JP2006209059A - 2光子吸収材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】十分な二光子吸収特性を有する2光子吸収材料を提供することを目的とする。
【解決手段】6〜20単位のピロール環を、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し、環を形成した化合物であって、環全体で(2n)π電子系(nは12〜42の自然数)を有する環状ポルフィリン類、又は環全体の電子系が(4n+2)π電子系(nは6〜20の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料であり、上記(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類の、ピロール環及びメチン基からなる構成単位、又は上記(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類の構成単位が、下記式(1)〜(4)の構成単位、又はそれらの組み合わせからなる2光子吸収材料を用いる。
【化10】
【選択図】なし
Description
この発明は、環状の拡張ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料に関する。
近年、有機化合物の有する非線形光学特性の中でも、多光子吸収現象が注目されている。多光子吸収とは化合物が数個の光子を吸収して基底状態から励起状態へ遷移する現象である。特に2光子吸収現象においては、一光子励起波長の2倍程度の波長の光を用いて、2個の光子を1つの分子に当てることにより励起させることができる。1個の分子に同時に2個の光子が当たる確率は、光子密度の2乗に比例し、試料上でレーザー光が焦点を結ぶとき焦点面から離れるにつれ、光子密度は距離の2乗に比例して減少する。従って、2光子吸収の起こる確率は焦点面から離れるに伴い距離の4乗に比例して減少していく。この二光子吸収特性を有する化合物が、光メモリー、生体組織の2光子造影、2光子フォトダイナミックセラピー(PDP)等の分野への応用という観点から非常に注目を集めている。また、2光子吸収した励起状態から輻射失活過程において発光する2光子発光は、入射した光の波長より短波長の光(=エネルギーの高い光)を取り出せるため、光変換材料、光増感剤としても研究がなされている。この二光子吸収特性を有する化合物として、下記の式(5)にかかる化合物や、非特許文献1に記載されたポルフィリン類誘導体等が知られている。
ところで、2光子吸収特性の指標として2光子吸収断面積があり、この値が高いほど一般的に2光子吸収特性は良好であると言えるが、上記式(5)で示される化合物の2光子吸収断面積は、数十GM程度であり、2光子吸収材料へと応用するための二光子吸収断面積の点から不十分である。また、非特許文献1に記載のポルフィリン誘導体の2光子吸収断面積も2,000GM以下と、不十分な2光子吸収特性しか有していなかった。
また、特許文献1にはポルフィリン類縁体である環状の拡張ポルフィリン類としてヘプタフィリン類、オクタフィリン類、ノナフィリン類、デカフィリン類、ウンデカフィリン類、ドデカフィリン類等が記載されている。そして、該特許内にこれらの拡張ポルフィリン類は、大きなπ−共鳴系を有し、吸収バンドが長波長側にシフトし、さらに、各種の金属と置換可能である。これらから、光学材料、触媒材料の合成用等の分野での使用が期待できる旨、記載されているものの、実際にそれらの用途に用いることを目的として測定が行われた例はなく、さらに、特許文献1に記載の環状の拡張ポルフィリン類と同類である、テトラフィリン類を主骨格とするポルフィリン類が上記非特許文献1に記載されているが、上述の通り、これらの化合物は、2光子吸収特性が不十分であることから、2光子吸収材料として用いることは困難であると考えられていた。
以上の理由から、現在、数千〜数万GM程度の大きな二光子吸収断面積を有する化合物の開発が望まれていた。
以上の理由から、現在、数千〜数万GM程度の大きな二光子吸収断面積を有する化合物の開発が望まれていた。
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、十分な二光子吸収特性、即ち大きな2光子吸収断面積を有する化合物を用いた2光子吸収材料を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、6〜20単位のピロール環が交互に、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し環を形成している化合物であって、環全体で(2n)π電子系(nは12〜42の自然数)を有する化合物(環状ポルフィリン類)が高い2光子吸収特性を有することを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 6〜20単位のピロール環を、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し、環を形成した化合物であって、環全体で(2n)π電子系(nは12〜42の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
[2] 環全体の電子系が(4n+2)π電子系(nは6〜20の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
[3] [1]の環状ポルフィリン類の、ピロール環及びメチン基からなる構成単位、又は[2]の環状ポルフィリン類の構成単位が、下記式(1)〜(4)の構成単位の組み合わせからなる2光子吸収材料。
