JP2006231992A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】乗り心地と操縦安定性との両方に優れる空気入りタイヤの提供
【解決手段】農業機械用タイヤのトレッド4は、ラグ14を備えている。ラグ14は、キャップ部24とベース部26とからなる。ベース部26は、第一ベース層28及び第二ベース層30からなる。第一ベース層28の硬度は、キャップ部24の硬度よりも小さい。この第一ベース層28は、ラグ14のパターンに起因する振動を吸収する。第二ベース層30の硬度は、第一ベース層28の硬度よりも大きい。キャップ部24が摩滅して第一ベース層28が露出したときでも、硬質な第二ベース層30の存在により、ラグ14の過剰な変形が抑制される。キャップ部24の硬度Hcは、55以上65以下が好ましい。第一ベース層28の硬度H1は、40以上50以下が好ましい。第二ベース層30の硬度H2は、55以上80以下が好ましい。
【選択図】図3

Description

本発明は、トラクタ等の農業機械に主として装着される空気入りタイヤに関する。
トラクタには、牽引力及び排土性の観点から、ラグ付きのタイヤが用いられている。ラグは、タイヤ赤道近傍からトレッド端に向かって、斜めに延びている。トレッドには、左側のラグと右側のラグとが、回転方向において交互に配置されている。隣接するラグ同士の間には、ギャップが存在する。ギャップの深さは、乗用車タイヤの溝の深さに比べて大きい。ギャップの幅は、乗用車タイヤの溝の幅に比べて大きい。トラクタの走行時には、ラグ及びギャップに起因する振動が発生する。
タイヤの回転に伴い、タイヤと地面との接地箇所は、一方のラグに沿って赤道からトレッド端に向かって移行する。トレッド端に至った接地箇所は、他方のラグの赤道へと移行し、さらにこの他方のラグに沿って赤道からトレッド端に向かって移行する。走行時には、このような接地箇所の移行が繰り返される。この移行は、非連続的である。この移行によっても、トラクタに振動が発生する。
農地間の移動のときには、トラクタはアスファルト舗装された一般道を走行する。この一般道の走行では、振動が特に顕著である。振動は、トラクタの乗り心地を阻害する。トラクタが高性能化しつつある近年、その乗り心地に対する要求が高まりつつある。
ラグとラグとの間にブロック状の突起が設けられることで振動が低減されたタイヤが、提案されている。このブロックは、排土性に悪影響を与える。ブロックはまた、タイヤの質量を高める。
一方のラグと他方のラグとの間のラップ量が大きく設定されることで振動が低減されたタイヤが、提案されている。この手法では、振動低減は十分ではない。
特開2004−182043公報には、硬質な外層と軟質な内層とを有するラグを備えた農業機械用タイヤが開示されている。このタイヤでは、内層が振動を吸収する。このタイヤは、乗り心地に優れる。
特開2004−182043公報
軟質な内層を備えたタイヤにおいて外層が摩滅すると、内層が露出する。この内層は、接地面を形成する。内層が露出したタイヤでは、操縦安定性が不十分である。乗り心地と操縦安定性とに優れたタイヤは、未だ得られていない。同様の問題は、多数のブロックを備えたタイヤにおいても見られる。
本発明の目的は、乗り心地と操縦安定性との両方に優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、架橋ゴムからなるトレッドを備える。このトレッドは、赤道近傍からトレッド端近傍まで延びる多数のラグを備える。このラグは、接地面を形成するキャップ部と、このキャップ部の半径方向内側に位置するベース部とを備える。このベース部は、第一ベース層と、この第一ベース層の半径方向内側に位置する第二ベース層とを備える。第一ベース層の硬度は、キャップ部の硬度及び第二ベース層の硬度よりも小さい。
好ましくは、キャップ部の硬度は55以上65以下であり、第一ベース層の硬度は40以上50以下であり、第二ベース層の硬度は55以上80以下である。さらに好ましくは、第二ベース層の硬度は70以上80以下である。
本発明の1つの実施形態では、第一ベース層は、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面と、この上面から垂下する側面とを備える。第二ベース層は、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面と、この上面から垂下する側面とを備える。第一ベース層の上面と第二ベース層の上面とは実質的に平行であり、第一ベース層の側面と第二ベース層の側面とは実質的に平行である。
本発明の他の実施形態では、ベース部及び第二ベース層は上向きに凸な断面形状を有する。第二ベース層の断面形状は、ベース部の断面形状と実質的に相似である。ベース部は、トレッド端寄りに位置する。ラグが、トレッド端寄りに位置する一方のベース部と赤道近傍に位置する他方のベース部とを備えてもよい。
