JP2006209331A - ネットワーク上の機器診断装置及び計測器診断装置 - Google Patents

ネットワーク上の機器診断装置及び計測器診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機器特性パラメータ値が異常な機器、計測値が異常な計測器を特定してその診断結果を画面に表示出力する。
【解決手段】最適化部と機器特性式又は定常ネットワークシミュレータとを備え、最適化部に対象機器の入出力エネルギー初期値として現在の計測値と機器特性パラメータ値の規定値を入力し、機器特性式等に現在の機器特性パラメータ値を入力して計測値に対する計算値を求め、最適化部は、計測値と機器特性式等による計算値を用いて最適化手法により全ての機器の機器特性パラメータ値を求める処理を繰り返して最適パラメータ値を出力し、最適パラメータ値と規定値との偏差及び重み係数から計算した値を設定値と比較して機器特性パラメータ値が変化した機器群を求め、当該機器群に関わる計測器の計測値の異常時に上記機器群から最適化手法により機器特性パラメータ値が異常な機器を特定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電気・ガス・水・蒸気などが入出力されるネットワークを対象として、これらのネットワークを構成する機器のうち機器特性パラメータ値が異常である機器、及び計測値が異常である計測器を特定してその診断結果を画面に表示可能としたネットワーク上の機器診断装置及び計測器診断装置に関するものである。
電気・ガス・空調用の水(温水・冷水)や蒸気などの液体または気体が流れるネットワークを構成する機器を、制御用コンピュータやスタンドアロン型のコンピュータにより制御する場合、前記機器に関連して計測した電気出力や熱出力等の計測値をコンピュータに入力し、制御量を計算している。この際、コンピュータは、ネットワークを構成する機器の特性を把握し、その特性や計測値が正常な範囲で制御を実行する必要がある。
このため、機器特性及び計測値の異常診断は制御を行う上で極めて重要である。
従来、この種の異常診断装置としては、ネットワークから得られる計測値の異常を診断するものが知られている。
例えば、特許文献1では、計測値の歪みやとがり及びGeary数を求め、これらの値が予め設定した閾値を超える場合に異常と判断している。
また、特許文献2では、計測値の時系列データのパワースペクトルを求めて異常を診断している。
特開平5−142000号公報(段落[0006]〜[0017]、図1等) 特開平7−244522号公報(段落[0012]〜[0040]、図1等)
上記の従来技術では、計測器単体の計測値のみを用いて異常診断を行っているが、ネットワークを構成する機器の特性は経年的に変化しており、計測値は、計測器の調整不良その他の原因によって正常値の範囲を逸脱することもある。更には、個別的に見ると正常範囲に入っていても、機器不良等が発生している場合もある。
このような状況下では、特性が異常になっている機器や計測値が異常になっている計測器を特定し、必要に応じて修理や調整を行う必要が生じる。更に、異常が発生した後も、正常な機器特性値や計測値を獲得して制御を続行できることが望ましい。
そこで本発明は、計測値の同時刻性を確保した上でネットワーク上の複数の実績データ間の関連を考慮し、ネットワークに関する方程式を利用して、非線形な各種の機器特性や数式化できない運用ルールなどを全て考慮した別プログラムとしてある定常ネットワークシミュレータ等を用いて、列挙法や遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法、タブサーチまたはその改良手法、Particle Swarm Optimizationまたはその改良手法等の最適化手法を利用し、機器特性パラメータ値が異常となっている機器及び計測値が異常となっている計測器を特定してその診断結果を画面に表示出力するようにした機器・計測器診断装置を提供しようとするものである。
また、上記診断結果を画面に表示出力することにより、各種の機器や計測器及びこれらに付随する設備に対するCondition-based Maintenance(CBM)を実現可能とし、更に、正常な機器特性パラメータ値や計測値のみを使用してネットワークの制御を継続的に実行可能とした機器・計測器診断装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した機器診断装置は、ネットワークを構成する各機器に対して入出力される電気・ガス・水・蒸気等のエネルギーの計測値と計算値との誤差、及び、各機器特性パラメータ値の規定値からの誤差を最小化する目的関数を用い、状態変数としての各機器特性パラメータ値を最適化手法により求めて出力する最適化部と、
ネットワークを構成する各機器の機器モデル、機器運用ルール等を内部に有し、前記最適化部から入力される各機器特性パラメータ値のもとで、機器の入力エネルギーに対する出力エネルギーを求めて計測値に対する計算値として出力する機器特性式、または、ネットワークを構成する各機器の機器モデル、機器運用ルール、各機器の接続状態、及び、ネットワークのエネルギーフローに関する方程式等を内部に有し、前記最適化部から入力される各機器特性パラメータ値のもとで、定常状態のある時間断面におけるネットワーク内の各部の状態量を求めて計測値に対する計算値として出力する定常ネットワークシミュレータと、を備え、
最適化部に対象機器の入出力エネルギーの初期値として現在の計測値を入力すると共に、機器特性パラメータ値の規定値を入力し、機器特性式または定常ネットワークシミュレータに現在の機器特性パラメータ値を入力して計測値に対する計算値を求め、
最適化部は、入力された計測値と機器特性式または定常ネットワークシミュレータにより求められた計算値とを用いて最適化手法により全ての機器の機器特性パラメータ値を求める処理を繰り返し、その回数が事前の設定回数に達した時点のパラメータ値を各機器特性式の最適パラメータ値として出力し、
更に、最適パラメータ値と規定値との偏差及び所定の重み係数に基づいて計算した値を設定値と比較して機器特性パラメータ値が変化した機器群を求め、これらの機器群に関連する計測器の計測値が異常である場合に、上記機器群の中から、最適化手法を用いて機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定するものである。
請求項2に記載した機器診断装置は、請求項1において、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、列挙法を用いるものである。
請求項3に記載した機器診断装置は、請求項1において、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法を用いるものである。
請求項4に記載した機器診断装置は、請求項1において、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、タブサーチまたはその改良手法を用いるものである。
請求項5に記載した機器診断装置は、請求項1において、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、Particle Swarm Optimizationまたはその改良手法を用いるものである。
請求項6に記載した計測器診断装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載した機器診断装置により特定された機器に関連する計測器を対象として、計測値が異常となっている計測器を最適化手法を用いて特定するものである。
請求項7に記載した機器診断装置及び計測器診断装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載した機器診断装置により特定された機器に関する情報と、請求項6に記載した計測器診断装置により計測値が異常であると特定された計測器に関する情報と、異常な計測値に対して最も確からしいと推定される計測補正値と、を画面に表示出力させるものである。
本発明によれば、電気・ガス・水・蒸気などが入出力されるネットワークを構成する機器のうち、機器特性パラメータ値が異常である機器、及び計測値が異常である計測器を特定してその診断結果を画面に表示することができる。また、この診断結果に基づいて機器や計測器及びこれらに付随する設備に対するCondition-based Maintenance(CBM)を実現することも可能である。
更に、異常と判断された計測値を最も確からしいと推定される計測補正値に入れ替えることにより、この計測補正値を正常な計測値と共に使用しながらプラント等を継続的に運用することができる。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
1.まず、本発明において使用される定常ネットワークシミュレータについて述べる。