[1] 6〜20単位のピロール環を、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し、環を形成した化合物であって、環全体で(2n)π電子系(nは12〜42の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
[2] 環全体の電子系が(4n+2)π電子系(nは6〜20の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
[3] [1]の環状ポルフィリン類の、ピロール環及びメチン基からなる構成単位、又は[2]の環状ポルフィリン類の構成単位が、下記式(1)〜(4)の構成単位の組み合わせからなる2光子吸収材料。
[4] 上記Ar1〜Ar4を構成する芳香環が有する置換基が、電子吸引性置換基である[3]の2光子吸収材料。
[5] 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた[1]〜[4]のいずれかに記載の2光子吸収材料。
[6] 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位、又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位の6単位を、環状に結合した環状ヘキサポルフィリン化合物、又はこの環状ヘキサポルフィリン化合物と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた[1]〜[5]のいずれかに記載の2光子吸収材料。
[5] 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた[1]〜[4]のいずれかに記載の2光子吸収材料。
[6] 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位、又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位の6単位を、環状に結合した環状ヘキサポルフィリン化合物、又はこの環状ヘキサポルフィリン化合物と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた[1]〜[5]のいずれかに記載の2光子吸収材料。
本発明により得られる環状ポルフィリン類は、大きな2光子吸収断面積を有し、良好な2光子吸収特性を有する。かかる化合物を用いることで、高性能な2光子吸収材料を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
この発明にかかる2光子吸収材料は、環全体の電子系が(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料、又は、環全体の電子系が(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料である。
上記(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類は、6〜20単位のピロール環を、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し、環を形成した化合物である。この「(2n)π電子系」のnは、12〜42の自然数をいう。
また、上記(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類の「(4n+2)π電子系」のnは、6〜20の自然数をいう。
上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類の構成単位、すなわち、ピロール環及びメチン基からなる構成単位、又は、上記の(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類の構成単位は、下記式(1)〜(4)の構成単位、又はその組み合わせからなる。
上記の式(1)〜(4)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換基を有してもよい芳香環又は置換基を有していても良いシクロヘキシル基を示し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子もしくは電子吸引性置換基を表す。また、各構成単位は、aの部位で他の構成単位のメチン基と単結合を介して結合し、bの部位で他の構成単位のピロール環と二重結合を介して結合し、cの部位で他の構成単位のメチン基と二重結合を介して結合し、dの部位で他の構成単位のピロール環と単結合を介して結合している。
なお、本発明において「置換基を有しても良い」とは、置換基を有さなくても良く、また、置換基を1以上有しても良いことを意味する。
以下に、本発明の環状ポルフィリン化合物が含む上記式(1)〜(4)の構成単位について詳細に説明する。
{Ar1〜Ar4}
<Ar1〜Ar4の骨格構造>
式(1)〜(4)中、Ar1〜Ar4は、各々独立に置換基を有していても良い芳香環もしくは置換基を有していても良いシクロヘキシル基を表す。本発明において芳香環とは、芳香族性を有する環、すなわち(4m+2)π電子系(mは自然数)を有する環を意味する。その骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなる芳香環であり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合環も含まれる。
{Ar1〜Ar4}
<Ar1〜Ar4の骨格構造>