本発明に係る他の空気入りタイヤは、架橋ゴムからなるトレッドを備える。このトレッドは、赤道近傍に位置するブロックと、トレッド端近傍に位置するブロックと、これらのブロックの間に位置するブロックとを備える。赤道近傍に位置するブロック及びトレッド端近傍に位置するブロックは、接地面を形成するキャップ部と、このキャップ部の半径方向内側に位置するベース部とを備える。このベース部は、第一ベース層と、この第一ベース層の半径方向内側に位置する第二ベース層とを備える。第一ベース層の硬度は、キャップ部の硬度及び第二ベース層の硬度よりも小さい。
な空気入りタイヤ。
好ましくは、キャップ部の硬度は55以上65以下であり、第一ベース層の硬度は40以上50以下であり、第二ベース層の硬度は55以上80以下である。
本発明に係る空気入りタイヤでは、軟質な第一ベース層が振動を吸収する。このタイヤは、乗り心地に優れる。このタイヤでは、キャップ部が摩滅して第一ベース層が露出した後も、硬質な第二ベース層により、優れた操縦安定性が発揮される。このタイヤでは、乗り心地と操縦安定性とが両立される。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された展開図である。このタイヤ2は、農業機械(典型的にはトラクタ)に装着される。この図1において、左右方向がタイヤ2の軸方向である。この図1において矢印Aで示されているのは、タイヤ2の回転方向である。図1中の一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道を表す。
図2は、図1のII−II線に沿った拡大断面図である。この図2において上下方向は、タイヤ2の半径方向である。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10及びベルト12を備えている。図示されていないが、このタイヤ2はチューブを備えている。このチューブに、空気が充填される。
トレッド4は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、多数のラグ14を備えている。ラグ14は、半径方向外向きに突出している。図1から明らかなように、ラグ14は赤道近傍からトレッド端Teまで、斜めに延びている。ラグ14は、タイヤ2の左側及び右側に配置されている。左側のラグ14と右側のラグ14とは、回転方向において交互に配置されている。タイヤ2の回転に伴い、タイヤ2と地面との接地箇所は、左側のラグ14に沿って赤道から左側のトレッド端Teに向かって移行する。トレッド端Teに至った接地箇所は、右側のラグ14の赤道へと移行し、この右側のラグ14に沿って赤道から右側のトレッド端Teに向かって移行する。トレッド端Teに至った接地箇所は、さらに左側のラグ14の赤道へと移行する。回転中は、左側のラグ14から右側のラグ14への接地箇所の移行、及び右側のラグ14から左側のラグ14への接地箇所の移行が繰り返される。左側のラグ14から右側のラグ14への接地箇所の移行、及び右側のラグ14から左側のラグ14への接地箇所の移行は、非連続的である。
サイドウォール6は、トレッド端Teから半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6から半径方向略内向きに延びている。ビード8は、コア16と、このコア16から半径方向外向きに延びるエイペックス18とを備えている。コア16はリング状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス18は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、第一プライ20及び第一プライ22からなる。第一プライ20及び第一プライ22は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。第一プライ20及び第一プライ22は、コア16の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。
図示されていないが、第一プライ20及び第一プライ22は、カーカスコードとトッピングゴムとからなる。カーカスコードが赤道に対してなす角度の絶対値は、通常は45°から65°である。換言すれば、このタイヤ2はバイアスタイヤ2である。カーカスコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。図示されていないが、ベルト12は、ベルトコードとトッピングゴムとからなる。ベルトコードの好ましい材質は、ナイロン繊維である。ベルトコードに、他の有機繊維が用いられてもよい。