定常ネットワークシミュレータは、ネットワーク及びその構成機器をモデル化し、各機器及びネットワークのエネルギーフローに関する方程式を解くことにより、ある時間断面におけるネットワーク全体の定常状態を計算するものである。
この種のネットワークシミュレータは、例えば、電力エネルギーに関しては、「電力系統解析理論」(関根泰次著,電気書院,昭和46年1月)などに潮流計算技術として記述された既存技術であり、ガス流及び水道に関しては、「コンピュータ水理学入門」(C.A. ブレビア・A.J.フェラント著,磯部雅彦訳,サイエンス社,1983年)などに管路網解析技術として記述された既存技術である。更に、空調用の水(温水・冷水)の場合には、熱のバランス方程式となる。
エネルギーフロー方程式は、線形あるいは非線形連立方程式として定式化され、ニュートン法などを用いることにより、解、つまり、ある時間断面におけるネットワークの定常状態を得ることができる。
(1)定常ネットワークシミュレータに用いられる機器モデルは、ブランチとして表現され、その入出力関係を数式1の関数(機器特性式)により表現する。
Figure 2006209331
ここで、機器の運用ルールも、上記関数fの中で表現される。なお、入力状態量はブランチに対する入力エネルギーから計算可能であり、出力状態量を用いてブランチから出力される出力エネルギーも計算可能である。また、送電線、水道管、ガス管などは一般的には抵抗分を含むため、この抵抗分によりエネルギー損失が生じるブランチも数式1により表現することとする。
(2)次に、定常ネットワークシミュレータに用いられるネットワークモデルについて述べる。ブランチである機器モデルを多数ノードにより接続したものがネットワークモデルとなる。各ノードにおいて、入力エネルギーと出力エネルギーとがバランスしている場合、以下の関数により表現することができる。
Figure 2006209331
(3)ネットワークの定常シミュレーション結果は、数式2からなる非線形連立方程式を対象として、ネットワークに対する入力エネルギー及び出力エネルギーを指定して方程式を解くことによって得られる。なお、ネットワーク中の各機器は、数式1に示すように特性関数のパラメータを指定することによって入出力関係を表現可能であり、本発明では最終的にこのパラメータ値a(機器特性パラメータ値という)を調整するものである。
定常ネットワークシミュレータは、機器モデル及びネットワークのエネルギーフローに関する方程式を内部に有し、入力エネルギー及び出力エネルギーを指定することにより、ある時間断面におけるネットワーク内の各部の状態量を出力する。
2.次に、請求項1における、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定するための第1のアルゴリズムを説明する。
(1)各機器の機器特性パラメータ値の推定
まず、例えば、先願である特願2003−284292号に記載された方法により機器特性パラメータ値を推定する。
始めに、状態変数を、対象機器の特性式におけるパラメータ値とする。また、定式化に当たっては、対象機器の入力・出力状態量が計測(測定)できると仮定する。
最適パラメータを推定するための定式化として、数式3に示すように、目的関数は計測点における出力計測値と計算値とのノルム、及び、パラメータの規定値からの偏差のノルムの最小化とする。なお、数式4は制約条件を示す。
Figure 2006209331
Figure 2006209331
ここで、Wmi1は後述の方法により決定する。arefl1は、経験上得られている特性式のパラメータ値やカタログ値から得られる特性式のパラメータ値となる。また、wpj1,W,W,p1,q1,al1,min,al1,max等の値は事前に設定する。
最適化手法としては、計算対象とする全ての計測点の組合せの計測値と計測点における計算値とが合うように、また、各パラメータ値が規定値からできるだけ外れないように、機器特性パラメータ値を調整することとなる。
次に、最適パラメータの推定方法の基本的な概念について説明する。
状態方程式hは、対象機器の特性式から計算される。この特性式は、前述のように、機器特性、機器運用ルールなどを含み、機器の入力エネルギーが入力された時に出力エネルギーが計算される。この出力エネルギーを用いて、数式3により計測値及び計算値の評価が可能となる。
ここでは、数式4の制約条件を考慮した数式3の目的関数を最小化する最適化問題を、メタヒューリスティク最適化手法(遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法、タブサーチまたはその改良手法、Particle Swarm Optimization或いはその改良手法)を利用して解くこととする。
まず、数式3における重み係数wmi1の決定方法を以下に述べる。
mi1は、計測値の確からしさに対する各計測値の相対的な重みを表現している。この重みは、以下の2つの項目により評価できる。
a.計測センサーの精度(SensorPRE)
b.計測センサーの故障率(SensorFAU)
計測センサーの精度は、±5%などの%誤差範囲で表現される。また、故障率は、年間の故障回数(故障回数/年)で表現される。これらの値を用いて、各計測値に対する重み係数wmi1を数式5のように決定する。
Figure 2006209331
上記の重み係数wmi1は、例えば数式6により表現可能である。なお、数式6におけるa,bは事前に指定するものとする。
Figure 2006209331
次に、機器特性パラメータ値は、以下のアルゴリズムにより求める。
・ステップ1:対象機器の機器特性式情報、機器特性式の各パラメータに対する規定値、対象とする計測値の組合せを最適化部に入力する。
・ステップ2:現在の状態変数値(各機器特性パラメータ値)を機器特性、機器運用ルールなどを含んだ機器特性式に入力し、出力計測値に対する計算値を求める。
・ステップ3:最適化部は、ステップ1で入力された出力計測値とステップ2で計算された出力計測値に対する計算値、及び、数式3〜5を用いて、評価値を求める。
・ステップ4:メタヒューリスティク最適化手法(遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法、タブサーチまたはその改良手法、あるいは、PSOまたはその改良手法)を用いて、数式3,4に基づき現在の状態変数値を変更する。
・ステップ5:事前に設定した探索回数に達したらステップ6へ進み、そうでない場合にはステップ2に戻る。
・ステップ6:現在のパラメータ値を最適パラメータ値として出力する。
ここで、図1は本実施形態における最適パラメータ値の計算概念を示す図である。図1において、10はメタヒューリスティク最適化手法により計測値と計算値との誤差の最小化、状態変数(機器特性パラメータ値)とパラメータ規定値との誤差の最小化を目的として、現在の状態変数値を変更する(数式3,4を解く)最適化部、20は最適化部10からの状態変数(機器特性パラメータ値)を用い、機器特性や運用ルール等を考慮して入力された入力エネルギーに対する出力エネルギーを計算し、これを計算値として出力する機器特性式を示す。
(2)機器特性パラメータ値が変化した機器の特定
以下の数式7を計算してf値を求める。
Figure 2006209331
ここで、aref,iは、経験上得られている特性式のパラメータ値、機器の入出力データから得られるパラメータ値、カタログ値から得られるパラメータ値である。
上記数式7により計算したf値が機器ごとに事前の設定値Devjよりも大きい場合、機器特性パラメータ値が変化した機器であると特定する。
(3)機器特性パラメータ値が異常となっている機器の特定
上記(2)で求めた機器特性パラメータ値が変化した機器(複数)を用いて、後述する種々の最適化手法により、パラメータ値が異常となっている機器を特定する。
なお、上記(2)において機器特性パラメータ値が変化した機器がない場合には、前記(1)のパラメータ値の推定処理に戻る。
3.次いで、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定するための第2のアルゴリズムを説明する。
(1)各機器の機器特性パラメータ値の推定
第1のアルゴリズムと同様の方法により、パラメータ値を推定する。
(2)機器特性パラメータ値が変化した機器の特定
以下の数式8を計算してf値を求める。
Figure 2006209331
ここで、aref,iは、経験上得られている特性式のパラメータ値、機器の入出力データから得られるパラメータ値、カタログ値から得られるパラメータ値である。
上記数式7により計算したf値が機器ごとに事前の設定値Devjよりも大きい場合、機器特性パラメータ値が変化した機器であると特定する。
(3)機器特性パラメータ値が異常となっている機器の特定
上記(2)で求めた機器特性パラメータ値が変化した機器(複数)を用いて、以下に述べる種々の最適化手法により、パラメータ値が異常となっている機器を特定する。
