高い状態においてスタータ700の消費電力を抑制し、究極的には燃費を向上することができる。
決定された駆動電圧でスタータ700が駆動され、エンジンがクランキングされる(S114)。エンジンがクランキングされると、エンジン回転数NEが検知される(S116)。
クランキングによりエンジン回転数NEが上昇し、エンジン回転数NEがしきい値NE(0)以上になると(S118にてYES)、点火プラグによりシリンダ内の混合気が点火され、エンジンが始動される(S120)。
一方、推定されたフリクションが、実際のフリクションよりも小さく推定され、スタータ700の駆動電圧が不十分であると、エンジンを始動させるために必要な回転数までエンジン回転数NEが上昇せず、エンジンを始動させることができない。そのため、エンジン回転数NEがしきい値NE(0)より小さい場合(S118にてNO)、スタータ700の駆動電圧が高くされ(S122)、スタータ700のトルクが高くされる。これにより、エンジンのクランキングを確実に行なって、エンジンを始動することができる。
以上のように、本実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUは、油温が高い場合は、低い場合に比べて、スタータの駆動電圧を低くして、トルクを低くする。これにより、複数のスタータやモータジェネレータなどの回転電機を設けなくても、油温に応じた適切なトルクでエンジンをクランキングし、始動することができる。そのため、コストの上昇や、機器のレイアウトの自由度が損なわれることを抑制しつつ、油温に応じた適切なトルクでエンジンを始動することができる。特に、油温が高い場合は、スタータで消費される電力を抑制し、究極的には燃費を向上することができる。
なお、本実施の形態は、蓄熱システムおよびアイドリングストップシステムを搭載した車両について説明したが、蓄熱システムやアイドリングストップシステムを搭載していない車両において、油温に応じてスタータ700の駆動電圧(トルク)を変更するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る蓄熱システムの制御ブロック図である。 図1のエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートを示す図である。
符号の説明
100 シリンダヘッド、110 シリンダブロック、120 エンジン冷却水温度センサ、200 機械式ウォータポンプ、300 電動式ウォータポンプ、310 蓄熱タンク、320 蓄熱タンク出口温度センサ、400 ラジエータ、410 ラジエータバイパス通路、420 ラジエータ出口水温センサ、430 流量制御弁、500 ヒータコア、610 三方弁、620 ヒータバルブ、700 スタータ、1000 エンジンECU、1010 クランクポジションセンサ。

Claims (4)

  1. 内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段内の液媒体を、前記貯蔵手段および前記内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両において前記内燃機関を始動する回転電機の制御装置であって、
    前記内燃機関の潤滑油の温度を検知するための手段と、
    前記内燃機関の潤滑油の温度に基づいて前記回転電機から発生するトルクを変更するように前記回転電機を制御するための制御手段とを含む、回転電機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記潤滑油の温度が高い場合は、低い場合に比べて、前記トルクを低くするように前記回転電機を制御するための手段を含む、請求項1に記載の回転電機の制御装置。
  3. 前記制御装置は、前記内燃機関の回転数を検知するための手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記内燃機関の潤滑油の温度に加え、前記内燃機関の回転数に基づいて前記トルクを変更するように前記回転電機を制御するための手段を含む、請求項1または2に記載の回転電機の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記内燃機関の回転数が予め定められた回転数よりも低い場合、前記トルクを高くするように前記回転電機を制御するための手段を含む、請求項3に記載の回転電機の制御装置。
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JP2008169802A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Nissan Motor Co Ltd エンジンの始動装置
JP2015164831A (ja) * 2014-03-03 2015-09-17 マツダ株式会社 ハイブリッド車の制御装置
US11536169B2 (en) 2020-09-30 2022-12-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Controller and control method for vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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