図3は、図2のタイヤ2のトレッド4の一部が示された拡大断面図である。この図3には、ラグ14が示されている。ラグ14は、キャップ部24とベース部26とからなる。キャップ部24は、ラグ14の表面に露出している。キャップ部24は、接地面を形成する。ベース部26は、キャップ部24の半径方向内側に位置する。ベース部26は、第一ベース層28及び第二ベース層30からなる。第二ベース層30は、第一ベース層28の半径方向内側に位置する。このラグ14では、第二ベース層30、第一ベース層28及びキャップ部24が順次積層されている。
第一ベース層28は、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面32と、この上面32の軸方向外側端から垂下する側面34とを備えている。第二ベース層30は、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面36と、この上面36の軸方向外側端から垂下する側面38とを備えている。第一ベース層28の上面32と第二ベース層30の上面36とは、平行である。第一ベース層28の側面34と第二ベース層30の側面38とは、平行である。従って、キャップ部24と第一ベース層28と境界線と、第一ベース層28と第二ベース層30との境界線とは、ほぼ一定の間隔を隔てて延在している。
第一ベース層28の硬度は、キャップ部24の硬度よりも小さい。この第一ベース層28は、ラグ14のパターンに起因する振動を吸収する。第一ベース層28は、タイヤ2の乗り心地に寄与する。第二ベース層30の硬度は、第一ベース層28の硬度よりも大きい。好ましくは、第二ベース層30の硬度は、キャップ部24の硬度と同一か、またはキャップ部24の硬度よりも大きい。キャップ部24が摩滅して第一ベース層28が露出したときでも、硬質な第二ベース層30の存在により、ラグ14の過剰な変形が抑制される。第二ベース層30は、タイヤ2の操縦安定性に寄与する。
キャップ部24の硬度Hcは、55以上65以下が好ましい。硬度Hcが55以上に設定されることにより、キャップ部24の摩耗が抑制される。この観点から、硬度Hcは57以上がより好ましい。硬度Hcが65以下に設定されることにより、タイヤ2の振動が抑制される。この観点から、硬度Hcは63以下がより好ましい。
第一ベース層28の硬度H1は、40以上50以下が好ましい。硬度H1が40以上に設定されることにより、ラグ14の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H1は42以上がより好ましい。硬度H1が50以下に設定されることにより、タイヤ2の振動が抑制される。この観点から、硬度H1は48以下がより好ましい。
第二ベース層30の硬度H2は、55以上80以下が好ましい。硬度H2が55以上に設定されることにより、ラグ14の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H2は65以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度H2が80以下に設定されることにより、タイヤ2の振動が抑制される。この観点から、硬度H2は78以下がより好ましい。
耐摩耗性と振動抑制との観点から、キャップ部24の硬度Hcと第一ベース層28の硬度H1との差(Hc−H1)は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。振動抑制と操縦安定性との観点から、第二ベース層30の硬度H2と第一ベース層28の硬度H1との差(H2−H1)は10以上が好ましく、20以上がより好ましい。
本発明では、硬度は「JIS K6253」に規定されたタイプAのデュロメータによって測定される。測定のための試験片は、タイヤ2から切り出される。厚みが1.0mmである3枚の試験片が重ねられて、硬度が測定される。
適切な基材ポリマーが選定されることにより、キャップ部24、第一ベース層28及び第二ベース層30の硬度が上記範囲に設定されうる。架橋剤及び架橋助剤の適切な量が設定されることにより、キャップ部24、第一ベース層28及び第二ベース層30の硬度が上記範囲に設定されうる。さらに、充填剤の適切な量が設定されることにより、キャップ部24、第一ベース層28及び第二ベース層30の硬度が上記範囲に設定されうる。
図3において、両矢印Wtで示されているのはトレッド4の半分の幅であり、両矢印W1で示されているのは赤道から第一ベース層28の軸方向外側端までの幅であり、両矢印W2で示されているのは赤道から第二ベース層30の軸方向外側端までの幅である。乗り心地と操縦安定性との観点から、幅W1は幅Wtの0.8倍以上0.9倍以下が好ましく、幅W2は幅Wtの0.7倍以上0.8倍以下が好ましい。
図4は、図3のタイヤ2の一部が示された断面図である。この図4において、両矢印TLで示されているのはラグ14の最大厚みであり、両矢印Tbで示されているのはベース部26の最大厚みであり、両矢印T2で示されているのは第二ベース層30の最大厚みである。乗り心地と操縦安定性との観点から、厚みTbは厚みTLの0.6倍以上0.8倍以下が好ましく、厚みT2は厚みTLの0.4倍以上0.5倍以下が好ましい。