なお、上記(2)において機器特性パラメータ値が変化した機器がない場合には、前記(1)のパラメータ値の推定処理に戻る。
4.次に、列挙法を用いて、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法について説明する。
上述した第1及び第2のアルゴリズムにおいて、(3)機器特性パラメータ値が異常となっている機器の特定方法として、最適化手法に列挙法を用いる場合の実施形態を以下に説明する。
この実施形態では、計測値が異常になっている機器に関する機器特性パラメータ値が最も変化している(異常となっている)であろうという仮定から、各機器ごとのパラメータ値を組として、いくつかの機器のパラメータ値を変化前のものに再変更した場合に、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせから昇順に順番を求め、このとき、変化前のパラメータ値に変更した機器の組み合わせを、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として特定する。
(1)状態変数の表現
機器ごとのパラメータ値を組として、対象機器数だけの要素数を持つ配列を用意する。配列の各要素は、対応する番号付けされた対象機器ごとのパラメータ値に対する対処を表現し、1,0のバイナリ値で要素を表現する。ここで、1は修正前の現在のパラメータ値を用いることを表し、0は計算された新しいパラメータ値を用いることを表す。
(2)求解アルゴリズム
・ステップ1:パラメータ値の組み合わせの生成
配列の各要素に対して1または0の要素を生成し、要素の組み合わせからなる配列の値の2NumEquip個(ここで、は対象機器数)の組み合わせを生成し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、パラメータ値の組み合わせを生成する。
・ステップ2:各組み合わせに対する計測補正値の計算
ステップ1で生成したすべての組み合わせについて、例えば先願である特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」に記載された方法により計測補正値を計算する。
なお、上記「ネットワークにおける計測値の精査装置」は、ネットワークを構成する各機器に対して入出力される電気・ガス・水・蒸気等のエネルギーの計測値と計算値との誤差を最小化する目的関数を用い、状態変数としてのネットワークの入出力エネルギーをメタヒューリスティク最適化手法により求めて出力する最適化部と、ネットワークを構成する各機器の機器モデル、機器運用ルール、各機器の接続状態、及び、ネットワークのエネルギーフローに関する線形または非線形で表現される方程式等を内部に有し、前記最適化部から入力される各構成機器の運転・停止状態、または入出力エネルギーのもとで、定常状態のある時間断面におけるネットワーク内の各部の状態量を入力側の機器から末端に向かい逐次計算により求めて計測値に対する計算値として出力する定常ネットワークシミュレータと、を備え、最適化部にネットワークの入出力エネルギーの初期値として現在の計測値を入力し、定常ネットワークシミュレータに現在の入出力エネルギーを入力して計測値に対する計算値を求め、最適化部は、入力された計測値と定常ネットワークシミュレータにより求められた計算値とを用いてメタヒューリスティク最適化手法により入出力エネルギーを求める処理を繰り返し、その回数が事前の設定回数に達した時点で定常ネットワークシミュレータにより求められた現在の計測値に対する計算値を、最も確からしい計測補正値として出力するものであり、最適化部によるメタヒューリスティク最適化手法として、遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法、タブサーチまたはその改良手法、Particle Swarm Optimizationまたはその改良手法の何れかを用いるものである。
・ステップ3:各組み合わせに対して、計算誤差が最も小さい組み合わせの確定
各組み合わせに対する上記ステップ2の計測補正値と計測値との誤差(評価値)が最も小さい(目的関数値が最も小さい)組み合わせから順番に格納する。
・ステップ4:機器特性パラメータ値が異常となっている機器の特定
評価値が最も小さい組み合わせから順番に、変化前のパラメータ値(現在のパラメータ値)に変更した機器の組み合わせをパラメータ値が異常となっている機器として特定し出力する。
5.次に、最適化手法としての遺伝的アルゴリズム(GA)またはその改良手法を用いて、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法について説明する。
この実施形態でも計測値が異常になっている機器に関する機器特性パラメータ値が最も変化している(異常となっている)であろうという仮定から、各機器ごとのパラメータ値を組として、いくつかの機器のパラメータ値を変化前のものに再変更した場合に、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせから昇順に順番を求め、このとき、変化前のパラメータ値に変更した機器の組み合わせを、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として特定する。
ここで、遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法とは、D. E. Goldberg,Genetic Algorithms in Search,Optimization,and Machine Learning,Addison-Wesley,1989の中で述べられているSimple Genetic Algorithm(以下、SGAという)とその改良手法を指す。以下では、このSGAを例として最適パラメータの推定方法を説明する。
(1)状態変数の表現
対象とする機器特性パラメータ値を番号付けする。対象とするパラメータ数だけの遺伝子座をもつ遺伝子を用意する。遺伝子の各遺伝子座は、対応する番号付けされた対象機器ごとのパラメータに対する対処を表現し、1,0のバイナリ値で要素を表現する。ここで、1は修正前の現在のパラメータ値を用いることを表し、0は計算された新しいパラメータ値を用いることを表す。
(2)求解アルゴリズム
・ステップ1:前提条件と初期条件設定
1)各計測値を入力する。
2)ストリング数、交差確率、突然変異確率、最大世代数を設定する。
・ステップ2:初期値の生成
1)各ストリングの遺伝子座について、ランダムにバイナリ値(1,0)を生成する。
2)現在の世代数を1とする。
3)評価値の最良値(Obj[0])を無限大とし、現在の最小値数をOptnum=0とする。ここで、Obj[ ]は最良値を保存する配列である。
・ステップ3:各ストリングの評価と選択
1)ストリングの遺伝子座の1,0値により、各機器ごとに現在のパラメータ値を用いるか修正パラメータを用いるかを指定し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては、状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、前述した特願2004−218788に記載された方法を用いて計測補正値及び計測補正値を利用した時の目的関数(評価関数)値を計算する。
2)上記評価関数値(評価値)の逆数をFitness関数値として、ルーレット・ホイール・セレクションによりストリングの選択を行う。
3)選択されたストリングの評価値のうち、最小値が現在のObj[Optnum]より小さかったら、Optnum=Optnum+1とし、その評価値をObj[Optnum]とする。また、その時の状態変数の値をX[Optnum]とする。
・ステップ4:ストリング操作
ストリング集合に対して、交差確率、突然変異確率を用いて、交差及び突然変異を実行する。
・ステップ5:GAによる探索の終了判定
世代が事前に決定した値に達したらステップ6へ移行し、世代が事前に決定した値に達していない場合には、世代数に1を足してステップ3へ戻る。
・ステップ6:異常となっている機器の特定
X[Optnum]〜X[1]において、この順番で、現在のパラメータ値を利用することとした機器を、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として出力し、終了する。
6.次いで、最適化手法としてのタブサーチまたはその改良手法を用いて、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法について説明する。
この実施形態でも計測値が異常になっている機器に関する機器特性パラメータ値が最も変化している(異常となっている)であろうという仮定から、各機器ごとのパラメータ値を組として、いくつかの機器のパラメータ値を変化前のものに再変更した場合に、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせから昇順に順番を求め、このとき、変化前のパラメータ値に変更した機器の組み合わせを、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として特定する。