式(1)〜(4)中、Ar1〜Ar4は、各々独立に置換基を有していても良い芳香環もしくは置換基を有していても良いシクロヘキシル基を表す。本発明において芳香環とは、芳香族性を有する環、すなわち(4m+2)π電子系(mは自然数)を有する環を意味する。その骨格構造は、通常、5または6員環の、単環または2〜6縮合環からなる芳香環であり、該芳香環には、芳香族炭化水素環、芳香族複素環の他、アントラセン環、カルバゾール環、アズレン環のような縮合環も含まれる。
Ar1〜Ar4は芳香環であることが化合物の安定性の面で特に好ましく、その骨格構造の具体例としては、5員環単環としてフラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環、チアゾール環、オキサジアゾール環、6員環単環としてベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、縮合環としてナフタレン環、フェナンスレン環、アズレン環、ピレン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾフラン環、カルバゾール環、ジベンゾチオフェン環、アントラセン環等が挙げられる。これらのうち、合成上の理由から単環が好ましく、さらに好ましくは6員環の単環であり、特に好ましくはベンゼン環である。
なお、Ar1〜Ar4はそれぞれ異なる方が溶解性および記録層形成時の膜性向上の点で好ましいが、同じである方が合成上の点から好ましい。
<Ar1〜Ar4が有する置換基>
Ar1〜Ar4は、それぞれ置換基を有していても良い。Ar1〜Ar4が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノアルキル基、シアノアリール基、炭化水素環基、複素環基、アルキルカルボニル基、(ヘテロ)アリールオキシ基、(ヘテロ)アラルキルオキシ基、更に置換基を有していても良いアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基もしくはそのエステルやアミド、ハロゲン原子、水酸基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数1〜20のアリールスルホニル基、カルボキシル基、炭素数2〜6のエステル基、炭素数1〜10のカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基などである。
Ar1〜Ar4は、それぞれ置換基を有していても良い。Ar1〜Ar4が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、シアノアルキル基、シアノアリール基、炭化水素環基、複素環基、アルキルカルボニル基、(ヘテロ)アリールオキシ基、(ヘテロ)アラルキルオキシ基、更に置換基を有していても良いアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基もしくはそのエステルやアミド、ハロゲン原子、水酸基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数3〜20の炭化水素環基、5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基、炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基、アミノ基、炭素数2〜20のアルキルアミノ基、炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数1〜20のアリールスルホニル基、カルボキシル基、炭素数2〜6のエステル基、炭素数1〜10のカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、水酸基などである。
炭素数1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基の例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、ヘキセニル基、オクテニル基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基の例としては、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、2−メチル−1−プロピニル基、ヘキシニル基、オクチニル基などが挙げられる。
炭素数3〜20の炭化水素環基としてはシクロプロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、テトラデカヒドロアントラニル基、フェニル基、アントラニル基、フェナンスリル基、フェロセニル基などが挙げられる。
5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、キノリニル基、2−ピペリジニル基、2−ピペラジニル基、オクタヒドロキノリニル基などが挙げられる。
5または6員環の単環または2〜6縮合環由来の複素環基としては、ピリジル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、カルバゾリル基、キノリニル基、2−ピペリジニル基、2−ピペラジニル基、オクタヒドロキノリニル基などが挙げられる。