タイヤの各部材の寸法及び角度は、タイヤが正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤに空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤには荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤが依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤが依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。
図5は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤ40の一部が示された断面図である。図5には、トレッド42が示されている。図示されていないが、このタイヤ40も図1から図4に示されたタイヤ2と同等のサイドウォール6、ビード8、カーカス10及びベルト12を備えている。
このタイヤ40のラグ44は、キャップ部46とベース部48とを備えている。ベース部48は、トレッド端Te寄りに位置している。ベース部48の断面形状は、略三角形でありかつ上向きに凸である。ベース部48は、第一ベース層50及び第二ベース層52を備えている。第二ベース層52の断面形状は、略三角形でありかつ上向きに凸である。第二ベース層52の断面形状は、ベース部48の断面形状と実質的に相似である。従って、キャップ部46と第一ベース層50と境界線と、第一ベース層50と第二ベース層52との境界線とは、ほぼ一定の間隔を隔てて延在している。
第一ベース層50の硬度は、キャップ部46の硬度よりも小さい。この第一ベース層50は、ラグ44のパターンに起因する振動を吸収する。第一ベース層50は、タイヤ40の乗り心地に寄与する。このタイヤ40では、接地圧が最も大きい箇所であるトレッド端Teの近傍に第一ベース層50が設けられているので、振動が効果的に吸収される。第二ベース層52の硬度は、第一ベース層50の硬度よりも大きい。好ましくは、第二ベース層52の硬度は、キャップ部46の硬度と同一か、またはキャップ部46の硬度よりも大きい。キャップ部46が摩滅して第一ベース層50が露出したときでも、硬質な第二ベース層52の存在により、ラグ44の過剰な変形が抑制される。第二ベース層52は、タイヤ40の操縦安定性に寄与する。
キャップ部46の硬度Hcは、55以上65以下が好ましい。硬度Hcが55以上に設定されることにより、キャップ部46の摩耗が抑制される。この観点から、硬度Hcは57以上がより好ましい。硬度Hcが65以下に設定されることにより、タイヤ40の振動が抑制される。この観点から、硬度Hcは63以下がより好ましい。
第一ベース層50の硬度H1は、40以上50以下が好ましい。硬度H1が40以上に設定されることにより、ラグ44の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H1は42以上がより好ましい。硬度H1が50以下に設定されることにより、タイヤ40の振動が抑制される。この観点から、硬度H1は48以下がより好ましい。
第二ベース層52の硬度H2は、55以上80以下が好ましい。硬度H2が55以上に設定されることにより、ラグ44の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H2は65以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度H2が80以下に設定されることにより、タイヤ40の振動が抑制される。この観点から、硬度H2は78以下がより好ましい。
耐摩耗性と振動抑制との観点から、キャップ部46の硬度Hcと第一ベース層50の硬度H1との差(Hc−H1)は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。振動抑制と操縦安定性との観点から、第二ベース層52の硬度H2と第一ベース層50の硬度H1との差(H2−H1)は10以上が好ましく、20以上がより好ましい。
図5において、両矢印Wtで示されているのはトレッド42の半分の幅であり、両矢印W1で示されているのは第一ベース層50の軸方向幅であり、両矢印W2で示されているのは第二ベース層52の軸方向幅である。乗り心地と操縦安定性との観点から、幅W1は幅Wtの0.6倍以上0.8倍以下が好ましく、幅W2は幅Wtの0.3倍以上0.5倍以下が好ましい。
図6は、図5のタイヤ40の一部が示された断面図である。この図6において、両矢印TLで示されているのはラグ44の最大厚みであり、両矢印Tbで示されているのはベース部48の最大厚みであり、両矢印T2で示されているのは第二ベース層52の最大厚みである。乗り心地と操縦安定性との観点から、厚みTbは厚みTLの0.6倍以上0.8倍以下が好ましく、厚みT2は厚みTLの0.3倍以上0.5倍以下が好ましい。