その際、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせを求める部分にタブサーチまたはその改良手法を用いる。
ここで、タブサーチまたはその改良手法とはF. Glover,"Tabu Search Part I",ORSA Journal of Computing,Vol. 1,NO. 3,Summer 1989で述べられているタブーサーチ(以下、TSという)とその改良手法のことを指す。以下、このTSを例として、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法を説明する。
(1)状態変数の表現
対象とする機器特性式のパラメータを番号付けする。対象とするパラメータ数だけの要素をもつ配列を用意する。配列の各要素は、対応する番号付けされた対象機器ごとのパラメータに対する対処を表現し、1,0のバイナリ値で要素を表現する。ここで、1は修正前の現在のパラメータ値を用いることを表し、0は計算された新しいパラメータ値を用いることを表す。
(2)求解アルゴリズム
・ステップ1:前提条件と初期条件設定
1)各計測値を入力する。
2)タブー長及び最大探索回数を設定する。
・ステップ2:初期値の生成
1)状態表現の配列の各要素に対して、ランダムにバイナリ値(1,0)を生成する。
2)現在状態をタブーリストに入れる。
3)現在の探索回数を1とする。
4)現在状態の配列要素の1,0値により、各機器ごとに現在のパラメータ値を用いるか修正パラメータ値を用いるかを指定し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては、状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、前述した特願2004−218788に記載された方法を用いて計測補正値及び計測補正値を利用した時の目的関数(評価関数)値を計算する。
5)現在状態に対する評価関数値(評価値)を最良値Objとする。現在の最小値数をOptnum=1とする。ここで、Obj[ ]は最良値を示す配列である。
・ステップ3:隣接状態の生成と次状態の決定
1)現在状態の各配列要素に対して現在値と異なるバイナリ値を生成し、他の要素数を現在値とする配列値を順番に生成し、これを隣接状態とする。
例えば、計測値数が3の場合、配列の要素は3つとなるが、この配列の値が(1,1,0)であった場合、第1要素のみ現在と異なるバイナリ値、第2要素のみ現在と異なるバイナリ値、第3要素のみ現在と異なるバイナリ値をそれぞれ個別に作成し、隣接状態を作成するため、隣接状態は、(0,1,0),(1,0,0),(1,1,1)の三つとなる。この方法では、隣接状態は必ず対象とする機器の数だけ生成される。
2)隣接状態の各状態の配列要素の1,0値により、各機器ごとに現在のパラメータ値を用いるか修正パラメータ値を用いるかを指定し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては、状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、前述した特願2004−218788に記載された方法を用いて計測補正値及び計測補正値を利用した時の目的関数(評価関数)値を計算する。
3)各隣接状態の中で、タブーでない最も評価が良いものを次状態とする。次状態の評価値が現在のObj[Optnum]より小さかったら、Optnum=Optnum+1とし、その評価値をObj[Optnum]とする。また、その時の状態変数の値をX[Optnum]とする。
4)現在状態を次状態とする。
・ステップ4:タブサーチによる終了判定
探索回数が事前に設定した値に達したら、次のステップ5へ移行し、探索回数が事前に設定した値に達しない場合には、現在の探索回数に1を足してステップ3へ戻る。
・ステップ5::異常となっている機器の特定
X[Optnum]〜X[1]において、この順番で、現在のパラメータ値を利用することとした機器を、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として出力し、終了する。
7.次に、最適化手法としてのParticle Swarm Optimizationまたはその改良手法を用いて、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法について説明する。
この実施形態でも計測値が異常になっている機器に関する機器特性パラメータ値が最も変化している(異常となっている)であろうという仮定から、各機器ごとのパラメータ値を組として、いくつかの機器のパラメータ値を変化前のものに再変更した場合に、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせから昇順に順番を求め、このとき、変化前のパラメータ値に変更した機器の組み合わせを、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として特定する。
その際、計測値と計算値とが最も合うようになる組み合わせを求める部分にParticle Swarm Optimizationまたはその改良手法を用いる。
ここで、Particle Swarm Optimization(以下、PSOという)またはその改良手法とは、J. Kennedy and R. Eberhart,Swarm Intelligence,Morgan Kaufmann Publishers,2001で解説されているように、Eberhart氏らにより開発された群れ理論を基にしたParticle Swarm OptimizationのGbestモデル、Lbestモデル、あるいは、Angeline氏により開発されたHybrid Particle Swarm OptimizationなどのParticle Swarm Optimizationの様々なバリエーションを含む手法を指す。以下、バイナリモデル及びHybrid PSOを例として、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法を説明する。
A.バイナリモデル
(1)始めに、PSO研究の背景について述べる。
例えば、魚の群れや鳥の群れなどの自然界の生物の群れの動きは、簡単なルールで記述できることがわかってきている。つまり、個体(エージェント)の動きを簡単なルールで記述しても、群れの複雑な動きを記述することが可能である。
Reynoldsが開発したboid(Reynolds,C. W. ,"Flocks,Herds,and Schools: A Distributed Behavioral Model in Computer Graphics",Proceedings of SIGGRAPH '87,pp. 25-34,1987.)は、以下の3つの簡単なルールのみを利用している。
1)隣接するエージェントから離れようとする方向へ進む。
2)群れ全体の向かっている方向に進む。
3)群れの中心に向かって進む。
つまり、群れの中の個々のエージェントの動きは、簡単なベクトルの合成で考えることができる。
BoydとRichersonは人間の意思決定のプロセスを調査し、個人の学習と文化の伝達の概念を開発した(R. Boyd and P. Richerson,Culture and the Evolutionary Process,University of Chicago Press,1985.)。彼らの研究によると、人間は意思決定において、2つの重要な情報を利用している。1つ目は、自分自身の経験である。つまり、自分自身でこれまで選択してきたことから、どのような状況が良かったか、その状況がどの程度良かったかについて知っている。2つ目は、他の人々の経験である。つまり、他の人々がどのように行動してどのような結果になったかということを知っている。このような2つの情報、つまり、自分の経験及び他人の経験上、良かった状況に関する情報を用いて人間は意志決定を行っている。
以上のように、群れの個体が簡単なベクトルを用いて動いていること、及び、人間の意志決定が自分の経験及び他人の経験上、良かった状況に関する情報を用いて行われているという2つの観点が、新しい最適化手法であるPSOの背景となっている。
(2)gbestモデルを用いるPSOの探索方法
gbestモデルを用いるPSOは、上述の観点から以下のように開発された。各エージェントの位置(状態量)をXY座標で表現し、その速度をv(X方向の速度)、v(Y方向の速度)で表現する。この位置と速度情報から次時点の各エージェントの位置を更新することができる。この概念に基づき、鳥の群れ全体が何らかの目的関数を最適化するような行動をとると考えると、以下のような最適化が考えられる。