炭素数1〜9のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2〜18のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数2〜18のアルキルカルボニル基としては、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、tert−ブチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基などが挙げられる。
炭素数2〜18の(ヘテロ)アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基や、2−チエニルオキシ基、2−フリルオキシ基、2−キノリルオキシ基等のヘテロアリールオキシ基などが挙げられる。
炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基や、2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等のヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。
炭素数3〜18の(ヘテロ)アラルキルオキシ基の例としては、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基や、2−チエニルメトキシ基、2−フリルメトキシ基、2−キノリルメトキシ基等のヘテロアラルキルオキシ基などが挙げられる。
炭素数2〜20のアルキルアミノ基の例としては、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ピペリジル基などが挙げられる。
炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアリールアミノ基や、ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基、フェニル(2−チエニル)アミノ基等のヘテロアリールアミノ基などが挙げられる。
炭素数2〜30の(ヘテロ)アリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアリールアミノ基や、ジ(2−チエニル)アミノ基、ジ(2−フリル)アミノ基、フェニル(2−チエニル)アミノ基等のヘテロアリールアミノ基などが挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の例としては、フェニル基、2−ピリジル基、アズレニル基などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基などが挙げられる。
炭素数1〜20のアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、フラニルスルホニル基などが挙げられる。
炭素数2〜6のエステル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
炭素数2〜6のエステル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
炭素数1〜10のカルバモイル基としては、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、メチルシクロヘキシルカルバモイル基などが挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などが挙げられる。
ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子などが挙げられる。
Ar1〜Ar4がそれぞれ置換基を有する場合、該置換基同士が結合して環状構造をなしてもよい。例えば、Ar1〜Ar4がベンゼン環由来の基である場合、該ベンゼン環が有する置換基同士が結合して環状構造を形成している例として以下に示す構造が挙げられる。なお、以下において、eの部分がポルフィリン環への結合位置である。
なお、Ar1〜Ar4はシアノアルキル基、シアノアリール基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン等の電子吸引性置換基を有することが化合物の合成の面で好ましく、Ar1〜Ar4がそれぞれ最低1つのハロゲン原子を置換基として有することが更に好ましく、該ハロゲン原子がフッ素原子であることが特に好ましい。
{R1〜R8}
R1〜R8は合成上の理由および化合物の安定性からそれぞれ独立に水素原子もしくは電子吸引性置換基を表す。電子吸引性置換基の例としては、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のエステル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、それらの具体例としては、上述のAr1〜Ar4が有していてもよい置換基として挙げられた、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のエステル基、ハロゲン原子などの具体例が相当する。
R1〜R8は合成上の理由および化合物の安定性からそれぞれ独立に水素原子もしくは電子吸引性置換基を表す。電子吸引性置換基の例としては、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のエステル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基などが挙げられ、それらの具体例としては、上述のAr1〜Ar4が有していてもよい置換基として挙げられた、炭素数2〜18のアルキルカルボニル基、炭素数2〜6のエステル基、ハロゲン原子などの具体例が相当する。