図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る空気入りタイヤ54の一部が示された断面図である。図7には、トレッド56が示されている。図示されていないが、このタイヤ54も図1から図4に示されたタイヤ2と同等のサイドウォール6、ビード8、カーカス10及びベルト12を備えている。
このタイヤ54のラグ58は、キャップ部60と、トレッド端Te寄りのベース部62と、赤道近傍に位置するベース部64とを備えている。トレッド端Te寄りのベース部64の形状、構造、材質及び寸法は、図5及び図6に示されたベース部48と同一である。このベース部64は、第一ベース層66と第二ベース層68とを備えている。
赤道近傍に位置するベース部64の断面形状は、略三角形でありかつ上向きに凸である。このベース部64は、第一ベース層70及び第二ベース層72を備えている。第二ベース層72の断面形状は、略三角形でありかつ上向きに凸である。第二ベース層72の断面形状は、ベース部64の断面形状と実質的に相似である。従って、キャップ部60と第一ベース層70と境界線と、第一ベース層70と第二ベース層72との境界線とは、ほぼ一定の間隔を隔てて延在している。
第一ベース層66、70の硬度は、キャップ部60の硬度よりも小さい。この第一ベース層66、70は、ラグ58のパターンに起因する振動を吸収する。第一ベース層66、70は、タイヤ54の乗り心地に寄与する。このタイヤ54では、接地圧が大きい箇所であるトレッド端Teの近傍及び赤道の近傍に第一ベース層66、70が設けられているので、振動が効果的に吸収される。第二ベース層68、72の硬度は、第一ベース層66、70の硬度よりも大きい。好ましくは、第二ベース層68、72の硬度は、キャップ部60の硬度と同一か、またはキャップ部60の硬度よりも大きい。キャップ部60が摩滅して第一ベース層66、70が露出したときでも、硬質な第二ベース層68、72の存在により、ラグ58の過剰な変形が抑制される。第二ベース層68、72は、タイヤ54の操縦安定性に寄与する。
キャップ部60の硬度Hcは、55以上65以下が好ましい。硬度Hcが55以上に設定されることにより、キャップ部60の摩耗が抑制される。この観点から、硬度Hcは57以上がより好ましい。硬度Hcが65以下に設定されることにより、タイヤ54の振動が抑制される。この観点から、硬度Hcは63以下がより好ましい。
第一ベース層66、70の硬度H1は、40以上50以下が好ましい。硬度H1が40以上に設定されることにより、ラグ58の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H1は42以上がより好ましい。硬度H1が50以下に設定されることにより、タイヤ54の振動が抑制される。この観点から、硬度H1は48以下がより好ましい。
第二ベース層68、72の硬度H2は、55以上80以下が好ましい。硬度H2が55以上に設定されることにより、ラグ58の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H2は65以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度H2が80以下に設定されることにより、タイヤ54の振動が抑制される。この観点から、硬度H2は78以下がより好ましい。
耐摩耗性と振動抑制との観点から、キャップ部60の硬度Hcと第一ベース層66、70の硬度H1との差(Hc−H1)は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。振動抑制と操縦安定性との観点から、第二ベース層68、72の硬度H2と第一ベース層66、70の硬度H1との差(H2−H1)は10以上が好ましく、20以上がより好ましい。
図7において、両矢印Wtで示されているのはトレッドの半分の幅であり、両矢印W1で示されているのは赤道近傍の第一ベース層70の軸方向幅であり、両矢印W2で示されているのは赤道近傍の第二ベース層72の軸方向幅である。乗り心地と操縦安定性との観点から、幅W1は幅Wtの0.1倍以上0.2倍以下が好ましく、幅W2は幅Wtの0.05倍以上0.10倍以下が好ましい。
図8は、図7のタイヤ54の一部が示された断面図である。この図8には、赤道近傍のベース部64が示されている。この図8において、両矢印TLで示されているのは赤道におけるラグ58の厚みであり、両矢印Tbで示されているのはベース部64の最大厚みであり、両矢印T2で示されているのは第二ベース層72の最大厚みである。乗り心地と操縦安定性との観点から、厚みTbは厚みTLの0.5倍以上0.7倍以下が好ましく、厚みT2は厚みTLの0.3倍以上0.4倍以下が好ましい。