いま、複数のエージェントが共同して良い解を見つける探索を考える。この時、各エージェントは、過去の探索における目的関数の最良値(パーソナルベスト:pbest)とそのXY位置(状態量)を覚えている。このpbestは、BoydとRichersonらの示した個人の経験に対応している。また、各エージェントはpbestのうち集団の中で最も最良なもの、つまり集団の過去の探索における目的関数の最良値(グループベスト:gbest)情報を共有している。
このgbestは、BoydとRichersonらの示した他人の経験に対応している。各エージェントは、現在のXY値とvx,vy値、及びpestとgbestとの距離に応じてその方向に位置を変更しようとする。この変更しようとする行動は速度で表現される。現在の速度と、pbest及びgbestを用いて、各エージェントの速度は以下の数式9により修正される。
Figure 2006209331
つまり、最適化を実現する複雑な探索の方向は、Boydと同様にベクトルの合成で表現できる。また、数式9の右辺第2項は、pbestに収束する方向となっており、第3項は、同様にgbestに収束する方向となっている。つまり、この探索方向は、個人の経験と他人の経験を融合した方向となっている。また、数式9による探索方向の算出により、PSOはこれまでの速度を維持しようとする大域探索(数式9の右辺第1項)と、pbest,gbestを用いてそれに近づこうとする局所探索(数式9の右辺第2,3項)とをバランスよく行う機構をもった探索手法である。
上記の数式9を用いることにより、各エージェントのこれまでの最良解及び集団の最良解に確率的に近づくような速度が求められ、これにより各エージェントの現在の位置(探索点)を以下の数式10により修正する。
[数10]
k+1=s +v k+1
上述した探索点の修正の概念を図2に示す。この図2において、エージェントの現在の探索点s(速度vorig)が、pbestに基づく速度vpbest及びgbestに基づく速度vgbest により、数式9,10に従って新たな探索点sk+1に修正される。
PSOはGA等と同様に複数の探索点を持った多点探索であり、各探索点のpbestと集団のgbestを用いて各探索点を確率的に変更していくことにより、大域最適解(最良解)を得る方法である。また、PSOは各ステップで目的関数値を評価する必要があるが、評価の回数は問題の規模によらずエージェント数のみで良いというメリットがある。従って、容易に大規模問題への適用が可能である。
図3に、多次元空間におけるPSOによる解探索の概念を示す。この図は、n次元の問題をm個のエージェントにより探索する場合を示している。
(3)PSOのパラメータ
PSOにおいて重要なパラメータは、試行回数、エージェント数、反復回数、数式9の各重み係数である。これらは全て設定値として変更可能とする。
1)試行回数
PSOは確率的な最適化手法であるため、通常1回の最適化のみでなく乱数の種(seed)を変更して複数回の最適化を行い、その結果の中から最も良い解を最適解とする。その最適化を実行する回数を試行回数とする。
2)エージェント数と反復回数
エージェント数は、何点の同時探索を行うかの数値である。反復回数は、各探索点(エージェント)が何回位置を更新して探索を行うかの数値である。つまり、PSOのアルゴリズムでは、各エージェントの目的関数値は反復回数分評価される。従って、1回の最適化試行に対して、目的関数値の評価に必要な計算時間×エージェント数×反復回数の計算時間が必要となる。この計算時間を考慮しながら、これらのパラメータを決定する必要がある。
3)重み係数(数式9におけるw,c1,c2
重み係数w,c1,c2は、経験的に以下の数式11,12のように設定すると良いことが経験的に分かっている。
Figure 2006209331
[数12]
=c=2.0
ここで、wmax=0.9, wmin=0.4,kmax:最大反復回数,k:現在の反復回数である。
数式11によって決定される重みwは、図4に示すように、探索が進む(反復回数が増える)に従って小さくなることが分かる。これは、数式9において重みwのかかる項は上述のように大域探索に相当する項であり、探索の開始時点では大域探索への比重を比較的大きくしておき、探索が進むに従ってその比重を小さくする、つまり局所探索の比重を大きくするような特性となっているためである。
(4)PSOによる最適化アルゴリズム
一回の最適化試行におけるアルゴリズムの概略を、図5に示す。
すなわち、エージェント数に応じた複数の初期状態をランダムに生成し(S1)、各エージェントに対する目的関数値を数式7によって計算する(S2)。
次に、各エージェントの探索過程で目的関数を評価し、最良解が得られた状態をpbestとして保存する(S3)。その後、すべてのエージェントのpbestを比較し、最良解が得られたものをgbestとして保存する(S4)。
次いで、最大反復数に達したか否かを判断し、達した場合には現時点のgbest(最良解が得られたエージェント)の状態を最適解として出力する(S5yes,S7)。
また、最大反復数に達していない場合には、数式9,10により制約条件を満たす範囲で各エージェントの速度を計算し、探索点を移動してステップS2に戻る(S5no,S6)。
(5)バイナリPSO
状態変数が1,0で表現された場合のバイナリPSOは、エバーハート等によって開発された(J. Kennedy and R. Eberhart,"A discrete binary version of the particle swarm optimization algorithm",Proc. of the 1997 conference on Systems,Man and Cybernetics (SMC'97),pp.4104-4109,1997.)。
gbestモデルは、連続変数を用いた非線形最適化問題に対して開発された。
しかし、現実の多くの問題は組合せ最適化問題として定式化できる。エバーハート等はエージェントのイエスかノーか、正しいか正しくないか、あるいは他の意思決定を行う確率Pが個人と社会要因との関数で表現される数式13のようなモデルを提案した。
[数13]
P(s k+1=1)=f(s ,v ,pbest,gbest)
つまり、オリジナルなPSOで利用されているもの(状態、速度、pbest,gbest)で、次の状態が1になる確率を関数表現できるとした。また、エージェントにおける1つあるいは他の決定の傾向であるパラメータvは、確率値のしきい値を決定する。もし、vが大きかったらエージェントはより1を選択し、小さかったら0を選択する。そのようなしきい値は、[0,1]の範囲で決定される。このような特性を実現するための1つの関数は、数式14に示すシグモイド関数である。このシグモイド関数は、ニューラルネットワークの出力関数の非線形な特性を表現するためにも利用されている。
Figure 2006209331
あるエージェントの傾向は、そのエージェントのそのグループの成功のために修正されなければならない。このため、それぞれの速度の式は、エージェントの現在状態と、そのエージェント及びグループのそれまで最も評価が高かった状態との差の関数となる。つまり、オリジナルの連続量に対するPSOのように、バイナリPSOは、以下の数式15,16のように記述できる。
Figure 2006209331
Figure 2006209331
結果的には、前述した数式9,10の代わりに数式15,16を用いることが異なるだけで、後はオリジナルのPSOと同様のアルゴリズムを利用することができる。速度vとしては、sig(vik)が0または1に急激に近くならないように最大値を決定する必要がある。
つまり、速度は常に1から0、あるいは0から1に変更する可能性があるようにする必要がある。この速度の最大値は、事前に決定する必要があるが、例えば[-4.0,+4.0]に設定される。
B.バイナリモデルモデルを用いて機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法
(1)状態変数
対象とする機器の機器特性パラメータ値を番号付けする。対象機器数だけの要素をもつ配列でエージェントの状態を表現する。配列の各要素は対応する番号付けされた対象機器ごとのパラメータに対する対処を表現し、1,0のバイナリ値で要素を表現する。ここで、1は修正前の現在のパラメータ値を用いることを表し、0は計算された新しいパラメータ値を用いることを表す。
(2)求解アルゴリズム
・ステップ1:前提条件と初期条件設定
1)各計測値を入力する。
2)エージェント数、各最適化パラメータ値、最大探索回数を設定する。
・ステップ2:初期値の生成
1)各エージェントの状態表現の配列の各要素に対して、ランダムにバイナリ値(1,0)を設定する。
2)pbest及びgbestの初期設定
各エージェント毎のpbest値及びgbest[0]値を、事前に設定した大きな値とする。また、gbestnum=0とする。