なお、これらのうち、合成上の理由からR1〜R8はそれぞれ水素原子もしくはハロゲン原子であることが好ましく、R1〜R8がそれぞれハロゲン原子、特にフッ素原子であることが環状ポルフィリン合成時における収率向上の面で特に好ましいが、反応剤であるピロール誘導体の調製の面からはR1〜R8はそれぞれ水素原子であることが好ましい。
{環状ポルフィリン}
本発明における環状ポルフィリンの具体例としては、ピロール環の数が6個のヘキサフィリン類(式(6))、7個のヘプタフィリン類(式(7))、8個のオクタフィリン類(式(8))、9個のノナフィリン類(式(9))、10個のデカフィリン類(式(10))、11個のウンデカフィリン類(式(11))、12個のドデカフィリン類(式(12))等があげられる。なお、式(6)〜(12)におけるArは、上記Ar1〜Ar4と同様の構造を表し、かつ、それぞれのArは同一であってもよく、また異なっていてもよい。なお、ポルフィリンを構成するピロール環の数が増えるほど、二光子吸収断面積が増加する傾向があり、2光子吸収特性向上の面で好ましいが、合成面からはピロール環の数は少ない方が好ましく、ピロール環の数が6〜12個であることがさらに好ましく、6〜8個であることが特に好ましい。
本発明における環状ポルフィリンの具体例としては、ピロール環の数が6個のヘキサフィリン類(式(6))、7個のヘプタフィリン類(式(7))、8個のオクタフィリン類(式(8))、9個のノナフィリン類(式(9))、10個のデカフィリン類(式(10))、11個のウンデカフィリン類(式(11))、12個のドデカフィリン類(式(12))等があげられる。なお、式(6)〜(12)におけるArは、上記Ar1〜Ar4と同様の構造を表し、かつ、それぞれのArは同一であってもよく、また異なっていてもよい。なお、ポルフィリンを構成するピロール環の数が増えるほど、二光子吸収断面積が増加する傾向があり、2光子吸収特性向上の面で好ましいが、合成面からはピロール環の数は少ない方が好ましく、ピロール環の数が6〜12個であることがさらに好ましく、6〜8個であることが特に好ましい。
さらに、本発明における環状ポルフィリンは環全体での電子系によって数種の形態をとりうる。例えば、上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位、又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位の6単位を、環状に結合した環状ヘキサポルフィリン化合物については、以下に示すように酸化もしくは還元反応により環全体の電子系が28π系および26π系である2種の形態をとりうる。なお、下式において、ポルフィリン環に結合している置換基は簡単のため省略してある。なお、環全体でのπ電子系が(4n+2)電子系(nは6〜20の自然数)であることが化合物の2光子吸収特性向上の面で好ましく、nが6〜12であることが更に好ましく、nが6〜8であることが特に好ましい。
また、本発明における環状ポルフィリン化合物、すなわち、上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類に、金属塩を作用させ、環状ポルフィリン金属錯体としたものを2光子吸収材料として使用してもよい。上記金属元素はポルフィリン環内部に配位し得るものであれば何でもよく、例えばMg,Al,Si,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Pt,Au,Er等が挙げられ、具体的には式(13)や式(14)の様な化合物が挙げられる。
なお、本発明における環状ポルフィリン化合物は、通常水不溶性であることが好ましい。また、分子量増大に伴う2光子吸収特性の低下を防止する面から、本発明における環状ポルフィリン化合物の分子量は通常10,000以下であり、好ましくは5,000以下であり、3,000以下であることが特に好ましい。
本発明における環状ポルフィリン類は、例えば以下の合成法により製造できる。 まず、アリールアルデヒド誘導体とピロール誘導体とを、濃度(基質濃度)を従来のLindsey法における場合より10倍以上の高濃度にして、酸触媒の存在下で反応させ、拡張ポリフィノーゲン類を合成する。そして、これを酸化剤の存在下酸化することにより一連の環状ポルフィリン化合物を合成することができる。得られた化合物は、カラムクロマトグラフィー等の分離手段によって、それぞれに分離精製することができる。
この反応において用いられる酸触媒としては、アリールアルドヒド誘導体とピロール誘導体の縮合反応が進むものであれば何でもよく、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、三フッ化ホウ素エーテル錯体などを挙げることができる。また、酸化剤としては、拡張ポリフィノーゲン類の脱水素化反応が進行するものであれば特に限定されないが、例えばp−クロラニル、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)などが挙げられる。また、反応溶媒としては、本反応の進行を妨害するものでなければ特に規定されないが、例えば従来のポルフィリン類の合成に用いられている、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及びこれらを混合したもの等を用いることができる。反応温度は特に限定されず、使用する溶媒が還流する程度の温度をかけることが好ましい。環状ポルフィリン金属錯体については、例えば得られた環状ポルフィリンに金属塩を溶媒の存在または非存在下反応させることによって合成できる。