図9は本発明のさらに他の実施形態に係る空気入りタイヤ74の一部が示された展開図であり、図10はその一部が示された拡大断面図である。図示されていないが、このタイヤ74も図1から図4に示されたタイヤ2と同等のサイドウォール6、ビード8、カーカス10及びベルト12を備えている。
このタイヤ74のトレッド76は、多数のセンターブロック78、中間ブロック80及びショルダーブロック82を備えている。センターブロック78は、赤道上に位置している。ショルダーブロック82は、トレッド端Te寄りに位置している。中間ブロック80は、センターブロック78とショルダーブロック82との間に位置している。
センターブロック78は、キャップ部84とベース部86とからなる。キャップ部84は、センターブロック78の表面に露出している。キャップ部84は、接地面を形成する。ベース部86は、キャップ部84の半径方向内側に位置する。ベース部86は、第一ベース層88及び第二ベース層90からなる。第二ベース層90は、第一ベース層88の半径方向内側に位置する。このセンターブロック78では、第二ベース層90、第一ベース層88及びキャップ部84が順次積層されている。
中間ブロック80は、単一層からなる。中間ブロック80は、センターブロック78のキャップ部84と同一のゴム組成物からなる。
ショルダーブロック82は、キャップ部92とベース部94とからなる。キャップ部92は、ショルダーブロック82の表面に露出している。キャップ部92は、接地面を形成する。ベース部94は、キャップ部92の半径方向内側に位置する。ベース部94は、第一ベース層96及び第二ベース層98からなる。第二ベース層98は、第一ベース層96の半径方向内側に位置する。このショルダーブロック82では、第二ベース層98、第一ベース層96及びキャップ部94が順次積層されている。
第一ベース層88、96の硬度は、小さい。この第一ベース層88、96は、ブロック78、82のパターンに起因する振動を吸収する。第一ベース層88、96は、タイヤ74の乗り心地に寄与する。このタイヤ74では、接地圧が大きい箇所であるトレッド端Teの近傍及び赤道の近傍に第一ベース層88、96が設けられているので、振動が効果的に吸収される。第二ベース層90、98の硬度は、第一ベース層88、96の硬度よりも大きい。好ましくは、第二ベース層90、98の硬度は、キャップ部84、92の硬度と同一か、またはキャップ部84、92の硬度よりも大きい。キャップ部84、92が摩滅して第一ベース層88、96が露出したときでも、硬質な第二ベース層90、98の存在により、ブロック78、82の過剰な変形が抑制される。第二ベース層90、98は、タイヤ74の操縦安定性に寄与する。
キャップ部84、92の硬度Hcは、55以上65以下が好ましい。硬度Hcが55以上に設定されることにより、キャップ部84、92の摩耗が抑制される。この観点から、硬度Hcは57以上がより好ましい。硬度Hcが65以下に設定されることにより、タイヤ74の振動が抑制される。この観点から、硬度Hcは63以下がより好ましい。
第一ベース層88、96の硬度H1は、40以上50以下が好ましい。硬度H1が40以上に設定されることにより、ブロック78、82の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H1は42以上がより好ましい。硬度H1が50以下に設定されることにより、タイヤ74の振動が抑制される。この観点から、硬度H1は48以下がより好ましい。
第二ベース層90、98の硬度H2は、55以上80以下が好ましい。硬度H2が55以上に設定されることにより、ブロック78、82の過剰の変形が抑制される。この観点から、硬度H2は65以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。硬度H2が80以下に設定されることにより、タイヤ74の振動が抑制される。この観点から、硬度H2は78以下がより好ましい。
耐摩耗性と振動抑制との観点から、キャップ部84、92の硬度Hcと第一ベース層88、96の硬度H1との差(Hc−H1)は5以上が好ましく、10以上がより好ましい。振動抑制と操縦安定性との観点から、第二ベース層90、98の硬度H2と第一ベース層88、96の硬度H1との差(H2−H1)は10以上が好ましく、20以上がより好ましい。
図11(a)は図10のタイヤ74のセンターブロック78が示された断面図であり、図11(b)はこのタイヤ74のショルダーブロック82が示された断面図である。この図11(a)において、両矢印TLeで示されているのはセンターブロック78の最大厚みであり、両矢印Tbeで示されているのはセンターブロック78のベース部86の最大厚みであり、両矢印T2eで示されているのはセンターブロック78の第二ベース層90の最大厚みである。乗り心地と操縦安定性との観点から、厚みTbeは厚みTLeの0.5倍以上0.7倍以下が好ましく、厚みT2eは厚みTLeの0.3倍以上0.7倍以下が好ましい。