・ステップ3:各エージェントの評価
1)各エージェント毎の評価値の計算
現在状態の配列要素の1,0値により、各機器ごとに、現在のパラメータ値を用いるか修正された新たなパラメータ値を用いるかを指定し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては、状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、前述した特願2004−218788に記載された方法を用いて計測補正値及び計測補正値を利用した時の目的関数(評価関数)値を計算する。
2)pbest値及びgbest値の更新
上記1)で計算した各エージェント毎の評価値が現在の各エージェント毎のpbest値より良かったら、現在の値をpbest値に変更する。
また、上記で計算したpbest値のうちの最良値が現在のgbest[gbestnum]より良かったら、gbestnum=gbestnum+1とし、その値をgbest[gbestnum]に格納する。
・ステップ4:各エージェントの探索点の修正
各エージェントごとに、状態変数値を数式15,16を用いて修正する。
・ステップ5:PSOによる探索の終了条件のチェック
探索回数が、入力した最大探索回数に達したら終了し、ステップ6へ移行する。
探索回数が最大探索回数に達しない場合は、ステップ3へ戻る。
・ステップ6:異常となっている機器の特定
gbest[gbestnum]〜gbest[1]において、この順番で、現在のパラメータ値を利用することとした機器を、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として出力し、終了する。
C.Hybrid PSO(HPSO)
HPSOは、PSOのメカニズムとGA等で利用される自然淘汰の概念を組み合わせたハイブリッド手法である(P. Angeline,"Using Selection to Improve Particle Swarm Optimization",Proc. of IEEE International Conference on Evolutionary Computation (ICEC),Anchorage,May 1998.)。
メタヒューリスティック手法(MH手法)の多くは、自然淘汰に対応する選択の概念を入れている。選択は、探索空間の中で、他の探索点が最近探索した点と比較して相対的に有効である探索点に探索方向を向け直す機能となる。PSOもそれまでの探索で有効であった探索点(pbest,gbest)を利用しているが、その点自体にかなり依存してそれ以降の探索点が限定されてしまう。
これに対し、HPSOは、通常のMH手法と同様に有効な点は利用するが、その点への依存が徐々に薄らいでいくような機能を実現している。具体的には、現状の探索点の評価値を良い順番に並べ、事前に設定した割合分だけ、現状の探索点に対し評価値の最も悪いエージェントの探索点と速度から順番に、評価値の最も良いエージェントの値にリプレイスする。
この際、各エージェントのこれまで探索してきた最も評価が良い探索点(pbest)の情報は残す。このような方法により、有効な領域への探索の集中とこれまで探索してきた有効な領域への探索の方向の向け直し及びその方向への弱い依存関係という機能を実現することができる。
HPSOの一般的なアルゴリズムは、図6のようになる。
すなわち、エージェント数に応じた複数の初期状態をランダムに生成し(S11)、各エージェントに対する目的関数値を数式7によって計算する(S12)。
次に、各エージェントの探索過程で目的関数を評価し、最良解が得られた状態をpbestとして保存する(S13)。その後、すべてのエージェントのpbestを比較し、最良解が得られたものをgbestとして保存する(S14)。
更に、評価の悪いエージェントの探索点及び速度を、評価の良いエージェントの探索点及び速度に変更することにより、HPSOの主要部である選択を実行する(S15)。
次いで、最大反復数に達したか否かを判断し、達した場合には現時点のgbest(最良解が得られたエージェント)の状態を最適解として出力する(S16yes,S18)。
また、最大反復数に達していない場合には、数式15,16により制約条件を満たす範囲で各エージェントの速度を計算し、探索点を移動してステップS2に戻る(S16no,S17)。
このアルゴリズムにより、HPSOはPSOとMH手法の選択のダイナミクスの混合となる。HPSOと従来のPSOのメカニズムとしての差は少ないが、この選択手法を加えることによって、評価の高い領域を集中的に探索するメカニズムが追加され、より良い解を見つけることができる探索メカニズムとなる。
D.HPSOを用いて機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する方法
定式化及び状態変数の取り方は、前節のPSOを用いた方法と同様である。HPSOを用いた求解アルゴリズムは以下のようになる。
・ステップ1:データの入力
1)各計測値を入力する。
2)エージェント数、各最適化パラメータ値、最大探索回数を設定する。
・ステップ2:初期値の生成
1)各エージェントの状態表現の配列の各要素に対して、ランダムにバイナリ値(1,0)を設定する。
2)pbest及びgbestの初期設定
各エージェント毎のpbest値及びgbest[0]値を、事前に設定した大きな値とする。また、gbestnum=0とする。
・ステップ3:各エージェントの評価
1)各エージェント毎の評価値の計算
現在状態の配列要素の1,0値により、各機器ごとに、現在のパラメータ値を用いるか修正された新たなパラメータ値を用いるかを指定し、その指定のもとで、現在のパラメータ値を用いるものについては、状態変数となるパラメータ値を現在のパラメータ値に固定し、前述した特願2004−218788に記載された方法を用いて計測補正値及び計測補正値を利用した時の目的関数(評価関数)値を計算する。
2)pbest値及びgbest値の更新
上記1)で計算した各エージェント毎の評価値が現在の各エージェント毎のpbest値より良かったら、現在の値をpbest値に変更する。
また、上記で計算したpbest値のうちの最良値が現在のgbest[gbestnum]より良かったら、gbestnum=gbestnum+1とし、その値をgbest[gbestnum]に格納する。
・ステップ4:選択の実行
1)現在の各エージェントの評価値を良い順番にソーティングする。
2)事前に設定した割合(Sr)を用いて、変更する個体数(Ns)を以下の式により計算する。
[数17]
Ns=Round(Agentnum×Sr)
3)最も評価の悪いエージェントからNs個だけの探索点及び速度を、最も評価の良いエージェントからNs個だけの探索点及び速度と変更する。この際、変更したエージェントのpbest情報はそのままとする。
・ステップ5:各エージェントの探索点の修正
1)各エージェント毎に、状態変数値を数式15,16を用いて修正する。
・ステップ6:PSOによる探索の終了条件のチェック
探索回数が、入力した最大探索回数に達したら終了し、ステップ6へ移行する。
探索回数が最大探索回数に達しない場合は、ステップ3へ戻る。
・ステップ7:異常となっている機器の特定
gbest[gbestnum]〜gbest[1]において、この順番で、現在のパラメータ値を利用することとした機器を、機器特性パラメータ値が異常となっている機器として出力し、終了する。
8.計測値が異常になっている計測器の特定方法
次に、上述した種々の方法により機器特性パラメータ値が異常となっている機器に対し、この機器に関連する計測器を選択し、選択した計測器のうち計測値が異常となっている計測器を特定する。
具体的には、前述した特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」の請求項5に示す如く、ネットワークを構成する各機器に対して入出力される電気・ガス・水・蒸気等のエネルギーの計測値の状態から正常値及び異常値を指定し、正常値として指定されたエネルギーの計測値のみを対象として計測値と計算値との誤差を最小化する目的関数と、前記計測値が正常である場合の事象確率を考慮した目的関数とを総合した全体目的関数を用い、この全体目的関数による評価値が最も小さい事象において異常値として指定した計測値を計測異常値として出力する方法により、計測値が異常となっている計測器を特定する。ここで、正常値及び異常値の指定、並びに全体目的関数を用いた評価による計測異常値の出力には、列挙法や遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法、タブサーチまたはその改良手法、Particle Swarm Optimizationまたはその改良手法が用いられる。
また、計測値が異常となっている計測器を特定する際に、付随的に求められる計測補正値を出力する。
そのアルゴリズムは以下の通りである。
・ステップ1