このような本発明の得られた環状ポルフィリン類は、大きな2光子吸収断面積を有し、良好な2光子吸収特性を有する化合物であり、該化合物を用いることで、高性能な2光子吸収材料が提供できる。この場合の2光子吸収特性に優れるとは、該化合物の2光子吸収断面積が通常2,000GM以上、好ましくは5,000GM以上、特に好ましくは8,000GM以上であることである。
該化合物が高い2光子吸収断面積を有する詳細な理由は現在明らかになってはいないが、大きなπ共役系と比較的フレキシブルな構造特性を有しているためであると推定される。
なお、本発明における2光子吸収材料中には、本発明に関わる環状ポルフィリン化合物の1種が単独で含まれていても良いし、2種以上が混合して含まれていても良い。
本発明の2光子吸収材料は、本発明にかかる環状ポルフィリン化合物単体もしくは本発明にかかる環状ポルフィリン化合物を最低1種以上含む混合物の粉末状結晶をそのままの状態で、ブロックや粉末として、或いは、ヘキサン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、エーテル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、2−ブタノン、メタノール、エタノール、トリフルオロメチルベンゼン、酢酸、トリエチルアミン等の溶媒、ポリマー、ゲル中に溶解又は分散させた液状物として、或いは、このような液状物を基板に塗布した後溶媒を除去して得られる薄膜状物として、光メモリ、生体組織の二光子造影、二光子フォトダイナミックセラピー(PDT)など、各種用途に供することができる。
なお、2光子吸収材料が、本発明にかかる環状ポルフィリン化合物を含んでいることは、該材料を分解、抽出等の処理を施した後、例えば、液体クロマトグラフィー−質量分析法(LC−MS)や核磁気共鳴スペクトル法(NMR)などで分析することにより確認することができる。
次に、この発明について、より具体的に実施例を用いて説明するが、本発明はその要旨をこえない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<meso−ペンタフルオロフェニル置換環状ポルフィリン類の合成>
2.5Mの三フッ化ホウ素エーテル錯体の塩化メチレン溶液(100μl)を、ペンタフルオロベンズアルデヒド(494μl)及びピロール(278μl)の塩化メチレン溶液(60ml)に窒素雰囲気下で滴下した後、次いで該溶液を2時間撹拌した。反応終了後、DDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2.27g)を加え、該混合物を一昼夜撹拌した。反応溶液をアルミナカラムに通して濾過後、減圧条件下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:CH2Cl2/n−ヘキサン=1/4(容量比))により、それぞれのペンタフルオロフェニル基で置換された一連の環状ポルフィリンを分離採取した。得られた環状ポルフィリン類とその収率は、次の通りである。なお、化合物の同定は、例えば“J.Am.Chem.Soc.,2001年(123巻),7190−7191頁”等に記載のNMR(核磁気共鳴)スペクトルと本実施例の化合物のNMRスペクトルとを比較することにより行った。
<meso−ペンタフルオロフェニル置換環状ポルフィリン類の合成>
2.5Mの三フッ化ホウ素エーテル錯体の塩化メチレン溶液(100μl)を、ペンタフルオロベンズアルデヒド(494μl)及びピロール(278μl)の塩化メチレン溶液(60ml)に窒素雰囲気下で滴下した後、次いで該溶液を2時間撹拌した。反応終了後、DDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン、2.27g)を加え、該混合物を一昼夜撹拌した。反応溶液をアルミナカラムに通して濾過後、減圧条件下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:CH2Cl2/n−ヘキサン=1/4(容量比))により、それぞれのペンタフルオロフェニル基で置換された一連の環状ポルフィリンを分離採取した。得られた環状ポルフィリン類とその収率は、次の通りである。なお、化合物の同定は、例えば“J.Am.Chem.Soc.,2001年(123巻),7190−7191頁”等に記載のNMR(核磁気共鳴)スペクトルと本実施例の化合物のNMRスペクトルとを比較することにより行った。
・ポルフィリン類(ピロール環4個)…12重量%
・ペンタフィリン類(ピロール環5個)…15重量%
・ヘキサフィリン類(ピロール環6個)…20重量%
・ペンタフィリン類(ピロール環7個)…5重量%
・オクタフィリン類(ピロール環8個)…6重量%
・ノナフィリン類(ピロール環9個)…3重量%
・デカフィリン類(ピロール環10個)…0.1重量%
・ウンデカフィリン類(ピロール環11個)…0.1重量%
・ドデカフィリン類(ピロール環12個)…0.1重量%
・ペンタフィリン類(ピロール環5個)…15重量%
・ヘキサフィリン類(ピロール環6個)…20重量%
・ペンタフィリン類(ピロール環7個)…5重量%
・オクタフィリン類(ピロール環8個)…6重量%
・ノナフィリン類(ピロール環9個)…3重量%
・デカフィリン類(ピロール環10個)…0.1重量%
・ウンデカフィリン類(ピロール環11個)…0.1重量%
・ドデカフィリン類(ピロール環12個)…0.1重量%
[実施例2]
<meso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン金(III)錯体の合成>