図11(b)において、両矢印TLsで示されているのはショルダーブロック82の最大厚みであり、両矢印Tbsで示されているのはショルダーブロック82のベース部94の最大厚みであり、両矢印T2sで示されているのはショルダーブロック82の第二ベース層98の最大厚みである。乗り心地と操縦安定性との観点から、厚みTbsは厚みTLsの0.6倍以上0.8倍以下が好ましく、厚みT2sは厚みTLsの0.3倍以上0.5倍以下が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1 ラグパターンを有するタイヤ]
[実施例1]
図3に示されたラグを備えた農業トラクタ用タイヤを得た。このタイヤのサイズは、「13.6−24」である。このタイヤのラグは、その硬度が60であるキャップ部と、その硬度が45である第一ベース層と、その硬度が70である第二ベース層とを備えている。
[実施例3から5]
第二ベース層の硬度を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例3から5のタイヤを得た。
[実施例2及び6]
第一ベース層の硬度を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2及び6のタイヤを得た。
[実施例7及び8]
ラグの構造を図5に示された通りとし、キャップ部、第一ベース層及び第二ベース層のの硬度を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7及び8のタイヤを得た。
[実施例9及び10]
ラグの構造を図7に示された通りとし、キャップ部、第一ベース層及び第二ベース層のの硬度を下記の表2に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例7及び8のタイヤを得た。
[比較例1]
その硬度が60であるキャップ部と、その硬度が45であるベース部とからラグを構成した他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。このタイヤのラグが、図12に示されている。
[比較例2]
硬度が60であるゴムのみからラグを構成した他は実施例1と同様にして、比較例2のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを「24×W11」のリムに組み込み、内圧が100kPaとなるようにタイヤに空気を充填した。このタイヤを農業トラクタの駆動輪に装着した。このトラクタでアスファルト舗装された道路を走行し、乗り心地を評価した。さらに、このトラクタで農地を走行し、トラクション性能を評価した。比較例2の評価値が100とされたときの指数が、下記の表1及び表2に示されている。
Figure 2006231992
Figure 2006231992
表1及び表2に示されるように、実施例のタイヤは乗り心地に優れる。しかも、実施例のタイヤは、十分なトラクション性能を発揮する。
[実験2 ブロックパターンを有するタイヤ]
[実施例11]
図10に示されたブロックを備えた農業トラクタ用タイヤを得た。このタイヤのサイズは、「24×13.00−12」である。このタイヤのセンターブロック及びショルダーブロックは、その硬度が60であるキャップ部と、その硬度が45である第一ベース層と、その硬度が70である第二ベース層とを備えている。
[実施例13から15]
第二ベース層の硬度を下記の表3に示される通りとした他は実施例11と同様にして、実施例13から15のタイヤを得た。
[実施例12及び16]
第一ベース層の硬度を下記の表3に示される通りとした他は実施例11と同様にして、実施例12及び16のタイヤを得た。
[比較例3]
その硬度が60であるキャップ部と、その硬度が45であるベース部とからセンターブロック及びショルダーブロックを構成した他は実施例11と同様にして、比較例3のタイヤを得た。
[比較例4]
硬度が60であるゴムのみからブロックを構成した他は実施例11と同様にして、比較例4のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを「10.50JA」のリムに組み込み、内圧が120kPaとなるようにタイヤに空気を充填した。このタイヤを農業トラクタの駆動輪に装着した。このトラクタでアスファルト舗装された道路を走行し、乗り心地を評価した。さらに、このトラクタで農地を走行し、トラクション性能を評価した。比較例4の評価値が100とされたときの指数が、下記の表3に示されている。
Figure 2006231992