前述した方法により、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する。
・ステップ2
特定された機器に関連する計測器の計測値だけを対象として、上述した特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」に記載された方法により、計測値が異常となっている計測器を特定する。
・ステップ3:計測値が異常となっている計測器、及びその計測値に対して、ステップ2の過程で求められた最も確からしい計測補正値を出力する。
9.以下に、請求項7に係る機器・計測器診断装置について図7を参照しつつ説明する。
この機器・計測器診断装置は、同時性を確保した計測値が入力されると共に、請求項1〜6の何れかにより機器特性パラメータ値が異常となっている機器及び計測値が異常となっている計測器を特定する情報出力装置100と、機器特性パラメータ値、その機器(機器名)、計測値が異常となっている計測器(計測器名)、及び、計測補正値を画面に表示出力する表示装置200とから構成されている。
図7において、情報出力装置100には、ネットワーク中に設置された各計測器から同期の取れた計測値が入力される。この同期の取り方には、例えばGPSなどを利用し、事前に決定した周期(例えば10分単位)で計測値と同時に時間タグを付けた計測データを装置に入力し、装置側でもGPSに合わせた計測時間を持ち、各計測機器の計測データのうち、この装置側の計測時間に一番近いデータをその時点での計測値とする方法が考えられる。
また、この方法はGPSを用いるのではなく、各計測器をネットワークで接続し、NTPサーバなどによって絶対時間の同期をとり、この絶対的な計測時間の時間タグと計測値とを装置に入力し、同じ計測時間の計測値を同期のとれた計測値としてみる方法も考えられる。
このようにして入力された計測値群は加工装置110に入力され、加工装置110では、事前に設定した周期毎の計測値の平均値を求め、同じ期間の計測値群を特定装置120に送る(図7のa)。ここで、特定装置120は、前述した最適なパラメータの計算装置121、及び、機器特性式または定常ネットワークシミュレータ122により構成されている。
特定装置120では、入力された計測値群を用いて、事前に設定された周期毎に、請求項1〜5の何れかにより機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する。その際、パラメータ値が異常とならなかった場合には、パラメータ値保存データベース130に各パラメータ値を保存する(図7のb)。また、機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する際には、前記データベース130から現在の機器特性パラメータ値を入力する(図7のc)。
パラメータ値が異常であると特定された機器情報は、計測値が異常な計測器の特定装置140に送られ(図7のd)、特定装置140は、上記機器情報に基づいて計測値が異常な計測器を特定する。この際、付随的に、異常な計測値に対する最も確からしい計測値が計算により求められる(計測補正値)。
機器・計測器情報生成装置150は、特定装置140から入力されたデータに基づいて異常となっている機器特性パラメータ値、その機器(機器名)、計測値が異常となっている計測器(計測器名)、及び、計測補正値のデータを生成し(図7のe)、これらを表示装置200により画面に表示出力させる。
次に、本発明の実施例について述べる。
1.計算条件
図8に、本実施例が適用されるコジェネレーションシステムを示す。図において、301はガスタービン、302はボイラ、303はスチームタービン、304は熱負荷、305は電気負荷であり、データの計測点としては10個の計測点m〜m10を仮定している。
(1)機器モデル
1)ガスタービン301
ここでは、排熱ボイラも含めてガスタービン301としてモデル化しており、ガスタービン301は、燃料を入力することにより、電気と蒸気を出力するモデルとなっている。ガスタービン301の入出力関係は数式18,19に示す通りであり、入出力量は数式20,21に示すように各々線形形式で表現されているとする。
[数18]
=f(x
[数19]
=f(x
[数20]
=a+b
[数21]
=a+b
ここで、x:ガスタービンへの燃料入力量
:ガスタービンの電気出力量
:ガスタービンの蒸気出力量
,b,a,b:ガスタービンの機器特性パラメータ
2)スチームタービン303
スチームタービン303は、蒸気を入力することにより電気と熱(蒸気または温水)を出力するモデルとなっている。スチームタービン303の入出力関係は数式22,23に示す通りであり、入出力量は数式24,25に示すように各々線形形式で表現されているとする。
[数22]
=f(x
[数23]
=f(x
[数24]
=a+b
[数25]
=a+b
ここで、x:スチームタービンへの蒸気入力量(=y
:スチームタービンの電気出力量
:スチームタービンの熱出力量
,b,a,b:スチームタービンの機器特性パラメータ
3)ボイラ302
ボイラ302は、燃料を入力することにより、熱(蒸気または温水)を出力するモデルとなっている。ボイラ302の入出力関係は数式26に示す通りであり、入出力量は数式27に示すように線形形式で表現されているとする。
[数26]
=f(x
[数27]
=a+b
ここで、x:ボイラへの燃料入力量
:スチームタービンの熱出力量
,b:ボイラの機器特性パラメータ
4)電気合計出力量(電気負荷305)
電気合計出力量は、数式28に示すように、ガスタービン301及びスチームタービン303で発生した電気出力合計値となる。
[数28]
=f(y,y,y)=y+y+y
ここで、y:電気購入分
:電気合計出力量
5)熱合計出力量(熱負荷304)
熱合計出力量は、スチームタービン303及びボイラ302で出力された熱であり、数式29で表される。
[数29]
=f(y,y)=y+y
ここで、y:熱合計出力量
上記実施例では、a〜a,b〜bが、機器特性パラメータ値が異常になっているかどうかを判定するパラメータとなる。また、パラメータ値が異常になっているかどうかを判定する対象機器は、ガスタービン301、スチームタービン303及びボイラ302となる。
なお、ここでは簡略化のため、冷却塔、復水器、冷凍機等の機器は無視している。
(2)定常ネットワークシミュレータ
定常ネットワークシミュレータでは、ガスタービン301への燃料入力量xによって、ガスタービン301及びスチームタービン303からの電気出力量y,yが得られ、これらと電気購入量yとを合計して電気負荷305に対する電気合計出力量yを得る状態を模擬する。また、スチームタービン303からの熱出力量yとボイラ302からの熱出力量yとを合計して熱負荷304に対する熱合計出力量yを得る状態を模擬する。
この例題では、全て線形モデルになっているため、収束計算は必要なく、以下のようなステップで入力から出力を得ることができる。
・ステップ1:ガスタービン301への燃料入力量xと数式20,21から、ガスタービン出力量y,yを計算する。
・ステップ2:ステップ1で計算したガスタービン出力量yと数式24,25より、スチームタービン出力量y,yを計算する。
・ステップ3:ボイラ302への燃料入力量xと数式27から、ボイラ出力量yを計算する。
・ステップ4:ステップ1,2で得られたガスタービンの電気出力量y、スチームタービンの電気出力量y、電気購入量y、及び数式28を用いて、電気合計出力量yを計算する。
・ステップ5:ステップ2で得られたスチームタービンの熱出力量yとステップ3で得られたボイラの熱出力量yと数式29から、熱合計出力量yを計算する。
(3)計測点及び計測値、計算値
図10の計測点m〜m10における計測値をm1meas〜m10measとし、mimeasはi番目の計測値を意味するものとする。また、各計測点m〜m10における計算値をm1calc〜m10calcとし、micalcはi番目の計算値を意味するものとする。
各計測値は、数式30〜39のように計算することができる。
[数30]
1calc=x
[数31]
2calc=x
[数32]
3calc=y
[数33]
4calc=y
[数34]
5calc=y
[数35]
6calc=y
[数36]
7calc=y
[数37]
8calc=y
[数38]
9calc=y
[数39]
10calc=y
2.計算の実行
A.機器特性パラメータ値が異常になっている機器の特定方法
上述した計算条件を用い、請求項1〜5の発明によって機器特性パラメータ値が異常になっている機器を特定することができる。ここでは、例として前述した請求項1の実施形態における方式2と請求項2にかかる列挙法を用いた場合について説明する。
事前に決定したサイクルごとに最適パラメータ値を計算し、前述した数式8を用いて特性式のパラメータ値が変化したかどうかを判定する。この際、パラメータ値が変化したと判定された場合には、ガスタービン、スチームタービン、ボイラについてパラメータ値の組合せを作成する。この組合せは以下のようになる。