実施例1にて得られたヘキサフィリン類(meso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン、化合物(15)、73mg)の塩化メチレン溶液(40ml)に窒素雰囲気下で酢酸ナトリウム(41mg)を添加した。添加5分後、四塩化金ナトリウム(0.20g)のメタノール溶液(10ml)を加え、室温で3日間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧条件下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行うことで、金(III)一核錯体である化合物(13)を16mg(収率16%)、金(III)二核錯体である化合物(14)を16mg(収率14%)で得た。化合物の同定はESI−TOF−MS(電子スプレーイオン化飛行時間型質量分析法)により行った。測定結果を以下に示す。
化合物(ポジティブモードで計測)…計算値:1655.0304、実測値:1655.0290
化合物(ポジティブモードで計測)…計算値:1848.9735、実測値:1848.9744
<meso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン金(III)錯体の合成>
実施例1にて得られたヘキサフィリン類(meso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン、化合物(15)、73mg)の塩化メチレン溶液(40ml)に窒素雰囲気下で酢酸ナトリウム(41mg)を添加した。添加5分後、四塩化金ナトリウム(0.20g)のメタノール溶液(10ml)を加え、室温で3日間撹拌した。反応終了後、反応溶液を水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧条件下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行うことで、金(III)一核錯体である化合物(13)を16mg(収率16%)、金(III)二核錯体である化合物(14)を16mg(収率14%)で得た。化合物の同定はESI−TOF−MS(電子スプレーイオン化飛行時間型質量分析法)により行った。測定結果を以下に示す。
化合物(ポジティブモードで計測)…計算値:1655.0304、実測値:1655.0290
化合物(ポジティブモードで計測)…計算値:1848.9735、実測値:1848.9744
[ヘキサフィリン類の二光子吸収断面積の評価]
実施例1で得られたmeso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン(化合物(15))および実施例(2)で得られた化合物(14)をそれぞれ濃度0.10mMとなるように溶媒(トルエン/THF=9/1の混合溶媒)に溶解させ、その二光子吸収断面積を、下記に示す方法にて測定した。
実施例1で得られたmeso−ヘキサキス(ペンタフルオロフェニル)ヘキサフィリン(化合物(15))および実施例(2)で得られた化合物(14)をそれぞれ濃度0.10mMとなるように溶媒(トルエン/THF=9/1の混合溶媒)に溶解させ、その二光子吸収断面積を、下記に示す方法にて測定した。
二光子吸収断面積の評価はGuang S. He, Lixiang Yuan, Ning Cheng, Jayant D. Bhawalkar, Paras N. Prasad, Lawrence L. Brott, Stephen J. Clarson, Bruce A. Reinhardt, J. Opt. Soc. Am. B Vol.14, No.5(1997)pp.1079-1087記載の方法を参考にして行った。測定システム概略図を図1に示す。
なお、図1中の「laser」は、チタンサファイアレーザであり、カントロニクス(Quantronix)社製:インテグラ(Integra)を用いた。また、「PD」は、フォトディテクタを意味し、ニューフォーカス(NewFocus)社製:円筒型ディテクターMODEL 818-SLを用いた。さらに、「Amp.」は、増幅器を意味し、スタンフォードリサーチシステム(STANFORD RESEARCH SYSTEMS)社製:ローノイズカレントプリアンプリファイア(LOW-NOISE CURRENT PREAMPLIFIER)MODEL SR570とゲーティッドインテグレータ&ボックスカーアベレージャ(GATED INTEGRATOR & BOXCAR AVERAGER)MODEL SR250を用いた。また、「BS」はビームスプリッタを意味し、「Quartz cell」は、石英製の試料セルを意味する。さらに、「PC」はパーソナルコンピューターを意味する。
測定光源には、フェムト秒チタンサファイアレーザ(波長:800nm〜1240nm、パルス幅:120fs、繰り返し:1kHz、平均出力:2W、強度:2mJ/pulse、ビーム径 :10mmφ、ピークパワー:20GW)を用いた。レーザ出力の一部(以下、参照光とする)をBS(ビームスプリッタ)により分岐し、PD(フォトディテクタ)で強度を測定することにより入射光強度の揺らぎを補正した。レーザ出力の残りは、NDフィルタにより10mW程度に減衰させた後、集光レンズにより集光した。この集光されている光路部分に試料溶液を充填した石英セル(光路長:10mm)を置き、その位置を光路に沿って移動させることによりZ−scan測定を実施した。これにより励起光密度を1GW/cm2〜40GW/cm2の範囲で変化させた。
また、試料セルは光路長10mmの石英セルを用いた。試料セルを透過したレーザ光(以下、透過光とする)はNDフィルタにより適当に減衰させ、R72などの色ガラスフィルタを通過させた後、フォトディテクタにより強度を測定した。複数の励起光密度に対してこの測定を実施し、透過光強度を参照光強度で除することにより規格化溶液透過光強度を求めた。