表3に示されるように、実施例のタイヤは乗り心地に優れる。しかも、実施例のタイヤは、十分なトラクション性能を発揮する。以上の評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係る空気入りタイヤは、種々の車両に装着されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された展開図である。 図2は、図1のII−II線に沿った拡大断面図である。 図3は、図2のタイヤのトレッドの一部が示された拡大断面図である。 図4は、図3のタイヤの一部が示された断面図である。 図5は、本発明の他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図6は、図5のタイヤの一部が示された断面図である。 図7は、本発明のさらに他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図8は、図7のタイヤの一部が示された断面図である。 図9は、本発明のさらに他の実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された展開図である。 図10は、図9のタイヤの一部が示された拡大断面図である。 図11(a)は図10のタイヤのセンターブロックが示された断面図であり、図11(b)はこのタイヤのショルダーブロックが示された断面図である。 図12は、比較例1のタイヤの一部が示された断面図である。
符号の説明
2、40、54、74・・・タイヤ
4、42、56、76・・・トレッド
14、44、58・・・ラグ
24、46、60、84、92・・・キャップ部
26、48、62、64、86、94・・・ベース部
28、50、66、70、88、96・・・第一ベース層
30、52、68、72、90、98・・・第二ベース層
78・・・センターブロック
80・・・中間ブロック
82・・・ショルダーブロック

Claims (9)

  1. 架橋ゴムからなるトレッドを備えており、
    このトレッドが、赤道近傍からトレッド端近傍まで延びる多数のラグを備えており、
    このラグが、接地面を形成するキャップ部と、このキャップ部の半径方向内側に位置するベース部とを備えており、
    このベース部が、第一ベース層と、この第一ベース層の半径方向内側に位置する第二ベース層とを備えており、
    第一ベース層の硬度が、キャップ部の硬度及び第二ベース層の硬度よりも小さな空気入りタイヤ。
  2. 上記キャップ部の硬度が55以上65以下であり、第一ベース層の硬度が40以上50以下であり、第二ベース層の硬度が55以上80以下である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記第二ベース層の硬度が70以上80以下である請求項2に記載のタイヤ。
  4. 上記第一ベース層が、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面と、この上面から垂下する側面とを備えており、
    上記第二ベース層が、赤道近傍から軸方向外側に向かって延びる上面と、この上面から垂下する側面とを備えており、
    第一ベース層の上面と第二ベース層の上面とが実質的に平行であり、第一ベース層の側面と第二ベース層の側面とが実質的に平行である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記ベース部及び第二ベース層が上向きに凸な断面形状を有しており、第二ベース層の断面形状がベース部の断面形状と実質的に相似である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  6. 上記ベース部が、トレッド端寄りに位置している請求項5に記載のタイヤ。
  7. 上記ラグが、トレッド端寄りに位置する一方のベース部と赤道近傍に位置する他方のベース部とを備えている請求項5に記載のタイヤ。
  8. 架橋ゴムからなるトレッドを備えており、
    このトレッドが、赤道近傍に位置するブロックと、トレッド端近傍に位置するブロックと、これらのブロックの間に位置するブロックとを備えており、
    赤道近傍に位置するブロック及びトレッド端近傍に位置するブロックが、接地面を形成するキャップ部と、このキャップ部の半径方向内側に位置するベース部とを備えており、
    このベース部が、第一ベース層と、この第一ベース層の半径方向内側に位置する第二ベース層とを備えており、
    第一ベース層の硬度が、キャップ部の硬度及び第二ベース層の硬度よりも小さな空気入りタイヤ。
  9. 上記キャップ部の硬度が55以上65以下であり、第一ベース層の硬度が40以上50以下であり、第二ベース層の硬度が55以上80以下である請求項8に記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022104244A (ja) * 2020-12-28 2022-07-08 Toyo Tire株式会社 非空気圧タイヤ

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