(組合せ1):(ガスタービン)
(組合せ2):(スチームタービン)
(組合せ3):(ボイラ)
(組合せ4):(ガスタービン、スチームタービン)
(組合せ5):(ガスタービン、ボイラ)
(組合せ6):(スチームタービン、ボイラ)
(組合せ7):(ガスタービン、スチームタービン、ボイラ)
機器特性パラメータ値が変化したと判定された場合、機器特性パラメータ値には新しい計算値が得られている。上記の各組合せに対して、その対象機器の現在のパラメータ値を図7のパラメータ値保存データベース130から入力し、その対象機器のみに対して、パラメータ値を、現在得られている新しい計算値から上記現在のパラメータ値に変更する。例えば、上記組合せ1に対しては、ガスタービンのパラメータ値のみを、データベース130から入力した現在のパラメータ値に変更する。
このようにして得られた各組合せに対するガスタービン、スチームタービン、ボイラのパラメータ値群を利用して、前述した特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」に記載された方法により、計測補正値を求める。この中で、目的関数、つまり、計測値と計算値との誤差を最も小さくする組合せから順番に並べ、この組合せの順番に従って、対象機器を機器特性パラメータ値が異常となっている確率が高い機器として特定する。例えば、このような組合せの上位3つが
(組合せ1):(ガスタービン)
(組合せ4):(ガスタービン、スチームタービン)
(組合せ5):(ガスタービン、ボイラ)
であった場合、以下の順番で機器特性パラメータ値が異常となっている機器が特定される。
(1)ガスタービン
(2)ガスタービンとスチームタービン
(3)ガスタービンとボイラ
B.計測値が異常となっている計測器の特定
例えば、パラメータ値が異常となっている機器がガスタービン(組合せ1)であると特定されたとする。このガスタービンに関連する計測値は、m,m,mである。
従って、上記特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」の請求項5以下の方法により計測値が異常である計測器を求める際に、対象となる計測器をこの3つの計測値に対応する計測器のみとする。ここでは、上記特願2004−218788「ネットワークにおける計測値の精査装置」の請求項6に記載された列挙法を用いた方法を利用した場合について説明する。
まず、計測値と計算値との誤差を最小化する対象から除く計測値の組合せを生成する。
この組合せは、以下のようになる。
(組合せ1):(m
(組合せ2):(m
(組合せ3):(m
(組合せ4):(m,m
(組合せ5):(m,m
(組合せ6):(m,m
(組合せ7):(m,m,m
これらの組合せに対して、計測値と計算値との誤差を最小化する計測補正値の計算を実施し、最も誤差が小さくなる場合から順番に並べる。例えば、最も誤差が小さくなるものが組合せ1である場合、mに対応する計測器を、計測値が異常となっている確率が最も高い計測器として特定する。また、その計測器の計測値に対し、最も確からしい計測値を同時に出力する。
以上の計算結果を、表示装置200の画面に例えば以下のように表示出力する。
「・機器特性パラメータ値が異常な機器は、以下の順番に確率が高い。
(1)ボイラ
(2)ガスタービン
(3)スチームタービン
・計測値が異常となっている計測器は、以下の順番に確率が高い。
(1)ボイラの計測値m1に対する○○。最も確からしい計測値は××。
(2)ボイラの計測値m4に対する△△。最も確からしい計測値は●●。」
上記のような表示を見た運転員は、まずボイラ302の計測器及びそれに付随する通信設備などを点検し、次にガスタービン301について点検するというCondition-based Maintenance (CBM)を実現することができる。
また、最も確からしい計測補正値を運用操作及び運用制御に用いることにより、対象プラントの運転を持続することが可能となる。
本発明の実施形態における最適パラメータの計算概念を示す図である。 PSOにおける探索点の修正の概念を示す図である。 PSOにおける解探索の概念を示す図である。 数式11における重み係数の説明図である。 PSOの1回の最適化試行におけるアルゴリズムの概略を示す図である。 HPSOのアルゴリズムの概略を示す図である。 本発明の実施形態における機器・計測器診断装置の構成図である。 本発明の実施例が適用されるコジェネレーションシステムを示す図である。
符号の説明
10:最適化部
20:機器特性式
100:情報出力装置
110:計測情報の加工装置
120:機器特性パラメータ値が異常な機器の特定装置
121:最適化部
122:機器特性式または定常ネットワークシミュレータ
130:パラメータ値保存データベース
140:計測値が異常な計測器の特定装置
150:機器・計測器情報生成装置
200:表示装置
301:ガスタービン
302:ボイラ
303:スチームタービン
304:熱負荷
305:電気負荷

Claims (7)

  1. ネットワークを構成する各機器に対して入出力される電気・ガス・水・蒸気等のエネルギーの計測値と計算値との誤差、及び、各機器特性パラメータ値の規定値からの誤差を最小化する目的関数を用い、状態変数としての各機器特性パラメータ値を最適化手法により求めて出力する最適化部と、
    ネットワークを構成する各機器の機器モデル、機器運用ルール等を内部に有し、前記最適化部から入力される各機器特性パラメータ値のもとで、機器の入力エネルギーに対する出力エネルギーを求めて計測値に対する計算値として出力する機器特性式、または、ネットワークを構成する各機器の機器モデル、機器運用ルール、各機器の接続状態、及び、ネットワークのエネルギーフローに関する方程式等を内部に有し、前記最適化部から入力される各機器特性パラメータ値のもとで、定常状態のある時間断面におけるネットワーク内の各部の状態量を求めて計測値に対する計算値として出力する定常ネットワークシミュレータと、を備え、
    最適化部に対象機器の入出力エネルギーの初期値として現在の計測値を入力すると共に、機器特性パラメータ値の規定値を入力し、機器特性式または定常ネットワークシミュレータに現在の機器特性パラメータ値を入力して計測値に対する計算値を求め、
    最適化部は、入力された計測値と機器特性式または定常ネットワークシミュレータにより求められた計算値とを用いて最適化手法により全ての機器の機器特性パラメータ値を求める処理を繰り返し、その回数が事前の設定回数に達した時点のパラメータ値を各機器特性式の最適パラメータ値として出力し、
    更に、最適パラメータ値と規定値との偏差及び所定の重み係数に基づいて計算した値を設定値と比較して機器特性パラメータ値が変化した機器群を求め、これらの機器群に関連する計測器の計測値が異常である場合に、上記機器群の中から、最適化手法を用いて機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定することを特徴とするネットワーク上の機器診断装置。
  2. 請求項1に記載した機器診断装置において、
    機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、列挙法を用いることを特徴とする機器診断装置。
  3. 請求項1に記載した機器診断装置において、
    機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、遺伝的アルゴリズムまたはその改良手法を用いることを特徴とする機器診断装置。
  4. 請求項1に記載した機器診断装置において、
    機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、タブサーチまたはその改良手法を用いることを特徴とする機器診断装置。
  5. 請求項1に記載した機器診断装置において、
    機器特性パラメータ値が異常となっている機器を特定する最適化手法として、Particle Swarm Optimizationまたはその改良手法を用いることを特徴とする機器診断装置。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載した機器診断装置により特定された機器に関連する計測器を対象として、計測値が異常となっている計測器を最適化手法を用いて特定することを特徴とするネットワーク上の計測器診断装置。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載した機器診断装置により特定された機器に関する情報と、請求項6に記載した計測器診断装置により計測値が異常であると特定された計測器に関する情報と、異常な計測値に対して最も確からしいと推定される計測補正値と、を画面に表示出力させることを特徴とするネットワーク上の機器診断装置及び計測器診断装置。
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