同様の測定配置で試料セルに溶媒のみを充填させ同じ測定を行い、規格化溶媒透過光強度を求めた。さらに、規格化溶液透過光強度を規格化溶媒透過光強度で除することにより透過率を求めた。
上記のような手順で透過率の励起光密度依存性を測定し、この結果を上記文献に記載されている理論式(i)によりフィッティングし非線形吸収係数を求めた。
Ti=[ln(1+I0L0β)]/I0L0β (i)
(式中、Tiは透過率(%)、I0は励起光密度[GW/cm2]、L0は試料セル長[cm]、βは非線形吸収係数[cm/GW]を示す。)
Ti=[ln(1+I0L0β)]/I0L0β (i)
(式中、Tiは透過率(%)、I0は励起光密度[GW/cm2]、L0は試料セル長[cm]、βは非線形吸収係数[cm/GW]を示す。)
この非線形吸収係数から、下記式(ii)により二光子吸収断面積δを求めた。(δの単位は1GM=1×10−50cm4・s・photon−1である。)
δ=1000×hνβ/NAC (ii)
(上記式中、hはプランク定数[J・s]、νは入射レーザ光の振動数[s−1]、NAはアボガドロ数、Cは溶液濃度[mol/L]を示す。)
δ=1000×hνβ/NAC (ii)
(上記式中、hはプランク定数[J・s]、νは入射レーザ光の振動数[s−1]、NAはアボガドロ数、Cは溶液濃度[mol/L]を示す。)
表1に測定結果を示すが、いずれの拡張ポルフィリン類も高い2光子吸収断面積を有していることが明らかである。なお、化合物15において、波長により多少2光子吸収断面積が異なるのは、2光子吸収の波長依存性はなく、かつ、800nmに僅かに1光子吸収の効果が加わったため、800nmでの2光子吸収断面積の値が、2光子吸収の効果のみが寄与する1200nmの2光子吸収断面積の値より大きくなったと考えられる。ただ、その影響も微々たるものであることが本結果から明らかになった。
Claims (6)
- 6〜20単位のピロール環を、置換基を有していても良いアリール基を有するメチン基を介して結合し、環を形成した化合物であって、環全体で(2n)π電子系(nは12〜42の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
- 環全体の電子系が(4n+2)π電子系(nは6〜20の自然数)を有する環状ポルフィリン類を用いた2光子吸収材料。
- 上記(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類の、ピロール環及びメチン基からなる構成単位、又は上記(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類の構成単位が、下記式(1)〜(4)の構成単位、又はそれらの組み合わせからなる請求項1又は2に記載の2光子吸収材料。
(式(1)〜(4)中、Ar1〜Ar4は、それぞれ独立に置換基を有してもよい芳香環又は置換基を有していても良いシクロヘキシル基を示し、R1〜R8はそれぞれ独立に水素原子もしくは電子吸引性置換基を表す。また、各構成単位は、aの部位で他の構成単位のメチン基と単結合を介して結合し、bの部位で他の構成単位のピロール環と二重結合を介して結合し、cの部位で他の構成単位のメチン基と二重結合を介して結合し、dの部位で他の構成単位のピロール環と単結合を介して結合している。) - 上記Ar1〜Ar4を構成する芳香環が有する置換基が、電子吸引性置換基である請求項3に記載の2光子吸収材料。
- 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた請求項1乃至4のいずれかに記載の2光子吸収材料。
- 上記の(2n)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位、又は(4n+2)π電子系を有する環状ポルフィリン類を構成する構成単位の6単位を、環状に結合した環状ヘキサポルフィリン化合物、又はこの環状ヘキサポルフィリン化合物と金属塩を作用させることにより生成する環状ポルフィリン金属錯体を用いた請求項1乃至5のいずれかに記載の2光子吸収材料。
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2159227A1 (en) | 2008-08-26 | 2010-03-03 | Ricoh Company, Ltd. | Two-photon absorption material and application thereof |
| WO2022131191A1 (ja) | 2020-12-16 | 2022-06-23 | 富士フイルム株式会社 | 組成物、膜、光学フィルタ、固体撮像素子、画像表示装置および赤外線センサ |
-
2005
- 2005-06-10 JP JP2005171125A patent/JP2006209059A/ja active Pending
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|---|---|---|---|---|
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| US8207330B2 (en) | 2008-08-26 | 2012-06-26 | Ricoh Company, Ltd. | Two-photon absorption material and application thereof |
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